JPH09194795A - 着氷防止剤 - Google Patents

着氷防止剤

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JPH09194795A
JPH09194795A JP8031394A JP3139496A JPH09194795A JP H09194795 A JPH09194795 A JP H09194795A JP 8031394 A JP8031394 A JP 8031394A JP 3139496 A JP3139496 A JP 3139496A JP H09194795 A JPH09194795 A JP H09194795A
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formula
ice
silicon
icing agent
integer
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Application number
JP8031394A
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English (en)
Inventor
Takuya Arase
琢也 荒瀬
Yuji Tanaka
勇次 田中
Tetsuo Shimizu
哲男 清水
Masanaga Tatemoto
正祥 建元
Keizo Desaki
圭三 出崎
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 氷の付着を効果的に防止することができる着
氷防止剤を提供する。 【解決手段】 下記一般式(I)で表されるケイ素含有
有機含フッ素ポリマーを含有してなることを特徴とする
着氷防止剤。 【化1】 式中、Rf は、パーフルオロアルキル基を表す。Zは、
フッ素又はトリフルオロメチル基を表す。a、b、c、
d、eは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表
し、a+b+c+d+eは、少なくとも1以上であり、
a、b、c、d、eでくくられた各繰り返し単位の存在
順序は、式中において限定されない。Yは、水素又は炭
素数1〜4のアルキル基を表す。Xは、水素、臭素又は
ヨウ素を表す。R1 は、水酸基又は加水分解可能な置換
基を表す。R2 は、水素又は1価の炭化水素基を表す。
lは、0、1又は2を表す。mは、1、2又は3を表
す。nは、1以上の整数を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材表面に氷が付
着するのを効果的に防止する着氷防止剤に関し、更に詳
しくは、本発明は、豪雪地方、寒冷地等において、風防
ガラス等に雪や氷が付着するのを防止する着氷防止剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】自動車、列車等の車両、航空機、船舶等
の移動物、住宅等の建造物等に使用される基材の表面
は、使用時に風雨に晒されるが、豪雪地方、寒冷地等に
おいては、特に冬季には、雪や氷に長時間接することと
なる。また、氷冷実験設備等の特殊施設、冷蔵庫等の家
電製品等においても、部材の一部分が極めて低い温度に
晒され、水滴や空気中の水分が氷として付着することと
なる。車両等の基材の表面に氷が付着すると、その機能
を阻害し、例えば、風防ガラス等の場合には視界を遮る
こととなって事故の原因となる。また、冷蔵庫等の一部
部材に氷が付着すると、その冷却効率が低下して無駄な
電力の消費を招くこととなる。
【0003】特開平3−158794号公報には、親水
性皮膜を形成することにより防曇性処理を施す技術が開
示されている。特開平1−126244号公報には、ポ
リジメチルシロキサン等の有機シリコーン化合物をガラ
ス表面に直接塗布し又は処理剤に浸漬することにより塗
膜を形成して撥水性を付与する技術が開示されている。
特開平4−338147号公報、特公昭63−2455
4号公報には、フルオロアルキルシラン化合物を用い
て、化学吸着法又はゾルゲル法によりフルオロアルキル
基含有酸化ケイ素膜をガラス表面に形成させて撥水性を
得る技術が開示されている。
【0004】しかしながら、親水性皮膜を形成すること
