JPH0919416A - Mr画像生成方法及びmri装置 - Google Patents

Mr画像生成方法及びmri装置

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JPH0919416A
JPH0919416A JP7172425A JP17242595A JPH0919416A JP H0919416 A JPH0919416 A JP H0919416A JP 7172425 A JP7172425 A JP 7172425A JP 17242595 A JP17242595 A JP 17242595A JP H0919416 A JPH0919416 A JP H0919416A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】同一又は類似のスキャン条件における複数枚の
画像の加算又は加算平均を行う際、被加算画像間に位相
誤差があっても、S/N比を確実に向上させ、画質向上
を図る。 【解決手段】複数フレーム夫々の画素毎のMRデータを
絶対値化し、複数フレームのMRデータ相互間で対応す
る画素毎にMRデータを加算又は加算平均して1フレー
ムのMR画像の画像データを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気共鳴イメージング
(MRI)におけるMR画像生成方法及びMRI装置に
係り、とくにS/N比向上を意図してMR信号の加算平
均処理を行うようにしたMR画像生成方法及びMRI装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージングでは、同一スキャ
ン条件で収集した複数枚分の画像データを加算(又は加
算平均)処理して1枚分の画像データを作成することが
頻繁に行われており、これによりS/N比の改善を図っ
ている。これは、n個のMRデータを加算平均すると、
S/N比がn1/2 倍改善されることに基づいている。
【0003】従来、この加算(平均)を行う場合、画像
再構成前のk空間上の複素数であるMR画像データの実
数成分Vreal(n)と虚数成分Vimag(n)(n=1,
2,…,N:Nは平均回数)の各で加算平均を行い、フ
ーリエ変換などの画像再構成処理を行って実数成分、虚
数成分毎の再構成画像データVreal,Vimagを得た後、
絶対値処理を行って絶対値データVabs を作成してい
る。この一連の処理は、実数成分、虚数成分各々につい
て複数枚分ずつ画像再構成し、各成分の画像毎に加算
(平均)した後、絶対値画像を求めるという処理(図9
参照)と等価である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た図9に示すように、実数成分および虚数成分の各々の
画像データについて加算(平均)した後に絶対値画像デ
ータを求める手法にあっては、被検体の動きや磁場変動
が生じると、加算される双方の画像データ同士の位相変
化が異なることがあり、そのような場合、加算後の画像
データの絶対値は被加算画像データ同士のベクトル和と
なることから、その大きさは位相変化が無い場合に比べ
て小さくなってしまうので、S/N比向上の割合が低
く、再構成された画像にゴーストや空間的濃度むらが残
ることが頻発していた。
【0005】ところで、近年ではMRIスキャンを高速
化させるために、“シングルショット法”によるイメー
ジングも行われている。“シングルショット法”とは、
1個の励起用RFパルス(refocusing RF pulse は除
く)で1画像を作成するためのk空間上のデータを一度
に収集してしまうことである。このシングルショット法
を使う場合、エンコーディング方向の収集時間は短かい
(数sec 以下)ため、元来、被検体の動きや磁場変動に
よる位相誤差(変動)は生じ難く、ショット数の多いE
PI法、高速SE法、SE法に比べてエンコード方向の
ゴーストは生じ難い。
【0006】しかしながら、シングルショット法であっ
ても、S/N比改善のために同一スキャン条件の画像デ
ータを加算又は加算平均する複数枚の画像を収集する場
合、各ショット間での画像データの位相変動(誤差)が
問題となり、被加算(平均)画像間の繰返し時間TRは
比較的長くなり(TR=1〜10sec 程度)、前述した
ように、被検体の動きや磁場変動に因る位相誤差が問題
となり、上述した不都合に帰着する。
