JPH09190505A - 文字認識装置及びその方法 - Google Patents

文字認識装置及びその方法

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JPH09190505A
JPH09190505A JP8003841A JP384196A JPH09190505A JP H09190505 A JPH09190505 A JP H09190505A JP 8003841 A JP8003841 A JP 8003841A JP 384196 A JP384196 A JP 384196A JP H09190505 A JPH09190505 A JP H09190505A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 類似文字の識別精度を向上し、かつ入力され
た文字の認識を向上する文字認識装置及びその方法を提
供する。 【解決手段】 類似文字を識別するための所望の閾値を
キーボード109より設定する。その文字が類似文字で
あるか否かを判定し、類似文字と判定された場合、該類
似文字間の特徴量を算出する。また、類似文字と判定さ
れた文字の特徴量を算出し、該算出された特徴量と設定
された該類似文字の閾値を比較する。そして、比較の結
果に基づいて、類似文字と判定された文字を該類似文字
のいずれかとして識別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力された文字を
認識する文字認識装置及びその方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の手書き文字認識装置は、入力され
た手書き文字のストロークパターンと標準文字のストロ
ークパターンを記憶している認識辞書のストロークパタ
ーンを照合し、その照合結果で一番良いストロークパタ
ーンに対応する文字コードを認識結果として出力してい
る。また、入力された手書き文字が、“3”と“ろ”の
ように構成されるストロークパターンにあまり相違がな
い似ている文字(以下、このような文字を類似文字と呼
ぶ)が入力された場合は、それらの類似文字間のストロ
ークパターンの異なる部分を特徴量として抽出し、その
抽出した特徴量と予め設定されている類似文字を識別す
るための所定の閾値(標準文字のストロークパターンに
基づいて算出された閾値)とを比較することで、類似文
字を識別していた。
【0003】また、ユーザによっては、標準文字のスト
ロークパターンと著しく異なる手書き文字のストローク
パターンを入力する。そのため、ユーザによっては入力
した文字が認識されない場合があった。そこで、ユーザ
が入力する手書き文字のストロークパターンとその特
徴、更にそれに対応する文字コードを登録したユーザ辞
書を作成し、そのユーザ辞書に登録されているストロー
クパターンと入力された手書き文字のストロークパター
ンを照合することで、標準文字のストロークパターンと
著しく異なる手書き文字のストロークパターンの文字認
識の実現を図っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の手書き文字認識装置では、特に、入力された文字が
類似文字である場合に、類似文字の識別に標準文字のス
トロークパターンに基づいて算出された所定の閾値を用
いて行う。そのため、ユーザによっては入力する手書き
の類似文字のストロークパターンが標準文字と著しく異
なる場合、類似文字の識別が正確に行われず、認識率を
低下させるという問題点があった。
【0005】また、ユーザ辞書を用いる文字認識の場
合、ユーザ辞書には入力された手書き文字のストローク
パターンとその特徴が登録されているだけで、登録する
文字に類似文字が存在しても、その類似文字間の識別を
考慮した特徴の抽出は行なわれていない。そのため、手
書き文字の類似文字の識別の精度は改善されていないば
かりか、場合によっては類似文字を認識できないという
問題点があった。
【0006】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、類似文字の識別精度を向上し、かつ入力され
た文字の認識を向上する文字認識装置及びその方法を提
供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明による文字認識装置は以下の構成を備える。
即ち、入力された文字を認識する文字認識装置であっ
て、類似文字を識別するための所望の閾値を設定する設
定手段と、前記文字が類似文字であるか否かを判定する
判定手段と、前記判定手段の判定の結果、前記文字が類
似文字と判定された場合、該類似文字間の特徴量を算出
する算出手段と、前記類似文字と判定された文字の特徴
量を前記算出手段によって算出し、該算出された特徴量
と前記設定手段で設定された該類似文字の閾値を比較す
る比較手段と、前記比較手段の比較の結果に基づいて、
前記類似文字と判定された文字を該類似文字のいずれか
として識別する識別手段とを備える。
【0008】また、好ましくは、前記識別手段で識別さ
れた文字に対応する文字コードを出力する出力手段とを
更に備える。また、好ましくは、前記設定手段は、前記
算出手段で算出される特徴量を段階的に変化させた中間
パターン群を記憶する記憶手段と、前記段階的に変化さ
せた中間パターン群を表示する表示手段と、前記表示手
段に表示された中間パターン群のいずれかを選択する選
択手段とを備え、前記選択手段で選択された中間パター
ンの特徴量を前記算出手段を用いて算出し、該算出され
た特徴量を閾値として設定する。選択された中間パター
ンの特徴量に基づいて、類似文字と判定された文字の識
別を行うことができるので、より正確に類似文字の識別
を行うことができる。
【0009】また、好ましくは、前記判定手段は、入力
された文字を認識し、認識された文字に対応する文字コ
ードを獲得する獲得手段と、前記獲得手段で獲得された
文字コードと、前記記憶手段に記憶される文字コードと
を照合する照合手段とを備え、前記照合手段の照合の結
果に基づいて、類似文字であるか否かを判定する。
【0010】また、好ましくは、前記設定手段は、ユー
ザによって手書きの類似文字を入力する入力手段とを備
え、前記入力手段で入力された手書きの類似文字の特徴
量を前記算出手段によって算出し、該算出された特徴量
を閾値として設定する。ユーザが入力した手書きの類似
文字の特徴量を閾値として設定することができるので、
より詳細にユーザが入力する手書きの類似文字を識別す
ることができる。
【0011】また、好ましくは、前記入力手段は、前記
判定手段で判定された類似文字のそれぞれを重ねて表示
する表示手段を備え、前記表示手段で重ねて表示された
類似文字上に、前記手書きの類似文字を入力する。上記
の目的を達成するための本発明による文字認識方法は以
下の構成を備える。即ち、入力された文字を認識する文
字認識方法であって、類似文字を識別するための所望の
閾値を設定する設定工程と、前記文字が類似文字である
か否かを判定する判定工程と、前記判定工程の判定の結
果、前記文字が類似文字と判定された場合、該類似文字
間の特徴量を算出する算出工程と、前記類似文字と判定
された文字の特徴量を前記算出工程によって算出し、該
