JPH09193776A - 車輌の挙動制御装置 - Google Patents

車輌の挙動制御装置

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JPH09193776A
JPH09193776A JP8023140A JP2314096A JPH09193776A JP H09193776 A JPH09193776 A JP H09193776A JP 8023140 A JP8023140 A JP 8023140A JP 2314096 A JP2314096 A JP 2314096A JP H09193776 A JPH09193776 A JP H09193776A
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wheel
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turning
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Yoshiki Fukada
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピン及びドリフトアウトが同時に発生する
状況に於いても車輌の旋回挙動を適切に制御する。 【解決手段】 車輌の旋回挙動を安定化させるための目
標制御量(Mt )を演算し(ステップ200)、目標制
御量に基づき各輪の目標制動力を演算し(ステップ35
0)、目標制動力に基づき各輪の制動力を制御する(ス
テップ400〜550)車輌の挙動制御装置。車輌のス
ピン状態量(SV)及びドリフトアウト状態量(DV)
を検出し(ステップ150)、スピン状態量及びドリフ
トアウト状態量の両者がそれぞれ所定値以上のときには
スピン状態量及びドリフトアウト状態量に基づき制動力
の前後輪配分比Kf 、Kr を演算し(ステップ30
0)、前後輪配分比に基づき目標制動力を補正する(ス
テップ350)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車輌の
旋回時に於けるドリフトアウトやスピンの如き好ましか
らざる挙動を抑制し低減する挙動制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌の旋回時に於ける挙動を
制御する装置の一つとして、例えば特開平2−1097
11号公報に記載されている如く、車体のスリップ角β
及び車体のスリップ角速度βd の線形和に基づき車輌の
旋回挙動を推定し、スピンが推定されるときには車輌の
ロール剛性を制御することによりオーバステアを抑制し
て旋回挙動を安定化させる挙動制御装置が従来より知ら
れている。
【0003】かかる挙動制御装置によれば、スピンが推
定されるときには車輌のロール剛性が制御されるので、
旋回挙動が推定されずロール剛性も制御されない従来の
一般的な車輌の場合に比して旋回時の挙動を安定化させ
ることができ、これにより車輌のスピンの如き好ましか
らざる旋回挙動の発生を防止することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし車輌の走行状態
によってはスピンに加えてドリフトアウトが同時に発生
することがある。例えば車体のスリップ角が過大であり
この点に於いて車輌はスピンの状態にあるが、車輌の旋
回軌跡は目標軌跡に対し外側にありこの点に於いて車輌
はドリフトアウトの状態でもある状況が発生することが
ある。上記公報に記載された従来の挙動制御装置に於て
は、車体のスリップ角及び車体のスリップ角速度の線形
和に基づき車輌の旋回挙動が推定されるので、スピン及
びドリフトアウトが同時に発生する状況に適切に対処す
ることができない。
【0005】本発明は、従来の挙動制御装置に於ける上
述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主
要な課題は、スピン及びドリフトアウトが同時に発生す
る状況に於いてはこれらの程度に応じて制動力の前後輪
配分比を最適化することにより、スピン及びドリフトア
ウトが同時に発生する状況に於いても車輌の旋回挙動を
適切に制御することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の如き主要な課題
は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち車輌の旋回
挙動を安定化させるための目標制御量を演算する手段
と、前記目標制御量に基づき各輪の目標制動力を演算す
る手段と、前記目標制動力に基づき各輪の制動力を制御
する制動力制御手段とを有する車輌の挙動制御装置に於
いて、車輌のスピン状態量を検出する手段と、車輌のド
リフトアウト状態量を検出する手段と、前記スピン状態
量及び前記ドリフトアウト状態量の両者がそれぞれ所定
値以上のときには前記スピン状態量及び前記ドリフトア
ウト状態量に基づき制動力の前後輪配分比を演算する手
段と、前記前後輪配分比に基づき前記目標制動力を補正
する手段とを有していることを特徴とする車輌の挙動制
御装置によって達成される。
【0007】請求項1の構成によれば、スピン状態量及
びドリフトアウト状態量の両者がそれぞれ所定値以上の
ときにはスピン状態量及びドリフトアウト状態量に基づ
き制動力の前後輪配分比が演算され、前後輪配分比に基
づき目標制動力が補正され、補正された目標制動力に基
づき各輪の制動力が制御されるので、スピン又はドリフ
トアウトが単独で発生する状況は勿論のこと、これらが
同時に発生する状況に於いても車輌の旋回挙動が適切に
制御される。
【0008】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項1の構成に於いて、旋回内
輪の支持荷重を検出する手段を有し、前記旋回内輪の支
持荷重が小さく且つ前記車輌に旋回補助方向のヨーモー
メントを与えるべきときには、旋回外側前後輪の制動力
を制御するよう構成される(請求項2の構成)。
【0009】一般に車輌に旋回補助方向のヨーモーメン
トが与えられる必要があるときには、旋回内輪に制動力
を付与することが効果的であるが、旋回内輪の支持荷重
が小さいときには旋回内輪の制動圧を高くしても旋回内
輪は十分な制動力を発生することができない。請求項2
の構成によれば、旋回内輪の支持荷重が小さく且つ車輌
に旋回補助方向のヨーモーメントを与えるべきときに
は、旋回外側前後輪の制動力が制御されることにより所
要のヨーモーメントが車輌に与えられるので、旋回内輪
の支持荷重が小さくても車輌の旋回挙動が確実に安定化
される。
【0010】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項1の構成に於いて、運転者
の希望する減速度合Gxtを求める手段と、前記減速度合
Gxtが高いほど小さくなるよう目標付加減速度 dGxtを
演算する手段とを有し、前記目標制動力は前記車輌の旋
回挙動を安定化させるための目標ヨーモーメントMtと
前記目標付加減速度 dGxtとの線形和として演算され、
前記目標付加減速度 dGxtが負であり且つ前記車輌に旋
回補助方向のヨーモーメントを与えるべきときには前記
目標制動力が旋回内輪を基準輪として演算されるよう旋
回内輪の前記目標制動力が0に設定されるよう構成され
る(請求項3の構成)。
【0011】この構成によれば、運転者の希望する減速
度合Gxtが高いほど小さくなるよう目標付加減速度 dG
xtが演算され、制動手段は目標ヨーモーメントMt と目
標付加減速度 dGxtとの線形和に応じて制御されるの
で、運転者の希望する減速を達成しつつ、運転者の希望
する減速度合が高い場合に各輪の制動力が過剰になって
車輪の横力が低下することに起因する挙動の悪化が確実
に防止され、また目標付加減速度 dGxtが負であり且つ
車輌に旋回補助方向のヨーモーメントを与えるべきとき
には、換言すれば車輌に旋回補助方向のヨーモーメント
が与えられるべき状況に於いて制動圧が運転者により減
圧されるときには、目標制動力は旋回内輪を基準輪とし
て演算され、これにより各輪の制動力が低減されると共
に旋回外輪の制動力が旋回内輪の制動力よりも小さくさ
れるので、運転者の希望する減速を達成しつつ旋回挙動
を安定化させることが可能になる。
【0012】本発明によれば、上述の主要な課題を効果
的に達成すべく、請求項1の構成に於いて、前記車輌は
少なくとも運転者の駆動力操作に基づき駆動輪の目標駆
動力を演算する手段を備え、前記制動力制御手段は前記
目標駆動力と前記目標制動力との線形和に基づき前記駆
動輪の制動力を制御するよう構成される(請求項4の構
成)。
【0013】一般に運転者により駆動輪の駆動力の制御
が行われている状況に於いて旋回挙動制御による制動力
が駆動輪に与えられると、旋回挙動制御の開始時より急
に加速不能となり、運転者は加速したいという意思が反
映しないことに対する不満感を覚える。請求項4の構成
によれば、運転者により駆動輪の駆動力が操作されてい
るときには目標駆動力と目標制動力との線形和に基づき
駆動輪の制動力が制御されるので、旋回挙動制御が開始
時しても駆動輪の車輪速が急に低下して加速不能になる
