JPH09188002A - 背景依存の黒色のイメージを生成するカラー印刷における色料決定方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 黒色オブジェクトに対する黒色の組成が、非
ブラック色料を含んでいる背景色の存在または不在によ
って自動的に変更されるデジタルカラー印刷方法を提供
する。 【解決手段】 背景区域の上に黒色区域を印刷する印刷
プロセスにおいて用いられるブラックあるいは非ブラッ
ク色料を指定するための電子的な信号を用いるシステム
における、黒色区域を印刷するのに用いられるべき色料
を決定する方法。この方法は、背景が非ブラック色料を
用いて印刷されるべきか否かを決定するために前記信号
をテストし、もしも、非ブラック色料が背景を印刷する
ために使用されるべきであるならば、黒色は第１の黒色
を用いて印刷されるであろうことを指定する信号を発生
し、もしも、非ブラック色料が背景を印刷するために使
用されるべきでないならば、黒色は第２の黒色を用いて
印刷されるであろうことを指定する信号を発生し、黒色
区域を印刷するというステップを有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、黒色オブジェクト
とカラーオブジェクトとが混合されて印刷されるデジタ
ルカラー印刷に関し、特に、黒色オブジェクトに対する
黒色の組成が、非ブラック色料を含んでいる背景色の存
在または不在によって自動的に変更されるデジタルカラ
ー印刷に関する。

【０００２】

【従来の技術】デジタルカラー印刷装置は、多数の色彩
を含むように人間の視覚システムに見えるイメージを形
成するためにシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの
ような複数の色料（colorants）を用いる。特に、黒色
は、シアン、マゼンタ、およびイエローの等量のあるい
はほぼ等量の組み合わせから形成されてもよい。実際に
は、最高濃度を向上させるためおよび所望でない色彩の
問題を回避するために、ブラックの色料もシアン、マゼ
ンタ、およびイエローの色料の組み合わせにしばしば追
加される。ブラックがいくらかのシアン、マゼンタ、イ
エロー、およびブラックの混合物で形成されているとき
には、それは、プロセスブラック（process black）と
して知られている。黒色は、ブラックの色料のみを用い
るだけでも形成され得る。この場合、それは、単一色彩
ブラック（single-color black）として知られている。

【０００３】ブラック、プロセスブラック、および単一
色彩ブラックのそれぞれの型は、印刷工程の異なる状況
において用いられるとき、有利な点と不利な点とを有す
る。

【０００４】単一色彩ブラックがカラーフィールド（a
color field）の上に用いられるとき、単一色彩ブラッ
ク色料が周りのカラーフィールドの光沢とは異なる光沢
を有し、その光沢の差が許容できない可能性のある場合
がしばしばある。さらに、単一色彩ブラック色料の最高
濃度は、プロセスブラックで得られる最高濃度としばし
ば同程度でなく、その濃度差は、ある色の背景の場合に
特に目につく。さらに、単一色彩ブラックのインキ範囲
すなわちトナー堆積の高さは、周囲のカラー背景のそれ
よりも著しく低いことがある。最後に、印刷工程の期間
における複数の色分解されたものの間の見当狂いの存
在、あるいは、前記色分解されたものの間のその他の相
互作用の存在は、カラー背景の上の単一色彩ブラックオ
ブジェクトの周りに、許容できない白色あるいは薄く彩
色されたフリンジを結果的にもたらすことがあり得る。
例えば、他の色分解されたものを印刷するとき、もし
も、単一色彩ブラックの色料がその位置に残されている
穴の中に正確に歪みなく印刷されないならば、このこと
は発生する。