算出された特徴量と前記設定工程で設定された該類似文
字の閾値を比較する比較工程と、前記比較工程の比較の
結果に基づいて、前記類似文字と判定された文字を該類
似文字のいずれかとして識別する識別工程とを備える。
【0012】また、好ましくは、前記識別工程で識別さ
れた文字に対応する文字コードを出力する出力工程とを
更に備える。また、好ましくは、前記設定手段は、前記
算出手段で算出される特徴量を段階的に変化させた中間
パターン群を記憶媒体に記憶する記憶工程と、前記段階
的に変化させた中間パターン群を表示する表示工程と、
前記表示工程で表示された中間パターン群のいずれかを
選択する選択工程とを備え、前記選択工程で選択された
中間パターンの特徴量を前記算出工程を用いて算出し、
該算出された特徴量を閾値として設定する。
【0013】また、好ましくは、前記判定工程は、入力
された文字を認識し、認識された文字に対応する文字コ
ードを獲得する獲得工程と、前記獲得手段で獲得された
文字コードと、前記記憶工程で記憶媒体に記憶される文
字コードとを照合する照合工程とを備え、前記照合工程
の照合の結果に基づいて、類似文字であるか否かを判定
する。
【0014】また、好ましくは、前記設定工程は、ユー
ザによって手書きの類似文字を入力する入力工程とを備
え、前記入力工程で入力された手書きの類似文字の特徴
量を前記算出工程によって算出し、該算出された特徴量
を閾値として設定する。また、好ましくは、前記入力工
程は、前記判定工程で判定された類似文字のそれぞれを
重ねて表示する表示工程を備え、前記表示工程で重ねて
表示された類似文字上に、前記手書きの類似文字を入力
する。
【0015】上記の目的を達成するための本発明による
コンピュータ可読メモリは以下の構成を備える。即ち、
文字認識処理のプログラムコードが格納されたコンピュ
ータ可読メモリであって、類似文字を識別するための所
望の閾値を設定する設定工程のコードと、前記文字が類
似文字であるか否かを判定する判定工程のコードと、前
記判定工程の判定の結果、前記文字が類似文字と判定さ
れた場合、該類似文字間の特徴量を算出する算出工程の
コードと、前記類似文字と判定された文字の特徴量を前
記算出工程によって算出し、該算出された特徴量と前記
設定工程で設定された該類似文字の閾値を比較する比較
工程のコードと、前記比較工程の比較の結果に基づい
て、前記類似文字と判定された文字を該類似文字のいず
れかとして識別する識別工程のコードとを備える。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施の形態を詳細に説明する。図1は実施の形態1
の手書き文字認識装置の構成を示すブロック図である。
図1において、100はCPUであり、ROM101に
記憶された制御プログラム(文字認識処理等)やデータ
等に従って装置全体を制御する。また、後述するフロー
チャートの制御プログラムや文字フォントパターンもR
OM101に格納される。110はRAMであり、CP
U100のワークエリアとして使用される共に、入力さ
れた文字ストロークデータ等を記憶する。また、RAM
101内には、表示部102内に表示される文字入力板
102aの文字枠と同数のバッファエリア101aが確
保されており、各文字枠に入力された文字のストローク
情報や、その文字の認識結果より得られる文字コード
や、認識結果として選択された文字の候補や、検索され
た文字の標準パターンのデータ等が記憶される。
【0017】尚、実施の形態1では、単に文字入力板1
02aの各文字枠に入力された文字を認識し、標準文字
に変換するだけではなく、入力結果の文字に基づいて文
書の編集等のアプリケーションプログラムを実行するこ
ともできる。102は液晶等で構成される表示部であ
り、キーボード109より入力されたデータの表示やペ
ン11によって入力する手書き文字を入力するための文
字入力板102a等の表示を行う。103はCPU10
0の制御で表示部102の表示制御を行う表示制御部で
ある。この表示制御部103には、表示するための文字
パターンや、入力したストロークの軌跡等を描画するた
めのメモリ(VRAM103a)を内蔵している。10
4は表示部102の後面に位置する透明な座標検出盤で
あって、105は文字入力板102aの文字枠にペン1
1が指示する位置及びペン11がペンアップ/ペンダウ
ン情報を検出する座標検出部である。106は、文字枠
に入力された文字を認識するために使用される認識用辞
書である。107はI/F(インタフェース)であっ
て、例えば、プリンタや外部記憶装置等を接続すること
で、データの授受を行うことができる。109は文字コ
ード等の入力や文字認識処理の実行等の命令を指示する
ためのキーボードである。108は装置を構成する各要
素を接続するためのシステムバスである。
【0018】111はFDD(フロッピーディスクドラ
イブ)であり、FDを装着しデータの読み書きが可能で
ある。また、装着されたFD(不図示)に後述する処理
フローのプログラムを書き込み、該プログラムを本装置
のRAM101に読み込むことで処理を実行させること
ができる。次に、実施の形態1で実行される処理の機能
構成について、図2を用いて説明する。
【0019】尚、CPU100の制御によって、ROM
110に格納された実施の形態1で説明される処理を実
行するための制御プログラムをRAM101に読み込む
ことで、その処理が実行される。図2は実施の形態1の
手書き文字認識装置の機能構成を示すブロック図であ
る。
【0020】図2において、1は手書き文字入力部であ
り、ペン11を用いて文字入力板102aの文字枠に手
書き文字を入力する。2は手書き文字認識部であり、複
数の標準文字のストロークを記憶している認識用辞書1
06を用い、特公昭62−39460号等に記載されて
いる特徴点方式の文字認識アルゴリズムにより、手書き
文字入力部1で入力された手書き文字のストロークと認
識用辞書106に記憶されている標準文字のストローク
とで照合を行う。そして、その照合結果によって手書き
文字の認識候補として対応する文字コードを出力する。
また、「3」と「ろ」ように形が似ている手書き文字
(以下、類似文字と呼ぶ)の場合、その手書き文字の認
識候補である類似文字群に対応するそれぞれの文字コー
ドを、文字コード列として出力する。
【0021】3は類似文字識別部であり、手書き文字認
識部2において、類似文字が認識された場合、その類似
文字の認識候補群を認識率の高い順序に並べ替えるため
の識別処理を更に行なう。類似文字識別部3で実行され
る識別処理の概要は、まず、手書き文字認識部2で出力
された手書き文字の認識候補に対し、その認識候補が類
似文字テーブル5内に存在するか否かを判定する。そし
て、類似文字が存在しないと判定された場合は、その認
識候補をそのまま認識結果表示部4に送る。一方、類似
文字が存在すると判定された場合は、類似文字テーブル
5に存在した類似文字の類似文字識別関数閾値(詳細は
後述)と、入力された手書き文字のストロークに識別関
数(詳細は後述)を用いて得られる類似文字識別関数値
とを比較する。そして、その比較の結果に従って、類似
文字の認識候補を認識率の高い順序に並べ替え、並べ替
えられた認識候補を認識結果表示部4に送る。
