JPH09194346A - ゼリー状経口医薬組成物 - Google Patents

ゼリー状経口医薬組成物

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JPH09194346A
JPH09194346A JP8004289A JP428996A JPH09194346A JP H09194346 A JPH09194346 A JP H09194346A JP 8004289 A JP8004289 A JP 8004289A JP 428996 A JP428996 A JP 428996A JP H09194346 A JPH09194346 A JP H09194346A
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真健 大楽
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Masayo Misawa
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高齢患者や嚥下障害の患者にとっても服用し
易いゼリー状である経口医薬組成物、特に、離漿しにく
く、外観、pHの維持、有効成分の分散性、含量維持に
ついて医薬レベルの保存安定性が確保されたゼリー状の
経口医薬組成物、さらに、一定量が服用し易い硬さで咽
ごし良く服用でき、コンプライアンスの向上に適した使
い捨て容器に充填されたゼリー状の経口医薬組成物を提
供する。 【解決手段】 経口医薬組成物を、好ましくは、カラギ
ーナンと、ローカストビーンガムと、ポリアクリル酸又
はその部分中和物もしくは塩と、を含有する基剤を用い
て、ゼリー状に製剤化する。また、ゼリー状経口医薬組
成物を、合成樹脂で形成されており、内部にゼリー状経
口医薬組成物を収納し押圧変形可能な胴部と、この胴部
に連なる小径環状の頚部と、この頚部の閉塞端を構成す
るとともに頚部に対し破断可能に連結された把持部とを
備え、把持部を頚部から破断することにより頚部が開口
してゼリー状経口医薬組成物の注出口が形成される使い
捨て容器に封入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はゼリー状経口医薬組
成物に関し、詳しくは、高齢患者や嚥下障害の患者にと
っても服用し易いゼリー状である経口医薬組成物、特
に、離漿しにくく、外観、pHの維持、有効成分の分散
性、含量維持について医薬レベルの保存安定性が確保さ
れたゼリー状の経口医薬組成物、さらに一定量が服用し
易い硬さで咽ごし良く服用でき、コンプライアンスの向
上に適した使い捨て容器に充填されたゼリー状の経口医
薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】我国の将来の医療を鑑みると、高齢化社
会における医療の諸問題を解決することが必要不可欠で
あると考えられる。この様な高齢者医療の問題の一つと
して、現在の経口医薬製剤の剤形では何れをとっても、
高齢患者にとっては服用が非常に困難であるという問題
が挙げられる。この経口医薬製剤の服用困難の問題は、
嚥下障害の患者にとっても共通する問題である。
【0003】例えば、日本薬局方の製剤総則にある経口
投与用製剤は、錠剤、カプセル剤、丸剤、散剤、液剤そ
してシロップ剤などが示されているが、これらの製剤は
高齢患者や、特に嚥下障害の患者にとっては、服用し難
い剤形である。これらの内でも液剤やシロップ剤は、他
の剤形に比べれば服用し易い剤形であるが、液体である
が故に有効成分の苦味のマスクや分散性そして安定性な
どの克服が製剤化の諸問題となる。また、服用する患者
が嚥下障害の患者の場合は特に、水はむせって飲めな
い。さらに高齢患者の場合、錠剤やカプセル剤の大きさ
によっては、飲みにくいとのことが、伊藤ら(月刊薬
事, Vol.37, No.11, p45-49,(1995))によって報告され
ている。そこで、高齢患者や嚥下障害の患者向けに対す
る服用し易い新製剤の開発が望まれていた。
【0004】高齢患者のこの様な問題を解決するために
伊藤らは、高齢患者向け製剤の一つとして粘稠性の高い
液状製剤を挙げている(月刊薬事, Vol.37, No.11, p45
-49,(1995))。また、別の報告(臨床栄養, Vol.79, N
o.1, p22-39,(1991))では、嚥下障害者に対する服用し
易い経口医薬製剤の剤形の一つとして、やはり高粘稠性
の液状製剤が好まれることが記載されている。この様に
高齢患者そして嚥下障害の患者のために服用し易い経口
医薬品製剤の剤形としては、総合的な見地から判断して
高粘稠性の液状製剤が適切であると考えられていた。
【0005】実際に、医療の現場においては、通常の経