ことがなく、これにより運転者が加速できないことに対
し不満感を覚えることがなくなる。
【0014】
【課題解決手段の好ましい態様】本発明の一つの好まし
い態様によれば、請求項1の構成に於いて、目標制御量
を演算する手段は後輪のスリップ角βr を求める手段
と、後輪のスリップ角速度βrdに対応する物理量βd を
求める手段とを有し、運転者の希望する旋回度合により
定まる後輪の目標スリップ角βrtを求める手段と有し、
スリップ角βr 及び物理量βd に基づき後輪のスリップ
角βr を目標スリップ角βrtとするための目標ヨーモー
メントMt として前記目標制御量を演算するよう構成さ
れる(好ましい態様1)。
【0015】この構成によれば、運転者の希望する旋回
度合により定まる後輪の目標スリップ角βrtが求めら
れ、目標ヨーモーメントMt が後輪のスリップ角βr 及
び後輪のスリップ角速度βrdに対応する物理量βd に基
づき後輪のスリップ角βr を目標スリップ角βrtとする
ためのヨーモーメントのPD制御量として演算され、後
輪のスリップ角を目標スリップ角とするヨーモーメント
が車輌に与えられるよう各輪の制動力が制御されるの
で、スピン又はドリフトアウトが単独で発生する状況は
勿論のこと、これらが同時に発生する状況に於いても車
輌の旋回挙動が適切に制御される。
【0016】例えば車輌がドリフトアウト状態にあると
きには後輪のスリップ角βr が目標スリップ角βrtより
も小さくなり、ドリフトアウト状態が増大するときには
後輪のスリップ角速度βrdに対応する物理量βd も負の
値になる。かかる状況に於いては車輌に与えられるヨー
モーメントは車輌の旋回を補助する方向のヨーモーメン
トになるので、ドリフトアウト状態が確実に抑制され
る。
【0017】また車輌がスピン状態にあるときには後輪
のスリップ角βr が目標スリップ角βrtよりも大きくな
り、スピン状態が増大するときには物理量βd も正の値
になる。かかる状況に於いては車輌に与えられるヨーモ
ーメントは車輌の旋回を補助する方向とは反対の方向の
ヨーモーメント(アンチスピンモーメント)になるの
で、スピン状態が効果的に抑制される。
【0018】更に車輌がスピン状態にあり且つドリフト
アウト状態にあるときにはそれらの状態の何れの程度が
大きいかに応じて車輌に与えられるヨーモーメントの方
向が適宜に制御され、また二つの状態の程度が車輌の旋
回中に相互に入れ代わる場合にもその変化に応じてヨー
モーメントの方向が逆になるよう適宜に制御される。従
ってスピン状態及びドリフトアウト状態が同時に発生し
ても車輌の旋回挙動が確実に安定になるよう制御され
る。
【0019】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上記好ましい態様1の構成に於いて、目標ヨーモ
ーメントMt は少なくとも後輪のスリップ角βr と目標
スリップ角βrtとの偏差に応じて演算されるよう構成さ
れる(好ましい態様2)。この構成によれば、目標ヨー
モーメントMt は少なくとも後輪のスリップ角βr と目
標スリップ角βrtとの偏差に応じて演算されるので、後
輪のスリップ角と目標スリップ角との偏差に応じて適正
なヨーモーメントが車輌に与えられ、これにより車輌の
旋回挙動が確実に安定化される。
【0020】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上記好ましい態様1の構成に於いて、車輌の旋回
挙動の不安定度合を検出する手段と、不安定度合が高い
ほど目標ヨーモーメントMt を大きくする手段とを有す
るよう構成される(好ましい態様3)。この構成によれ
ば、車輌の旋回挙動の不安定度合が高いほど目標ヨーモ
ーメントMt が大きくされるので、車輌の旋回挙動の不
安定度合が高いほど車輌に与えられるヨーモーメントが
大きくなり、これにより旋回挙動の不安定度合が高い場
合にも車輌の旋回挙動が確実に安定化される。
【0021】また一般に後輪の限界スリップ角(それ以
上スリップ角が大きくなると車輌の挙動が極端に悪化す
るスリップ角)は路面の摩擦係数の如き車輌の走行状態
に応じて変化するので、目標スリップ角βrtには車輌の
走行状態に応じて上限が設定されることが好ましい。
【0022】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、この点を考慮して上述の主要な課題を効果的に達成
すべく、上記好ましい態様1の構成に於いて、車輌の走
行状態に応じて目標スリップ角βrtの上限を設定する手
段を有するよう構成される(好ましい態様4)。この構
成によれば、車輌の走行状態に応じて目標スリップ角β
rtの上限が設定されるので、目標ヨーモーメントMt が
過大になることに起因して車輌の挙動が却って悪化する
ことが確実に防止される。
【0023】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上記好ましい態様1の構成に於いて、舵角速度を
検出する手段と、舵角速度が高いほど目標スリップ角β
rtの位相進みを大きくする手段とを有するよう構成され
る(好ましい態様5)。
【0024】上述の如く後輪の目標スリップ角βrtは運
転者の希望する旋回度合、例えば前輪のスリップ角や操
舵角に応じて求められるが、舵角速度が高くなると後輪
の制動力の制御に遅れが生じ易くなる。これに対し好ま
しい態様5の構成によれば、舵角速度が検出され、舵角
速度が高いほど目標スリップ角βrtの位相進みが大きく
されるので、舵角速度が高い場合にも応答遅れなく各輪
の制動力が制御され、これにより車輌の旋回挙動が効果
的に制御される。
【0025】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上記好ましい態様3の構成に於いて、車輌の旋回
挙動の不安定度合を検出する手段は不安定度合として少
なくとも車輌のスピン状態量を検出し、スピン状態量の
検出は車輌の線形理論により推定される車体のスリップ
角が零である位置近傍に於ける車体のスリップ角の最小
値βs に基づいて行われるよう構成される(好ましい態
様6)。
【0026】この構成によれば、車輌の旋回挙動の不安
定度合として少なくとも車輌のスピン状態量が検出さ
れ、スピン状態量の検出は車輌の線形理論により推定さ
れる車体のスリップ角が零である位置近傍に於ける車体
のスリップ角の最小値βs に基づいて行われるので、例
えば車輌の重心に於ける車体のスリップ角に基づきスピ
ン状態量が検出される場合に比して車輌の旋回挙動の不
安定度合が正確に求められ、これにより目標ヨーモーメ
ントMt が正確に演算される。
【0027】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、上記好ましい態様3の構成に於いて、車体の実ヨ
ーレートと車体の基準ヨーレートとの偏差を求める手段
を有し、車輌の旋回挙動の不安定度合を検出する手段は
不安定度合として少なくとも車輌のスピン状態量を検出
し、目標ヨーモーメントMt はスリップ角βr 及び物理
量βd に基づく第一の成分M1 とヨーレートの偏差に基
づく第二の成分M2 との線形和であり、目標ヨーモーメ
ントMt を演算する手段はスピン状態量が低いほど第二
の成分の重みを大きくするよう構成される(好ましい態
様7)。
【0028】この構成によれば、目標ヨーモーメントM
t はスリップ角βr 及び物理量βdに基づく第一の成分
M1 と車体の実ヨーレートと車体の基準ヨーレートとの
偏差に基づく第二の成分M2 との線形和として演算さ
れ、スピン状態量が低いほど第二の成分の重みが大きく
されるので、スピン度合が高いときには第一の成分の重
みが相対的に高くなってスピンが効果的に抑制され、逆
にドリフトアウトの度合が高いときには後輪のスリップ
角の推定誤差の影響を受け易い第一の成分の重みが相対
的に低減されると共にドリフトアウトを効果的に制御し
得る第二の成分の重みが相対的に高くされ、これにより
車輌がドリフトアウト状態よりスピン状態へ変化する場
合やこの逆の場合にも車輌の旋回挙動の制御が円滑に行
われる。
【0029】本発明の更に他の一つの好ましい態様によ
れば、上記好ましい態様1の構成に於いて、後輪の目標
スリップ角βrtは前輪の舵角、前輪のスリップ角、車輌
の基準ヨーレートと実ヨーレートとの偏差に基づくドリ
フトアウト状態量の何れかに応じて求められる。この構
成によれば、後輪の目標スリップ角βrtが確実に運転者
の希望する旋回度合に応じて求められる。
【0030】また本発明の更に他の一つの好ましい態様
によれば、上記好ましい態様2の構成に於いて、後輪の
スリップ角βr とその微分値βrdとの線形和が後輪の目
標スリップ角βrtより大きいときには、後輪のスリップ
角βr と目標スリップ角βrtとの偏差に基づく目標ヨー
モーメントMt の演算係数が大きく設定される。この構
成によれば、後輪のスリップ角がその限界値を越えるこ
とにより車輌の挙動が急激に不安定になる虞れが低減さ
れる。
【0031】また本発明の更に他の一つの好ましい態様
によれば、上記好ましい態様3の構成に於いて、車輌の
旋回挙動の不安定度合を検出する手段は少なくとも車体
のスリップ角βに基づく車輌のスピン状態量と、車輌の
基準ヨーレートと実ヨーレートとの偏差に基づくドリフ