【0022】4は認識結果表示部であり、手書き文字認
識部2あるいは類似文字識別部3で認識された文字の認
識候補に対応する標準文字の文字コードを表示する。6
は類似文字指定部であり、手書き文字認識部2で認識さ
れた類似文字の種類を指定する。そして、指定された類
似文字に対応する分類番号を類似文字筆跡パターン表示
選択部7に送る。7は類似文字筆跡パターン表示選択部
であり、指定された類似文字間のそれぞれのストローク
の中間のストロークパターンである中間パターンを表示
する。また、表示した中間パターンを選択し、選択した
中間パターンを類似文字識別閾値設定部8に送る。8は
類似文字識別閾値設定部であり、送られてきた中間パタ
ーンが構成するストロークに識別関数を用いて得られる
閾値を決定する。また、決定された閾値を類似文字テー
ブル5の対応する類似文字の所定の領域に設定する。
【0023】次に類似文字テーブル5の詳細な構造を図
3を用いて説明する。図3は実施の形態1の類似文字テ
ーブルの詳細な構造を示す図である。尚、一般に、通常
の文字の認識アルゴリズムでは、複数の認識候補のそれ
ぞれと入力された文字全体の形状とを比較することで文
字を認識する。そのため、例えば、類似文字に“れ”を
持つ“わ”を手書きで入力した場合でも、その入力され
た文字全体の形状によっては、その認識候補として第1
候補が“れ”、第2候補が“わ”というような認識結果
が出力されてしまう場合がある。そこで、実施の形態1
では、類似文字間における情報を格納した類似文字テー
ブル5を用いることで、手書き文字認識部2で誤認され
る可能性の高い類似文字を、より詳細に識別可能とし類
似文字の認識率を向上することができる。
【0024】以下、類似テーブル5の詳細について説明
する。図3において、1つの類似文字グループに対し、
「類似文字分類番号」欄、「類似文字コードリスト」
欄、複数の「類似文字識別関数閾値n(nは正の整
数)」欄が構成されている。「類似文字分類番号」欄に
は、類似文字グループを区別するための番号が格納され
ている。「類似文字コードリスト」欄には、手書き文字
認識部2で認識される認識候補に対してより詳細な識別
をする必要がある類似文字の文字コードが記憶されてい
る。文字コードは、一般的なJISコードで、例えば、
類似文字分類番号1の場合は、“わ”と“れ”の文字コ
ードがそれぞれ格納されている。
【0025】「類似文字識別関数閾値n」欄には、類似
文字間の中間パターンに識別関数を用いて得られる類似
文字識別関数閾値とその中間パターンを区別する番号を
格納している。尚、類似文字グループによって、類似文
字識別関数閾値が1つであったり、複数であったりす
る。尚、本装置の使用開始時点では、初期値として一般
的な平均値の類似文字識別関数閾値が類似文字テーブル
5の各類似文字の「類似文字識別関数閾値n」欄に登録
されている。
【0026】次に類似文字の中間パターンとその種類の
構成について、図7と図8を用いて説明する。尚、中間
パターンは、類似文字間の中間のストロークパターンで
あり、ユーザによって所望の中間パターンが選択され、
その選択された中間パターンに識別関数を用いて得られ
る類似文字識別関数閾値に基づいて、類似文字を識別す
る。この中間パターンによる識別を行うことで、類似文
字の識別とその識別率の向上を実現することができる。
また、ユーザによって入力されたストロークパターンを
新たに中間パターンとして登録することで、ユーザの筆
跡に従った類似文字の識別を実現することができる。
【0027】図4は実施の形態1の類似文字の中間パタ
ーンの種類の構成を示す図であり、図5はその類似文字
の中間パターン群の1つを示す図である。図4に示すよ
うに、1つの類似文字における中間パターン群は、図3
の「類似文字分類番号」欄の番号が示す類似文字に対応
して、例えば、6つの中間パターンのストロークのそれ
ぞれを格納する「類似文字の中間パターン1」欄〜「類
似文字の中間パターン6」欄から構成されている。
【0028】例えば、「類似文字分類番号」欄の番号が
「1」の場合、つまり、“わ”と“れ”の類似文字であ
る場合、「類似文字の中間パターン1」欄から「類似文
字の中間パターン6」欄には図5に示すような中間パタ
ーンが格納される。まず、「類似文字の中間パターン
1」欄には、標準的な“わ”のストロークパターンとし
て類似文字分類1の中間パターン1を格納し、「類似文
字の中間パターン6」欄には、標準的な“れ”のストロ
ークパターンとして類似文字分類6の中間パターン1を
格納する。また、「類似文字の中間パターン1」欄から
「類似文字の中間パターン6」欄の間の「類似文字の中
間パターン2」欄から「類似文字の中間パターン5」欄
には、「類似文字の中間パターン1」欄の“わ”から
「類似文字の中間パターン6」欄の“れ”へとなるよう
な除々に変化する中間パターンをそれぞれの欄に格納す
る。
【0029】尚、実施の形態1では、類似文字テーブル
に格納される中間パターン群は6つであったが、これに
限らない。次に識別関数を用いて得られる類似文字識別
関数閾値の算出方法について、図6を用いて説明する。
図6は実施の形態1の類似似文字識別関数閾値の算出方
法を説明するための図である。
【0030】尚、識別関数とは、類似文字同士を識別す
るために、各類似文字の識別特徴となる一部のストロー
クを抽出し、その抽出したストロークの方向ベクトルを
算出する。そして、算出した方向ベクトルに基づいて、
類似文字を識別するものである。例えば、図6の(a)
と(b)に示すように、文字入力枠に入力された手書き
文字が類似文字“わ”と“れ”である場合に、各類似文
字に識別関数を用いると、まず、入力された“わ”また
は“れ”と思われる筆跡パターンの2筆目のストローク
の距離を11等分する。そして、その9等分目の座標点
と終点である11等分目の座標点を結んで得られる方向
ベクトルの方向角度を算出する。
【0031】尚、方向角度は、図6の上端を指す方向を
基準(つまり、その場合の方向角度は0度)とし、その
基準と算出された方向ベクトルに挟まれる角度を方向角
度とする。ここでは、図6の(a)に示される方向ベク
トルAAの方向角度が181度で、図6の(b)に示さ
れる方向ベクトルBBの方向角度が150度で算出され
たとする。そして、“わ”と“れ”を区別するために方
向ベクトルの方向角度の境界点である閾値を設定する。
例えば、その閾値が181度に設定されているとする
と、方向角度が181度以上の場合に“わ”、181度
未満の場合に“れ”と認識する。そのため、上述で算出
された方向ベクトルの方向角度の値によれば、図6の
(a)のストロークパターンは“わ”と認識され、図6
の(b)のストロークパターンは“れ”と認識される。
【0032】次にユーザによる手書き文字の入力操作に
ついて、図7〜図9を用いて説明する。図7は実施の形
態1の文字入力板102aに手書き文字を入力した様子
を示す図であり、図8は実施の形態1の図7で入力され
た手書き文字の認識結果を示す図であり、図9は実施の
形態1の図8で得られる認識結果に対して実行した修正
操作完了後の様子を示す図である。
【0033】図7において、400はワープロ等のテキ
スト編集を行うアプリケーション等によって作成された
テキストが表示される表示画面であり、図では「ある」
