JPH09195151A - 不織布、鞄地および鞄 - Google Patents

不織布、鞄地および鞄

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JPH09195151A
JPH09195151A JP728396A JP728396A JPH09195151A JP H09195151 A JPH09195151 A JP H09195151A JP 728396 A JP728396 A JP 728396A JP 728396 A JP728396 A JP 728396A JP H09195151 A JPH09195151 A JP H09195151A
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JP
Japan
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woven fabric
fabric according
fibers
bag
nonwoven fabric
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JP728396A
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Inventor
Tatsuo Kimura
達雄 木村
Yasuyoshi Horiguchi
泰義 堀口
Takakazu Taki
尊一 瀧
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】水や湿気による膨潤(フヤケ現象)を起さずに
硬くて耐折性と寸法変化を起こさない形態保持性に優れ
た不織布の提供。 【解決手段】不織布は、複数の融点の異なる繊維で構成
され、かつ、該繊維間が高分子樹脂で充填されてなり、
その少なくとも片面が平滑化され、かつ、0.3〜0.
6g/cm3 の見掛け密度を有することを特徴とするもの
であり、また、融点の異なる複数の成分からなる複合繊
維で構成され、かつ、該繊維間が高分子樹脂で充填され
てなり、その少なくとも片面が平滑化され、かつ、0.
3〜0.6g/cm3 の見掛け密度を有することを特徴と
するものである。また、本発明の鞄地は、かかる不織布
で構成され、鞄を構成する部材の少なくとも一部に使用
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬さ(曲げ反発性)や
耐折性が優れた不織布に関し、特に鞄地および鞄に関す
る。
【0002】
【従来の技術】鞄芯材としては、従来からパルプを樹脂
で固化した後に圧縮したボード状シート、いわゆるパル
ブボードや皮を粉砕して樹脂で固化した後に圧縮したボ
ード状シート、いわゆるレザーボードが主に使用されて
いる。
【0003】しかしパルブボードやレザーボートは、湿
潤時に膨潤(フヤケ現象)して柔らかくなるために所定
の硬さ(曲げ反発性)や耐折性が得られないこと、表面
の平滑性が変化して感触が悪化すること、寸法変化を起
して型崩れが生じ易く鞄の外観に凹凸等の影響を与えた
り、さらには軽量化が望まれている昨今では吸湿により
鞄重量が重くなる等の問題がある。
【0004】また最近では短繊維不織布を基材として高
分子樹脂を含浸加工を施して充填させたものが一部で使
用されているが鞄芯材として用いられるボードは、一般
的に密度が小さい為に柔らかく、折り曲げ易いことから
鞄が型崩れし易い、折り癖が付き易い、また平滑性が劣
る為に鞄の外観品位に著しく損ない、感触が劣る等の問
題があった。
【0005】本発明者らはかかる問題についてポリエス
テルスパンボンド長繊維(単成分)の不織布に高分子樹
脂を充填させて表面が平滑な鞄芯材を提案しているが、
かかる単成分の不織布では目的とする所定の硬さ(曲げ
反発性)や耐折性を得るのに高分子樹脂の充填量が多く
する必要があったり、表面でザラツキを生じて平滑性が
劣るものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の欠点に鑑み、水や湿気による膨潤(フヤケ現象)を起
さずに硬くて耐折性が優れており、寸法変化を起こさな
い形態保持性に優れた不織布を提供せんとするものであ
り、また、充填されている高分子樹脂量が少ないにも拘
らず、平滑性に優れ、たとえばブランドネーム等の印刷
性の良好な、適度な硬さ(曲げ反発性)や耐折性を有す
る鞄地および鞄を提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決しようとする手段】本発明は、かかる目的
を達成するために、次のような手段を採用する。すなわ
ち、本発明の不織布は、複数の融点の異なる繊維で構成
され、かつ、該繊維間が高分子樹脂で充填されてなり、
その少なくとも片面が平滑化され、かつ、0.3〜0.
6g/cm3 の見掛け密度を有することを特徴とするもの
であり、また、融点の異なる複数の成分からなる複合繊
維で構成され、かつ、該繊維間が高分子樹脂で充填され
てなり、その少なくとも片面が平滑化され、かつ、0.