口医薬製剤が服用困難な患者のために、院内調剤として
通常ゼラチン、ペクチン、キサンタンガムそしてカラギ
ーナンなどの一種または二種以上を用いて、粘稠性の高
い液状製剤を用時調製し、または短期的な使用期限で投
与していることが報告されている(診療と新薬, 第13
巻, 第11号, p208-214,(1994)、薬局, Vol.42, No.1
1, p53-59,(1991))。しかし、上記高粘稠性の液状製剤
であっても、まだ、服用し易さの点で満足できるもので
はなく、さらに、これらの製剤はあくまでも短期的な使
用期限で使用するものであって、長期安定性の確保が難
しく、粘稠性を維持できずに水状になったり、初期の外
観を保つことが困難であったり、また有効成分の含量維
持などの保存安定性が十分でないという問題があった。
そこで、この様な高粘稠性の液状製剤が有する服用のし
易さが十分でなく、保存安定性がよくない等の問題が解
決された経口医薬製剤の開発が望まれていた。
【0006】一方、これまでに、経口医薬組成物をゼリ
ー状の剤形で用いた例は知られていない。また、食用の
ゼリー組成物としては食品分野で用いられている菓子ゼ
リー等があるが、食品分野で用いられている菓子ゼリー
は、基剤として通常ゼラチン、ペクチン、キサンタンガ
ム、カラギーナン、ローカストビーンガム、マンナンな
どの一種または二種以上を用いて調製されており、外観
上の保証については室温や冷所で通常約1年間程度の保
証がされてはいるものの、医薬レベルの試験(例えば、
室温で3年間の保存試験、または、40℃、75%RH
で6ヶ月間の加速試験など)において、外観に加えpH
や有効成分の含量維持などの保存安定性を保証できるも
のではなかった。
【0007】この様に、これまでに経口医薬製剤を高齢
患者や嚥下障害の患者にとっても服用し易い剤形として
ゼリー状の剤形で用いた例はなく、また、この様なゼリ
ー状の経口医薬製剤のための基剤として、得られるゼリ
ー組成物において外観やpHの維持、有効成分の分散性
や含量維持等の保存安定性が、医薬レベルでの試験、例
えば、室温で3年間の保存試験、あるいは40℃、75
%RHで6ヶ月間の加速試験等に耐えられるような基剤
は得られていないのが現状である。さらに、この様なゼ
リー状の経口医薬組成物を、服用し易い硬さで咽ごし良
く服用できるようにしたコンプライアンスの向上につな
がる形状の使い捨て容器は知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記観点から
なされたものであり、高齢患者や嚥下障害の患者にとっ
ても服用し易いゼリー状である経口医薬組成物、特に、
離漿しにくく、外観、pHの維持、有効成分の分散性、
含量維持について医薬レベルの保存安定性が確保された
ゼリー状の経口医薬組成物、さらに、一定量が服用し易
い硬さで咽ごし良く服用でき、コンプライアンスの向上
に適した使い捨て容器に充填されたゼリー状の経口医薬
組成物を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、経口医薬組成
物をゼリー状とすることで、経口医薬組成物を高齢患者
や嚥下障害の患者にとって服用し易いものとすることが
できることを確認し、さらに、この様なゼリー状経口医
薬組成物に、基剤としてカラギーナンとローカストビー
ンガムを配合することで、好ましくはこれらに加えてポ
リアクリル酸又はその部分中和物もしくは塩を配合する
ことで、これを離漿しにくくさせ、外観、pHの維持、
有効成分の分散性、含量維持について医薬レベルの保存
安定性が確保できることを見出し、また、特定の形状の
使い捨て容器にゼリー状経口医薬組成物を封入すること
で、一定量が服用し易い硬さで咽ごし良く服用でき、コ
ンプライアンスを向上させることができることを見出
し、本発明を完成させた。
【0010】すなわち本発明は、ゼリー状である経口医
薬組成物である。本発明の経口医薬組成物は、ゼリー状
に製剤化された経口医薬組成物であれば特に制限される
ものではない。ゼリー組成物は通常、その基剤からなる
固相の骨組みの間隙に基剤の分散媒が保持される構造を
有するが、本発明のゼリー状経口医薬組成物において
は、医療用の有効成分は前記分散媒中に、溶解、分散、
懸濁等の状態で含まれるものである。
【0011】本発明のゼリー状経口医薬組成物に用いら
れる基剤としては、食用のゼリー組成物に通常用いられ
る基剤であれば特に制限されず、例えば、ゼラチン、ペ
クチン、キサンタンガム、カラギーナン、ローカストビ
ーンガム、マンナン等から選ばれる1種または2種以上
を挙げることができる。これらのうちでも本発明のゼリ
ー状経口医薬組成物においては、カラギーナンとローカ
ストビーンガムとを含有する基剤を用いることが保存安
