JPH09188624A - 肝性脳症治療剤又は肝性脳症予防剤 - Google Patents
肝性脳症治療剤又は肝性脳症予防剤Info
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- JPH09188624A JPH09188624A JP8017188A JP1718896A JPH09188624A JP H09188624 A JPH09188624 A JP H09188624A JP 8017188 A JP8017188 A JP 8017188A JP 1718896 A JP1718896 A JP 1718896A JP H09188624 A JPH09188624 A JP H09188624A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hepatic encephalopathy
- medicine
- clarithromycin
- omeprazole
- treating
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Abstract
(57)【要約】
【目的】従来、肝性脳症の治療に用いられていたアミノ
グリコサイド系抗生物質では治療できない H pylori 陽
性の肝性脳症において、肝性脳症の治療又は予防に有効
な肝性脳症治療剤又は肝性脳症予防剤を提供する。 【構成】クラリスロマイシンとオメプラゾールを含有す
ることを特徴とする肝性脳症治療剤又は肝性脳症予防
剤。
グリコサイド系抗生物質では治療できない H pylori 陽
性の肝性脳症において、肝性脳症の治療又は予防に有効
な肝性脳症治療剤又は肝性脳症予防剤を提供する。 【構成】クラリスロマイシンとオメプラゾールを含有す
ることを特徴とする肝性脳症治療剤又は肝性脳症予防
剤。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は肝性脳症治療剤又は肝性
脳症予防剤に関し、詳しくはクラリスロマイシンとオメ
プラゾールを含有することを特徴とする肝性脳症治療剤
又は肝性脳症予防剤に関する。
脳症予防剤に関し、詳しくはクラリスロマイシンとオメ
プラゾールを含有することを特徴とする肝性脳症治療剤
又は肝性脳症予防剤に関する。
【0002】
【従来の技術】肝性脳症には急性型と慢性型があり、そ
の肝性脳症の治療に関しては、急性型の場合では、血漿
交換、交換輸血が行われ、慢性型の場合では、血中のア
ンモニア濃度の低下、分枝鎖アミノ酸を主とする特殊ア
ミノ酸輸血などが行われている。
の肝性脳症の治療に関しては、急性型の場合では、血漿
交換、交換輸血が行われ、慢性型の場合では、血中のア
ンモニア濃度の低下、分枝鎖アミノ酸を主とする特殊ア
ミノ酸輸血などが行われている。
【0003】従来、慢性型の肝性脳症の治療において、
血中のアンモニア濃度を低下させるためには、その原因
となるアンモニアを産生する腸内細菌の除菌ため、アミ
ノグリコサイド系抗生物質(例えばネオマイシンやパロ
モマイシンなど)の経口投与により行われている。しか
しながら、このアミノグリコサイド系抗生物質を投与し
ても血中のアンモニア濃度が低下せず、肝性脳症が改善
されない場合があった。最近、本発明の発明者らは、胃
内のヘリコバクターピロリ(H pylori)もアンモニア産
生に関与していること示唆した(Gastoenterol Hepatol
1994, 6, 167-174)。
血中のアンモニア濃度を低下させるためには、その原因
となるアンモニアを産生する腸内細菌の除菌ため、アミ
ノグリコサイド系抗生物質(例えばネオマイシンやパロ
モマイシンなど)の経口投与により行われている。しか
しながら、このアミノグリコサイド系抗生物質を投与し
ても血中のアンモニア濃度が低下せず、肝性脳症が改善
されない場合があった。最近、本発明の発明者らは、胃
内のヘリコバクターピロリ(H pylori)もアンモニア産
生に関与していること示唆した(Gastoenterol Hepatol
1994, 6, 167-174)。
【0004】クラリスロマイシンは、マクロライド系抗
生物質剤であり、抗菌剤として使用されており、また、
H pylori に対する除菌作用が知られている。一方、オ
メプラゾールは、消化性潰瘍の治療剤として使用されて
いる。
生物質剤であり、抗菌剤として使用されており、また、
H pylori に対する除菌作用が知られている。一方、オ
メプラゾールは、消化性潰瘍の治療剤として使用されて
いる。
【0005】H pylori は胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃ガ
ン、萎縮性胃炎の原因の一つではないかと言われ、研究
が続けられている。特に胃潰瘍、十二指腸潰瘍の再発に
