JPH09192871A - 表面被覆材のレーザ加工方法および同加工方法に使用するレーザ加工ヘッド - Google Patents

表面被覆材のレーザ加工方法および同加工方法に使用するレーザ加工ヘッド

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JPH09192871A
JPH09192871A JP8006764A JP676496A JPH09192871A JP H09192871 A JPH09192871 A JP H09192871A JP 8006764 A JP8006764 A JP 8006764A JP 676496 A JP676496 A JP 676496A JP H09192871 A JPH09192871 A JP H09192871A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピアシングまたはレーザ切断加工時に加工部
周囲の被覆材が金属部から剥離しない表面被覆材のレー
ザ加工方法と同加工方法に使用するレーザ加工ヘッドの
提供。 【解決手段】 レーザ加工ヘッド1の先端に固定ノズル
5を設け、該固定ノズルにアシストガスAGの圧力によ
り付勢された遊動ノズル17を進退可能に設け、該遊動
ノズルにレーザビームLBとアシストガスとが通過可能
な噴射口21を設けると共に該噴射口を連通横断する少
なくとも一つの排出口25を設け、前記アシストガス、
金属蒸気およびスパッターを前記排出口から排出可能に
設けたレーザ加工ヘッドにおいて、前記遊動ノズルの先
端を表面被覆材29に接触状態に保持させると共に、該
遊動ノズルの排出口を前記固定ノズルから突出した位置
まで進出させて大気中に開放させてピアシングすること
を特徴とする表面被覆材のレーザ加工方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ加工ヘッドお
よび同ヘッドを用いた表面被覆材の切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウムの板材やステンレス鋼板の
表面を擦傷から保護するために表面をビニールなどのプ
ラスチックスの薄膜で被覆した表面被覆材を従来のレー
ザ加工方法とレーザ加工ヘッドによってレーザ切断する
と、切断時に使用するアシストガスによって図3および
図4に示すように切断部周囲の被覆が剥離する現象があ
る。
【0003】図3は従来の表面被覆材Wのピアシング
(穿孔加工)時のピアシング完了直前の状態を示したも
のである。ピアシング時には表面被覆材Wの表面にレー
ザ加工ヘッド100の先端に設けたノズル101からレ
ーザビームLBが集光レンズ(図示省略)により集光さ
れると共にアシストガスAGが噴射される。このとき表
面被覆材Wのピアシングが完了するまでの間にアシスト
ガスAGが被覆材103と被覆された金属部との間に侵
入し、ピアシング部の周囲の被覆材103を金属部から
剥離させ剥離部105が形成される。また、図4はレー
ザ切断の進行中に前記ピアシングと同様に切断部の周囲
に剥離部105が形成される状態を示したものである。
【0004】そこで、この表面被覆材の剥離現象を防止
するために次のような加工方法が用いられている。第一
の方法は、集光レンズの焦点を切断する表面被覆材の上
方に合わせる(デフォーカシング)と共にアシストガス
の圧力を通常より弱くしてレーザ加工ヘッドを予定切断
経路上を移動させ、予定切断経路上の被覆材を軟化また
は溶融させて被覆される金属材に接着された状態にさせ
た後、切断条件を通常の切断条件またはピアシング条件
に変更して再度同じ切断経路上を移動させて切断加工ま
たはピアシングを実施する方法である。第二の方法は、
ノズルを表面被覆材に接触させた状態にしてアシストガ
スが表面被覆材面に沿って流出しないようにして切断加
工またはピアシングを実施する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来のレーザ加
工ヘッドと加工方法とによって表面被覆材にピアシング
または切断加工を行うと、ピアシング部の周囲または切
断加工部の周囲に被覆材103の剥離部105が形成さ