定性の点から好ましい。
【0012】上記カラギーナンには、κ(カッパ)、ι
(イオタ)、λ(ラムダ)タイプがあり、本発明のゼリ
ー状経口医薬組成物にはこれらの何れのタイプのカラギ
ーナンも用いることが可能であるが、好ましくはκカラ
ギーナンが用いられる。また、本発明のゼリー状経口医
薬組成物におけるカラギーナンの含有量であるが、具体
的には、カラギーナンが医薬組成物全量に対して0.0
1〜1.0重量%であることが好ましく、より好ましく
は0.05〜0.7重量%、さらに好ましくは0.08
〜0.5重量%である。
【0013】本発明のゼリー状経口医薬組成物の基剤に
用いるローカストビーンガムは、通常、ゼリー組成物の
基剤として用いられるローカストビーンガムを、特に制
限せずに本発明に用いることができる。また、本発明の
ゼリー状経口医薬組成物におけるローカストビーンガム
の含有量であるが、具体的には、ローカストビーンガム
が医薬組成物全量に対して0.01〜1.0重量%であ
ることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.7重
量%、さらに好ましくは0.08〜0.5重量%であ
る。
【0014】本発明のゼリー状経口医薬組成物において
は、保存安定性を持たせるために上述のようにカラギー
ナンとローカストビーンガムとを含有する基剤を用いる
ことが好ましいが、この様な基剤にさらに、ポリアクリ
ル酸又はその部分中和物もしくは塩(以下、これらを総
称して「ポリアクリル酸化合物」と呼ぶ)を配合して用
いることが保存安定性の点からより好ましい。また、こ
れらのポリアクリル酸化合物を本発明のゼリー状経口医
薬組成物に配合する際には、これらの1種を単独で配合
することも可能であるし、これらの2種以上を組み合わ
せて配合することも可能である。さらに、本発明のゼリ
ー状経口医薬組成物の基剤に用いられるポリアクリル酸
化合物としては、ポリアクリル酸塩の1種であるポリア
クリル酸ナトリウムを好ましく挙げることができる。
【0015】また、本発明のゼリー状経口医薬組成物に
おけるポリアクリル酸化合物の含有量であるが、一般的
にポリアクリル酸化合物が医薬品組成物の添加物として
許容されている添加量の範囲であればよく、具体的に
は、ポリアクリル酸化合物が医薬組成物全量に対して
0.005〜0.05重量%であることが好ましく、よ
り好ましくは0.008〜0.04重量%、さらに好ま
しくは0.01〜0.02重量%である。
【0016】さらに、本発明のゼリー状経口医薬組成物
には、上記3成分の他に基剤中にゼリー組成物の基剤と
して従来公知の物質を配合することが可能である。ま
た、本発明のゼリー状経口医薬組成物が、その基剤から
なる固相の骨組みの間隙に保持する形で含有する基剤の
分散媒としては、適当な温度で基剤を分散させることが
可能であり、通常、医薬品の添加物として許容され、か
つ経口投与可能な液体を用いることが可能である。この
基剤の固相の骨組みの間隙に保持される分散媒には、上
述の医療用の有効成分の他に各種任意成分を溶解、分
散、懸濁等の状態で含有させることが可能である。
【0017】本発明のゼリー状経口医薬組成物は、上記
各成分を配合する以外は、従来公知のゼリー状経口医薬
組成物の調製法と同様の方法に従って、例えば、ゼリー
組成物の基剤を適当な温度で分散媒に分散させ、温度を
調節しながらこれに医療用の有効成分を溶解、分散ある
いは懸濁させ、その後、冷却してゲル化させる等によっ
て調製することが可能である。任意成分は基剤を分散媒
に分散させる際、あるいはこの分散液に医療用の有効成
分を添加する際等、本発明のゼリー状経口医薬組成物が
ゲル化される以前に随時添加することができる。また、
ゼリー状経口医薬組成物をゲル化させる際には、1回の
投与量毎に分けてゲル化させれば服用の際に便利であ
る。
【0018】本発明においては、さらに、合成樹脂で形
成されており、内部にゼリー状経口医薬組成物を収納し
押圧変形可能な胴部と、この胴部に連なる小径環状の頸
部と、この頸部の閉塞端を構成するとともに頸部に対し
破断可能に連結された把持部とを備え、把持部を頸部か
ら破断することにより頸部が開口してゼリー状経口医薬
組成物の注出口が形成される使い捨て容器に封入された
ゼリー状経口医薬組成物を提供する。
【0019】本発明の使い捨て容器入りゼリー状経口医
薬組成物における、使い捨て容器のゼリー状経口医薬組
成物の収納量は、服用量、容器の大きさ、携帯性等を考
慮すると、1〜25mlとするのがよく、また、1回当
たりの投与量と同量を封入しておけば、服用者が1回の
投与量を間違えることがなく、正しく服用される。
【0020】また、本発明の使い捨て容器入りゼリー状
経口医薬組成物における、使い捨て容器の把持部を頸部
から破断した時に形成される注出口の口径は、ゼリー状
