JPH09188485A - 昇降装置の動作異常診断装置 - Google Patents

昇降装置の動作異常診断装置

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JPH09188485A
JPH09188485A JP245696A JP245696A JPH09188485A JP H09188485 A JPH09188485 A JP H09188485A JP 245696 A JP245696 A JP 245696A JP 245696 A JP245696 A JP 245696A JP H09188485 A JPH09188485 A JP H09188485A
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正光 八巻
Takeyoshi Ando
武喜 安藤
Satoru Fukuda
哲 福田
Takashi Fujimoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 昇降装置の動作検知センサーの設置個数が増
大し、設置、維持および更新費用が高額になり、監視員
による異常診断結果にばらつきが生じる虞があり、昇降
装置の異常診断結果の信頼性が乏しい。 【解決手段】 異常診断装置3の異常診断部32は制御
装置2の昇降制御部21からの指令の内容を昇降指令検
出部31が判定した結果の走行行程毎に、速度検出装置
4が検出した昇降装置の走行速度の交流成分の特定の周
波数帯域成分を抽出し、その行程中の最大振幅の値を予
め記憶しておいた正常値と比較して、最大振幅と正常値
との差の絶対値と正常値の比が第2の基準値を越えてい
た時、あるいは、第2の基準値以下で、所定の第1の基
準値を越えていた場合で、診断対象部位の重要度が高い
時には帯域成分に関連付けられた昇降装置の箇所は動作
異常と診断するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は走行機構の異常診断
を行うエレベーター等の昇降装置の動作異常診断装置の
技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】エレベーター等の昇降装置は使用劣化や
不良部品あるいは異物の混入等により走行異常や動作異
常が起こることがある。昇降装置にかかる異常が発生し
て走行不能になると、多くの利用者に不便を掛けるの
で、異常が発生した場合はできだけ早期に異常を検知
し、速やかに復旧処置を講じなければならない。この異
常の検知ために、従来は異常が発生し易い箇所や重要箇
所に多数の動作検知センサーを設置して、該センサーの
検知出力を監視する監視装置が異常を検出して発した異
常通報を遠隔地に設けられた監視センターに伝送した
り、監視員が動作検知センサーの検知出力を調べて昇降
装置に異常が発生したことを確認したりしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術におい
ては、昇降装置の制御動作が複雑かつ高度になるに従っ
て、動作検知センサーに要求される機能が多様化すると
共に高度化し、さらに、設置個数も増大し、動作検知セ
ンサーの設置、維持および更新費用が高額になる。ま
た、動作検知センサーの検知出力から昇降装置の異常を
判定する場合には、監視員が複数の検知出力の動作タイ
ミングを調べて、それが正常動作時のものか異常動作時
のものか判定しなければならないが、それぞれの検知信
号の間の関係が重要な判断点となるので、動作検知セン
サーの検知出力を見て昇降装置の異常を診断できるよう
になるためには多くの経験と知識が必要であった。従っ
て、監視員の習熟度等によって昇降装置の異常診断結果
にばらつきが生じる虞があり、診断結果の信頼性が乏し
いという問題点があった。本発明は従来技術におけるか
かる課題に鑑みて為されたものであり、多数の動作検知
センサーの設置を必要とせず、経験の乏しい監視員であ
っても容易に昇降装置のあらゆる走行機構の正確な異常
診断ができる安価な昇降装置の動作異常診断装置を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、電動機の回転速度に基づいて昇降装置の走
