JPH09189662A - 電気化学発光セル及び電気化学発光分析装置 - Google Patents
電気化学発光セル及び電気化学発光分析装置Info
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- JPH09189662A JPH09189662A JP8000731A JP73196A JPH09189662A JP H09189662 A JPH09189662 A JP H09189662A JP 8000731 A JP8000731 A JP 8000731A JP 73196 A JP73196 A JP 73196A JP H09189662 A JPH09189662 A JP H09189662A
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Abstract
光セルを提供する。 【解決手段】 ガラス性の試料セル1の底面に透明電極
2を形成して作用極とし、作用極に試料を接触させて配
置し、試料セル1の底部下方に光検出器4を配置する。
透明電極代わりに多孔性薄膜電極又は網目状導電性電極
を用いてもよい。 【効果】 作用極上に捕捉された磁気ビーズに固定化さ
れた発光試薬からの発光は作用極及び透明基板を透過し
て光検出器に到達する。作用極表面で散乱される光はご
くわずかであるので、電気化学発光を直接に効率良く検
出することができ、高感度測定を行うことが可能とな
る。
Description
り液体中の化学成分を分析する装置に関し、特に医療用
の高感度化学分析装置に関する。
を測定する装置がクリニカルケミストリー、第37/9
巻、1991年、第1534頁〜第1539頁(Clinic
al Chemistry, 37/9(1991), pp1534-1539)に記載され
ている。この装置では、金の作用極と対極の間に電流を
流し、銀/塩化銀電極と作用極との間に電圧を印加して
いる。また、電極は不透明な金属電極で、電気化学発光
は作用極上の試料層を介して光検出器で検出している。
ビーズ上に蛋白質を固定化し、トリス(ビピリジル)ル
テニウムを結合した抗体と反応させることで、最終的に
磁気ビーズ上に発光試薬であるトリス(ビピリジル)ル
テニウムを導入している。磁気ビーズは金の作用極上に
磁石で捕捉され、作用極と対極の間に電流を流し、トリ
ス(ビピリジル)ルテニウムと作用極を電気化学反応さ
せる。
(ビピリジル)ルテニウムのうち、作用極に接触するト
リス(ビピリジル)ルテニウムのみが電気化学反応に関
与して発光する。トリス(ビピリジル)ルテニウムから
出射した光は金の作用極表面で反射して、作用極の上方
に配置された光検出器に到達する。しかし、出射光の多
くは作用極表面で散乱され、また作用極表面で反射した
光のあるものは隣接する磁気ビーズで遮蔽されて光検出
器に到達できない。したがって、光検出器は電気化学発
光のうち一部分しか検出できないため検出効率が低く、
感度が低いという問題が有った。本発明は、電気化学発
光の検出効率の高い電気化学発光セルを提供することを
目的とする。
多孔性薄膜電極又は網目状電極等からなり光を透過させ
ることのできる作用極をセルの底面を構成する透明基板
上に形成し、作用極に試料を接触させ、試料から発せら
れる電気化学発光を作用極及び透明なセル底面を介して
光検出器で検出することによって達成される。
少なくとも作用極と対極を含む複数の電極を備え、前記
電極に電圧を印加して試料中に含有される発光試薬の電
気化学発光を検出する電気化学発光セルにおいて、作用
極は、透明電極であり、少なくとも一部が透明なセルの
底面上に形成されていることを特徴とする。透明電極は
ITO又は酸化スズで作製することができる。
多孔性薄膜電極は、白金、パラジウム、ルテニウム、
金、銀又はカーボンをスパッタリング、真空加熱蒸着又
は電子ビーム蒸着することにより形成することができ、
