JPH09188794A - フルオロポリマー水性エマルジョン及びその製造方法 - Google Patents

フルオロポリマー水性エマルジョン及びその製造方法

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JPH09188794A
JPH09188794A JP102696A JP102696A JPH09188794A JP H09188794 A JPH09188794 A JP H09188794A JP 102696 A JP102696 A JP 102696A JP 102696 A JP102696 A JP 102696A JP H09188794 A JPH09188794 A JP H09188794A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械的安定性及び熱的安定性が高い新規なフ
ルオロポリマー水性エマルジョンを提供する。 【構成】 フルオロポリマーに対し1.5重量%以上の
ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム及びN−メチルピ
ロリドンを含むフルオロポリマー水性エマルジョンであ
る。乳化重合により得られるフルオロポリマー水性エマ
ルジョン原液にN−メチルピロリドン又はその水溶液に
溶解したジアルキルスルホコハク酸ナトリウムを混合す
ることにより製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的安定性及び
熱的安定性が高い新規なフルオロポリマー水性エマルジ
ョン及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリテトラフルオロエチレン(以下PT
FEという)水性エマルジョンの原液は、米国特許第
2,559,752号に開示されている乳化重合法、即
ちテトラフルオロエチレンを水溶性重合開始剤及びフル
オロアルキル基を疎水基とするアニオン系界面活性剤を
乳化剤として含む水性媒体中に圧入、重合させ、該媒体
中にPTFEのコロイド粒子を生成させる方法によって
製造される。また多くのフルオロポリマーの水性エマル
ジョン原液も同様な方法で製造される。かかる方法によ
って得られたフルオロポリマーの水性エマルジョン原液
は、それ自体は機械的安定性に乏しいため、原液に乳化
安定剤を加えて安定化させる。
【0003】乳化安定剤としては、主として経済的な理
由からふっ素系界面活性剤は使用されず、炭化水素系界
面活性剤が使用される。一般に使用されている乳化安定
剤はP−アルキルフェニルポリエチレングリコールエー
テル(アルキル基の炭素数は8〜10)のごときノニオ
ン系界面活性剤であるが、上記界面活性剤の使用によっ
ても未だエマルジョンの安定性は不十分であり、蒸発、
濃縮、希釈、移送、計量などを行う際に与えられる機械
的作用により不安定化する傾向がある。
【0004】アニオン界面活性剤を乳化安定剤として使
用することも提案されており、例えば米国特許第4,3
69,266号には、アルキルスルホン酸、アルキル硫
酸、アルキルアリールスルホン酸、アルキルアリール硫
酸、高級脂肪酸、アルキル燐酸エステル、アルキルアリ
ール燐酸エステル、スルホコハク酸のエステル又はその
塩などが包括的に羅列されている。しかしながら、これ
らのアニオン界面活性剤を乳化安定剤として使用してい
る例は同米国特許の実施例には見られず、また実際商業
的に使用されている例も殆ど見られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、機械
的安定性の高いフルオロポリマー水性エマルジョンを提
供することにある。例えば本発明のエマルジョンの使用
により機械的安定性の低さに起因する問題、即ちエマル
ジョンを撹拌、移送、噴霧する際に生ずるフルオロポリ
マーのコロイド粒子の凝集によるポンプ、バルブ、ノズ
ルなどの閉塞、及び同凝集物の容器壁、撹拌機などへの
付着、更には同凝集物のエマルジョン内での浮遊などの
現象を防止することが可能となる。本発明の第2の目的