による防曇性処理では、氷の付着を効果的に防止するこ
とはできない。また、有機シリコーン化合物の塗膜をガ
ラス表面に形成する方法では、当該塗膜がガラスと化学
的に結合していないので、使用中に当該塗膜が剥がれた
りする可能性が高く、耐久性が充分でない。更に、フル
オロアルキル基含有酸化ケイ素膜をガラス表面に形成す
る方法は、耐久性は充分となるが、潤滑性が不充分であ
る。また、これらの技術を単独で又は組み合わせて用い
たとしても、水をはじく性質を得ることはできても、氷
の付着を効果的に防止することはできなかった。
【0005】着氷を防止しようとする場合、目的とする
基材表面に氷が形成されないか、又は、形成され難いこ
とがまず必要である。しかし、氷がいったん形成された
後であっても、これを小さな力で除去することは一般に
非常に困難なことが多いのが事実であることを考える
と、このようにいったん形成された氷を除去しやすくす
ることも重要である。従って、氷が付着すること自体を
防止する作用に加えて、いったん付着した氷を極めて簡
単に除去することができる作用をも含んだ着氷防止作用
を有する着氷防止剤が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の現状
に鑑み、氷の付着を効果的に防止することができる着氷
防止剤を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の着氷防止剤は、
下記一般式(I)で表されるケイ素含有有機含フッ素ポ
リマーを含有してなることを特徴とするものである。
【0008】
【化3】
【0009】式中、Rf は、パーフルオロアルキル基を
表す。Zは、フッ素又はトリフルオロメチル基を表す。
a、b、c、d、eは、それぞれ独立して、0又は1以
上の整数を表し、a+b+c+d+eは、少なくとも1
以上であり、a、b、c、d、eでくくられた各繰り返
し単位の存在順序は、式中において限定されない。Y
は、水素又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Xは、
水素、臭素又はヨウ素を表す。R1 は、水酸基又は加水
分解可能な置換基を表す。R2 は、水素又は1価の炭化
水素基を表す。lは、0、1又は2を表す。mは、1、
2又は3を表す。nは、1以上の整数を表す。以下に本
発明を詳述する。
【0010】本発明の着氷防止剤は、上記一般式(I)
で表されるケイ素含有有機含フッ素ポリマーを含有す
る。上記一般式(I)で表される式中、Rf としては、
通常、有機含フッ素ポリマーを構成するパーフルオロア
ルキル基であれば特に限定されず、例えば、炭素数1〜
16の直鎖状又は分岐状のものを挙げることができる。
好ましくは、CF3−、C2 5 −、C3 7 −であ
る。
【0011】上記一般式(I)中のZは、フッ素でもよ
いしトリフルオロメチル基でもよい。上記一般式(I)
中のa、b、c、d、eは、ケイ素含有有機含フッ素ポ
リマーの主骨格を構成するパーフルオロポリエーテル鎖
の繰り返し単位数を表し、0又は1以上の整数でありa
+b+c+d+eが1以上であれば特に限定されない
が、それぞれ独立して、0〜200が好ましく、後述す
るケイ素含有有機含フッ素ポリマーの分子量を考慮すれ
ば、より好ましくは、それぞれ独立して、0〜50であ
る。a+b+c+d+eは、好ましくは、1〜100で
ある。
【0012】また、a、b、c、d、eでくくられた各
繰り返し単位の存在順序は、便宜上一般式(I)中にお
いてはこの順に記載したが、通常のパーフルオロポリエ
ーテル鎖の構成に鑑み、これらの各繰り返し単位の結合
順序は、この順に限定されるものではない。
【0013】上記一般式(I)中のYは、水素又は炭素
数1〜4のアルキル基を表す。上記炭素数1〜4のアル
キル基としては特に限定されず、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、ブチル等を挙げることができ、直鎖状で
あっても分岐状であってもよい。上記一般式(I)のX
は、水素、臭素又はヨウ素を表す。Xが臭素又はヨウ素
である場合には、本発明のケイ素含有有機含フッ素ポリ
マーはラジカル反応性が高くなるので、化学結合により
他の化合物と結合させるのには好都合である。
【0014】上記一般式(I)中のlは、パーフルオロ
ポリエーテル鎖の構成する炭素とこれに結合するケイ素