膜厚は200nm以下とすることができる。作用極は、
また網目状電極としてもよい。網目状電極は、白金、パ
ラジウム、ルテニウム、金、銀又はカーボンをスパッタ
リング、真空加熱蒸着又は電子ビーム蒸着により成膜
し、フォトリソグラフィー技術及びエッチング技術によ
りパターン形成することにより作製することができる。
ネイト等からなり、300nm〜1500nmの波長の
光を透過させるのが好ましい。電気化学発光セルは、例
えば、表面に作用極が形成された透明な下部支持基板
と、流路となる貫通部が設けられたスペーサと、前記ス
ペーサの流路に接続される試料導入部及び試料排出部を
備え表面に対極が形成された上部支持基板とが液密に重
ねられた構造とすることができる。
述の電気化学発光セルと、セルの透明な底面を透過する
光を検出する光検出器を備える。磁気ビーズを使用する
場合には、磁石を備え、作用極と光検出器の相対位置及
び作用極と磁石の相対位置を変化させる手段を備えるの
が望ましい。発光試薬はトリス(ビピリジル)ルテニウ
ム又はその誘導体とすることができる。
トリス(ビピリジル)ルテニウムは磁石により、透明電
極、多孔性薄膜電極又は網目状電極からなる作用極上に
捕捉される。作用極と対極の間に電圧を印加して電流を
流し、作用極に接触するトリス(ビピリジル)ルテニウ
ムを電気化学反応させて発光させる。作用極は光を通す
ことができ、かつセルの透明基板上に形成されているの
で、作用極上で発生した電気化学発光は作用極及び透明
基板を透過して光検出器に到達する。したがって、作用
極表面で散乱される光はごくわずかであるので、トリス
(ビピリジル)ルテニウムから出射した光を直接に効率
良く検出することができ、高感度測定を行うことが可能
となる。
施の形態を説明する。本発明の第1の実施の形態を図1
に示す。(a)は斜視図、(b)は(a)のa−a’の
線で切った断面図である。ガラスなどの透明な試料セル
1の底面の内壁面に透明電極2を設け、側面の内壁面に
白金などの貴金属材料からなる電極3を設けた。透明電
極2及び電極3の一部は試料セル1の壁面を貫通し、外
壁面の表面に露出して外部回路と接続できる構造となっ
ている。底面の外壁面近傍には光検出器4が設置されて
おり、試料セル内部における電気化学発光を、透明電極
2及び試料セル底面を介して検出する。
などの磁化される材料等で形成されたビーズを利用す
る。すなわち、ビーズ表面を高分子膜で被覆し、その高
分子膜上に目的成分と特異的に反応する抗体等を固定化
する。他の場所に設置してある恒温槽で血清などの試料
中の目的成分と上記抗体固定化ビーズとを反応させ、ビ
ーズ上に抗体−目的成分結合体を形成させる。さらにト
リス(ビピリジル)ルテニウムなどの発光試薬をラベル
した抗体を上記抗体−目的成分結合体と反応させ、ビー
ズ表面に抗体−目的成分−ラベル抗体の結合体を形成
し、トリス(ビピリジル)ルテニウムなどの発光試薬を
ビーズ表面に導入する。
後、血清試料及びビーズを含む混合溶液5を試料セル1
に移し変え、さらにトリプロピルアミンなどの還元試薬
を添加する。試料セル1を一定時間静止させると、混合
溶液5中のビーズの一部あるいはすべては重力により試
料セル底面の透明電極2の表面に沈殿する。この状態で
透明電極2と電極3の間に適切な電圧を印加すると、透
明電極に接触しているトリス(ビピリジル)ルテニウム
などの発光試薬が酸化され、トリプロピルアミンと反応
して還元された後再び酸化されることを繰り返し、約6
20nmの光を持続的に発光する。
面を介して光電子増倍管等の光検出器4で検出し、発光
強度から目的成分濃度を求める。発光波長の広がりを考
慮すると、セル材料は300〜1500nmの光に対し
て透明であることが望ましい。透明セル1はガラスの
他、アクリル、ポリカーボネイト等の透明材料で作るこ
とができる。
重さが、電極との接触面積すなわち発光強度及び沈殿時
間すなわち分析時間にそれぞれ影響を及ぼすので、ビー
