JP2020139893A - 自動分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】特異的発光の測定効率を向上させられる自動分析装置を提供する。【解決手段】自動分析装置は、発光測定対象と、発光測定対象の特異的発光を検出する光検出器(301)と、発光測定対象の非特異的発光による光検出器(301)の露光を防ぐ、非特異的露光防止機構(302)とを備える。発光測定対象は、たとえば第一フローセル(303)および第二フローセル(304)それぞれのECL反応場である。【選択図】図3

Description

本発明は、自動分析装置に関する。
血液や尿などの体液成分に含まれる、タンパク質、脂質、糖、イオンおよびそれらを構成する各種成分などの、化学物質の濃度に対する定量的な測定が臨床で行われている。
発光標識としては、電圧印加により短時間の発光を生じる電気化学発光(ECL)と呼ばれる現象と、酵素化学的な反応により発光を生じる基質を用いる化学発光(CL)とが広く用いられている。特許文献1にECLを用いた試料分析方法が示されている。一般にこれらの発光現象は、反応誘起後、数秒以下の短時間で飽和する。また発光標識などからの発せられる光は微弱なため、光検出器としてはいわゆる光電子増倍管が使用される。光電子増倍管は、一種の真空管であり、真空管の内部において光を受光し、電子に変換する陰極と、最終的な信号を取り出す陽極との間に700−1000[V]程度の高電圧を印加する。この電位差を利用して、光電子増倍管の陰極で発生した電子を10の6乗倍程度に増幅する。
特許第3423795号公報 特表2006−517652号公報
従来の自動分析装置では、特異的発光の測定効率に限界があるという課題があった。たとえば、一検出器あたり・単位時間あたりで測定可能な特異的発光の回数に制約がある。
たとえば、前述のECL方式の自動分析装置においては、ECL反応場となる電極を含んだフローセルと、それに対応する光検出器とを対にして複数組を装置に搭載することで、スループット(単位時間あたりの測定数)を向上させる構成が知られている。しかしこの構成ではフローセルと同数の光検出器を備える必要があり、コスト増を招く。
一方で、測定対象物質量に基づいたECL発光現象が生じる時間は稼働時間に比べ非常に短く、当該光検出器はその大半の時間が測定に用いられていない。このため、特異的発光の測定効率に限界がある。
よって、一つの光検出器に対して複数のECL反応場からの光を時間的に分割して入射することで、光検出器の数を抑えつつ、スループットを向上させる構成も知られている。例えば特許文献2においては、フローセルを含んだデバイス内部に複数のECL反応場を構築し、それを1つの光検出器で検出する構成が示されている。
しかし、現実のECL反応場を用いた生体分子の検出サイクルにおいては、本来の測定対象(特異的発光。たとえばある生体分子に由来する光)以外の発光現象、すなわち非特異的発光が発生する場合がある。非特異的発光の例としては、生体分子に由来しない発光がある。特異的発光と非特異的発光との重複を避けるため、処理サイクルを長く設計する必要があり、このため一検出器あたり・単位時間あたりで検出可能なECL反応場の数には制約が生じる。
そこで、本発明の目的は、特異的発光の測定効率を向上させられる自動分析装置を提供することにある。
本発明の一態様の自動分析装置は、
発光測定対象と、
前記発光測定対象の特異的発光を検出する光検出器と、
前記発光測定対象の非特異的発光による前記光検出器の露光を防ぐ、非特異的露光防止機構と、
を備える。
本発明によれば、特異的発光の測定効率が向上させられる自動分析装置を提供することができる。
たとえば、必要な光検出器の数を抑制してコストを低減することができる。または、たとえば、一検出器あたりで測定可能な特異的発光の回数を増加させ、スループットを向上することができる。または、たとえば、非特異的発光による露光を抑制し、光検出器の無用の劣化を回避して長期的な安定性を向上させることができる。
従来の構成を有する比較例の概略図。 図1の比較例における自動分析装置の動作の一例を説明するための概略図。 実施例1に係る自動分析装置の構成の例を示す概略図。 実施例2に係る自動分析装置の構成の例を示す概略図。 実施例3に係る自動分析装置の構成の例を示す概略図。 実施例4に係る減光フィルタの構成を示す概略図。 実施例5に係る自動分析装置の構成の例を示す概略図。 実施例6に係る自動分析装置の構成の例を示す概略図。 実施例7およびその変形例に係る自動分析装置の構成の例を示す概略図。
以下、まず、本発明の課題を明確にするため、従来の構成を有する比較例について説明する。
<比較例1>
図1は、比較例の概略図である。また、図2は、比較例における自動分析装置の動作の一例を説明するための概略図である。この比較例を用いて、光検出器によって複数のECL反応場を測定する場合の課題を確認する。
夫々独立したサンプル供給が可能なフローセル(101)2個として、第一のフローセル(110)および第二のフローセル(111)を設ける。これら複数のフローセルに対して、一つの光検出器(102)として光電子増倍管を配置した。
各々のフローセル(101)は、その内部に、ECL反応場となる反応場電極(103)と、その対向電極(104)とを有している。また、自動分析装置は、流路(106)と、流路底部材(107)と、窓材(108)と、側面材(109)とを備える。このフローセル(101)にECL発光標識済みの試料を流し、発光の検出を行った。
具体的な試料としては、ストレプトアビジン被覆磁気ビーズ、ビオチン標識BSA(牛血清蛋白)、及びルテニウム標識抗BSA抗体からなる三者複合体を用いた。