行速度を検出して、該走行速度の交流成分の中の1つま
たは複数の周波数の帯域成分を抽出し、該帯域成分の振
幅の最大値と予め記憶した帯域成分の正常値とを比較
し、前記帯域成分の振幅の最大値と前記帯域成分の正常
値との差の絶対値と前記正常値との比を演算して帯域成
分偏差とし、該帯域成分偏差の値が所定の第2の基準値
を越えていたならば、前記帯域成分に関連付けられた昇
降装置の箇所は動作異常と診断するようにしたものであ
る。好ましくは、昇降装置の加速、定速および減速の各
走行行程毎に昇降装置の走行機構の異常を診断すると共
に、帯域成分偏差の値が所定の第2の基準値以下で、所
定の第1の基準値を越えていた場合は、帯域成分に関連
付けられた昇降装置の箇所の重要度に応じて動作異常ま
たは要点検と診断するようにしたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は本発明の典型的な実施の形
態を示すブロック図である。同図において、1は昇降装
置の駆動源である電動機、2は電動機1を制御する制御
装置、3は昇降装置の異常を診断する異常診断装置、4
は電動機1に連結され、電動機1の回転速度を検出して
昇降装置の走行速度信号に変換し、制御装置2に出力す
る速度検出装置、21は昇降装置の走行を制御する昇降
制御部、22は昇降制御部21からの指令に基づいて電
動機1に供給される電流を制御する電流制御部、31は
昇降制御部21からの指令を検出してその内容を判定す
る昇降指令検出部、32は昇降指令検出部31が判定し
た昇降制御部21からの指令内容および速度検出装置4
が出力した走行速度信号に基づいて昇降装置の動作異常
の有無を診断する異常診断部、33は異常診断部32の
診断結果の信号を通信回線を介して外部の例えば、監視
センター等に伝送したり、制御装置2に帰還させる転送
部である。
【0006】異常診断部32は昇降指令検出部31が判
定した昇降制御部21からの指令内容に従って昇降装置
の走行状態を認識すると共に、速度検出装置4が出力し
た走行速度信号の交流成分を取り出して所定の帯域毎の
帯域成分を抽出し、その振幅BWi を予め記憶しておい
た正常値BWi0と比較し、その差の絶対値|BWi −B
i0|の正常値BWi0に対する比、即ち、帯域成分偏差
i =|BWi −BWi0|/BWi0の行程内の最大値が
第1基準値S1 以下ならば正常、第1基準値S1 を越え
て第2基準値S2 以下であり、かつ、判定対象部位が重
要度の低い部位ならば要点検、第1基準値S1 を越えて
おり、かつ、判定対象部位が重要度の高い部位の場合、
あるいは、判定対象部位が重要度の低い部位であって、
第2基準値S2 を越えている場合は昇降装置は異常と診
断する。
【0007】
【実施例】以下に本発明の一実施例を詳細に説明する。
本実施例は本発明を昇降装置の1つであるエレベーター
の異常診断に適用した具体例である。図2は本実施例の
異常診断部32の構成を示すブロック図である。同図に
おいて、5は制御装置2から受信した走行指令の指令内
容に従ってエレベーターの走行状態を認識すると共に、
エレベーターの走行速度v信号から取り出された交流成
分の所定の帯域Bi 毎の帯域成分bi の振幅BWi を正
常値BWi0と比較し、その異常診断を行うCPU、6は
速度検出装置4が出力した走行速度v信号を制御装置2
を介して受信し、その所定の帯域Bi 毎の帯域成分bi
を抽出する濾波回路、7は濾波回路6が抽出したエレベ
ーターの走行速度v信号の交流成分の所定の帯域Bi
の帯域成分bi を整流する整流回路、8は整流回路7か
ら出力された走行速度v信号の所定の帯域成分bi を整
流した脈流を積分して平滑化する積分回路、9は走行速
度v信号の帯域成分bi の振幅の正常値BWi0および帯
域成分偏差Di を記憶するメモリである。なお、メモリ
9にはエレベーターの走行過程毎に設定された3つの帯
域カウンター、即ち、定速帯域カウンターA、加速帯域
カウンターBおよび減速帯域カウンターCの値も記憶さ
れる。
【0008】図6は巻上機の平面図、図7はエレベータ
ーの異常診断部位Pと部位Pに対応する走行速度v信号