トアウト状態量とを検出し、これらの状態量の和又はこ
れらの状態量の大きい方の値として旋回挙動の不安定度
合を求めるよう構成される。
【0032】また本発明の更に他の一つの好ましい態様
によれば、上記好ましい態様4の構成に於いて、目標ス
リップ角βrtの上限は少なくとも路面の摩擦係数に応じ
て設定される。この構成によれば、路面の摩擦係数が低
い場合にも目標ヨーモーメントMt に基づく各輪の制動
力の制御によって車輌の挙動が却って悪化することが確
実に防止される。
【0033】また本発明の更に他の一つの好ましい態様
によれば、上記好ましい態様6の構成に於いて、車輌の
旋回挙動の不安定度合を検出する手段と、不安定度合が
高いほど目標付加減速度 dGxtを大きくする手段とを有
するよう構成される。この構成によれば、車輌の旋回挙
動の不安定度合が高いほど車輌の減速度合が大きくな
り、これにより旋回挙動の不安定度合が高い場合にも車
輌の旋回挙動が更に一層確実に安定化される。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本
発明を実施形態について詳細に説明する。
【0035】図1は本発明による挙動制御装置の一つの
実施形態の油圧回路及び電気式制御装置を示す概略構成
図である。
【0036】図1に於て、制動装置10は運転者による
ブレーキペダル12の踏み込み操作に応答してブレーキ
オイルを第一及び第二のポートより圧送するマスタシリ
ンダ14と、マスタシリンダ内のオイル圧力に対応する
圧力(レギュレータ圧)にブレーキオイルを増圧するハ
イドロブースタ16とを有している。マスタシリンダ1
4の第一のポートは前輪用のブレーキ油圧制御導管18
により左右前輪用のブーキ油圧制御装置20及び22に
接続され、第二のポートは途中にプロポーショナルバル
ブ24を有する後輪用のブレーキ油圧制御導管26によ
り左右後輪用の3ポート2位置切換え型の電磁式の制御
弁28に接続されている。制御弁28は導管30により
左後輪用のブレーキ油圧制御装置32及び右後輪用のブ
レーキ油圧制御装置34に接続されている。
【0037】また制動装置10はリザーバ36に貯容さ
れたブレーキオイルを汲み上げ高圧のオイルとして高圧
導管38へ供給するオイルポンプ40を有している。高
圧導管38はハイドロブースタ16に接続されると共
に、前輪用の切換弁42及び後輪用の切換弁44に接続
されており、高圧導管38の途中にはオイルポンプ40
より吐出される高圧のオイルをアキュムレータ圧として
蓄圧するアキュムレータ46が接続されている。図示の
如く切換弁42及び44も3ポート2位置切換え型の電
磁式の切換弁である。
【0038】左右前輪用のブレーキ油圧制御装置20及
び22はそれぞれ対応する車輪に対する制動力を制御す
るホイールシリンダ48FL及び48FRと、3ポート2位
置切換え型の電磁式の制御弁50FL及び50FRと、リザ
ーバ36に接続されたリターン通路としての低圧導管5
2とハイドロブースタ16の吐出ポートとの間に接続さ
れたレギュレータ圧供給導管53の途中に設けられた常
開型の電磁式の開閉弁54FL及び54FR及び常閉型の電
磁式の開閉弁56FL及び56FRとを有している。それぞ
れ開閉弁54FL、54FRと開閉弁56FL、56FRとの間
のレギュレータ圧供給導管53は接続導管58FL、58
FRにより制御弁50FL、50FRに接続されている。
【0039】左右後輪用のブレーキ油圧制御装置32、
34は制御弁28と低圧導管52との間にて導管30の
途中に設けられた常開型の電磁式の開閉弁60RL、60
RR及び常閉型の電磁式の開閉弁62RL、62RRと、それ
ぞれ対応する車輪に対する制動力を制御するホイールシ
リンダ64RL、64RRとを有し、ホイールシリンダ64
RL、64RRはそれぞれ接続導管66RL、66RRにより開
閉弁60RL、60RRと開閉弁62RL、62RRとの間の導
管30に接続されている。
【0040】制御弁50FL及び50FRはそれぞれ前輪用
のブレーキ油圧制御導管18とホイールシリンダ48FL
及び48FRとを連通接続し且つホイールシリンダ48FL
及び48FRと接続導管58FL及び58FRとの連通を遮断
する図示の第一の位置と、ブレーキ油圧制御導管18と
ホイールシリンダ48FL及び48FRとの連通を遮断し且
つホイールシリンダ48FL及び48FRと接続導管58FL
及び58FRとを連通接続する第二の位置とに切替わるよ
うになっている。
【0041】レギュレータ圧供給導管53と左右後輪用
制御弁28との間には左右後輪用のレギュレータ圧供給
導管68が接続されており、制御弁28はそれぞれ後輪
用のブレーキ油圧制御導管26と開閉弁60RL、60RR
とを連通接続し且つ開閉弁60RL、60RRとレギュレー
タ圧供給導管68との連通を遮断する図示の第一の位置
と、ブレーキ油圧制御導管26と開閉弁60RL、60RR
との連通を遮断し且つ開閉弁60RL、60RRとレギュレ
ータ圧供給導管68とを連通接続する第二の位置とに切
替わるようになっている。
【0042】制御弁50FL、50FR、28はマスタシリ
ンダ圧遮断弁として機能し、これらの制御弁が図示の第
一の位置にあるときにはホイールシリンダ48FL、48
FR、64RL、64RRが導管18、26と連通接続され、
各ホイールシリンダへマスタシリンダ圧が供給されるこ
とにより、各輪の制動力が運転者によるブレーキペダル
12の踏み込み量に応じて制御され、制御弁50FL、5
0FR、28が第二の位置にあるときには各ホイールシリ
ンダはマスタシリンダ圧より遮断される。
【0043】また切換弁42及び44はホイールシリン
ダ48FL、48FR、64RL、64RRへ供給される油圧を
アキュムレータ圧とレギュレータ圧との間にて切換える
機能を果し、制御弁50FL、50FR、28が第二の位置
に切換えられ且つ開閉弁54FL、54FR、60RL、60
RR及び開閉弁56FL、56FR、62RL、62RRが図示の
位置にある状態にて切換弁42及び44が図示の第一の
位置に維持されるときには、ホイールシリンダ48FL、
48FR、64RL、64RRへレギュレータ圧が供給される
ことにより各ホイールシリンダ内の圧力がレギュレータ
圧にて制御され、これによりブレーキペダル12の踏み
込み量及び他の車輪の制動圧に拘わりなくその車輪の制
動圧がレギュレータ圧による増圧モードにて制御され
る。
【0044】尚各弁がレギュレータ圧による増圧モード
に切換え設定されても、ホイールシリンダ内の圧力がレ
ギュレータ圧よりも高いときには、ホイールシリンダ内
のオイルが逆流し、制御モードが増圧モードであるにも
拘らず実際の制動圧は低下する。
【0045】また制御弁50FL、50FR、28が第二の
位置に切換えられ且つ開閉弁54FL、54FR、60RL、
60RR及び開閉弁56FL、56FR、62RL、62RRが図
示の位置にある状態にて切換弁42及び44が第二の位
置に切換えられると、ホイールシリンダ48FL、48F
R、64RL、64RRへアキュムレータ圧が供給されるこ
とにより各ホイールシリンダ内の圧力がレギュレータ圧
よりも高いアキュムレータ圧にて制御され、これにより
ブレーキペダル12の踏み込み量及び他の車輪の制動圧
に拘わりなくその車輪の制動圧がアキュームレータ圧に
よる増圧モードにて制御される。
【0046】更に制御弁50FL、50FR、28が第二の
位置に切換えられた状態にて開閉弁54FL、54FR、6
0RL、60RRが第二の位置に切換えられ、開閉弁56F
L、56FR、62RL、62RRが図示の状態に制御される
と、切換弁42及び44の位置に拘らず各ホイールシリ
ンダ内の圧力が保持され、制御弁50FL、50FR、28
が第二の位置に切換えられた状態にて開閉弁54FL、5
4FR、60RL、60RR及び開閉弁56FL、56FR、62
RL、62RRが第二の位置に切換えられると、切換弁42
及び44の位置に拘らず各ホイールシリンダ内の圧力が
減圧され、これによりブレーキペダル12の踏み込み量
及び他の車輪の制動圧に拘わりなくその車輪の制動圧が
減圧モードにて制御される。
【0047】切換弁42及び44、制御弁50FL、50
FR、28、開閉弁54FL、54FR、60RL、60RR及び
開閉弁56FL、56FR、62RL、62RR、は後に詳細に
説明する如く電気式制御装置70により制御される。電
気式制御装置70はマイクロコンピュータ72と駆動回
路74とよりなっており、マイクロコンピュータ72は
図1には詳細に示されていないが例えば中央処理ユニッ
ト(CPU)と、リードオンリメモリ(ROM)と、ラ
ンダムアクセスメモリ(RAM)と、入出力ポート装置
とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに
接続された一般的な構成のものであってよい。
【0048】マイクロコンピュータ72の入出力ポート
装置には車速センサ76より車速Vを示す信号、実質的
に車体の重心に設けられた横加速度センサ78より車体
の横加速度Gy を示す信号、ヨーレートセンサ80より
車体のヨーレートγを示す信号、操舵角センサ82より
操舵角θを示す信号、実質的に車体の重心に設けられた
前後加速度センサ84より車体の前後加速度Gx を示す