という文字列が入力された表示状態となっている。ま
た、表示画面400内に存在する文字入力板102aに
は、ユーザがペン11を用いて「失われ」の文字列が入
力された表示状態となっている。文字入力板102aは
手書き文字入力用のポップアップウィンドウとして、ワ
ープロ等のアプリケーションの画面上に表示される。4
11〜415は文字入力板102aに構成される入力文
字枠であり、1つの入力文字枠内に入力された手書き文
字の位置座標データを検出し、検出された位置座標デー
タを1文字分のデータとして認識を行なう。図7では、
入力文字枠411には“失”の手書き文字が入力されて
おり、入力文字枠412には“わ”の手書き文字が入力
されており、入力文字枠413には“れ”の手書き文字
が入力されている。
【0034】421〜425は各入力文字枠に入力され
た手書き文字の認識候補の内、第2候補以下の認識候補
を表示する候補表示領域である。431〜435は、入
力された文字等に対してユーザが所望の処理を行うため
の指示領域群であり、各指示領域をペン11で指示する
ことにより、その指示された領域に示される処理を実行
する。以下、その詳細を順に説明する。
【0035】431は認識辞書編集指示領域であり、ペ
ン11が指示されると、認識辞書編集処理が実行され
る。認識辞書編集処理の処理の詳細については後述す
る。432は登録指示領域であり、ペン11が指示され
ると、類似文字テーブル5の登録処理が開始される。登
録処理については、図10のフローチャートを用いて詳
細に説明する。433は出力指示領域であり、ペン11
が指示されると、入力文字枠上に記入された手書き文字
の認識結果に対応する文字コードを表示画面400へ出
力する。434は消去指示領域であり、ペン11が指示
されると、入力文字枠上に表示される認識結果を消去す
る。435は認識開始指示領域であり、ペン11が指示
されると、入力文字枠に入力された手書き文字の認識処
理を開始し、その認識候補を出力する。
【0036】尚、実施の形態1では、入力文字枠に入力
された手書き文字に対して、認識処理が実行されると、
記入された入力文字枠の手書き文字が消去され、その認
識候補としてその第1候補が入力文字枠に表示される。
また、第2候補以降の認識候補は、候補表示領域に表示
される。そして、図7に示される文字入力板に記入され
た手書き文字「失われ」に対して、認識処理が実行され
ると、図8に示すような認識結果が得られる。
【0037】図8では、入力文字枠411の中の手書き
文字は消去され、その代わりに認識結果の第1候補とし
て“失”の文字フォントが表示され、候補表示領域42
1には認識結果の第2候補である“矢”が表示される。
入力文字枠412の中の手書き文字は消去され、その代
わりに認識結果の第1候補として“れ”の文字フォント
が表示され、候補表示領域422には認識結果の第2候
補以降の認識候補群である“わゎね”が表示される。入
力文字枠413の中の手書き文字は消去され、その代わ
りに認識結果の第1候補として“れ”の文字フォントが
表示され、候補表示領域423には認識結果の第2候補
以降の認識候補群である“わゎね”が表示される。
【0038】図8のような結果に対し、ユーザは入力文
字枠412に表示される文字“れ”を“わ”に変更する
処理を実行する。変更方法は、候補表示領域422の
“わ”をペン11で指示すると、文字入力枠412に表
示されている文字“れ”が“わ”に変更される(図9参
照)。この処理の詳細については、図10のフローチャ
ートを用いて説明する。
【0039】尚、文字入力板102aを構成する各要素
であるペン11によって指示される領域は、ペン11に
よって指示されると指示された個とを区別するために、
例えば、グレー表示される。次に実施の形態1で実行さ
れる類似文字の登録処理について、図10のフローチャ
ートを用いて説明する。
【0040】図10は実施の形態1の類似文字の登録処
理の処理フローを示すフローチャートである。尚、図1
0のフローチャートで説明される処理は、上述の図8に
示されるように、入力された手書き文字が、ユーザが所
望する文字の認識率が低い場合に、その認識率を向上す
るために実行するものである。つまり、図8の場合、
“わ”と“れ”の類似文字識別関数閾値の値が、ユーザ
が入力する手書き文字の“わ”と“れ”に適応していな
いので文字が誤認識される。そこで、ユーザの入力する
手書き文字の特徴に適応した類似文字識別関数閾値の値
を設定し直すことで、所望する文字の認識率を向上させ
るものである。
【0041】以下、詳細な説明をする。まず、ステップ
S100で、類似文字登録処理で使用されるワーク記憶
領域の初期化を行なう。ステップS101で、文字入力
板102aの登録指示領域432がペン11で指示され
た時点に、選択されている認識候補の文字コードがワー
ク記憶領域に入力される。図8の例では、候補表示領域
422に表示される“わ”が選択されている時点で、登
録指示領域432が指示されたものとすると、“わ”の
文字コードがワーク記憶領域に入力される。
【0042】ステップS102で、ワーク記憶領域に入
力された文字コードが、類似文字テーブル5の類似文字
コードリスト内に存在するか否かを判定する。類似文字
テーブル5の類似文字コードリストに存在しない場合
(ステップS102でNO)、ステップS108に進
む。ステップS108で、ユーザパターンの登録処理へ
移行する。ユーザパターンの登録処理とは、ユーザの入
力した手書き文字のストロークの特徴を抽出し、手書き
文字を認識する。そして、その特徴と認識された文字に
対応する文字コードを記憶媒体に記憶して、ユーザの入
力する手書き文字を認識するための認識用辞書を作成す
る処理である。その詳細については、本発明で説明され
る処理ではないので、その説明は省略する。一方、類似
文字テーブル5の類似文字コードリストに存在する場合
(ステップS102でYES)、その類似文字の分類番
号をワーク記憶領域に記憶し、ステップS103に進
む。図8の例では、ステップS102で、ワーク記憶領
域に入力された“わ”の文字コードは、類似文字テーブ
ル102aの「類似文字分類番号」欄の1に存在するの
で、類似文字分類番号1がワーク記憶領域に記憶され
る。
【0043】ステップS103で、ワーク記憶領域に記
憶した類似文字分類番号に対応する類似文字の中間パタ
ーンを表示する。図8の例では、類似文字分類番号1の
類似文字の中間パターンとして、類似文字分類番号1の
中間パターン1〜6のストローク座標データが読み出さ
れ、図11に示されるような画面が文字入力板102a
上に表示される。
【0044】ここで、ステップS103で表示される画
面の詳細について、図11を用いて説明する。図11は
実施の形態1の類似文字の中間パターンの登録を行うた
めの操作画面を示す図である。図11において、900
が類似文字の中間パターンの登録を行うためのメインウ
ィンドウであり、文字入力板102aの登録指示領域4
32をペン11で指示した時に、文字入力板102a上
に表示される。901〜906は類似文字の中間パター
ン表示選択領域で、類似文字テーブル5の類似文字の中
間パターンのストロークが表示される。ユーザは、ペン
11で各中間パターン表示選択領域を指示することで、
所望の中間パターンを選択することができる。図11で
は、類似文字“わ”と“れ”の中間パターンが表示され
ている。
【0045】910は設定指示領域であり、ペン11で
指示すると、選択された中間パターンに識別関数が用い
られ類似文字識別関数閾値が算出される。そして、算出
された類似文字識別関数閾値が新しい閾値として、類似
文字テーブル5内の「類似文字識別関数閾値」欄にセッ
トされる。セットされた後、メインウィンドウ900は
閉じられる。911は中止指示領域であり、ペン11で
指示すると、選択された類似文字の中間パターンの登録
処理を中止する。中止後、メインウィンドウ900は閉
じられる。
【0046】尚、中間パターン表示選択領域901〜9
06では、選択されている中間パターンの中間パターン
表示選択領域をグレー表示している。また、ペン11の
指示によって、新たに中間パターン表示選択領域を選択
する場合も、その選択された中間パターン表示選択領域
がグレー表示される。図の例では、中間パターン表示選
択領域901、中間パターン表示選択領域902が選択
されていることがわかる。
【0047】再び、図10のフローチャートの説明に戻
る。ステップS104で、設定指示領域910が指示さ
れた否かを判定する。指示されない場合(ステップS1
04でNO)、ステップS109に進む。一方、指示さ
れた場合(ステップS104でYES)、ステップS1
05に進む。ステップS109で、中止指示領域911
が指示されたか否かを判定する。指示されない場合(ス
テップS109でNO)、ステップS103に戻る。一
方、指示された場合(ステップS109でYES)、ス
テップS110に進む。ステップS110で、類似文字
の中間パターンの登録処理を中止し、メインウインドウ
900を閉じる。
【0048】一方、ステップS105で、中間パターン
の選択処理を行う。図11の例では、中間パターン表示
選択領域901と中間パターン表示選択領域902が選
択されているが、新たに、別の中間パターン表示選択領
域がペン11で指示されるとその指示する中間パターン
表示選択領域に従って、選択された中間パターン表示選
択領域をグレー表示する。例えば、中間パターン表示選
択領域903がペン11で指示された場合、中間パター
ン表示選択領域901〜903の中間パターンも選択さ
れる。そして、中間パターン表示選択領域901〜90
3を図12に示すようなグレー表示にする。更に、中間
パターン表示選択領域902がペン11で指示された場
合は、中間パターン表示選択領域901、中間パターン
表示選択領域902をグレー表示にする。このように、
所望の中間パターン表示選択領域を指示すると、その指
示した中間パターン表示選択領域から中間パターン表示
選択領域901の間の中間パターン表示選択領域が選択
されるような処理が実行される。
【0049】上述の選択処理によって、選択された類似
文字の中間パターンのストロークの座標位置データをワ
ーク記憶領域に入力する。例えば、図11のメインウイ
ンドウ900における類似文字の中間パターンの選択状
況より、新たに中間パターン表示選択領域903の中間
パターンを選択すると、中間パターン表示選択領域90
3の中間パターン(類似文字の中間パターン3)に対応
するストロークの位置座標データがワーク記憶領域に入
力される。
【0050】ステップS106で、選択された類似文字
の中間パターンのストローク位置座標データに識別関数
を用い類似文字識別関数閾値を算出する。図12の例で
説明すると、“わ”と“れ”の識別関数は、図6で説明
したように入力されたストロークパターンの2筆目のス
トローク距離を11等分し、その9等分目の座標点と終
点を結んだ方向ベクトルの方向角度を算出する。ここで
は、“わ”と“れ”の類似文字の中間パターン3が入力
されるので、その方向角度として181度が算出され
る。
【0051】ステップS107で、算出された類似文字
識別関数閾値を類似文字テーブルに設定する。図12の
例で説明すると、“わ”と“れ”の類似文字識別関数閾
値として181度が新たに算出されるので、類似文字テ
ーブル5内の類似文字分類番号1の「類似文字識別関数
閾値」欄に閾値181度が格納される。つまり、この設
定以降に入力された手書き文字において、その手書き文
字が“わ”と“れ”の類似文字と識別され、その手書き
文字のストロークに識別関数を用いて得られた類似文字
識別関数閾値が181度以上である場合は、“わ”と認
識されることになる。
【0052】次に、実施の形態1で実行される処理の概
要について、図13のフローチャートを用いて説明す
る。図13は実施の形態1で実行される処理フローの概
要を示すフローチャートである。ステップS201で、
ペン11を用いて文字入力板102aへ手書き文字のス
トロークデータの入力処理を行なう。ステップS202
で、基本的な文字認識アルゴリズムによる認識候補の出
力処理を行なう。ここでは、例えば、特公昭62−39
460号等に記載の特徴点方式による文字認識アルゴリ
ズムを用いる。
【0053】ステップS203で、認識候補の第1候補
の文字コードが、類似文字テーブル5内に格納される類
似文字コードリストに存在するか否かを判定する。類似
文字コードリストに存在しない場合(ステップS203
でNO)、ステップS205に進む。一方、類似文字コ
ードリストに存在する場合(ステップS203でYE
S)、ステップS204に進む。
【0054】ステップS204で、類似文字の詳細識別
処理を行なう。この詳細は、図10のフローチャートで
説明した通りである。ステップS204で、認識結果表
示部4に送られてきた、認識候補の文字コードを用い
て、文字入力板102aの処理を行った文字枠に表示す
る。尚、実施の形態1では、手書き文字の入力操作中に
おいて、類似文字の中間パターンの登録処理について説
明した。しかし、ユーザによっては、手書き文字を入力
する以前に類似文字識別関数閾値を変更したい場合もあ
れば、類似文字の一覧をみたいという要求も存在する場
合もある。このような場合は、文字入力板102aの認
識辞書編集領域431をペン11で指示しすることで実
現される。
【0055】認識辞書編集領域431をペン11で指示
すると、図14に示すような認識辞書メンテナンスウイ
ンドウ1300が表示される。図14は実施の形態1の
認識辞書メンテナンスウインドウ1300の表示画面を
示す図である。認識辞書メンテナンスウィンドウ130
0内には、ユーザ登録辞書編集指示領域1301と類似
文字テーブル編集指示領域1302が構成されている。
ペン11で、ユーザ登録辞書編集指示領域1301が指
示されると、図10のステップS108で説明した処理
が実行される。また、類似文字テーブル編集指示領域1
302が指示されると、類似文字テーブル編集処理が起
動され、図15に示すような類似文字テーブルの一覧表
示1310が表示される。そして、表示された類似文字
の中から、所望の類似文字を選択することで、その選択
した類似文字に対し、図10のフローチャートで説明し
た類似文字の中間パターンの登録処理を実行することが
できる。
【0056】尚、ペン11によって指示される領域は、
ユーザに指示されたことを報知するためにグレー表示に
なる。図15は実施の形態1の類似文字テーブルの一覧
表示1310の表示画面を示す図である。図15の類似
