JPH0919746A - 連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造方法

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JPH0919746A
JPH0919746A JP19418795A JP19418795A JPH0919746A JP H0919746 A JPH0919746 A JP H0919746A JP 19418795 A JP19418795 A JP 19418795A JP 19418795 A JP19418795 A JP 19418795A JP H0919746 A JPH0919746 A JP H0919746A
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秀一 瀧山
Tomoharu Shimokasa
知治 下笠
Kazuma Inaoka
数磨 稲岡
Munehiro Tsuchida
宗弘 土田
Yasuo Shigenaga
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋳造終了時に鋳片の引き抜き速度を極端に低
下させずに効率良く鋳片を引き抜くことができると共
に、鋳片トップ部まで均質な鋳片を製造することができ
る作業性や生産性、量産性、安全性に優れた連続鋳造方
法を提供する。 【構成】 湾曲型連続鋳造機10の鋳型11内に溶鋼を
浸漬ノズルを介して注入し、鋳型11の下部から鋳片1
4を支持案内して徐々に引き出しつつ、冷却して鋳片1
4を製造する連続鋳造方法において、溶鋼の鋳造終了過
程に生じる鋳片トップ部14aの上流側の少なくとも一
部の冷却ゾーンを鋳片トップ部14aに直接冷却水をか
けない非水冷ゾーンとし、非水冷ゾーンを支持案内通路
13内で、鋳片トップ部14aに対応して移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鋼から直接鋳片
を製造する連続鋳造方法に係り、更に詳しくは、鋳片ト
ップ部の冷却を改良した連続鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、連続鋳造方法では、タンディッ
シュに貯留された溶鋼を浸漬ノズルを介して鋳型(又は
モールドという)内に注入した後、少なくとも鋳型と溶
鋼の接触面及びその近傍を凝固させて所謂凝固殻を形成
し、この凝固殻が形成された鋳片を、鋳型の下方に少な
くとも二列で複数並設された支持案内ロールや引き抜き
ロール(又はピンチロールという)等内、すなわち支持
案内通路内を介して連続的に引き抜きながら凝固させて
いる。この連続鋳造方法を適用した連続鋳造機として、
略円弧状の支持案内通路を有する湾曲型連続鋳造機が広
く採用されている。
【0003】また、前述した連続鋳造方法では、鋳造終
了時において形成される鋳片の最終端部(以下鋳片トッ
プ部という)の凝固殻内に溶鋼が凝固せずに貯留されて
いる、すなわち鋳片トップ部に溶鋼が露出しているの
で、鋳片トップ部が略円弧状に曲げられた支持案内通路
内を介して引き抜かれるに連れて次第に傾斜され、溶鋼
がこぼれ易くなり(以下溶鋼がこぼれることをブリード
という)、この結果、こぼれた溶鋼が支持案内ロール等
に張り付いて次の鋳造作業ができず、この地金を除去す
る作業が必要となる等、極めて生産性や量産性に劣ると
いう問題点を有していた。
【0004】そこで、この問題点を解決するために、
鋳造終了時に鋳片の引き抜き速度を極端に下げて鋳片ト
ップ部を凝固させる方法や、鋳造終了時に鋳片トップ
部に露出した溶鋼内に鉄製等のブロック等を冷却材(以
下冷材という)として装入し鋳片トップ部を凝固させる
方法、更に、鋳造終了時に鋳片トップ部に冷却水をか
けて鋳片トップ部を凝固させる方法等の改善策が提案さ
れている。
【0005】また、特開昭57−75276号公報に
は、連続鋳造末期において鋳型内への溶鋼の供給を停止
した後、鋳片をその後端部が鋳型の下方へ抜け出ない範
囲でかつ鋳型下方の2次冷却帯に配置したロール群のロ
ールピッチの1/2以上の距離を繰り返し往復運動させ
る連続鋳造におけるトップクロップ短縮方法が提案され
ている。
【0006】更に、特公昭63−15061号公報に
は、鋳造終了時にあたり鋳片トップ部について該鋳片ト
ップ部が鋳型を出てから2次冷却ゾーンの爆発限界位置
に達するまで強制冷却を停止し、該爆発限界位置を過ぎ
てから未凝固部流出限界位置に達するまでに強制冷却し
て頭固めを行う鋼の湾曲型連続鋳造方法が提案されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、の鋳
造終了時に鋳片の引き抜き速度を下げて凝固させる方法
では、鋳片の引き抜き速度を下げることで、先の鋳造終
了時から次の鋳造開始時までに多大な時間を要してしま
い、生産性や量産性に劣るという問題点を有していた。
また、鋳片の引き抜き速度を下げることで鋳片芯部まで
凝固されていくものの、鋳片の温度が支持案内ロール等
に比べて依然高温であるために、鋳片が隣り合う支持案
内ロール間の隙間から外方に膨れ易いので(以下バルジ
ングという)、この結果、鋳片が引き抜き難くなると共
に鋳片内部に内在的欠陥が生じ易く、生産性や量産性、
製品品質の信頼性等に劣るという問題点を有していた。
【0008】また、の鋳造終了時に鋳片トップ部の溶
鋼内に冷材を装入して凝固させる方法では、冷材である