【０００５】他方、いかなる非ブラックの色料をも含ん
でいない白色あるいは灰色フィールドの中でプロセスブ
ラックが用いられるとき、複数の色分解されたものの間
における若干の見当狂いあるいは相互作用が、オブジェ
クトの縁における許容できないカラーフリンジ（color
fringing）を結果としてもたらし得る。さらに、プロセ
スブラックを形成するための多数の色料の使用は、ぼや
けた縁、厚くされたオブジェクト、および許容できない
量のインキあるいはトナーの範囲を結果的にもたらし得
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】単一色彩ブラックおよ
びプロセスブラックのこれらの有利な点および不利な点
は、グラフィックス芸術の産業において公知であり、知
識のあるグラフィック芸術家は、有利な点を利用し、不
利な点を避けるページをデザインすることを試みてい
る。しかしながら、カラーフィールド、あるいは、素早
く変化するカラー背景の上に部分的にのみ配置された黒
色のオブジェクト、または、複雑なカラー背景の上の複
雑なテキストあるいはグラフィックスのようなある状況
によって、黒色とカラーとをまぜこぜに印刷することに
関連する印刷の問題を避けることが困難となる。さら
に、知識のあるグラフィック芸術家によってデザインさ
れていない多くのページは、背景依存の黒色のイメージ
を自動的に生成する方法および装置から利益を得ること
ができる。

【０００７】これらの方法は、プロセスブラックが単一
色彩ブラックの代わりに使用され得るように、白色の背
景の上のプロセスブラックのぼやけの不利な点を制限し
ようと共通して試みている。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上述の欠点を克服するた
めに、いつ黒色のオブジェクトが印刷されるように指令
されるかを自動的に検出し、黒色のオブジェクトがそこ
で印刷されるように指令された前記ページの前記位置に
おける、背景色の中の非ブラック色料の存在あるいは不
在に応じて、黒色の組成を変更するデジタルカラー印刷
の方法およびシステムが提供されている。オブジェクト
が印刷されるように指令されるとき、検出動作は、前記
オブジェクトが単一色彩ブラックの色あるいはプロセス
ブラックの色のいずれかで印刷されるように指令されて
いるか否かを検出する。もしも、そのように指令されて
いるのであれば、背景決定動作は、黒色のオブジェクト
が印刷されるように指令された位置において、印刷され
るべく以前に指令された色を決定するために実行され
る。もしも、そのように決定された背景色が白色である
か、非ブラックの色料を含んでおらず、黒色のオブジェ
クトのブラックの型がプロセスブラックであるならば、
色変更ステップは、プロセスブラックを単一色彩ブラッ
クに変更するために実行される。もしも、背景決定動作
が背景色が非ブラックの色料を含んでおり、黒色のオブ
ジェクトのブラックの型が単一色彩ブラックであると決
定するならば、色変更ステップは、前記単一色彩ブラッ
クをプロセスブラックに変更するために実行される。

【０００９】

【発明の実施の形態】さて、図面、特にそのうちの図１
を参照すると、黒色のオブジェクトが、単一ブラック色
料（single-black colorant）のみを用いて、カラーフ
ィールドの最上部に画像形成されているところが示され
ている。図１に示されるように、単一色彩ブラックは、
許容できない程にカラー背景から異なる光沢レベルと範
囲レベル（示されている例においては、トナーの高さ）
とを有しているのが見られる。あるカラーフィールドの
上に画像が形成されるとき、単一色彩ブラックのオブジ
ェクトも不適当な最大濃度を有することがあるというこ
とは示されていない。黒色のオブジェクトが、単一ブラ
ックの色料のみを用いてカラーフィールドの最上部に画
像形成されているさらなる問題が図２に示されている。
この場合においては、許容できない白色のフリンジ（an
objectionable white fringe）が、周りのカラーフィ
ールドに関する黒色のオブジェクトの見当狂いにより、
黒色のオブジェクトの一部の周りに発生し得る。

【００１０】逆の問題が図３および４に示されている。
図３においては、黒色のオブジェクトがシアン、マゼン
タ、イエロー、およびブラックのトナーから構成される
プロセスブラックを用いて、白色紙背景の最上部に画像
形成されているのが示されている。図３に示されるよう
に、ある印刷システムにおいて、高さの許容できない相
違が白色の背景と、プロセスブラックの中で用いられた
全てのトナーの合計の堆積高との間で発生し得る。図３
において示されていない余剰色料の範囲に関するその他
の問題、例えば、あるインクジェットカラー印刷システ
ムにおける過剰なインキによって引き起こされる過剰な
流れだしや広がりが発生することがある。図４は、白色
のフィールドの上にプロセスブラックを使用することに
伴うさらなる問題を示している。この場合、印刷を行う
ときの色分解されたものの間の見当狂いは、白色の背景
の上の黒色のオブジェクトの縁の許容できないカラーフ
リンジ、ぼやけ、および広がりを発生することがある。