図2に示すように、第一のフローセルの電極への印加電圧(210)および第二のフローセルの電極への印加電圧(211)を行った。まず、フローセル(101)のECL反応場近傍に磁石を配置した状態で、本試料を流し込みECL反応場にルテニウム標識抗BSA抗体を含む複合体を配置した(集磁ステップ(205))。その状態でアミンを含む緩衝液を流し、磁気ビーズに結合した分子以外を洗い流す(洗浄ステップ(206))。次いでフローセル(101)中の反応場電極(103)に電圧を印加し(パルス(201))、ECL発光を引き起こす(サンプル測定ステップ(207))。最後に磁石を引き離した状態でバッファーを流し、更に電圧を印加し(パルス(202))、磁気ビーズを除去する(ビーズ除去ステップ(208))。この一連の処理をサイクル(212)として行った。
本比較例では、電圧印加(パルス(201)およびパルス(202))によるECL発光が時間的に重複しないよう、サイクルをずらして電圧を印加した。この結果、図2のPMT出力(209)に示すように、2つのフローセル(101)各々の試料由来のECL発光を、一つの光電子増倍管で検出(波形(203))することが可能であった。
本比較例の検討結果を以て、ECL反応場よりも少ない数の光検出器しか備えない場合であっても、ECL発光のタイミングを制御することで、夫々の信号取得が可能であると判断した。また一方で、本比較例では、ビーズ除去時の電圧印加に起因する発光(波形(204))が存在しており、サンプル由来のECL発光の信号(波形(203))とこの発光が重ならないように電圧印加タイミングを調整する必要があった。このサンプル測定に寄与しない発光(非特異的発光)が光電子増倍管に入射されてしまうために、一光電子増倍管あたりに割り当て可能なECL反応場の数に制約があるという課題が確認できた。
次に、本発明の実施例について説明する。
<実施例1>
図3に、実施例1に係る自動分析装置の構成の例を示す。図3の例では、自動分析装置は2個のフローセル(第一フローセル(303)および第二フローセル(304))を備える。各フローセルは、たとえば図1に示すような構成を備え、ECL反応場となる反応場電極(図1の反応場電極(103)に対応する電極。図3では省略する)を有する。本実施例では、第一フローセル(303)および第二フローセル(304)それぞれのECL反応場が、発光測定対象となる。このように、自動分析装置は、1個以上の発光測定対象(この例では2個)を備える。
自動分析装置は、ECL反応場の特異的発光を検出するための光検出器(301)を備える。光検出器(301)は、たとえば光電子増倍管である。光電子増倍管は光電面に入射した微弱な光信号を増幅し電気信号として出力する機能を有しており、自動分析装置における発光標識が発する微弱光の検出に適するが、光電子増倍管以外の光検出器を用いてもよい。
「特異的発光」の意味は、当業者が技術常識および公知技術に基づいて適宜定義することが可能であるが、たとえば、特定の分子構造に固有に由来する発光をいう。これ以外の発光、すなわち多様な分子構造に共通する発光や、分子構造に依存しない発光を、「非特異的発光」という。
図3には示さないが、自動分析装置は、フローセルに対して測定サンプルを供給する機構(たとえば図1の流路(106)、流路底部材(107)、窓材(108)および側面材(109)を含む機構)とを備える。
自動分析装置は、ECL反応場の非特異的発光による光検出器(301)の露光を防ぐ、非特異的露光防止機構を備える。非特異的露光防止機構は、本実施例では、光検出器(301)を移動させる光検出器駆動機構(302)を備える。光検出器駆動機構(302)は、公知のアクチュエータ等を用いる駆動機構の構成に基づき、当業者が適宜設計可能である。
光検出器駆動機構(302)は、各フローセルにおいてECL発光が行われる際に、そのフローセルのECL反応場からの発光を適切に検出できる位置(たとえばそのフローセルの上部)に、光検出器(301)を移動させる。たとえば、図3のa)は第一フローセル(303)からの発光を適切に検出できる位置を表し、図3のb)は第二フローセル(304)からの発光を適切に検出できる位置を表す。
ここで、本実施例と、上述の比較例との比較を行う。比較例の構成においては、複数のフローセル(101)からの光を一つの光検出器で検出できるよう配置すると、光検出器とフローセル(101)との距離が広がってしまう。つまり、図1に示す状態から、さらにフローセル(101)を光検出器(102)に近づけると、フローセル(101)の上面から出た光が光検出器(102)の受光面(例えば光電子増倍管の光電面)に入射する割合が下がってしまう。その結果、検出対象物質の濃度が低くECL発光量自体が少ないようなサンプルの定量においては不利となる。
これに対して実施例1では、光検出器(301)となる光電子増倍管に光検出器駆動機構(302)を取り付け、複数のフローセル(第一フローセル(303)および第二フローセル(304))の直上の近接した位置に光検出器(301)を配置可能とした。
なお、光検出器駆動機構(302)に電動モーター等を用いると、駆動系由来の磁界が発生する可能性があり、この磁界が光電子増倍管に影響を与える可能性がある。このため、光電子増倍管に対する駆動系由来の磁界の影響を軽減する目的で、光電子増倍管周囲に磁気シールド部材を設けてもよい。磁気シールド部材は、たとえば光電子増倍管を被覆してもよい。磁気シールド部材は、たとえばパーマロイ製のカバーとして構成することができる。