鉄製ブロック等がかなりの重量を有し、この重量物を鋳
型近辺まで搬送する作業が必要となるので、作業性に劣
ると共に省力化することができないという問題点を有し
ていた。また、冷材は鋳造終了時に速やかに溶鋼内に装
入しなければならず、このため安全性等から一旦鋳片の
引き抜き作業を停止しなければならないので、生産性や
量産性に劣ると共に前述したバルジングが生じる虞れが
あるという問題点を有していた。
【0009】また、凝固殻内(又は収縮孔内という)に
貯留された溶鋼内に装入した冷材は、溶鋼や凝固殻と固
溶できずに鋳片トップ部やその近傍部で、前記凝固殻
と、炭素濃度の差等による明らかな境界を形成してしま
い、この結果、鋳片トップ部の近傍部を除去しなければ
ならず、歩留りが低下する等、量産性に劣るという問題
点を有していた。
【0010】更に、の鋳造終了時に鋳片トップ部に冷
却水をかけて凝固させる方法では、鋳片トップ部に露出
した高温の溶鋼に直接水流状等で冷却水がかかると、冷
却水が急激に蒸発及び膨張することで所謂水蒸気爆発
(又は突沸という)を起こし、溶鋼をばら撒いてしまう
等、極めて安全性に劣るという問題点を有していた。
【0011】また、特開昭57−75276号公報に示
される連続鋳造におけるトップクロップ短縮方法では、
鋳片を鋳型内で往復運動させて冷却させているので冷却
速度が速いものの冷却し過ぎると共に冷却速度を制御し
難いという問題点を有していた。また、最近、連続鋳造
された鋳片を直ちに圧延工程へ送給し圧延する鋳片直送
圧延が積極的に採用されているが、この場合の鋳片の温
度は900℃〜1200℃であるものの、前記トップク
ロップ短縮方法では、前記温度以下に鋳片の温度が下が
り過ぎてしまい、昇温作業が必要となるので、生産性や
省エネルギー化に劣るという問題点を有していた。ま
た、鋳片の温度が下がり過ぎると、支持案内通路の所定
部に設けた曲げ矯正ロールにより鋳片を矯正する際に大
きな矯正力を要すると共にこの大きな矯正力によって鋳
片に割れ等が生じ、作業性や生産性、製品品質等の信頼
性に劣るという問題点を有していた。
【0012】また、特公昭63−15061号公報に示
される鋼の湾曲型連続鋳造方法では、予め2次冷却ゾー
ンの爆発限界位置を調査しなければならないので、作業
性に劣ること及び実用化し難いという問題点を有してい
た。
【0013】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、鋳造終了時に鋳片の引き抜き速度を極端に低下
させず、かつバルジングの発生等を防止して効率良く鋳
片を引き抜くことができると共に鋳片トップ部まで均質
な鋳片を製造することができ、また鋳片直送圧延等の各
種鋳片加工設備に適した温度の鋳片を製造でき、更に過
冷却を防止して曲げ矯正ロールに不要な過大矯正力を与
えたり、またこの過大な矯正力によって鋳片に割れ等の
発生を防止することができる作業性や生産性、省エネル
ギー化、安全性に優れた連続鋳造方法を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載の連続鋳造方法は、湾曲型連続鋳造機の鋳型内に溶
鋼を浸漬ノズルを介して注入し、該鋳型の下部から鋳片
を支持案内して徐々に引き出しつつ、冷却して鋳片を製
造する連続鋳造方法において、前記溶鋼の鋳造終了過程
に生じる鋳片トップ部の上流側の少なくとも一部の冷却
ゾーンを該鋳片トップ部に直接冷却水をかけない非水冷
ゾーンとし、該非水冷ゾーンを支持案内通路内で、前記
鋳片トップ部に対応して移動させる。
【0015】また、請求項2記載の連続鋳造方法は、請
求項1記載の連続鋳造方法において、前記支持案内通路
には複数に分割されそれぞれには水又は気水を噴射する
複数のノズルと開閉弁からなる前記冷却ゾーンが設けら
れ、前記鋳片トップ部の移動と共に、該冷却ゾーンの開
閉弁を開いた状態から閉じて、次に開く動作を行って、
前記非水冷ゾーンを形成する。
【0016】さらに、請求項3記載の連続鋳造方法は、
請求項1又は2記載の連続鋳造方法において、前記非水
冷ゾーンは、鋳片トップ部が水又は気水を噴射する複数
のノズルと開閉弁からなる冷却ゾーンに到達する以前に
該開閉弁が閉じられ、鋳片トップ部の上流側では冷却ゾ
ーンの支持案内最下端ロールの中心部からの垂直線より
鋳片トップ部が外れた領域であって、該非水冷ゾーン以
外は前記冷却ゾーンの開閉弁が開いた状態である。
【0017】なお、ここで、湾曲型連続鋳造機とは、鋳
型から後続する引き抜きロール(又はピンチロールとい
う)までの間の支持案内通路が湾曲部を有するものをい
う。したがって、鋳型が支持案内通路の湾曲部の曲率に
合わせて所定角度で傾斜又は湾曲されていてもよい。
【0018】
【作用】請求項1〜3記載の連続鋳造方法においては、
支持案内通路内で少なくとも鋳片トップ部の直後、すな
わち支持案内通路内の鋳片トップ部より上流側でかつ鋳
片トップ部の近傍部(以下鋳片トップ部の上流側近傍部
又は上方近傍部という)に対応する冷却ゾーンを非水冷
ゾーンとし、該非水冷ゾーンを鋳片トップ部の移動に連
れて移動させることにより、鋳片、特に鋳片トップ部の
冷却速度(又は凝固速度)を上げることができる。
【0019】詳述すると、支持案内通路の側部に、少な
くとも1乃至複数の支持案内ロール及びノズルで構成さ
れた複数の冷却ゾーンの内、鋳片トップ部の上流側近傍
部にあたる冷却ゾーンを、鋳片トップ部に直接冷却水を
かけない非水冷ゾーンとすることで、支持案内通路内の
鋳片トップ部より下流側、すなわち鋳片略全体は、冷却
