JP2620580B2 - 電子管用陰極 - Google Patents

電子管用陰極

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、TV用ブラウン管などに用いられる電子管
用陰極に関するもので、特に電子放射性物質層の改良に
関するものである。
[従来の技術] 第2図は従来のTV用ブラウン管や撮像管に用いられて
いる陰極を示す断面図である。
同図において、(1)はシリコン(Si)、マグネシウ
ム(Mg)などの還元性元素を微量含む主成分がニツケル
からなる有底筒状の基体金属、(2)はこの基体金属の
底部上面に被着され、少なくともバリウム(Ba)を含
み、他にストロンチウム(Sr)、またはカルシウム(C
a)を含むアルカリ土類金属酸化物(11)からなる電子
放射物質層、(3)は上記基体金属(1)内に配設され
たヒータ(3)で、加熱により上記電子放射物質層
(2)から熱電子を放出させるためのものである。
以上のように構成された電子管用陰極において、基体
金属(1)への電子放射物質層(2)の被着は次の要領
で行なわれる。
まず、アルカリ土類金属(Ba,Sr,Ca)の炭酸塩からな
る懸濁液を基体金属(1)に塗布し、真空排気工程中に
ヒータ(3)によって加熱する。このとき、アルカリ土
類金属の炭酸塩はアルカリ土類金属の酸化物に変わる。
その後、アルカリ土類金属の酸化物の一部を還元して半
導体的性質を有するように活性化を行なうことにより、
基体金属(1)上に、アルカリ土類金属の酸化物からな
る電子放射物質層(2)が被着される。
この活性化工程において、アルカリ土類金属の酸化物
の一部は次のように反応する。
すなわち、基体金属(1)中に含有されたシリコン,
マグネシウム等の還元性元素は、拡散によりアルカリ土
類金属の酸化物と基体金属(1)の界面に移動し、アル
カリ土類金属酸化物と反応する。例えば、アルカリ土類
酸化物として酸化バリウム(BaO)であれば次式
(1),(2)のように反応する。
BaO+1/2Si=Ba+1/2SiO2 …(1) BaO+Mg=Ba+MgO …(2) この反応の結果、基体金属(1)上に被着形成された
アルカリ土類金属酸化物の一部が還元され、酸素欠乏型
の半導体となり、陰極温度700〜800℃の動作温度で0.5
〜0.8A/cm2の電子放射が得られる。
しかしながら、このようにして製作された電子管用陰
極は、電子放射が0.5〜0.8A/cm2以上の電流密度は取り
出せない。ただし、この電流密度は実質のカソード面積
を考慮した値である。このように、所定値以上の電流密
度を取り出せない理由としては、アルカリ土類金属酸化
物の一部を還元反応させた場合、上記(1),(2)式
から明らかなように、基体金属(1)と、アルカリ土類
金属酸化物層との界面に、SiO2,MgOあるいはBaO・SiO2
なる複合酸化物層(中間層)が形成され、この中間層が
高抵抗層となつて電流の流れを妨げることと、基体金属
(1)中の還元元素が電子放射物質層(2)の表面側へ
拡散するのを上記中間層が妨げることにより十分なバリ
ウム(Ba)が生成されないことが考えられる。
また、従来の他の電子管用陰極として、特開昭59−20
941号公報に開示されているように、上記した第2図の
ものと同様の構成をしたものが記載されており、陰極の
速動性を得るために、基体金属(1)の板厚を薄くし、
寿命中の還元剤の涸濁を防止し、かつ基体金属(1)の
強度低下を防止する目的で、基体金属(1)にランタン
がLaNi5及びLa2O3の形で分散含有させたものが示されて
いる。
[発明が解決しようとする問題点] 従来の電子管用陰極は上記のように構成されているの
で、動作中に基体金属(1)と電子放射物質層(2)の
界面近傍、特に基体金属(1)の表面近傍のニツケル結
晶粒界と、上記界面より10μm程度電子放射物質層
