JP3966458B2 - Yagレーザ誘起アークフィラーワイヤ複合溶接方法および装置 - Google Patents

Yagレーザ誘起アークフィラーワイヤ複合溶接方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、YAGレーザと電気アークとを併用したYAGレーザ複合溶接方法およびYAGレーザ複合溶接装置に関し、特にYAGレーザとYAGレーザによってフィラーワイヤ先端に誘起される誘起アークエネルギーを利用して溶接を行うYAGレーザ誘起アークフィラーワイヤ複合溶接方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
YAGレーザ溶接は、下記のような特徴があり、自動車等の鋼素材の自動溶接に広く使われている:
1.集束したレーザ光を得られ、低歪み,高速溶接が可能である,
2.金属材料でのレーザ光吸収率がCOレーザの数倍であるので、効率の良い溶接が可能である。また波長はCOレーザの1/10であるので、溶接時に発生するプラズマの影響を受けにくい,
3.レーザ光をフレキシブルな光ファイバで伝送できるので、ハンドリングが容易で多関節ロボットの利用も可能である。また、100m程度までの離れた場所への光伝送が可能である,
4.レーザ光は時間分割(タイムシェアリング)、空間分割(パワーシェアリング)が可能であるので、複数の加工ステーションで分割形態で共用使用することにより、高い利用効率を得られる。
【0003】
しかしながら、レーザ溶接加工への適用は、継手精度が要求される場合が多いことにより、他のガス,電気,アークなどの溶接と比べて薄板層の加工に制約されている。この制約を改善する技術として、レーザ光とアークとを併用した溶接方法が考案され、開示されている。
【0004】
例えば、特開昭53−137044号公報,特公昭56−49195号公報,特開昭61−232079号公報,特公平4−51271号公報,特開平5−69165号公報では、TIGアークとレーザ光とを併用して行う溶接方法であって、TIGアークを用いて母材を溶融し、その溶融プールにレーザを照射して溶込みを深くする溶接方法が開示されている。
【0005】
特開昭53−137044号公報,特開昭61−232079号公報,特開平7−246484号公報では、プラズマアークとレーザ光とを併用して行う溶接方法であって、プラズマアークで母材を溶融し、その溶融プールにレーザを照射して溶込みを深くする溶接方法が開示されている。
【0006】
特開平10−216972号公報では、レーザと消耗電極式アークとの複合による突合せ溶接方法において、先行をレーザ、後行を消耗電極式アークとしたレーザと消耗電極式アークの複合溶接方法が開示されている。
【0007】
特開2000−233287号公報では、レーザ光系の光軸と略同軸位置関係で、ワークに対向する位置に配設され、アーク放電のための高電圧が供給されるノズル電極とを備え、前記レーザ光の照射により前記ワークを溶融させた状態で前記アーク放電による溶融、加工を行うレーザ光とアークを用いた溶融加工装置が開示されている。
【0008】
一方、レーザ光とフィラーワイヤを併用した溶接加工の技術は、開先ギャップの変動等に対する裕度拡大や、高速溶接におけるビード幅減少の抑制、また、突合せ部のアンダーカット改善に適用されている。用いるフィラーワイヤは、通電加熱されていないフィラーワイヤ、いわゆるコールドワイヤもしくは通電加熱されているフィラーワイヤ、いわゆるホットワイヤが開示されている。
【0009】
例えば、特開平4−344873号公報には、直径0.4mmのワイヤに直流電源から給電し、ワイヤ送給を開始してワイヤ先端が母材に接触したことを検知してからTIGアークをスタートし(第4頁第5欄第9,10行)、コンタクトチップから先のワイヤの通電加熱によりワイヤを半溶融状態にして、TIGアーク溶接で形成される溶融池に送り込むホットワイヤTIG溶接が提示されている。この特開平4−344873号公報には、直径0.6mm以下の添加ワイヤを通電加熱して溶着金属を形成すること、また、弾性体を介してワイヤ接触用部材で添加ワイヤをコンタクトチップ先端部に押圧してワイヤ通電加熱すること、母材溶融は、TIGアークの他に、プラズマアーク,電子ビームあるいはレーザで行ってもよいこと、等の提案もある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