の帯域Bi の関係を示す表図である。図6において、4
1は第1ピニオン、42は第1ピニオン41に歯合する
第1ギヤ、43は第1ギヤ42と同軸に連結された第2
ピニオン、44は第2ピニオン43に歯合する第2ギヤ
である。これらの第1、第2ピニオン41,43および
第1、第2ギヤ42,44は螺旋歯車が用いられてお
り、第1ピニオン41から第2ギヤ44まで連続的に駆
動力が伝達される。図7において、行には故障診断対象
部位が、列には走行速度v信号の帯域Bi の番号iが配
列され、これらの交叉位置の○印が両者の関連有りを示
している。例えば、電動機1は帯域B1 およびB2 に、
巻上機の第2ギヤ44は帯域B2 およびB3 に関連して
いる。
【0009】ところで、例えば、第1ピニオン41の1
つの歯が欠けた場合には、第1ピニオン41が1回転す
る間に1回だけ第2ギヤ42に駆動力を伝達できなくな
る。従って、反作用により第1ピニオン41が1回転す
る間に1回だけ回転に乱れが生じる。このため、電動機
1の回転にも1回転に付き1回の回転の乱れが生じるか
ら、エレベーターの走行速度v信号には電動機1の回転
数と同一の周波数の乱れが生じる。このことから、エレ
ベーターの走行速度v信号の帯域B2 を電動機1の回転
数と同一の周波数の近傍に設定することにより、第1ピ
ニオン41の異常に関連した知見を得ることができ、第
1ピニオン41の異常を診断できることが判る。同様
に、他の第2ピニオン43および第1、第2ギヤ42,
44に付いても、電動機1の回転数と各歯車毎の減速比
に基づいた周波数帯域Bi をこれらの異常の診断に関連
して用い得ることが判る。
【0010】この外、給油器の油切れ等による案内装置
やガイドレールの固渋が生じた場合にも、これの固渋に
特有の上下振動が発生するから、これらの固有の振動の
周波数を異常診断の帯域Bi に設定すれば、これらの帯
域Bi の帯域成分bi の振幅の最大値BWiMを調べるこ
とにより、案内装置やガイドレールの動作異常を診断す
ることができる。また、ガイドレールが部分的にずれた
場合には、衝撃振動と固有周波数の上下振動が発生する
から、これらの振動に固有の周波数帯域を異常の診断の
帯域Bi に用いることにより、上記異常を正確に診断す
ることができる。このように、エレベーターの走行速度
v信号の交流成分の1つまたは複数の特有の帯域Bi
振幅の最大値BWiMの大きさを調べることにより、エレ
ベーターの走行系の全ての動作異常を診断することがで
きる。
【0011】図8はエレベーターが動き始めてから停止
するまでの走行速度vと走行速度指令の具体例を示した
グラフである。同図において、実線は走行速度指令、破
線は走行速度vを示す。このように、走行速度vは走行
速度指令に応じて変化するものの、実際には各走行過程
で振動成分が加味される。図9(a)は定速走行中のあ
る期間Tの間の走行速度vと走行速度指令のグラフを拡
大して示したものであり、(b)は走行速度v信号の帯
域B1 の帯域成分b1 、(c)は走行速度v信号の帯域
2 の帯域成分b2 を抽出した信号のグラフをそれぞれ
拡大して示したものである。このように、この具体例で
は走行速度v信号の帯域B1 の帯域成分b1 および帯域
2 の帯域成分b2 の振幅がやや大きいことから、図7
を参照すると、電動機1またはブレーキに異常が生じた
可能性がある。
【0012】図3〜図5はエレベーターの異常診断処理
の流れ図である。これらの図を参照して本実施例の動作
を説明する。まず、各帯域カウンターA,B,Cの値を
初期値、即ち、0に設定する(S1)。次に、帯域Bi
毎の帯域成分bi の振幅BWi の正常値BWi0の少なく
とも1つの記憶が終了しているか否かを判断する(S
2)。その判断結果が否ならば、エレベーターの部位P
毎の重要度VP 、帯域Bi の総数nおよび診断項目mの
総数Mの入力を行う(S3)。手順S2の判断結果が然
りならば、手順S3を省略する。そして、エレベーター
は走行中か否かを判断し(S4)、その判断結果が否な
らば手順S2に戻り、その判断結果が然りならば、エレ
ベーターは加速走行中か否かを判断する(S5)。その
判断結果が否ならば、エレベーターは減速走行中か否か
を判断する(S6)。手順S5の判断結果が然りなら