3〜0.6g/cm3 の見掛け密度を有することを特徴と
するものである。また、本発明の鞄地は、かかる不織布
で構成されていることを特徴とするものであり、さらに
本発明の鞄はかかる鞄地を、鞄を構成する部材の少なく
とも一部に使用したことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、平滑性、印刷性に優
れ、同時に適度な硬さ(曲げ反発性)や耐折性をも満足
する鞄地に適した素材を提供できないか鋭意検討したと
ころ、特定な繊維からなる不織布と、樹脂含浸加工と、
さらに、パンチング加工、カレンダー加工とを適当に組
合せることによって、これらの特性をバランスよく有す
る鞄地を提供することを究明したものである。
【0009】すなわち、本発明の不織布は、融点の異な
る複数の成分からなる複合繊維、または、これら融点の
異なる複数の繊維(混合繊維)で構成されているもので
ある。すなわち、該繊維は、低融点ポリマー繊維と高融
点ポリマー繊維との異なるポリマーからなる混合繊維あ
るいは鞘部に低融点ポリマーと芯部に高融点のポリマー
の芯鞘型複合繊維または、前者の混合繊維と後者の芯鞘
型複合繊維の両者を併用(混合)してなる繊維で構成さ
れていても構わない。
【0010】本発明において不織布を構成する繊維とし
ては、ポリエステルスパンボンド長繊維が好ましい。か
かるポリエステルスパンボンド長繊維を基材として構成
すると、ポリオレフィン系繊維やナイロン系繊維等を基
材としたものに比べて優れた硬さ(曲げ反発性)を有
し、また高分子樹脂の含浸後の熱処理にも耐え、優れた
機械特性、たとえば引張強度、引裂強力、耐折度を有す
る不織布を提供することができる。
【0011】本発明では、上述の繊維使いによる不織布
と、低融点ポリマー成分による加熱加圧加工、たとえば
カレンダー加工、それに樹脂含浸加工やパンチング加工
との組合せによって、該不織布の平滑化と共に繊維の交
絡、繊維同士の接着、さらに高分子樹脂による固定化な
ど各種の因子をバランスさせて包含させることによっ
て、上述の各種特性をバランスよく有する不織布を提供
することができたものである。
【0012】本発明でいう融点の異なる複数の成分にお
いて、低融点ポリマーと高融点ポリマーの比率について
は目的とする硬さ、耐折性、寸法変化を起こさないこと
などの鞄の型保持性が良好であることや、平滑性及びコ
スト面など応じて適宜使用することができる。
【0013】本発明では不織布に高分子樹脂を充填さ
せ、カレンダー等の加熱加圧加工で少なくとも片面を平
滑化し、該不織布の見掛け密度を0.3〜0.6g/cm
3 、より好ましくは0.35〜0.55g/cm3 の範囲
に形成したものである。すなわち、見掛け密度が低いと
柔らかく折り曲げやすいために鞄の型崩れや折り癖が付
きやすいことや鞄などの成形品の形態保持性が悪いなど
の目的とする剛性が得られないこと、また平滑性が劣る
ために表面のザラツキが感触の悪さや外観品位を著しく
損なうという欠点が出現する傾向がある。これに対し
て、見掛け密度が高いと、たとえばシワが発生した場合
に、そのシワが破れやすい欠点があり、いわゆる耐折性
が悪くなる。
【0014】かかる不織布において、さらに厚み方向の
見掛け密度が表層部に比して内層部が、好ましくは1/
2以下、さらに好ましくは1/3以下の範囲にあるのが
好ましい。すなわち、表層部、内層部の見掛け密度が均
一であると、所定の硬さ(曲げ反発性)を達成させるた
めには、不織布の密度を比較的高くしなければならず、
また、充填する高分子樹脂量を多くしなければならない
という問題があった。これに対して、厚み方向の見掛け
密度を表層部を大きく内層部を小さくすることで、不織
布の密度が低く、かつ、充填する高分子樹脂量が少量で
あるにもかかわらず、耐折性、形態保持性と所定の硬さ
(曲げ反発性)という相反する機能を両立させることが
できたものである。すなわち、内層部を低密度とするこ
とによって、折り曲げや変形に対して応力吸収の機能を