れる。この剥離した被覆材103は熱で溶融したり収縮
したりしているのでこれを元通りの状態に戻すことは困
難であり、後の加工工程や材料の搬送中に露出した金属
材料表面に傷がついてしまうという問題がある。
【0006】また剥離現象を防止する上述の二つの方法
において、第一の方法の場合には、同一の切断経路を2
回通過するので加工時間が2倍近く必要になるという問
題がある。また、デフォーカシングをするためにレーザ
加工ヘッドを被加工材からかなり上昇させた位置に移動
させてレーザビームを照射するので、被加工材からのレ
ーザ光の反射が作業者に到達する可能性も増大し安全面
上の問題もある。
【0007】また第二の方法の場合には、被加工材とノ
ズルとを電極として非接触で精度良く制御できる静電容
量センサを使用することができないので、被加工材の反
りなどの変形に対してレーザ加工ヘッドを追従制御させ
て接触状態を維持することが困難である。また特にピア
シングの場合には、ノズルと被加工材とが接触している
ので切断部分からのスパッターがノズル内に侵入し集光
レンズが汚染されるという問題もある。
【0008】本発明は上述の如き問題点に鑑みてなされ
たものであり、本発明の課題はピアシングまたはレーザ
切断加工時に加工部周囲の被覆材が金属部から剥離しな
い表面被覆材のレーザ加工方法と同加工方法に使用する
レーザ加工ヘッドを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決を解決す
るために、請求項1に記載の表面被覆材のレーザ加工方
法は、レーザ加工ヘッドの先端に固定ノズルを設け、該
固定ノズルにアシストガスの圧力により付勢された遊動
ノズルを進退可能に設け、該遊動ノズルにレーザビーム
とアシストガスとが通過可能な噴射口を設けると共に該
噴射口に連通横断する少なくとも一つの排出口を設け、
前記アシストガス、金属蒸気およびスパッターを前記排
出口から排出可能に設けたレーザ加工ヘッドにおいて、
前記遊動ノズルの先端を表面被覆材に接触状態に保持さ
せると共に、該遊動ノズルの排出口を前記固定ノズルか
ら突出した位置まで進出させて大気中に開放させてピア
シングすることを特徴とするものである。
【0010】また、請求項2に記載の表面被覆材のレー
ザ加工方法は、請求項1に記載の表面被覆材のレーザ加
工方法において、前記固定ノズルが表面被覆材とレーザ
加工ヘッドとの間隙を測定可能な静電容量センサーの電
極を兼ねたセンサーノズルであり、前記遊動ノズルが耐
熱性を有する電気絶縁体であることを特徴とするももで
ある。
【0011】従って、請求項1または請求項2のレーザ
加工方法によれば、母体金属29Bから発生するスパッ
ターと加工点から逆流する余分なアシストガスAGおよ
び金属蒸気などは、レーザ加工ヘッドから供給されるア
シストガスAGと一緒に遊動ノズル17の排出口25か
ら大気中に排出されるため、供給したアシストガスAG
が被覆材29Aと母体金属29Bとの間に侵入しない。
従ってピアシング部の周囲の被覆材29Aが母体金属2
9Bから剥離することがなく、またスパッターがノズル
内に侵入しないので集光レンズなどの光学系を汚染する
ことなく良好なピアシングを実施することが可能であ
る。特に請求項2のレーザ加工方法によれば、高い精度
で加工位置の間隙を測定可能な静電容量センサー方式の
センサーノズルを使用しているので、レーザの焦点位置
をピアシングに最適な表面被覆材の表面近傍に正確に維
持することが可能となる。
【0012】請求項3に記載の表面被覆材のレーザ加工
方法は、レーザ加工ヘッドの先端に固定ノズルを設け、
該固定ノズルにアシストガスの圧力により付勢された遊
動ノズルを進退可能に設け、該遊動ノズルにレーザビー
ムとアシストガスとが通過可能な噴射口を設けると共
に、該噴射口に連通横断する少なくとも一つの排出口を
設け、前記アシストガス金属蒸気およびスパッターを前
記排出口から排出可能に設けたレーザ加工ヘッドにおい
て、前記遊動ノズルを表面被覆材に接触状態に保持させ
ると共に、該記遊動ノズルの排出口を前記固定ノズルの
遊動ノズル案内孔の位置まで後退させて該排出口を閉止
させてレーザ切断を行うことを特徴とするものである。