経口医薬組成物が容器の注出口から押し出されるときに
服用し易い適度な大きさ、例えば、咀嚼することなく飲
み込むことが可能な大きさに破砕されるような口径であ
れば特に制限されないが、具体的には、1〜15mm程
度であることが好ましい。なお、注出口の口径はゼリー
剤の強度や対象患者の症状によって決定される。
【0021】本発明の容器入りゼリー状経口医薬組成物
において、用いられるゼリー状経口医薬組成物はゼリー
状の経口医薬組成物であれば、特に制限されるものでは
ないが、上記本発明のゼリー状経口医薬組成物を用いる
ことが好ましい。
【0022】この様な容器にゼリー状経口医薬組成物を
封入するには、従来公知の方法で調製されるゼリー状経
口医薬組成物をゲル化前に、これを使い捨て容器に常法
に従って一定量だけ充填し密閉すればよい。その後、ゼ
リー状経口医薬組成物は、容器内でゲル化するが、服用
の際には、容器の注出口から押し出されるときに服用し
易い適度な大きさに破砕される。
【0023】本発明においては、経口医薬組成物をゼリ
ー状に製剤化することにより、経口医薬組成物を高齢患
者や嚥下障害の患者にとっても服用し易いものとした。
また、本発明のゼリー状経口医薬組成物においては、含
有する医療用の有効成分が苦味等の服用しにくい風味を
有する場合には、これをマスキングし服用し易くする効
果にも大変優れている。本発明の経口医薬組成物はゼリ
ー状であるために、医療用の有効成分が基剤の分散媒に
不溶性であってもこれが凝集したり沈殿したりすること
はなく、非常に分散性に優れた経口医薬組成物といえ
る。
【0024】さらに、基剤を特定な組成とした本発明の
ゼリー状経口医薬組成物は、外観、pHの維持、有効成
分の分散性、含量維持について医薬レベルの保存安定性
が確保されたゼリー状経口医薬組成物である。この様
な、本発明のゼリー状経口医薬組成物によれば、ゼリー
状経口医薬品組成物を高齢患者や嚥下障害の患者に、病
院内における用時調製や短期的な使用期限での投与に限
らず、家庭においても一般的に長期間の使用期限で服用
することが可能となる。
【0025】また、本発明の使い捨て容器に充填された
ゼリー状経口医薬製剤は、これが容器の注出口から押し
出されるときに服用し易い適度な大きさに破砕されるこ
とから、咀嚼することなく簡単に飲み込むことが可能で
あり、寝たきりの嚥下障害の患者においても、これを服
用する際にゼリー状経口医薬製剤が咽につかえるなどの
危険性はなくなる。つまり、本発明の使い捨て容器入り
ゼリー状経口医薬製剤は、服用性と安全性の両面でその
有用性が高く、またコンプライアンスの向上にも大きく
貢献できる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。まず、本発明のゼリー状経口医薬組成物について
説明する。
【0027】(1)ゼリー状経口医薬組成物 本発明の経口医薬組成物は、ゼリー状に製剤化された経
口医薬組成物であって、基剤からなる固相の骨組みの間
隙に、医療用の有効成分やその他任意成分を溶解、分
散、懸濁等の状態で含有する基剤の分散媒を保持する構
造を有する。
【0028】この様な本発明のゼリー状経口医薬組成物
について、その基剤にカラギーナンとローカストビーン
ガムを含有するゼリー状経口医薬組成物の実施の形態を
以下に説明する。
【0029】基剤となるカラギーナン及びローカストビ
ーンガムの配合量に関しては、上述の通りであり、カラ
ギーナンを組成物全量に対して、好ましくは0.01〜
1.0重量%、より好ましくは0.05〜0.7重量
%、さらに好ましくは0.08〜0.5重量%となる様
に、ローカストビーンガムを組成物全量に対して、好ま
しくは0.01〜1.0重量%、より好ましくは0.0
5〜0.7重量%、さらに好ましくは0.08〜0.5
重量%となる様にそれぞれ配合する。
【0030】次に、本発明のゼリー状経口医薬組成物が
含有する医療用の有効成分としては、通常の経口医薬組
成物が含有する医療用の有効成分であれば特に制限され
ずに挙げることができる。また、ゼリー状経口医薬組成
物中の医療用の有効成分の含有量であるが、この組成物
の所定量を服用したときに各有効成分毎に適した服用量
となるような含有量とすればよい。さらに、本発明のゼ
リー状経口医薬組成物には、上記成分の他に医薬品の添
加物として許容され、かつ経口投与可能な各種任意成分
を所望に応じて添加することが可能である。
【0031】本発明のゼリー状経口医薬組成物において
用いる基剤を分散させる分散媒としては、例えば、水及
び/又は水と多価アルコールの混液等を挙げることが可
能である。多価アルコールとしては、例えば、グリセリ
ン、プロピレングリコール等が挙げられる。
【0032】本発明のゼリー状経口医薬組成物は、上記