【0007】本発明は上述した従来の画像処理の不都合
に鑑みてなされたもので、複数枚の画像間で加算又は加
算処理してMR画像を生成する際、被加算画像間の位相
誤差に因って加算(平均)処理のメリットであるS/N
比向上の実を十分に発揮できないという事態を排除し、
位相誤差があっても加算処理又は加算平均処理によって
S/N比を十分に向上させることができ、再構成された
MR画像からゴーストや濃度むらを排除することを、そ
の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述目的を達成するた
め、本発明のMR画像生成方法は、同一スキャン条件の
元で所定パルスシーケンスを使って収集された、複素数
として取り扱われる被検体の複数フレームのMRデータ
を用いてMR画像を得る方法であり、前記複数フレーム
夫々の画素毎のMRデータを絶対値化し、前記複数フレ
ームのMRデータ相互間で対応する画素毎にMRデータ
を加算又は加算平均して1フレームの前記MR画像の画
像データを形成する。
【0009】例えば、前記パルスシーケンスは、シング
ルショットのイメージング法、複数ショットのイメージ
ング法の内の何れかである。
【0010】また本発明のMRI装置は、同一スキャン
条件の元で所定パルスシーケンスを使って収集された、
複素数として取り扱われる被検体の複数フレームのMR
データを用いてMR画像を得る装置であり、前記複数フ
レーム夫々の画素毎のMRデータを絶対値化する手段
と、前記複数フレームのMRデータ像相互間で対応する
画素毎にMRデータを加算又は加算平均して1フレーム
の前記MR画像の画像データを形成する手段とを備え
る。
【0011】
【作用】本発明のMR画像生成方法及びMRI装置によ
れば、同一スキャン条件の元で所定パルスシーケンスを
使って、複素数として取り扱われる被検体の複数フレー
ムのMRデータが収集される。複数フレーム夫々の画素
毎のMRデータが絶対値化され、複数フレームのMRデ
ータ相互間で対応する画素毎にMRデータが加算又は加
算平均して1フレームのMR画像の画像データが形成さ
れる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照しなが
ら説明する。
【0013】この実施例に係る磁気共鳴イメージング
(MRI)装置の概略構成を図1に示す。この磁気共鳴
イメージング装置は、静磁場発生用の磁石部と、静磁場
に位置情報を付加するための傾斜磁場部と、選択励起用
及びMR信号受信用の送受信部と、システムコントロー
ル及び画像再構成を担う制御・演算部とを備えている。
【0014】磁石部は、例えば超電導方式の磁石1と、
この磁石1に電流を供給する静磁場電源2とを備え、被
検体Pが挿入される円筒状の診断空間のZ軸方向に静磁
場H0 を発生させる。
【0015】傾斜磁場部は、磁石1に組み込まれたX,
Y,Z軸方向の3組の傾斜磁場コイル3x〜3zと、こ
の傾斜磁場コイル3x〜3zに電流を供給する傾斜磁場
電源4と、この電源4を制御する傾斜磁場シーケンサ5
とを備える。このシーケンサ5はコンピュータを備え、
装置全体のコントローラ6(コンピュータを搭載)から
例えばシングルショットのFE法を用いたEPI(Echo
Planar Imaging )の収集パルスシーケンス(図3参
照)を指令する信号を受ける。これにより、傾斜磁場シ
ーケンサ5は、指令されたシーケンスにしたがってX,
Y,Z軸方向の各傾斜磁場の印加及びその強度を制御
し、それらの傾斜磁場が静磁場H0 に重畳可能になって
いる。この実施例では、互いに直交する3軸の内のZ軸
方向の傾斜磁場をスライス用傾斜磁場GS とし、X軸方
向のそれを読出し用傾斜磁場GR とし、さらにY軸方向
のそれを位相エンコード用傾斜磁場GE とする。
【0016】送受信部は、磁石1内の撮影空間にて被検
体Pの近傍に配設される高周波コイル7と、このコイル
7に接続された送信機8T及び受信機8Rと、この送信
機8T及び受信機8Rの動作タイミングを制御するRF
シーケンサ9(コンピュータを搭載)とを備える。この
送信機8T及び受信機8Rは、RFシーケンサ9の制御
のもと、核磁気共鳴(NMR)を励起させるためのラー
モア周波数のRF電流パルスを高周波コイル7に供給す
る一方、高周波コイル7が受信したMR信号(高周波信
号)に各種の信号処理を施してデジタル信号の画像デー
タを形成するようになっており、その詳細は図2に示
す。
【0017】さらに、制御・演算部は、上述したコント