ば、加速帯域カウンターCの値を1つ歩進させ(S
7)、手順S6の判断結果が然りならば、減速帯域カウ
ンターBの値を1つ歩進させる(S8)。手順S6の判
断結果が否ならば定速走行中と判断して定速帯域カウン
ターAの値を1つ歩進させる(S9)。
【0013】次に、図4に移って、制御装置2を介して
エレベーターの走行速度v信号を受信して取り込む(S
10)。そして、走行速度v信号の交流成分の帯域カウ
ンターの設定値に対応した帯域Bi の帯域成分bi を濾
波回路6の出力から取り込み(S11)、整流回路7で
整流させた後、積分回路8で積分させて帯域成分bi
振幅BWi を求め、その行程内の最大値BWiMを取り込
む(S12)。次に、当該走行過程での当該帯域Bi
帯域成分bi の正常値BWi0が既に記憶されているか否
かを判断して(S13)、その判断結果が否ならば、手
順S12で求めた当該帯域Bi の帯域成分bi の行程内
の振幅の最大値BWiMを帯域カウンターの当該設定値に
対応した正常値BWi0として記憶する(S14)。そし
て、帯域カウンターA,B,Cの値が全てnとなってい
るか否かを判断して(S15)、その判断結果が否なら
ば、手順S4に戻って手順S14に到るまでの当該走行
過程での帯域Bi の正常値BWi0の記憶のための処理を
繰り返し、手順S15の判断結果が然りならば最初の手
順S1に戻る。
【0014】手順S13の判断結果が然りならば、全て
の帯域カウンターの設定値に対応した帯域Bi の正常値
BWi0の記憶は終了していると判断して、当該正常値B
i0をメモリ9から読み出して当該帯域Bi の帯域成分
i の帯域成分偏差Di =|BWi −BWi0|/BWi0
を演算する(S16)。そして、この値が10%以下か
否かを判断する、行程内の振幅の最大値BWiMと当該正
常値BWi0とを比較する第1の比較のための処理を行い
(S17)、その判断結果が然りならば、帯域成分偏差
i をメモリ9に記憶させる(S18)。そして、帯域
カウンターA,B,Cの値が全てnとなっているか否か
を判断して(S19)、その判断結果が否ならば、手順
S4に戻って手順S18に到るまでの当該走行過程での
帯域Biの帯域成分bi の振幅の最大値BWiMを正常値
BWi0と比較するための処理を繰り返し、手順S19の
判断結果が然りならば、図5の手順S20に移る。手順
S17の判断結果が否ならば誤検出と判断して、最初の
手順S1に戻り、帯域Biの帯域成分bi の行程内の振
幅の最大値BWiMと正常値BWi0の比較ための処理を繰
り返す。
【0015】図5の手順S20では、診断項目mの値を
1つ歩進させる。そして、診断項目(m−1)の部位P
に対応する帯域Bi の帯域成分偏差Di をメモリ9から
読み出して(S21)、帯域成分偏差Di は第1基準値
1 =3%以上か否かを判断する(S22)。その判断
結果が否ならば、診断項目(m−1)の部位Pに対応す
る次の帯域Bi+1 は無いか否かを判断して(S23)、
その判断結果が否ならば、部位Pに対応する次の帯域B
i+1 に移った後(S24)、手順S21に戻り、帯域成
分偏差Di+1 と正常値BWi+1,0 との第2の比較のため
の処理を繰り返す。手順S23の判断結果が然りなら
ば、即ち、診断項目(m−1)の部位Pに対応する全て
の帯域Bi の帯域成分偏差Di の第1基準値S1 に対す
る第2の比較のための処理が終了したならば、診断項目
mはその総数Mに達したか否かを判断して(S25)、
その判断結果が否ならば、手順S20に戻って、診断項
目mの値を1つ歩進させ、次の診断項目mの部位Pに対
応する帯域Bi の帯域成分偏差Di の第2の比較のため
の処理を継続する。そして、診断項目mが総数Mに等し
くなった、即ち、全ての診断項目mについて部位Pに対
応する帯域Bi の帯域成分偏差Di の第2の比較のため
の処理が全て終了したならば、運転続行の信号を制御装
置2に出力して(S26)、エレベーターの運転をその
まま継続させる。
【0016】手順S22の判断結果が然りならば、即
ち、ある部位Pに対応する帯域Bi の帯域成分偏差Di
が第1基準値S1 以上であった時は、当該部位Pの重要
度VPをメモリ9から読み出して、それが低いか否かを