信号、車輪速センサ86FL〜86RRよりそれぞれ左右前
輪及び左右後輪の車輪速(周速)Vwi( i=fl、fr、r
l、rr)を示す信号が入力されるようになっている。尚
横加速度センサ78及びヨーレートセンサ80等は車輌
の左旋回方向を正として横加速度等を検出し、前後加速
度センサ84は車輌の加速方向を正として前後加速度を
検出するようになっている。
【0049】またマイクロコンピュータ72のROMは
後述の如く種々の制御フロー及びマップを記憶してお
り、CPUは上述の種々のセンサにより検出されたパラ
メータに基づき後述の如く種々の演算を行い、車輌の旋
回挙動を判定すると共に、車輌の旋回挙動を安定化させ
るための各車輪の目標制動力を演算し、その演算結果に
基づき各車輪の制動力を制御するようになっている。
【0050】尚図1には示されていないが、マイクロコ
ンピュータ72にはトラクションコントロール(TR
C)装置よりトラクションコントロールの制御指令信
号、エンジンのスロットル開度を検出するセンサよりス
ロットル開度φを示す信号、マスタシリンダ14内の圧
力を検出する圧力センサより制動油圧Pb を示す信号が
入力されるようになっており、電気式制御装置70はト
ラクションコントロール装置よりの指令信号に基づき必
要に応じて後輪の制動力を制御するようになっている。
【0051】次に図2に示されたゼネラルフローチャー
トを参照して車輌の挙動制御の概要について説明する。
尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示
されていないイグニッションスイッチの閉成により開始
され、所定の時間毎に繰返し実行される。
【0052】まずステップ50に於いては車速センサ7
6により検出された車速Vを示す信号等の読込みが行わ
れ、ステップ100に於いては横加速度Gy と車速V及
びヨーレートγの積V*γとの偏差Gy −V*γとして
横加速度の偏差、即ち車輌の横すべり加速度Vydが演算
され、この横加速度の偏差Vydが積分されることにより
車体の横すべり速度Vy が演算され、車体の前後速度V
x (=車速V)に対する車体の横すべり速度Vy の比V
y /Vx として車輌の重心に於ける車体のスリップ角β
が演算される。またgを重力加速度として例えば下記の
数1に従って車輪に対する路面の摩擦係数μが推定演算
される。尚車体のスリップ角β及び車輌の横すべり加速
度Vydは測定値であってもよい。
【数1】μ=(Gx2+Gy2)1/2 /g
【0053】ステップ150に於いては後述の如く図3
に示されたフローチャートに従って車輌のスピンの度合
を示すスピンバリューSV及び車輌のドリフトアウトの
度合を示すドリフトバリューDVが演算され、これらに
基づきそれぞれスピン制御量Cs 及びドリフト制御量C
d が演算され、これら制御量の和としてトータル制御量
Ct が演算される。
【0054】ステップ200に於いては図4に示された
フローチャートに従って目標ヨーモーメント制御量Mt
が演算され、ステップ250に於いては図5に示された
フローチャートに従って目標付加減速度 dGxtが演算さ
れ、ステップ300に於いては図6に示されたフローチ
ャートに従って制動力の前輪配分比Kf (0<Kf 1)
が演算される。
【0055】ステップ350に於いては図7に示された
フローチャートに従って目標ヨーモーメント制御量Mt
、目標付加減速度 dGxt及び制動力の前輪配分比Kf
に基づき各輪の目標スリップ率Rsti が演算され、ステ
ップ400に於いては図8に示されたフローチャートに
従って各輪の制動力を制御するための基準輪、即ち非制
御輪が選択される。
【0056】ステップ450に於いてはVb をステップ
400に於いて選択された基準輪の車輪速として下記の
数2に従って各輪の目標車輪速Vwti が演算される。
【数2】Vwti =Vb *(1−Rsti )
【0057】ステップ500に於いては各輪のデューテ
ィ比Driが下記の数3に従って演算される。尚下記の数
3に於いて、Kp 及びKd は車輪速フィードバック制御
に於ける比例項及び微分項の比例定数である。
【数3】Dri=Kp *(Vwi−Vwti )+Kd *d(V
wi−Vwti )/dt
【0058】ステップ550に於いては各輪の制御弁5
0FL〜50RRに対し制御信号が出力されることによって
その制御弁が第二の位置に切換え設定されると共に、同
じく各輪の開閉弁に対しデューティ比Driに対応する制
御信号が出力されることによりホイールシリンダ48FL
〜48RRに対するアキュームレータ圧の給排が制御さ
れ、これにより各輪の制動圧が制御される。
【0059】この場合デューティ比Driが負の基準値と
正の基準値との間の値であるときには上流側の開閉弁が
第二の位置に切換え設定され且つ下流側の開閉弁が第一
の位置に保持されることにより、対応するホイールシリ
ンダ内の圧力が保持され、デューティ比が正の基準値以
上のときには上流側及び下流側の開閉弁が図1に示され
た位置に制御されることにより、対応するホイールシリ
ンダへアキュームレータ圧が供給されることによって該
ホイールシリンダ内の圧力が増圧され、デューティ比が
負の基準値以下であるときには上流側及び下流側の開閉
弁が第二の位置に切換え設定されることにより、対応す
るホイールシリンダ内のブレーキオイルが低圧導管52
へ排出され、これにより該ホイールシリンダ内の圧力が
減圧される。
【0060】次に図3に示されたフローチャートを参照
してスピンバリューSV、ドリフトバリューDV、トー
タル制御量Ct の演算ルーチンについて説明する。
【0061】まずステップ152に於いてはMを車輌の
質量とし、図22に示されている如くHをホイールベー
スとし、Lf 及びLr をそれぞれ車輌の重心Pg と車輌
の前輪車軸100及び後輪車軸102との間の距離と
し、Cr を後輪のコーナリングパワーとして下記の数4
に従って線形理論に於いて車体のスリップ角が0になる
位置Po までの車輌の重心Pg からの前後方向の距離Z
p (車輌後方が正)が演算される。
【数4】Zp =Lr *{1−(21/2 M*Lf *V2
/(H*Lr *Cr )}
【0062】ステップ154に於いては下記の数5に従
って位置Po よりLp /2(Lp は正の定数)の範囲内
に於いて車体のスリップ角が最小値になる位置までの車
輌の重心Pg からの前後方向の距離αが演算される。
【数5】 α=Zp +Lp *H*(−V*β/γ−Zp )/Lp
【0063】尚距離αは、図21に示されたグラフ、即
ち−V*β/γを横軸としαを縦軸とする直交座標に於
いて、直線状の傾斜部が原点を通り傾きが1である直線
に沿って延在し、上限及び下限がそれぞれZp +Lp /
2、Zp −Lp /2であるグラフに対応するマップより
演算されてもよい。
【0064】ステップ156に於いては下記の数6に従
って車輌の重心Pg より距離αの位置に於ける車体のス
リップ角βs が演算される。
【数6】βs =β+α*γ/V
【0065】ステップ158に於いては上述のステップ
50に於いて演算された車体のスリップ角β、車輌の横
すべり加速度Vyd等に基づきKs を正の定数として下記
の数7に従ってスピンバリューSVが演算される。
【数7】SV=βs +Ks *γ/Vyd
【0066】尚それぞれ数6及び数7の演算に供される
車輌の重心に於ける車体のスリップ角β及び車輌の横す
べり加速度Vydは上述のステップ50に於いて演算され
た値であってよいが、これらは測定値であってもよい。
【0067】ステップ160に於いてはKh をスタビリ
ティファクタとして下記の数8に従って目標ヨーレート
γc が演算されると共に、Tを時定数としsをラプラス
演算子として下記の数9に従って基準ヨーレートγt が
演算される。
【数8】γc =V*θ/(1+Kh *V2 )*H
【数9】γt =γc /(1+T*s)
【0068】ステップ162に於いては下記の数10又
は数11に従ってドリフトバリューDVが演算される。
【数10】DV=H*(1+Kh *V2 )*(γt −
γ)/V−βs
【数11】DV=H*(γt −γ)/V
【0069】尚ドリフトバリューDVは前輪のスリップ
角βf に設定されてもよいが、基準ヨーレートγt は実
ヨーレートγよりできるだけ乖離しないよう数8及び数
9に従って演算されるので、ドリフトバリューが前輪の
スリップ角βf に設定される場合に比して不必要な制動
制御を低減することができる。
【0070】ステップ164に於いてはスピンバリュー
SVの絶対値に基づき図9に示されたグラフに対応する
マップよりスピン制御量Cs が演算され、同様にステッ
プ166に於いてはドリフトバリューDVの絶対値に基
づき図10に示されたグラフに対応するマップよりドリ
フト制御量Cd が演算され、ステップ168に於いては
スピン制御量Cs とドリフト制御量Cd との和としてト
ータル制御量Ct が演算される。
【0071】尚トータル制御量Ct は下記の数12に従
って演算されてもよく、また数13に従ってCs 及びC
d の大きい方の値に設定されてもよい。
【数12】Ct =Cs +Cd −Cs *Ct
【数13】Ct =Cs (Cs >Cd ) Ct =Cd (Cd >Cs )
【0072】次に図4に示されたフローチャートを参照