ズの大きさ及び重さを最適化する必要がある。また、重
力を利用してビーズを集めるので、最大の感度を得るた
めには、透明電極2の表面は重力の方向に対して垂直に
なるよう設置することが望ましい。本発明の第2の実施
の形態を図2に示す。第2の実施の形態では、第1の実
施の形態と同型であるが、電極3をセル壁面から取り去
った試料セル1を用いる。電極3の代わりに、セルの外
部に設置した金属電極6を用いる。
重力に対して垂直方向すなわち水平方向に移動させる。
金属電極6及び光検出器4は、それぞれの中心線を一致
させ、かつその中心線b−b’が重力の方向と平行にな
るように配置する。水平方向に移動する試料セル1は、
セルの中心がb−b’に到達したとき一時停止させる。
停止した状態で金属電極6が下方に移動し、試料セル1
の中のトリプロピルアミンが添加された混合溶液5の中
に浸される。また、試料セル1の底面に形成された透明
電極2の一部は底面を貫通し、底面の表面に露出して外
部回路と接続できる構造となっているので、外部回路と
の接続部8が上下に移動して、上記接続部に設けられた
電極9を透明電極2に接触させて外部回路と接続する。
でに一定時間を要するので、その間に混合溶液5中のビ
ーズの一部あるいはすべては重力により試料セル底面の
透明電極表面に沈殿する。この状態で透明電極2と金属
電極6の間に適切な電圧を印加すると、透明電極2に接
触しているトリス(ビピリジル)ルテニウムなどの発光
試薬が酸化、還元され、トリプロピルアミンとの反応を
経て持続的に発光する。この発光を透明電極2及び試料
セル1の底面を介して光検出器4で検出し、発光強度か
ら目的成分濃度を求める。この方式では、試料セル1を
順次測定位置に移動させることができるので、単位時間
内に大量の試料中の目的成分濃度の測定が可能である。
明する。第3の実施の形態で用いる試料セルはフロース
ルー型のセルであり、(a)図は斜視図、(b)図は
(a)図のc−c’の線で切った断面図である。第1及
び第2の実施の形態と同様に、他の場所に設置してある
恒温槽で血清などの試料中の目的成分と磁化可能なビー
ズとを反応させ、ビーズ表面に抗体−目的成分−ラベル
抗体の結合体を形成し、トリス(ビピリジル)ルテニウ
ムなどの発光試薬をビーズ表面に導入する。
ル12中に流し込み、出口11から外部に排出する。フ
ロースルー型セル12は、セルの入口10及び出口11
付近では流れ方向に垂直な面で切った断面形状は円形で
あるが、セルの中心部付近では流れ方向に垂直な面で切
った断面形状が長方形である。円形断面部及び長方形断
面部を結合する部分13ではセルがテーパー状に形成さ
れており、断面積がゆるやかに変化している。このよう
なテーパー形状により試料中成分が滞ることなくセル中
を流れることができ、キャリーオーバーを小さく抑える
ことができる。
電極3、底面には透明電極2が形成されており、それぞ
れ信号線14で外部測定回路に接続されている。この例
では、セルの入口から導入される混合溶液中の磁化可能
なビーズを磁石15により透明電極2の表面に捕捉す
る。ビーズを透明電極2の表面に捕捉した後、透明電極
2と不透明電極3の間に適切な電圧を印加して、透明電
極2に接触しているトリス(ビピリジル)ルテニウムを
発光させる。この発光を透明電極2及びセル12の壁面
を介して光検出器4で検出する。この配置によると電極
2,3を同形状として対向配置することができるため、
電界が一ヶ所に集中することがなく、透明電極2の全面
に捕捉した磁気ビーズの発光試薬を均一に発光させるこ
とができる。
4による電気化学発光の検出はほぼ同じ位置で行う必要
があるため、セル12と光検出器4及び磁石15の相対
的な位置を変化させることができる構造となっている。
図3では磁石15を垂直方向、光検出器4を水平方向に
移動させる機構を設置してある。磁石15でビーズを捕
捉するときには磁石15が透明電極2近傍に移動され、
電気化学発光を検出するときは光検出器4が透明電極2