ローラ6のほか、受信機8Rで形成された画像データを
入力し、画像データの再構成を行う演算ユニット10
と、再構成演算した画像データを保管する記憶ユニット
11と、画像を表示する表示器12と、オペレータが操
作する入力器13とを備えている。演算ユニット10は
CPU及びメモリを内蔵し、具体的には、メモリ空間で
ある2次元フーリエ空間への実測データの配置、画像再
構成のためのフーリエ変換、S/N比向上のための加算
(加算平均)などの処理を行う。コントローラ6は傾斜
磁場シーケンサ5及びRFシーケンサ9の同期をとりな
がら、両者の動作内容及び動作タイミングを制御する。
【0018】上記送信機8T及び受信機8Rは、具体的
には図2に示すように形成されている。この内、送信機
8Tは、発振周波数がf0 及びΔfの発振部20及び2
1を有し、その発振部20の出力側に順次配設された位
相選択部22、周波数変換部23、振幅変調部24、高
周波電力増幅部25、及び変調波発生部26とを備えて
いる。
【0019】変調波発生部26は、所定のスライス厚に
対応した例えばSINC関数の変調波F(t)をRFシ
ーケンサ9から制御信号が到来したときに発生させるよ
うになっている。変調波F(t)は振幅変調部24に供
給される。
【0020】周波数がf0 である発振部20の発振信号
を受けた位相選択部22は、その信号の位相をφに選択
して後段の周波数変換部23に送る。周波数変換部23
には、もう一方の発振部21から周波数Δfの発振信号
が入力している。そこで、周波数変換部23は2つの入
力信号を用いて、周波数がf0 ±Δfの高周波信号を形
成し、この内、一方の周波数f0 +Δfの高周波信号を
振幅変調部24に供する。
【0021】上記振幅変調部24は、キャリアである周
波数f0 +Δfの信号(位相φ)を変調波F(t)で変
調し、パワー増幅用の高周波電力増幅器25を介して、
磁石1内の高周波コイル7に供給する。
【0022】一方、受信機8Rは、高周波コイル7に接
続された前置増幅器40と、その前置増幅器40の出力
側に順次接続された中間周波変換部41、位相検波部4
2、低周波増幅器43、ローパスフィルタ44、及びA
−D変換器45を有する。前置増幅器40で増幅された
NMRの高周波信号は、中間周波変換部41により中間
周波数に変換されて位相検波部42に供給される。位相
検波部42は、複素数信号として取扱い得る、90度位
相がずれた2つのMR信号を入力信号から検波するもの
である。この2つの検波信号は、2チャンネルの低周波
数増幅部43及びローパスフィルタ44を介して2チャ
ンネルのA−D変換部45に送られる。A−D変換部4
5でデジタル信号に変換されたMR信号が演算ユニット
10に読み込まれる。
【0023】続いて、この実施例の作用効果を説明す
る。
【0024】まず、傾斜磁場シーケンサ5及びRFシー
ケンサ9は、コントローラ6からシングルショットのE
PI撮影に係るFE法の収集パルスシーケンスが加算
(平均)処理のために複数ショット指令されると、各シ
ョット毎に図3に示すように、そのシーケンスに沿って
被検体Pへの傾斜磁場の印加及び高周波信号の送受信を
制御する。
【0025】最初に、スライス用傾斜磁場GS のパルス
が傾斜磁場電源4から傾斜磁場コイル3、3を介し
て印加され、この傾斜磁場GS が立上がった時点で送信
機8T及び高周波コイル7を介して、90゜RFパルス
(選択励起パルス)が1回だけ印加される。これによ
り、被検体の所定スライス幅の撮像領域が選択励起され
るとともに、その面内の原子核スピンがy′軸(回転座
標)までフリップする。次いで所定タイミングに達する
と、読出し用傾斜磁場GR のパルスが傾斜磁場コイル3
x,3yを介して印加開始される。この読出し用傾斜磁
場GR の極性はその後、一定周期毎に反転される。
【0026】このとき読出し用傾斜磁場GR の極性反転
毎に、位相エンコード用傾斜磁場GE のパルスが傾斜磁
場電源4から傾斜磁場コイル3x,3yを介して印加さ
れる。
【0027】これにより、読出し用傾斜磁場GイルR
極性反転によってエコー信号が集められ、収集される。
このエコー信号の収集は、予め定められた読出し用傾斜
磁場GR の反転回数分繰り返され、1回の90°RFパ
ルスの印加だけで1フレーム分のエコー信号が収集され
る。
【0028】本実施例ではエコーデータ加算(平均)処
理を実施する複数フレームの画像データを得るため、コ