各フローセルのECL発光タイミングにあわせて、光電子増倍管をその直上に移動・停止させることにより、高開口での光検出が可能となる。たとえば、光検出器駆動機構(302)は、第一フローセル(303)が特異的ECL発光を開始する前に、第一フローセル(303)のECL反応場からの発光を適切に検出できる位置に光電子増倍管を移動させる。そして、第一フローセル(303)の特異的ECL発光の測定が終了するまで、その位置に光電子増倍管を固定する。このようにして、第一フローセル(303)からの特異的ECL発光が測定される。
第一フローセル(303)の特異的ECL発光の測定を終了した後、非特異的発光(たとえばビーズ除去時の電圧印加(パルス(202)に伴う発光)が開始される前に、図3のb)に示すように、光検出器駆動機構(302)は、第一フローセル(303)のECL反応場または第一フローセル(303)の他の箇所からの発光を受光しない位置(または受光を抑制できる位置)に、光電子増倍管を移動させる。
図3のb)の例では、この位置は、次に測定が行われる別のフローセル(たとえば第二フローセル(304))のECL反応場からの発光を適切に検出できる位置と同一の位置として設計される。この位置に光電子増倍管が移動した後に、第二フローセル(304)の特異的ECL発光が開始される。光検出器駆動機構(302)は、第二フローセル(304)の特異的ECL発光の測定が終了するまで、その位置に光電子増倍管を固定する。このようにして、第二フローセル(304)からの特異的ECL発光が測定される。
なお、第二フローセル(304)の特異的ECL発光と並行して、第一フローセル(303)の非特異的発光が発生していても、光電子増倍管は第一フローセル(303)から離れた位置に移動しているので、第一フローセル(303)の非特異的発光を受光せず(または受光を抑制でき)、第二フローセル(304)の測定に対する影響を防止することができる。
第二フローセル(304)の特異的ECL発光の測定を終了した後、非特異的発光(たとえばビーズ除去時の電圧印加(パルス(202))に伴う発光)が開始される前に、第二フローセル(304)のECL反応場または第二フローセル(304)の他の箇所からの発光を受光しない位置(または受光を抑制できる位置)に、光電子増倍管を移動させる。この位置は、たとえば図3のa)に示す位置であってもよい。
このように、本実施例においては、自動分析装置は、2個のフローセルを備え、各フローセル(厳密には各ECL反応場)について、それぞれ異なるタイミングで特異的発光させる。また、光検出器駆動機構(302)は、光電子増倍管と各フローセルとの位置関係を、各フローセルの特異的発光または非特異的発光のタイミングに合わせて変化させる機能を備えている。これによって、各フローセルの特異的発光による光を光電子増倍管に導きつつ、非特異的発光による光電子増倍管の露光を防ぐように構成されている。
このような構成によれば、光電子増倍管を各フローセルに対して個別に適切な位置に移動させることができるので、ECL発光による光の検出効率が高まり、低濃度サンプルであっても検出可能となった。
また、上述の比較例の構成では、サンプルに由来するECL発光以外に、ビーズ除去のための電圧印加(パルス(202))に伴う発光も光電子増倍管に導入されてしまうので、測定に対するその影響を防止するために、それらの発光タイミングをずらす必要がある。このため、一つの光電子増倍管あたりで信号(波形(203)及び波形(204))が重複しないようにタイミングを設計する必要があり、1つの光電子増倍管で測定可能なフローセル(101)の数が制限されていた。
それに対して実施例1では、ビーズ除去のための電圧印加(パルス(202))が行われているフローセルから離れた位置に、光電子増倍管を移動させることが可能となる。このため、あるフローセルのビーズ除去時の電圧印加(パルス(202))に伴う発光を気にすることなく、他のフローセルにECL誘起のための電圧印加(パルス(201))を行うことができ、光電子増倍管による信号取得を行うことができる。
このように、1つの光電子増倍管で測定可能なフローセルの数を、比較例の構成に比べ増やすことが可能な点で、本実施例は優れる。
なお、本実施例では2個のフローセルを用いたが、ECL発光のタイミングが重複しない限りにおいて、フローセルの数を増加することが可能と考えられる。たとえば3個以上のフローセルを順次測定するよう構成してもよい。
また、フローセルの数は1個でもよく、その場合には、光検出器駆動機構(302)は、光電子増倍管を、フローセルのECL反応場からの発光を適切に検出できる位置と、フローセルからの発光を受光しない位置とを含む複数の位置に移動可能であってもよい。このように構成すると、測定対象となるECL発光以外の光(たとえばビーズ除去時の電圧印加に伴う発光)を光電子増倍管で受光しないため、光電子増倍管の長期的な安定性の観点で優れる。
自動分析装置が検出対象とする生体分子に対する発光標識に由来するECL発光は、一般に数秒以下のごく短時間で終了する。このため、実施例1によれば、異なるタイミングでECL発光を起こす場合に、複数のフローセルで同一の光検出器を共有することが可能となる。この場合、光検出器や、光検出器からの信号を処理する回路は、共通して用いることができるため、コストの増加をおさえつつ、フローセルの数を増加させ、装置分析スループットを向上させることができる。また、サンプルの測定に係るECL発光以外の不要な発光の光検出器への入射を防ぐことによって、一つの光検出器で検出可能なフローセルの数を増加させることが可能となる。または、不要な露光を防ぐことで、光検出器の長期的な安定性向上が期待できる。