ゾーンのノズルから噴射(又は供給)された冷却水によ
って直接冷却し、また、支持案内通路内の鋳片トップ部
の上流側近傍部より上流側では、鋳片に接触して高温化
された空気を、支持案内通路内に供給された冷却水で冷
却し、この低温化された空気(又は冷空気という)によ
って、鋳片トップ部を間接的に冷却(又は凝固)し、さ
らに、支持案内通路を挟んで対向配置された冷却ゾーン
のノズルから噴射された冷却水が、水滴化又はミスト状
化(又は霧状化)され、この一方あるいは両方で鋳片ト
ップ部を直接冷却することができる。勿論、鋳片トップ
部に水滴化又はミスト状化された冷却水がかかっても、
溶鋼に一度に水流状等の冷却水がかかった場合に比べ、
水蒸気の生成自由エネルギーは極めて小さいので、水蒸
気爆発等を防止することができる。
【0020】さらに、冷却ゾーンのノズルを制御して、
鋳片トップ部の移動、すなわち鋳片の引き抜き速度に合
わせて、非水冷ゾーンを移動させることで、鋳片トップ
部の冷却速度を向上させることができる。なお、非水冷
ゾーンは、鋳片トップ部の上流側近傍部に限らず、鋳片
トップ部より下流側の鋳片、すなわち鋳片トップ部近傍
の鋳片を含んでもよい。通常、湾曲型連続鋳造機等のノ
ズルは、冷却ゾーン毎に制御されているので、この冷却
ゾーンの幅にもよって非水冷ゾーンが鋳片トップ部の上
流側近傍部のみならず鋳片トップ部近傍の鋳片まで及ん
でもよい。
【0021】特に、請求項2記載の連続鋳造方法におい
ては、冷却ゾーンの開閉弁を、鋳片トップ部の移動に伴
って、順次“開”、“閉”、“開”させることにより、
容易に非水冷ゾーンを移行させることができる。すなわ
ち、支持案内通路を移動する鋳片の移動(又は引き抜き
速度)に対応して冷却ゾーンの開閉弁を順次“開”、
“閉”、“開”させることで、常に、支持案内通路内の
鋳片トップ部より下流側である鋳片略全体は、直接ノズ
ルから噴射された冷却水で冷却され、また、鋳片トップ
部は、支持案内通路を隔てて対向配置されたノズルから
噴射された冷却水が衝突してミスト状化(水滴を含む)
された冷却水、すなわち水粒子で直接冷却(又は凝固)
されると共に、前記支持案内通路内に噴射された冷却水
で冷却された冷空気によっても間接的に冷却(又は凝
固)される。また、冷却水として水と空気を混合した気
水を使用することにより、さらに容易にミスト状化する
ことができると共に、水粒子を細粒化できるので、より
水蒸気爆発等の防止を図ることができる。なお、ノズル
から供給される冷却水の供給量を変更させることで、鋳
片トップ部の冷却速度又は凝固速度を容易に変えること
ができ、例えば鋳片直送圧延等各種鋳片加工設備等に応
じた適温の鋳片を製造することができる。
【0022】特に、請求項3記載の連続鋳造方法におい
ては、鋳片トップ部が冷却ゾーンの支持案内最下端ロー
ルの少なくとも中心部からの垂直線より外れた領域迄移
動したとき、すなわち、鋳片トップ部が、支持案内通路
において、冷却ゾーンにおける支持案内通路の内径側に
配置された支持案内ロールの内、支持案内通路の下流端
である鋳片取り出し口に近い側のロール、換言すると最
下端のロール(以下これを支持案内最下端ロールとい
う)の回転中心から床面に向かって垂直に下ろした仮想
垂直線より、下流側に移動したとき、前記支持案内最下
端ロールを有する冷却ゾーンの開閉弁が開かれるので、
たとえ支持案内最下端ロールの表面をつたって冷却水が
落下しても鋳片トップ部の溶鋼中に直接冷却水がかかる
ことがないので、水蒸気爆発等を起こす虞れを確実に防
止することができる。また、鋳片トップ部を含む鋳片の
引き抜き速度は、鋳片直送圧延用に、より高温の鋳片を
得るために、定常鋳造速度から1.2m/分までの範囲
で制御するのが好ましい。
【0023】
【実施例】続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明
を具体化した実施例につき説明し、本発明の理解に供す
る。ここに、図1は本発明の一実施例に係る連続鋳造方
法を適用した湾曲型連続鋳造機の概略構成図、図2は同
湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片トップ部を第
1冷却ゾーンに近接する迄引き抜いた状態の説明図、図
3は同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片トップ
部を第2冷却ゾーンに近接する迄引き抜いた状態の説明
図、図4は同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片
トップ部を第3冷却ゾーンに近接する迄引き抜いた状態
の説明図、図5は同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片
の鋳片トップ部を第1落下水回避域迄引き抜いた状態の
説明図、図6は同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の
鋳片トップ部を第4冷却ゾーンに近接する迄、及び第2
落下水回避域迄引き抜いた状態の説明図、図7は同湾曲
型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片トップ部を第3落
下水回避域迄引き抜いた状態の説明図、図8は本発明の
一実施例に係る連続鋳造方法と従来法の鋳造終了時の鋳
片の鋳造速度を示すグラフ、図9は同他の例の鋳造終了
時の鋳片の鋳造速度を示すグラフである。
【0024】以下、本発明の一実施例に係る連続鋳造方