判断する(S27)。その判断結果が然りならば、当該
帯域Bi の帯域成分偏差Di は第2基準値S2 =5%以
下か否かを判断する(S28)。手順S27あるいは手
順S28の何れかの判断結果が否、即ち、当該部位Pの
重要度VP が高い場合、あるいは、当該帯域Biの帯域
成分偏差Di が第2基準値S2 を越えていた場合は、早
急な対策が必要と判断して、異常信号と共に運転停止の
信号を制御装置2に出力して(S29)、エレベーター
の運転を停止させる。制御装置2は運転停止の信号を受
信すると、エレベーターの乗りかごを最寄り階まで移動
させて、そこで停止させる。なお、停止信号、当該部位
Pおよび当該帯域Bi の帯域成分偏差Di は転送部33
より通信回線を介して監視センター等に伝送される。手
順S28の判断結果が然り、即ち、当該部位Pの重要度
P が低く、当該帯域Bi の帯域成分偏差Di は第2基
準値S2 =5%以下ならば、要点検信号と共に運転続行
の信号を制御装置2に出力して(S30)、エレベータ
ーの運転をそのまま継続させる。なお、この場合も要点
検信号、当該部位Pおよび当該帯域Bi の帯域成分偏差
i は転送部33より通信回線を介して監視センター等
に伝送される。
【0017】そして、当該部位Pに対応する次の帯域B
i+1 は無いか否かを判断して(S31)、その判断結果
が否ならば、手順S21に戻り、上述の手順S30に到
るエレベーターの異常診断のための処理を繰り返す。手
順S31の判断結果が然りならば、即ち、当該部位Pに
対するエレベーターの異常診断のための処理が終了した
ならば、診断項目mはその総数Mに達したか否かを判断
して(S32)、その判断結果が否ならば、手順S20
に戻って、次の部位Pに対するエレベーターの異常診断
のための処理を繰り返し、手順S32の判断でm=M、
即ち、全ての診断項目mについて部位Pに対応するエレ
ベーターの異常診断のための処理が終了したならば、こ
のエレベーターの異常診断処理のルーチンを終了する。
【0018】本実施例ではエレベーターの走行速度v信
号の帯域Bi の帯域成分偏差Di が第1基準値S1 以上
であっても、故障診断対象部位Pの重要度VP が低く、
第2基準値S2 以下ならば、要点検信号を発するもの
の、エレベーターの運転はそのまま継続されるので、エ
レベーターの運転効率が優れた異常診断となる。また、
帯域Bi の帯域成分偏差Di の大きさを加速、定速およ
び減速の各走行行程毎に調べてエレベーターの動作異常
を診断するので、従来の方式と全く異なり、従来は診断
できなかった対象項目の部位Pの動作異常をも診断で
き、しかも、各走行行程毎に特有の特性を勘案して精密
に診断することができる。なお、本実施例では帯域Bi
の帯域成分bi の正常値BWi0は初回の走行過程での値
としたが、これに限らず、予め所定値を設定するように
しても良いし、走行毎に帯域成分biの正常値を更新し
ても良い。後者の方式を採用すれば、エレベーターの正
常な経年劣化や使用劣化による特性変化分を補正して異
常な特性変化分だけを抽出することができる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように請求項1記載の発明
によれば、電動機の回転速度に基づいた昇降装置の走行
速度の交流成分の中の1つまたは複数の周波数の帯域成
分の振幅の最大値と予め記憶した帯域成分の正常値との
差の絶対値と前記正常値との比を演算して、その値が所
定の第2の基準値を越えていたならば、前記帯域成分に
関連付けられた昇降装置の箇所は動作異常と診断するよ
うにしたので、多数の動作検知センサーの設置を必要と
せず、経験の乏しい監視員であっても、昇降装置の従来
は診断できなかった部位を含むあらゆる走行機構の正確
な異常診断を容易かつ安価に行うことができる。
【0020】請求項2記載の発明によれば、帯域成分偏
差の値が所定の第2の基準値以下で、所定の第1の基準
値を越えていた場合は、帯域成分に関連付けられた昇降
装置の箇所の重要度に応じて動作異常または要点検と診
断するようにしたので、昇降装置の箇所の重要度が低く
第2基準値以下ならば、昇降装置の運転はそのまま継続
されるから、昇降装置の運転効率が優れた異常診断を行