の近傍に移動される。
では、試料液と洗浄液を連続して交互に流すことがで
き、複数試料の迅速測定に有効である。また、複数試料
の測定に対して、同一の透明電極2を用いることができ
るので電極間の性能のばらつきは問題とならず、高い精
度で測定を行うことができる。第1から第3に示した実
施の形態において、透明電極2の材料としてはインジウ
ム及びスズの酸化物〔インジウムティンオキサイド(I
TO)〕又は酸化スズを用いることができる。
明する。(a)は斜視図、(b)は各部を分解した図、
(c)は(a)のd−d’の線で切った断面図を示す。
この実施の形態の装置は、標準液、血清などが流れるフ
ローセル部16と発光を検出する光検出器4から構成さ
れている。フローセル部16は下部支持基板17、スペ
ーサー18及び上部支持基板19を積層した構造であ
る。標準液、血清などの液体試料は上部支持基板19に
形成された一方のチューブ20によりフローセル中に導
入され、他方のチューブ21から排出される。スペーサ
ー18には中央部が幅広く、周辺部が狭くなるように菱
形状の溝22が形成されている。周辺部の狭い部分がそ
れぞれチューブ20及び21の開口部に位置合わせさ
れ、菱形状の溝22が液体試料が流れる流路となる。
には光透過性、多孔性薄膜又は網目状の導電性電極23
が設けられており、その導電性電極23の一部が液体試
料と接触し、作用極として機能する。作用極23を流れ
る電流信号はリード線24を介して外部測定回路に接続
される。一方、上部支持基板19には白金、金などの金
属電極25が形成されており、金属電極25の一部が液
体試料と接触し、対極として機能する。対極25の信号
はリード線26を介して外部測定回路に接続される。
ルテニウムなどの発光試薬を作用電極23上に捕捉し、
作用極23と対極25の間に所定の電圧を印加して電流
を流すと、トリス(ビピリジル)ルテニウムと作用極2
3が電気化学反応を起こし、トリス(ビピリジル)ルテ
ニウムが約620nmの光を発光する。作用極23は光
透過性、多孔性薄膜又は網目状であり、下部支持基板1
7は透明であるので、トリス(ビピリジル)ルテニウム
から出射した光は作用極23及び透明基板17を透過し
て光検出器4に到達する。したがって、作用極23の表
面で散乱される光はごくわずかであり、また試料溶液に
よる吸収が無いので発光を効率良く、高感度に検出する
ことができる。発光波長の広がりを考慮すると、透明基
板材料17は約300〜1500nmの光に対して透明
であることが望ましい。
よって作製される。網目状の作用極23として、格子状
の網目電極を用いた例を図5に示す。網目電極27は白
金を材料とし、スパッタリング法又は電子ビーム蒸着法
により薄膜形成した。格子パターンの形成には、格子状
のマスクを用いて薄膜形成するか、リフトオフ法を用い
ることができる。リフトオフ法は半導体プロセスで用い
られる方法であり、透明基板上にあらかじめホトレジス
トのパターンを形成しておき、全面に白金薄膜を形成し
た後ホトレジストを除去して、ホトレジストの無い部分
に白金パターンを形成する。高い感度を得るためには、
例えばビーズとの接触面積が最大になるよう白金格子の
大きさを設計することが望ましい。上記方法によれば格
子状のみではなく、任意のパターン形状の網目電極を形
成することができる。
下、好ましくは10nm以下にすれば、白金薄膜は連続
した均一な厚さの膜ではなく、微細な形態は島状とな
る。電気的には上記島々は接触しているが、不均一な膜
となり、半透明電極を形成することができる。これが前
記した多孔性薄膜電極である。多孔性薄膜電極の一例で
ある白金薄膜の微細構造の概念図を図6に示す。ガラス
などの下部支持基板17上に、0.03Torrのアル
ゴンガス雰囲気中で、白金をターゲットとして高周波ス
パッタリングにより薄膜形成すると、図6(a)のよう
に多くの島28がお互いに一部で接触した構造となる。
この電極表面にビーズ29を捕捉すると、図6(b)に