法を適用した湾曲型連続鋳造機について説明する。図1
〜図7に示すように、本発明の一実施例に係る連続鋳造
方法を適用した湾曲型連続鋳造機10は、溶鋼(図示せ
ず)が注入される鋳型11と、鋳型11の下方に所定間
隔を持って取り付けられた複数の支持案内ロール12a
〜12i、12a′〜12i′と、支持案内ロール12
a〜12i、12a′〜12i′によって所定の曲率を
持って構成された支持案内通路13と、鋳型11から支
持案内通路13を介して引き抜かれる鋳片14を冷却す
るために水又は気水を支持案内通路13内に供給するノ
ズル15a〜15d、15a′〜15d′と、ノズル1
5a〜15d、15a′〜15d′等を制御する制御部
17とを有する。以下、これらについて詳しく説明す
る。
【0025】前記鋳型11は、銅又は銅合金等で内部に
冷却水を導入する冷却水流路(図示せず)を有して略円
筒状又は略角筒状等に形成されている。また、図示しな
いが、該鋳型11には、通常、タンディッシュから浸漬
ノズルを介して溶鋼が注入されているが、鋳片の形状や
大きさによって、一般的に用いられている各種ノズル、
各種注入法及び各種溶鋼の注入量の可変手段等周知のも
のが用いられる。
【0026】前記支持案内ロール12a〜12i、12
a′〜12i′は、鋳型11の下方に所定の曲率半径を
持って二列回転自在に配置されている。なお、前記支持
案内通路13を隔てて対向配置された支持案内ロール1
2a〜12i、12a′〜12i′は、同軸垂線上に配
置されている。また、支持案内ロール12iの下方に
は、鋳片14の引き抜き方向を矯正するために、該支持
案内ロール12iに当接して支持案内ロール12iより
大径状の曲げ矯正ロール12jが配置されている。
【0027】また、図示しないが、支持案内通路13の
下流側、すなわち図1〜図7中支持案内ロール12i、
12i′の右方には、ピンチロールがやはり二列で複数
並設されている。このピンチロールは、鋳型11から鋳
片14を徐々に又は所定の引き抜き速度で引き抜く(又
は引き出す)ために、鋳片14に所定の回転駆動力を付
与するものであり、図示しない駆動モータ等から直接又
は間接的に所定回転方向の回転駆動力が伝達されてい
る。勿論、該ピンチロールは、前記支持案内ロール12
a〜12i、12a′〜12i′間に配置されてもよ
い。
【0028】前記支持案内通路13は、所定間隔を隔て
て対向された支持案内ロール12a〜12i、12a′
〜12i′やピンチロールにより所定曲率を持って略円
弧状に形成されている。すなわち、図1中破線Bで示さ
れる支持案内ロール12a〜12iの外接線、及び、図
1中破線Cで示される支持案内ロール12a′〜12
i′の外接線内に、鋳片14を支持案内する支持案内通
路13が形成されている。
【0029】前記ノズル15a〜15d、15a′〜1
5d′は、支持案内通路13の両側部であって、隣り合
う支持案内ロール12a〜12i、12a′〜12i′
間に、先端部を支持案内通路13内に向けて取り付けら
れている。また、前記支持案内通路13を隔てて対向配
置されたノズル15a〜15d、15a′〜15d′
は、支持案内通路13内に冷却水を噴射したとき、この
噴射された冷却水が支持案内通路13内で衝突するよう
に、それぞれ対向して配置されている。なお、図示しな
いが、スラブやブルームのように鋳片14の断面の横幅
又は縦幅の大きな鋳片14を製造する場合には、図1〜
図7中各ノズル15a〜15d、15a′〜15d′の
奥行き側に並設して、また支持案内通路13の手前側及
び奥行き側に並設して、複数のノズルを配置してもよ
い。これにより、幅広な、すなわち断面積の大きな鋳片
14も高い冷却速度(又は凝固速度)で冷却(又は凝
固)させることができる。また、該ノズル15a〜15
d、15a′〜15d′は、その後端部に開度調整自在
の開閉弁16a〜16d、16a′〜16d′を有す
る。これにより、前記制御部17からの“開”信号又は
“閉”信号、更に給水量信号等に応じて、該ノズル15
a〜15d、15a′〜15d′から供給される水又は
気水が制御される。
【0030】なお、ノズル15a〜15d、15a′〜
15d′から支持案内通路13内の鋳片トップ部14a
の上流側に冷却水である水又は気水が供給されると、こ
れらは各ノズル15a〜15d、15a′〜15d′か
ら噴射される際に先端部に形成された複数の噴射孔やス
リットでミスト状化及びミストと水滴の混合状にされた
り、対向するノズル15a〜15d、15a′〜15
d′から噴射されて支持案内通路13の略中央部で衝突
することによってミスト状化される。そして、支持案内
通路13内に供給された水又は気水で支持案内通路13
内の空気を冷却し、この冷却された空気(以下冷空気と
いう)により鋳片トップ部14aの近傍部が冷却される
と共に、前記ミスト状化された水又は気水で鋳片トップ
部14aの近傍部を直接冷却することができる。
【0031】また、ノズル15a〜15d、15a′〜
15d′から支持案内通路13内の鋳片トップ部14a
の上流側へ水又は気水を供給する場合の供給量(以下、
上流側供給量という)は、鋳片トップ部14aの下流側
へ供給する場合の供給量(以下、下流側供給量という)
に比べ、0.3倍以上2.5倍未満とされるのが好まし
い。水又は気水の上流側供給量が下流側供給量の0.3
倍未満では水又は気水がミスト状化され難くなる傾向が
現れだし、また、水又は気水の上流側供給量が下流側供
給量の2.5倍以上になると飽和する、すなわち、水又