して目標ヨーモーメント制御量Mt演算ルーチンについ
て説明する。
【0073】まずステップ202に於いてはトラクショ
ンコントロール中であるか否かの判別が行われ、否定判
別が行われたときにはステップ204に於いて限界後輪
スリップ角の演算基準値βrlb が下記の数14に従って
演算され、肯定判別が行われたときにはステップ206
に於いて基準値βrlb が下記の数15に従って演算され
る。尚下記の数11及び数12に於いてa1 、a2 及び
b1 及びb2 はそれぞれ正の定数であり、a1 >a2 、
b1 >b2 である。
【0074】
【数14】βrlb =a1 *μ+b1
【数15】βrlb =a2 *μ+b2
【0075】尚タイヤの特性を考えると限界後輪スリッ
プ角の演算基準値βrlb は路面の摩擦係数μに比例する
が、路面の摩擦係数の推定精度に限界があること、及び
路面の摩擦係数が低い場合にも車輌の旋回時に若干多め
のスリップ角がついた方が車輌の乗員に安心感が与えら
れる等の理由から、上記数14及び数15に於いてb1
及びb2 が正の定数として設定される。
【0076】ステップ208に於いては周知の要領にて
制動油圧Pb 、エンジンの吸入空気量等に基づき後輪の
制駆動トルクTr が推定演算されると共に、図11に示
されたグラフに対応するマップより係数Kt が演算さ
れ、ステップ210に於いては下記の数16に従って限
界後輪スリップ角βrlが演算される。尚図11のグラフ
に於いてTrul は路面の摩擦係数及び後輪の接地荷重に
比例する後輪の制駆動トルクの上限値である。
【数16】βrl=Kt *βrlb
【0077】ステップ212に於いてはNsgをステアリ
ングギア比として前輪のスリップ角βf が下記の数17
に従って演算され、また前輪の実舵角速度δfdが前輪の
実舵角δf (=θ/Nsg)の微分値として演算され、更
にはTs を位相進みの時定数として下記の数18に従っ
て後輪の目標スリップ角βrtを演算するための基準値β
fsが演算される。尚基準値βfsは下記の数19に従って
演算されてもよい。
【0078】
【数17】βf =β+La *γ/V −θ/Nsg
【数18】βfs=βf +Ts *δfd
【数19】βfs=DV+Ts *δfd
【0079】ステップ214に於いてはCf を前輪のコ
ーナリングパワーとし、Cを(Cf*Lf )/(Cr *
Lr )として下記の数20に従って後輪の目標スリップ
角βrtが演算される。即ち線形領域に於いては前後輪の
スリップ角は上記Cの比になっているので、後輪の目標
スリップ角βrtはCを目標値として限界後輪スリップ角
βrlを越えないよう演算される。
【数20】βrt=βrl*tanh(βfs*C)
【0080】尚後輪の目標スリップ角βrtは、図12に
示されたグラフ、即ち後輪の目標スリップ角βrtを演算
するための基準値βfsを横軸とし後輪の目標スリップ角
βrtを縦軸とする直交座標に於いて、直線状の傾斜部が
原点を通り傾きがC(ほぼ1である)の直線に沿って延
在し、上限及び下限がそれぞれβrl、−βrlであるグラ
フに対応するマップより演算されてもよい。
【0081】ステップ216に於いては下記の数21に
従って後輪のスリップ角βr が演算され、またその微分
値βrdが演算されると共に、Kを正の定数としてBをβ
r +K*βrdとすると、Bの大きさに応じて下記の数2
2に従って目標ヨーモーメントMt の第一の成分M1 、
即ち後輪のスリップ角βrlと後輪の目標スリップ角βrt
との偏差に基づく成分が演算される。尚数22及び後述
の数23に於いてM0は正の定数である。
【0082】
【数21】βr =β+Lr *γ/V
【数22】|B|>βrlのとき M1 =M0 *(βr +K*βrd) βrt<B<βrlのとき M1 ={βrl*M0 /(βrl−βrt)}(βr −βrt+
K*βrd) −βrl<B<βrtのとき M1 ={βrl*M0 /(βrl+βrt)}(βr −βrt+
K*βrd)
【0083】尚目標ヨーモーメントMt の第一の成分M
1 はβr +K*βrdを横軸とし第一の成分M1 を縦軸と
する図13に示されたグラフに対応するマップより演算
されてもよい。
【0084】ステップ218に於いては下記の数23に
従って目標ヨーモーメントMt の第二の成分M2 、即ち
基準ヨーレートγt と実ヨーレートγとの偏差に基づく
成分が演算される。
【数23】M2 =M0 *H*(γt −γ)/V
【0085】ステップ220に於いてはスピンバリュー
SVの絶対値に基づき図14に示されたグラフに対応す
るマップより第二の成分M2 の重みWy が演算され、ス
テップ222に於いては下記の数24に従って第一の成
分M1 及び第二の成分M2 の線形和として目標ヨーモー
メントMt が演算される。
【数24】 Mt =μ*Ct *{(1−Wy )*M1 +Wy *M2 }
【0086】次に図5に示されたフローチャートを参照
して目標付加減速度 dGxt演算ルーチンについて説明す
る。
【0087】まずステップ252に於いてはスロットル
開度φ又は制動油圧Pb に基づき図15に示されたグラ
フに対応するマップより運転者の目標減速度Gxtが演算
される。尚図15に於いてPboはハイドロブースタ16
のアシスト限界油圧であり、制動油圧がPboを越えると
きにはハイドロブースタのアシスト切れ分が補正され
る。
【0088】ステップ254に於いては運転者の目標減
速度Gxt及び路面の摩擦係数μに基づき図16に示され
たグラフに対応するマップより付加減速度の基準値 dG
xt0が演算され、ステップ256に於いては下記の数2
5に従って目標付加減速度 dGxtが演算される。
【数25】dGxt=μ*Ct * dGxt0
【0089】次に図6に示されたフローチャートを参照
して制動力の前輪配分比Kf 演算ルーチンについて説明
する。
【0090】まずステップ302に於いては挙動制御中
であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたとき
にはステップ304に於いて運転者の目標減速度Gxtが
正であるか否かの判別、即ち運転者が制動を希望してい
ないか否かの判別が行われ、肯定判別か行われたときに
はステップ306に於いて1サイクル前に演算された目
標ヨーモーメントMt が内向き(旋回補助方向)である
か否かの判別、即ち目標ヨーモーメントMt の符号が横
加速度Gy の方向と同一であるか否かの判別が行われ、
肯定判別が行われたときにはステップ308へ進む。尚
ステップ302〜306に於いて否定判別が行われたと
きにはステップ318へ進む。
【0091】ステップ308に於いては外輪フラグFou
t が1であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われ
たときにはステップ310に於いて係数Kflagが1にセ
ットされ、否定判別が行われたときにはステップ312
に於いて係数Kflagが0にリセットされる。尚フラグF
out は打ち抜きのヨーモーメントを発生させるべく旋回
内輪を制動させたい状況であるが、旋回内輪の支持荷重
が小さく十分な制動力を発生させることができないた
め、やむを得ず旋回外輪に制動力を与える状況であるか
否かに関するものである。ステップ314に於いては下
記の数26に従って横加速度判定値Gyde が演算され
る。
【数26】Gyde =|Gy |+Ghis *Kflag
【0092】ステップ316に於いては横加速度判定値
Gyde が基準値Gyo(正の定数)を越えているか否かの
判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ3
18に於いて外輪フラグFout が0にリセットされ、ス
テップ320に於いて後輪配分比Kr が図17に示され
たグラフに対応するマップより演算され、肯定判別が行
われたときにはステップ322に於いて外輪フラグFou
t が1にセットされ、ステップ324に於いて後輪配分
比Kr が図18に示されたグラフに対応するマップより
演算される。ステップ326に於いては前輪配分比Kf
が下記の数27に従って演算される。尚図17及び図1
8に於いて、Kr1〜Kr7はKr1=1<Kr2<Kr3<Kr4
<Kr5<Kr6<Kr7=1を満たす定数である。
【数27】Kf =1−Kr
【0093】次に図7に示されたフローチャートを参照
して各輪の目標スリップ率Rsti 演算ルーチンについて
説明する。
【0094】まずステップ352に於いては外輪フラグ
Fout が1であるか否かの判別が行われ、否定判別が行
われたときにはそのままステップ356へ進み、肯定判
別が行われたときには制動力の前後配分によりヨーモー
メントを制御すべくステップ354に於いて目標ヨーモ
ーメントMt が0に設定された後ステップ356へ進
む。
【0095】ステップ356に於いてはaを正の定数と
し、 dGxtf を9.8*M* dGxtとし、Gwy及びGwx
をそれぞれ正の定数とし、Tを車輌のトレッドとして下
記の数28に従って各輪の目標制動力Fxti が演算され
る。