(2)の内側の位置に上記の中間層が偏析するため、電
流の流れ及び電子放射物質層(2)表面側への還元性元
素の拡散が妨げられ、高電流密度下の十分な電子放出特
性が得られないという問題があつた。
この発明は、上記の問題点を解決するためになされた
もので、初期のエミツシヨン特性を向上させるととも
に、高電流密度動作時に基体金属と、電子放射物質層と
の界面近傍に、電流の流れを妨げる複合酸化物からなる
中間層が生成されることを防止し、しかも長時間にわた
つて安定したエミツシヨン特性を維持し、さらに生産性
・信頼性の高い電子管用陰極を提供することを目的とす
る。
[問題点を解決するための手段] この発明にかかる電子管陰極は、基体金属の面上に、
共同沈澱させたバリウム塩と、23〜45モル%の希土類金
属塩との混合塩からなる電子放射物質層を被着形成させ
たものである。
[作用] この発明によれば、電子放射物質層として、共同沈澱
させたバリウム塩と、23〜45モル%の希土類金属塩との
混合塩を基体金属の面上に被着形成するようにしたの
で、従来のように基体金属と、電子放射物質層との界面
近傍、基体金属中の還元元素が電子放射物質層の表面側
へ拡散するのを妨げる複合酸化物からなる中間層が形成
されることがないばかりでなく、初期エミツシヨン特性
の向上と、長時間にわたる安定したエミツシヨン特性が
得られる。
[発明の実施例] 以下、この発明の一実施例を図面にもとづいて説明す
る。
第1図はこの発明の一実施例を示す断面図で、同図に
おいて、第2図で示す従来のものと同一または相当部分
には、同一の符号を付して、その詳細な説明は省略す
る。
第1図において、(20)は上記基体金属(1)の面上
に被着された電子放射物質層で、55〜73モル%のバリウ
ム塩(Ba)と、23〜45モル%のスカンジウム塩(Sc)
(希土類金属塩)を炭酸塩として共同沈澱させてなる混
合塩(12)を主成分としている。
つぎに、この発明による上記電子放射物質層(12)の
被着形成工程について、一実施例に基づき説明する。
まず、60モル%のバリウム硝酸塩と、40モル%のスカ
ンジウム硝酸塩を混水に溶解させたあと、これに所定量
の炭酸ナトリウムを添加して、バリウム硝酸塩と、スカ
ンジウム硝酸塩を共同沈澱させて、両者の混合比が3:2
の共沈混合塩(12)を作る。ついで、このようにして得
られた混合炭酸塩、すなわち共沈混合塩粉末(12)に、
ニトロセルローズラツカーと、酢酸ブチルとを混合して
生成された懸濁液を、基体金属(1)上にスプレー法に
より約80ミクロンの厚さに塗布し、従来と同じ条件で排
気・加熱工程、および活性化工程を経て電子管用陰極を
製作した。
このようにして製作した陰極を使用して2極真空管を
作成して試験したところ、従来のものと比較して高電流
密度で使用できることが確認された。
つぎに、第3図は、この発明による電子管用陰極(2
0)と、アルカリ土類を含有する従来(第2図)の電子
管用陰極(2)の相対電流密度(A/cm2)と、6000時間
動作後の初期エミツシヨン電流比(%)との関係につい
ての実験結果を示す特性図で、この第3図によつて明ら
かなように、バリウム塩(Ba)と、スカンジウム塩(S
c)を炭酸塩として共同沈澱させてなる混合塩(12)を
主成分とするこの発明の電子管用陰極(20)が、従来の
アルカリ土類金属酸化物からなる電子管陰極(2)と比
較して、高電流密度下におけるエミツシヨン特性の向上
が確認できた。
また、第4図は、スカンジウム含有量(モル%)と、
初期エミツシヨン電流比(%)との関係についての実験
結果を示す特性図で、この実験は段階的なスカンジウム
の含有量(0〜50モル%)とした複数種類のスカンジウ
ム塩と、バリウム塩との共沈混合塩粉末からなる電子放
射物質層(20)を被着形成した複数種類の電子管用陰極
を製作し、スカンジウムの含有量(モル%)がそれぞれ