達成し、表層部を高密度とすることによって、耐折性や
形態保持性を達成させることを実現したものである。
【0015】また本発明では高分子樹脂を充填した不織
布は、加熱加圧加工により、その少なくとも片面を平滑
化されているものであるが、かかる平滑化とは、その表
面が長さあるいは幅方向の1cm当たりの断面におい
て、深さが好ましくは100μm以下、さらに好ましく
は40μm以下であるという粗さであるものがよい。す
なわち、表面にザラツキがあると、たとえばブランドネ
ーム等の印刷が不鮮明になり、付加価値が劣り、これを
是正するために樹脂コーティングや樹脂フィルムの被覆
等の処理が必要になり、コスト面で問題が生じる。
【0016】本発明では不織布の硬さは、JISのL−
1096におけるガーレ型剛軟度試験で測定される曲げ
反発性が、好ましくは5000mg以上、さらに好まし
くは9000mg以上であるものがよい。すなわち、見
掛け密度と同様に曲げ反撥性が低いと、柔らかく折り曲
げ易く、鞄としたときの型崩れが発生しやすく形態保持
性が悪い。
【0017】また、本発明の不織布を構成する繊維の繊
度は、好ましくは1〜8デニール、さらに好ましくは2
〜5デニールがよい。たとえば、スパンボンド長繊維を
使用した場合、その繊度が細すぎると耐折強度が低く
く、柔らかくなりすぎ、また、太すぎると表面平滑性が
劣り、折れシワがダンボールの折れシワ状態になりやす
いという問題がある。
【0018】また、さらに本発明の不織布は、高分子樹
脂を充填する前に、該不織布の繊維同志を絡合させてお
くのが好ましい。すなわち、捕集した連続フィラメント
のシートに樹脂を充填し、カレンダーなどの加熱加圧加
工を施すことで、硬さや表面平滑性が得られるが、それ
だけでは、繊維同志の絡みがない場合には、耐折強度や
引裂強力が得られない問題がある。かかる絡合手段とし
ては、ニードルパンチ、ウオータジェットパンチなどの
バンチング加工が一般に使用される。
【0019】本発明において高分子樹脂の充填量は、不
織布を構成する繊維重量に対して好ましくは25〜10
0重量%未満、より好ましくは40〜80重量%であ
る。さらに、かかる高分子樹脂は、好ましくは2種以
上、さらに好ましくは3種以上の高分子樹脂で構成する
のがよく、1種を除いては、他の樹脂を混合したもので
もよい。
【0020】すなわち、かかる高分子樹脂を複数回に分
割して付与してもよく、たとえば、2〜3回の段階で付
与してよい。かかる複数種の高分子樹脂を採用すること
により、耐折性、成型性とともに剛性を与えることがで
き、鞄の型崩れや折り癖が惹起しにくく、鞄の形態保持
性や平滑性、外観品位を著しく向上させることができ
る。
【0021】その場合、1段目の高分子樹脂は、充填量
が少な過ぎると平滑化を損なうので、トータル充填量の
好ましくは5〜30重量%、より好ましくは10〜20
重量%程度に付与するのがよい。また、2段目の高分子
樹脂は、トータル充填量の好ましくは20〜80重量%
未満、より好ましくは30〜60重量%の範囲で付与す
るのが好ましい。
【0022】1段目の高分子樹脂を充填した後カレンダ
ー等の加熱加圧加工により不織布の平滑化をより確実に
達成するとともに、2段目の高分子樹脂の充填の際にお
ける、形態保持性を向上させることができる。特に1段
目の高分子樹脂が水系エマルジョンの場合、高分子樹脂
の表面へのマイグレーションが生じ、2段目の高分子樹
脂充填処理において、該高分子樹脂が厚み方向の内部に
多く偏りやすくなるので、剛性を要求される面でも好ま
しい構造をとるのでよい。しかし2段目の高分子樹脂充
填後では、不織布が硬いので、不織布の平滑化の際にカ
レンダー圧力を大きくしなければならなくなったり、そ
の際にシワが生じやすくなるという欠点が発生しやすく
なるなどの操業上の問題が惹起する。
【0023】このため、不織布に予め高分子樹脂を含浸
処理せしめ、カレンダー等で平滑化した後に高分子樹脂
に含浸するとの2段含浸処理をとることにより、良好な