との間に存在するアルキレン基の炭素数を表し、0、1
又は2であるが、より好ましくは、0である。
【0015】上記一般式(I)中のmは、ケイ素に結合
する置換基R1 の結合数を表し、1、2又は3である。
置換基R1 が結合していない部分には、当該ケイ素には
2が結合する。
【0016】上記R1 は、水酸基又は加水分解可能な置
換基を表す。上記加水分解可能な置換基としては特に限
定されず、好ましいものとしては、例えば、ハロゲン、
−OR3 、−OCOR3 、−OC(R3 )=C(R4
2 、−ON=C(R3 2 、−ON=CR5 [式中、R
3 は、脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表し、
4 は、水素又は炭素数1〜4の脂肪族炭化水素基を表
し、R5 は、炭素数3〜6の2価の脂肪族炭化水素基を
表す。]等を挙げることができる。より好ましくは、塩
素、−OCH3 、−OC2 5 である。
【0017】上記R2 は、水素又は1価の炭化水素基を
表す。上記1価の炭化水素基としては特に限定されず、
好ましいものとしては、例えば、メチル、エチル、プロ
ピル、ブチル等を挙げることができ、直鎖状であっても
分岐状であってもよい。
【0018】上記一般式(I)中のnは、1以上の整数
を表し、特に上限はないが、本発明の目的を達するため
には、1〜10の整数であることが好ましい。上記n
は、一般式(I)中においては整数を表すが、このよう
な整数nを有する一般式(I)で表されるポリマーの混
合物として本発明に係るケイ素含有有機含フッ素ポリマ
ーが存在していてもよい。このように混合物としてケイ
素含有有機含フッ素ポリマーが存在する場合には、上記
nは、当該混合物中において平均値として表すことがで
き、当該ケイ素含有有機含フッ素ポリマーが混合物とし
て存在する場合には、本発明の目的を考慮すれば、nの
平均値は、1.3〜3が好ましく、1.5〜2.5が特
に好ましい。
【0019】上記ケイ素含有有機含フッ素ポリマーの分
子量は、5×102 〜1×105 が好ましい。5×10
2 未満では、本発明の効果を発揮せず、1×105 を超
えると加工性に乏しくなる。より好ましくは、1×10
3 〜1×104 である。
【0020】上記ケイ素含有有機含フッ素ポリマーの好
ましいものとして、例えば、下記一般式(II)で表さ
れるもの等を挙げることができる。
【0021】
【化4】
【0022】式中、pは、1以上の整数を表す。Y、
X、R1 、R2 、l、m、nは、前記と同じ。上記一般
式(II)中のpは、1以上の整数であれば特に限定さ
れないが、1〜200が好ましく、本発明のケイ素含有
有機含フッ素ポリマーの分子量を考慮すれば、より好ま
しくは、1〜50である。
【0023】上記ケイ素含有有機含フッ素ポリマーの分
子量は、5×102 〜1×105 が好ましい。5×10
2 未満では、本発明の効果を発揮せず、1×105 を超
えると加工性に乏しくなる。より好ましくは、1×10
3 〜1×104 である。
【0024】上記ケイ素含有有機含フッ素ポリマーは、
通常市販されているパーフルオロポリエーテルを原料と
して用い、末端に例えば、ヨウ素を導入した後、これ
に、例えば、下記一般式[式中、Y、R1 、R2 、l、
mは、前記と同じ。]で表されるビニルシラン化合物を
反応させること等により得ることができる。
【0025】
【化5】
【0026】本発明の着氷防止剤を適用するにあたって
は、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボ
ン、セメント等の微粉末充填剤、チタン、アルミニウ
ム、ケイ素等のアルコキシド、その他の低分子量ポリテ
トラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体等のフッ素樹脂の微粉末
等を、硬度調整剤又は増量剤等として添加することがで
きる。また、通常の架橋剤や水、塩酸、硫酸、カルボン
酸、スルホン酸等の硬化触媒を更に加えて、硬度調整を
行うこともできる。
【0027】本発明の着氷防止剤を適用するにあたって
は、対象となる基材の表面に、上記ケイ素含有有機含フ
ッ素ポリマーを塗布する方法を採ることができる。上記
塗布方法としては、例えば、刷毛塗り、スプレー塗装、
スピン塗装、浸漬塗装、ロールコート塗装、グラビアコ