また、実施例1に係る自動分析装置によれば、光検出器側に駆動機構を備えることにより、ECL発光を起こすタイミングで当該ECL反応場の直上に光検出装置の移動が可能となる。一般にECL発光は微弱であり、より多くの光を検出器に導くことがSN比(信号対雑音比)の確保に有利となる。またサンプルに由来するECL発光以外のタイミングにおいては、当該フローセルの直上から光検出器を退避させることで、光検出器に対する不要な露光を避けることが可能となる。
なお、光検出器(301)の数は複数であってもよい。
<実施例2>
図4に、実施例2に係る自動分析装置の構成の例を示す。実施例2の構成では、実施例1と同様に、自動分析装置は、光検出器(401)(本実施例でも光電子増倍管)と、光検出器駆動機構(402)と、2個のフローセル(第一フローセル(403)および第二フローセル(404))とを備える。さらに、実施例1とは異なり、実施例2に係る自動分析装置は、基準光源(405)を備える。基準光源(405)は、基準となる一定光量の発光を行うことができる光源である。
光検出器駆動機構(402)は、実施例1と同様に、各フローセルにおいてECL発光が行われる際に、光検出器(401)を各フローセルの上部に移動させる。これに加え、実施例2では、図4のc)に示すように、光検出器駆動機構(402)は、光検出器(401)を、基準光源(405)からの受光に適した位置へと移動させる機能を備えている。
この位置は、基準光源(405)からの発光を適切に検出できる位置であり、たとえば基準光源(405)の上方である。また、この位置へ光検出器(401)を移動させるタイミングは、たとえばいずれのフローセルも特異的ECL発光を行っていないタイミングである。これによって、光検出器(401)は、基準光源(405)から一定の光量を受光できるようになっている。
光電子増倍管は、入射した光を所定の増幅効率で増幅し、増幅された光信号を、所定の変換効率に基づいて電気信号に変換する。ここで、光電子増倍管は、その信号の増幅効率が使用状況によって経時的に変動する性質を有する。ドリフトやライフ特性と呼ばれる現象である。このため、光電子増倍管及びその後段の回路からの出力結果からだけでは、元の光量を正確に知ることはできない。つまりはサンプル測定時の出力結果から、サンプル由来光量を正確に知ることはできない。
これに対して、本実施例に係る自動分析装置は、光量が一定である基準光源(405)からの光量を測定し、その光量が一定の電気信号量に変換されるように、光量から電気信号量に変換する際の変換効率を補正する。これによって、光電子増倍管の増幅効率が変動しても、その変動を相殺または補償するように変換効率が補正され、常により正確な光量測定が可能となる。
従来、このような光検出系の補正を行う方法としては、例えば各フローセルに光量−電気信号量補正のための基準サンプルを流し、そのECL発光により得られた電気信号量から補正を行うという手法も知られているが、そのような手法では、補正用のサンプル投入の手間を要する。
また、フローセルにおけるECL反応場自体も経時的な劣化により徐々に発光効率が変動する可能性があり、従来の手法で補正を実施しても正しく元の光量を求められるわけではない。その点、既知光量の基準光源を有する本実施例の構成においては、手間なく、かつ光量−電気信号量の変換効率の補正が可能である点で優れる。
また、検出系(光電子増倍管及びその後段の回路)において何らかの異常が発生した際に、既知光量に対する出力値が大きく変動することから、装置状態の監視および異常検出が可能となり、測定結果の信頼性向上の観点でも優れる。
なお、実施例1及び実施例2の構成においては、非特異的露光防止機構として光検出器駆動機構を設け、光検出器を移動させている。このような構成とすると、フローセルを移動させる必要がないので、フローセルに接続されるサンプル流路の配置の制約が少なくなる。
ただし、非特異的露光防止機構の構成はこれに限定されず、光検出器と発光場との相対的な位置関係を変更可能としたものであればよく、変形例として、フローセルや基準光源等の発光場を移動させる発光場駆動機構を備えてもよい。発光場駆動機構は、測定すべき発光のタイミングに合わせて光電子増倍管の直下に発光場を移動させてもよい。このような構成によっても、実施例1および2と同等の効果は達成できる。また、このような変形例は、比較的磁界に鋭敏な光電子増倍管と、モーター等を含む発光場駆動機構との距離を比較的大きくとることができ、光電子増倍管への影響が低減する点で好ましい。
一般に、光電子増倍管は光電面に入射した微弱な光信号を増幅し電気信号として出力する機能を有しており、自動分析装置における発光標識が発する微弱光の検出に適する。一方で光電子増倍管はその信号の増幅効率がある程度変動する性質を有している。実施例2に係る自動分析装置によれば、ECL発光場を含むフローセルだけでなく、光量一定の基準光源を、駆動機構を有する光電子増倍管で測定することで、電気信号から元の光量への換算の精度を向上させる。
<実施例3>
図5に、実施例3に係る自動分析装置の構成の例を示す。実施例3では、基準光量を複数の段階で提供することができる。とくに、実施例3では、非特異的露光防止機構は、実施例2における構成に加え、さらに、減光フィルタ(503,504,505)と、減光フィルタを移動させる減光フィルタ駆動機構とを備える。減光フィルタは、たとえばND(Neutral Density)フィルタである。
本実施例では、減光フィルタ駆動機構はフィルタホイール(507)として構成される。フィルタホイール(507)が回転することにより、第一の透過率を有する第一減光フィルタ(503)と、第一の透過率より小さい透過率を有する第二減光フィルタ(504)と、第二の透過率より小さい透過率を有する第三減光フィルタ(505)とを移動させることができる。また、本実施例では、フィルタホイール(507)は、減光フィルタが配置されない透過窓(506)を備える。
