JPH09187643A - 重合リポソーム懸濁液 - Google Patents
重合リポソーム懸濁液Info
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- JPH09187643A JPH09187643A JP1831896A JP1831896A JPH09187643A JP H09187643 A JPH09187643 A JP H09187643A JP 1831896 A JP1831896 A JP 1831896A JP 1831896 A JP1831896 A JP 1831896A JP H09187643 A JPH09187643 A JP H09187643A
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Abstract
る浸透圧変化に対しても凝集することなく、安定となる
性質を付与した重合リポソーム懸濁液を提供する。 【解決手段】 全膜構成脂質中、重合性脂質を25〜1
00モル%及びステロール類を0〜25モル%含有する
重合性脂質混合物から重合性リポソームを調製し、次い
で、該重合性リポソームを重合させて重合リポソーム懸
濁液とする。該重合リポソーム懸濁液は、外水相の浸透
圧を内水相の浸透圧に対し100mOsm以上変化させ
ても安定である。
Description
などの臨床診断試薬用担体、クロマトグラフィー用担
体、酵素固定化用担体、化粧品、センサー、バイオ素
子、注射薬剤用リポソーム懸濁液、経口経腸薬用リポソ
ーム懸濁液、輸液用リポソーム懸濁液、ワクチン用担
体、人工酸素運搬体、貧食機能テストマーカー、細胞標
識マーカーなどに利用可能である。
水相に薬品などの溶液を内包できるといった特徴を持つ
ことから、医薬品や化粧品を始めとした種々の用途への
展開が試みられている。
条件に適応した浸透圧に調整される必要がある。例え
ば、人体に投与する場合には生理的食塩水程度の浸透圧
になるように調整することがリポソーム懸濁液を安定に
保つために必要である。
適なものとするために、例えば、透析等の手法を用い
て、リポソーム懸濁液の外液を所望の浸透圧の溶液に置
換することが考えられるが、一般に、リポソーム懸濁液
に対して浸透圧変化を与えると、収縮、膨張、破裂や凝
集が生じやすくなり、粒径の変化や内包物質が漏洩した
り、沈澱を生ずるなどの不安定な挙動を示すことが問題
となっていた(Biochimica et Biophisica Acta 735,39
7-406(1983)等)。
ム懸濁液を調製し、これを重合してなる重合リポソーム
懸濁液は、生体内での分解時間が延長したり、凍結融解
した場合にも物理的安定性があるという利点が知られて
いる(Art., Cells & Immob.,Biotec., 20(2-4) ,641(1
992)等)。
げれば、特開昭63−274870号公報では重合性リ
ン脂質を用いて抗体感作重合リポソーム懸濁液あるいは
抗体感作ミセルを形成し、被検試料中の抗原濃度を測定
することができる免疫センサーが、特開昭63−839
1号公報では重合性β−グリセロリン脂質を用いた重合
リポソーム懸濁液が、特開平3−291216号公報で
はヘモグロビンを内包した重合リポソーム懸濁液が、特
開昭61−155336号公報や特開昭61−1553
92号公報では血液代替物あるいは医薬用担体などに用
いる重合性リン脂質からなるリポソーム懸濁液が、それ
ぞれ提案されている。
来の重合リポソーム懸濁液は、浸透圧変化に対して敏感
であり、例えば、リポソーム懸濁液の使用に際して、使
用環境に最適な浸透圧となるように浸透圧変化を与える
と凝集して沈澱を生じることが多く、問題となってい
た。
使用時の浸透圧調整における浸透圧変化に対して凝集す
ることなく、安定となる性質を付与した重合リポソーム
懸濁液を提供することである。
問題点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、重合リポソ
ームの全膜構成脂質中の重合性脂質とステロール類の配
合比に着目し、浸透圧変化に対する安定性を備えた重合
リポソーム懸濁液を得るに至った。即ち、本発明は、全
膜構成脂質中、重合性脂質を25〜100モル%及びス