成分の他に、医薬品の添加物として許容され、かつ経口
投与可能な各種任意成分、例えば、安定剤、緩衝剤、甘
味剤、乳化剤、分散剤、防腐剤、芳香剤などを所望に応
じて添加することができる。
【0033】上記安定剤としては、例えば、アスコルビ
ン酸、エデト酸ナトリウム、トコフェロールなどを挙げ
ることができる。緩衝剤としては、例えば、塩化カリウ
ム、塩化ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、
リン酸二カリウム、リン酸ナトリウムなどを挙げること
ができる。甘味剤としては、例えば、サッカリンナトリ
ウム、精製白糖、D−ソルビトール、D−マンニトール
などを挙げることができる。乳化剤としては、例えば、
ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、ラウリル
硫酸ナトリウムなどを挙げることができる。分散剤とし
ては、例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン
酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロースなどの水溶性高分子類を挙げるこ
とができる。防腐剤としては、例えば、パラオキシ安息
香酸エチル(エチルパラベン)、パラオキシ安息香酸メ
チル(メチルパラベン)などを挙げることができる。ま
た、芳香剤としては、例えば、メントール類、果汁等の
フレーバー又は精油等を挙げることができる。
【0034】本発明のゼリー状経口医薬組成物を調製す
るには、上記各成分を配合する以外は、従来公知のゼリ
ー状経口医薬組成物の調製法と同様の方法に従って調製
すればよい。具体的には、まず、上記基剤と任意成分に
分散媒として適量の80〜90℃の温水を加えて撹拌機
や真空撹拌機で撹拌して分散、溶解、懸濁等させるか、
または、基剤と任意成分に室温で分散媒として適量の水
を加え、撹拌機などで撹拌しながらこれを80〜90℃
に加熱して、分散、溶解、懸濁等させる。用いる撹拌機
や真空撹拌機は、加温可能な機種であることが好まし
い。次に得られた分散、溶解または懸濁液を、65〜5
5℃に冷却してから、医療用の有効成分を添加し撹拌す
る。液量にもよるが、これを常温で1〜2時間、10℃
以下で約1時間放置することにより、液体はゲル化し本
発明のゼリー状経口医薬組成物が得られる。また、上述
のようにゼリー状経口医薬組成物をゲル化させる際に
は、1回の投与量毎に分けてゲル化させれば服用の際に
便利である。さらに、以下に説明する使い捨て容器に1
回の投与量を封入させて用いれば、服用のし易さ、使い
勝手においてより優れた剤形の製剤となる。
【0035】この様にして、カラギーナン及びローカス
トビーンガムを基剤として含有する本発明のゼリー状経
口医薬組成物が得られるが、本発明においては、基剤に
これらに加えてさらに上記の様なポリアクリル酸化合
物、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム等を配合するゼ
リー状経口医薬組成物についても、上記と全く同様にし
て調製することができる。ポリアクリル酸化合物の配合
量に関しては、上述の通りであり、組成物全量に対して
好ましくは0.005〜0.05重量%、より好ましく
は0.008〜0.04重量%、さらに好ましくは0.
01〜0.02重量%である。また、ポリアクリル酸化
合物の添加については、上記調製方法においてカラギー
ナン、ローカストビーンガムとともにこれを混合して基
剤として用いればよい。
【0036】(2)使い捨て容器入りゼリー状経口医薬
組成物 次に、本発明の使い捨て容器入りゼリー状経口医薬組成
物の実施の形態を図1から図8の図面に基づいて説明す
る。
【0037】図1から図4は本発明の使い捨て容器(以
下、「容器」という場合もある)入りゼリー状経口医薬
組成物の一例を示す図であり、図1はその正面図、図2
は側面図、図3は平面図、図4は使用時の形態を示す斜
視図である。
【0038】容器1は軟質な合成樹脂で一体的に形成さ
れており、胴部2と、頸部3と、把持部4とを備えてい
る。胴部2は、断面略楕円環状をなす上部2aと、平板
状の下部2bからなっている。上部2aの先部は上方へ
進むにしたがって漸次断面縮小している。上部2aの内
部は収納部2cになっており、ここに所定量のゼリー状
経口医薬組成物が収納されている。又、上部2aは指で
挟んで押圧変形することができるように形成されてい
る。
【0039】胴部2の上部2aの上端に頸部3が連なっ
ている。頸部3は中空環状をなし、内部空間は収納部2
cに連通している。この頸部3の上端に把持部4が連な
っている。把持部4は、頸部3に連なり頸部3の内部空
間を閉塞せしめる環体部4aと、環体部4aの上面から