【００１１】図５は、単一色彩ブラックのオブジェクト
がカラーフィールドの上に印刷されるときに発生し得る
図１および２において示された問題および図示されてい
ないその他の問題を、本発明がいかに解決するのかを示
している。単一色彩ブラックのオブジェクトを検出し、
それがカラーフィールドの上に印刷されようとすると
き、単一色彩ブラックをプロセスブラックに変更するこ
とによって、色は黒色のままであるが、不十分な光沢、
濃度、および色料範囲、並びに色分解されたものの間の
見当狂いとその他の相互作用とによる白色のフリンジの
問題が解決される。

【００１２】図６は、プロセスブラックのオブジェクト
が白色あるいは単一色彩グレー（single color grey）
の背景の上に印刷されるときに発生し得る図３および４
において示された問題および図示されていないその他の
問題を、本発明がいかに解決するのかを示している。プ
ロセスブラックのオブジェクトを単一色彩ブラックのオ
ブジェクトに変更することによって、色は黒色のままで
あるが、過剰な色料の範囲の問題、および色分解された
ものの間の見当狂いとその他の相互作用によるカラーフ
リンジの問題が解決される。

【００１３】さて、図７を参照すると、本発明に従って
製造された一般化されたページ印刷システムが示されて
いる。それは、通信リンク１５０を介して印刷データ発
生装置２００に接続されたページ情報源１００を含んで
いる。発生装置２００は、通信リンク２５０を介して印
刷装置３００に接続されている。発生装置２００は、Ｉ
／Ｏ制御装置２１０、ＣＰＵ（中央処理装置）２２０、
プログラムとデータ情報を格納できるＲＡＭ２３０、お
よび不揮発性記憶のための記憶装置２４０を含んでい
る。これらの装置２１０〜２４０は、一般に入手可能な
多くの従来の装置のいずれのものでもよい。同じ機能を
果たすその他のハードウェアも使用可能である。見れば
分かるように、この一般構造から種々の実施例が実現可
能である。

【００１４】典型的には、ページ情報源１００は、従来
のワークステーションあるいはIBMPCあるいはAPPLE Mac
hintoshのようなその他のコンピュータシステムであっ
てもよい。通信リンク１５０は、コンピュータネットワ
ークの一部あるいは専用リンクであってもよい。印刷デ
ータ発生装置２００は、印刷されるページを生成するた
めにラスタデータに応答する多くの電気機械装置の一つ
のような、通常、印刷装置３００に取り付けられた専用
コンピュータである。多くの他の構成も可能である。例
えば、ここに述べられているように機能するためにプロ
グラムされた発生装置２００は、ページ源１００のソフ
トウェアを駆動する同じコンピュータの中に一緒に組み
込まれ得る。共有コンピュータハードウェアと別々のソ
フトウェアのこの場合において、ページ情報源１００と
印刷データ発生装置２００との機能は、別々のままであ
る。ここで述べられたような方法は、広範囲な装置構造
によって実施可能である。

【００１５】図７は、印刷データ発生装置２００が、こ
こで述べられるとともに、図９〜図１２に示された方法
を実行するようにプログラムされている実施例を示して
いる。この場合、ページ表現は、従来のページ源１００
から受け取られる。ページ表現は、PostScriptとして公
知であるAdobe Systems Incorporatedから入手可能な言
語のような従来のページ記述言語あるいはそれと同等な
ものであってもよい。ページ源１００から受け取られた
ページ表現においては、テキスト、グラフィックス、あ
るいは写真のようなオブジェクトが任意の順序でページ
の上に生成され配置され得る。オブジェクトは、その幾
つかがオブジェクトの位置、形、向き、および大きさを
制御する記述的なコマンドによって定義される。少なく
とも一つのコマンドは、オブジェクトの色を制御する。
オブジェクトの色は、黒色および灰色のような中性色を
含んでもよい。オブジェクトは、互いに重なり合っても
よく、優先方法がいずれのオブジェクトが他のオブジェ
クトの一番上にあるかを決定する。