テロール類を0〜25モル%含有する重合性リポソーム
懸濁液を重合させてなる重合リポソーム懸濁液である。
また、本発明は、重合リポソーム懸濁液の外水相の浸透
圧を、内水相の浸透圧に対し100mOsm以上変化さ
せて使用環境に最適な浸透圧に調整してなる重合リポソ
ーム懸濁液である。
は、重合できる能力を持つ性質をいう。本発明における
重合性脂質には、重合性リン脂質、重合性脂肪酸、重合
性脂肪酸コレステロールエステルなどが挙げられる。
とができる重合性リン脂質としては、次の式(1)に示
される化合物が挙げられる。
基、R1 及びR2 は炭素数6から24の重合性あるいは
非重合性の脂肪酸残基または炭化水素基であって、
R1 、R2 またはX1 基の何れか1つ以上の基に重合性
基が含まれていれば良い。) 前記X1 で示されるリン酸極性基としては、例えば、ホ
スホコリン基、ホスホエタノールアミン基、ホスホ−N
−メチルエタノールアミン基、ホスホ−N,N−ジメチ
ルエタノールアミン基、ホスホセリン基、ホスホイノシ
トール基、ホスホイノシトール二リン酸基、ホスホグリ
セロール基、ホスホ−o−アミノアシルグリセロール
基、ホスホグリセロリン酸基またはリン酸基などが挙げ
られる。
る基の具体例として、例えば、ホスホ−N−重合性アル
ケニルエタノールアミン基、ホスホ−N−重合性アルケ
ノイルエタノールアミン基、ホスホ−N−重合性アルケ
ニルセリン基、ホスホ−N−重合性アルケノイルセリン
基、ホスホ−重合性アルケノイルエステルセリン基など
が挙げられる。また、特開平6−157561号公報等
に開示されているような重合性のリン酸極性基を有する
化合物も本発明に利用可能である。
から24の重合性あるいは非重合性の脂肪酸残基または
炭化水素基において、R1 またはR2 に含有される重合
性基の具体例として、例えば、ビニルアルキル基、スチ
リルアルキル基、(メタ)アクリロイルオキシアルキル
基、共役ジエンアルキル基、共役ジインアルキル基が挙
げられる。これらの重合性基を含む脂肪酸残基として、
具体的には、2,4−オクタデカジエン酸、2,4−ヘ
キサデカジエン酸、8,10,12−オクタデカトリエ
ン酸、9−(p−ビニルベンゾイル)ノナニル酸、1,
2−メタクリロイルオキシドデカン酸、10−ウンデシ
ン酸、16−ヘプタデシン酸、22−トリコシン酸、ト
リコサ−10,12−ジイン酸、トリコサ−2,4−ジ
イン酸、ノナデカ−2,4−ジイン酸などの各々の残基
が挙げられる。
となる前記式(1)で示される重合性リン脂質の具体的
な化合物名を列挙すると、1,2−ビス(2,4−オク
タデカジエノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリ
ン(略語:DODPC)、1,2−ビス(2,4−ヘキ
サデカジエノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリ
ン(略語:DHDPC)、1−(オクタデカノイル)−
2−(2,4−オクタデカジエノイル)−sn−グリセ
ロ−3−ホスホコリン(略語:SODPC)、1−(ヘ
キサデカノイル)−2−(2,4−オクタデカジエノイ
ル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1−(オク
タデカノイル)−2−(2,4−ヘキサデカジエノイ
ル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1−(ヘキ
サデカノイル)−2−(2,4−ヘキサデカジエノイ
ル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1−(2,
4−オクタデカジエノイル)−2−(オクタデカノイ
ル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1−(2,
4−ヘキサデカジエノイル)−2−(ヘキサデカノイ
ル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1,2−ビ
ス−(8,10,12−オクタデカトリエノイル)−s
n−グリセロ−3−ホスホコリン、1,2−ビス(12
−メタクリロイルオキシドデカノイル)−sn−グリセ