起立して設けられた平板部4bとを有し、平板部4bの
周囲には厚肉部4cが形成されている。
【0040】把持部4の環体部4aと頸部3とを接続す
る接続部5は他の部位よりも薄肉に形成されており、胴
部2に対して把持部4を捻ると接続部5が破断し、頸部
3の先端が注出口6として開口するように形成されてい
る。
【0041】図4は、このようにして接続部5を破断し
た形態を示しており、この形態において胴部2の上部2
aを指で挟んで押圧すると、収納部2c内のゼリー状経
口医薬組成物が注出口6から注出される。
【0042】図5から図7は本発明に用いる使い捨て容
器入りゼリー状経口医薬組成物の別の一例を示す図であ
り、図5はその正面図、図6は側面図、図7は使用時の
形態を示す斜視図である。以下、上記図1から図4で説
明した使い捨て容器入りゼリー状経口医薬組成物と同一
態様部分には同一符号を付して説明を省略し、上記の使
い捨て容器入りゼリー状経口医薬組成物との相違点につ
いてだけを説明する。
【0043】胴部2と把持部4はその全長に亘って同一
寸法幅に形成されていて、胴部2の上部2aの上端に形
成された板状部2dが把持部4に一体的に連設されてお
り、その連接部7は破断可能に薄肉に形成されている。
【0044】頸部3は軸方向長さが極めて短く形成され
るとともに、胴部2と把持部4との間にくびれた形態に
薄肉に形成されている。この頸部3は把持部4に形成さ
れた円筒部4dに連なり、円筒部4dによって頸部3の
内部空間は閉じられている。
【0045】この容器1においては、胴部2に対して把
持部4を捻ると頸部3と連接部7が破断し、頸部3の先
端が注出口6として開口する。図7は、このようにして
頸部3及び連接部7を破断した形態を示しており、この
形態において胴部2の上部2aを指で挟んで押圧する
と、収納部2c内のゼリー状経口医薬組成物が注出口6
から注出される。
【0046】上記いずれの容器1においても、ゼリー状
経口医薬組成物は注出口6を通過する際に砕かれるの
で、患者は服用し易くなり、むせたり、ゼリー状経口医
薬組成物が咽につかえる等の虞れもなく、非常に安全で
ある。また、容器1の注出口6から患者の口に直接に投
与することができるので、スプーン等の投与具が不要で
ある。さらに、収納部2cへのゼリー状経口医薬組成物
の収納量を患者に対する一回の投与量と同量にすると、
服用者が1回の投与量を間違えることがなく、正しく服
用できる。なお、上記いずれの容器1においても、鋏等
を使わずに注出口6を開けることができるので、極めて
使い勝手がよく、外出先での服用には特に便利である。
【0047】また、本発明の容器1を多数連設してセッ
トにし、一つ一つの容器1を切り離し可能にしておくと
ゼリー剤の管理上、あるいは携帯に便利である。図8は
上記容器1を多数連設してセットにした例を示す正面図
である。各容器1同士の連接部8は薄肉に形成されてお
り、手で容易に破断できるようにされている。
【0048】本発明に用いる容器では、胴部を押圧変形
してゼリー状経口医薬組成物を注出するようにしている
ので、注出時に必要とする力が患者に負担とならないよ
うに、容器に収納するゼリー状経口医薬組成物の強度
は、30〜800g程度とすることが好ましい。
【0049】ここで、ゼリー強度の定義は次のとおりで
ある。200mlのビーカーでゼリーを作成し、その容
器ごと、レオメーターCR−200D(株式会社サン科
学製)の測定台に乗せ、ゼリー強度試験用の感圧軸をゼ
リーの表面から20mm侵入したところまでの最大荷重
を測定し、その最大荷重をゼリー強度とする。
【0050】上記使い捨て容器に収納するゼリー状経口
医薬組成物のゼリー強度以外の特性については、特に制
限されないが、ゼリー状経口医薬組成物として、上記本
発明のゼリー状経口医薬組成物を用いることが保存安定
性上好ましい。
【0051】本発明の使い捨て容器入りゼリー状経口医
薬組成物は、使い捨て容器にゼリー状経口医薬組成物を
封入して得られるが、本発明においては、従来公知の方
法で調製されるゼリー状経口医薬組成物をゲル化前に、
これを使い捨て容器に常法に従って一定量だけ充填し密
閉することで、上記の様な形状の使い捨て容器入りゼリ
ー状経口医薬組成物を製造することができる。その後、
ゼリー状経口医薬組成物は、容器内でゲル化するが、服
用の際には、容器の注出口から押し出されるときに服用
し易い適度な大きさに破砕される。
【0052】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。
【0053】
【実施例1、2】 ドンペリドンゼリー 表1のB成分を秤取し、80℃に加温溶解した。これを
70〜60℃に保温し、A成分を加え懸濁液とした。こ
の懸濁液を連接された使い捨て容器に5gずつ分注し、