表面平滑性のものが得られ、鞄の外観に凹凸等の影響を
与えることなく、また印刷性も良好である。
【0024】本発明は、かかる不織布において、好まし
くはポリエステルスパンボンド長繊維という特定な基材
と予め高分子樹脂を含浸処理せしめ、カレンダー等で平
滑化した後に高分子樹脂を含浸するとの2段含浸処理を
とることにより、それらの相乗効果により、従来技術で
は達成できなかった平滑性のものを提供することができ
る。更に予め第1の高分子樹脂を充填させた後にカレン
ダー等で平滑化すると共に第2の高分子樹脂を充填する
際の伸び、シワなどの寸法変化を抑えて加工性るを上げ
ことが2段処理で可能となり、さらに硬さ(曲げ反発
性)に寄与するとともに高い曲げ反発性、平滑性があっ
て耐折度の高いものを提供し得るものである。
【0025】かかる高分子樹脂としては、たとえばポリ
ウレタン系樹脂やNBR、SBRなどのゴム系樹脂また
アクリル、酢酸ビニル、塩化ビニル系であってもガラス
転移点が低く柔らかいものが好ましく使用される。しか
し、剛性を与える高分子樹脂としては、たとえばメラミ
ン樹脂、エポキシ樹脂あるいはガラス転移点の高い樹脂
や架橋型樹脂等を使用することができる。
【0026】なお、合成ゴムやポリウレタンのような溶
剤系高分子樹脂の場合、乾式凝固では乾燥設備に気体の
溶剤の回収にコストがかかること、湿式凝固では高い曲
げ反発性を有するために樹脂充填量が多く必要でありか
つ液体の溶剤回収にもコストがかかることなどの問題が
あり、水性エマルジョンが実用的である。
【0027】本発明の不織布は、鞄地として優れてお
り、たとえば鞄の一部を構成する芯材としても好適であ
る。もちろん、かかる剛性、平滑性、耐折性、引裂強
力、引張強力のバランスのとれた材料を再現性よく提供
することができる。
【0028】
【実施例】本発明を実施例にてさらに詳細に説明する
が、本発明はこれによって限定されるものでない。
【0029】実施例で得られた不織布の性能は、次の方
法で測定、評価した。
【0030】厚さ ;ダイヤルゲージ法(荷重
100g/cm2 )による。
【0031】引張試験 ;JISL−1096のス
トリップ法による。
【0032】引裂試験 ;JISL−1096のペ
ンジュラム法による。
【0033】耐折試験 ;JISP−8115のM
IT型法による(幅15mm、荷重2kgで切断するまでの
回数) 曲げ反発試験 ;JISL−1096のガーレ型剛軟度
試験方法による。
【0034】平滑性 ;電子顕微鏡を用いた断面
写真にて表面の粗さをベースラインからの凹凸にて測定 厚み方向の見掛け密度;電子顕微鏡を用いた断面写真に
て表層と内層の繊維あるいは樹脂の空間占有比で比較 実施例1 芯部に融点260℃℃のポリエステル成分80重量%、
鞘部に融点230℃のアジピン酸共重合成分を20重量
%の芯鞘繊維で繊度5デニールの連続フィラメントを捕
集しニードルパンチを施し目付が250g/m2 のシー
トを得た。
【0035】このシートに高分子樹脂としてアクリル樹
脂(ボンコートAN−3814;大日本インキ化学工業
製)を10%充填し、その後220℃のカレンダーロー
ルにより加圧平滑化処理を行い厚み0.88mmのシー
トを得た。
【0036】次に、該加圧平滑化したシートにメラミン
樹脂および架橋触媒を併用するアクリル樹脂を用いて含
浸処理を行い、170℃×2分で乾燥、キュア処理し厚
み0.90mm、目付が350g/m2 の不織布ボード状
シートを得た。
【0037】 樹脂含浸剤 :アクリル樹脂(ディクナールE8290N;大日本イン キ化学工業製) メラミン樹脂(ベッカミン PMN ;大日本イン キ化学工業製) 他に、架橋剤、増粘剤、顔料、水を含む 樹脂付与量 :30重量%(固形分) 得られた不織布樹脂含浸ボード状シートは、表1に示す
ように引張強力、引裂強力、耐折度、剛軟度性、平滑
性、厚み方向の見掛け密度について結果を表1に示す。
【0038】表1の記載から明らかななごとく、実施例