ロ−3−ホスホコリン、1,2−ビス(9−(p−ビニ
ルベンゾイル)ノナノイル)−sn−グリセロ−3−ホ
スホコリン、1−(2,4−オクタデカジエノイル)−
2−(オクタデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホス
ホコリン、1−(2,4−ヘキサデカジエノイル)−2
−(ヘキサデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホ
コリンなどが挙げられる。
1,2−ビス(2,4−オクタデカジエノイル)−sn
−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、1,2−ビ
ス(2,4−ヘキサデカジエノイル)−sn−グリセロ
−3−ホスホエタノールアミン、1−(オクタデカノイ
ル)−2−(2,4−オクタデカジエノイル)−sn−
グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、1−(ヘキサ
デカノイル)−2−(2,4−オクタデカジエノイル)
−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン、1−
(オクタデカノイル)−2−(2,4−ヘキサデカジエ
ノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミ
ン、1−(ヘキサデカノイル)−2−(2,4−ヘキサ
デカジエノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホエタノ
ールアミン、1−(2,4−オクタデカジエノイル)−
2−(オクタデカノイル)−sn−グリセロ−3−ホス
ホエタノールアミン、1−(2,4−ヘキサデカジエノ
イル)−2−(ヘキサデカノイル)−sn−グリセロ−
3−ホスホエタノールアミン、1,2−ビス−(8,1
0,12−オクタデカトリエノイル)−sn−グリセロ
−3−ホスホエタノールアミン、1,2−ビス(12−
メタクリロイルオキシドデカノイル)−sn−グリセロ
−3−ホスホエタノールアミン、1,2−ビス(9−
(p−ビニルベンゾイル)ノナノイル)−sn−グリセ
ロ−3−ホスホエタノールアミンなどが挙げられる。
1,2−ビス(2,4−オクタデカジエノイル)−sn
−グリセロ−3−リン酸、1,2−ビス(2,4−ヘキ
サデカジエノイル)−sn−グリセロ−3−リン酸、1
−(オクタデカノイル)−2−(2,4−オクタデカジ
エノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホン酸、1−
(ヘキサデカノイル)−2−(2,4−オクタデカジエ
ノイル)−sn−グリセロ−3−リン酸、1−(オクタ
デカノイル)−2−(2,4−ヘキサデカジエノイル)
−sn−グリセロ−3−リン酸、1−(ヘキサデカノイ
ル)−2−(2,4−ヘキサデカジエノイル)−sn−
グリセロ−3−リン酸、1−(2,4−オクタデカジエ
ノイル)−2−(オクタデカノイル)−sn−グリセロ
−3−リン酸、1−(2,4−ヘキサデカジエノイル)
−2−(ヘキサデカノイル)−sn−グリセロ−3−リ
ン酸、1,2−ビス−(8,10,12−オクタデカト
リエノイル)−sn−グリセロ−3−リン酸、1,2−
ビス(12−メタクリロイルオキシドデカノイル)−s
n−グリセロ−3−リン酸、1,2−ビス(9−(p−
ビニルベンゾイル)ノナノイル)−sn−グリセロ−3
−リン酸などのリン酸誘導体あるいはその塩などが挙げ
られる。
直鎖あるいは分岐鎖の非重合性基が含有されても良い。
となる重合性脂肪酸としては、例えば、ビニルアルキル
基、スチリルアルキル基、(メタ)アクリロイルオキシ
アルキル基、共役ジエンアルキル基、共役ジインアルキ
ル基を有するものであり、具体的には2,4−オクタデ
カジエン酸、2,4−ヘキサデカジエン酸、8,10,
12−オクタデカトリエン酸、9−(p−ビニルベンゾ
イル)ノナニル酸、1,2−メタクリロイルオキシドデ
カン酸、10−ウンデシン酸、16−ヘプタデシン酸、
22−トリコシン酸、トリコサ−10,12−ジイン
酸、トリコサ−2,4−ジイン酸、ノナデカ−2,4−
ジイン酸などが挙げられる。