は気水の供給量に対して鋳片トップ部14aの冷却能が
低下する傾向が現れだすと共に、水量や水供給のための
動力コストが高騰するので、いずれも好ましくない。勿
論、上流側供給量が鋳片14の形状や大きさ等によって
適宜選択されるので、下流側供給量もこれに応じて前記
範囲内で適宜選択されて供給されるのはいうまでもな
い。
【0032】また、支持案内ロール12a〜12i、1
2a′〜12i′及びノズル15a〜15d、15a′
〜15d′により、支持案内通路13の両側部に複数の
冷却ゾーンが形成されている。すなわち、支持案内ロー
ル12a、12b、12a′、12b′及びノズル15
a、15a′で第1冷却ゾーンが構成され、支持案内ロ
ール12c、12d、12c′、12d′及びノズル1
5b、15b′で第2冷却ゾーンが構成され、支持案内
ロール12e、12f、12e′、12f′及びノズル
15c、15c′で第3冷却ゾーンが構成され、支持案
内ロール12g、12h、12g′、12h′及びノズ
ル15d、15d′で第4冷却ゾーンが構成されてい
る。
【0033】前記制御部17は、パルスカウンタ(図示
せず)で得られた経過時刻等に従って所定の開閉弁16
a〜16d、16a′〜16d′を、“開”、“閉”、
そして“開”の動作を制御したり、ノズル15a〜15
d、15a′〜15d′からの冷却水の供給量を制御す
る。
【0034】続いて、この湾曲型連続鋳造機10を用い
た本発明の一実施例に係る連続鋳造方法について説明す
る。まず、湾曲型連続鋳造機10において、従来と同様
にして鋳片14の連続鋳造が開始され、鋳型11の下方
から凝固殻(図示せず)が形成された鋳片14が支持案
内通路13内を介して図2〜図7中A矢視する引き抜き
方向に引き抜かれる。ここで、各開閉弁16a〜16
d、16a′〜16d′はそれぞれ開かれて、ノズル1
5a〜15d、15a′〜15d′から鋳片14に向か
って冷却水(図示せず)が供給される。これにより、支
持案内通路13内全域に渡って水冷ゾーンが形成され、
支持案内通路13内の鋳片14全体が冷却されている。
【0035】次に、鋳造終了時に、鋳型11内の溶鋼の
上面(又は湯面という)が所定部より下がると、又はタ
ンディッシュ内の溶鋼の重量が所定重量より減少する
と、これを鋳造終了時として制御部17のパルスカウン
タがこの鋳造終了時からの経過時間を検出し始める。な
お、制御部17は、予め鋳片14の引き抜き速度等によ
り、後述する第1〜4冷却ゾーン近接時間、第1〜3落
下水回避時間を算出し、これら各時間と経過時間とを比
較している。
【0036】次に、図2に示すように、鋳片トップ部1
4aが第1冷却ゾーンの上流側(又は上方)の支持案内
ロール12a、12a′に近接する迄、鋳片14が引き
抜かれる。同時に、制御部17は、予め算出された第1
冷却ゾーン近接時間、すなわち鋳片トップ部14aが鋳
型11内の所定部から第1冷却ゾーンに近接する迄の引
き抜き時間とパルスカウタからの経過時間とから、鋳片
トップ部14aが支持案内ロール12a、12a′に近
接したことを検知する。この検知により、制御部17
は、開閉弁16a、16a′に“閉”信号を出力して、
開閉弁16a、16a′を閉じる。これにより、鋳片1
4の第1冷却ゾーンと当接する部位に非水冷ゾーンが形
成され、鋳片14の前記第1冷却ゾーンと当接する部位
を除く部位、すなわち図2中斜線で示す鋳片14の部位
に水冷ゾーンが形成される。
【0037】次に、図3に示すように、鋳片トップ部1
4aが第2冷却ゾーンの上流側(又は上方)の支持案内
ロール12c、12c′に近接する迄、鋳片14が引き
抜かれる。同時に、制御部17は、予め算出された第2
冷却ゾーン近接時間、すなわち鋳片トップ部14aが鋳
型11内の所定部から第2冷却ゾーンに近接する迄の引
き抜き時間とパルスカウタからの経過時間とから、鋳片
トップ部14aが支持案内ロール12c、12c′に近
接したことを検知する。この検知により、制御部17
は、開閉弁16b、16b′に“閉”信号を出力して、
開閉弁16b、16b′を閉じる。これにより、鋳片1
4の第2冷却ゾーンと当接する部位及び支持案内通路1
3内で鋳片トップ部14aより上流側に非水冷ゾーンが
形成され、鋳片14の第2冷却ゾーンと当接する部位を
除く部位、すなわち図3中斜線で示す鋳片14の部位に
水冷ゾーンが形成される。
【0038】次に、図4に示すように、鋳片トップ部1
4aが第3冷却ゾーンの上流側(又は上方)の支持案内
ロール12e、12e′に近接する迄、鋳片14が引き
抜かれる。同時に、制御部17は、予め算出された第3
冷却ゾーン近接時間、すなわち鋳片トップ部14aが鋳
型11内の所定部から第3冷却ゾーンに近接する迄の引
き抜き時間とパルスカウタからの経過時間から、鋳片ト
ップ部14aが支持案内ロール12e、12e′に近接
したことを検知する。この検知により、制御部17は、
開閉弁16c、16c′に“閉”信号を出力して、開閉
弁16c、16c′を閉じる。これにより、鋳片14の
第3冷却ゾーンと当接する部位及び支持案内通路13内
で鋳片トップ部14aより上流側に非水冷ゾーンが形成
され、鋳片14の第3冷却ゾーンと当接する部位を除く
部位、すなわち図4中斜線で示す鋳片14の部位に水冷
ゾーンが形成される。
【0039】次に、図5に示すように、鋳片トップ部1
4aが、第1冷却ゾーンの支持案内最下端ロール12
b′の回転中心から垂直方向に下ろした垂直線を外れる
領域、すなわち図5中一点鎖線より右側の領域に突入す
るまで、鋳片14が引き抜かれる。詳述すると、第1冷