【数28】 Fxtfl={Mt /(T*cos δf −a*sin δf )+ dGxtf } *Kf *(1−Gy /Gwy−Gx /Gwx) Fxtfr={−Mt /(T*cos δf +a*sin δf )+ dGxtf } *Kf *(1+Gy /Gwy−Gx /Gwx) Fxtrl={Mt /T+ dGxtf } *(1−Kf )*(1−Gy /Gwy+Gx /Gwx) Fxtrr={−Mt /T+ dGxtf } *(1−Kf )*(1+Gy /Gwy+Gx /Gwx)
【0096】ステップ358に於いては駆動輪(左右後
輪)の目標制動力Fxtrl及びFxtrrがあるか否かの判別
が行われ、否定判別が行われたときにはステップ364
へ進み、肯定判別が行われたときにはトラクションコン
トロール装置より駆動輪の目標駆動力Fxdtrl 及びFxd
trr の読込みが行われ、ステップ362に於いて駆動輪
の目標駆動力が下記の数29に従って補正される。
【数29】Fxtrl=Fxtrl+Fxdtrl Fxtrr=Fxtrr+Fxdtrr
【0097】ステップ364に於いては外輪フラグFou
t が1であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われ
たときにはそのままステップ370へ進み、肯定判別が
行われたときにはステップ366に於いてGo を正の定
数として下記の数30に従って旋回外側前輪の制動力の
上限値Fxlimが演算され、ステップ368に於いて旋回
外側前輪の制動力Fxiの大きさが上限値Fxlimに制限さ
れる。尚旋回外側前輪の制動力が高くなりすぎると横力
の低下を招き旋回補助方向のヨーモーメントを発生させ
ることができないので、上限値Fxlimはこれを防止する
ための上限値である。
【数30】Fxlim=Go *μ*9.8*(1+|Gy |
/Gwy−Gx /Gwx)
【0098】ステップ370に於いては各輪の目標制動
力Fxti 及び制動力よりスリップ率への換算定数をKfs
として下記の数31に従って各輪の目標スリップ率Rst
i (i=fl、fr、rl、rr)が演算される。
【数31】Rsti =Fxtr *Kfs
【0099】次に図8に示されたフローチャートを参照
して基準輪選択ルーチンについて説明する。
【0100】まずステップ402に於いては外輪フラグ
Fout が1であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行
われたときにはステップ416へ進み、否定判別が行わ
れたときにはステップ404へ進む。ステップ404に
於いては目標付加減速度 dGxtが負であるか否かの判
別、即ち制動油圧の減圧制御時であるか否かの判別が行
われ、否定判別が行われたときにはステップ406へ進
み、肯定判別が行われたときにはステップ412へ進
む。
【0101】ステップ406に於いては車輌の横加速度
Gy と目標ヨーモーメントMt との積Gy *Mt が正で
あるか否かの判別、即ち目標ヨーモーメントが旋回補助
方向のヨーモーメントであるか否かの判別が行われ、否
定判別が行われたときにはステップ408へ進み、肯定
判別が行われたときにはステップ410ヘ進む。ステッ
プ412に於いてもステップ406と同様の判別が行わ
れ、否定判別が行われたときにはステップ414へ進
み、肯定判別が行われたときにはステップ416へ進
む。
【0102】ステップ408及び416に於いては旋回
内側前輪の目標スリップ率Rfti が0に設定されること
により旋回内側前輪が基準輪に選択され、ステップ41
0及び414に於いては旋回外側前輪の目標スリップ率
Rsti が0に設定されることにより基準輪が旋回外側前
輪に設定される。尚旋回内側又は外側の判別は例えば車
輌のヨーレートγ又は横加速度Gy の符号により行われ
てよい。
【0103】かくして図示の実施形態に於いては、ステ
ップ100に於いて車体のスリップ角β及び車輪に対す
る路面の摩擦係数μが推定演算され、ステップ150に
於いて車輌のスピンの度合を示すスピンバリューSV及
び車輌のドリフトアウトの度合を示すドリフトバリュー
DVが演算され、これらに基づきそれぞれスピン制御量
Cs 及びドリフト制御量Cd が演算され、車輌の旋回挙
動の不安定度合を示すトータル制御量Ct が二つの制御
量の和Cs 及びCd として演算される。
【0104】またステップ200に於いて目標ヨーモー
メント制御量Mt が演算され、ステップ250に於いて
目標付加減速度 dGxtが演算され、ステップ300に於
いて制動力の前輪配分比Kf が演算され、ステップ35
0に於いて目標ヨーモーメント制御量Mt 、目標付加減
速度 dGxt及び前輪配分比Kf に基づき各輪の目標スリ
ップ率Rsti が演算され、ステップ400に於いて各輪
の制動力を制御するための基準輪が選択され、ステップ
450に於いて各輪の目標車輪速Vwti が演算され、ス
テップ500に於いてはデューティ比Driが演算され、
ステップ550に於いて各輪の制御弁50FL〜50RR及
び開閉弁に対し制御信号が出力されることによりデュー
ティ比Driに応じて各輪の制動圧が制御される。
【0105】特に図6に示されたフローチャートの前輪
配分比Kf 演算ルーチンのステップ314に於いて車輌
の横加速度Gy の大きさに基づく横加速度判定値Gyde
が演算され、横加速度判定値が小さいときには、換言す
れば旋回内輪が十分な制動力を発生し得るときには、ス
テップ318に於いて外輪フラグFout が0にリセット
されると共にステップ320に於いて後輪配分比Kr が
図17に示されたグラフに対応するマップより演算され
る。即ちドリフトバリューDVの絶対値が大きいときに
は前輪の負担が大きく、スピンバリューSVの絶対値が
大きいときには後輪の負担が大きいので、負担の小さい
方の車輪の制動力配分が高くなるよう、前後輪の負担の
大きさに応じて制動力の前後配分が決定される。また後
輪が限界近傍にあるときには後輪の横力を確保すべく前
輪の制動力配分が高くなるよう設定される。
【0106】また横加速度判定値が大きいときにはステ
ップ316に於いて肯定判別が行われ、これによりステ
ップ322に於いて外輪フラグFout が1にセットさ
れ、ステップ324に於いて後輪配分比Kr が図18に
示されたグラフに対応するマップより演算される。即ち
横加速度判定値Gyde が大きいときには旋回補助方向の
ヨーモーメントが発生するよう旋回内輪を制動したくて
も旋回内輪の支持荷重が小さく十分な制動力を発生させ
ることができないため、やむを得ず旋回外輪を制動せざ
るを得ない。従って後輪の制動力配分が増大されるとオ
ーバステア傾向になる性質を利用し、目標ヨーモーメン
トMt の大きさが大きいほどオーバステア傾向になるよ
う後輪の制動力配分が増大され、また後輪が限界近傍に
あるときには前輪の制動力配分が高く設定される。
【0107】従って旋回外輪の支持荷重が十分な値であ
るときには旋回内輪の制動力の前後配分が最適化される
ことにより車輌の挙動が安定化され、また旋回内輪の支
持荷重が不十分であるときには旋回外輪の制動力が制御
されると共にその前後配分比がスピンバリューSVの大
きさ及び目標ヨーモーメントMt の大きさに応じて最適
化され、これにより車輌の挙動が安定化される。
【0108】特に図示の実施形態に於いては、横加速度
判定値Gyde は数26に従ってヒステリシスの項を含む
値として演算されるので、車輌の横加速度の大小判定が
頻繁に切換わることに起因して旋回内輪を制動する状態
と旋回外輪を制動する状態とが頻繁に切換わることを防
止し、これにより車輌の旋回挙動の制御を安定的に実施
することができる。
【0109】また図示の実施形態によれば、旋回内輪の
支持荷重が制動力を発生させるに十分な値であるときに
は、図8に示された基準輪選択ルーチンのステップ40
2に於いて否定判別が行われ、ステップ404に於いて
運転者の制動操作が制動圧を低減する操作であるか否か
の判別が行われる。運転者の制動操作が制動圧低減操作
であるときには、ステップ406に於いて目標ヨーモー
メントMt が旋回補助方向であるか否かの判別が行わ
れ、目標ヨーモーメントが旋回補助方向であるときには
ステップ410に於いて旋回外側前輪が基準輪に設定さ
れ、目標ヨーモーメントが旋回補助方向とは逆方向であ
るときにはステップ408に於いて旋回内側前輪が基準
輪に設定され、その状態にて基準輪以外の車輪の制動力
が増大されることにより運転者の希望する減速及び所要
のヨーモーメントが確保される。
【0110】逆に運転者の制動操作が制動圧低減操作で
あるときには、ステップ412に於いて目標ヨーモーメ
ントMt が旋回補助方向であるか否かの判別が行われ、
目標ヨーモーメントが旋回補助方向であるときにはステ
ップ416に於いて旋回内側前輪が基準輪に設定され、
目標ヨーモーメントが旋回補助方向とは逆方向であると
きにはステップ414に於いて旋回外側前輪が基準輪に
設定され、その状態にて基準輪以外の車輪の制動力が低
減されることにより運転者の希望する制動圧の低減及び
所要のヨーモーメントが確保される。
【0111】更に旋回内輪の支持荷重が十分な制動力を
発生させるに足る値でないときには、外輪フラグFout
が1であるのでステップ402に於いて肯定判別が行わ
れ、ステップ416に於いて旋回内側前輪が基準輪に設
定され、これにより旋回外輪の制動力の前後輪配分比が
制御されることにより所要のヨーモーメントが確保され
る。