うことができる。請求項3記載の発明によれば、昇降装
置の加速、定速および減速の各走行行程毎に昇降装置の
走行機構の異常を診断するようにしたので、各走行行程
毎に特有の特性を勘案した精密な異常診断をすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の典型的な実施の形態を示すブロック図
【図2】本実施例の異常診断部の構成を示すブロック図
【図3】エレベーターの異常診断処理の流れ図
【図4】図3に続く異常診断処理の流れ図
【図5】図4に続く異常診断処理の流れ図
【図6】巻上機の平面図
【図7】エレベーターの異常診断部位と対応する走行速
度信号の帯域番号の関係を示す表図
【図8】エレベーターの各走行行程における走行速度と
走行速度指令の具体例を示した波形図
【図9】定速走行中の走行速度と走行速度指令の拡大波
形図、走行速度信号の帯域B1の帯域成分b1 の拡大波
形図および帯域B2 の帯域成分b2 の拡大波形図
【符号の説明】
1 電動機 2 制御装置 3 異常診断装置 4 速度検出装置 5 CPU 6 濾波回路 7 整流回路 8 積分回路 9 メモリ 21 昇降制御部 22 電流制御部 31 昇降指令検出部 32 異常診断部 33 転送部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富士本 貴 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式会 社日立カーエンジニアリング内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電動機により駆動される昇降装置の動作
    を監視して、その走行機構の異常を診断する昇降装置の
    動作異常診断装置において、前記電動機の回転速度に基
    づいて前記昇降装置の走行速度を検出して、該走行速度
    の交流成分の中の1つまたは複数の周波数の帯域成分を
    抽出し、該帯域成分の振幅の最大値と予め記憶した前記
    帯域成分の正常値とを比較し、前記帯域成分の振幅の最
    大値と前記帯域成分の正常値との差の絶対値と前記正常
    値との比を演算して帯域成分偏差とし、該帯域成分偏差
    の値が所定の第2の基準値を越えていたならば、前記帯
    域成分に関連付けられた昇降装置の箇所は動作異常と診
    断するようにしたことを特徴とする昇降装置の動作異常
    診断装置。
  2. 【請求項2】 帯域成分偏差の値が所定の第2の基準値
    以下で、所定の第1の基準値を越えていた場合は、帯域
    成分に関連付けられた昇降装置の箇所の重要度に応じて
    動作異常または要点検と診断するようにしたことを特徴
    とする請求項1記載の昇降装置の動作異常診断装置。
  3. 【請求項3】 昇降装置の加速、定速および減速の各走
    行行程毎に昇降装置の走行機構の異常を診断するように
    したことを特徴とする請求項1または請求項2記載の昇
    降装置の動作異常診断装置。
JP00245696A 1996-01-10 1996-01-10 昇降装置の動作異常診断装置 Expired - Fee Related JP3729548B2 (ja)

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JP2007223750A (ja) * 2006-02-24 2007-09-06 Mitsubishi Electric Building Techno Service Co Ltd エレベータの異常検出装置及びエレベータの異常検出方法
CN100431938C (zh) * 2004-09-27 2008-11-12 东芝电梯株式会社 携带式异常诊断设备、升降机异常诊断系统及方法
JP2010241541A (ja) * 2009-04-03 2010-10-28 Mitsubishi Electric Building Techno Service Co Ltd エレベータの検査装置及びその改修方法

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