却ゾーンのノズル15a、15a′からの冷却水が、第
1冷却ゾーンの内径側でかつ下流側(又は下方)に取り
付けられた支持案内ロール12b′のアライメントを伝
って落下しても鋳片トップ部14aの溶鋼内に落下する
ことがなく、これを回避できる領域迄、鋳片14が引き
抜かれる。同時に、制御部17は、予め算出された第1
落下水回避時間、すなわち、鋳片トップ部14aが鋳型
11内の所定部から第1落下水回避域に突入する迄の引
き抜き時間とパルスカウンタからの経過時間とから、鋳
片トップ部14aが第1落下水回避域迄引き抜かれたこ
とを検知する。この検知によって、制御部17は、開閉
弁16a、16a′に“開”信号を出力し、開閉弁16
a、16a′を開いて、ノズル15a、15a′から支
持案内通路13内に冷却水を供給する。これにより、支
持案内通路13内で第1冷却ゾーンと当接する部位及び
鋳片14の前記第3冷却ゾーンと当接する部位を除く部
位、すなわち図5中斜線で示す部位に水冷ゾーンが形成
され、これ以外の、第2及び第3冷却ゾーンと当接する
部位に非水冷ゾーンが形成される。ここで、鋳片トップ
部14aは該鋳片トップ部14aの上流側(又は上方)
に供給された水又は気水等の冷却水で低温化された冷空
気で間接的に冷却されると共に、支持案内通路13内で
これら冷却水が衝突してミスト状化された冷却水で直接
冷却される。なお、鋳片トップ部14aが第1落下水回
避域に突入したときにノズル15a、15a′から冷却
水を供給するので、水蒸気爆発の発生の虞れを防止する
ことができる。
【0040】次に、図6に示すように、鋳片トップ部1
4aが、第2冷却ゾーンの支持案内最下端ロール12
d′の回転中心から垂直方向に下ろした垂直線を外れる
領域、すなわち、図6中一点鎖線より右側の領域に突入
するまで、鋳片14が引き抜かれる。詳述すると、第2
冷却ゾーンのノズル15b、15b′からの冷却水が、
第2冷却ゾーンの内径側でかつ下流側(又は下方)に取
り付けられた支持案内ロール12d′のアライメントを
伝って落下しても鋳片トップ部14aの溶鋼内に落下す
ることがなく、これを回避できる領域迄、鋳片14が引
き抜かれる。同時に、制御部17は、予め算出された第
2落下水回避時間、すなわち、鋳片トップ部14aが鋳
型11内の所定部から第2落下水回避域に突入する迄の
引き抜き時間とパルスカウンタからの経過時間とから、
鋳片トップ部14aが第2落下水回避域迄引き抜かれた
ことを検知する。この検知によって、制御部17は、開
閉弁16b、16b′に“開”信号を出力し、開閉弁1
6b、16b′を開いて、ノズル15b、15b′から
支持案内通路13内に噴霧状の冷却水を供給する。
【0041】次に、図6に示すように、鋳片トップ部1
4aが、第4冷却ゾーンの上流側(又は上方)の支持案
内ロール12g、12g′に近接する迄引き抜かれる。
同時に、制御部17は、予め算出された第4冷却ゾーン
近接時間、すなわち鋳片トップ部14aが鋳型11内の
所定部から第4冷却ゾーンに近接する迄の引き抜き時間
とパルスカウタからの経過時間とから、鋳片トップ部1
4aが支持案内ロール12g、12g′に近接したこと
を検知する。この検知により、制御部17は、開閉弁1
6d、16d′に“閉”信号を出力して、開閉弁16
d、16d′を閉じる。これにより、支持案内通路13
内で第1及び第2冷却ゾーンと当接する部位、及び鋳片
14の前記第4冷却ゾーンと当接する部位を除く部位、
すなわち図6中斜線で示す部位に水冷ゾーンが形成さ
れ、これ以外の、第3及び第4冷却ゾーンと当接する部
位に非水冷ゾーンが形成される。
【0042】次に、図7に示すように、鋳片トップ部1
4aが、第3冷却ゾーンの支持案内最下端ロール12
f′の回転中心から垂直方向に下ろした垂直線を外れる
領域、すなわち、図7中一点鎖線より右側の領域に突入
するまで、鋳片14が引き抜かれる。詳述すると、第3
冷却ゾーンのノズル15c、15c′からの冷却水が、
第3冷却ゾーンの内径側でかつ下流側(又は下方)に取
り付けられた支持案内ロール12f′のアライメントを
伝って落下しても鋳片トップ部14aの溶鋼内に落下す
ることがなく、これを回避できる領域迄、鋳片14が引
き抜かれる。同時に、制御部17は、予め算出された第
3落下水回避時間、すなわち鋳片トップ部14aが鋳型
11内の所定部から第3落下水回避域に突入する迄の引
き抜き時間とパルスカウンタからの経過時間から、鋳片
トップ部14aが第3落下水回避域迄引き抜かれたこと
を検知する。この検知により、制御部17は、開閉弁1
6c、16c′に“開”信号を出力し、開閉弁16c、
16c′を開いて、ノズル15c、15c′から支持案
内通路13内に噴霧状の冷却水を供給する。これによ
り、支持案内通路13内で第1〜第3冷却ゾーンと当接
する部位、及び鋳片14の前記第4冷却ゾーンと当接す
る部位を除く部位、すなわち図6中斜線で示す部位に水
冷ゾーンが形成され、これ以外の第4冷却ゾーンと当接
する部位に非水冷ゾーンが形成される。
【0043】このように、支持案内通路13内で鋳片ト
ップ部14aと当接する部位及び鋳片トップ部14aに
冷却水が落下する部位に非水冷ゾーンを設け、かつこの
非水冷ゾーンを鋳片トップ部14aの動きに応じて開閉
弁を調整し、同時に、鋳片トップ部14aの上流側(又
は上方)にも噴霧状の冷却水を供給することによって、
鋳片14に接して高温化された空気を低温化し、この低
温化され冷空気で鋳片トップ部14aを間接的に冷却
し、さらに支持案内通路13内に供給されかつ衝突する