1で得られた鞄芯材用不織布ボード状シートは、非常に
優れた耐折度や剛軟度(硬さ)、平滑性も良好であっ
た。
【0039】これに対して、樹脂を充填しない不織布ボ
ード状シート(比較例1)やパルプボード(比較例3)
は剛軟度あるいは耐折度、引裂強力が非常に劣り鞄芯材
としては適さない結果であった。
【0040】実施例2 実施例1と同様に芯鞘繊維で繊度5デニールの連続フィ
ラメントから得られた目付250g/m2 のシートに同
様のアクリル樹脂を30%、メラミン樹脂および架橋触
媒を併用するアクリル樹脂60%を充填し厚み0.91
mm、目付が475g/m2 の不織布ボード状シートを得
た。
【0041】このシートは優れた耐折度や剛軟度(硬
さ)、平滑性も良好であった。
【0042】実施例3 融点260℃℃のポリエステル成分を80重量%、融点
230℃のアジピン酸共重合成分を20重量%の繊度が
8デニールの混合繊維の連続フィラメントを捕集しニー
ドルパンチを施し目付が200g/m2 のシートを得
た。
【0043】実施例1と同様にシートに高分子樹脂とし
てアクリル樹脂を20%充填し、その後220℃のカレ
ンダーロールにより加圧平滑化処理を行い、次にメラミ
ン樹脂および架橋触媒を併用するアクリル樹脂を用いて
60重量%(固形分)含浸処理を行い目付が360g/
2 の不織布ボード状シートを得た。
【0044】仕上がった不織布ボード状シートは厚み
0.90mmのもので実施例1、2と同様に優れた耐折度
や剛軟度、平滑性を示すものであった。
【0045】比較例1 実施例1と同様に芯鞘繊維で繊度5デニールの連続フィ
ラメントから得られニードルパンチを施し目付が250
g/m2 のシートを220℃のカレンダーにより加圧平
滑化処理を行い厚み0.62mmの不織布ボード状シー
トを得た。
【0046】耐折度や引裂強力は優れているものの剛軟
度(硬さ)が劣りまた毛羽立ちが見られ鞄芯材としては
適さないものであった。
【0047】比較例2 融点260℃のポリエステル成分のみで繊度が3デニー
ルの連続フィラメントを捕集し75本/cm2 のニードル
パンチを施し目付が130g/m2 のシートを得た。
【0048】このシートに高分子樹脂としてアクリル樹
脂(ボンコートAN−3814;大日本インキ化学工業
製)を15%充填し、その後220℃のカレンダーによ
り加圧平滑化処理を行い厚み0.85mmのシートを得
た。次に実施例1と同様にメラミン樹脂および架橋触媒
を併用するアクリル樹脂を用いて158重量%(固形
分)含浸処理を行い厚み0.95mm、目付が359g/
2 の不織布ボード状シートを得た。
【0049】仕上がった不織布ボード状シートは耐折度
や剛軟度(硬さ)は問題がないものの、平滑性の点及び
充填する高分子樹脂量が多く必要とするものであった。
【0050】比較例3 市販のパルプボードは耐折度、引裂強力が非常に劣り鞄
芯材としては適さない結果であった。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、水や湿気による膨潤
(フヤケ現象)を起さずに硬くて耐折性が優れており、
寸法変化を起こさないことにより鞄の型保持性が良好で
あり、さらに、平滑性が優れ、鞄の外観に優れ、ブラン
ドネーム等の印刷性が良好で、高分子樹脂充填量が比較
的少ないにも拘らず平滑性、硬さ(曲げ反発性)や耐折
性に優れた鞄芯材を提供することができる。

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の融点の異なる繊維で構成され、か
    つ、該繊維間が高分子樹脂で充填されてなり、その少な
    くとも片面が平滑化され、かつ、0.3〜0.6g/cm
    3 の見掛け密度を有することを特徴とする不織布。
  2. 【請求項2】 融点の異なる複数の成分からなる複合繊
    維で構成され、かつ、該繊維間が高分子樹脂で充填され
    てなり、その少なくとも片面が平滑化され、かつ、0.
