JPH09195371A - 下水中継ポンプ場の運転方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 必要時においてのみ破砕機の運転を行って運
転効率を良くし、動力の浪費を抑えるとともに、破砕機
によって細かく破砕された塵芥や木片などの異物が除塵
機とし渣脱水機に残留する事態の発生を回避する。 【解決手段】 流入渠４の水位が破砕機６および除塵機
８の運転開始水位ＭＷＬ以上に到達した場合、この水位
ＭＷＬを第１水位検出手段１０によって検出し、流入ゲ
ート３を開成して、流入渠４の汚水を流入水路２から吸
水槽５に流下させて、破砕機６および除塵機８の運転を
行い、吸水槽５の水位がポンプＰの運転開始水位ＨＷＬ
に上昇した場合、ポンプＰの運転を開始する。一方、吸
水槽５の水位がポンプＰの運転停止水位ＬＷＬまで低下
して、ポンプＰおよび破砕機６の運転を停止して所定時
間経過したのちに、除塵機８の運転を停止し、除塵機８
の運転が停止して所定時間経過したのちに、し渣脱水機
９の運転を停止するようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は下水中継ポンプ場の
運転方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、この種のポンプ場は、図２に
示すように、管渠１と流入水路２の間に流入ゲート３に
よって開閉される流入渠４が設けられ、流入ゲート３の
開成状態で管渠１から流入渠４に流下してきた汚水を流
入水路２から吸水槽５に導入して、吸水槽５に設置され
ているポンプＰによって吸い上げるように構成されてい
るとともに、流入水路２には、その上流側から破砕機
６、し渣掻き揚げレーキ７を備えた除塵機８およびし渣
脱水機９を直列に設置した構造になっている。

【０００３】このようなポンプ場では、流入ゲート３を
開成しておくことで、管渠１から流入渠４に流下してき
た水は、流入水路２を通って吸水槽５に導入され、ポン
プＰ１によって吸い上げられる。また、汚水とともに流
入水路２に流下してきた塵芥や木片などの異物は、破砕
機６によって細かく破砕されたのち、除塵機８のし渣掻
き揚げレーキ７によって汚水中から掻き揚げられてし渣
脱水機９に送り込まれ、ここで絞って脱水したのち搬出
して回収される。したがって、ポンプＰは塵芥や異物に
よる詰まり（閉塞）を生じることなく汚水を排出するこ
とができる。

【０００４】ところで、従来の下水中継ポンプ場の運転
方法は、タイマーの励起により破砕機６をたとえば２４
時間運転し、他のタイマーの励起により除塵機８を２４
時間運転し、この運転に連動してポンプＰおよびし渣脱
水機９を運転させる。そして、前記他のタイマーの設定
時間経過時点あるいはポンプＰが設置されている吸水槽
５の水位がポンプＰの運転停止水位まで低下した時点で
ポンプＰの運転を停止させるとともに、除塵機８および
渣脱水機９の運転を停止させるように制御している。

【０００５】しかし、このような運転方法では、流入水
路２への汚水の流入の有無に関係なく破砕機６が運転さ
れることになる。つまり、汚水が流入水路２に流入して
いないので破砕機６の運転が不必要であるのにもかかわ
らず、破砕機６が運転されることになる。したがって、
破砕機６の運転効率が悪く動力の浪費を招く。