フィルタホイール(507)は、減光フィルタ(503,504,505)または透過窓(506)を、選択的に、光検出器(501)が基準光源(502)からの受光を行う際の光路上に移動させる機能を備える。
たとえば、図5のa)の状態では、基準光源(502)と光検出器(501)との間に透過窓(506)が配置されており、すなわちいずれの減光フィルタも配置されていない。この状態では、基準光源(502)からの光が減衰しない状態で検出され、比較的大きい第一基準光量が検出される。
また、図5のb)の状態では、基準光源(502)と光検出器(501)との間に、第一減光フィルタ(503)が配置されている。この状態では、基準光源(502)からの光がやや減衰された状態で検出され、第一基準光量よりも小さい第二基準光量が検出される。
さらに、図示しないが、基準光源(502)と光検出器(501)との間に、第二減光フィルタ(504)が配置された状態では、基準光源(502)からの光がさらに減衰された状態で検出され、第二基準光量よりも小さい第三基準光量が検出される。
さらに、図示しないが、基準光源(502)と光検出器(501)との間に、第三減光フィルタ(505)が配置された状態では、基準光源(502)からの光がさらに減衰された状態で検出され、第三基準光量よりも小さい第四基準光量が検出される。
一般的に、自動分析装置での測定対象は様々であり、その濃度や最終的なECL発光量は多様である。それに対して、一点の光量−電気信号量の対応関係に基づく補正では、一定の不確実性が伴う。そこで本実施例の構成では、複数の既知光量を作り出す目的で、減光フィルタ(503,504,505)を用いた。これにより、少なくとも二点以上での光量−電気信号量の対応関係が取れることになり、入射光量に対する出力の傾きを求めることができる。
このように、基準光源(502)と光検出器(501)との間に差し込みおよび除去可能なNDフィルタを用い、その結果の線形近似を用いれば、サンプル由来の光量を、実施例2の構成よりも正確に求めることが可能となる。フィルタの枚数を増加させれば、さらに精度が向上する。また故障検知による測定信頼性の向上の観点においても、入射光量に対する検出系出力の直線性を評価することが可能であるという点で優れる。
実施例3に係る自動分析装置によれば、減光フィルタを介さずに基準光源を測定した値と、減光フィルタを用いて基準光源を測定した値とを用いることで、光量に対する光電子増倍管出力のプロットを得ることができる。このプロットは既知光量に対する光電子増倍管の出力特性を示している。
このような測定をサンプル測定の間に行うことで、光電子増倍管の出力特性の変動をモニタすることが可能となる。サンプルのECL発光測定により得られた光電子増倍管の出力結果を該プロットに代入することにより、サンプル由来の光量を正確に知ることができる点で優れる。また、装置稼働中における光電子増倍管及びAD変換回路、つまり光量を電気信号に変換する過程における故障検知が可能となり、測定結果の信頼性が向上する。
なお、実施例3では3枚の減光フィルタ(503,504,505)を用いたが、減光フィルタは少なくとも1枚あればよい。減光フィルタが1枚のみの場合には、減光フィルタを配置しない状態での光量と、減光フィルタを配置した状態での光量とを用いて、二点での光量−電気信号量の対応を取ることができる。また、減光フィルタが2枚以上ある場合には、減光フィルタを配置しない状態での光量を利用してもよいし、利用しなくとも二点以上での光量−電気信号量の対応を取ることができる。
<実施例4>
図6に、実施例4に係る減光フィルタの構成を示す。本実施例においては、実施例3におけるフィルタホイール(507)の代わりに、面内で変動する透過率を有する減光フィルタを用いた。このような減光フィルタは、たとえば連続可変型NDフィルタとして構成可能である。すなわち、本実施例では、減光フィルタは、減光フィルタの面内において、減光特性(たとえば透過率)が連続的に変化する領域を有する。なお、図6では、図示の都合上、減光特性が段階的に変化するように示しているが、実際には減光特性は連続的に変化する。
図6に示すように、減光フィルタは、透過率が最大となる領域(602)と、透過率が最小となる領域(603)と、中間的な透過率を有し透過率が連続的に変化する領域(601)とを備えてもよい。その場合には、透過率が最大となる領域(602)と、透過率が最小となる領域(603)とは、各領域を介した測定が安定して可能となるように、透過率が連続的に変化する領域(601)とは異なり、一定の面積を有していることが好ましい。
本実施例では、減光フィルタは、透過率が連続的に変化する領域(601)を備えているので、様々な強さの基準光量を任意に測定することができ、変換効率を高精度に補正することができる。
なお本実施例においては、減光フィルタを構成する円盤の回転角方向に透過率が変化する円形の連続可変型金属NDフィルタを用いたが、減光フィルタの構成はこれに限らない。フィルタ面内で連続した透過特性を有していればよく、例えば長方形の一辺方向に透過率が変化する長方形連続可変型金属NDフィルタを用いても同様の構成を実現できる。
前述の実施例3によって、入射光量と検出系出力との相関が取得可能となったが、一方で、複数の既知光量で測定を行おうとすると、複数の減光フィルタ(503,504,505)のみならず、その取替および差し込みのための機構が必要となり、部品点数の増加を招く。