ことでミスト状化された水又は気水で鋳片トップ部14
aを直接冷却するので、効率的に鋳片トップ部14aを
冷却することが可能となる。
【0044】図8は従来法と本法を適用したときの湾曲
型連続鋳造機の鋳造終了時の鋳造速度を比較したもので
ある。実線ラインaは鋳造終了時に鋳片の引き抜き速度
を低下させる従来法による湾曲型連続鋳造機の鋳造終了
時の鋳造速度、実線ラインbは本法による湾曲型連続鋳
造機の鋳造終了時の鋳造速度である。なお、本比較例は
鋳片を切断して鋳塊を製造する場合のものである。ま
た、図8中横軸左方はタンディッシュ重量の減少量を示
している。ここで、タンディッシュ重量が2tonとな
ったときタンディッシュ内の溶鋼量が0tonとなり、
鋳造が終了する。また、図8中横軸右方は鋳造終了時か
らの経過時間を算出するパルスカウンタで得られた鋳片
トップ部の移動量を示している。ここで、鋳造終了時に
おける鋳片トップ部の移動量は0mである。
【0045】図8から判るように、従来法では、タンデ
ィッシュ内の溶鋼重量が減少するに従って鋳造速度を定
常鋳造速度1.7m/分から約0.3m/分まで低下さ
せていたが、本法では鋳片トップ部の直後に噴霧状の冷
却水を供給したので、鋳片トップ部の冷却速度(又は凝
固速度)を上げることができ、この結果、タンディッシ
ュ内の溶鋼重量が減少するに従って鋳造速度を定常鋳造
速度、例えば1.8m/分から1.2m/分までの範囲
で低下させればよく、極めて効率的に鋳片トップ部を引
き抜くことができた。また、鋳片トップ部の直後に噴霧
状の冷却水を供給して鋳片トップ部の冷却速度(又は凝
固速度)を上げることができたので、従来法に比べて定
常鋳造速度を0.1m/分上げることができ、鋳造終了
時のみならず定常鋳造時でも効率良く鋳片を引き抜くこ
とができるようになった。
【0046】図9は従来法と本法を適用したときの湾曲
型連続鋳造機の鋳造終了時の鋳造速度を比較したもので
ある。実線ラインaは鋳造終了時に鋳片の引き抜き速度
を低下させる従来法による湾曲型連続鋳造機の鋳造終了
時の鋳造速度、実線ラインbは本法による湾曲型連続鋳
造機の鋳造終了時の鋳造速度である。なお、本比較例は
鋳片直送圧延用に鋳造した場合のものである。また、図
9中横軸左方はタンディッシュ内の溶鋼の減少量を示し
ている。ここで、溶鋼量が0tonとなったとき鋳造が
終了する。また、図9中横軸右方は鋳造終了時からの経
過時間を算出するパルスカウンタで得られた鋳片トップ
部の移動量を示している。ここで、鋳造終了時における
鋳片トップ部の移動量は0mである。
【0047】図9から判るように、従来法ではタンディ
ッシュ内の溶鋼重量が減少するに従って鋳造速度を定常
鋳造速度1.64m/分から0.6m/分まで低下さ
せ、更に約60秒以内であるが、鋳片トップ部に露出さ
れた溶鋼内に冷材を挿入するための引き抜き停止時間が
必要であったが、本法ではタンディッシュ内の溶鋼重量
が減少するに従って鋳造速度を定常鋳造速度1.64m
/分から1.2m/分までしか低下させる必要がなく、
更に冷材を挿入する必要がないので引き抜き停止時間が
なく、極めて効率的に鋳片トップ部を引き抜くことがで
きた。
【0048】以上、本発明の実施例を説明したが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではなく、要旨を
逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲であ
る。例えば、本実施例では、ノズルの開閉制御を冷却ゾ
ーン単位で行ったが、通常、冷却ゾーンでは支持案内通
路の引き抜き方向に沿って複数列にノズルが取り付けら
れているので、各列毎にノズルを開閉制御してもよい。
これにより非水冷ゾーンを更に狭めることができるの
で、さらに効率良く冷却することができる。また、鋳片
トップ部より上流側(又は上方)に噴霧状の冷却水を供
給するために第1冷却ゾーンのノズルから順次使用した
が、これに限らず、第2冷却ゾーンのノズルから順次使
用するようにしてもよい。また、本実施例では、本発明
の連続鋳造方法を円弧型連続鋳造機に適用したものとし
て説明したが、同様に垂直曲げ型連続鋳造機に適用した
ものであってもよい。
【0049】
【発明の効果】請求項1〜3記載の連続鋳造方法におい
ては、鋳片トップ部の直後に冷却水を供給しない非水冷
ゾーンを設け、更にこの非水冷ゾーンを支持案内通路内
を引き抜かれる鋳片トップ部の移動に合わせて移行させ
ていくことにより、水蒸気爆発等を防止して、鋳片トッ
プ部を効率良く短時間で冷却することができる。また、
冷却水の供給量に応じて鋳片の冷却速度(又は凝固速
度)を可変することができるので、急激な冷却によって
鋳片内部に内在的欠陥等を生じさせずに、均質で良好な
品質劣下等のない鋳片を製造することができる。更に冷
却速度を容易に変更できるので、鋳片直送圧延等各種圧
延設備等に応じた適温の鋳片を製造することができる。
この結果、連続鋳造の準備時間の短縮化や鋳造歩留りの
向上、省力化作業を可能にすることができる。更に、湾
曲型連続鋳造機の矯正点の支持案内ロールの負荷を軽減
することができる。
【0050】特に、請求項2記載の連続鋳造方法におい
ては、冷却ゾーンの開閉弁を、鋳片トップ部の移動に伴
って、順次“開”、“閉”、“開”させるので容易に非
水冷ゾーンを移行させ、勿論水蒸気爆発等を防止して、
鋳片トップ部を効率良く冷却することができる。
【0051】特に、請求項3記載の連続鋳造方法におい
ては、鋳片トップ部が冷却ゾーンの支持案内最下端ロー