【０００６】一方、吸水槽５の水位がポンプＰの運転停
止水位まで低下すると、除塵機８およびし渣脱水機９の
運転も停止されるので、流入水路２の汚水中から掻き揚
げられた破砕後の異物がし渣掻き揚げレーキ７および除
塵機８に残留するとともに、し渣脱水機９にも除塵機８
から送り込まれた異物が残留する欠点を有している。す
なわち、破砕機６によって細かく破砕された塵芥や木片
などの異物は、し渣脱水機９で絞って脱水したのち搬出
されることなく、除塵機８とし渣脱水機９に残留する事
態が発生する。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】すなわち、従来の下水
中継ポンプ場の運転方法では、破砕機の運転効率が悪く
動力の浪費を招くとともに、破砕機によって細かく破砕
された塵芥や木片などの異物が除塵機とし渣脱水機に残
留する事態が発生する欠点を有している。そこで、本発
明は、必要時においてのみ破砕機の運転を行って運転効
率を良くし、動力の浪費を抑えるとともに、破砕機によ
って細かく破砕された塵芥や木片などの異物が除塵機と
し渣脱水機に残留する事態の発生を回避することができ
る下水中継ポンプ場の運転方法を提供することを目的と
したものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、管渠と流入水路の間に流入ゲートによっ
て開閉される流入渠が設けられ、前記流入ゲートの開成
状態で前記管渠から流入渠に流下してきた水を前記流入
水路から吸水槽に導入して、該吸水槽に設置されている
ポンプによって吸い上げるように構成されているととも
に、水とともに流入水路に流下してきた塵芥などの異物
を破砕する破砕機と、この破砕機によって破砕された塵
芥などの異物を流入水路から引揚げて除去する除塵機
と、この除塵機によって引揚げられた塵芥などの異物を
受取って脱水するし渣脱水機を備えたポンプ場におい
て、前記流入渠の水位が破砕機および除塵機の運転開始
水位以上に到達した場合、この水位を第１水位検出手段
によって検出し、流入ゲートを開成し、検出した第１水
位信号を制御手段に入力し、該制御手段から前記入力さ
れた第１水位信号に基づいて前記破砕機および除塵機に
運転開始信号を出力してこれらの運転を開始させるとと
もに、前記し渣脱水機を除塵機に連動して運転を開始さ
せ、前記吸水槽の水位がポンプの運転開始水位に上昇し
た場合、この水位を第２水位検出手段によって検出し、
検出した第２水位信号を制御手段に入力し、該制御手段
から前記入力された第２水位信号に基づいてポンプに運
転開始信号を出力してポンプの運転を開始し、ポンプの
運転により吸水槽の水位がポンプの運転停止水位まで低
下した場合、この水位を第２水位検出手段によって検出
し、検出した第３水位信号を制御手段に入力し、該制御
手段から前記入力された第３水位信号に基づいてポンプ
に運転停止信号を出力してポンプの運転を停止させると
ともに、前記破砕機に運転停止信号を出力して破砕機の
運転を停止させ、破砕機の運転停止から所定時間経過後
に前記制御手段から前記除塵機に運転停止信号を出力し
て除塵機の運転を停止させ、除塵機の運転停止から所定
時間経過後に前記制御手段から前記し渣脱水機に運転停
止信号を出力してし渣脱水機の運転を停止させることを
特徴としたものである。本発明によれば、汚水が流入水
路に流入している破砕機の運転必要時においてのみ破砕
機を運転する。一方、ポンプの運転により吸水槽の水位
がポンプの運転停止水位まで低下することで、ポンプお
よび破砕機の運転が停止しても、除塵機とし渣脱水機の
運転が継続され、ポンプおよび破砕機の運転が停止して
所定時間経過したのちに除塵機の運転が停止され、除塵
機の運転が停止しても、し渣脱水機の運転が継続され、
除塵機の運転が停止して所定時間経過したのちにし渣脱
水機の運転をする。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に基づいて説明する。図１は本発明の実施に適用され
る下水中継ポンプ場の一例を示す縦断側面図である。な
お、前記図２の従来例と同一もしくは相当部分には同一
符号を付して説明する。図１において、下水中継ポンプ
場は、管渠１と流入水路２の間に流入ゲート３によって
開閉される流入渠４が設けられ、流入ゲート３の開成状
態で管渠１から流入渠４に流下してきた汚水を流入水路
２から吸水槽５に導入して、吸水槽５に設置されている
ポンプＰによって吸い上げるように構成されているとと
もに、流入水路２には、その上流側から破砕機６、し渣
掻き揚げレーキ７を備えた除塵機８およびし渣脱水機９
を直列に設置した構造になっている。