ルエステルは、コレステロールと前記重合性脂肪酸との
エステルなどが利用可能である。
る重合性脂質は、以上に述べた重合性脂質の1種類であ
る必要はなく、複数種類組み合わせることもできる。
ル%未満の製造原料により製造された重合リポソーム懸
濁液は、浸透圧の変化に対して粒径が大きく変化し、不
安定であることが見出されたので、本発明の重合リポソ
ーム懸濁液では、製造原料における重合性脂質の全脂質
に占める割合は、25モル%以上が好ましい。更に好ま
しくは50モル%以上であり、また、最も浸透圧に対す
る安定性を高めるには75モル%以上が好ましい。
ることが好ましい。重合性リン脂質としては、脂肪酸残
基あるいは炭化水素基の炭素数が6から24のものが好
ましく、炭素数が14から20のものが更に好ましい。
重合性リン脂質の脂肪酸残基の重合性基は、ジエン、ト
リエンが好ましく、更に好ましくは共役ジエン基を重合
性基とする場合である。また、最も好ましい重合性リン
脂質はDODPCである。
ステロール、コレスタノール等の非重合性のものを指
す。ステロール類は、膜安定化剤、膜表面の親水性調整
剤あるいはリポソーム膜の曲率調整剤などとして加えら
れるが、全脂質に対する割合が25モル%を超えた場
合、浸透圧変化に対する粒径の安定性が損なわれるので
好ましくない。そのため、コレステロールが全脂質中に
占める割合は25モル%が上限であり、好ましくは18
モル%以下であり、さらに好ましくは15モル%以下、
最も好ましくは10モル%以下(ゼロモル%を含む)で
ある。
として用いられるその他の成分としては、非重合性リン
脂質、トコフェロール類、非重合性脂肪酸および非重合
性脂肪族アミンなどが挙げられる。
ば、卵黄レシチン、大豆レシチン、水添卵黄レシチン、
水添大豆レシチンなどの天然系リン脂質およびその誘導
体、また、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパ
ルミトイルホスファチジルコリン(以下DPPCと略
す)、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジオレオ
イルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチ
ジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジル
エタノールアミン、ジステアロイルホスファチジルエタ
ノールアミン、ジオレオイルホスファチジルエタノール
アミン、ジミリストイルホスファチジン酸、ジパルミト
イルホスファチジン酸、ジステアロイルホスファチジン
酸、ジオレイルホスファチジン酸、ジミリストイルホス
ファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジ
ルグリセロール、ジステアロイルホスファチジルグリセ
ロール、ジオレオイルホスファチジルグリセロールなど
のアシル基組成を操作した合成系のリン脂質、更に、ホ
スファチジルセリン、ホスファチジルイノシトールなど
が挙げられるが、本発明はこれらに特に限定されるもの
ではない。
ーム懸濁液において、膜安定化剤あるいは抗酸化剤など
として使用可能である。非重合性脂肪酸および非重合性
脂肪族アミンはリポソーム膜に電荷を与えるためなどに
用い、炭素数6から24の直鎖あるいは分岐鎖のものが
利用可能である。
発明の重合リポソーム懸濁液の浸透圧安定性に影響を与
えない範囲に於いて、診断薬用担体、医薬用リポソーム
などの利用目的に応じた、必要とされる水溶性の薬物な
どの物質を溶解させて使用することができ、リポソーム
に内包させることができる。
物質から本発明の重合リポソーム懸濁液を作製する方法
は、特に限定されるものではないが、例えば「リポソー
ム」(株)南光堂(1988年発行)に記載されている
ような、薄膜法、超音波処理法、エタノール注入法、フ
レンチブレス法、押し出し法、透析法、凍結融解法、逆
相蒸発法あるいは高圧吐出式乳化機等による方法が可能
である。
リティー)等の品質に応じて、上記の方法を選択してリ
ポソームの作製を行うことが可能で、リポソームの平均
粒径は、5から400nmが用いられ、好ましくは10
から300nmである。