示すように、球状ビーズ29の表面は白金電極28と複
数の箇所30,31で接触する可能性を持つ。したがっ
て、電極28と接触した部分のビーズ29に固定化され
ているトリス(ビピリジル)ルテニウムが発光するの
で、1個のビーズから複数の発光を得ることができ、高
感度測定を行うことができる。一方、白金電極あるいは
透明電極が均一な厚さを有する場合、球状ビーズと電極
表面との接点は1箇所のみとなり、1個のビーズに対し
て1箇所の接触点のみが発光することになる。
しなくても光を透過するので、網目電極のように複雑な
工程を経なくても製作することができ、製作時間及びコ
ストを低減させることができ、かつ高感度測定を行うこ
とができる。また、白金のように化学的に安定な材料を
用いることができるので、長期安定性に優れたセルを作
製することができる。
は網目状の導電性電極は白金の他、パラジウム、ルテニ
ウム、金、銀、カーボンを材料とすることができ、真空
加熱蒸着又は電子ビーム蒸着の方法によっても形成する
ことができる。本発明の第5の実施の形態を図7により
説明する。図7(a)は部分断面正面図、図7(b)は
その側面図である。第4の実施の形態のフローセル部1
6の下方に、光検出器4及び磁石15を移動可能に配置
した。駆動機構としては、例えばナット33a,34a
とボールネジ32aを組み合わせた駆動機構を用いるこ
とができる。すなわち、光検出器4及び磁石15をボー
ルネジ32aで駆動されるナット33a,34a、及び
ボールネジ32aと平行に配置されたガイド棒32bが
貫通するスライダ33bに固定する。36は、ボールネ
ジ32aの支持部材である。図7(a)において、パル
スモータ35を正回転あるいは逆回転させてボールネジ
32aを正逆回転させると、光検出器4及び磁石15は
一定距離を保ったまま右方あるいは左方に移動する。し
たがって、光検出器4又は磁石15を、フローセル16
中の作用極23の下の透明基板近傍に移動して設置する
ことができる。
光試薬を磁化可能なビーズの表面に蛋白質を介して固定
化し、血液などの試料と反応させた後、上記ビーズ及び
トリプロピルアミンなどの試薬を含む液をフローセル中
に導入する。そのときパルスモータ35を動作させ、磁
石15を作用極23の下に設置すると、試料中のビーズ
は磁石15の引力により作用極23上に捕捉される。こ
の状態で試料の流れを止め、パルスモータ35を動作さ
せて磁石15を作用極の下から移動し、次にパルスモー
タ35を逆回転させて光検出器4を作用極23の下に移
動させる。そして作用極23と対極25の間に電流を流
すと作用極上でトリス(ビピリジル)ルテニウム及びト
リプロピルアミンが電気化学反応し、ビーズに固定化さ
れたトリス(ビピリジル)ルテニウムが発光する。この
発光を透明な下部支持基板17を介して光検出器4で検
出する。この方法によればトリス(ビピリジル)ルテニ
ウムの発光を直接に光検出器で検知できるので高感度測
定を行なうことができる。
明する。これは図7の電気化学発光セルを用いた分析シ
ステムの構成を示すものである。試薬37、試料38又
は洗浄液39をサンプリングプローブ40及びポンプ4
1により本発明の電気化学発光セル16に導入し、使用
済み後は廃液ボトル42に廃棄する。電気化学発光セル
16の下流には参照電極43が設置されており、電気化
学発光セル中の作用極及び対極とともにポテンシオスタ
ット44に信号線45で接続され、3電極法のポーラロ
グラム測定システムを構成する。
たように、光検出器4及び磁石15がボールネジ32a
によって可動に配置されている。ボールネジ32aはパ
ルスモータ25によって回転駆動され、パルスモータ3
5は信号線46を介して制御装置47により制御され
る。光検出器4からの信号は、信号線48により増幅器
又はホトンカウンター49に接続され、増幅器又はホト
カウンター49はポテンシオスタット44及び制御装置
47とともにコンピュータ50に接続され、濃度計算な