関与している可能性が示唆され、研究が続けられてい
る。
ン、萎縮性胃炎の原因の一つではないかと言われ、研究
が続けられている。特に胃潰瘍、十二指腸潰瘍の再発に
関与している可能性が示唆され、研究が続けられてい
る。
【0006】H pylori の除菌ついて、クラリスロマイ
シン単独よりも、クラリスロマイシンとオメプラゾール
の併用の方が H pylori の除菌に有効であると報告さ
れ、胃潰瘍の治療を目的としてクラリスロマイシンとオ
メプラゾールの併用が研究されている。
シン単独よりも、クラリスロマイシンとオメプラゾール
の併用の方が H pylori の除菌に有効であると報告さ
れ、胃潰瘍の治療を目的としてクラリスロマイシンとオ
メプラゾールの併用が研究されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、アミノ
グリコサイド系抗生物質で治療できない H pylori 陽性
の肝性脳症において、肝性脳症の治療又は予防に有効な
肝性脳症治療剤又は肝性脳症予防剤を提供することを目
的とした。
グリコサイド系抗生物質で治療できない H pylori 陽性
の肝性脳症において、肝性脳症の治療又は予防に有効な
肝性脳症治療剤又は肝性脳症予防剤を提供することを目
的とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決するために、鋭意研究をした結果、クラリスロ
マイシンとオメプラゾールを併用することにより、 H p
ylori 感染患者の血中のアンモニアの濃度が低下するこ
とを見いだし、更にその知見に基づき本発明を完成し
た。
題を解決するために、鋭意研究をした結果、クラリスロ
マイシンとオメプラゾールを併用することにより、 H p
ylori 感染患者の血中のアンモニアの濃度が低下するこ
とを見いだし、更にその知見に基づき本発明を完成し
た。
【0009】即ち、本発明は、クラリスロマイシンとオ
メプラゾールを含有することを特徴とする肝性脳症治療
剤又は肝性脳症予防剤である。
メプラゾールを含有することを特徴とする肝性脳症治療
剤又は肝性脳症予防剤である。
【0010】健常人では、腸内細菌や H pylori により
産生されたアンモニアは吸収されると肝臓で代謝され、
解毒化される。しかし、肝機能の低下した肝硬変患者な
どでは、肝臓でアンモニアが代謝されず、血中のアンモ
ニア濃度が高くなり、高アンモニア血症を生じる。この
高アンモニア血症は肝性脳症の重要な因子である。アン
モニアを産生する腸内細菌や H pylori の除菌が、肝性
脳症の治療や予防のため有用であり、クラリスロマイシ
ンとオメプラゾールを併用すると、 H pylori感染患者
の血中のアンモニアの濃度が低下するため、 H pylori
陽性の肝性脳症の治療と予防に有用である。
産生されたアンモニアは吸収されると肝臓で代謝され、
解毒化される。しかし、肝機能の低下した肝硬変患者な
どでは、肝臓でアンモニアが代謝されず、血中のアンモ
ニア濃度が高くなり、高アンモニア血症を生じる。この
高アンモニア血症は肝性脳症の重要な因子である。アン
モニアを産生する腸内細菌や H pylori の除菌が、肝性
脳症の治療や予防のため有用であり、クラリスロマイシ
ンとオメプラゾールを併用すると、 H pylori感染患者
の血中のアンモニアの濃度が低下するため、 H pylori
陽性の肝性脳症の治療と予防に有用である。
【0011】本発明に於いて、クラリスロマイシンの有
効投与量は、健康成人一日200mg〜1500mg、
好ましくは400mg〜800mgである。オメプラゾ
ールの有効投与量は、健康成人一日10mg〜60m
g、好ましくは20mg〜40mgである。クラリスロ
マイシンとオメプラゾールの配合の重量比は、好ましく
は1:0.1〜1:0.025である。
効投与量は、健康成人一日200mg〜1500mg、
好ましくは400mg〜800mgである。オメプラゾ
ールの有効投与量は、健康成人一日10mg〜60m
g、好ましくは20mg〜40mgである。クラリスロ
マイシンとオメプラゾールの配合の重量比は、好ましく
は1:0.1〜1:0.025である。
【0012】本発明の肝性脳症治療剤又は肝性脳症予防
剤には、他の抗生剤を配合しても良い。他の抗生剤とし
ては、アモキシシリン、ネオマイシン、パロモマイシン
などが挙げられる。
剤には、他の抗生剤を配合しても良い。他の抗生剤とし
ては、アモキシシリン、ネオマイシン、パロモマイシン
などが挙げられる。
【0013】本発明の肝性脳症治療剤又は予防剤は、そ
のままあるいは必要に応じて他の公知の添加剤、例え
ば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング
剤、着色剤、橋味橋臭剤、界面活性剤、可塑剤などを混
合して常法により、顆粒剤、散剤、カプセル剤、錠剤、