【００１６】ここでさらに述べられるように、印刷デー
タ発生装置２００によって従来のページ源１００からペ
ージ表現が受け取られ、発生装置２００がこの発明の前
記方法を実行するようにプログラムされているとき、発
生装置２００は、ある状態において、ページ表現によっ
て指令された出力を修正する。ここで述べられたよう
に、発生装置２００は、発生された印刷データにそれを
併合する前に、前記ページ表現のコマンドに反して黒色
のオブジェクトの色の組成を変更してもよい。この結
果、従来のページ情報源１００によって送られるとき、
そのページは、印刷品質を改良しようとするこの発明の
目的を達成するために、記述されたものとは違うように
印刷されるであろう。この構成の有利な点は、より高い
品質で印刷するために、従来のページ情報源１００のど
のような数およひ種類から受け取られたページ表現が発
生装置２００によって自動的に修正され得るということ
である。

【００１７】図８において、違う装置と構成とが示され
ている。この場合、ページ情報源１００は、Ｉ／Ｏ制御
装置１１０、ＣＰＵ１２０、ＲＡＭ１３０、および記憶
装置１４０のような資源を含んでおり、それらは、ペー
ジ源１００がここで記載された本発明の方法を実行する
ようにプログラムされるのを可能にしている。この装置
において、ページ表現が従来の印刷データ発生装置２０
０に対して通信リンク１５０を介して送られる前に、本
発明の方法は、背景依存黒色イメージを指令することに
よって本発明の目的を達成するページ表現を生成するよ
うに用いられる。この構成において、印刷データ発生装
置２００は、従来のものでよく、ページ情報源１００
は、本発明の方法に従ってプログラムされている。装置
のこの構成の有利な点は、背景依存黒色イメージを指令
するためにこの発明に従って修正されたページ表現は、
どんな従来の印刷データ発生装置２００および印刷装置
３００によろうともより高い品質で印刷されるであろう
ということである。

【００１８】図９は、それによって背景依存黒色イメー
ジが形成される本発明のプロセスあるいは方法の一般化
されたフロー図を示している。ステップＳ１０の開始の
後に、ステップＳ２０においてページ表現が受け取られ
る。このページ表現は、従来のページ記述言語あるいは
以前に述べられた等価なデータフォーマットのようなデ
ータフォーマットの着色されたオブジェクトの集まりを
表す。

【００１９】ステップＳ３０において、まだ処理されな
かった次のオブジェクトがそのページ表現から検索され
る。この検索されたオブジェクトは、より詳細に後に記
載されるようにステップＳ４０においてさらに処理され
る。ステップＳ５０において、これが前記ページ記述言
語から検索されるべき最後のオブジェクトか否かが決定
される。もしも、それが最後のオブジェクトでないなら
ば、制御は、次のオブジェクトが検索されるステップＳ
３０に戻る。そうではなく、もしも、これが前記ページ
記述言語によって定義された最後のオブジェクトである
ならば、制御は、オブジェクト処理ステップＳ４０の間
に多分変更されたドキュメントが出力されるステップＳ
６０に移行する。

【００２０】ステップＳ６０の出力された変更ドキュメ
ントの形は、本発明の方法による変更が行われた場所に
よる。例えば、この発明の方法がページ情報源１００の
中で実行されるところの図８で説明されているような装
置においては、前記出力された変更ドキュメントが、修
正されたページ記述言語あるいは背景依存黒色イメージ
を指令する等価な内部データ構造の形で存在し得る。も
しも従来の印刷システムに送られるならば、このページ
記述言語は、その黒色の組成がこの発明のオブジェクト
による背景色に依存するところのイメージを印刷する。
この場合、修正は、黒色の正しい形を指令する新しい黒
色指令に替えて現存する黒色指令を用いる形を取るであ
ろう。