は、熱的安定性の高いフルオロポリマー水性エマルジョ
ンを提供することにある。例えば本発明のエマルジョン
の使用により、熱的安定性の低さに起因する問題、即ち
高温時におけるエマルジョンの粘度上昇により生ずる金
属及びガラス織布などへの塗装性及び含浸性の劣化を防
止することが可能となる。本発明の他の目的は、機械的
及び熱的安定性が高いフルオロポリマー水性エマルジョ
ンを短時間で生産性良く製造する方法を提供することに
ある。
【0006】本発明者らは、機械的安定性及び熱的安定
性の高いフルオロポリマー水性エマルジョンを得るた
め、乳化安定剤として有効と思われる上記界面活性剤を
含む多くの界面活性剤について試験を行った。その多く
はエマルジョンの安定化が不十分であったり、エマルジ
ョンの起泡性が大きすぎたり、またガラス織布コーティ
ングにおいて界面活性剤が着色原因となったりするなど
の理由により、乳化安定剤として適切なものではなかっ
たが、特定のアルキルスルホコハク酸ナトリウムはフル
オロポリマーの低濃度水性エマルジョン領域において乳
化安定剤として有効であることを確認し、鋭意研究の結
果、フルオロポリマーの高濃度水性エマルジョン領域に
おいても、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムを乳化
安定剤として使用することにより、同エマルジョンを安
定化させることに成功し本発明を完成した。また生産性
良く本発明のフルオロポリマー水性エマルジョンを製造
することにも成功した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に関わるフルオロ
ポリマー水性エマルジョンは、フルオロポリマーに対し
1.5重量%以上のジアルキルスルホコハク酸ナトリウ
ム、及びN−メチルピロリドンを含むことを特徴とす
る。また本発明に関わる安定化されたフルオロポリマー
水性エマルジョンの製造方法は、乳化重合により得られ
るフルオロポリマー水性エマルジョン原液にN−メチル
ピロリドン又はその水溶液に溶解したジアルキルスルホ
コハク酸ナトリウムを混合することよりなる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においてフルオロポリマー
とは、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエ
チレン又はふっ化ビニリデンの重合体、或いはこれらの
共重合体をいう。例えばPTFE、テトラフルオロエチ
レン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフル
オロエチレン・フルオロアルキルビニルエーテル共重合
体、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリ
クロロトリフルオロエチレン、ポリふっ化ビニリデン、
ふっ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体
などを挙げることが出来る。
【0009】本発明において水性エマルジョンとは、平
均粒径が0.1〜0.3μのフルオロポリマーのコロイ
ド粒子を水中に1〜75重量%含むものをいう。コロイ
ド粒子の平均粒径は遠心沈降法により測定することがで
きる。本発明においては、遠心沈降式粒度分布測定装置
(島津製作所製SA−CP4L)により測定された値を
示す。
【0010】乳化安定剤としてはジアルキルスルホコハ
ク酸ナトリウムが使用される。アルキル基は炭素数が8
〜12であり、特にオクチル基またはノニル基であるこ
とが好ましい。かかる乳化安定剤をPTFEの水性エマ
ルジョンに使用した例は既に知られているが、そのPT
FEの濃度及び乳化安定剤の濃度は共に極めて薄いもの
であった。例えば、本発明の水性エマルジョンに使用さ
れた乳化安定剤であるジオクチルスルホコハク酸ナトリ
ウムは米国特許第2,478,299号の実施例4に記
載されてはいるものの、適用されたPTFEエマルジョ
ンは濃度が僅か3.2重量%の希薄エマルジョンであ