ドライシロップ剤、液剤などの経口製剤とすることがで
きる。
のままあるいは必要に応じて他の公知の添加剤、例え
ば、賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、コーティング
剤、着色剤、橋味橋臭剤、界面活性剤、可塑剤などを混
合して常法により、顆粒剤、散剤、カプセル剤、錠剤、
ドライシロップ剤、液剤などの経口製剤とすることがで
きる。
【0014】これらの添加剤は、医薬品として許容され
る添加剤であれば、いずれを用いてもよい。
る添加剤であれば、いずれを用いてもよい。
【0015】
【実施例】次に、本発明を実施例及び試験例を挙げてさ
らに詳細に説明する。
らに詳細に説明する。
【0016】実施例1 (処方例:1日量) クラリスロマイシン 400mg オメプラゾール 20mg アモキシシリン 1000mg 試験例1 実施例1の肝性脳症予防剤をH pylori陽性・C型肝炎の
肝性脳症の56歳の男性に1カ月間投与したところ、血
中のアンモニアの濃度は投与前176.1μmol/L
から投与後102.5μmol/Lに低下した。血中の
アンモニア濃度は5カ月間低いレベルを維持し、重篶な
肝性脳症は起こらなかった。
肝性脳症の56歳の男性に1カ月間投与したところ、血
中のアンモニアの濃度は投与前176.1μmol/L
から投与後102.5μmol/Lに低下した。血中の
アンモニア濃度は5カ月間低いレベルを維持し、重篶な
肝性脳症は起こらなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31:44) (C07D 401/12 213:68 235:28) (72)発明者 宮地 英生 福井県吉田郡松岡町下合月23−3 福井医 科大学内 (72)発明者 伊藤 義幸 福井県吉田郡松岡町下合月23−3 福井医 科大学内 (72)発明者 栗山 勝 福井県吉田郡松岡町下合月23−3 福井医 科大学内 (72)発明者 加藤 卓次 福井県吉田郡松岡町兼定島4−11 福井県 立大学看護短期大学部内 (72)発明者 郡 大裕 京都府京都市山科区竹鼻四丁野町19−4 愛生会山科病院内
Claims (1)
- 【請求項1】クラリスロマイシンとオメプラゾールを含
有することを特徴とする肝性脳症治療剤又は肝性脳症予
防剤
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8017188A JPH09188624A (ja) | 1996-01-06 | 1996-01-06 | 肝性脳症治療剤又は肝性脳症予防剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8017188A JPH09188624A (ja) | 1996-01-06 | 1996-01-06 | 肝性脳症治療剤又は肝性脳症予防剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09188624A true JPH09188624A (ja) | 1997-07-22 |
Family
ID=11936973
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8017188A Pending JPH09188624A (ja) | 1996-01-06 | 1996-01-06 | 肝性脳症治療剤又は肝性脳症予防剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09188624A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999004816A1 (en) * | 1997-07-25 | 1999-02-04 | Byk Gulden Lomberg Chemische Fabrik Gmbh | Proton pump inhibitor in therapeutic combination with antibacterial substances |
-
1996
- 1996-01-06 JP JP8017188A patent/JPH09188624A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1999004816A1 (en) * | 1997-07-25 | 1999-02-04 | Byk Gulden Lomberg Chemische Fabrik Gmbh | Proton pump inhibitor in therapeutic combination with antibacterial substances |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |