JP3510542B2 - 位相分布測定方法および装置、位相補正方法および装置、並びに、磁気共鳴撮像装置 - Google Patents

位相分布測定方法および装置、位相補正方法および装置、並びに、磁気共鳴撮像装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位相分布測定方法
および装置、位相補正方法および装置、並びに、磁気共
鳴撮像装置に関し、特に、磁気共鳴撮像した画像におけ
る位相分布を測定する方法および装置、測定した位相分
布に基づいてピクセルデータの位相を補正する方法およ
び装置、並びに、位相を補正したピクセルデータに基づ
いて水と脂肪を分離した画像を得る磁気共鳴撮像装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴撮像装置では、撮像対象を収容
する空間に静磁場を形成し、静磁場空間に勾配磁場と高
周波磁場を形成し、撮像対象のスピン(spin)が発
生する磁気共鳴信号に基づいて画像を生成(再構成)す
るようになっている。脂肪の磁気共鳴信号は、ケミカル
シフト(chemical shift)により水の磁
気共鳴信号とは周波数が異なるので、周波数の相違に基
づく位相差を利用して水と脂肪を別々に画像化すること
が行われる。
【0003】磁気共鳴信号の位相は静磁場強度の不均一
の影響を受けるので、磁場不均一に影響されずに水と脂
肪を別々に画像化するために、静磁場不均一を表す位相
分布すなわち位相マップ(map)を求め、それに基づ
いて画像の位相補正を行うようにしている。
【0004】位相マップは、複素数で与えられる画像デ
ータ(data)の位相をピクセル(pixel)ごと
に求めることにより得られる。図16に位相マップの概
念図を1次元画像の例について示す。位相マップの原点
は静磁場の中心にとる。原点における位相は0である。
【0005】同図は静磁場強度がリニア(linea
r)な傾斜を持つ場合の位相マップであり、原点からの
距離に応じて位相がリニアに変化する。位相は、同図の
(a)に示すように、+πを超えると−π側に折り返
し、−πを超えると+π側に折り返す。すなわち、位相
のラップアラウンド(wrap around)が生じ
る。
【0006】そこで、ラップアラウンドがある部分では
ラップアラウンドの補正すなわちアンラッピング(un
wrapping)を行い、(b)に示すようなラップ
アラウンドのない位相マップを得るようにしている。ラ
ップアラウンドの有無は、隣り合うピクセル同士の画像
データの位相差の絶対値が2πであるかどうかで検出
し、ラップアラウンドを検出したピクセルについては、
その位相に位相差とは逆符号で2πを加算する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】位相マップは、ノイズ
の影響や磁化率の変化等により高次成分を含むことが多
く、このため、例えば図17の(a)に示すように、位
相マップの位置Aでは本来2πとなるべき位相差がそれ
より小さくなることがあり得る。このため、上記のよう
にしてラップアラウンドを検出する場合、本来ラップア
ラウンドが検出されるべきところでラップアラウンドが
検出できず、得られる位相マップは(b)のよう不正確
なものになるという問題があった。
【0008】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、その目的は、正確な位相マップを能率良
く求める位相分布測定方法および装置、そのようにして
求めた位相マップを用いる位相補正方法および装置、並
びに、そのような位相補正を行う磁気共鳴撮像装置を実
現することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】(1)上記の課題を解決
するための1つの観点での発明は、磁気共鳴撮像した画
像のピクセルデータの位相の微分値をピクセルごとに求
め、前記微分値の積分値をピクセルごとに求め、前記積
分値により位相分布を形成することを特徴とする位相分
布測定方法である。
【0010】この観点での発明では、位相微分値をピク
セルごとに求め、その積分値をピクセルごとに求め、積
分値により位相マップを形成する。これによって、アン
ラッピングが自ずから行われる位相マップを得る。
【0011】(2)上記の課題を解決するための他の観
点での発明は、磁気共鳴撮像した画像をフィルタリング
し、前記フィルタリングした画像のピクセルデータの位
相の微分値をピクセルごとに求め、前記微分値の積分値
をピクセルごとに求め、前記積分値により位相分布を形
成することを特徴とする位相分布測定方法である。
【0012】この観点での発明では、位相微分値をピク
セルごとに求め、その積分値をピクセルごとに求め、積
分値により位相マップを形成する。微分値を求める前に
画像をフィルタリングしてノイズに影響されない位相マ
ップを得る。これによって、アンラッピングが自ずから
行われる位相マップを得る。
【0013】(3)上記の課題を解決するための他の観
点での発明は、磁気共鳴撮像した画像のピクセルデータ
の位相の微分値をピクセルごとに求め、前記微分値をフ
ィルタリングし、前記フィルタリングした微分値の積分
値をピクセルごとに求め、前記積分値により位相分布を
形成することを特徴とする位相分布測定方法である。
【0014】この観点での発明では、位相微分値をピク
セルごとに求め、その積分値をピクセルごとに求め、積
分値により位相マップを形成する。微分値を求めた後に
フィルタリングしてノイズに影響されない位相マップを
得る。これによって、アンラッピングが自ずから行われ
る位相マップを得る。
【0015】(4)上記の課題を解決するための他の観
点での発明は、磁気共鳴撮像した画像のピクセルデータ
の位相の微分値をピクセルごとに求め、前記微分値の積
分値をピクセルごとに求め、前記積分値をフィルタリン
グし、前記フィルタリングした積分値により位相分布を
形成することを特徴とする位相分布測定方法である。
【0016】この観点での発明では、位相微分値をピク
セルごとに求め、その積分値をピクセルごとに求め、積
分値により位相マップを形成する。積分値を求めた後に
フィルタリングしてノイズに影響されない位相マップを
得る。これによって、アンラッピングが自ずから行われ
る位相マップを得る。
【0017】(5)上記の課題を解決するための他の観
点での発明は、磁気共鳴撮像した画像のピクセルデータ
の位相の微分値をピクセルごとに求める微分値計算手段
と、前記微分値の積分値をピクセルごとに求める積分値
計算手段と、前記積分値により位相分布を形成する位相
分布形成手段とを具備することを特徴とする位相分布測
定装置である。
【0018】この観点での発明では、微分値計算手段に
より位相微分値をピクセルごとに求め、その積分値を積
分値計算手段によりピクセルごとに求め、位相分布形成
手段で積分値による位相マップを形成する。これによっ
て、アンラッピングが自ずから行われる位相マップを得
る。
【0019】(6)上記の課題を解決するための他の観
点での発明は、磁気共鳴撮像した画像をフィルタリング
するフィルタリング手段と、前記フィルタリングした画
像のピクセルデータの位相の微分値をピクセルごとに求
める微分値計算手段と、前記微分値の積分値をピクセル
ごとに求める積分値計算手段と、前記積分値により位相
分布を形成する位相分布形成手段とを具備することを特
徴とする位相分布測定装置である。
【0020】この観点での発明では、微分値計算手段に
より位相微分値をピクセルごとに求め、その積分値を積
分値計算手段によりピクセルごとに求め、位相分布形成
手段で積分値による位相マップを形成する。微分値を求
める前にフィルタリング手段により画像をフィルタリン
グしてノイズに影響されない位相マップを得る。これに
よって、アンラッピングが自ずから行われる位相マップ
を得る。
【0021】(7)上記の課題を解決するための他の観
点での発明は、磁気共鳴撮像した画像のピクセルデータ
の位相の微分値をピクセルごとに求める微分値計算手段
と、前記微分値をフィルタリングするフィルタリング手
段と、前記フィルタリングした微分値の積分値をピクセ
ルごとに求める積分値計算手段と、前記積分値により位
相分布を形成する位相分布形成手段とを具備することを
特徴とする位相分布測定装置である。
【0022】この観点での発明では、微分値計算手段に
より位相微分値をピクセルごとに求め、その積分値を積
分値計算手段によりピクセルごとに求め、位相分布形成
手段で積分値による位相マップを形成する。微分値を求
めた後にフィルタリング手段によりフィルタリングして
ノイズに影響されない位相マップを得る。これによっ
て、アンラッピングが自ずから行われる位相マップを得
る。
【0023】(8)上記の課題を解決するための他の観
点での発明は、磁気共鳴撮像した画像のピクセルデータ
の位相の微分値をピクセルごとに求める微分値計算手段
と、前記微分値の積分値をピクセルごとに求める積分値
計算手段と、前記積分値をフィルタリングするフィルタ
リング手段と、前記フィルタリングした積分値により位
相分布を形成する位相分布形成手段とを具備することを
特徴とする位相分布測定装置である。
【0024】この観点での発明では、微分値計算手段に
より位相微分値をピクセルごとに求め、その積分値を積
分値計算手段によりピクセルごとに求め、位相分布形成
手段で積分値による位相マップを形成する。積分値を求
めた後にフィルタリング手段によりフィルタリングして
ノイズに影響されない位相マップを得る。これによっ
て、アンラッピングが自ずから行われる位相マップを得
る。
【0025】(9)上記の課題を解決するための他の観
点での発明は、磁気共鳴撮像した画像のピクセルデータ
の位相の微分値をピクセルごとに求め、前記微分値の積
分値をピクセルごとに求め、前記積分値により位相分布
を形成し、前記形成した位相分布で画像の位相補正を行
うことを特徴とする位相補正方法である。
【0026】この観点での発明では、位相微分値をピク
セルごとに求め、その積分値をピクセルごとに求め、積
分値により位相マップを形成する。これによって、アン
ラッピングが自ずから行われる位相マップを得る。この
位相マップを用いて画像データの位相補正を行う。
【0027】(10)上記の課題を解決するための他の
観点での発明は、磁気共鳴撮像した画像をフィルタリン
グし、前記フィルタリングした画像のピクセルデータの
位相の微分値をピクセルごとに求め、前記微分値の積分
値をピクセルごとに求め、前記積分値により位相分布を
形成し、前記形成した位相分布で画像の位相補正を行う
ことを特徴とする位相補正方法である。
【0028】この観点での発明では、位相微分値をピク
セルごとに求め、その積分値をピクセルごとに求め、積
分値により位相マップを形成する。微分値を求める前に
画像をフィルタリングしてノイズに影響されない位相マ
ップを得る。これによって、アンラッピングが自ずから
行われる位相マップを得る。この位相マップを用いて画
像データの位相補正を行う。
【0029】(11)上記の課題を解決するための他の
観点での発明は、磁気共鳴撮像した画像のピクセルデー
タの位相の微分値をピクセルごとに求め、前記微分値を
フィルタリングし、前記フィルタリングした微分値の積
分値をピクセルごとに求め、前記積分値により位相分布
を形成し、前記形成した位相分布で画像の位相補正を行
うことを特徴とする位相補正方法である。
【0030】この観点での発明では、位相微分値をピク
セルごとに求め、その積分値をピクセルごとに求め、積
分値により位相マップを形成する。微分値を求めた後に
フィルタリングしてノイズに影響されない位相マップを
得る。これによって、アンラッピングが自ずから行われ
る位相マップを得る。この位相マップを用いて画像デー
タの位相補正を行う。
【0031】(12)上記の課題を解決するための他の
観点での発明は、磁気共鳴撮像した画像のピクセルデー
タの位相の微分値をピクセルごとに求め、前記微分値の
積分値をピクセルごとに求め、前記積分値をフィルタリ
ングし、前記フィルタリングした積分値により位相分布
を形成し、前記形成した位相分布で画像の位相補正を行
うことを特徴とする位相補正方法である。
【0032】この観点での発明では、位相微分値をピク
セルごとに求め、その積分値をピクセルごとに求め、積
分値により位相マップを形成する。積分値を求めた後に
フィルタリングしてノイズに影響されない位相マップを
得る。これによって、アンラッピングが自ずから行われ
る位相マップを得る。この位相マップを用いて画像デー
タの位相補正を行う。
【0033】(13)上記の課題を解決するための他の
観点での発明は、磁気共鳴撮像した画像のピクセルデー
タの位相の微分値をピクセルごとに求める微分値計算手
段と、前記微分値の積分値をピクセルごとに求める積分
値計算手段と、前記積分値により位相分布を形成する位
相分布形成手段と、前記形成した位相分布で画像の位相
補正を行う位相補正手段とを具備することを特徴とする
位相補正装置である。
【0034】この観点での発明では、微分値計算手段に
より位相微分値をピクセルごとに求め、その積分値を積
分値計算手段によりピクセルごとに求め、位相分布形成
手段で積分値による位相マップを形成する。これによっ
て、アンラッピングが自ずから行われる位相マップを得
る。この位相マップを用いて位相補正手段により画像デ
ータの位相補正を行う。
【0035】(14)上記の課題を解決するための他の
観点での発明は、磁気共鳴撮像した画像をフィルタリン
グするフィルタリング手段と、前記フィルタリングした
画像のピクセルデータの位相の微分値をピクセルごとに
求める微分値計算手段と、前記微分値の積分値をピクセ
ルごとに求める積分値計算手段と、前記積分値により位
相分布を形成する位相分布形成手段と、前記形成した位
相分布で画像の位相補正を行う位相補正手段とを具備す
ることを特徴とする位相補正装置である。
【0036】この観点での発明では、微分値計算手段に
より位相微分値をピクセルごとに求め、その積分値を積
分値計算手段によりピクセルごとに求め、位相分布形成
手段で積分値による位相マップを形成する。微分値を求
める前にフィルタリング手段により画像をフィルタリン
グしてノイズに影響されない位相マップを得る。これに
よって、アンラッピングが自ずから行われる位相マップ
を得る。この位相マップを用いて位相補正手段により画
像データの位相補正を行う。
【0037】(15)上記の課題を解決するための他の
観点での発明は、磁気共鳴撮像した画像のピクセルデー
タの位相の微分値をピクセルごとに求める微分値計算手
段と、前記微分値をフィルタリングするフィルタリング
手段と、前記フィルタリングした微分値の積分値をピク
セルごとに求める積分値計算手段と、前記積分値により
位相分布を形成する位相分布形成手段と、前記形成した
位相分布で画像の位相補正を行う位相補正手段とを具備
することを特徴とする位相補正装置である。
【0038】この観点での発明では、微分値計算手段に
より位相微分値をピクセルごとに求め、その積分値を積
分値計算手段によりピクセルごとに求め、位相分布形成
手段で積分値による位相マップを形成する。微分値を求
めた後にフィルタリング手段によりフィルタリングして
ノイズに影響されない位相マップを得る。これによっ
て、アンラッピングが自ずから行われる位相マップを得
る。この位相マップを用いて位相補正手段により画像デ
ータの位相補正を行う。
【0039】(16)上記の課題を解決するための他の
観点での発明は、磁気共鳴撮像した画像のピクセルデー
タの位相の微分値をピクセルごとに求める微分値計算手
段と、前記微分値の積分値をピクセルごとに求める積分
値計算手段と、前記積分値をフィルタリングするフィル
タリング手段と、前記フィルタリングした積分値により
位相分布を形成する位相分布形成手段と、前記形成した
位相分布で画像の位相補正を行う位相補正手段とを具備
することを特徴とする位相補正装置である。
【0040】この観点での発明では、微分値計算手段に
より位相微分値をピクセルごとに求め、その積分値を積
分値計算手段によりピクセルごとに求め、位相分布形成
手段で積分値による位相マップを形成する。積分値を求
めた後にフィルタリング手段によりフィルタリングして
ノイズに影響されない位相マップを得る。これによっ
て、アンラッピングが自ずから行われる位相マップを得
る。この位相マップを用いて位相補正手段により画像デ
ータの位相補正を行う。
【0041】(17)上記の課題を解決するための他の
観点での発明は、撮像対象につき磁気共鳴を利用して画
像を撮像する撮像手段と、前記撮像した画像のピクセル
データの位相の微分値をピクセルごとに求める微分値計
算手段と、前記微分値の積分値をピクセルごとに求める
積分値計算手段と、前記積分値により位相分布を形成す
る位相分布形成手段と、前記形成した位相分布で画像の
位相補正を行う位相補正手段と、前記位相補正した画像
のピクセルデータの位相差を利用して水画像と脂肪画像
を別々に生成する画像生成手段とを具備することを特徴
とする磁気共鳴撮像装置である。
【0042】この観点での発明では、磁気共鳴撮像した
画像につき微分値計算手段により位相微分値をピクセル
ごとに求め、その積分値を積分値計算手段によりピクセ
ルごとに求め、位相分布形成手段で積分値による位相マ
ップを形成する。これによって、アンラッピングが自ず
から行われる位相マップを得る。この位相マップを用い
て位相補正手段により画像データの位相補正を行う。位
相補正済みの画像データに基づいて画像生成手段により
水と脂肪を別々に画像化する。
【0043】(18)上記の課題を解決するための他の
観点での発明は、撮像対象につき磁気共鳴を利用して画
像を撮像する撮像手段と、前記撮像した画像をフィルタ
リングするフィルタリング手段と、前記フィルタリング
した画像のピクセルデータの位相の微分値をピクセルご
とに求める微分値計算手段と、前記微分値の積分値をピ
クセルごとに求める積分値計算手段と、前記積分値によ
り位相分布を形成する位相分布形成手段と、前記形成し
た位相分布で画像の位相補正を行う位相補正手段と、前
記位相補正した画像のピクセルデータの位相差を利用し
て水画像と脂肪画像を別々に生成する画像生成手段とを
具備することを特徴とする磁気共鳴撮像装置である。
【0044】この観点での発明では、磁気共鳴撮像した
画像につき微分値計算手段により位相微分値をピクセル
ごとに求め、その積分値を積分値計算手段によりピクセ
ルごとに求め、位相分布形成手段で積分値による位相マ
ップを形成する。微分値を求める前にフィルタリング手
段により画像をフィルタリングしてノイズに影響されな
い位相マップを得る。これによって、アンラッピングが
自ずから行われる位相マップを得る。この位相マップを
用いて位相補正手段により画像データの位相補正を行
う。位相補正済みの画像データに基づいて画像生成手段
により水と脂肪を別々に画像化する。
【0045】(19)上記の課題を解決するための他の
観点での発明は、撮像対象につき磁気共鳴を利用して画
像を撮像する撮像手段と、前記撮像した画像のピクセル
データの位相の微分値をピクセルごとに求める微分値計
算手段と、前記微分値をフィルタリングするフィルタリ
ング手段と、前記フィルタリングした微分値の積分値を
ピクセルごとに求める積分値計算手段と、前記積分値に
より位相分布を形成する位相分布形成手段と、前記形成
した位相分布で画像の位相補正を行う位相補正手段と、
前記位相補正した画像のピクセルデータの位相差を利用
して水画像と脂肪画像を別々に生成する画像生成手段と
を具備することを特徴とする磁気共鳴撮像装置である。
【0046】この観点での発明では、微分値計算手段に
より位相微分値をピクセルごとに求め、その積分値を積
分値計算手段によりピクセルごとに求め、位相分布形成
手段で積分値による位相マップを形成する。微分値を求
めた後にフィルタリング手段によりフィルタリングして
ノイズに影響されない位相マップを得る。これによっ
て、アンラッピングが自ずから行われる位相マップを得
る。この位相マップを用いて位相補正手段により画像デ
ータの位相補正を行う。位相補正済みの画像データに基
づいて画像生成手段により水と脂肪を別々に画像化す
る。
【0047】(20)上記の課題を解決するための他の
観点での発明は、撮像対象につき磁気共鳴を利用して画
像を撮像する撮像手段と、前記撮像した画像のピクセル
データの位相の微分値をピクセルごとに求める微分値計
算手段と、前記微分値の積分値をピクセルごとに求める
積分値計算手段と、前記積分値をフィルタリングするフ
ィルタリング手段と、前記フィルタリングした積分値に
より位相分布を形成する位相分布形成手段と、前記形成
した位相分布で画像の位相補正を行う位相補正手段と、
前記位相補正した画像のピクセルデータの位相差を利用
して水画像と脂肪画像を別々に生成する画像生成手段と
を具備することを特徴とする磁気共鳴撮像装置である。
【0048】この観点での発明では、微分値計算手段に
より位相微分値をピクセルごとに求め、その積分値を積
分値計算手段によりピクセルごとに求め、位相分布形成
手段で積分値による位相マップを形成する。積分値を求
めた後にフィルタリング手段によりフィルタリングして
ノイズに影響されない位相マップを得る。これによっ
て、アンラッピングが自ずから行われる位相マップを得
る。この位相マップを用いて位相補正手段により画像デ
ータの位相補正を行う。位相補正済みの画像データに基
づいて画像生成手段により水と脂肪を別々に画像化す
る。
【0049】(21)上記の課題を解決するための他の
観点での発明は、撮像対象につき磁気共鳴を利用して画
像を撮像し、前記撮像した画像のピクセルデータの位相
の微分値をピクセルごとに求め、前記微分値の積分値を
ピクセルごとに求め、前記積分値により位相分布を形成
し、前記形成した位相分布で画像の位相補正を行い、前
記位相補正した画像のピクセルデータの位相差を利用し
て水画像と脂肪画像を別々に生成することを特徴とする
磁気共鳴撮像方法である。
【0050】この観点での発明では、磁気共鳴撮像した
画像につき位相微分値をピクセルごとに求め、その積分
値をピクセルごとに求め、積分値による位相マップを形
成する。これによって、アンラッピングが自ずから行わ
れる位相マップを得る。この位相マップを用いて画像デ
ータの位相補正を行う。位相補正済みの画像データに基
づいて水と脂肪を別々に画像化する。
【0051】(22)上記の課題を解決するための他の
観点での発明は、撮像対象につき磁気共鳴を利用して画
像を撮像し、前記撮像した画像をフィルタリングし、前
記フィルタリングした画像のピクセルデータの位相の微
分値をピクセルごとに求め、前記微分値の積分値をピク
セルごとに求め、前記積分値により位相分布を形成し、
前記形成した位相分布で画像の位相補正を行い、前記位
相補正した画像のピクセルデータの位相差を利用して水
画像と脂肪画像を別々に生成することを特徴とする磁気
共鳴撮像方法である。
【0052】この観点での発明では、磁気共鳴撮像した
画像につき位相微分値をピクセルごとに求め、その積分
値をピクセルごとに求め、積分値による位相マップを形
成する。微分値を求める前に画像をフィルタリングして
ノイズに影響されない位相マップを得る。これによっ
て、アンラッピングが自ずから行われる位相マップを得
る。この位相マップを用いて画像データの位相補正を行
う。位相補正済みの画像データに基づいて水と脂肪を別
々に画像化する。
【0053】(23)上記の課題を解決するための他の
観点での発明は、撮像対象につき磁気共鳴を利用して画
像を撮像し、前記撮像した画像のピクセルデータの位相
の微分値をピクセルごとに求め、前記微分値をフィルタ
リングし、前記フィルタリングした微分値の積分値をピ
クセルごとに求め、前記積分値により位相分布を形成
し、前記形成した位相分布で画像の位相補正を行い、前
記位相補正した画像のピクセルデータの位相差を利用し
て水画像と脂肪画像を別々に生成することを特徴とする
磁気共鳴撮像方法である。
【0054】この観点での発明では、位相微分値をピク
セルごとに求め、その積分値をピクセルごとに求め、積
分値による位相マップを形成する。微分値を求めた後に
フィルタリング手段によりフィルタリングしてノイズに
影響されない位相マップを得る。これによって、アンラ
ッピングが自ずから行われる位相マップを得る。この位
相マップを用いて画像データの位相補正を行う。位相補
正済みの画像データに基づいて水と脂肪を別々に画像化
する。
【0055】(24)上記の課題を解決するための他の
観点での発明は、撮像対象につき磁気共鳴を利用して画
像を撮像し、前記撮像した画像のピクセルデータの位相
の微分値をピクセルごとに求め、前記微分値の積分値を
ピクセルごとに求め、前記積分値をフィルタリングし、
前記フィルタリングした積分値により位相分布を形成
し、前記形成した位相分布で画像の位相補正を行い、前
記位相補正した画像のピクセルデータの位相差を利用し
て水画像と脂肪画像を別々に生成することを特徴とする
磁気共鳴撮像方法である。
【0056】この観点での発明では、位相微分値をピク
セルごとに求め、その積分値をピクセルごとに求め、積
分値による位相マップを形成する。積分値を求めた後に
フィルタリングしてノイズに影響されない位相マップを
得る。これによって、アンラッピングが自ずから行われ
る位相マップを得る。この位相マップを用いて画像デー
タの位相補正を行う。位相補正済みの画像データに基づ
いて水と脂肪を別々に画像化する。
【0057】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。なお、本発明は実施の形態
に限定されるものではない。図1に磁気共鳴撮像装置の
ブロック(block)図を示す。本装置は本発明の実
施の形態の一例である。本装置の構成によって、本発明
の装置に関する実施の形態の一例が示される。本装置の
動作によって、本発明の方法に関する実施の形態の一例
が示される。
【0058】図1に示すように、本装置はマグネットシ
ステム(magnet system)100を有す
る。マグネットシステム100は主磁場コイル(coi
l)部102、勾配コイル部106およびRF(rad
io frequency)コイル部108を有する。
これら各コイル部は概ね円筒状の外形を有し、互いに同
軸的に配置されている。マグネットシステム100の内
部空間に、撮像対象300がクレ−ドル(cradl
e)500に搭載されて図示しない搬送手段により搬入
および搬出される。
【0059】主磁場コイル部102はマグネットシステ
ム100の内部空間に静磁場を形成する。静磁場の方向
は概ね撮像対象300の体軸の方向に平行である。すな
わちいわゆる水平磁場を形成する。主磁場コイル部10
2は例えば超伝導コイルを用いて構成される。なお、超
伝導コイルに限らず常伝導コイル等を用いて構成しても
良いのはもちろんである。
【0060】勾配コイル部106は静磁場強度に勾配を
持たせるための勾配磁場を生じる。発生する勾配磁場
は、スライス(slice)勾配磁場、リードアウト
(read out)勾配磁場およびフェーズエンコー
ド(phase encode)勾配磁場の3種であ
り、これら3種類の勾配磁場に対応して勾配コイル部1
06は図示しない3系統の勾配コイルを有する。
【0061】RFコイル部108は静磁場空間に撮像対
象300の体内のスピンを励起するための高周波磁場を
形成する。以下、高周波磁場を形成することをRF励起
信号の送信という。RFコイル部108は、また、励起
されたスピンが生じる電磁波すなわち磁気共鳴信号を受
信する。RFコイル部108は図示しない送信用のコイ
ルおよび受信用のコイルを有する。送信用のコイルおよ
び受信用のコイルは、同じコイルを兼用するかあるいは
それぞれ専用のコイルを用いる。
【0062】勾配コイル部106には勾配駆動部130
が接続されている。勾配駆動部130は勾配コイル部1
06に駆動信号を与えて勾配磁場を発生させる。勾配駆
動部130は、勾配コイル部106における3系統の勾
配コイルに対応して、図示しない3系統の駆動回路を有
する。
【0063】RFコイル部108にはRF駆動部140
が接続されている。RF駆動部140はRFコイル部1
08に駆動信号を与えてRF励起信号を送信し、撮像対
象300の体内のスピンを励起する。
【0064】RFコイル部108には、また、データ収
集部150が接続されている。データ収集部150はR
Fコイル部108が受信した受信信号を取り込み、それ
をディジタルデータ(digital data)とし
て収集する。
【0065】勾配駆動部130、RF駆動部140およ
びデータ収集部150には制御部160が接続されてい
る。制御部160は、勾配駆動部130ないしデータ収
集部150をそれぞれ制御する。
【0066】データ収集部150の出力側はデータ処理
部170に接続されている。データ処理部170は、デ
ータ収集部150から取り込んだデータを図示しないメ
モリ(memory)に記憶する。メモリ内にはデータ
空間が形成される。データ空間は2次元フ−リエ(Fo
urier)空間を構成する。データ処理部170は、
これら2次元フ−リエ空間のデータを2次元逆フ−リエ
変換して撮像対象300の画像を再構成する。
【0067】データ処理部170は制御部160に接続
されている。データ処理部170は制御部160の上位
にあってそれを統括する。データ処理部170には、表
示部180および操作部190が接続されている。表示
部180は、データ処理部170から出力される再構成
画像および各種の情報を表示する。操作部190は、操
作者によって操作され、各種の指令や情報等をデータ処
理部170に入力する。
【0068】図2に、磁気共鳴撮像装置のブロック図を
示す。本装置は本発明の実施の形態の一例である。本装
置の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の
一例が示される。本装置の動作によって、本発明の方法
に関する実施の形態の一例が示される。
【0069】図2に示す装置は、図1に示した装置とは
異なるマグネットシステム100’を有する。マグネッ
トシステム100’以外は図1に示した装置と同様な構
成になっており、同様な部分に同一の符号を付して説明
を省略する。
【0070】マグネットシステム100’は主磁場マグ
ネット部102’、勾配コイル部106’およびRFコ
イル部108’を有する。これら主磁場マグネット部1
02’および各コイル部は、いずれも空間を挟んで互い
に対向する1対のものからなる。また、いずれも概ね円
盤状の外形を有し中心軸を共有して配置されている。マ
グネットシステム100’の内部空間に、撮像対象30
0がクレ−ドル500に搭載されて図示しない搬送手段
により搬入および搬出される。
【0071】主磁場マグネット部102’はマグネット
システム100’の内部空間に静磁場を形成する。静磁
場の方向は概ね撮像対象300の体軸方向と直交する。
すなわちいわゆる垂直磁場を形成する。主磁場マグネッ
ト部102’は例えば永久磁石等を用いて構成される。
なお、永久磁石に限らず超伝導電磁石あるいは常伝導電
磁石等を用いて構成しても良いのはもちろんである。
【0072】勾配コイル部106’は静磁場強度に勾配
を持たせるための勾配磁場を生じる。発生する勾配磁場
は、スライス勾配磁場、リードアウト勾配磁場およびフ
ェーズエンコード勾配磁場の3種であり、これら3種類
の勾配磁場に対応して勾配コイル部106’は図示しな
い3系統の勾配コイルを有する。
【0073】RFコイル部108’は静磁場空間に撮像
対象300の体内のスピンを励起するためのRF励起信
号を送信する。RFコイル部108’は、また、励起さ
れたスピンが生じる磁気共鳴信号を受信する。RFコイ
ル部108’は図示しない送信用のコイルおよび受信用
のコイルを有する。送信用のコイルおよび受信用のコイ
ルは、同じコイルを兼用するかあるいはそれぞれ専用の
コイルを用いる。
【0074】図3に、磁気共鳴撮像に用いるパルスシー
ケンス(pulse sequence)の一例を示
す。このパルスシーケンスは、スピンエコー(SE:S
pinEcho)法のパルスシーケンスである。
【0075】すなわち、(1)はSE法におけるRF励
起用の90°パルスおよび180°パルスのシーケンス
であり、(2)、(3)、(4)および(5)は、同じ
くそれぞれ、スライス勾配Gs、リードアウト勾配G
r、フェーズエンコード勾配GpおよびスピンエコーM
Rのシーケンスである。なお、90°パルスおよび18
0°パルスはそれぞれ中心信号で代表する。パルスシー
ケンスは時間軸tに沿って左から右に進行する。
【0076】同図に示すように、90°パルスによりス
ピンの90°励起が行われる。このときスライス勾配G
sが印加され所定のスライスについての選択励起が行わ
れる。90°励起から所定の時間後に、180°パルス
による180°励起すなわちスピン反転が行われる。こ
のときもスライス勾配Gsが印加され、同じスライスに
ついての選択的反転が行われる。
【0077】90°励起とスピン反転の間の期間に、リ
ードアウト勾配Grおよびフェーズエンコード勾配Gp
が印加される。リードアウト勾配Grによりスピンのデ
ィフェーズ(dephase)が行われる。フェーズエ
ンコード勾配Gpによりスピンのフェーズエンコードが
行われる。
【0078】スピン反転後、リードアウト勾配Grでス
ピンをリフェーズ(rephase)してスピンエコー
MRを発生させる。スピンエコーMRはデータ収集部1
50によりビューデータ(view data)として
収集される。このようなパスルシーケンスが周期TR
(repetition time)で64〜512回
繰り返される。繰り返しのたびにフェーズエンコード勾
配Gpを変更し、毎回異なるフェーズエンコードを行
う。これによって、64〜512ビューのビューデータ
が得られる。
【0079】スピンエコーMRは、エコー中心に関して
対称的な波形を持つRF信号となる。中心エコーは90
°励起からTE(echo time)後に生じる。時
間TEを適切に選ぶことにより、水のエコーと脂肪のエ
コーの位相差をπ/2とすることができる。位相差をπ
/2にするTEは静磁場強度が0.2Tの場合で2τ+
8.6msまたは2τ−8.6ms程度である。なお、
τは90°励起から180°励起までの時間間隔であ
る。この程度のTEで得られるスピンエコーは十分な信
号強度を有する。
【0080】磁気共鳴撮像用パルスシーケンスの他の例
を図4に示す。このパルスシーケンスは、グラディエン
トエコー(GRE:Gradient Echo)法の
パルスシーケンスである。
【0081】すなわち、(1)はGRE法におけるRF
励起用のα°パルスのシーケンスであり、(2)、
(3)、(4)および(5)は、同じくそれぞれ、スラ
イス勾配Gs、リードアウト勾配Gr、フェーズエンコ
ード勾配GpおよびスピンエコーMRのシーケンスであ
る。なお、α°パルスは中心信号で代表する。パルスシ
ーケンスは時間軸tに沿って左から右に進行する。
【0082】同図に示すように、α°パルスによりスピ
ンのα°励起が行われる。αは90以下である。このと
きスライス勾配Gsが印加され所定のスライスについて
の選択励起が行われる。
【0083】α°励起後、フェーズエンコード勾配Gp
によりスピンのフェーズエンコードが行われる。次に、
リードアウト勾配Grにより先ずスピンをディフェーズ
し、次いでスピンをリフェーズして、グラディエントエ
コーMRを発生させる。グラディエントエコーMRはデ
ータ収集部150によりビューデータとして収集され
る。このようなパスルシーケンスが周期TRで64〜5
12回繰り返される。繰り返しのたびにフェーズエンコ
ード勾配Gpを変更し、毎回異なるフェーズエンコード
を行う。これによって、64〜512ビューのビューデ
ータが得られる。
【0084】グラディエントエコーMRは、エコー中心
に関して対称的な波形を持つRF信号となる。中心エコ
ーはα°励起からTE後に生じる。時間TEを適切に選
ぶことにより、水のエコーと脂肪のエコーの位相差をπ
/2とすることができる。位相差をπ/2にするTEは
静磁場強度が0.2Tの場合で8.6ms程度である。
この程度のTEで得られるグラディエントエコーは十分
な信号強度を有する。
【0085】図3または図4のパルスシーケンスによっ
て得られたビューデータが、データ処理部170のメモ
リに収集される。なお、パルスシーケンスはSE法また