どの演算処理が行なわれる。ポテンシオスタット44に
よる電流の印加、パルスモータ32aによる磁石15及
び光検出器4の移動、光検出器4による信号のサンプリ
ングは相互に連携しあいながら第5の実施の形態で説明
したような秩序にコンピュータ50により制御される。
本システムにより、複数の試料を連続して、迅速にかつ
高感度に測定することができる。
形態において、作用極にインジウム・ティン・オキサイ
ド(Indium Tin Oxide)、対極に白金電極、透明基板に
厚さ0.5mmのガラス基板、磁石に1.2テスラの永
久磁石、光検出器に光電子増倍管を用い、図8の分析シ
ステムの中に組み込んで評価した。磁化可能なビーズの
表面には Thyroid Stimulating Hormone(甲状腺刺激ホ
ルモン、TSH)抗体を固定化しておき、他の場所に設
置した恒温槽中で、あらかじめ上記TSH抗体と試料中
のTSHを反応させ、更に続いて発光試薬であるトリス
(ビピリジル)ルテニウムでラベルしたTSH抗体をT
SHと反応させた。すなわちビーズの表面にはTSH抗
体−TSH−TSH抗体のサンドイッチ構造を介してト
リス(ビピリジル)ルテニウムが固定化されたことにな
る。この磁気ビーズをトリプロピルアミンとともにフロ
ーセルに導入し、磁石で作用極上に捕捉する。作用極と
対極の間に電流を流して、作用極近傍に存在するトリス
(ビピリジル)ルテニウムを発光させ、その発光を透明
基板を介して光電子増倍管で検出して、TSHの濃度を
求めた。
SH濃度と光電子増倍管の出力の関係である。比較のた
めに従来法によって求めたTSH濃度と光電子増倍管の
出力の関係も白丸で示してある。この図より、本発明の
電気化学発光セルを用いることにより飛躍的に高感度化
することができることが分かる。
ビーズに固定化された発光試薬からの発光は作用極及び
透明基板を透過して光検出器に到達する。したがって、
作用極表面で散乱される光はごくわずかであるので、発
光試薬から出射した光を直接に効率良く検出することが
でき、高感度測定を行うことが可能となる。
発光セルの概略図。
発光セルの概略図。
発光セルの概略図。
発光セルの概略図。
光セルの概略図。
発光セルシステムの概略図。
ステムの構成図。
検出器、5…混合溶液、6…金属電極、7…支持体、8
…接続部、9…電極、10…入口、11…出口、12…
フロースルー型セル、13…結合部分、14…信号線、
15…磁石、16…フローセル部、17…下部支持基
板、18…スペーサー、19…上部支持基板、20…チ
ューブ、21…チューブ、22…溝、23…作用極、2
4…リード線、25…対極、26…リード線、27…格
子状網目電極、28…白金電極、29…ビーズ、30…
接触部、31…接触部、32a…ボールネジ、32b…
ガイド棒、33a,34a…ナット、33b…スライ
ダ、35…パルスモータ、36…支持部材、37…試
薬、38…試料、39…洗浄液、40…サンプリングプ
ローブ、41…ポンプ、42…廃液ボトル、43…参照
電極、44…ポテンシオスタット、45…信号線、46
…信号線、47…制御装置、48…信号線、49…ホト
ンカウンタ、50…コンピュータ
Claims (12)
- 【請求項1】 少なくとも作用極と対極を含む複数の電
極を備え、前記電極に電圧を印加して試料中に含有され
る発光試薬の電気化学発光を検出する電気化学発光セル
において、前記作用極は、透明電極であり、少なくとも
一部が透明なセルの底面上に形成されていることを特徴
とする電気化学発光セル。 - 【請求項2】 前記透明電極はITO又は酸化スズで作
製されていることを特徴とする請求項1記載の電気化学
発光セル。 - 【請求項3】 少なくとも作用極と対極を含む複数の電
極を備え、前記電極に電圧を印加して試料中に含有され
る発光試薬の電気化学発光を検出する電気化学発光セル
において、前記作用極は、多孔性薄膜電極であり、少な
くとも一部が透明なセルの底面上に形成されていること