ントローラ6から上述した図3のパルスシーケンスによ
るデータ収集がフレーム数分繰り返される。
【0029】図3の収集パルスシーケンスにより受信さ
れたエコー信号S1 、S2 、…Sn、は順次受信機8R
に送られ、そこで増幅、中間周波変換、位相検波、低周
波増幅の処理を受けた後、前述の如く、複素数のデジタ
ル信号に変換されて、演算ユニット10に出力される。
演算ユニット10ではエコー信号が、図4に示す如く、
k空間に位相エンコード量に応じて配置される。
【0030】演算ユニット10は予め搭載されているC
PUのソフトウエア機能によって図5に示す処理を行
う。
【0031】すなわち、演算ユニット10は最初に、収
集し記憶している1フレーム分のエコーデータをワーク
メモリに読み出す(ステップ101)。このエコーデー
タは複素数として扱われる周波数空間上のデータ群であ
り、空間位置の各々のデータSは、S=Sreal+i・S
imag;Srealは実部データ、Simagは虚部データ、iは
虚数単位として表わされる。
【0032】次いで演算ユニットのCPUは読み出した
1フレーム分の周波数空間上のデータに高速フーリエ変
換(FFT)を施す(ステップ102)。これにより、
1フレーム分の実空間上の複素数のエコーデータが得ら
れる。この実空間上のエコーデータ群の各画素データV
も、V=Vreal+iVimag;Vrealは実部データ、Vim
agは虚部データ、iは虚数単位である。
【0033】この実空間上のエコーデータは一時的に内
部メモリに格納される(ステップ103)。そして、収
集した複数フレーム数分のフーリエ変換が行われたか否
かが判断され(ステップ104),NOの判断の場合、
ステップ101〜ステップ103の処理が繰り返され
る。
【0034】このステップ104の判断でYESの場
合、次いで回数カウント用変数n=1、絶対値画像の画
素値変数Vabs =0に初期設定する(ステップ10
5)。次いでフレーム中の最初の画素位置が予め定めら
れた手順で指定され(ステップ106)、この指定画素
に対する最初のフレーム(n=1)の複素数画像データ
V(n)が内部メモリからワーキングエリアに読み出さ
れる。この複素数画像データV(n)は、
【数1】V(n)=Vreal(n)+iVimag(n) と表わされる。
【0035】次いで、演算ユニット10のCPUによ
り、複素数画像データV(n)の絶対値|V(n)|=
Vabs (n)が、
【数2】 の式に沿って演算される(ステップ108)。さらに、
この絶対値Vabs (n)が、
【数3】Vabs =Vabs +Vabs (n) の加算(平均)演算が行われる(ステップ109)。こ
れにより、画素値変数Vabs の値が更新されていく。
【0036】次いで、回数カウント用変数nがインクリ
メント(n=n+1)される(ステップ110)。この
変数nは次いで被加算(平均)データの個数N(n=
1,2,…N)に対して、n≦Nか否かの判断が実施さ
れる(ステップ111)。このステップ111の判断が
YESであり、ある画素に対して未だ加算(平均)処理
の対象データが残っていると認識したときは、ステップ
108の処理に戻り、ステップ108〜110の処理が
繰り返される。この結果、ある画素に対してN個の画素
データが加算(平均)される。加算した画素値をN個で
割って加算平均を算出してもよい。
【0037】ステップ111の判断でNOとなるとき
は、その時点の画素値変数Vabs の値を、いま加算(平
均)の対象となっている画素に対する加算(平均)値V
abs と認識し、その値Vabs を内部フレームメモリの対
応するアドレス位置に格納する(ステップ112)。
【0038】次いで演算ユニット10のCPUは、1フ
レームの全ての画素に対して上述の絶対値演算およびび
加算(平均)演算が完了したか否か判断される(ステッ
プ113)。この判断でNOとなるときは、前述したス
テップ105の処理まで戻り、ステップ105〜112
の処理が繰り返される。このステップ113でYESの
判断が下されたときは、所定の複数枚の実空間の絶対値
画像が画素毎に加算(平均)され、1枚の加算(平均)
処理された実空間上のエコー画像データがフレームメモ
リに格納されている。
【0039】このように加算(平均)されたエコーデー
タは必要に応じて表示器12に表示される。この表示画
像は、同一スキャン条件の元で収集した複数枚の画像を
加算(平均)処理したものであるので、S/N比は改善
される。