はGRE法に限るものではなく、例えばファーストスピ
ンエコー(FSE:FastSpin Echo)法や
エコープラナーイメージング(EPI:EchoPla
nar Imaging)等、他の適宜の技法のもので
あって良いのはいうまでもない。
【0086】データ処理部170は、ビューデータを2
次元逆フ−リエ変換して撮像対象300の断層像を再構
成する。再構成した画像はメモリに記憶する。ここまで
の本装置の構成および機能は、本発明における撮像手段
の実施の形態の一例である。
【0087】データ処理部170は、再構成した画像か
ら、水分を画像化した像および脂肪分を画像化した像を
それぞれ生成する。以下、水分を画像化した像を水像、
脂肪分を画像化した像を脂肪像という。
【0088】水像および脂肪像を生成するに当たり、デ
ータ処理部170は、静磁場の強度分布に相当する位相
分布すなわち位相マップを求める。なお、位相マップは
水・脂肪分離撮像のためばかりでなく、通常の撮像にお
ける位相補正用に求めるようにしても良いのはいうまで
もない。
【0089】データ処理部170は、本発明の位相分布
測定装置の実施の形態の一例である。データ処理部17
0の構成によって、本発明の装置に関する実施の形態の
一例が示される。データ処理部170の動作によって、
本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。
【0090】データ処理部170は、また、位相マップ
を用いて、磁場不均一の影響を除去する位相補正を行
う。データ処理部170は、本発明の位相補正装置の実
施の形態の一例である。データ処理部170の構成によ
って、本発明の装置に関する実施の形態の一例が示され
る。データ処理部170の動作によって、本発明の方法
に関する実施の形態の一例が示される。データ処理部1
70は、また、本発明における位相補正手段の実施の形
態の一例である。
【0091】図5に、水像と脂肪像を分離して生成する
観点から見たデータ処理部170のブロック図を示す。
同図の各ブロックの機能は、例えばコンピュータプログ
ラム(computer program)等により実
現される。以下同様である。
【0092】同図に示すように、データ処理部170は
位相微分値計算部702を有する。位相微分値計算部7
02は、本発明における微分値計算手段の実施の形態の
一例である。位相微分値計算部702には、前段の画像
再構成部700から再構成画像が入力される。再構成画
像としては、例えば標準ファントム(phantom)
を撮像して得た像等が用いられる。なお、標準ファント
ムは水成分のみを含むものである。
【0093】再構成画像のピクセルデータ(pixel
data)は複素数で与えられる。すなわち、ピクセ
ルデータは実数成分と虚数成分を有する。以下、実数成
分および虚数成分をそれぞれリアルパート(real
part)およびイマジナリパート(imaginar
y part)という。
【0094】入力画像の位相マップの1次元プロファイ
ル(profile)は、例えば図6に示すようなもの
であるとする。以下、これを単に位相マップという。位
相マップは、図17の(a)に示したものと同様に、位
相の1次成分(破線)に高次成分(実線)が重畳し、か
つ、ラップアラウンドを有するものである。位相の高次
成分により、ラップアラウンド位置Aにおけるピクセル
間の位相差は2πよりも小さい。
【0095】位相微分値計算部702は、入力画像の個
々のピクセルデータにつき、位相微分値をピクセルごと
に計算する。位相微分値の計算は次のようにして行われ
る。入力画像のピクセルデータp1,p2,・・・,p
k,・・・,pNに対して、q1,q2,・・・,q
k,・・・,qNをそれぞれ計算する。qkは次式で与
えられる。
【0096】
【数1】
【0097】ここで、
【0098】
【数2】
【0099】はpkの複素共役である。(1)式で与え
られるqkの位相をピクセル位置kにおける位相の微分
値とする。
【0100】これにより、例えば図7に示すような位相
微分値マップが得られる。同図に示すように、位相微分
値マップは、位相の1次成分の微分値に相当する一定値
C(破線)に高次成分(実線)が重畳したものとなる。
また、ラップアラウンドによりqkの位相が2π+αと
なるところでは、qkの位相項
【0101】
【数3】
【0102】となり、ラップアラウンドがないのと同じ
になる。このような位相微分値について、積分値計算部
704により積分を行う。積分は原点を始点として行
う。積分値計算部704の出力データを用いて位相マッ
プ形成部706により位相マップを形成する。積分値計
算部704は、本発明における積分値計算手段の実施の
形態の一例である。位相マップ形成部706は、本発明
における位相分布計算手段の実施の形態の一例である。
【0103】これによって、例えば図8に示すような位
相マップを得る。位相マップは、一定値Cの積分値に相
当する1次成分(破線)に高次成分(実線)が重畳した
ものとなる。1次成分が一定値Cの積分値に相当するこ
とにより、位相マップはラップアラウンドの無いものと
なり、アンラッピングが自ずから行われた位相マップを
得ることができる。すなわち、本来のラップアラウンド
箇所における位相差が2πに達するか否かに関わらず、
安定したアンラッピングを行うことができる。
【0104】位相マップは位相マップメモリ708に記
憶される。位相マップメモリ708に記憶された位相マ
ップは、位相補正部722において再構成画像の位相補
正に利用される。位相補正部722は、画像再構成部7
00から位相補正すべき再構成画像を入力し、そのピク
セルデータの位相を位相マップにおける対応するピクセ
ルの位相によって補正する。
【0105】位相を補正した複素画像は水・脂肪分離部
724に入力される。水・脂肪分離部724は、本発明
における画像生成手段の実施の形態の一例である。水・
脂肪分離部724は、位相補正済みの複素画像のリアル
パートを用いて水像を生成し、イマジナリパートを用い
て脂肪像を生成する。これによって、正確な水像および
脂肪像を得ることができる。生成した水像は水像メモリ
726に記憶し、脂肪像は脂肪像メモリ728に記憶す
る。
【0106】位相マップの形成過程において、ノイズの
影響を除去するためにフィルタリングを行うことが好ま
しい。フィルタリングはロ−パスフィルタ(lowpa
ssfilter)を用いて行う。
【0107】フィルタリングは、例えば図9に示すよう
に、フィルタリング部710により位相微分値計算部7
02の入力画像に対して行う。フィルタリング部710
は、本発明におけるフィルタリング手段の実施の形態の
一例である。入力画像のノイズを低減することにより位
相の高次成分を低減する。これによって、位相微分値計
算部702および積分値計算部704を経て求まる位相
マップを、ノイズに影響されないものとすることができ
る。
【0108】フィルタリングは、例えば図10に示すよ
うに、位相微分値計算部702の出力データに対して行
うようにしても良い。フィルタリング部712は、本発
明におけるフィルタリング手段の実施の形態の一例であ
る。なお、フィルタリング部712は、前述のqkにつ
いてフィルタリングを行う。そして、フィルタリング済
みの値fqkの位相を位相微分値として積分値計算部7
04に入力する。このようにして位相微分値のノイズを
低減することにより、積分値計算部704を経て求まる
位相マップをノイズに影響されないものとすることがで
きる。
【0109】フィルタリングは、例えば図11に示すよ
うに、フィルタリング部714により積分値計算部70
4の出力データに対して行うようにしても良い。フィル
タリング部714は、本発明におけるフィルタリング手
段の実施の形態の一例である。なお、フィルタリング部
712は、積分値計算部704の出力データで与えられ
る位相を持つ複素データをフィルタリングし、フィルタ
リング済みの複素データの位相を個々に求めることによ
って行う。これによって、位相マップをノイズに影響さ
れないものとすることができる。
【0110】位相マップを求めるための元画像として撮
像対象300を撮像したものを用いる場合は、上記のパ
ルスシーケンスにより、水像と脂肪像はπ/2の位相差
を持つので、位相マップは脂肪像に相当するところでは
静磁場不均一よる位相にπ/2を加えた位相を持つ。
【0111】このような位相マップで位相補正を行う
と、水像と脂肪像の位相差までも補正してしまい、水・
脂肪分離画像を得ることができなくなる。そこで、撮像
対象300を撮像した画像から位相マップを求める場合
は次のような処理を行う。
【0112】図12に、水像と脂肪像がπ/2の位相差
を持つ画像から位相マップを求める観点でのデータ処理
部170のブロック図を示す。同図に示すように、デー
タ処理部170はパワー(power)画像形成部90
2および位相分布計算部904を有する。パワー画像形
成部902および位相分布計算部904には、再構成画
像が入力される。
【0113】パワー画像形成部902は、ピクセルごと
の複素数データのパワーを求め、このパワーをピクセル
値とする画像すなわちパワー画像を形成する。位相分布