を特徴とする電気化学発光セル。 - 【請求項4】 前記多孔性薄膜電極は、白金、パラジウ
ム、ルテニウム、金、銀又はカーボンをスパッタリン
グ、真空加熱蒸着又は電子ビーム蒸着することにより形
成され、膜厚が200nm以下であることを特徴とする
請求項3記載の電気化学発光セル。 - 【請求項5】 少なくとも作用極と対極を含む複数の電
極を備え、前記電極に電圧を印加して試料中に含有され
る発光試薬の電気化学発光を検出する電気化学発光セル
において、前記作用極は、網目状電極であり、少なくと
も一部が透明なセルの底面上に形成されていることを特
徴とする電気化学発光セル。 - 【請求項6】 前記網目状電極は、白金、パラジウム、
ルテニウム、金、銀又はカーボンをスパッタリング、真
空加熱蒸着又は電子ビーム蒸着により成膜し、フォトリ
ソグラフィー技術及びエッチング技術によりパターン形
成したものであることを特徴とする請求項5記載の電気
化学発光セル。 - 【請求項7】 前記セルの底面は、ガラス、アクリル又
はポリカーボネイトからなり、300nm〜1500n
mの波長の光を透過させることを特徴とする請求項1〜
6のいずれか1項記載の電気化学発光セル。 - 【請求項8】 表面に作用極が形成された透明な下部支
持基板と、流路となる貫通部が設けられたスペーサと、
前記スペーサの流路に接続される試料導入部及び試料排
出部を備え表面に対極が形成された上部支持基板とが液
密に重ねられた構造を有し、前記作用極は光を透過させ
ることができることを特徴とする電気化学発光セル。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電
気化学発光セルと、前記セルの透明な底面を透過する光
を検出する光検出器を備えることを特徴とする電気化学
発光分析装置。 - 【請求項10】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
電気化学発光セルと、磁石と、光検出器とを含み、前記
作用極と前記光検出器の相対位置及び前記作用極と前記
磁石の相対位置を変化させる手段を備えることを特徴と
する電気化学発光分析装置。 - 【請求項11】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
電気化学発光セルと、前記作用極と前記対極の間に電圧
を印加する手段と、光検出器とを含み、前記作用極に接
触するように捕捉した試料中の発光試薬の電気化学発光
を前記電気化学発光セルの透明な底面を介して検出する
ことを特徴とする電気化学発光分析装置。 - 【請求項12】 前記発光試薬はトリス(ビピリジル)
ルテニウム又はその誘導体であることを特徴とする請求
項9〜11のいずれか1項記載の電気化学発光分析装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8000731A JPH09189662A (ja) | 1996-01-08 | 1996-01-08 | 電気化学発光セル及び電気化学発光分析装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP8000731A JPH09189662A (ja) | 1996-01-08 | 1996-01-08 | 電気化学発光セル及び電気化学発光分析装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09189662A true JPH09189662A (ja) | 1997-07-22 |
Family
ID=11481887
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP (1) | JPH09189662A (ja) |
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