重合には、開始剤重合、紫外線重合、γ線重合、X線重
合、電子線重合などの公知の方法を選択することにより
行うことができる。これら重合方法は特に限定されるも
のではないが、例えば、開始剤重合では開始剤としてア
ゾ系化合物、有機系過酸化物、無機系過酸化物などを用
いることができる。アゾ系開始剤としては、疎水性の
2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、アゾビス
シクロヘキサンニトリル、フェニルアゾトリフェニルメ
タン、親水性の2,2’−アゾビス(2−アミジノプロ
パン)二塩酸塩(以下AAPDと略す)、有機系過酸化
物系としては、t−ブチルパーオキサイド、p−メンタ
ンヒドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシマレイ
ックアシッド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
ヒドロパーオキサイドあるいはサクシニックアシッドパ
ーオキサイド、無機系過酸化物の過硫酸カリウム、過硫
酸アンモニウムなどが挙げられる。
るγ線照射で重合反応を進めることが可能で、線量率は
0.5kGy/時間から15kGy/時間が、照射時間
は15分から6時間等が可能である。
発生する電子線を用い、500〜10,000kGy/
時間の線量率により照射することが可能である。反応温
度も特に制限を受けないが0から80℃等、好ましくは
0から60℃等で行われる。本発明で得られた重合リポ
ソーム懸濁液の重合解析の方法は、特に限定されるもの
ではないが、例えば、重合性基に由来する特有のUV吸
収、或いはIR吸収を利用する方法、重合性基に隣接す
る 1Hの核磁気共鳴を追跡する方法、及び重合リン脂質
を加水分解しポリカルボン酸を得、ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーで分子量を測定する方法等が挙げ
られる。
べると、DODPCを原料とした重合リポソーム分散液
に2N水酸化ナトリウム溶液を添加し、80℃で48時
間加水分解した後に、塩酸で中和する。ポリオクタジエ
ン酸は沈澱物として得られるので、メンブランフィルタ
ーで濾過することにより、残さとして重合物が得られ
る。これを洗浄・乾燥後、テトラヒドロキシフランに溶
解してゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて分
子量測定を行う。ポリオクタデカジエン酸の数平均分子
量は5×103 から1×107 の範囲である。
液の浸透圧をさす。水和溶液の浸透圧は特に限定されな
いが、例えば、リポソーム懸濁液を免疫凝集反応試薬の
担体に使用する場合は、pHを安定化させるための緩衝
剤などの配合により、1〜300mOsm程度となるこ
とが一般的である。
は、特に限定されないが、透析、およびゲル濾過によっ
て外水相を置換する方法や、高浸透圧溶液や塩などを外
水相に直接添加して外水相の浸透圧を変化させる方法な
どが使用できる。
れないが、例えば、免疫凝集反応試薬に用いる場合は、
免疫反応に関与するタンパク質の安定性の問題から10
0mOsm〜750mOsm程度が一般的である。
液は50mOsmの浸透圧変化に対しても著しい粒径の
変化がみられる。また、従来の一般的な重合リポソーム
懸濁液は、50mOsm程度までの浸透圧の変化であれ
ば比較的安定であるが、内外相の浸透圧差が100mO
sm以上になると大きな粒径変化や凝集が生じ、200
mOsmの浸透圧変化ではその傾向がさらに顕著であ
る。これに対して、本発明の重合リポソーム懸濁液は、
100mOsm、或いは200mOsm以上の浸透圧差
でも沈澱や大きな粒径変化を生じず安定が保たれる。
は、以下に列挙する各種塩類が挙げられる。即ち、塩化
カリウム、塩化ナトリウムなどの各アルカリ金属塩酸
塩、ホウ酸、リン酸、硫酸、フェニル酢酸、フェノール
スルホン酸、クエン酸、フタル酸、ペンタン酸、ブタン
酸、プロピオン酸、乳酸、ピルビン酸、アセト酢酸、ア
コニチン酸、エチレンジアミン四酢酸、カコジル酸、コ
ハク酸、酒石酸、テトラシュウ酸、p−トルエンスルホ
ン酸、ピロリン酸、マレイン酸、アスパラギン酸、グル
タミン酸、チロシンおよびシステインなどの各酸性化合