ート塗装、カーテンフロー塗装等を挙げることができ
る。また、塗布する際には溶剤で希釈する方が塗布し易
い。このような溶剤としては特に限定されず、例えば、
パーフルオロヘキサン、パーフルオロメチルシクロヘキ
サン、パーフルオロ−1,3―ジメチルシクロヘキサ
ン、HCFC225等を挙げることができる。
【0028】本発明においては、溶剤で希釈したケイ素
含有有機含フッ素ポリマーを、あらかじめシラン化合物
を含有してなる処理液で表面に下地層を形成させた基材
表面に塗布する方法を用いてもよい。上記シラン化合物
としては特に限定されず、例えば、一般式(III) Si(OR114 (III) [式中、R11は、脂肪族炭化水素基を表し、その炭素数
は特に限定されない。]で表されるケイ素のアルコキシ
ド化合物、一般式(III)で表される化合物の部分加
水分解縮合生成物等を挙げることができる。なかでも、
入手容易であることから、テトラエトキシシランが好ま
しい。
【0029】上記シラン化合物は、メチルアルコール、
エチルアルコール、イソプロピルアルコール、酢酸エチ
ル、アセトン等の有機溶媒又は水溶媒によって所定濃度
の溶液とする。この濃度は特に限定されないが、2〜8
0重量%の範囲内にあることが好ましい。2重量%未満
であると、シリカゾルの形成に長時間を要し、80重量
%を超えると、液粘度が高くなりすぎて作業性を損なう
ので好ましくない。上記溶液に通常の触媒、例えば、塩
酸を加えて所定時間静置してシリカゾルとなした後、塗
布作業に適した濃度まで上記溶媒を用いて希釈する。静
置時間は特に限定されないが、例えば、2〜10日であ
る。希釈濃度は所望する下地層の厚さによって異なる
が、例えば、0.2〜2重量%の範囲内である。
【0030】次に、希釈した溶液を基材表面に塗布す
る。塗布方法としては、例えば、刷毛塗り、スプレー塗
装、スピン塗装、浸漬塗装、ロールコート塗装、グラビ
アコート塗装、カーテンフロー塗装等を挙げることがで
きる。上記操作によって、基材表面にシラノールポリマ
ーのゲル層が形成される。
【0031】次に、上記基材を加熱することにより、酸
化ケイ素を主成分とする下地層を形成することができ
る。加熱温度は基材によって異なるが、例えば、100
〜300℃の範囲内である。加熱時間は特に限定されな
いが、例えば、10分〜3時間の範囲内である。形成さ
れる下地層の厚さは特に限定されないが、通常、0.0
5〜0.1μmの範囲内である。
【0032】しかる後、上記溶剤で希釈したケイ素含有
有機含フッ素ポリマーを上記の表面に下地層を形成させ
た基材表面に塗布する。塗布方法としては、例えば、刷
毛塗り、スプレー塗装、スピン塗装、浸漬塗装、ロール
コート塗装、グラビアコート塗装、カーテンフロー塗装
等を挙げることができる。
【0033】本発明の着氷防止剤により形成されるケイ
素含有有機含フッ素ポリマー層の厚みは特に限定される
ものではないが、0.001〜0.03μmが好まし
い。0.001μm未満であると着氷防止効果が乏しく
なり、0.03μmを超えると層が厚すぎて使用に障害
が生じるので好ましくない。
【0034】本発明の着氷防止剤を適用することができ
る基材としては特に限定されず、例えば、自動車、列車
等の車両、航空機、船舶等の移動物、住宅等の建造物等
に使用される基材、氷冷実験設備等の特殊施設、冷蔵庫
等の家電製品等を挙げることができる。なかでも、車
両、航空機、船舶等の風防ガラス等は、着氷することに
より危険が生じるので、特に重要である。
【0035】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0036】合成例1 攪拌機、滴下ロート、還流冷却器及び温度計を備えた
2.0L4つ口フラスコ中に2617g(10.3モ
ル)のヨウ素、213.2g(1.54モル)の炭酸カ
リウム、及び、9000gのヘキサクロロ−1,3−ブ
タジエンを仕込み、系の温度を160℃に維持しながら
窒素気流下に、化学式F−(CF2 CF2 CF2 O)n
−CF2 CF2 COFで表されるω−フルオロポリパー
フルオロオキセタンアシルフルオライド(平均分子量3
900)4000g(1.03モル)を10mL/分の
速度で滴下した。
【0037】滴下終了後、反応温度を185℃に上昇さ
せ、20時間反応させた。反応終了後、系を冷却したの