【0112】また駆動輪は基準輪に設定されないので、
トラクションコントロール装置により駆動スリップの制
御が行われている状況にて挙動制御により駆動輪に制動
力が与えられると、図19に示されている如く旋回挙動
制御が開始された直後に駆動輪の目標スリップ率が正の
値になって駆動輪の車輪速が急激に低下し、運転者の加
速したいという意思に拘らず車速が急激に低下してしま
う。
【0113】これに対し図示の実施形態によれば、図7
に示された目標スリップ率演算ルーチンのステップ35
8に於いて駆動輪の目標制動力がある旨の判別が行われ
ると、ステップ360に於いて駆動輪の目標駆動力Fxd
trl 及びFxdtrr の読込みが行われ、ステップ362に
於いて駆動輪の目標制動力がステップ356に於いて演
算された目標制動力と目標駆動力との和に補正されるの
で、図20に示されている如く旋回挙動制御の開始時に
於ける駆動輪の目標スリップ率が負の値に低減され、こ
れにより駆動輪の車輪速が急激に低下することが確実に
防止される。
【0114】また図示の実施形態によれば、ステップ2
02〜212に於いて運転者の希望する旋回度合を示す
基準値βfsが演算され、ステップ214に於いて基準値
βfsに基づき後輪の目標スリップ角βrtが演算され、ス
テップ216に於いて後輪の目標ヨーモーメントMt の
第一の成分M1が後輪のスリップ角βr 及び後輪のスリ
ップ角速度βrdに基づき後輪のスリップ角βr を目標ス
リップ角βrtとするためのヨーモーメントのPD制御量
として演算されるので、後輪のスリップ角を運転者の希
望する旋回度合により定まる目標スリップ角とするヨー
モーメントが車輌に与えられるよう各輪の制動力を制御
することができ、これによりスピン又はドリフトアウト
が単独で発生する状況は勿論のこと、これらが同時に発
生する状況に於いても車輌の旋回挙動を適切に制御する
ことができる。
【0115】またこの場合ステップ218に於いて目標
ヨーモーメントMt の第二の成分M2 がヨーレート偏差
に基づいて演算され、ステップ222に於いて目標ヨー
モーメントMt が第一の成分M1 と第二の成分M2 との
線形和として演算されるが、第二の成分の重みWy はス
ピンバリューSVの絶対値が高い領域に於いては該絶対
値の増大につれて漸次小さくなるよう演算されるので、
スピンの程度が低いとときには第二の成分M2 の比重を
高くして目標ヨーモーメントMt を演算し、これにより
ドリフトアウトを良好に低減することができ、逆にスピ
ンの程度が高いときには第一の成分M1 の比重を高くし
て目標ヨーモーメントを演算し、これによりスピンを確
実に低減することができる。
【0116】またステップ202〜210に於いて限界
後輪スリップ角βrlはトラクションコントロール中であ
り後輪に制動力が与えられているときには小さく演算さ
れ、また限界後輪スリップ角βrlは後輪の制駆動トルク
Tr が高いほど小さく演算され、後輪の目標スリップ角
βrtは限界後輪スリップ角βrlを上限値として演算され
るので、トラクションコントロール中である場合や後輪
の制駆動トルクが高い状況に於いて後輪の目標スリップ
角βrtが過剰な値に演算されることを防止し、これによ
り目標ヨーモーメントMt を適正に演算することができ
る。
【0117】また図示の実施形態によれば、ステップ2
14に於いて演算される後輪の目標スリップ角βrtの演
算の基準値βfsはステップ212に於いて数18又は数
19に従って演算されることにより、前輪の実舵角速度
δfdが高いほど基準値βfsの位相進みが大きくなるよう
演算され、これにより目標スリップ角βrtの位相進みが
大きくなるよう演算され、従って運転者により比較的速
い操舵操作が行われる場合にも応答遅れなく車輌に所要
のヨーモーメントが与えられるよう各輪の制動力を制御
することができる。
【0118】また目標ヨーモーメントMt はステップ2
22に於いて路面の摩擦係数μを第一の成分M1 及びM
2 の線形和に対する係数として演算されるので、路面の
摩擦係数が低いほど小さい値に演算され、このことによ
っても路面の摩擦係数に応じて目標ヨーモーメントを適
切に演算することができる。
【0119】また図示の実施形態によれば、ステップ1
52〜168に於いて車輌の旋回挙動の不安定度合を示
すトータル制御量Ct が演算され、ステップ222に於
いてトータル制御量が高いほど目標ヨーモーメントMt
が大きくなるよう演算されるので、車輌の旋回挙動の不
安定度合が高いほど車輌に大きいヨーモーメントを与え
ることができ、これにより旋回挙動の不安定度合が高い
場合にも旋回挙動を確実に安定化させることができる。
【0120】また図示の実施形態によればステップ15
2に於いて線形理論に於いて車体のスリップ角が0にな
る位置Po までの車輌の重心Pg からの前後方向の距離
Zpが演算され、ステップ154に於いて位置Po より
それぞれ車輌前後方向にLp/2の範囲内に於いて車体
のスリップ角が最小値になる位置までの車輌の重心Pg
からの前後方向の距離αが演算され、このαに基づいて
ステップ156により車体のスリップ角βs が演算され
るので、車体のスリップ角が車輌の重心に於けるスリッ
プ角として演算される場合に比して、スピンバリューS
Vを正確に演算し、これにより車輌の不安定度合を示す
トータル制御量Ct を正確に演算することができる。
【0121】以上に於ては本発明を特定の実施形態につ
いて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実
施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろ
う。
【0122】例えば図示の実施形態に於いてはステップ
216に於いて目標ヨーモーメントMt の第一の成分M
1 は後輪のスリップ角βr 及びその微分値βrdに基づき
演算されるようになっているが、微分値βrdの代わりに
車体のスリップ角の微分値βsdが使用されてもよい。
【0123】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の請求項1の構成によれば、スピン状態量及びドリフ
トアウト状態量の両者がそれぞれ所定値以上のときには
スピン状態量及びドリフトアウト状態量に基づき制動力
の前後輪配分比が演算され、前後輪配分比に基づき目標
制動力が補正され、補正された目標制動力に基づき各輪
の制動力が制御されるので、スピン又はドリフトアウト
が単独で発生する状況は勿論のこと、これらが同時に発
生する状況に於いても車輌の旋回挙動を適切に制御する
ことができる。
【0124】また請求項2の構成によれば、旋回内輪の
支持荷重が小さく且つ車輌に旋回補助方向のヨーモーメ
ントを与えるべきときには、旋回外側前後輪の制動力が
制御されることにより所要のヨーモーメントが車輌に与
えられるので、旋回内輪の支持荷重が小さくても車輌の
旋回挙動を確実に安定化させることができる。
【0125】また請求項3の構成によれば、運転者の希
望する減速度合Gxtが高いほど小さくなるよう目標付加
減速度 dGxtが演算され、制動手段は目標ヨーモーメン
トMt と目標付加減速度 dGxtとの線形和に応じて制御
されるので、運転者の希望する減速を達成しつつ、運転
者の希望する減速度合が高い場合に各輪の制動力が過剰
になって車輪の横力が低下することに起因する挙動の悪
化を確実に防止することができ、また目標付加減速度 d
Gxtが負であり且つ車輌に旋回補助方向のヨーモーメン
トを与えるべきときには、換言すれば車輌に旋回補助方
向のヨーモーメントが与えられるべき状況に於いて制動
圧が運転者により減圧されるときには、目標制動力は旋
回内輪を基準輪として演算され、これにより各輪の制動
力が低減されると共に旋回外輪の制動力が旋回内輪の制
動力よりも小さくされるので、運転者の希望する減速を
達成しつつ旋回挙動を安定化させることができる。
【0126】また請求項4の構成によれば、運転者によ
り駆動輪の駆動力が操作されているときには目標駆動力
と目標制動力との線形和に基づき駆動輪の制動力が制御
されるので、旋回挙動制御が開始時しても駆動輪の車輪
速が急に低下して加速不能になることがなく、これによ
り運転者が加速できないことに対し不満感を覚えること
を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による挙動制御装置の一つの実施形態の
油圧回路及び電気式制御装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明による挙動制御装置の一つの実施形態に
より達成される挙動制御の概要を示すゼネラルフローチ
ャートである。
【図3】図示の実施形態に於けるスピンバリューSV及
びドリフトバリューDVの演算ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図4】図示の実施形態に於ける目標ヨーモーメントM
t の演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】図示の実施形態に於ける目標付加減速度 dGxt
の演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】図示の実施形態に於ける制動力の前輪配分比K