【0040】これに加えて、図6に模式的に示す毎く、
加算(平均)処理の前に絶対値Vabs を画素毎に演算
し、この絶対値を加算(平均)している。従来では、例
えば図7(a)に示すように、複素数であるエコーデー
タV(1),V(2)をベクトル的に加算してから絶対
値|V(1)+V(2)|を演算している。これに対
し、本実施例では、例えば図7(b)に示すことができ
るように、エコーデータV(1),V(2)の絶対値|
V(1)|,|V(2)|を各々演算してから、それら
の絶対値データを加算し、|V(1)|+|V(2)|
が演算される(図5ステップ105〜110参照)。
【0041】この結果、図7(a),(b)からも分か
るように、従来法(同図(a))に係る加算(平均)値
に比べて、個々のデータの絶対値を演算してから加算
(平均)する本発明に係る加算(平均)値の方が最終的
な画素値が大きくなる。
【0042】このため、被検体の動き(モーション)や
磁場変動などに起因して被加算(平均)画像V(n)の
位相が空間分布を持ち、且つそれがn毎(時間毎,ショ
ット毎)に異なっていても、従来法よりも格段に精度良
くキャンセルされ、位相の空間分布やそのn毎の相違が
無い場合と同等の画像が得られる。つまり、再構成され
た画像からエコーデータの上記位相誤差のばらつきに因
るゴーストや空間的濃度むらがより確実に除去された高
品質の画像が得られる。これにより、シングルショット
EPIを複数回(ショット)繰り返して得た画像データ
を加算処理又は加算平均処理するときに問題となってい
た各ショット間でのデータの位相変動に因る不都合も、
確実に抑制される。
【0043】なお、上述した実施例では本発明に係る絶
対値演算後の加算(平均)処理の手法をシングルショッ
トのEPI法(FE法)による撮影に適用した場合を説
明したが、この手法はMRIにおいて複数枚の画像の画
素データを加算又は加算平均する画像処理全てに適用で
きる。例えば、シングルショットのSE法のEPIやFa
stSE(RARE)法による撮影であってもよい。
【0044】また、本発明に係る「絶対値演算後の加算
(平均)処理」の手法を適用するMRIスキャンは、k
空間を複数個に分割したセグメント毎にエコー信号を配
置し且つ複数枚の画像を一度に得るマルチショットEP
I法又はマルチショット高速SE法によるスキャンであ
ってもよく、複数枚の画像夫々の各セグメント毎に絶対
値画像を演算し、複数枚の画像の各セグメント毎に対応
する画素の画像データを加算又は加算平均するようにし
てもよい。
【0045】さらに、本発明を実施したシングルショッ
トEPI法やシングルショット高速SE法は、被検体の
動きに因る位相誤差に起因したアーチファクトや測定誤
差に敏感なディフュージョン(diffusion )イメージン
グ、susceptibility effectsを応用したT2 * パーフュ
ージョン(perfusion )イメージング、酸素の代謝を血
液の磁性の変化でとらえるBOLD(Blood Oxyganatio
n Level Dependent )法による機能的イメージングに有
効であり、それらのイメージング測定精度を向上させる
ことができる。
【0046】なお、加算(平均)する画像間の位相誤差
を除去する手法の変形例としては、図8にその概略を示
す手法もある。実空間上での加算(平均)される画像デ
ータをV(n)=Vreal(n)+iVimag(n)(n=
1,2,3,…,N,N=平均回数)とすると、この画
像データV(n)に対して空間的な位相補正処理を行う
(図8ステップ201)。この位相補正後の画像データ
V(n)に対して実部、虚部毎に加算(平均)処理を行
い(ステップ202)、その平均値Vreal,Vimagを求
める。この平均値Vreal,Vimagはさらに絶対値Vabs
に変換される(ステップ203)。これにより、空間的
に0次,1次を中心とする低次の位相誤差は少なくとも
補正され、S/N比改善に有効となる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数フレーム夫々の画素毎のMRデータを絶対値化し、
複数フレームのMRデータ相互間で対応する画素毎にM
Rデータを加算又は加算平均して1フレームのMR画像
の画像データを形成するので、被加算画像の画像データ
間に被検体の動きや磁場不均一性に起因した位相誤差が
在っても、画像データの絶対値を大きくとることがで