YAGレーザ単独での溶接は、下記のような問題点があった:
1.YAGレーザは、光ビームを集光させエネルギー密度を高め溶接を行うが、集光スポット径がφ0.3〜φ1mmと微小であるため、
・突合せ溶接の場合、突合せギャップ(例えば図3の(c))があると、レー
ザ光が通り抜けてしまい、溶接欠陥を生じる。このことから被溶接材の溶接
部端面の切断および溶接部拘束方法がシビアに要求される;
・重ね溶接では、上板から下板への貫通ビードの接合界面幅(例えば図3の
(d))が狭く、接合強度を得られない;
・隅肉溶接においても、上記同様に溶込み幅(例えば図3の(e))が充分に
得られず、接合強度を得られない;
・余盛り、表面ビード改善等の目的でフィラーワイヤをYAGレーザ溶接部に
同時供給し溶接を行う場合、フィラーワイヤの溶融にエネルギーを消費し、
溶接性が低下する;
2.YAGレーザ装置は、イニシアルコストが高いので、自動車生産ラインのように複数台の設備を導入する場合には、設備費が膨大なものになる。
【0011】
実開昭62−82194号公報には、レーザ溶接ではレーザ照射によって溶接対象母材にできるキーホール内ならびにその上方のプラズマ化した気体および金属蒸気すなわちプルーム(Plume)がレーザビームを吸収し、したがって溶込みが深い溶接ができないと見なして、キーホールにシールドガスを吹き込んでプルームをレーザ光路の外側に形成した排気路に案内し、排気路から吸引排気するノズル構造を提示している。これは母材に対するレーザ入熱を効率良くしようとするアプローチであるが、YAGレーザの波長において、YAGレーザ光が、キーホール内ならびにその上方のプラズマ化した気体および金属蒸気すなわちプルームに吸収される度合は少なく、プラズマ化した気体および金属蒸気を吸引して排気するとキーホールを押し下げる力がなくなり、溶込み深さが浅くなる。
【0012】
特開昭53−137044号公報,特公昭56−49195号公報,特開昭61−232079号公報,特公平4−51271号公報および特開平5−69165号公報には、TIGアークを用いて母材を溶融し、その溶融プールにレーザを照射して溶込みを深くするTIGとレーザの併用溶接が開示されている。これらは、TIGによって浅いけれども広幅の溶融プールを形成し、レーザによって狭いけれども深い溶込みを得るというアプローチである。TIGが幅広い溶融プールにより母材表面の溶融幅を広くして、例えば図2の(c)に示す突合せギャップを埋めて、レーザが深い溶込みを形成して、例えば図2の(e)の溶込み幅を広く(溶込みを深く)するので、レーザ単独の場合よりも溶接能率が向上し、溶接品質が向上する。
【0013】
しかしながら、深い位置ではレーザによる溶込みのみであるので、溶込み幅が狭く溶接強度が低い。例えば図2の(d)に示す重ね溶接の接合界面幅が狭く、その増大が望まれる。これは特開平7−246484号公報,特開平10−216972号公報のプラズマアークや特開2000−233287号公報においても同様である。
【0014】
レーザ光とフィラーワイヤとを併用した溶接方法として、従来は、通電加熱されていないフィラーワイヤ、いわゆるコールドワイヤが一般的であり、母材を溶融するためのレーザ光エネルギの一部がフィラーワイヤ溶融のために消費され、溶接性が低下するという問題があった。これに対して、前記特開平4−344873号公報には、薄板の高速溶接における細幅の安定した溶接ビードの形成を目的として、直径0.6mm以下のフィラーワイヤを用いるホットワイヤTIGが開示され、TIGアークをレーザ照射に変える提案がある。
【0015】
しかしながら、充分な溶込み深さが得られないので、溶接強度が低い。特に、深い溶込み深さが要求される重ね溶接や隅肉溶接には不向きである。
【0016】