り、更にこれに上記乳化安定剤の1重量%溶液を加えて
いるため、安定化されたPTFEエマルジョンの濃度は
更に2.78重量%にまで低下している。即ち、この種
の乳化安定剤は水に対する溶解性が僅か1.5%程度と
低いため、濃厚PTFE水性エマルジョンを製造するた
めに原液に直接上記乳化安定剤を加えた場合には、乳化
安定剤がエマルジョンに溶解し、エマルジョンが安定化
するまでの時間が長過ぎるという問題があり、工業的に
10重量%以上の濃厚PTFE水性エマルジョンを製造
することは困難であった。
【0011】本発明者らは、ジアルキルスルホコハク酸
ナトリウムのN−メチルピロリドン溶液、或はN−メチ
ルピロリドン水溶液に溶解した溶液を調製し、これをP
TFE水性エマルジョン原液に混合する方法が、短時間
で安定化された濃厚PTFE水性エマルジョンを製造す
る方法として有効であることを見いだした。なおN−メ
チルピロリドンはジアルキルスルホコハク酸ナトリウム
の水に対する可溶化促進剤として使用したものである
が、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムの可溶化有機
液体として知られている四塩化炭素、石油エーテル、ナ
フサ、キシレン、石油系溶剤、アセトン、アルコールな
どを可溶化促進剤として使用したときは、PTFE水性
エマルジョンは不安定化された。
【0012】ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムの添
加量はフルオロポリマーの重量に対し1.5重量%以
上、好ましくは2〜5重量%の範囲である。添加量が
1.5重量%未満の量ではエマルジョンが不安定化しや
すくなる。一方上限値は限定的なものではないが、5重
量%を越える量は経済的に不利である。N−メチルピロ
リドンの量はジアルキルスルホコハク酸ナトリウムの水
に対する溶解性を改善できる量で、且つフルオロポリマ
ーの水性エマルジョンが不安定化される量よりも少なけ
れば良い。N−メチルピロリドンの量が多い程、ジアル
キルスルホコハク酸ナトリウムの水に対する溶解性は改
善されるが、一方余り多量ではフルオロポリマーの水性
エマルジョンを不安定化させることになるためである。
従って、N−メチルピロリドンの量はフルオロポリマー
の重量に対し10%重量以下、好ましくは5重量%以下
の量である。一方N−メチルピロリドンの下限値は必ず
しも限定的なものではないが、ジアルキルスルホコハク
酸ナトリウムに対し1重量%以上、好ましくは5重量%
以上、更に好ましくは10重量%以上である。
【0013】本発明のフルオロポリマー水性エマルジョ
ンを製造する方法においては、予めジアルキルスルホコ
ハク酸ナトリウムのN−メチルピロリドン溶液又はN−
メチルピロリドン水溶液に溶解した溶液を調製してお
き、これをフルオロポリマー水性エマルジョン原液に混
合し、本発明のエマルジョンを製造することが肝要であ
る。先にフルオロポリマー水性エマルジョン原液とジア
ルキルスルホコハク酸ナトリウムを混合してからN−メ
チルピロリドンを添加しても、或は先にフルオロポリマ
ー水性エマルジョン原液とN−メチルピロリドンを混合
してからジアルキルスルホコハク酸ナトリウムを添加し
ても、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムがなかなか
溶解しないことがあるためである。
【0014】フルオロポリマーエマルジョンの機械的安
定性は、当該エマルジョンを高速で撹拌することにより
エマルジョン中に含まれるコロイド粒子が衝突しあうこ
とによって会合し、見掛けの粒径が増加する割合を見て
判断することが出来る。また撹拌によってコロイド粒子
の一部は凝集物となって撹拌機のローター、容器の壁に
付着するか、またはフロックとなってエマルジョンから
分離する。この様な場合には、エマルジョン中に残存す
るコロイド粒子の粒径の増減に関わり無く安定性が悪い
と判断することが出来る。本発明においては以下に測定
法を示す粒径増加率を以て機械的安定性の尺度とした。
平均粒径(S1 )のエマルジョン200mlを内径60
mmのビーカーに取り、撹拌機(JANKE & KU
NKELGMBH & Co.KG製,ULTRA−T
URRAX)のゼネレーター付シャフトをビーカーの底
面から15mmの高さ、またビーカーの中心より5mm
ずらしてセットし、ロータの回転速度20,500rp
mで5分間撹拌し、次いで撹拌後のエマルジョンの平均
粒径(S2 )を測定し下式によって粒径増加率を計算し
た。 粒径増加率(%)=(S2 −S1 )/S1 ×100 機械的安定性は下記の基準により判断される。 粒径増加率が 0%以上− 5%未満では 良 粒径増加率が 5%以上−10%未満では 普通 粒径増加率が10%以上 では 悪 また撹拌により多量の凝集物が発生した場合も悪と判断
される。
【0015】水性エマルジョンの粘度はエマルジョンの
温度が上昇するに従って上昇する。夏季エマルジョンを
保存中に到達する30〜50℃の温度で粘度が急上昇す
るエマルジョンは好ましくない。本発明においては、フ
ルオロポリマーの濃度が約60重量%の水性エマルジョ
ンの20〜60℃までの範囲の粘度をB型粘度計(東京
計器製:型式BL)で測定し、粘度が急激に上昇する温
度を調べた。30〜50℃の範囲で粘度が急激に上昇す
るエマルジョンは熱的安定性が悪いと判定される。
【0016】以下、最も安定化することが困難なPTF
E水性エマルジョンをフルオロポリマー水性エマルジョ
ンの例として、実施例を示す。
【0017】
【実施例1】 機械的安定性試験:乳化重合法により得られた濃度約4
5重量%のPTFE水性エマルジョン原液300ml
に、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムをN−メチル
ピロリドンに溶解して表1に示される量を加え、容量5
00mlのビーカー中でスターラーを回転(100rp
m)させ、5分間緩やかに撹拌しつつ水を加え濃度30
重量%のPTFE水性エマルジョンを調製して試料Aと
し、前記の方法により粒径増加率を測定した。結果を表
1に示す。粒径増加率は僅少であった。
【0018】
【表1】
【0019】
【実施例2〜5】 機械的安定性試験:乳化重合法により得られた濃度約4
5重量%のPTFE水性エマルジョン原液300ml
に、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムをN−メチル
ピロリドンの50重量%水溶液に溶解して表2に示され
る量を加え、容量500mlのビーカー中でスターラー
を回転(100rpm)させ、5分間ゆるやかに撹拌し
つつ水を加え濃度30重量%のPTFE水性エマルジョ
ンを調製して試料B(実施例2),C(実施例3),D
(実施例4)及びE(実施例5)とし、それぞれについ
て前記の方法により粒径増加率を測定した。結果を表2
に示す。
【0020】
【比較例1及び2】表1に示すように、ジオクチルスル
ホコハク酸ナトリウムの溶媒としてケロシン又はアルコ
ール類を用いた他は実施例1と同様にして試料F(比較
例1)及びG(比較例2)を調製し、それぞれについて
粒径増加率を測定した。結果を表2に示す。
【0021】
【表2】
【0022】表2から明らかなように、ジオクチルスル
ホコハク酸ナトリウムの溶媒としてケロシン又はアルコ
ール類を用いた試料F,Gに比べて、ジアルキルスルホ
コハク酸ナトリウムの溶媒としてN−メチルピロリドン
を用いたPTFE水性エマルジョン試料B〜Eの粒径増
加率は小さく、機械的安定性に優れている。
【0023】
【比較例3〜6】乳化重合法により得られた濃度約45
重量%のPTFE水性エマルジョン原液に、PTFEの
重量に対し3.0重量%の試薬一級のジオクチルスルホ
コハク酸ナトリウム粉末を加えたこと(N−メチルピロ
リドンは添加せず)、及び撹拌時間を変更したこと以外
は実施例と同様にして濃度30重量%のPTFE水性エ
マルジョンを調製した。撹拌時間が0.5時間、1時
間、3時間、又は8時間の試料について粒径増加率を測
定した結果を表3に示す。撹拌時間が0.5時間の試料
H(比較例3)は機械的安定性試験で凝集してしまい、
撹拌時間が1時間(試料I:比較例4)又は3時間(試
料J:比較例5)でも機械的安定性は本発明の実施例に
比べて劣り、撹拌時間が8時間(試料K:比較例6)の
場合にようやく本発明の実施例と同等になった。
【0024】
【表3】
【0025】
【実施例6及び比較例7】前記試料Aを59.1重量%
に濃縮した試料L(実施例6)、および乳化安定剤とし
てP−ノニルフェニルポリエチレングリコールエーテル
(n=9)をPTFEに対し3.0重量%を加えた60
重量%PTFE水性エマルジョンの試料M(比較例7)
の熱的安定性試験を行った。結果を表4に示す。試料M
は40℃以上で粘度が急激に増加しているのに対し、本
発明の試料Lは40℃以上でも粘度上昇が少ない。なお
上記試料の粒径増加率はそれぞれ3.4%及び5.4%
であった。
【0026】
【表4】
【0027】
【実施例7〜9及び比較例8〜9】実施例1と同様な方
法により表5に示すようにジオクチルスルホコハク酸ナ
トリウムの濃度が異なる30重量%PTFE水性エマル
ジョン試料N(実施例7)、O(実施例8)、P(実施
例9)、Q(比較例8)及びR(比較例9)を調製し、
その粒径増加率を測定した。結果を表5に示す。ジオク
チルスルホコハク酸ナトリウムの濃度が0.5%(試料
Q)又は1%(試料R)の場合はエマルジョンが凝集し
た。
【0028】
【表5】
【0029】
【実施例10〜13】表5に示した30%PTFE水性
エマルジョン試料Nを水で10倍又は30倍に希釈して
試料S(実施例10)、試料T(実施例11)、試料O
を水で10倍又は30倍に希釈して試料U(実施例1
2)、試料V(実施例13)とし、それぞれについて粒
径増加率を測定した。結果を表6に示す。試料N,Oの
フルオロポリマー水性エマルジョンは、希釈率の如何に
かかわらず粒径増加率が低く機械的安定性が良好であっ
た。
【0030】
【表6】
【0031】
【発明の効果】本発明により、機械的安定性、熱的安定
性の高いPTFE水性エマルジョンを得ることができ、
また、短時間で生産性良く当該エマルジョンを製造する
ことができる。本発明のフルオロポリマー水性エマルジ
ョンは、弗素樹脂としての優れた表面特性、耐熱性、耐
薬品性、及び電気特性などを利用した、金属などへの塗
装剤、繊維及び織布などへの含浸剤、またポリカーボネ
ートなどの熱可塑性樹脂に防炎性を付与するための添加
剤など種々の材料への添加剤、さらには防塵処理剤とし
て使用される。フルオロポリマー水性エマルジョンを利
用する分野においては、エマルジョンの機械的安定性、
及び熱的安定性に起因する問題、例えば製造プロセスに
おいては蒸発、濃縮、希釈、撹拌、移送、計量、また加
工プロセスにおいては塗装、含浸、混合などを行う際の
エマルジョンの不安定化の傾向は、解決されるべき重大
な問題であった。しかし、実際商業的に十分に安定性の
高いフルオロポリマー水性エマルジョンを短時間で生産
性良く得ることは困難であったが、本発明はこれらの問
題点を解決し得るフルオロポリマー水性エマルジョン及
び当該エマルジョンの製造方法を提供するものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フルオロポリマーに対し1.5重量%以
    上のジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、及びN−メ
    チルピロリドンを含むことを特徴とするフルオロポリマ
    ー水性エマルジョン。
  2. 【請求項2】 N−メチルピロリドンの含有量がジアル
    キルスルホコハク酸ナトリウムに対し1重量%以上であ
    る請求項1に記載のフルオロポリマー水性エマルジョ
    ン。
  3. 【請求項3】 乳化重合により得られるフルオロポリマ
    ー水性エマルジョン原液にN−メチルピロリドン又はそ
    の水溶液に溶解したジアルキルスルホコハク酸ナトリウ
    ムを混合することよりなる安定化されたフルオロポリマ
    ー水性エマルジョンの製造方法。
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