計算部904は、再構成画像の位相分布を求める。位相
分布の模式図を図13の(a)に示す。同図は、断層像
が脂肪像とその周囲を囲む水像からなる場合の、位相分
布の1次元プロファイル(profile)である。
【0114】位相分布の1次元プロファイル(以下、単
に位相分布という)は、静磁場が均一であるとすると、
水像の位相が0になることにより、同図の一点鎖線で示
すような図形になるべきであるが、例えば静磁場がリニ
ア(linear)に傾斜す不均一性を持つとすると、
実線で示すような位相分布となる。
【0115】位相分布は位相4倍部906に入力され
る。位相4倍部906は位相分布における各位相をを4
倍する。これにより、図13の(b)に示すような位相
分布が得られる。同図に示すように、4倍したことによ
り水と脂肪の位相差が2πになり両者は同相となる。な
お、位相分布にはラップアラウンドが生じる。また、そ
れに加えて、水と脂肪の境界部分では位相の不連続ない
し急変が生じる。
【0116】このような位相分布が複素画像形成部90
8に入力される。複素画像形成部908にはパワー画像
形成部902からパワー画像も入力される。複素画像形
成部908は、位相分布とパワー画像に基づいて複素画
像を形成する。
【0117】複素画像のリアルパートは、パワー画像デ
ータのコサイン(cosine)として求められる。複
素画像のイマジナリパートは、パワー画像データのサイ
ン(sine)として求められる。なお、コサインおよ
びサインの演算に用いる角度は位相角度である。
【0118】複素画像はローパスフィルタ部910を通
して位相分布計算部912に入力される。位相分布計算
部912は、ローパスフィルタリングされた複素画像か
ら位相分布を形成する。ローパスフィルタリングによ
り、位相分布は、図14の(a)に示すような位相の不
連続ないし急変部分が、例えば(b)に示すように連続
化ないし急変緩和されたものとなる。
【0119】このような位相分布が位相アンラッピング
部914に入力される。アンラッピング部914は、図
15の(a)に示すようにラップアラウンドしている位
相を(b)のようにアンラッピングする。
【0120】アンラッピングされた位相分布は位相1/
4倍部916に入力される。位相1/4倍部916は入
力位相を1/4倍する。これにより、図15の(c)に
示すような位相分布が得られる。この位相分布は、撮像
対象300が水だけからなる場合の位相分布に相当す
る。したがって、この位相分布は静磁場の強度分布すな
わち静磁場不均一を表すものとなる。
【0121】このような処理を行うデータ処理部170
の位相4倍部906以降の構成を、図5、図9、図1
0、図11において位相マップ形成部706と置き換え
ることにより、脂肪像に影響されない位相マップを得る
ことができる。
【0122】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、正確な位相マップを能率良く求めるための位相分
布測定方法および装置、そのようにして求めた位相マッ
プを用いる位相補正方法および装置、並びに、そのよう
な位相補正を行う磁気共鳴撮像装置を実現することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図
である。
【図2】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図
である。
【図3】図1または図2に示した装置が実行するパルス
シーケンスの一例を示す図である。
【図4】図1または図2に示した装置が実行するパルス
シーケンスの一例を示す図である。
【図5】図1または図2に示した装置におけるデータ処
理部のブロック図である。
【図6】図5に示したデータ処理部の機能を説明する図
である。
【図7】図5に示したデータ処理部の機能を説明する図
である。
【図8】図5に示したデータ処理部の機能を説明する図
である。
【図9】図1または図2に示した装置におけるデータ処
理部のブロック図である。
【図10】図1または図2に示した装置におけるデータ
処理部のブロック図である。
【図11】図1または図2に示した装置におけるデータ
処理部のブロック図である。
【図12】図1または図2に示した装置におけるデータ
処理部のブロック図である。
【図13】図12に示したデータ処理部の機能を説明す
る図である。
【図14】図12に示したデータ処理部の機能を説明す
る図である。
【図15】図12に示したデータ処理部の機能を説明す
る図である。
【図16】位相マップの概念図である。
【図17】位相マップの概念図である。
【符号の説明】
100,100’ マグネットシステム 102 主磁場コイル部 102’ 主磁場マグネット部 106,106’ 勾配コイル部 108,108’ RFコイル部 130 勾配駆動部 140 RF駆動部 150 データ収集部 160 制御部 170 データ処理部 180 表示部 190 操作部 300 撮像対象 500 クレ−ドル 700 画像再構成部 702 位相微分値計算部 704 積分値計算部 706 位相マップ形成部 708 位相マップメモリ 722 位相補正部 724 水・脂肪分離部 726 水像メモリ 728 脂肪像メモリ 710,712,714 フィルタリング部
フロントページの続き (72)発明者 押尾 晃一 東京都日野市旭が丘四丁目7番地の127 ジーイー横河メディカルシステム株式 会社内 (56)参考文献 特開 平4−288142(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61B 5/055

Claims (20)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気共鳴撮像した画像において1次元プ
    ロファイルを抽出したときに、複素数で与えられる前記
    1次元プロファイルのN個のピクセルデータをp1,p
    2,・・・,pk-1,pk,pk+1,・・・,pNとすると
    き、 qk=pk*・pk-1 但し、pk*は、pkの複素共役
    を示す。 で表される式を用いて演算を行い、qkの位相からピク
    セル位置kにおける位相の微分値を求めることを各ピク
    セルについて行い、 ピクセルごとの前記微分値をピクセル位置に対して積分
    することにより、 前記微分値の積分値をピクセルごとに
    求め、 前記積分値により位相分布を形成する、ことを特徴とす
    る位相分布測定方法。
  2. 【請求項2】 磁気共鳴撮像した画像をフィルタリング
    し、 前記フィルタリングした画像において1次元プロファイ
    ルを抽出したときに、複素数で与えられる前記1次元プ
    ロファイルのN個のピクセルデータをp1,p2,・・
    ・,pk-1,pk,pk+1,・・・,pNとするとき、 qk=pk*・pk-1 但し、pk*は、pkの複素共役
    を示す。 で表される式を用いて演算を行い、qkの位相からピク
    セル位置kにおける位相の微分値を求めることを各ピク
    セルについて行い、 ピクセルごとの前記微分値をピクセル位置に対して積分
    することにより、 前記微分値の積分値をピクセルごとに
    求め、 前記積分値により位相分布を形成する、ことを特徴とす
    る位相分布測定方法。
  3. 【請求項3】 磁気共鳴撮像した画像において1次元プ
    ロファイルを抽出したときに、複素数で与えられる前記
    1次元プロファイルのN個のピクセルデータをp1,p
    2,・・・,pk-1,pk,pk+1,・・・,pNとすると
    き、 qk=pk*・pk-1 但し、pk*は、pkの複素共役
    を示す。 で表される式を用いて演算を行い、qkの位相からピク
    セル位置kにおける位相の微分値を求めることを各ピク
    セルについて行い、 ピクセルごとの前記微分値をフィルタリングし、 ピクセルごとの前記フィルタリングした微分値をピクセ
    ル位置に対して積分することにより、 前記フィルタリン
    グした微分値の積分値をピクセルごとに求め、 前記積分値により位相分布を形成する、ことを特徴とす
    る位相分布測定方法。
  4. 【請求項4】 磁気共鳴撮像した画像において1次元プ
    ロファイルを抽出したときに、複素数で与えられる前記
    1次元プロファイルのN個のピクセルデータをp1,p
    2,・・・,pk-1,pk,pk+1,・・・,pNとすると
    き、 qk=pk*・pk-1 但し、pk*は、pkの複素共役
    を示す。 で表される式を用いて演算を行い、qkの位相からピク
    セル位置kにおける位相の微分値を求めることを各ピク
    セルについて行い、 ピクセルごとの前記微分値をピクセル位置に対して積分
    することにより、 前記微分値の積分値をピクセルごとに
    求め、 ピクセルごとの前記積分値をフィルタリングし、 前記フィルタリングした積分値により位相分布を形成す
    る、ことを特徴とする位相分布測定方法。
  5. 【請求項5】 磁気共鳴撮像した画像において1次元プ