【００１０】また、流入渠４には、水位計によってなる
第１水位検出手段１０が設置され、吸水槽５に水位計に
よってなる第２水位検出手段１１が設置されており、第
１水位検出手段１０によって検出した水位信号および第
２水位検出手段１１によって検出した水位信号はそれぞ
れ制御手段１２入力され、制御手段１２から破砕機６、
し渣掻き揚げレーキ７を備えた除塵機８、し渣脱水機９
およびポンプＰに運転開始信号あるいは運転停止信号が
出力されるように構成されている。

【００１１】このような構成であれば、流入渠４の水位
が機器の運転開始水位ＭＷＬ以上に到達した場合、この
水位ＭＷＬは第１水位検出手段１０によって検出され
る。ここで流入ゲート３を開成する。流入渠４の汚水は
流入水路２から吸水槽５に流下する。第１水位検出手段
１０によって検出された第１水位信号は制御手段１２に
入力される。制御手段１２は入力された第１水位信号に
基づいて破砕機６および除塵機８に運転開始信号を出力
してこれらの運転を開始させる。また、し渣脱水機９は
除塵機８に連動して運転を開始する。したがって、汚水
とともに流入水路２に流下してきた塵芥や木片などの異
物は、破砕機６によって細かく破砕されたのち、除塵機
８のし渣掻き揚げレーキ７によって汚水中から掻き揚げ
られてし渣脱水機９に送り込まれ、ここで絞って脱水し
たのち搬出して回収される。

【００１２】一方、吸水槽５の水位がポンプＰの運転開
始水位ＨＷＬに上昇した場合、この水位は第２水位検出
手段１１によって検出され、検出した第２水位信号は制
御手段１２に入力される。制御手段１２は入力された第
２水位信号に基づいてポンプＰに運転開始信号を出力し
てポンプＰの運転を開始させる。

【００１３】ポンプＰの運転により吸水槽５の水位がポ
ンプＰの運転停止水位ＬＷＬまで低下した場合、この水
位は第２水位検出手段１１によって検出され、検出した
第３水位信号は制御手段１２に入力される。制御手段１
２は入力された第３水位信号に基づいてポンプＰに運転
停止信号を出力してポンプの運転を停止させるととも
に、破砕機６に運転停止信号を出力して破砕機６の運転
を停止させる。また、破砕機６の運転停止から所定時間
（たとえば最大１０分程度）経過後に制御手段１２から
除塵機８に運転停止信号を出力して除塵機８の運転を停
止させる。そして、除塵機８の運転停止から所定時間
（たとえば最大１０分程度）経過後に制御手段１２から
し渣脱水機９に運転停止信号を出力してし渣脱水機９の
運転を停止させる。

【００１４】このように、本発明は、流入渠４の水位が
機器の運転開始水位ＭＷＬ以上に到達した場合、この水
位ＭＷＬを第１水位検出手段１０によって検出し、流入
ゲート３を開成して、流入渠４の汚水を流入水路２から
吸水槽５に流下させて、破砕機６の運転を行うようにし
ている。つまり、汚水が流入水路２に流入している破砕
機６の運転必要時においてのみ、破砕機６が運転される
ので、破砕機６の運転効率が良くなるとともに、動力の
浪費を抑えることができる。