文字テーブルの一覧表示1310内に表示される131
1は類似文字コードリスト表示領域であり、類似文字テ
ーブル5内に格納されている類似文字の文字コードの一
覧が表示される。1312はスクロール指示領域であ
り、ペン11で指示すると、指示している間だけ類似文
字コードリスト表示領域1311に表示される類似文字
がスクロールする。この指示により、全ての類似文字の
文字コードの一覧が表示される。そして、ユーザは、選
択したい所望の類似文字を、ペン11で類似文字コード
リスト表示領域1311を指示することで、類似文字コ
ードリスト表示領域1311に表示させた後、所望の類
似文字を指示する。この時、選択された類似文字は、ユ
ーザに指示されたことを報知するためにグレー表示にな
る。例えば、図15では、類似文字の“3”と“ろ”が
選択されている。
【0057】以上説明したように、実施の形態1によれ
ば、文字入力板102aに類似文字を識別するための類
似文字識別関数閾値を、ユーザが入力する類似文字の特
徴に適応させた類似文字識別関数閾値を随時設定するこ
とができる。そのため、ユーザが入力する類似文字に特
徴があるために、正確に識別できない類似文字でも、そ
の特徴に適応させた類似文字識別関数閾値を設定し、そ
の設定された類似文字識別関数閾値を用いて類似文字を
識別するので、類似文字の認識率を向上することができ
る。
【0058】<実施の形態2>実施の形態1では、類似
文字の中間パターン群を予め類似文字テーブル5に記憶
させ、その中間パターン群より所望の中間パターンを選
択して、類似文字識別関数閾値を算出した。実施の形態
2では、類似文字の中間パターンを各類似文字を構成す
るストローク同士を合成することで生成する。このた
め、実施の形態1に比べて、予め中間パターン群を記憶
することが必要なくなるので、類似文字テーブル5の記
憶容量を軽減することができる。
【0059】尚、実施の形態2の手書き文字認識装置の
概略構成は、実施の形態1と同様の構成を有するものと
し、その詳細な説明は省略する。また、実施の形態2の
手書き文字認識装置の機能構成は、図2の実施の形態1
の手書き文字装置の機能構成とほぼ同様の構成要素を有
し、図2の共通の構成要素には同じ番号を付し、ここで
の説明は省略する。図16において、9は類似文字を構
成するストロークを用いて合成し、その類似文字の中間
パターンを生成する類似文字中間パターン指示生成部で
ある。
【0060】図16は実施の形態2の手書き文字認識装
置の機能構成を示すブロック図である。類似文字中間パ
ターン指示生成部9は、類似文字指定部6で指定された
類似文字間を合成パターンを生成表示し、ユーザの指示
により所望の中間パターンを生成する。
【0061】次に類似文字中間パターン指示生成部9
で、生成される類似文字間の合成パターンの生成方法に
ついて、図17〜図19を用いて説明する。図17〜図
19は実施の形態2の類似文字間の合成パターンの生成
方法を説明するための図である。図17の(a)は類似
文字“わ”と“れ”の“わ”の標準的なストロークパタ
ーンであり、図17の(b)は類似文字“わ”と“れ”
の“れ”の標準的なストロークパターンである。図18
は、文字入力板102aの文字枠に表示される図17に
示される“わ”と“れ”の各ストロークパターンを合成
して得られる合成パターンであり、“わ”の2筆目と
“れ”の2筆目が合成される。図18に示されるよう
に、“わ”の2筆目のストローク距離の始点から終点を
20等分し、同様に“れ”の2筆目のストローク距離の
始点から終点を20等分する。更に、“わ”の2筆目の
ストロークの始点と“れ”の2筆目のストロークの始
点、“わ”の2筆目のストロークの1/20点と“れ”
の2筆目のストロークの1/20点、…、“わ”の2筆
目のストロークの1/20点と“れ”の2筆目のストロ
ークのn/20点(nは1から20の整数)というよう
に、各座標点同士を対応付けRAM101に記憶する。
そして、その合成パターンを構成する図17の“わ”の
ストロークと“れ”のストロークとの間を、ペン11で
所望の中間パターンを、例えば、図19のストロークE
のように入力する。
【0062】所望の中間パターンの座標位置データは、
すなわち、図18の始点As、始点Bsを結んだ直線と
図19のストロークEが交差する点が、所望の中間パタ
ーンの始点Esになる。“わ”のストロークと“れ”の
ストロークの1/20点を、例に挙げて説明すると、
“わ”の2筆目のストロークの1/20点の座標位置デ
ータA1が(54,25)、“れ”の2筆目のストロー
クの1/20点の座標位置データB1が(47,18)
であるとすると、その間を結ぶ直線上の任意の座標位置
データを所望の中間パターンのストロークEの1/20
点の位置座標データとして選択する。図19では、スト
ロークEの1/20点が、座標位置データA1(54,
25)と座標位置データB1(47,18)を結ぶ直線
と交差する座標位置データE1(48,20)が選択さ
れている。
【0063】同様にして、図17の“わ”のストローク
の2/20点の座標位置データA2、図17の“れ”の
ストロークの2/20点の座標位置データB2を結んだ
直線とストロークEが交差する点が、所望の中間パター
ンのストロークの1/20点の座標位置データE2にな
る。同様に、図17の“わ”のストロークの終点(20
/20点)の座標位置データAe、図17の“れ”のス
トロークの終点(20/20点)の座標位置データBe
を結んだ直線と、ストロークEが交差する点が所望の中
間パターンのストロークの終点(20/20点)の座標
位置データEeになる。この様にして、Es〜Eeの各
座標位置データからなる所望の中間パターンのストロー
クが生成される。
【0064】また、図17の“わ”のストロークと
“れ”のストロークのパターンそれぞれは、図4の類似
文字の中間パターンのテーブルに対し、図20に示され
るような類似文字の中間パターン1と中間パターン2と
して格納しておく。また、類似文字中間パターン指示生
成部9が起動されると、“わ”の標準的パターンと
“れ”の標準的パターンに対応する類似文字の中間パタ
ーン1と中間パターン2が読み出され、合成されたスト
ロークが文字枠に表示される。
【0065】次に実施の形態2で実行される類似文字の
任意の中間パターンの生成処理について、図21のフロ
ーチャートを用いて説明する。図21は実施の形態2の
類似文字の任意の中間パターンを生成する処理フローを
示すフローチャートである。尚、図21のフローチャー
トで実行される処理は、図10のステップS103を置
き換えてなされる処理であり、それ以外の処理は図10
のフローチャートと同様なので、その説明は省略する。
【0066】ステップS210で、入力された類似文字
間の標準的パターンを合成し合成パターンを、その入力
された文字枠に表示する。ステップS211で、ユーザ
は、表示された合成パターン内にペン11で、所望の中
間パターンを入力する。以上説明したように、実施の形
態2によれば、類似文字テーブル5の類似文字間の標準
的パターンを合成して得られる合成パターンを用いて、
所望の中間パターンをペン11によって生成する。その
ため、実施の形態1に比べて、予め類似文字テーブル5
に格納しておく類似文字の中間パターンとして、類似文
字間の標準的パターンのみを格納しておくだけで、実施
の形態1と同様の効果を得られるばかりか、類似文字テ
ーブル5の記憶容量が軽減される。
【0067】また、実施の形態1では、中間パターンの
数は限られているが、実施の形態2では、ユーザによっ
て所望の中間パターンを入力できる構成であるので、そ
の中間パターンの数は無限に近く生成できる。そのた
め、より詳細にユーザの筆跡に適応した類似文字識別関
数閾値の設定が可能であり、認識率も向上する。尚、本
発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ、イン
タフェース機器、リーダ、プリンタ等)から構成される
システムに適用しても、一つの機器からなる装置(例え
ば、複写機、ファクシミリ装置等)に適用してもよい。
【0068】また、本発明の目的は、前述した実施形態
の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記
録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そ
のシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPU
やMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを
読出し実行することによっても、達成されることは言う
までもない。
【0069】この場合、記憶媒体から読出されたプログ
ラムコード自体が上述した実施の形態の機能を実現する
ことになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体
は本発明を構成することになる。プログラムコードを供
給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディ
スク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、
CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモ
リカード、ROMなどを用いることができる。
【0070】また、コンピュータが読出したプログラム
コードを実行することにより、前述した実施形態の機能
が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示
に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレ
ーティングシステム)などが実際の処理の一部または全
部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能
が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0071】更に、記憶媒体から読出されたプログラム
コードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードや
コンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメ
モリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基
づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わる
CPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その
処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合
も含まれることは言うまでもない。
【0072】本発明を上記記憶媒体に適用する場合、そ
の記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応す
るプログラムコードを格納することになるが、簡単に説
明すると、図22のメモリマップ例に示す各モジュール
を記憶媒体に格納することになる。すなわち、少なくと
も「設定モジュール」、「判定モジュール」、「算出モ
ジュール」、「比較モジュール」および「識別モジュー
ル」の各モジュールのプログラムコードを記憶媒体に格
納すればよい。
【0073】尚、「設定モジュール」は、類似文字を識
別するための所望の閾値を設定する。「判定モジュー
ル」は、文字が類似文字であるか否かを判定する。「算
出モジュール」は、文字が類似文字と判定された場合、
該類似文字間の特徴量を算出する。「比較モジュール」
は、類似文字と判定された文字の特徴量を算出し、該算
出された特徴量と設定された該類似文字の閾値を比較す
る。「識別モジュール」は、比較の結果に基づいて、類
似文字と判定された文字を該類似文字のいずれかとして
識別する。
【0074】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば、類似文字の識別精度を向上し、かつ入力さ
れた文字の認識を向上する文字認識装置及びその方法を
提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の手書き文字認識装置の構成を示
すブロック図である。
【図2】実施の形態1の手書き文字認識装置の機能構成
を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1の類似文字テーブルの詳細な構造
を示す図である。
【図4】実施の形態1の類似文字の中間パターンの種類
の構成を示す図である。
【図5】実施の形態1の図4の類似文字の中間パターン
群の1つを示す図である。
【図6】実施の形態1の類似似文字識別関数閾値の算出
方法を説明するための図である。
【図7】実施の形態1の文字入力板102aに手書き文
字を入力した様子を示す図である。
【図8】実施の形態1の図7で入力された手書き文字の
認識結果を示す図である。
【図9】図9は実施の形態1の図8で得られる認識結果
に対して実行した修正操作完了後の様子を示す図であ
る。
【図10】実施の形態1の類似文字の登録処理の処理フ
ローを示すフローチャートである。
【図11】実施の形態1の類似文字の中間パターンの登
録を行うための操作画面を示す図である。
【図12】実施の形態1の類似文字の中間パターンの登
録を行うための操作画面の操作例を示す図である。
【図13】実施の形態1で実行される処理フローの概要
を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態1の認識辞書メンテナンスウイン
ドウ1300の表示画面を示す図である。
【図15】実施の形態1の類似文字テーブルの一覧表示
1310の表示画面を示す図である。
【図16】実施の形態2の手書き文字認識装置の機能構
成を示すブロック図である。
【図17】(a)は類似文字“わ”と“れ”の“わ”の
標準的なストロークパターンであり、(b)は類似文字
“わ”と“れ”の“れ”の標準的なストロークパターン
を示す図である。
【図18】実施の形態2の図17に示される“わ”と
“れ”の各ストロークパターンを合成して得られる合成
パターンを示す図である。
【図19】実施の形態2の図18に示される合成パター