本発明は、厚板突合せ溶接でのギャップ裕度拡大および余盛高さ不足の防止、また、厚板重ね溶接や隅肉溶接での溶込み溶接を高能率で実施することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明では、溶接対象母材 (31,32) の溶接面を覆うフード (15) の内部を、多数の通口があるガス整流体 (16) で該溶接面側の溶接空間とガス供給空間に区分し、溶接対象母材(31,32)に対するYAGレーザ(9)のレーザ照射点(8)近傍をフィラーワイヤ(20)で狙い、該フィラーワイヤを溶接対象母材には接触させない状態で該フィラーワイヤと溶接対象母材との間にフィラーワイヤ加熱電源(22)を接続しておき、前記ガス供給空間にシールドガスを供給してガス整流体 (16) を通してレーザ照射点および前記フィラーワイヤの先端部の周りをシールドガス雰囲気にして、前記フード (15) およびガス整流体 (16) の開口 (17,18) を通して前記YAGレーザを溶接対象母材に照射してYAGレーザによるプラズマ化したガスおよび金属蒸気により前記フィラーワイヤにアークを誘起して維持させてから、該フィラーワイヤを加熱状態でYAGレーザの照射点近傍へ溶融池に接触しないように供給して、誘起アーク安定持続に寄与するプラズマ化したガスおよび金属蒸気を前記シールドガス雰囲気によりキーホール内外にとどめてYAGレーザおよび誘起アーク併用の溶接を行う(図1)。
【0018】
なお、理解を容易にするためにカッコ内には、図面に示し後述する実施例の対応要素又は相当事項に付した記号を、例示として参考までに付記した。以下も同様である。
【0019】
上記本発明によれば、レーザとTIG溶接の通常の併用においては、電極−母材間に高周波スパッタを飛ばし、これによりガスを乖離させアークを発生させるが、高周波スパークは必要ない。YAGレーザおよびアークによるプラズマ化したガスおよび金属蒸気すなわちプルームが高温高圧になって溶融金属を押し下げ、かつ、この熱伝導により、レーザ単独での溶接速度以上の速度とビード幅が広く、溶込みの深い溶接結果を得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例では、フィラーワイヤの供給速度Vfと溶接速度Vとの比Vf/Vが1以上、すなわちフィラーワイヤ供給速度を溶接速度以上にして加熱電源によりワイヤを加熱しながら溶融池にフィラーワイヤが接触する供給速度となるように、フィラーワイヤ送給速度を制御する。例えば、フィラーワイヤ/溶接母材間の電圧値および電流値を検出してフィラーワイヤ/溶接母材間の抵抗値を算出し、抵抗値が、フィラーワイヤ供給速度を溶接速度以上にして加熱電源によりワイヤを加熱しながら溶融池にフィラーワイヤが接触する供給速度となるときの範囲に相当する設定範囲内になるように、算出した抵抗値が設定範囲より高い側に外れるときには、ワイヤの供給速度Vfを増速し、低い側に外れるときには減速する。
【0021】
これにより、特に厚板の突合せ溶接でのギャップ裕度拡大と余盛不足解消、板厚が厚くなる重ね溶接での溶込み深さ増大に伴う接合界面幅の増大と余盛不足解消、隅肉溶接での溶込み幅増大等が得られ、接合強度が確保でき、溶接欠陥のない安定した溶接結果が得られる。一方、上述のVf/Vが1未満であると余盛高さ不足や溶け落ちが発生する。
【0022】
なお、誘起アークによるワイヤ入熱とフィラー通電の抵抗加熱とがフィラーワイヤの溶融に寄与するため、フィラーワイヤの併用が溶接性を低下することがない。のみならず、誘起アークの母材への入熱により、小出力のYAGレーザで高出力のYAGレーザと同等の溶接性能を得ることができる。一台のYAGレーザ光源から複数台のレーザ照射ヘッドにレーザ光を分割供給する形態を容易に実施でき、レーザ照射ヘッド一台当たりの設備コストの低減が容易になる。
【0023】
【実施例】
図1に、本発明の1実施例のYAGレーザ誘起アークフィラーワイヤ複合溶接装置を示す。図示しないYAGレーザ光源から図示しない光ファイバケーブルを通してYAGレーザ光束9がYAG照射ヘッド10に導かれ、ヘッド10内のレンズ11を通って収束して、対物スリーブ12および中継スリーブ13を通って焦点8(照射点)に向かう。
【0024】
中継スリーブ13の下端には、対物フード15が固着されている。フード15内には、その内部空間を上空間であるガス供給空間と下空間である溶接空間に二分するガス整流金網16がある。フード15および金網16には、焦点8に向かうレーザ光束9を通す開口17および18がある。
【0025】