【００２１】その他、例として、この発明の方法が印刷
データ発生装置２００の中で実行されるところの図７で
説明されているような装置において、ステップＳ６０の
出力ステップは、ビットマップ、画素マップ、あるい
は、ラスタカラー印刷装置による使用のために受け入れ
可能な形で存在する他の中間データ構造の一組のような
印刷可能なページデータ構造の形で存在し得る。この場
合、出力ステップは、ネットワーク、印刷装置、あるい
は、記憶装置に対する修正された印刷データを出力する
ことを含む。また、その出力ステップは、バイトマップ
のような印刷可能なデータ構造を組み込んでいる、例え
ば、ページ記述言語から成り立っている混成出力であり
得る。この発明の目的に対して、変更ドキュメントに対
する出力は、どのような数の等価な形をも取ることがで
きる。最後に、制御は、前記プロセスの終わりであるス
テップＳ７０に移行する。

【００２２】図１０は、オブジェクトをより詳細に処理
するステップＳ４０を示している。ステップＳ４０にお
いて、処理されるべきオブジェクトの色が調べられる。
オブジェクトの色は、多くのカラー空間あるいはカラー
システムの中で表現され得る。しかしながら、如何なる
カラー色空間においても、黒色が指令されたか否かを能
率的に決定することは可能である。例えば、あるシステ
ムは、ＲＧＢカラー空間を使用し、黒色は一般にそのよ
うなシステムにおいて、Ｒ＝Ｇ＝Ｂ＝０のように定義さ
れる。他のシステムは、シアン（Ｃ）、マゼンタ
（Ｍ）、イエロー（Ｙ）、およびブラック（Ｋ）の組み
合わせとしてカラーを表現する。そのようなシステムに
おいては、黒色は、Ｃ＝Ｍ＝Ｙ＝１、あるいはＣ＝Ｍ＝
Ｙ＝Ｋ＝１（プロセスブラックの２つの形）、あるいは
その代わりにＫ＝１（単一色彩ブラック）として定義さ
れてもよい。あるシステムは、多くのカラー空間がまぜ
こぜに使用されるのを可能にするが、各場合において、
各カラー空間の成分のどのような組み合わせが、出力さ
れる黒色を結果としてもたらすかを定義することは可能
である。

【００２３】もしも、ステップＳ４１０において、オブ
ジェクトの色が黒色でないならば、制御は、オブジェク
トが出力ページデータに併合されるステップＳ４７０に
直ちに移行する。この出力ページデータは、その中で本
発明が実施されている特定の印刷システムに依存して多
くの形をとることができる。各瞬間において、出力ペー
ジデータは、この発明の方法によってその色がさらに修
正される必要がなく、既に処理されたオブジェクトの集
合で、既に述べられたステップＳ６０のドキュメント出
力ステップに対する準備である中間の形で集合的に表さ
れたオブジェクトの集合（collection of objects）を
表す。例えば、出力ページデータは、印刷されるべきペ
ージ上の各画素に対するカラーデータのラスタを含んで
いる画素マップの形、あるいは、最終ページの中の各走
査ラインに対する着色されたオブジェクトの順序リスト
を記述するディスプレイリスト（a display list）のよ
うな中間の形で存在し得る。そのような出力ページデー
タへのオブジェクトの併合は、それが、正しい形で、ペ
ージの上の他のオブジェクトに対する正しい関係をも
ち、正しい色をもって、正しい位置に印刷されるであろ
うような方法で、中間の形の出力ページデータにオブジ
ェクトを追加することを含む従来のステップである。

【００２４】ステップＳ４１０に戻り、もしも、オブジ
ェクトの色が黒色であると発見されるならば、処理は、
オブジェクトの下にある背景色が得られるステップＳ４
２０に進む。もしも、ステップＳ４７０において参照さ
れた出力ページデータが画素マップから構成されている
ならば、それはページの上の各印刷可能な位置に対する
画素のラスタであり、オブジェクトの下の背景色を獲得
するステップは、現在考慮されている黒色のオブジェク
トによって画定された形の中で発見された画素の集合
（set of pixels）を読み取ることからなっている。も
しも、代わりに出力ページデータが各走査ライン上の位
置によって整列され、各オブジェクトの位置的な階層
（positional layer）を制御する情報をもった、走査ラ
イン当たりのオブジェクトのリストのようなディスプレ
イリストから構成されているならば、背景色を獲得する
ステップは、前記走査ラインに沿ったその位置が、それ
らが前記現在考慮されている黒色のオブジェクトの下に
存在するということを決定するという既に処理された前
記１あるいは複数の目的物を発見することと、前記オブ
ジェクトの色を獲得することとから構成される。もし
も、前記オブジェクトがイメージのオンおよびオフ部分
を画定するビットマップのような形状情報と、前記オブ
ジェクトの前記オンビット（前景）およびオフビット
（背景）に色を割り当てるカラー情報とから構成されて
いるならば、背景色は、形状決定するビットマップのオ
フビットに関連した色を調べることによって決定され
る。