f の演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図示の実施形態に於ける各輪の目標スリップ率
Rsti の演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】図示の実施形態に於ける基準輪選択ルーチンを
示すフローチャートである。
【図9】スピンバリューSVの絶対値とスピン制御量C
s との間の関係を示すグラフである。
【図10】ドリフトバリューDVの絶対値とドリフト制
御量Cd との間の関係を示すグラフである。
【図11】後輪の制駆動トルクTr と係数Kt との間の
関係を示すグラフである。
【図12】後輪の目標スリップ角を演算するための基準
値βfsと後輪の目標スリップ角βrtとの間の関係を示す
グラフである。
【図13】βr +K*βrdと目標ヨーモーメントの第一
の成分M1 との間の関係を示すグラフである。
【図14】スピンバリューSVの絶対値と第二の成分M
2 の重みWy との間の関係を示すグラフである。
【図15】スロットル開度φ及び制動油圧Pb と運転者
の目標減速度Gxtとの間の関係を示すグラフである。
【図16】Gxt/μと付加減速度の基準値 dGxt0 との
間の関係を示すグラフである。
【図17】スピンバリューSVの絶対値及びドリフトバ
リューDVの絶対値と制動力の後輪配分比Kr との間の
関係を示すグラフである。
【図18】スピンバリューSVの絶対値及び目標ヨーモ
ーメントMt の絶対値と制動力の後輪配分比Kr との間
の関係を示すグラフである。
【数19】駆動輪の目標駆動力による目標制動力の補正
が行われない場合に於ける駆動輪の車輪速及び目標スリ
ップ率の変化を示すグラフである。
【図20】駆動輪の目標駆動力による目標制動力の補正
が行われる場合に於ける駆動輪の車輪速及び目標スリッ
プ率の変化をグラフである。
【図21】−V*β/γと距離αとの間の関係を示すグ
ラフである。
【図22】線形理論に於いて車体のスリップ角が0にな
る位置までの車輌の中心からの前後方向の距離Zp を示
す説明図である。
【符号の説明】
10…制動装置 14…マスタシリンダ 16…ハイドロブースタ 20、22、32、34…ブレーキ油圧制御装置 28、50FL、50FR…制御弁 42、44…切換弁 44FL、44FR、64RL、64RR…ホイールシリンダ 54FL、54FR、60RL、60RR…開閉弁 56FL、56FR、62RL、62RR…開閉弁 70…電気式制御装置 76…車速センサ 78…横加速度センサ 80…ヨーレートセンサ 82…操舵角センサ 84…前後加速度センサ 86FL〜86RR…車輪速センサ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年3月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による挙動制御装置の一つの実施形態の
油圧回路及び電気式制御装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明による挙動制御装置の一つの実施形態に
より達成される挙動制御の概要を示すゼネラルフローチ
ャートである。
【図3】図示の実施形態に於けるスピンバリューSV及
びドリフトバリューDVの演算ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図4】図示の実施形態に於ける目標ヨーモーメントM
tの演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図5】図示の実施形態に於ける目標付加減速度dGx
tの演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】図示の実施形態に於ける制動力の前輪配分比K
fの演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図示の実施形態に於ける各輪の目標スリップ率
Rstiの演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】図示の実施形態に於ける基準輪選択ルーチンを
示すフローチャートである。
【図9】スピンバリューSVの絶対値とスピン制御量C
sとの間の関係を示すグラフである。
【図10】ドリフトバリューDVの絶対値とドリフト制
御量Cdとの間の関係を示すグラフである。
【図11】後輪の制駆動トルクTrと係数Ktとの間の
関係を示すグラフである。
【図12】後輪の目標スリップ角を演算するための基準
値βfsと後輪の目標スリップ角βrtとの間の関係を
示すグラフである。
【図13】βr+K*βrdと目標ヨーモーメントの第
一の成分M1との間の関係を示すグラフである。
【図14】スピンバリューSVの絶対値と第二の成分M
2の重みWyとの間の関係を示すグラフである。
【図15】スロットル開度φ及び制動油圧Pbと運転者
の目標減速度Gxtとの間の関係を示すグラフである。
【図16】Gxt/μと付加減速度の基準値dGxt0
との間の関係を示すグラフである。
【図17】スピンバリューSVの絶対値及びドリフトバ
リューDVの絶対値と制動力の後輪配分比Krとの間の
関係を示すグラフである。
【図18】スピンバリューSVの絶対値及び目標ヨーモ
ーメントMtの絶対値と制動力の後輪配分比Krとの間
の関係を示すグラフである。
【図19】駆動輪の目標駆動力による目標制動力の補正
が行われない場合に於ける駆動輪の車輪速及び目標スリ
ップ率の変化を示すグラフである。
【図20】駆動輪の目標駆動力による目標制動力の補正
が行われる場合に於ける駆動輪の車輪速及び目標スリッ
プ率の変化をグラフである。
【図21】−V*β/γと距離αとの間の関係を示すグ
ラフである。
【図22】線形理論に於いて車体のスリップ角が0にな
る位置までの車輌の中心からの前後方向の距離Zpを示
す説明図である。
【符号の説明】 10…制動装置 14…マスタシリンダ 16…ハイドロブースタ 20、22、32、34…ブレーキ油圧制御装置 28、50FL、50FR…制御弁 42、44…切換弁 44FL、44FR、64RL、64RR…ホイールシ
リンダ 54FL、54FR、60RL、60RR…開閉弁 56FL、56FR、62RL、62RR…開閉弁 70…電気式制御装置 76…車速センサ 78…横加速度センサ 80…ヨーレートセンサ 82…操舵角センサ 84…前後加速度センサ 86FL〜86RR…車輪速センサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輌の旋回挙動を安定化させるための目標
    制御量を演算する手段と、前記目標制御量に基づき各輪
    の目標制動力を演算する手段と、前記目標制動力に基づ
    き各輪の制動力を制御する制動力制御手段とを有する車
    輌の挙動制御装置に於いて、車輌のスピン状態量を検出
    する手段と、車輌のドリフトアウト状態量を検出する手
    段と、前記スピン状態量及び前記ドリフトアウト状態量
    の両者がそれぞれ所定値以上のときには前記スピン状態
    量及び前記ドリフトアウト状態量に基づき制動力の前後
    輪配分比を演算する手段と、前記前後輪配分比に基づき
    前記目標制動力を補正する手段とを有していることを特
    徴とする車輌の挙動制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1の車輌の挙動制御装置に於いて、
    旋回内輪の支持荷重を検出する手段を有し、前記旋回内
    輪の支持荷重が小さく且つ前記車輌に旋回補助方向のヨ
    ーモーメントを与えるべきときには、旋回外側前後輪の
    制動力を制御することを特徴とする車輌の挙動制御装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1の車輌の挙動制御装置に於いて、
    運転者の希望する減速度合Gxtを求める手段と、前記減
    速度合Gxtが高いほど小さくなるよう目標付加減速度 d
    Gxtを演算する手段とを有し、前記目標制動力は前記車
    輌の旋回挙動を安定化させるための目標ヨーモーメント
    Mt と前記目標付加減速度 dGxtとの線形和として演算
    され、前記目標付加減速度 dGxtが負であり且つ前記車
    輌に旋回補助方向のヨーモーメントを与えるべきときに
    は前記目標制動力が旋回内輪を基準輪として演算される
    よう旋回内輪の前記目標制動力が0に設定されることを
    特徴とする車輌の挙動制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1の車輌の挙動制御装置に於いて、
    前記車輌は少なくとも運転者の駆動力操作に基づき駆動
    輪の目標駆動力を演算する手段を備え、前記制動力制御
    手段は前記目標駆動力と前記目標制動力との線形和に基
    づき前記駆動輪の制動力を制御することを特徴とする車
    輌の挙動制御装置。
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