相違する各電子管陰極の初期エミツシヨン電流比(スカ
ンジウムを含有しない電子放射物質の初期エミツシヨン
電流比を100%とした)を測定したものである。この第
4図中、(2)はアルカリ土類金属酸化物からなる従来
の電子放射物質層の初期エミツシヨン電流比を示すもの
で、この第4図によつて明らかなように、スカンジウム
の含有量を23〜45モル%の範囲内にすれば電子管用陰極
として初期のエミツシヨン特性が向上することが確認さ
れた。
なお、上述した一実施例においては、電子放射物質層
として、共同沈澱させたバリウム塩と、スカンジウム塩
から得られた炭酸塩について述べたが炭酸塩のほかに、
酸塩など、他のバリウム塩とスカンジウム塩の共同沈
澱であれば同様の効果が得られる。また、基体金属は、
主成分がニツケルだけでなく、タングステン、またはモ
リブデン等を用いても同様の効果が得られる。
[発明の効果] 以上のように、この発明によれば電子放射物質層とし
て、共同沈澱させたバリウム塩と、23〜45モル%の希土
類金属塩との混合塩からなる電子放射物質層を基体金属
の面上に被着形成するようにしたので、希土類金属塩が
電子放射物質層に含まれていない従来のものと比較して
3〜6倍の高電流密度動作下での長寿命を実現し、安価
で製造の制約の少ない信頼性の高い電子管用陰極が得ら
れるとともに、初期エミシツシヨン特性の向上と、長時
間にわたる安定したエミツシヨン特性の維持が図り得ら
れる効果を有する。また、この発明によれば、電子管用
陰極としてバリウム塩と、希土類金属塩との共同沈澱に
よる混合塩を用いているので、この混合塩内に含まれて
いる各元素が均等に分散した微粒子となつており、基体
金属の面上に均一に被着形成されるため、電流の流れを
妨げる上記中間層の生成が抑制される効果が大きい。さ
らに、この発明においては、電子放射物質層内にBaOと
希土類金属酸化物が微粒子状で混合されているので、こ
の希土類金属酸化物が基体中の還元材とBaOとの反応で
生成された過剰Baを一旦トラップし、よって過剰Baの消
耗を抑制するとともに、BaO上の過剰Baの高濃度状態を
維持する効果を有する。この結果、初期エミッション特
性の向上並びに一層の高電流密度動作の可能な電子管用
陰極を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す断面図、第2図は従
来の電子管用陰極を示す断面図、第3図はこの発明と、
従来の陰極線管の相対電流密度とエミツシヨン電流比の
関係を示す特性図、第4図はスカンジウム含有量とエミ
ツシヨン電流比の関係を示す特性図である。 (1)……基体金属、(12)……混合塩、(20)……電
子放射物質層。 なお、図中、同一符号は、同一または相当部分を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 勁二 鎌倉市大船2丁目14番40号 三菱電機株 式会社商品研究所内 (56)参考文献 特公 昭52−312(JP,B2) 特公 昭38−2334(JP,B2) 特公 平1−5417(JP,B2) 特公 平7−85394(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体金属の面上に、共同沈澱させたバリウ
    ム塩と、23〜45モル%の希土類金属塩との混合塩からな
    る電子放射物質層を被着形成したことを特徴とする電子
    管用陰極。
  2. 【請求項2】希土類金属塩は、スカンジウム塩である特
    許請求の範囲第1項記載の電子管用陰極。
  3. 【請求項3】基体金属は、主成分がニッケルである特許
    請求の範囲第1項記載の電子管用陰極。
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