【００２５】上述のどの場合においても、もしも、オブ
ジェクトがそれの形の中に２以上の背景色を有している
と発見されるならば、制御は、それの縁の境界が多数の
背景色の縁の境界に従う多数のオブジェクトにそのオブ
ジェクトが分離されるステップＳ４４０に移行してもよ
い。この分離ステップの結果、各オブジェクトあるいは
部分的なオブジェクトは、現在用いられているブラック
の型が正しいか否かを決定するために解析される一つの
背景色を含む。したがって、図１１に示されるように、
カラーフィールドの境界の上に延びるオブジェクトに対
するブラックの組成は、オブジェクトの境界内、前記オ
ブジェクトの下のカラー背景の縁において変更されても
よい。カラーフィールドの上にある部分的なオブジェク
トは、プロセスブラックとしてイメージを与えられても
よく、また、例えば、白色の紙の上にある部分的なオブ
ジェクトは、単一色彩ブラックとしてイメージを与えら
れてもよい。

【００２６】ステップＳ４４０から、制御は、分離ステ
ップＳ４４０において発生された部分的なオブジェクト
のリストから次の部分的なオブジェクトがさらなる処理
のために選択されるステップＳ４５０に移行する。もし
も、分離ステップＳ４４０が能率的に働かず、オブジェ
クトの下の背景色の移り変わりに関係なく、全体的なオ
ブジェクトとしてオブジェクトを扱うのが好ましいとい
うことが決定されるならば、前記ステップＳ４３０，Ｓ
４４０，Ｓ４５０は、実行される必要がないということ
が理解されるであろう。この場合、全体的な黒色のオブ
ジェクトの下の多数の背景色の一つを選択すること、お
よび、ステップＳ４６０および後続のものを実行するこ
とにおける全オブジェクトに対する背景色としてその背
景色を用いることが明らかに可能である。

【００２７】ステップＳ４６０において、現在処理され
ているオブジェクトあるいは部分的なオブジェクトの黒
色の型を変更する必要があるか否かが本発明の方法に従
って決定され、もしも、必要ありと決定されるならば、
黒色のオブジェクトあるいは部分的なオブジェクトの型
は、単一色彩ブラックあるいはプロセスブラックの適切
な一方に変更される。ステップＳ４６０は、後にさらに
詳細に説明されるであろう。

【００２８】次に、制御は、以前に述べたように、処理
されたオブジェクトあるいは部分的なオブジェクトは、
それが正しい位置に、正しい形をもって、そのページ上
の他のオブジェクトとの正しい関係をもって、前のステ
ップＳ４６０において多分修正された正しい色をもって
印刷されるような方法で、前記出力ページデータの中に
併合されるステップＳ４７０に移行する。併合の後に、
ステップＳ４８０において、これがステップＳ４４０に
おいて発生された部分的なオブジェクトのリストの最後
の部分的なオブジェクトであるか否かが決定される。も
しも、これが最後の部分的なオブジェクトであるなら
ば、あるいは、もしも、分離ステップＳ４３０〜Ｓ４５
０が実行されずに全体的なオブジェクトが処理されてい
るならば、制御は、以前に説明されたステップＳ５０に
移行する。もしも、これがステップＳ４４０において発
生された部分的なオブジェクトのリストの中の最後の部
分的なオブジェクトでないならば、制御は、ステップＳ
４５０に戻り、そこでは、次の部分的なオブジェクトが
フェッチされ、ステップＳ４６０および後続のものとと
もに、前述したようにその部分的なオブジェクトに対す
る処理が続く。