【００１５】また、ポンプＰおよび破砕機６の運転が停
止しても、除塵機６とし渣脱水機９の運転が継続され、
ポンプＰおよび破砕機６の運転が停止して所定時間経過
したのちに除塵機８の運転が停止され、除塵機８の運転
が停止しても、し渣脱水機９の運転が継続され、除塵機
８の運転が停止して所定時間経過したのちにし渣脱水機
９の運転が停止されるので、破砕機６によって細かく破
砕された塵芥や木片などの異物が除塵機８とし渣脱水機
９に残留する事態の発生を確実に回避することができ
る。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、流入渠
の水位がはさ機および除塵機の運転開始水位以上に到達
した場合、この水位を第１水位検出手段によって検出
し、流入ゲートを開成して、流入渠の汚水を流入水路か
ら吸水槽に流下させて、破砕機の運転を行うようにして
いる。つまり、汚水が流入水路に流入している破砕機の
運転必要時においてのみ、破砕機が運転されるので、破
砕機の運転効率が良くなるとともに、動力の浪費を抑え
ることができる。しかも、ポンプおよび破砕機の運転が
停止しても、除塵機とし渣脱水機の運転が継続され、ポ
ンプおよび破砕機の運転が停止して所定時間経過したの
ちに除塵機の運転が停止され、除塵機の運転が停止して
も、し渣脱水機の運転が継続され、除塵機の運転が停止
して所定時間経過したのちにし渣脱水機の運転が停止さ
れるので、破砕機によって細かく破砕された塵芥や木片
などの異物が除塵機とし渣脱水機に残留する事態の発生
を確実に回避することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施に適用される下水中継ポンプ場の
一例を示す縦断側面図である。

【図２】従来例に適用される下水中継ポンプ場の一例を
示す縦断側面図である。

【符号の説明】

１ 管渠 ２ 流入水路 ３ 流入ゲート ４ 流入渠 ５ 吸水槽 ６ 破砕機 ８ 除塵機 ９ し渣脱水機 １０ 第１水位検出手段 １１ 第２水位検出手段 １２ 制御手段 Ｐ ポンプ ＨＷＬ ポンプの運転開始水位 ＬＷＬ ポンプの運転停止水位 ＭＷＬ 破砕機および除塵機の運転開始水位

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 管渠と流入水路の間に流入ゲートによっ
   て開閉される流入渠が設けられ、前記流入ゲートの開成
   状態で前記管渠から流入渠に流下してきた水を前記流入
   水路から吸水槽に導入して、該吸水槽に設置されている
   ポンプによって吸い上げるように構成されているととも
   に、水とともに流入水路に流下してきた塵芥などの異物
   を破砕する破砕機と、この破砕機によって破砕された塵
   芥などの異物を流入水路から引揚げて除去する除塵機
   と、この除塵機によって引揚げられた塵芥などの異物を
   受取って脱水するし渣脱水機を備えたポンプ場におい
   て、前記流入渠の水位が破砕機および除塵機の運転開始
   水位以上に到達した場合、この水位を第１水位検出手段
   によって検出し、流入ゲートを開成し、検出した第１水
   位信号を制御手段に入力し、該制御手段から前記入力さ
   れた第１水位信号に基づいて前記破砕機および除塵機に
   運転開始信号を出力してこれらの運転を開始させるとと
   もに、前記し渣脱水機を除塵機に連動して運転を開始さ
   せ、前記吸水槽の水位がポンプの運転開始水位に上昇し
   た場合、この水位を第２水位検出手段によって検出し、
   検出した第２水位信号を制御手段に入力し、該制御手段
   から前記入力された第２水位信号に基づいてポンプに運
   転開始信号を出力してポンプの運転を開始し、ポンプの
   運転により吸水槽の水位がポンプの運転停止水位まで低
   下した場合、この水位を第２水位検出手段によって検出
   し、検出した第３水位信号を制御手段に入力し、該制御
   手段から前記入力された第３水位信号に基づいてポンプ
   に運転停止信号を出力してポンプの運転を停止させると
   ともに、前記破砕機に運転停止信号を出力して破砕機の
   運転を停止させ、破砕機の運転停止から所定時間経過後
   に前記制御手段から前記除塵機に運転停止信号を出力し
   て除塵機の運転を停止させ、除塵機の運転停止から所定
   時間経過後に前記制御手段から前記し渣脱水機に運転停
   止信号を出力してし渣脱水機の運転を停止させることを
   特徴とする下水中継ポンプ場の運転方法。