ワイヤガイド19がフード15および金網16を貫通し、フード15に固着されている。フィラーワイヤ20が、図示しないワイヤ送給装置から送り出されてワイヤガイド19に送りこまれ、ワイヤガイド19の下端のワイヤ送給チップから、レーザ焦点8の近傍に送りこまれる。フード15の下部には、溶接対象母材32とフード15の下端の間に微小ギャップを開けるために車輪23、24がある。
【0026】
図1に示す母材31と32を重ね溶接するときには、中継スリーブ13に装着した口金14を通して中継スリーブ13にシールドガスを吹き込み、ワイヤ加熱電源22の電源スイッチ21を閉じて、母材31と32に、接触していないフィラーワイヤ20と該母材間で無負荷電圧をフィラーワイヤに印加しておいて、YAGレーザ光束9の照射を開始する。この照射によって発生するプルームの作用によってフィラーワイヤ20と母材31,32との間にアークが誘起する。もし、フィラーワイヤ狙い位置がレーザ照射によって発生するプルームの外部であると、このアークは誘起されないので、フィラーワイヤ先端がレーザ照射によって発生するプルーム内部にあるようにワイヤ狙い位置を定める。フィラーワイヤにアークが誘起した後、YAG照射ヘッド10のy方向の駆動を開始し、フィラーワイヤ20を溶融池に接触する速度になるように送給を開始する。これにより安定した溶接状態となる。すなわちレーザ照射溶接とアーク溶接が並行して継続する。
【0027】
この溶接状態では、口金14から中継スリーブ13内に吹き込まれたシールドガスは、中継スリーブ13から開口17を通って、フード15内の整流金網16の上側のガス供給室に入り、そこで、x,y方向に拡散して、整流金網16のメッシュを通って略垂直方向の整流となって溶接対象母材32の表面に降下し、そして該表面に沿ってフード15下端のギャップを通ってフード外に出る。このようなシールドガスの流れにより、フード15の内部がシールドガスで満たされ、金網16の下方の溶接空間では、シールドガスがゆるやかな垂直方向の整流となり、これが焦点8周りすなわちレーザ照射によるキーホール、その内外のプルームを包む。
【0028】
この包囲ガスが、焦点8の溶融プールおよびフィラーワイヤ20を空気(酸素)から遮断してそれらの酸化を防止するとともに、キーホール内外のプルームの飛散を抑えてキーホール内外にプルームを留める。
【0029】
検出回路26が、溶接対象母材/フィラーワイヤ間の電圧値および電流値を検出し、これらの検出値に基づいて溶接対象母材/フィラーワイヤ間の抵抗値を算出して、抵抗値を表わす電気信号をワイヤ送給制御装置27に与える。ワイヤ送給制御装置27は、フィラーワイヤ供給速度Vfと溶接速度Vとの比Vf/Vが1以上の設定範囲での溶接対象母材/フィラーワイヤ間の抵抗値の範囲内に検出抵抗値があるか判定して、検出抵抗値が該範囲の上側に外れると増速を、下側に外れると減速を、ワイヤ送給装置25に指示し、これに応答してワイヤ送給装置25がワイヤ送給速度を増,減速する。これにより、フィラーワイヤ20が、フィラーワイヤ加熱電源22によって加熱されて、フィラーワイヤ供給速度Vfと溶接速度Vとの比Vf/Vが1以上となる速度でフィラーワイヤ20が送給される。
【0030】
図2の(a)に、キーホールを模式的に示す。YAGレーザの照射により、すなわち高密度エネルギの注入により、キーホール内のプルームが爆発的な高熱高圧になり、これがキーホール内の溶融金属を加圧し、キーホールの底を溶かし、深い溶込みを生ずる。なお、プルームを強力に排除する(吹き飛ばす)強いシールドガス流を焦点8に当てると、誘起アークが安定持続しなくなり溶込みが極端に浅くなるので、溶込みを深くするためには、プルームを極力キーホールに留めるのが肝要である。これを実験により確認した。
【0031】
上述の溶接作業により、図2の(b)に示すような重ね溶接ビードを得ることができた。該図面において、33が母材の溶融して凝固した部位であり、その上の34はフィラーワイヤ20によって形成されたビードである。接合界面幅が広く、溶込みが深い、高速の、品質が安定した溶接が可能である。このときの溶接条件は、次の通りである:
溶接母材31:材質 A5052 板厚 2mm
溶接母材32:材質 A5052 板厚 2mm 重ね継手
YAGレーザ:出力4kW,アシストガス(センターガス)無し
電流:150A 無負荷電圧:20V
シールドガス:Ar25リットル/min
溶接速度:2m/min