ルの少なくとも中心部からの垂直線より外れた領域迄移
動したとき前記支持案内最下端ロールを有する冷却ゾー
ンの開閉弁が開かれるので、たとえ支持案内最下端ロー
ルの表面をつたって冷却水が落下しても鋳片トップ部の
溶鋼中に直接冷却水がかかることがなく、水蒸気爆発等
を起こす虞れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る連続鋳造方法を適用し
た湾曲型連続鋳造機の概略構成図である。
【図2】同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片ト
ップ部を第1冷却ゾーンに近接する迄引き抜いた状態の
説明図である。
【図3】同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片ト
ップ部を第2冷却ゾーンに近接する迄引き抜いた状態の
説明図である。
【図4】同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片ト
ップ部を第3冷却ゾーンに近接する迄引き抜いた状態の
説明図である。
【図5】同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片ト
ップ部を第1落下水回避域迄引き抜いた状態の説明図で
ある。
【図6】同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片ト
ップ部を第4冷却ゾーンに近接する迄、及び第2落下水
回避域迄引き抜いた状態の説明図である。
【図7】同湾曲型連続鋳造機で製造された鋳片の鋳片ト
ップ部を第3落下水回避域迄引き抜いた状態の説明図で
ある。
【図8】本発明の一実施例に係る連続鋳造方法と従来法
の鋳造終了時の鋳片の鋳造速度を示すグラフである。
【図9】同他の例の鋳造終了時の鋳片の鋳造速度を示す
グラフである。
【符号の説明】
10 湾曲型連続鋳造機 11 鋳型 12a 支持案内ロール 12b 支持案内
ロール 12c 支持案内ロール 12d 支持案内
ロール 12e 支持案内ロール 12f 支持案内
ロール 12g 支持案内ロール 12h 支持案内
ロール 12i 支持案内ロール 12a′ 支持案
内ロール 12b′ 支持案内ロール 12c′ 支持案
内ロール 12d′ 支持案内ロール 12e′ 支持案
内ロール 12f′ 支持案内ロール 12g′ 支持案
内ロール 12h′ 支持案内ロール 12i′ 支持案
内ロール 12j 曲げ矯正ロール 13 支持案内通
路 14 鋳片 14a 鋳片トッ
プ部 15a ノズル 15b ノズル 15c ノズル 15d ノズル 15a′ ノズル 15b′ ノズル 15c′ ノズル 15d′ ノズル 16a 開閉弁 16b 開閉弁 16c 開閉弁 16d 開閉弁 16a′ 開閉弁 16b′ 開閉弁 16c′ 開閉弁 16d′ 開閉弁 17 制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土田 宗弘 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 繁永 泰男 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 湾曲型連続鋳造機の鋳型内に溶鋼を浸漬
    ノズルを介して注入し、該鋳型の下部から鋳片を支持案
    内して徐々に引き出しつつ、冷却して鋳片を製造する連
    続鋳造方法において、 前記溶鋼の鋳造終了過程に生じる鋳片トップ部の上流側
    の少なくとも一部の冷却ゾーンを該鋳片トップ部に直接
    冷却水をかけない非水冷ゾーンとし、該非水冷ゾーンを
    支持案内通路内で、前記鋳片トップ部に対応して移動さ
    せることを特徴とする連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 前記支持案内通路には複数に分割されそ
    れぞれには水又は気水を噴射する複数のノズルと開閉弁
    からなる前記冷却ゾーンが設けられ、前記鋳片トップ部
    の移動と共に、該冷却ゾーンの開閉弁を開いた状態から
    閉じて、次に開く動作を行って、前記非水冷ゾーンを形
    成する請求項1記載の連続鋳造方法。
  3. 【請求項3】 前記非水冷ゾーンは、鋳片トップ部が水
    又は気水を噴射する複数のノズルと開閉弁からなる冷却
    ゾーンに到達する以前に該開閉弁が閉じられ、鋳片トッ
    プ部の上流側では冷却ゾーンの支持案内最下端ロールの
    中心部からの垂直線より鋳片トップ部が外れた領域であ
    って、該非水冷ゾーン以外は前記冷却ゾーンの開閉弁が
    開いた状態である請求項1又は2記載の連続鋳造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008087055A (ja) * 2006-10-03 2008-04-17 Kobe Steel Ltd 連続鋳造の終了方法
JP2016179485A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 株式会社神戸製鋼所 連続鋳造方法
CN113000801A (zh) * 2021-03-31 2021-06-22 成渝钒钛科技有限公司 一种炼钢铸机高拉速铸坯冷却装置及其使用方法

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