    3〜0.6g/cm3 の見掛け密度を有することを特徴と
    する不織布。
  3. 【請求項3】 該見掛け密度が、表層部の見掛け密度に
    比して内層部の見掛け密度が1/2以下である請求項1
    または2記載の不織布。
  4. 【請求項4】 該不織布が、JIS L−1096によ
    るガーレ型剛軟度試験で、経緯いずれの方向においても
    5000mg以上の曲げ反発性を有するものである請求
    項1または2記載の不織布。
  5. 【請求項5】 該曲げ反撥性が、9000mg以上であ
    る請求項4記載の不織布。
  6. 【請求項6】 該不織布が、JIS P−8115によ
    るMIT型法による耐折試験で、経緯いずれの方向にお
    いても少なくとも4000回の耐折度を有するものであ
    る請求項1または2記載の不織布。
  7. 【請求項7】 該耐折度が、経緯いずれの方向において
    も少なくとも5000回である請求項6記載の不織布。
  8. 【請求項8】 該不織布が、JIS L−1096によ
    るペンジュラム法で、経緯いずれの方向においても5k
    gf以上の引裂強力を有するものである請求項1または
    2記載の不織布。
  9. 【請求項9】 該引裂強力が、6〜11kgfである請
    求項8記載の不織布。
  10. 【請求項10】 該不織布が、JIS L−1096に
    よるストリップ法で、緯方向の引張強力が、70kgf
    以上である請求項1または2記載の不織布。
  11. 【請求項11】 該不織布が、JIS L−1096に
    よるストリップ法で、経方向の引張強力が、100kg
    f以上である請求項1または2記載の不織布。
  12. 【請求項12】 該不織布が、経緯いずれの方向におい
    ても、5000mg以上の曲げ反撥性、少なくとも40
    00回の耐折度および5kgf以上の引裂強力を有する
    請求項1または2記載の不織布。
  13. 【請求項13】 該不織布が、100kgf以上の経方
    向の引張強力および70kgf以上の緯方向の引張強力
    とを満足する請求項12記載の不織布。
  14. 【請求項14】 該平滑化された面が、長さあるいは幅
    方向の任意の箇所の1cm当たりの断面を観察したとき
    に、その表面が深さ100μm以下の粗さの範囲内にあ
    る請求項1または2記載の不織布。
  15. 【請求項15】 該表面粗さが、深さ40μm未満の範
    囲内にある請求項14記載の不織布。
  16. 【請求項16】 該不織布を構成する繊維が、1〜8デ
    ニールの単糸繊度を有する請求項1または2記載の不織
    布。
  17. 【請求項17】 該不織布を構成する繊維が、ポリエス
    テルスパンボンド長繊維である請求項16記載の不織
    布。
  18. 【請求項18】 該不織布が、少なくとも表面部におい
    て繊維同志が絡合および/または融着している請求項1
    または2記載の不織布。
  19. 【請求項19】 該高分子樹脂の充填量が、該繊維に対
    して25〜100重量%未満である請求項1または2記
    載の不織布。
  20. 【請求項20】 該高分子樹脂が、2種以上であり、か
    つ、それらが積層構造を有するものである請求項19記
    載の不織布。
  21. 【請求項21】 請求項1〜20のいずれかに記載の不
    織布で構成されていることを特徴とする鞄地。
  22. 【請求項22】 請求項20記載の鞄地を、鞄を構成す
    る部材の少なくとも一部に使用したことを特徴とする
    鞄。
JP728396A 1996-01-19 1996-01-19 不織布、鞄地および鞄 Pending JPH09195151A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020046392A (ja) * 2018-09-21 2020-03-26 藤倉コンポジット株式会社 圧力センサ

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