【0013】また、請求項4に記載の表面被覆材のレー
ザ加工方法は、請求項3に記載の表面被覆材のレーザ加
工方法において、前記固定ノズルが被加工材とレーザ加
工ヘッドとの間隙を測定可能な静電容量センサーの電極
を兼ねたセンサーノズルであり、前記遊動ノズルが耐熱
性を有する電気絶縁体であることを特徴とするものであ
る。
【0014】従って、請求項3または請求項4のレーザ
加工方法によれば、遊動ノズル17の排出口25は閉止
され、レーザ加工ヘッド1から供給されるアシストガス
AGは表面被覆材29の切断溝31から全て下方に排出
されるので、被覆材29Aが母体金属29Bから剥離す
ることなく、またスパッターは表面被覆材29の裏面側
に排出されてノズル内に侵入することもなく良好な切断
を実施することが可能である。特に請求項4のレーザ加
工方法によれば、高い精度で加工位置の間隙を測定可能
な静電容量センサー方式のセンサーノズルを使用してい
るので、レーザの焦点位置を切断に最適な表面被覆材の
表面から若干下方の位置に正確に維持させることができ
る。
【0015】請求項5に記載の表面被覆材用レーザ加工
ヘッドは、レーザ加工ヘッドの先端に固定ノズルを設
け、該固定ノズルの案内部にアシストガスの圧力により
付勢された遊動ノズルを進退可能に設け、該遊動ノズル
にレーザビームと前記アシストガスとが通過可能な噴射
口を設けると共に該噴射口に連通横断する少なくとも一
つの排出口を設け、前記レーザ加工ヘッドと被加工材で
ある表面被覆材との間隙を変更することにより、前記排
出口を大気中へ開閉自在に設け、前記アシストガス、金
属蒸気およびスパッターを該排出口から大気中に排出可
能に設けたことを特徴とするものである。
【0016】また、請求項6に記載の表面被覆材用レー
ザ加工ヘッドは、請求項5に記載の表面被覆材用レーザ
加工ヘッドにおいて、前記固定ノズルが表面被覆材とレ
ーザ加工ヘッドとの間隙を測定可能な静電容量センサー
の電極を兼ねたセンサーノズルであり、前記遊動ノズル
が耐熱性を有する電気絶縁体であることを特徴とするも
のである。
【0017】従って、請求項5または請求項6の表面被
覆材用レーザ加工ヘッドによれば、レーザ加工ヘッドの
先端部に設けた固定ノズルに進退可能に設けた遊動ノズ
ルにアシストガスの圧力により適宜な付勢力を与えるこ
とが可能であり、この遊動ノズルと被加工材である表面
被覆材との間の摩擦力を適宜に設定することができる。
また、遊動ノズルの噴射口に連通横断する排出口を大気
中へ開閉自在に設けたので、該排出口が大気中に開放す
る位置になるようにレーザ加工ヘッドの位置を制御して
遊動ノズルを表面被覆材に接触させてピアシングまたは
切断加工などのレーザ加工を行なうときには、例えば、
ピアシング時において被加工材から逆流してくるアシス
トガス、金属蒸気またはスパッターなどをレーザ加工ヘ
ッド内部に侵入するのを防止することが可能である。ま
た、前記排出口が閉止される位置にレーザ加工ヘッドの
位置を制御して切断加工を行うときには、切断加工部に
供給するアシストガスが全て切断溝内部に供給されるの
でアシストガスを効率的に使用することが可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て図面によって説明する。図1は本発明に係わるレーザ
加工ヘッドと同装置を用いて被加工材である表面被覆材
のピアシング(穿孔加工)を実施中の状態を示したもの
である。
【0019】また、図2は前記レーザ加工ヘッドを用い
て被加工材である表面被覆材を切断中の状態を示したも
のである。
【0020】さて図1を参照するに、漏斗形の空洞を有
するレーザ加工ヘッド1の先端部に設けた雌ねじ部3に
は静電容量センサーの電極を兼ねたセンサーノズル5の
雄ねじ部7が着脱可能に装着してある。このセンサーノ
ズル5は導電性の材質で製作されており、前記レーザ加
工ヘッド1とは適宜な電気絶縁体(図示省略)により絶
縁してある。また前記センサーノズル5には、該センサ
ーノズル5の先端部近くまで達する深さの案内孔9と後
述の遊動ノズル17の胴部を案内する遊動ノズル案内孔
11が同軸に設けてある。さらに該センサーノズル5の
上端部には、前記レーザ加工ヘッド1の漏斗形の空洞の