それに対して実施例4の構成では、同一面内で連続した減光特性を有する連続可変減光フィルタを用いる。基準光源と光電子増倍管との間に差し込む減光フィルタの部位を変化させることで、容易かつ連続的に光量を変化させることができる。これによって、概ね任意の既知光量に対する、光電子増倍管およびその後段の回路からの出力値について、プロットを得ることができる。とくに、実施例3よりも少ない部品点数で、任意の既知光量に対する光電子増倍管の出力値が得られる点で優れる。これにより、サンプル由来の光量をより正確に求めることができる。また、光電子増倍管及び後段回路における異常検知が可能となる点で、測定の信頼性に優れる。
<実施例5>
図7に、実施例5に係る自動分析装置の構成の例を示す。実施例2〜4の構成のように基準光源測定を行うことで光電子増倍管及びその後段の回路の異常(及び特性変動)が検出可能となった。一方で、理想的にはそもそも検出系の異常発生を抑制することが好ましい。
本実施例の構成では、光電子増倍管を移動させる駆動系を備えているという特徴を利用して、メンテナンス時において光電子増倍管が破損するリスクの低減を図った。
一般に、光電子増倍管は微弱な光の検出に適しており、測定時には環境光などによる外乱を防ぐ目的で暗箱内に設置される。このような構成では、測定対象となる発光現象を起こすフローセルと、光電子増倍管とが、暗箱の中に収納されることになる。この状態であれば暗箱内の光電子増倍管を破損するリスクは低いが、自動分析装置に組み込まれたフローセル中のECL発光場となる電極は、繰り返し使用されることで徐々に溶解または劣化していく性質を有しており、定期的に交換する必要がある。その際には暗箱を開ける必要があり、環境光を誤って光電子増倍管の光電面に照射してしまうリスクが有る。その場合、以後の測定が不安定になる、もしくは条件によっては光電子増倍管もしくは後段の回路が破損してしまうという課題があった。
そこで、本実施例に係る自動分析装置は、光電子増倍管およびフローセルを取り囲む、第一の暗箱(701)と、第一の暗箱(701)の内部に配置され、光電子増倍管(703)を収納可能な、第二の暗箱(702)とを備える。そして、光検出器駆動機構(704)は、第一の暗箱(701)が開放されている間は、光電子増倍管(703)が第二の暗箱(702)内に退避するよう、光電子増倍管(703)を移動させる。
なお、光検出器駆動機構(704)は、実施例1(図3)における光検出器駆動機構(302)等と同様に、各フローセルにおいてECL発光が行われる際に、そのフローセルのECL反応場からの発光を適切に検出できる位置(たとえばそのフローセルの上部)に、光検出器を移動させる機能も備えている。
図示しないが、自動分析装置は、第一の暗箱(701)が開放されるタイミングの入力を受け付ける手段を備えてもよい。たとえば、作業員がメンテナンス開始前に操作する光電子増倍管退避スイッチを備えてもよく、自動分析装置は、この光電子増倍管退避スイッチが操作されることに応じて、光電子増倍管(703)を図7に示すように退避させてもよい。
このようにすると、メンテナンス時に、光電子増倍管(703)が小型の第二の暗箱(702)の中に収納される。このため、フローセル交換などのメンテナンスのために外側の第一の暗箱(701)を開けても、光に敏感な光電子増倍管(703)を環境光に暴露してしまうリスクが低減する。
また、一般に光電子増倍管はガラス部材を含んでおり衝撃に弱い。メンテナンス手順が不適切な場合等に、フローセルを取り外す際に近傍の光電子増倍管を破損してしまうリスクもあったが、本構成においては、光電子増倍管がフローセルから離隔された部位に格納されるため、そのリスクも低減され、装置の運用継続性の観点でも優れる。
一般に、自動分析装置に組み込まれたフローセル中のECL発光場となる電極は、繰り返しサンプルの測定に用いることで、徐々に溶解し劣化していく性質を有する。そのため、自動分析装置においては定期的にECL発光場を有するフローセルを交換する必要がある。ECL発光を検出する光電子増倍管はフローセル近傍に設置されており、通常フローセルと光電子増倍管は暗箱で覆われている。光電子増倍管によるECL発光検出に対する環境光などによる外乱を防ぐためである。フローセル交換の際はこの暗箱を空ける必要があるが、その際に環境光を誤って光電子増倍管の光電面に照射してしまうと、以後の測定が不安定になってしまう、もしくは条件によっては光電子増倍管もしくは後段の回路が破損してしまうリスクが有る。そこで、実施例5に係る構成では、前述の暗箱の中に更に小型の暗箱を設け、光電子増倍管に取り付けた駆動系により、メンテナンス時はこの小型の暗箱の中に光電子増倍管を収納し、フローセル交換時に置ける環境光暴露のリスクから光電子増倍管を守る機能を有する。本構成はメンテナンス性に優れ、検出系破損リスクを回避できることから装置の継続運用継続性の観点でも優れる。
<実施例6>
図8に、実施例6に係る自動分析装置の構成の例を示す。実施例1〜5においては、非特異的発光による光電子増倍管の露光を避けつつ、複数のフローセルや基準光源といった複数の発光場をそれよりも少ない数の光電子増倍管で検出可能とするための手法として、光電子増倍管を移動させる駆動系を備えた。なお、本明細書において、非特異的発光とは、ビーズ洗浄時などの、サンプル測定以外のフローセルに対する電圧印加に伴う発光を含む。
実施例6では、実施例1〜5で使用している光検出器駆動機構を用いずに同様の効果を達成する。本実施例に係る自動分析装置において、非特異的露光防止機構は、フローセル(厳密にはECL反応場)と光検出器との間の光路に配置されるシャッター機構を備える。
シャッター機構は、たとえば図8(A)に示す回転式シャッター(801)として構成される。回転式シャッター(801)は、光を透過する透過領域(802)と、不透明な不透過領域(803)とを備えている。回転式シャッター(801)は、たとえば低反射塗装を施した金属板に切り込みを入れたものを用いて製造することができる。