溶着密封して冷却し、図8に正面図が示されるのと同様
であるが連包数が3である連接使い捨て容器入りのドン
ペリドン懸濁ゼリーを各実施例について13個ずつ作製
した。なお、上記実施例に用いた連接使い捨て容器は、
開封時の注出口の口径が4mmのものであり、以下の実
施例には全てこれと同じ容器を用いた。
【0054】
【表1】
【0055】
【実施例3、4】 アシクロビルゼリー 表2のB成分を秤取し、80℃に加温溶解した。これを
70〜60℃に保温し、A成分を加え懸濁液とした。こ
の懸濁液を連接使い捨て容器に5gずつ分注し、溶着密
封して冷却し、連接使い捨て容器入りのアシクロビル懸
濁ゼリーを各実施例につき3連包×13個ずつ作製し
た。
【0056】
【表2】
【0057】
【実施例5】 ロキソプロフェンナトリウムゼリー 表3のB成分を秤取し、80℃に加温溶解した。これを
70〜60℃に保温し、A成分を加えて溶解させた。こ
の溶液を連接使い捨て容器に5gずつ分注し、溶着密封
して冷却し、連接使い捨て容器入りのロキソプロフェン
ナトリウムゼリーを3連包×13個作製した。
【0058】
【表3】
【0059】
【実施例6】 ファモチジンゼリー 表4のB成分を秤取し、80℃に加温溶解した。これを
70〜60℃に保温し、A成分を加えて溶解させた。こ
の溶液を連接使い捨て容器に5gずつ分注し、溶着密封
して冷却し、連接使い捨て容器入りのファモチジンゼリ
ーを3連包×13個作製した。
【0060】
【表4】
【0061】
【実施例7】 テルフェナジンゼリー 表5のB成分を秤取し、80℃に加温溶解した。これを
70〜60℃に保温し、A成分を加えて溶解させた。こ
の溶液を連接使い捨て容器に5gずつ分注し、溶着密封
して冷却し、連接使い捨て容器入りのテルフェナジンゼ
リーを3連包×13個作製した。
【0062】
【表5】
【0063】<本発明のゼリー状経口医薬組成物の評価
>上記各実施例で得られたゼリー状経口医薬組成物につ
いて、飲み込み易さの試験、容器からの取り出し試験及
び安定性試験を行った。
【0064】(1)飲み込み易さの試験 実施例2及び実施例4〜7で作製した各種ゼリー製剤に
ついて、ヒトによる飲み込み易さの評価を行うために、
それぞれの実施例の処方において医療用の有効成分であ
るA成分を精製水に置き換えた以外は各実施例の処方と
同様の処方で、上記と同様の製造方法により、連接使い
捨て容器入りのゼリー組成物を作製した。また、この
際、各ゼリー組成物において、連接使い捨て容器に封入
せずに通常の食品ゼリー用の容器でゲル化させた試料も
用意した。なお、実施例2及び実施例4〜7のゼリー製
剤に対応する食品ゼリー用の容器でゲル化させたゼリー
組成物試料をそれぞれ試料1〜5とした。また、実施例
2及び実施例4〜7のゼリー製剤に対応する連接使い捨
て容器入りのゼリー組成物試料をそれぞれ試料6〜10
とした。
【0065】この様にして得られた試料1〜10の各ゼ
リー組成物について、パネラー12人(パネラーのそれ
ぞれをA〜Lとする)による飲み込み易さの試験を行っ
た。試料1〜5のゼリー組成物については、各パネラー
がスプーンを使用して各ゼリー組成物の小さじ一杯分を
服用した際の、また、試料6〜10の使い捨て容器入り
ゼリー組成物については、各パネラーが各ゼリー組成物
の1個ずつについて、開封後、容器の注出口からゼリー
組成物を直接口に入れてこれを飲み込んだ際の、飲み込
み易さ(咽ごしの良さ)を以下の基準で官能評価した。
さらに、比較のために、高粘稠性の液状製剤として市販
の嚥下補助食品を用いて、上記12人のパネラーにこれ
の飲み込み易さを上記と同様に官能評価してもらった。
結果を表6に示す。
【0066】(評価基準) ◎ ; 飲みやすい ○ ; やや飲みやすい △ ; やや飲みにくい × ; 飲みにくい
【0067】
【表6】
【0068】また、実施例1及び3のゼリー製剤に関し
て同様な試験を行ったところ上記と同様の結果が得られ
た。これらの結果から本発明のゼリー状経口医薬組成物
は、従来の高粘稠性の液状製剤と比較して格段と服用性
が改善されていることがわかる。特に、本発明の使い捨
て容器入りゼリー状経口医薬組成物では、ゼリー状経口
医薬組成物は容器の注出口から押し出される際に適当な
大きさに砕かれ、服用し易い硬さで咽ごし良く服用でき
るため、非常に服用性がよいことがわかる。
【0069】(2)取り出し試験 実施例1〜7で得られた各種使い捨て容器入りゼリー製
剤の3連包×3個、計9個ずつを用いて、容器からの取
り出し試験を行った。結果は、全てのゼリー製剤が容器
に付着することなく排出された。
【0070】(3)ゼリー状経口医薬組成物の安定性試
験 実施例2及び実施例4〜7で得られた各種使い捨て容器
入りゼリー製剤の3連包×10個、計30個ずつを、4