テーパ部13の延長線にほぼ一致する同一のテーパ部1
5が設けてある。
【0021】前記案内孔11には、例えば、セラミック
スの如き耐熱性を有する電気絶縁体で製作した遊動ノズ
ル17の胴部が摺動自在に嵌合してあり、この遊動ノズ
ル17のフランジ部19は前記案内孔9に摺動自在に嵌
合してある。さらにこの遊動ノズル17には集光レンズ
(図示省略)により集光されたレーザビームLBとアシ
ストガスAGとが通過可能な小口径のアシストガス噴射
口21が設けてあり、上端にはレーザビームLBが干渉
しない様にすると共にアシストガスAGを小口径に絞る
テーパ部23が設けてある。また、遊動ノズル17の先
端部の前記噴射口21に連通横断する少なくとも一個の
排出口25が設けてある。そして、この排出口25が前
記案内孔11から外部に進出して大気中に開放されてい
る場合には、アシストガス、金属蒸気などの気体および
スパッターなどの微粒子を大気中に排出することが可能
となる。
【0022】なお、前記排出口25は被加工材にほぼ平
行に設けた例を示してあるが、排出口から大気中への出
口を被加工材から離れる方向に若干傾斜させて設ける
と、スパッターおよび金属蒸気などを加工位置からより
離れる方向に排出することができるので、高温度のスパ
ッターおよび金属蒸気などが冷却されてから被加工材と
接触させることができる利点もある。
【0023】上記構成において、前記レーザ加工ヘッド
1のアシストガスAG供給口27から大気圧より高圧の
アシストガスAGを供給すれば、前記遊動ノズル17は
アシストガスAGの圧力により遊動ノズル17のフラン
ジ部19がセンサーノズル5の底部に当接する位置まで
移動させらて、遊動ノズル17の排出口25はセンサー
ノズル5から突出し排出口25は大気中に開放した状態
にさせられることになる。なお、上記遊動ノズル17が
鉛直方向に維持されている場合には、アシストガスAG
の圧力によらずに自重でセンサーノズル5から突出させ
ることも可能である。
【0024】ところで、被加工材である前記表面被覆材
29とは、アルミニウムの板材やステンレス鋼板の如く
傷が付きやすい金属の表面を擦傷から保護するために、
その表面を塩化ビニールの如きフィルムの被覆材29A
で母体金属29Bを被覆したものである。この母体金属
29Bと前記センサーノズル5とは図示省略の静電容量
センサー制御装置に電気的回路(図示省略)により接続
されており、ノズル3と母体金属29Bとの間に誘電体
である空気を媒体とするコンデンサを形成し、母体金属
29Bとノズル3との間隙を検出する静電容量センサー
の回路を形成している。
【0025】上記構成において、被加工材である表面被
覆材29にピアシングを実施する場合、圧力が約1kg
/cm2 〜3kg/cm2 (約0.1MPa〜0.3M
Pa)のアシストガスAGをレーザ加工ヘッド1供給す
ると共に、図1に示す様に前記遊動ノズル17の先端を
表面被覆材29に当接させた状態において、静電容量セ
ンサー制御装置(図示省略)によりレーザ加工ヘッドの
位置を制御して、センサーノズル5と表面被覆材29と
の間隙Dを一定(約1.5mm)に維持し、遊動ノズ
ル17の排出口25を大気中に開放されたた位置に常に
在る様にしながらレーザビームLBを表面被覆材29に
照射してピアシングを実施する。
【0026】上述の如きピアシング方法により、アシス
トガスAGは被加工材である表面被覆材29の加工点に
集中的に供給されレーザ加工が進行すると同時に、母体
金属29Bから発生するスパッターと加工点から逆流す
る余分なアシストガスAGおよび金属蒸気などは、レー
ザ加工ヘッドから供給されるアシストガスAGと一緒に
遊動ノズル17の排出口25から大気中に排出されるた
め、供給したアシストガスAGが被覆材29Aと母体金
属29Bとの間に侵入しない。従ってピアシング部の周
囲の被覆材29Aが母体金属29Bから剥離することが
なく、またスパッターがノズル内に侵入しないので集光
レンズなどの光学系を汚染することなく良好なピアシン
グを実施することが可能である。
【0027】なお、前記静電容量センサーの電極を兼ね
たセンサーノズル5に代えて、センサーの機能のない通
常の固定ノズル5’を設け、この固定ノズル5’に遊動