ちカリウム塩を濾別し、2層に分離した液相から分液ロ
ートを用いて下層を分取した。これをアセトンを用いて
数回洗浄したのち、1Lのパーフルオロヘキサンに溶解
し、ガラスフイルターによって微細な不溶物を濾別し
た。得られた溶液から減圧下揮発分を完全に留去するこ
とによって3890g(収率95%)の化学式F−(C
2 CF2 CF2 O)n −CF2 CF2 Iで表されるω
−フルオロポリパーフルオロオキセタンヨウ素化物を得
た。赤外吸収スペクトルより、1890cm-1の−C
(=O)Fの吸収が完全に消失し、910cm-1に新た
に−CF2 Iの吸収が生じた。トリクロロフルオロメタ
ン(CFC−11)を標準とする19F−NMRより、2
0.7ppmの−C(=O)Fの吸収が完全に消失し、
新たに−66.7ppmに、−OCF2 2 Iに由来
する吸収が生じ、−87.6ppmに、−OC2 CF
2 Iに由来する吸収が生じた。積分値より、転化率は1
00%と計算された。
【0038】合成例2 攪拌機、滴下ロート、還流冷却器及び温度計を備えた2
00mL4つ口フラスコ中に合成例1にて合成した化学
式F−(CF2 CF2 CF2 O)n −CF2 CF2 Iで
表されるω−フルオロポリパーフルオロオキセタンヨウ
素化物40gをダイフロンソルベントS−316(ダイ
キン工業社製)80gに溶解したもの、及び、ジt−ブ
チルパーオキシド1.5g(1×10-2モル)を仕込
み、充分に系内を窒素置換したのち、窒素気流下滴下ロ
ートよりビニルトリクロロシラン16.1g(0.10
モル)を滴下した。滴下終了後系内の温度を120℃に
昇温させ、4時間反応させた。反応終了後減圧下揮発分
を完全に留去することによって末端にヨウ素を有するケ
イ素含有有機含フッ素ポリマー(A)38.7g(収率
90%)を得た。CFC−11を標準とする19F−NM
Rより、−66.7ppm、−87.6ppmの吸収は
完全に消失し、−89.2〜−90.0ppmに幅広い
吸収帯が現れた。また、 1H−NMRより、1.4〜
3.0ppmに幅広い吸収帯が現れたが、内部標準とし
て化学式F−(CF2 CF2 CF2 O)n −CF2 CF
2 Hで表されるω−フルオロポリパーフルオロオキセタ
ン水素化物5.0モル%を添加することにより、トリク
ロロビニルシランの重合度を計算すると、2.0であっ
た。
【0039】合成例3 攪拌機、滴下ロート、還流冷却器及び温度計を備えた2
00mL4つ口フラスコ中に合成例2にて合成したケイ
素含有有機含フッ素ポリマー(A)34.4g(8×1
-3モル)をパーフルオロヘキサン50gに溶解したも
のを仕込み、亜鉛2.1g(3.2×10-2モル)を強
攪拌下分散させた。氷水浴で系を冷却し、窒素気流下無
水メタノール10gを滴下した。滴下終了後氷水浴を取
り除き、加熱還流下2時間反応させた。反応終了後不溶
物を濾別し、2層に分離した液相から分液ロートを用い
て下層を分取した。得られた溶液を無水メタノールを用
いて3回洗浄したのち、減圧下揮発分を完全に留去する
ことによって、末端が水素化されたケイ素含有有機含フ
ッ素ポリマー(B)31.6g(収率92%)を得た。
1H−NMRより、3.5ppmにSi−OCH3 の吸
収が現れた。内部標準として化学式F−(CF2 CF2
CF2 O)n −CF2 CF2 Hで表されるω−フルオロ
ポリパーフルオロオキセタン水素化物5.0モル%を添
加し、1.2〜3.0ppmの幅広い吸収帯の積分強度
が16.0%増していること、3.5ppmの吸収帯と
の強度比から、重合度が2.0であることを確認した。
【0040】合成例4 市販の含フッ素シランカップリング剤KBM7803
(C8 17CH2 CH2Si(OCH3 3 、信越化学
社製)を用意した。
【0041】実施例1 合成例3で得たものを、パーフルオロヘキサンの0.1
重量%溶液となした処理液を調製した。ガラス板を、使
用前に水洗し、その後にメタノールとアセトンを用いて
充分に洗浄した。このようにして準備したガラス板を処
理液に10秒間ディッピングし、引き上げた後60分間
風乾した。ついで5分間パーフルオロヘキサン中で超音
波洗浄を行って過剰の処理剤分子を除去した上で、風乾
した。処理を行ったガラス板を20℃、70%RHの雰
囲気下でドライアイス上に静置し、約0.2mm厚の着
氷を生じさせた。着氷させたガラス板表面を、ポリエチ
レン製のヘラを用いて数往復軽く擦り、着氷を除去する