0℃75%RHの条件で、3ヶ月間放置した。その後、
各容器からゼリー製剤を取り出し離漿の有無を肉眼観察
した。
【0071】結果は、カラギーナンとローカストビーン
ガムとポリアクリル酸ナトリウムを基剤として用いて作
製した上記実施例のゼリー製剤全てにおいて、離漿は殆
ど認められなかった。
【0072】この結果より、基剤を特定な組成にした本
発明のゼリー状経口医薬組成物は、医薬レベルの試験に
おいても離漿せず、保存安定性が保たれていることがわ
かる。
【0073】
【発明の効果】本発明のゼリー状経口医薬組成物は、高
齢患者や嚥下障害の患者にとっても非常に服用し易い。
また、基剤を特定な組成にした本発明のゼリー状経口医
薬組成物は、離漿しにくく、外観、pHの維持、有効成
分の分散性、含量維持について医薬レベルの保存安定性
が確保されたゼリー状の経口医薬組成物である。さら
に、本発明の使い捨て容器入りゼリー状経口医薬組成物
を用いれば、ゼリー状製剤の一定量が服用し易い硬さで
咽ごし良く服用できることから、特に高齢患者や嚥下障
害の患者において経口医薬製剤の服用の容易性と安全性
が確保され、コンプライアンスの向上が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の使い捨て容器入りゼリー状経口医薬
組成物の一例の正面図である。
【図2】 本発明の使い捨て容器入りゼリー状経口医薬
組成物の一例の側面図である。
【図3】 本発明の使い捨て容器入りゼリー状経口医薬
組成物の一例の平面図である。
【図4】 本発明の使い捨て容器入りゼリー状経口医薬
組成物の一例の使用時の形態を示す斜視図である。
【図5】 本発明の使い捨て容器入りゼリー状経口医薬
組成物の別の一例の正面図である。
【図6】 本発明の使い捨て容器入りゼリー状経口医薬
組成物の別の一例の側面図である。
【図7】 本発明の使い捨て容器入りゼリー状経口医薬
組成物の別の一例の使用時の形態を示す斜視図である。
【図8】 本発明の使い捨て容器入りゼリー状経口医薬
組成物の別の一例を複数連設してセットにした状態を示
す正面図である。
【符号の説明】
1 使い捨て容器 2 胴部 3 頸部 4 把持部 6 注出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(A61K 47/36 47:32) (72)発明者 駒形 健志 東京都中央区日本橋富沢町9−19 太田製 薬株式会社内 (72)発明者 三澤 政代 埼玉県大宮市三条町51番地 太田製薬株式 会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼリー状である経口医薬組成物。
  2. 【請求項2】 基剤としてカラギーナンとローカストビ
    ーンガムを含有する請求項1記載のゼリー状経口医薬組
    成物。
  3. 【請求項3】 カラギーナンの含有量が組成物全量に対
    して0.01〜1.0重量%である請求項2記載のゼリ
    ー状経口医薬組成物。
  4. 【請求項4】 ローカストビーンガムの含有量が組成物
    全量に対して0.01〜1.0重量%である請求項2記
    載のゼリー状経口医薬組成物。
  5. 【請求項5】 基剤としてさらにポリアクリル酸又はそ
    の部分中和物もしくは塩を含有する請求項2記載のゼリ
    ー状経口医薬組成物。
  6. 【請求項6】 ポリアクリル酸の塩がポリアクリル酸ナ
    トリウムである請求項5記載のゼリー状経口医薬組成
    物。
  7. 【請求項7】 ポリアクリル酸又はその部分中和物もし
    くは塩の含有量が組成物全量に対して0.005〜0.
    05重量%である請求項5記載のゼリー状経口医薬組成
    物。
  8. 【請求項8】 合成樹脂で形成されており、内部にゼリ
    ー状経口医薬組成物を収納し押圧変形可能な胴部と、こ
    の胴部に連なる小径環状の頸部と、この頸部の閉塞端を
    構成するとともに頸部に対し破断可能に連結された把持
    部とを備え、把持部を頸部から破断することにより頸部
    が開口してゼリー状経口医薬組成物の注出口が形成され
    る使い捨て容器に封入された請求項1記載のゼリー状経
    口医薬組成物。
  9. 【請求項9】 前記使い捨て容器のゼリー状経口医薬組
    成物収納量が一回の投与量と同量である請求項8記載の
    使い捨て容器入りゼリー状経口医薬組成物。
  10. 【請求項10】 前記使い捨て容器の把持部を頸部から
    破断した時に形成される注出口の口径が1〜15mmで
    ある請求項8記載の使い捨て容器入りゼリー状経口医薬
    組成物。
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