回転式シャッター(801)は、図8(B)に示すように、固定された光電子増倍管(808)と、複数のフローセル(804)及び基準光源(807)との間、つまり各光源と光電子増倍管との間に、配置される。
自動分析装置は、回転式シャッター(801)を回転移動させるシャッター駆動機構(図示せず)を備える。シャッター駆動機構は、回転式シャッター(801)の透過領域(802)が、光電子増倍管(808)と、光源(フローセル(804)及び基準光源(807))のいずれかとの間に配置されるように、回転させることができる。
回転式シャッター(801)が様々な回転位置にある場合の、各光源との位置関係を、図8(C)に示す。回転式シャッター(801)は、図8(C)に示す4つの回転位置を、図中の矢印に示す順序で遷移する。各回転位置において、回転式シャッター(801)の透過領域(802)に対応する位置にある光源からの光が、光電子増倍管(808)に入射することになる。
自動分析装置は、ECL発光のタイミングに応じて回転式シャッター(801)の回転を制御する。より具体的な例としては、サンプルに由来する特異的ECL発光(波形(203))が発生する時には、対応するフローセルと光電子増倍管(808)との間に透過領域(802)を配置し、ビーズ除去時の電圧印加に伴う非特異的ECL発光(波形(204))が発生する時には、対応するフローセルと光電子増倍管(808)との間に不透過領域(803)を配置する。また、サンプルに由来する特異的ECL発光(波形(203))が発生しない時において、所定のタイミングで、基準光源(807)と光電子増倍管(808)との間に透過領域(802)を配置する。
このようにすると、サンプルに由来する特異的発光(波形(203))や、基準光源の測定などの、目的とする光のみを光電子増倍管(808)に入射することができるので、ビーズ除去時の電圧印加に伴うECL発光(波形(204))のような不要な露光を避けることが可能となった。本実施例の構成では、実施例1〜5と同様に、サンプル測定時以外の電圧印加に伴う非特異的発光が光電子増倍管に導入されないため、一つの光電子増倍管で測定可能な発光場の数が従来より増加する。
また、フローセルの数が1個である場合には、不要な露光を防ぐことによって、長期的な光電子増倍管の安定性向上も期待できる。
実施例6によれば、複数のECL反応場のうちの常に一つからの発光が光検出器に入射されるよう、光源となりうる他のECL反応場と光検出器との間に不透明なシャッターを挿入する。このシャッター機構の動作をECL反応によるサンプル測定のタイミングと同期させることにより、サンプル測定のためのECL反応による光のみが光検出器に導かれ、それ以外の不要な露光を避けることが可能となる。サンプル測定時の光のみを光検出器に入射可能な構成とすることで、一つの光検出器あたりで時間分割して検出可能なフローセルの数が増加し、解析スループットの向上が見込まれる。
<実施例7>
図9(A)に、実施例7に係る自動分析装置の構成の例を示す。図8に示す実施例6の構成では、実施例1が比較例に対して優位性を示した性質の一つである光の回収率の問題が解決されていない。すなわち、光検出器と光源との距離が大きいので、光源からの光が光検出器の受光面に入射する割合が下がってしまう。
そこで、本実施例に係る自動分析装置は、実施例6と同様の回転式シャッター(801)に加え、集光用レンズ(901)および光ファイバ(902)を備える。集光用レンズ(901)および光ファイバ(902)は、各フローセル(804)(より厳密には各ECL反応場)と、実施例6と同様の光電子増倍管(808)との間の導光部材の例である。また、本実施例では、光ファイバ(902)は、基準光源(807)と光電子増倍管(808)との間にも配置される。
これらの導光部材を用いて各光源の光を回収し、光電子増倍管に入射させることで、ECL発光が弱いサンプルを測定する場合のSN比が改善し、低濃度サンプルの測定精度が向上した。光ファイバ(902)を介する工程での光の損失と、光電子増倍管への外乱光の入射リスクが残るものの、複数のフローセルからの発光を一つの光電子増倍管で時間分割し測定することが可能であり、また、基準光源の測定も同様に可能であるという点で、効果を有することが確認できた。
なお、実施例7では、導光部材として集光用レンズ(901)および光ファイバ(902)を用いているが、これらのうち一方のみを用いてもよく、他の導光部材を用いてもよい。
実施例1の構成では光検出器側に駆動機構を備えることによって、ECL反応のタイミングで光検出器をその直上に移動させ、複数のECL反応場由来の発光を検出可能としたが、実施例7では、駆動機構のかわりに導光部材としてレンズおよび光ファイバをフローセルと光検出器との間に設置することで、複数のフローセル中のECL反応を一つの光検出器で検出可能とした。実施例1の構成と比べると駆動機構がないため、振動および動作音の点で優れる。
また、実施例7でも、光量既知の基準光源を測定することで、電気信号から元の光量への換算の精度を向上させる。光電子増倍管及びその後段の回路における不具合有無を検出することが可能となり、測定信頼性を向上させる。
図9(B)に、実施例7の変形例に係る自動分析装置の構成の例を示す。この変形例では、自動分析装置は、実施例3(図5)に係る減光フィルタ(503,504,505)と、減光フィルタを移動させるフィルタホイール(507)とを備える。このような構成とすると、実施例3および4と同様の効果を得ることができる。
<変形例>
上述の実施例1〜7では、自動分析装置はECL発光を測定するものであるが、測定の対象は特異的発光であればECL発光に限らない。たとえば、電圧の印加を用いず、CL発光等を利用する自動分析装置にも本発明は適用可能である。また、フローセルを用いずにサンプルを供給する構成としてもよい。