ことにより、着氷防止効果の判定を行った。判定基準は
以下のとおりである。 ○:容易に着氷を除去することができ、全ガラス表面を
露出させることが可能である △:ガラス表面を露出させることは可能であるが、着氷
が部分的に残存する ×:ガラス表面が露出しない 結果を表1に示した。
【0042】比較例1 合成例4で得たものを、パーフルオロヘキサンの0.1
重量%溶液となした処理液を調製した。ガラス板を、使
用前に水洗し、その後にメタノールとアセトンを用いて
充分に洗浄した。このようにして準備したガラス板を処
理液に10秒間ディッピングし、引き上げた後60分間
風乾した。ついで5分間パーフルオロヘキサン中で超音
波洗浄を行って過剰の処理剤分子を除去した上で、風乾
した。処理を行ったガラス板を20℃、70%RHの雰
囲気下でドライアイス上に静置し、約0.2mm厚の着
氷を生じさせた。実施例1と同様にして着氷防止効果の
判定を行った。結果を表1に示した。
【0043】比較例2 使用前に水洗し、その後にメタノールとアセトンを用い
て充分に洗浄したガラス板を、20℃、70%RHの雰
囲気下でドライアイス上に静置し、約0.2mm厚の着
氷を生じさせた。実施例1と同様にして着氷防止効果の
判定を行った。結果を表1に示した。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明の着氷防止剤は、上述の構成より
なるので、氷の付着を効果的に防止することができ、更
には、いったん付着した氷を極めて簡単に除去すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 哲男 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 建元 正祥 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 出崎 圭三 愛知県名古屋市中村区名駅南2丁目14番19 号 住友生命名古屋ビル ダイキン工業株 式会社名古屋支店内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表されるケイ素含有
    有機含フッ素ポリマーを含有してなることを特徴とする
    着氷防止剤。 【化1】 式中、Rf は、パーフルオロアルキル基を表す。Zは、
    フッ素又はトリフルオロメチル基を表す。a、b、c、
    d、eは、それぞれ独立して、0又は1以上の整数を表
    し、a+b+c+d+eは、少なくとも1以上であり、
    a、b、c、d、eでくくられた各繰り返し単位の存在
    順序は、式中において限定されない。Yは、水素又は炭
    素数1〜4のアルキル基を表す。Xは、水素、臭素又は
    ヨウ素を表す。R1 は、水酸基又は加水分解可能な置換
    基を表す。R2 は、水素又は1価の炭化水素基を表す。
    lは、0、1又は2を表す。mは、1、2又は3を表
    す。nは、1以上の整数を表す。
  2. 【請求項2】 ケイ素含有有機含フッ素ポリマーが、分
    子量5×102 〜1×105 であるものである請求項1
    記載の着氷防止剤。
  3. 【請求項3】 下記一般式(II)で表されるケイ素含
    有有機含フッ素ポリマーを含有してなることを特徴とす
    る着氷防止剤。 【化2】 式中、pは、1以上の整数を表す。Yは、水素又は炭素
    数1〜4のアルキル基を表す。Xは、水素、臭素又はヨ
    ウ素を表す。R1 は、水酸基又は加水分解可能な置換基
    を表す。R2 は、水素又は1価の炭化水素基を表す。l
    は、0、1又は2を表す。mは、1、2又は3を表す。
    nは、1以上の整数を表す。
  4. 【請求項4】 ケイ素含有有機含フッ素ポリマーが、分
    子量5×102 〜1×105 であるものである請求項3
    記載の着氷防止剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2017193666A (ja) * 2016-04-21 2017-10-26 大日本印刷株式会社 難着霜性、難結露性、難着氷性を有する低温環境用部材

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