ンを用いて、生成される所望の中間パターンを示す図で
ある。
【図20】実施の形態2の類似文字テーブル5に格納さ
れる類似文字の中間パターンの構成を示す図である。
【図21】実施の形態2の類似文字の任意の中間パター
ンを生成する処理フローを示すフローチャートである。
【図22】本発明で実行される処理フローのプログラム
を記憶させたFDのメモリマップの構造を示す図であ
る。
【符号の説明】
11 入力ペン 100 CPU 101 RAM 101a バッファエリア 102 表示部 102a 文字入力板 103 表示制御部 103a VRAM 104 座標検出板 105 座標検出部 106 認識用辞書 107 I/F 108 バス 109 キーボード 110 ROM 111 FDD

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された文字を認識する文字認識装置
    であって、 類似文字を識別するための所望の閾値を設定する設定手
    段と、 前記文字が類似文字であるか否かを判定する判定手段
    と、 前記判定手段の判定の結果、前記文字が類似文字と判定
    された場合、該類似文字間の特徴量を算出する算出手段
    と、 前記類似文字と判定された文字の特徴量を前記算出手段
    によって算出し、該算出された特徴量と前記設定手段で
    設定された該類似文字の閾値を比較する比較手段と、 前記比較手段の比較の結果に基づいて、前記類似文字と
    判定された文字を該類似文字のいずれかとして識別する
    識別手段とを備えることを特徴とする文字認識装置。
  2. 【請求項2】 前記識別手段で識別された文字に対応す
    る文字コードを出力する出力手段とを更に備えることを
    特徴とする請求項1に記載の文字認識装置。
  3. 【請求項3】 前記設定手段は、前記算出手段で算出さ
    れる特徴量を段階的に変化させた中間パターン群を記憶
    する記憶手段と、 前記段階的に変化させた中間パターン群を表示する表示
    手段と、 前記表示手段に表示された中間パターン群のいずれかを
    選択する選択手段とを備え、 前記選択手段で選択された中間パターンの特徴量を前記
    算出手段を用いて算出し、該算出された特徴量を閾値と
    して設定することを特徴とする請求項1に記載の文字認
    識装置。
  4. 【請求項4】 前記判定手段は、入力された文字を認識
    し、認識された文字に対応する文字コードを獲得する獲
    得手段と、 前記獲得手段で獲得された文字コードと、前記記憶手段
    に記憶される文字コードとを照合する照合手段とを備
    え、 前記照合手段の照合の結果に基づいて、類似文字である
    か否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の文
    字認識装置。
  5. 【請求項5】 前記設定手段は、ユーザによって手書き
    の類似文字を入力する入力手段とを備え、 前記入力手段で入力された手書きの類似文字の特徴量を
    前記算出手段によって算出し、該算出された特徴量を閾
    値として設定することを特徴とする請求項1に記載の文
    字認識装置。
  6. 【請求項6】 前記入力手段は、前記判定手段で判定さ
    れた類似文字のそれぞれを重ねて表示する表示手段を備
    え、 前記表示手段で重ねて表示された類似文字上に、前記手
    書きの類似文字を入力することを特徴とする請求項5に
    記載の文字認識装置。
  7. 【請求項7】 入力された文字を認識する文字認識方法
    であって、 類似文字を識別するための所望の閾値を設定する設定工
    程と、 前記文字が類似文字であるか否かを判定する判定工程
    と、 前記判定工程の判定の結果、前記文字が類似文字と判定
    された場合、該類似文字間の特徴量を算出する算出工程
    と、 前記類似文字と判定された文字の特徴量を前記算出工程
    によって算出し、該算出された特徴量と前記設定工程で
    設定された該類似文字の閾値を比較する比較工程と、 前記比較工程の比較の結果に基づいて、前記類似文字と
    判定された文字を該類似文字のいずれかとして識別する
    識別工程とを備えることを特徴とする文字認識方法。
  8. 【請求項8】 前記識別工程で識別された文字に対応す
    る文字コードを出力する出力工程とを更に備えることを
    特徴とする請求項7に記載の文字認識方法。
  9. 【請求項9】 前記設定手段は、前記算出手段で算出さ
    れる特徴量を段階的に変化させた中間パターン群を記憶
    媒体に記憶する記憶工程と、 前記段階的に変化させた中間パターン群を表示する表示
    工程と、 前記表示工程で表示された中間パターン群のいずれかを
    選択する選択工程とを備え、 前記選択工程で選択された中間パターンの特徴量を前記
    算出工程を用いて算出し、該算出された特徴量を閾値と
    して設定することを特徴とする請求項7に記載の文字認
    識方法。
  10. 【請求項10】 前記判定工程は、入力された文字を認
    識し、認識された文字に対応する文字コードを獲得する
    獲得工程と、 前記獲得手段で獲得された文字コードと、前記記憶工程
    で記憶媒体に記憶される文字コードとを照合する照合工
    程とを備え、 前記照合工程の照合の結果に基づいて、類似文字である
    か否かを判定することを特徴とする請求項7に記載の文
    字認識方法。
  11. 【請求項11】 前記設定工程は、ユーザによって手書
    きの類似文字を入力する入力工程とを備え、 前記入力工程で入力された手書きの類似文字の特徴量を
    前記算出工程によって算出し、該算出された特徴量を閾
    値として設定することを特徴とする請求項7に記載の文
    字認識方法。
  12. 【請求項12】 前記入力工程は、前記判定工程で判定
    された類似文字のそれぞれを重ねて表示する表示工程を
    備え、 前記表示工程で重ねて表示された類似文字上に、前記手
    書きの類似文字を入力することを特徴とする請求項11
    に記載の文字認識方法。
  13. 【請求項13】 文字認識処理のプログラムコードが格
    納されたコンピュータ可読メモリであって、 類似文字を識別するための所望の閾値を設定する設定工
    程のコードと、 前記文字が類似文字であるか否かを判定する判定工程の
    コードと、 前記判定工程の判定の結果、前記文字が類似文字と判定
    された場合、該類似文字間の特徴量を算出する算出工程
    のコードと、 前記類似文字と判定された文字の特徴量を前記算出工程
    によって算出し、該算出された特徴量と前記設定工程で
    設定された該類似文字の閾値を比較する比較工程のコー
    ドと、 前記比較工程の比較の結果に基づいて、前記類似文字と
    判定された文字を該類似文字のいずれかとして識別する
    識別工程のコードとを備えることを特徴とするコンピュ
    ータ可読メモリ。
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