また、上述の実施例1〜7では複数のフローセルが設けられているが、フローセルの数は1個でもよい。また、たとえば実施例6(図8)においてフローセルを1個とする場合には、フローセルと光電子増倍管とを対向させて配置し、これらの間に回転式シャッター(801)を配置してもよい。そして、フローセルにおいて特異的発光が発生している間は、フローセルと光電子増倍管との間に透過領域(802)を配置し、フローセルにおいて非特異的発光が発生している間は、フローセルと光電子増倍管との間に不透過領域(803)を配置するように、回転式シャッター(801)を回転させてもよい。このように構成すると、測定対象となるECL発光以外の光(たとえばビーズ除去時の電圧印加に伴う発光)を光電子増倍管で受光しないため、光電子増倍管の長期的な安定性の観点で優れる。
101 フローセル
102 光検出器
103 反応場電極
104 対向電極
106 流路
107 流路底部材
108 窓材
109 側面材
110 第一のフローセル
111 第二のフローセル
201,202 パルス
203,204 波形
205 集磁ステップ
206 洗浄ステップ
207 サンプル測定ステップ
208 ビーズ除去ステップ
209 PMT出力
210 印加電圧
211 印加電圧
212 サイクル
301 光検出器
302 光検出器駆動機構(非特異的露光防止機構)
303 第一フローセル
304 第二フローセル
401 光検出器
402 光検出器駆動機構(非特異的露光防止機構)
403 第一フローセル
404 第二フローセル
405 基準光源
501 光検出器
502 基準光源
503 第一減光フィルタ
504 第二減光フィルタ
505 第三減光フィルタ
506 透過窓
507 フィルタホイール(減光フィルタ駆動機構)
601 透過率が連続的に変化する領域(減光特性が連続的に変化する領域)
602 透過率が最大となる領域
603 透過率が最小となる領域
701 第一の暗箱
702 第二の暗箱
703 光電子増倍管(光検出器)
704 光検出器駆動機構
801 回転式シャッター(非特異的露光防止機構、シャッター機構)
802 透過領域
803 不透過領域
804 フローセル
807 基準光源
808 光電子増倍管(光検出器)
901 集光用レンズ(導光部材)
902 光ファイバ(導光部材)

Claims (10)

  1. 発光測定対象と、
    前記発光測定対象の特異的発光を検出する光検出器と、
    前記発光測定対象の非特異的発光による前記光検出器の露光を防ぐ、非特異的露光防止機構と、
    を備える、自動分析装置。
  2. 請求項1に記載の自動分析装置において、
    前記自動分析装置は、2個以上の前記発光測定対象を備え、
    前記自動分析装置は、各前記発光測定対象について、それぞれ異なるタイミングで特異的発光させ、
    前記非特異的露光防止機構は、前記光検出器を移動させる光検出器駆動機構を備え、
    前記光検出器駆動機構は、前記光検出器と各前記発光測定対象との位置関係を、各前記発光測定対象の特異的発光または非特異的発光のタイミングに合わせて変化させる機能を備え、これによって、各前記発光測定対象の特異的発光による光を前記光検出器に導きつつ、各前記発光測定対象の非特異的発光による前記光検出器の露光を防ぐよう構成される、
    自動分析装置。
  3. 請求項2に記載の自動分析装置において、
    前記自動分析装置は基準光源を備え、
    前記光検出器は光電子増倍管であり、
    前記光検出器駆動機構は、さらに、前記基準光源からの受光に適した位置へ前記光検出器を移動させる機能を備える、
    自動分析装置。
  4. 請求項3に記載の自動分析装置において、
    前記非特異的露光防止機構は、減光フィルタと、前記減光フィルタを移動させる減光フィルタ駆動機構とを備え、
    前記減光フィルタ駆動機構は、前記減光フィルタを、前記光検出器が前記基準光源からの受光を行う際の光路上に移動させる機能を備える、
    自動分析装置。
  5. 請求項4に記載の自動分析装置において、前記減光フィルタは、前記減光フィルタの面内において、減光特性が連続的に変化する領域を有する、自動分析装置。
  6. 請求項3に記載の自動分析装置において、
    前記自動分析装置は、
    前記光検出器および前記発光測定対象を取り囲む、第一の暗箱と、
    前記第一の暗箱の内部に配置され、前記光検出器を収納可能な、第二の暗箱と
    を備え、
    前記光検出器駆動機構は、前記第一の暗箱が開放されている間は、前記光検出器が前記第二の暗箱内に退避するよう、前記光検出器を移動させる
    自動分析装置。
  7. 請求項1に記載の自動分析装置において、前記非特異的露光防止機構は、前記発光測定対象と前記光検出器との間の光路に配置されるシャッター機構を備える、自動分析装置。
  8. 請求項7に記載の自動分析装置において、前記自動分析装置は、前記発光測定対象と前記光検出器との間に導光部材を備える、自動分析装置。
  9. 請求項8の自動分析装置において、前記自動分析装置は基準光源を備え、前記光検出器は光電子増倍管である、自動分析装置。
  10. 請求項1に記載の自動分析装置において、前記自動分析装置は、
    ECL反応場となる電極を有するフローセルと、
    前記フローセルに対して測定サンプルを供給する機構と
    を備える、
    自動分析装置。
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