    ロファイルを抽出したときに、複素数で与えられる前記
    1次元プロファイルのN個のピクセルデータをp1,p
    2,・・・,pk-1,pk,pk+1,・・・,pNとすると
    き、 qk=pk*・pk-1 但し、pk*は、pkの複素共役
    を示す。 で表される式を用いて演算を行い、qkの位相からピク
    セル位置kにおける位相の微分値を求めることを各ピク
    セルについて行う微分値計算手段と、 ピクセルごとの前記微分値をピクセル位置に対して積分
    することにより、 前記微分値の積分値をピクセルごとに
    求める積分値計算手段と、 前記積分値により位相分布を形成する位相分布形成手段
    と、を具備することを特徴とする位相分布測定装置。
  6. 【請求項6】 磁気共鳴撮像した画像をフィルタリング
    するフィルタリング手段と、 前記フィルタリングした画像において1次元プロファイ
    ルを抽出したときに、複素数で与えられる前記1次元プ
    ロファイルのN個のピクセルデータをp1,p2,・・
    ・,pk-1,pk,pk+1,・・・,pNとするとき、 qk=pk*・pk-1 但し、pk*は、pkの複素共役
    を示す。 で表される式を用いて演算を行い、qkの位相からピク
    セル位置kにおける位相の 微分値を求めることを各ピク
    セルについて行う微分値計算手段と、 ピクセルごとの前記微分値をピクセル位置に対して積分
    することにより、 前記微分値の積分値をピクセルごとに
    求める積分値計算手段と、 前記積分値により位相分布を形成する位相分布形成手段
    と、を具備することを特徴とする位相分布測定装置。
  7. 【請求項7】 磁気共鳴撮像した画像において1次元プ
    ロファイルを抽出したときに、複素数で与えられる前記
    1次元プロファイルのN個のピクセルデータをp1,p
    2,・・・,pk-1,pk,pk+1,・・・,pNとすると
    き、 qk=pk*・pk-1 但し、pk*は、pkの複素共役
    を示す。 で表される式を用いて演算を行い、qkの位相からピク
    セル位置kにおける位相の微分値を求めることを各ピク
    セルについて行う微分値計算手段と、 ピクセルごとの前記微分値をフィルタリングするフィル
    タリング手段と、 ピクセルごとの前記フィルタリングした微分値をピクセ
    ル位置に対して積分することにより、 前記フィルタリン
    グした微分値の積分値をピクセルごとに求める積分値計
    算手段と、 前記積分値により位相分布を形成する位相分布形成手段
    と、を具備することを特徴とする位相分布測定装置。
  8. 【請求項8】 磁気共鳴撮像した画像において1次元プ
    ロファイルを抽出したときに、複素数で与えられる前記
    1次元プロファイルのN個のピクセルデータをp1,p
    2,・・・,pk-1,pk,pk+1,・・・,pNとすると
    き、 qk=pk*・pk-1 但し、pk*は、pkの複素共役
    を示す。 で表される式を用いて演算を行い、qkの位相からピク
    セル位置kにおける位相の微分値を求めることを各ピク
    セルについて行う微分値計算手段と、 ピクセルごとの前記微分値をピクセル位置に対して積分
    することにより、 前記微分値の積分値をピクセルごとに
    求める積分値計算手段と、ピクセルごとの 前記積分値をフィルタリングするフィル
    タリング手段と、 前記フィルタリングした積分値により位相分布を形成す
    る位相分布形成手段と、を具備することを特徴とする位
    相分布測定装置。
  9. 【請求項9】 磁気共鳴撮像した画像において1次元プ
    ロファイルを抽出 したときに、複素数で与えられる前記
    1次元プロファイルのN個のピクセルデータをp1,p
    2,・・・,pk-1,pk,pk+1,・・・,pNとすると
    き、 qk=pk*・pk-1 但し、pk*は、pkの複素共役
    を示す。 で表される式を用いて演算を行い、qkの位相からピク
    セル位置kにおける位相の微分値を求めることを各ピク
    セルについて行い、 ピクセルごとの前記微分値をピクセル位置に対して積分
    することにより、 前記微分値の積分値をピクセルごとに
    求め、 前記積分値により位相分布を形成し、この位相分布の形成を前記画像のすべてのピクセルにつ
    いて行うことにより前記画像の位相分布を形成し、 前記形成した画像の位相分布を用いて画像の位相補正を
    行う、ことを特徴とする位相補正方法。
  10. 【請求項10】 磁気共鳴撮像した画像をフィルタリン
    グし、 前記フィルタリングした画像において1次元プロファイ
    ルを抽出したときに、複素数で与えられる前記1次元プ
    ロファイルのN個のピクセルデータをp1,p2,・・
    ・,pk-1,pk,pk+1,・・・,pNとするとき、 qk=pk*・pk-1 但し、pk*は、pkの複素共役
    を示す。 で表される式を用いて演算を行い、qkの位相からピク
    セル位置kにおける位相の微分値を求めることを各ピク
    セルについて行い、 ピクセルごとの前記微分値をピクセル位置に対して積分
    することにより、 前記微分値の積分値をピクセルごとに
    求め、 前記積分値により位相分布を形成し、この位相分布の形成を前記画像のすべてのピクセルにつ
    いて行うことにより前記画像の位相分布を形成し、 前記形成した画像の位相分布を用いて画像の位相補正を
    行う、ことを特徴とする位相補正方法。
  11. 【請求項11】 磁気共鳴撮像した画像において1次元
    プロファイルを抽出したときに、複素数で与えられる前
    記1次元プロファイルのN個のピクセルデータをp1,p
    2,・・・,pk-1,pk,pk+1,・・・,pNとすると
    き、 qk=pk*・pk-1 但し、pk*は、pkの複素共役
    を示す。 で表される式を用いて演算を行い、qkの位相からピク
    セル位置kにおける位相の微分値を求めることを各ピク
    セルについて行い、 ピクセルごとの前記微分値をフィルタリングし、 ピクセルごとの前記フィルタリングした微分値をピクセ
    ル位置に対して積分することにより、 前記フィルタリン
    グした微分値の積分値をピクセルごとに求め、 前記積分値により位相分布を形成し、この位相分布の形成を前記画像のすべてのピクセルにつ
    いて行うことにより前記画像の位相分布を形成し、 前記形成した画像の位相分布を用いて画像の位相補正を
    行う、ことを特徴とする位相補正方法。
  12. 【請求項12】 磁気共鳴撮像した画像において1次元
    プロファイルを抽出したときに、複素数で与えられる前
    記1次元プロファイルのN個のピクセルデータをp1,p
    2,・・・,pk-1,pk,pk+1,・・・,pNとすると
    き、 qk=pk*・pk-1 但し、pk*は、pkの複素共役
    を示す。 で表される式を用いて演算を行い、qkの位相からピク
    セル位置kにおける位相の微分値を求めることを各ピク
    セルについて行い、 ピクセルごとの前記微分値をピクセル位置に対して積分
    することにより、 前記微分値の積分値をピクセルごとに
    求め、ピクセルごとの 前記積分値をフィルタリングし、 前記フィルタリングした積分値により位相分布を形成
    し、この位相分布の形成を前記画像のすべてのピクセルにつ
    いて行うことにより前記画像の位相分布を形成し、 前記形成した画像の位相分布を用いて画像の位相補正を
    行う、ことを特徴とする位相補正方法。
  13. 【請求項13】 磁気共鳴撮像した画像において1次元
    プロファイルを抽出したときに、複素数で与えられる前
    記1次元プロファイルのN個のピクセルデータをp1,p
    2,・・・,pk-1,pk,pk+1,・・・,pNとすると
    き、 qk=pk*・pk-1 但し、pk*は、pkの複素共役
    を示す。 で表される式を用いて演算を行い、qkの位相からピク
    セル位置kにおける位相の微分値を求めることを各ピク
    セルについて行う微分値計算手段と、 ピクセルごとの前記微分値をピクセル位置に対して積分
    することにより、 前記微分値の積分値をピクセルごとに
    求める積分値計算手段と、 前記積分値により位相分布を形成する位相分布形成手段
    と、この位相分布の形成を前記画像のすべてのピクセルにつ
    いて行うことにより前記画像の位相分布を形成し、 前記形成した画像の位相分布を用いて画像の位相補正を
    行う位相補正手段と、を具備することを特徴とする位相
    補正装置。
  14. 【請求項14】 磁気共鳴撮像した画像をフィルタリン
    グするフィルタリング手段と、 前記フィルタリングした画像において1次元プロファイ
    ルを抽出したときに、複素数で与えられる前記1次元プ