ノズル17’を設け、この固定ノズル5’と被加工材で
ある前記表面被覆材29との間隙の制御には、静電容量
センサーと同様に非接触で金属材料との距離の検出可能
な渦電流センサーまたは光センサーなどのその他の距離
検出センサーを利用することが可能であり、これらの距
離検出センサーを用いても上述と同様なピアシングを実
施することが可能である。
【0028】さて、図2は被加工材である前記表面被覆
材29を切断加工している状態を示したものであり、前
記図1とは、レーザ加工ヘッド1と表面被覆材29との
位置関係のみが相違しており、構成する部品は同一であ
りその機能も同一なので部品の説明を省略する。
【0029】上記構成において、ピアシングに引き続い
て切断加工を行う場合、または表面被覆材29の端部か
ら切断加工を行う場合には、切断条件によって圧力が約
0.5kg/cm2 〜10kg/cm2 (約0.05M
Pa〜1.0MPa)のアシストガスAGをレーザ加工
ヘッド1供給すると共に、図2に示す様に前記遊動ノズ
ル17の先端を表面被覆材29に当接させた状態におい
て、静電容量センサー制御装置(図示省略)を制御して
遊動ノズル17の排出口25がセンサーノズル5の前記
遊動ノズル案内孔11の位置にくる様にセンサーノズル
5と表面被覆材29との間隙Dが(約0.3mm〜
0.6mm)維持される様にして、レーザビームLBを
表面被覆材29に照射して切断加工を実施する。
【0030】上述の如き切断方法により、遊動ノズル1
7の排出口25は閉止され、レーザ加工ヘッド1から供
給されるアシストガスAGは表面被覆材29の切断溝3
1から全て下方に排出されるので、被覆材29Aが母体
金属29Bから剥離することなく、またスパッターは表
面被覆材29の裏面側に排出されてノズル内に侵入する
こともなく良好な切断を実施することが可能である。
【0031】なお、この切断方法においても、前述のよ
うに前記静電容量センサーの電極を兼ねたセンサーノズ
ル5に代えて、センサーの機能のない図示しない通常の
固定ノズル5’を設け、この固定ノズル5’に遊動ノズ
ル17’(図示省略)を設け、この固定ノズル5’と被
加工材である前記表面被覆材29との間隙の制御には、
静電容量センサーと同様に非接触で金属材料との距離の
検出可能な渦電流センサーまたは光センサーなどのその
他の距離検出センサーを利用することが可能であり、こ
れらの距離検出センサーを用いても上述と同様な良好な
切断を実施することが可能である。
【0032】
【発明の効果】請求項1または請求項2の発明によれ
ば、表面被覆材のピアシングにおいてピアシング周囲の
被覆材が母体金属から剥離することがなく、また加工前
にレーザビームをデフォーカスさせて被覆材に照射して
被覆罪を母体金属に融着させるという前加工が必要な
い。
【0033】請求項3または請求項4の発明によれば、
上述のピアシングの場合と同様に、切断部周囲の被覆材
が母体金属から剥離することがなく、また加工前にレー
ザビームをデフォーカスさせて被覆材に照射して被覆罪
を母体金属に融着させるという前加工が必要ない。ま
た、切断加工部に供給するアシストガスが全て切断溝内
部に供給されるのでアシストガスを効率的に使用するこ
とが可能である請求項5または請求項6の発明によれ
ば、ピアシングおよび切断加工時に被加工材から発生す
るの金属蒸気、スパッターまたは逆流してくるアシスト
ガスなどを排出する排出口を備えた遊動ノズルにアシス
トガスの圧力で適宜な付勢力与えてレーザ加工ヘッド先
端部の固定ノズルに進退可能に設けたので、表面被覆材
の被覆材をアシストガスの風圧により剥離させることな
くピアシングまたは切断加工を効率的に行うことが可能
となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるレーザ加工ヘッドを使用して表
面被覆材をピアシングしている状態を示した図。
【図2】本発明に係わるレーザ加工ヘッドを使用して表
面被覆材を切断している状態を示した図。
【図3】従来のレーザ加工ヘッドを使用して表面被覆材
Wをピアシングしている状態を示した図。
【図4】従来のレーザ加工ヘッド使用して表面被覆材W
をレーザ切断をしている状態を示した図。
【符号の説明】