フィラーワイヤ:規格 A5356WY 送給速度:2m/min
【0032】
【発明の効果】
以上に示したように、レーザ照射によって発生するプルームによりアークが誘起されるので、高周波高電圧印加によるアーク起動が不要になる。YAGレーザ溶接にアーク溶接を加えるので、母材表層に対する入熱が大きく、YAGレーザ照射によるキーホール内およびその周りにプルームを留めることで、突合せギャップが少々あっても余盛不足の無い、深溶込みで、接合界面幅の広い安定確実な溶接が可能であり、高速の溶接が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例のYAGレーザ誘起アークフィラーワイヤ複合溶接装置の、溶接ヘッド部の縦断面図である。
【図2】 (a)は、図1に示す焦点8周りの、模式的な拡大断面図、(b)は図1に示す溶接装置を用いたYAGレーザ誘起アークフィラーワイヤ複合溶接の結果である溶接ビードを模式的に示す拡大断面図である。(c)は、一般の突合せ溶接の場合の、突合せギャップを示す拡大断面図、(d)は重ね溶接の場合の接合界面幅を示す拡大断面図、(e)は隅肉溶接の場合の溶込み幅を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
8:YAGレーザ光束の焦点 9:YAGレーザ光束
10:YAG照射ヘッド 11:レンズ
12:対物スリーブ 13:中継スリーブ
14:口金 15:対物フード
16:ガス整流金網 17、18:開口
19:フィラーワイヤガイド 20:フィラーワイヤ
21:電源スイッチ 22:ワイヤ加熱電源
23,24:車輪 31,32:溶接対象母材
33:母材の溶融し凝固した部位
34:フィラーワイヤによって形成されたビード
41,42:溶接対象母材 43,44:溶接対象母材
45,46:溶接対象母材

Claims (3)

  1. 溶接対象母材の溶接面を覆うフードの内部を、多数の通口があるガス整流体で該溶接面側の溶接空間とガス供給空間に区分し、溶接対象母材に対するYAGレーザのレーザ照射点をフィラーワイヤで狙い、該フィラーワイヤと溶接対象母材との間にフィラーワイヤ加熱電源を接続しておき、前記ガス供給空間にシールドガスを供給してガス整流体を通してレーザ照射点および前記フィラーワイヤの先端部の周りをシールドガス雰囲気にして、前記フードおよびガス整流体の開口を通して前記YAGレーザを溶接対象母材に照射して、発生するプラズマ化したガスおよび金属蒸気の近傍に前記フィラーワイヤを供給して、プラズマ化したガスおよび金属蒸気の作用によって前記フィラーワイヤにアークを誘起させたのち、該フィラーワイヤを加熱状態で供給してYAGレーザにより発生するプラズマ化したガスおよび金属蒸気を前記シールドガス雰囲気によりキーホール内外にとどめながらYAGレーザおよび誘起アーク併用の溶接を行う、YAGレーザ誘起アークフィラーワイヤ複合溶接方法。
  2. 前記フィラーワイヤの供給速度Vfと溶接速度Vとの比Vf/Vが1以上である請求項1に記載のYAGレーザ誘起アークフィラーワイヤ複合溶接方法。
  3. YAGレーザ溶接ヘッド;
    該ヘッドの先端に装着され、該ヘッドが照射するYAGレーザが透過する開口を有し、溶接対象母材に対向する側が開いたフード;
    前記フードの内部を、溶接対象母材側の溶接空間とレーザ溶接ヘッド側のガス供給空間に区分する、多数の通口があるガス整流体;
    前記フードに固定されて前記ガス整流体を貫通し、前記YAGレーザ溶接ヘッドの、溶接対象母材に対するレーザ照射点を狙ってフィラーワイヤを案内するフィラーワイヤガイド;
    該フィラーワイヤガイド外周面に沿わないように、フィラーワイヤから離れた位置から前記フードの前記ガス供給空間にシールドガスを供給するためのガス供給口;
    溶接対象母材と前記フィラーワイヤとの間に、溶接対象母材へのYAGレーザの照射により発生するプラズマ化したガスおよび金属蒸気により前記フィラーワイヤにアークを誘起し、フィラーワイヤを加熱する電源;および、
    誘起アークが安定持続するようにフィラーワイヤを送給するワイヤ供給装置;
    を備える、YAGレーザ誘起アークフィラーワイヤ複合溶接装置。
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