【００２９】図１２は、要求された場合に黒色の型を変
更するステップＳ４６０をより詳細に示している。ステ
ップＳ４６１において、背景色、あるいはステップＳ４
２０においてフェッチされ、ステップＳ４３０〜Ｓ４５
０によって多数の断片に分離された可能性のあるその断
片は、非ブラック色料をなにか含んでいるか否かを決定
するために解析される。オブジェクトがステップＳ４７
０において出力ページデータの中に併合される時まで
に、その色座標は、出力装置の色分解されたもの、最も
一般的にＣＭＹＫ（シアン、マゼンタ、イエロー、ブラ
ック）に整合するように変換されているということは通
常では真実である。この場合、印刷のために以前処理さ
れたオブジェクトを含んでいる出力ページデータからフ
ェッチされた背景色は、ＣＭＹＫ座標で表された色を一
般に有している。そこで、簡単なテストＣ＝Ｍ＝Ｙ＝０
によって、背景がなにか非ブラック（Ｃ，Ｍ，あるいは
Ｙ）成分を含んでいるか否かが決定される。もしも、あ
る出力装置に関して、色が異なる色空間の中に維持され
るならば、背景色が白色、黒色、あるいは灰色（すなわ
ち、中性）か否かを効果的に決定することは可能であ
る。例えば、Ｌ^*ａ^*ｂカラー空間において、テストａ^*
＝ｂ^*＝０は、中性色を表し、また、ＲＧＢ空間におい
ては、テストＲ＝Ｇ＝Ｂが中性色を表すであろう。しか
しながら、ＣＭＹＫ以外のカラー空間のこれらの場合に
おいて、このような色が如何にＣＭＹＫに変換されるか
を決定するために追加のシステム情報が必要とされる。
なぜならば、プロセスブラックあるいは単一色彩ブラッ
クの概念は、ＣＭＹＫあるいは同様なプロセス空間にお
いてのみ意味をもっているからである。したがって、好
ましい実施例において、各色に関する追加の付加情報の
必要性を回避するために、併合ステップＳ４７０の一部
分としてオブジェクトの色がＣＭＹＫに変換されるとい
うことは好ましい。このように、非ブラック色料に対す
る背景色を解析するステップＳ４６１におけるテスト
は、Ｃ＝Ｍ＝Ｙ＝０という簡単なテストに縮小される。

【００３０】もしも、ステップＳ４６１において、背景
色が非ブラック色料を含んでいると発見されるならば、
ステップＳ４６２において、現在処理されている黒色と
されたオブジェクトが単一色彩ブラックであるか否かが
決定される。また、このテストは、簡単で効果的であ
る。もしも、黒色のオブジェクトのカラー空間がＣＫＹ
Ｋであり、Ｃ＝Ｍ＝Ｙ＝０およびＫ＞＝１（この場合、
１は、完全な黒色を構成するものと定義されたＫの値を
表す）であるならば、現在処理されている黒色のオブジ
ェクトは、単一色彩ブラックである。もしも、それが単
一色彩ブラックであるならば、制御は、ステップＳ４６
３に移り、前記単一色彩ブラックは、プロセスブラック
に変更される。このステップを実行する一つの方法は、
現在のオブジェクトの色の代わりに、用いられている出
力システム上で正しいプロセスブラックを生成するＣＭ
ＹＫ値を単純に使用することである。その色がプロセス
ブラックに変更された以上、処理されている現在のオブ
ジェクトは、ステップＳ４７０において、前記正しい位
置に、正しい形をもち、そのページ上の他のオブジェク
トとの正しい関係をもち、修正された黒色をもって印刷
できるように、出力ページデータに併合されてもよい。
もしも、ステップＳ４６２において、処理される黒色の
オブジェクトが単一色彩ブラックのオブジェクトでない
と決定されると、その色は、変更される必要がなく、処
理は、併合ステップＳ４７０に直ちに渡されてもよい。