    ロファイルのN個のピクセルデータをp1,p2,・・
    ・,pk-1,pk,pk+1,・・・,pNとするとき、 qk=pk*・pk-1 但し、pk*は、pkの複素共役
    を示す。 で表される式を用いて演算を行い、qkの位相からピク
    セル位置kにおける位相の微分値を求めることを各ピク
    セルについて行う微分値計算手段と、 ピクセルごとの前記微分値をピクセル位置に対して積分
    することにより、 前記微分値の積分値をピクセルごとに
    求める積分値計算手段と、 前記積分値により位相分布を形成する位相分布形成手段
    と、この位相分布の形成を前記画像のすべてのピクセルにつ
    いて行うことにより前記画像の位相分布を形成し、 前記形成した画像の位相分布を用いて画像の位相補正を
    行う位相補正手段と、を具備することを特徴とする位相
    補正装置。
  15. 【請求項15】 磁気共鳴撮像した画像において1次元
    プロファイルを抽出したときに、複素数で与えられる前
    記1次元プロファイルのN個のピクセルデータをp1,p
    2,・・・,pk-1,pk,pk+1,・・・,pNとすると
    き、 qk=pk*・pk-1 但し、pk*は、pkの複素共役
    を示す。 で表される式を用いて演算を行い、qkの位相からピク
    セル位置kにおける位相の 微分値を求めることを各ピク
    セルについて行う微分値計算手段と、 ピクセルごとの前記微分値をフィルタリングするフィル
    タリング手段と、 ピクセルごとの前記フィルタリングした微分値をピクセ
    ル位置に対して積分することにより、 前記フィルタリン
    グした微分値の積分値をピクセルごとに求める積分値計
    算手段と、 前記積分値により位相分布を形成する位相分布形成手段
    と、この位相分布の形成を前記画像のすべてのピクセルにつ
    いて行うことにより前記画像の位相分布を形成し、 前記形成した画像の位相分布を用いて画像の位相補正を
    行う位相補正手段と、を具備することを特徴とする位相
    補正装置。
  16. 【請求項16】 磁気共鳴撮像した画像において1次元
    プロファイルを抽出したときに、複素数で与えられる前
    記1次元プロファイルのN個のピクセルデータをp1,p
    2,・・・,pk-1,pk,pk+1,・・・,pNとすると
    き、 qk=pk*・pk-1 但し、pk*は、pkの複素共役
    を示す。 で表される式を用いて演算を行い、qkの位相からピク
    セル位置kにおける位相の微分値を求めることを各ピク
    セルについて行う微分値計算手段と、 ピクセルごとの前記微分値をピクセル位置に対して積分
    することにより、 前記微分値の積分値をピクセルごとに
    求める積分値計算手段と、ピクセルごとの 前記積分値をフィルタリングするフィル
    タリング手段と、 前記フィルタリングした積分値により位相分布を形成す
    る位相分布形成手段と、この位相分布の形成を前記画像
    のすべてのピクセルについて行うことにより前記画像の
    位相分布を形成し、 前記形成した画像の位相分布を用いて画像の位相補正を
    行う位相補正手段と、を具備することを特徴とする位相
    補正装置。
  17. 【請求項17】 撮像対象につき磁気共鳴を利用して画
    像を撮像する撮像手段と、 前記撮像した画像において1次元プロファイルを抽出し
    たときに、複素数で与えられる前記1次元プロファイル
    のN個のピクセルデータをp1,p2,・・・,pk-1,p
    k,pk+1,・・・,pNとするとき、 qk=pk*・pk-1 但し、pk*は、pkの複素共役
    を示す。 で表される式を用いて演算を行い、qkの位相からピク
    セル位置kにおける位相の微分値を求めることを各ピク
    セルについて行う微分値計算手段と、 ピクセルごとの前記微分値をピクセル位置に対して積分
    することにより、 前記微分値の積分値をピクセルごとに
    求める積分値計算手段と、 前記積分値により位相分布を形成する位相分布形成手段
    と、この位相分布の形成を前記画像のすべてのピクセルにつ
    いて行うことにより前記画像の位相分布を形成し、 前記形成した画像の位相分布を用いて画像の位相補正を
    行う位相補正手段と、 前記位相補正した画像のピクセルデータの位相差を利用
    して水画像と脂肪画像を別々に生成する画像生成手段
    と、を具備することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  18. 【請求項18】 撮像対象につき磁気共鳴を利用して画
    像を撮像する撮像手段と、 前記撮像した画像をフィルタリングするフィルタリング
    手段と、 前記フィルタリングした画像において1次元プロファイ
    ルを抽出したときに、複素数で与えられる前記1次元プ
    ロファイルのN個のピクセルデータをp1,p2,・・
    ・,pk-1,pk,pk+1,・・・,pNとするとき、 qk=pk*・pk-1 但し、pk*は、pkの複素共役
    を示す。 で表される式を用いて演算を行い、qkの位相からピク
    セル位置kにおける位相の微分値を求めることを各ピク
    セルについて行う微分値計算手段と、 ピクセルごとの前記微分値をピクセル位置に対して積分
    することにより、 前記微分値の積分値をピクセルごとに
    求める積分値計算手段と、 前記積分値により位相分布を形成する位相分布形成手段
    と、この位相分布の形成を前記画像のすべてのピクセルにつ
    いて行うことにより前記画像の位相分布を形成し、 前記形成した画像の位相分布を用いて画像の位相補正を
    行う位相補正手段と、 前記位相補正した画像のピクセルデータの位相差を利用
    して水画像と脂肪画像を別々に生成する画像生成手段
    と、を具備することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  19. 【請求項19】 撮像対象につき磁気共鳴を利用して画
    像を撮像する撮像手段と、 前記撮像した画像において1次元プロファイルを抽出し
    たときに、複素数で与えられる前記1次元プロファイル
    のN個のピクセルデータをp1,p2,・・・,pk-1,p
    k,pk+1,・・・,pNとするとき、 qk=pk*・pk-1 但し、pk*は、pkの複素共役
    を示す。 で表される式を用いて演算を行い、qkの位相からピク
    セル位置kにおける位相の微分値を求めることを各ピク
    セルについて行う微分値計算手段と、 ピクセルごとの前記微分値をフィルタリングするフィル
    タリング手段と、 ピクセルごとの前記フィルタリングした微分値をピクセ
    ル位置に対して積分することにより、 前記フィルタリン
    グした微分値の積分値をピクセルごとに求める積分値計
    算手段と、 前記積分値により位相分布を形成する位相分布形成手段
    と、この位相分布の形成を前記画像のすべてのピクセルにつ
    いて行うことにより前記画像の位相分布を形成し、 前記形成した画像の位相分布を用いて画像の位相補正を
    行う位相補正手段と、 前記位相補正した画像のピクセルデータの位相差を利用
    して水画像と脂肪画像を別々に生成する画像生成手段
    と、を具備することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
  20. 【請求項20】 撮像対象につき磁気共鳴を利用して画
    像を撮像する撮像手段と、 前記撮像した画像において1次元プロファイルを抽出し
    たときに、複素数で与えられる前記1次元プロファイル
    のN個のピクセルデータをp1,p2,・・・,pk-1,p
    k,pk+1,・・・,pNとするとき、 qk=pk*・pk-1 但し、pk*は、pkの複素共役
    を示す。 で表される式を用いて演算を行い、qkの位相からピク
    セル位置kにおける位相の微分値を求めることを各ピク
    セルについて行う微分値計算手段と、 ピクセルごとの前記微分値をピクセル位置に対して積分
    することにより、 前記微分値の積分値をピクセルごとに
    求める積分値計算手段と、 ピクセルごとの前記積分値をフィルタリングするフィル
    タリング手段と、 前記フィルタリングした積分値により位相分布を形成す
    る位相分布形成手段と、この位相分布の形成を前記画像
    のすべてのピクセルについて行うことにより前記画像の
    位相分布を形成し、 前記形成した画像の位相分布を用いて画像の位相補正を
    行う位相補正手段と、 前記位相補正した画像のピクセルデータの位相差を利用
    して水画像と脂肪画像を別々に生成する画像生成手段
    と、を具備することを特徴とする磁気共鳴撮像装置。
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