1 レーザ加工ヘッド 5 センサーノズル 11 遊動ノズル案内孔 17 遊動ノズル 21 アシストガス噴射口 25 排出口 29 表面被覆材 29A 被覆材 29B 母体金属 AS アシストガス LB レーザビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01B 7/00 G01B 7/00 K 7/14 7/14 Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ加工ヘッドの先端に固定ノズルを
    設け、該固定ノズルにアシストガスの圧力により付勢さ
    れた遊動ノズルを進退可能に設け、該遊動ノズルにレー
    ザビームとアシストガスとが通過可能な噴射口を設ける
    と共に該噴射口に連通横断する少なくとも一つの排出口
    を設け、前記アシストガス、金属蒸気およびスパッター
    を前記排出口から排出可能に設けたレーザ加工ヘッドに
    おいて、前記遊動ノズルの先端を表面被覆材に接触状態
    に保持させると共に、該遊動ノズルの排出口を前記固定
    ノズルから突出した位置まで進出させて大気中に開放さ
    せてピアシングすることを特徴とする表面被覆材のレー
    ザ加工方法。
  2. 【請求項2】 前記固定ノズルが表面被覆材とレーザ加
    工ヘッドとの間隙を測定可能な静電容量センサーの電極
    を兼ねたセンサーノズルであり、前記遊動ノズルが耐熱
    性を有する電気絶縁体であることを特徴とする請求項1
    に記載の表面被覆材のレーザ加工方法。
  3. 【請求項3】 レーザ加工ヘッドの先端に固定ノズルを
    設け、該固定ノズルにアシストガスの圧力により付勢さ
    れた遊動ノズルを進退可能に設け、該遊動ノズルにレー
    ザビームとアシストガスとが通過可能な噴射口を設ける
    と共に、該噴射口に連通横断する少なくとも一つの排出
    口を設け、前記アシストガス金属蒸気およびスパッター
    を前記排出口から排出可能に設けたレーザ加工ヘッドに
    おいて、前記遊動ノズルを表面被覆材に接触状態に保持
    させると共に、該記遊動ノズルの排出口を前記固定ノズ
    ルの遊動ノズル案内孔の位置まで後退させて該排出口を
    閉止させてレーザ切断を行うことを特徴とする表面被覆
    材のレーザ加工方法。
  4. 【請求項4】 前記固定ノズルが被加工材とレーザ加工
    ヘッドとの間隙を測定可能な静電容量センサーの電極を
    兼ねたセンサーノズルであり、前記遊動ノズルが耐熱性
    を有する電気絶縁体であることを特徴とする請求項3に
    記載の表面被覆材のレーザ加工方法。
  5. 【請求項5】 レーザ加工ヘッドの先端に固定ノズルを
    設け、該固定ノズルの案内部にアシストガスの圧力によ
    り付勢された遊動ノズルを進退可能に設け、該遊動ノズ
    ルにレーザビームと前記アシストガスとが通過可能な噴
    射口を設けると共に該噴射口に連通横断する少なくとも
    一つの排出口を設け、前記レーザ加工ヘッドと被加工材
    である表面被覆材との間隙を変更することにより、前記
    排出口を大気中へ開閉自在に設け、前記アシストガス、
    金属蒸気およびスパッターを該排出口から大気中に排出
    可能に設けたことを特徴とする表面被覆材用レーザ加工
    ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記固定ノズルが表面被覆材とレーザ加
    工ヘッドとの間隙を測定可能な静電容量センサーの電極
    を兼ねたセンサーノズルであり、前記遊動ノズルが耐熱
    性を有する電気絶縁体であることを特徴とする請求項5
    に記載の表面被覆材用レーザ加工ヘッド。
JP00676496A 1996-01-18 1996-01-18 表面被覆材のレーザ加工方法および同加工方法に使用するレーザ加工ヘッド Expired - Lifetime JP3526998B2 (ja)

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