【００３１】ステップＳ４６１に戻り、もしも、背景色
が非ブラック色料を含んでいると発見されないならば、
すなわち、背景が白色の紙あるいはブラック色料のみか
ら構成されているならば、ステップＳ４６４において、
上述された同じテストを用いて、処理されるオブジェク
トが単一色彩ブラックのオブジェクトであるか否かが再
び決定される。もしも、それが単一色彩ブラックのオブ
ジェクトでないということが決定されると、ステップＳ
４６５において、オブジェクトの色は、単一色彩ブラッ
クのオブジェクトであると変更される。このステップを
実行する一つの方法は、現在処理されているオブジェク
トの色を、単一色彩ブラックを生成するとともに、通常
Ｃ＝Ｍ＝Ｙ＝０およびＫ＝１として定義されるＣＭＹＫ
値に単純に設定することである。もしも、ステップＳ４
６４において、現在の黒色のオブジェクトが既に単一色
彩ブラックであると決定されているならば、変更は必要
なく、制御は、上述の併合ステップＳ４７０に移る。

【００３２】ある計算装置および出力ページデータに対
してはより効果的であり得る代わりの実施例として、ス
テップＳ４６１における背景色の中の非ブラック色料に
対するテストの後に、黒色の正しい型が、黒色が既に正
しくなっているか否かをステップＳ４６２およびＳ４６
５においてテストすることなく、各黒色のオブジェクト
に対して、設定され得るということが理解されよう。こ
のように、全ての黒色のオブジェクトは、前に既に正し
いとされようとされまいと、正しい型に設定されたそれ
の色を持つこととなる。この方法は、上述の方法に等価
であり、テストステップＳ４６２およびＳ４６５を回避
するが、各黒色のオブジェクトに対する設定ステップＳ
４６３およびＳ４６５を用いる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 従来技術によって生成された種々の出力を示
す図である。

【図２】 従来技術によって生成された種々の出力を示
す図である。

【図３】 従来技術によって生成された種々の出力を示
す図である。

【図４】 従来技術によって生成された種々の出力を示
す図である。

【図５】 この発明の方法とシステムとによって生成さ
れた種々の出力を示す図である。

【図６】 この発明の方法とシステムとによって生成さ
れた種々の出力を示す図である。

【図７】 黒色のオブジェクトの色に対する変更が、印
刷データ発生装置の中で発生しているところの、本発明
の方法を実行するために本発明の方法に従って作られた
装置のブロック図である。

【図８】 黒色のオブジェクトの色に対する変更が、ペ
ージ情報源の中で発生しているところの、本発明の方法
を実行するために本発明の方法に従って作られた装置の
ブロック図である。

【図９】 背景依存黒色イメージを生成するためにドキ
ュメントがそれによって変更される、方法全体に対する
フローチャートである。

【図１０】 各オブジェクトが、出力データに併合され
る前に、それによって処理される方法を示す図である。

【図１１】 出力、すなわちその中では、異なる型のブ
ラックを有する各部分的なオブジェクトとともに、黒色
のオブジェクトが、カラー境界の上に印刷され、それに
よって多数の部分的なオブジェクトとして印刷される出
力を示す図である。

【図１２】 黒色のオブジェクトとそれの背景色とに基
づいて、黒色のオブジェクトに対するブラックの型を変
更するために、決定がそれによって行われる方法を示す
図である。

【符号の説明】

１００ ページ情報源、１１０，２１０ Ｉ／Ｏ制御装
置、１２０ ＣＰＵ、１３０ ＲＡＭ、１４０ 記憶装
置、１５０，２５０ 通信リンク、２００ 印刷データ
発生装置、２２０ ＣＰＵ、２３０ ＲＡＭ、２４０
記憶装置、３００印刷装置

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 背景区域の上に黒色区域を印刷する印刷
   プロセスにおいて用いられるブラックあるいは非ブラッ
   ク色料を指定するための電子的な信号を用いるシステム
   における、前記黒色区域を印刷するのに用いられるべき
   色料を決定する方法であって、 前記背景が非ブラック色料を用いて印刷されるべきか否
   かを決定するために前記信号をテストし、 もしも、非ブラック色料が背景を印刷するために使用さ
   れるべきであるならば、前記黒色は第１の黒色を用いて
   印刷されるであろうことを指定する信号を発生し、 もしも、非ブラック色料が背景を印刷するために使用さ
   れるべきでないならば、前記黒色は第２の黒色を用いて
   印刷されるであろうことを指定する信号を発生し、 前記黒色区域を印刷するというステップを有する方法。