き、加算又は加算平均の処理によってS/N比を十分に
上げることができる。したがって、再構成されたMR画
像から被検体の動きや磁場不均一性に因るゴーストや空
間的濃度むらを排除して画質を向上させることができ
る。これらの利点はシングルショット撮影に加算(平
均)処理を適用するときにも、良好に享受できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るMRI装置のブロック
図。
【図2】同実施例の送信機及び受信機のブロック図。
【図3】イメージングのためのFE法を使ったシングル
ショットEPI法の一例を示すパルスシーケンスの図。
【図4】シングルショットEPI法によるk空間上のデ
ータ配置の様子を示す説明図。
【図5】演算ユニットのCPUによる画像データの処理
を示すフローチャート。
【図6】本発明の画像処理手順の概要を示す模式説明
図。
【図7】(a),(b)は絶対演算及び加算演算をベク
トル的に説明する図で、(a)は従来法を示し、(b)
は本発明を示す。
【図8】変形例に係る画像データ処理の概略フローチャ
ート。
【図9】従来の画像処理手順の概要を示す模式説明図。
【符号の説明】
1 磁石 2 静磁場電源 3x,3y,3z 傾斜磁場コイル 4 傾斜磁場電源 5 傾斜磁場シーケンサ 6 コントローラ 7 高周波コイル 8T 送信機 8R 受信機 10 演算ユニット

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一スキャン条件の元で所定パルスシー
    ケンスを使って収集された、複素数として取り扱われる
    被検体の複数フレームのMRデータを用いてMR画像を
    得るMR画像生成方法において、 前記複数フレーム夫々の画素毎のMRデータを絶対値化
    し、前記複数フレームのMRデータ相互間で対応する画
    素毎にMRデータを加算又は加算平均して1フレームの
    前記MR画像の画像データを形成することを特徴とした
    MR画像生成方法。
  2. 【請求項2】 前記パルスシーケンスは、シングルショ
    ットのイメージング法、複数ショットのイメージング法
    の内の何れかである請求項1記載のMR画像生成方法。
  3. 【請求項3】 前記イメージング法はディフュージョン
    イメージング、T2 * パーフュージョンイメージング、
    BOLD法によるイメージングの内の何れかであるMR
    画像生成方法。
  4. 【請求項4】 前記パルスシーケンスは、k空間を複数
    個のセグメントに分割した各セグメント毎に収集データ
    を配置する、マルチショット法によるシーケンスであ
    り、前記絶対値化及び加算又は加算平均の処理は前記各
    セグメント毎に行うようにした請求項1記載のMR画像
    生成方法。
  5. 【請求項5】 同一スキャン条件の元で所定パルスシー
    ケンスを使って収集された、複素数として取り扱われる
    被検体の複数フレームのMRデータを用いてMR画像を
    得るMR画像生成方法において、 前記複数フレームの夫々について各画素のMRデータの
    位相補正を行い、前記複数フレームのMRデータ相互間
    で対応する画素毎の実部、虚部別にMRデータを加算又
    は加算平均し、この加算又は加算平均されたMRデータ
    を画素毎に絶対値化して1フレームの前記MR画像の画
    像データを形成することを特徴としたMR画像生成方
    法。
  6. 【請求項6】 同一スキャン条件の元で所定パルスシー
    ケンスを使って収集された、複素数として取り扱われる
    被検体の複数フレームのMRデータを用いてMR画像を
    得るMRI装置において、 前記複数フレーム夫々の画素毎のMRデータを絶対値化
    する手段と、前記複数フレームのMRデータ相互間で対
    応する画素毎にMRデータを加算又は加算平均して1フ
    レームの前記MR画像の画像データを形成する手段とを
    備えることを特徴としたMRI装置。
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JP2009160051A (ja) * 2007-12-28 2009-07-23 Toshiba Corp 磁気共鳴イメージング装置

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