物のアルカリ金属塩、アンモニア、コリン、アミノピリ
ジン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオ
ール、イミダゾール、エタノールアミン、N−エチルモ
ルホリン、エチレンジアミン、ジエタノールアミン、ヒ
ドロキシルアミン、ピペラジン、リジン、アルギニンお
よびヒスチジンなどの各塩基性化合物の無機酸塩、並び
にグリシン、グリシルグリシン、N−2−(アセトアミ
ド)−2−アミノエタノールスルホン酸、N−2−(ア
セトアミド)イミノジ酢酸、N,N−ビス(2−ヒドロ
キシエチル)−2−アミノエタンスルホン酸、N,N’
−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、〔ビス−
(2−ヒドロキシエチル)イミノ〕−トリス−(ヒドロ
キシメチル)−メタン、ジエチレントリアミンペンタ酢
酸、N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−
エタンスルホン酸、2−(N−モルホリノ)エタンスル
ホン酸、2−ヒドロキシエチルイミノ−トリス(ヒドロ
キシメチル)メタン、ニトロトリ酢酸、ピペラジン−
N,N’−ビス(2−エタン)スルホン酸、N−トリス
(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホ
ン酸、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン
およびトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンなどの
各両性化合物のアルカリ金属塩あるいは無機酸塩などが
挙げられる。
あるいは複数で用いることが可能で、その他の水溶性化
合物を本発明の重合リポソーム懸濁液の性能に悪影響を
与えない範囲において用いることも何ら制限されるもの
ではない。
ものではないが、凝固点降下または沸点上昇等を測定す
ることなどより求められる。
る。しかしながら、本発明は以下の実施例のみに限定さ
れるものではない。
ol;全脂質に占める割合95mol%、以下同様)、
非重合性脂質としてジミリストイルフォスファチジルグ
リセロールアンモニウム塩(以後DMPGと略す)44
mg(64μmol)をナス型フラスコ中でクロロホル
ム50mlに溶解し、エバポレーターで25℃に維持し
つつ溶剤を留去した。次にナス型フラスコを25℃の真
空乾燥機内に移し、8時間減圧乾燥して重合性脂質混合
物を得た。
l;70mol%)および非重合性脂質としてDPPC
240mg(327μmol)およびDMPG44.7
mg(66μmol)を原料とし、前記参考例1−1と
同様の方法で重合性脂質混合物を調製した。
l;47.5mol%)、非重合性脂質としてDPPC
462mg(630μmol)およびDMPG45.3
mg(66μmol)を原料とし、前記参考例1−1と
同様の方法で重合性脂質混合物を調製した。
l;25mol%)、非重合性脂質としてDPPC69
1mg(941μmol)およびDMPG46.0mg
(67μmol)を原料とし、前記参考例1−1と同様
の方法で重合性脂質混合物を調製した。
mol;70mol%)、非重合性脂質としてコレステ
ロール143mg(369μmol;25mol%)お
よびDMPG50.0mg(74μmol)を原料と
し、前記参考例1−1と同様の方法で重合性脂質混合物
を調製した。
mol;70mol%)、非重合性脂質としてコレステ
ロール151mg(391μmol;25mol%)お
よびDMPG53.5mg(78μmol)を原料と
し、前記参考例1−1と同様の方法で重合性脂質混合物
を調製した。
mol;95mol%)および非重合性脂質としてDM
PG43.8mg(64μmol)を原料とし、前記参
考例1−1と同様の方法で重合性脂質混合物を調製し
た。
l;47.5mol%)、非重合性脂質としてコレステ
ロール312mg(806μmol;47.5mol
%)およびDMPG58.0mg(85μmol)を原
料とし、前記参考例1−1と同様の方法で重合性脂質混
合物を調製した。
l;47.5mol%)、コレステロール324mg
(838μmol;47.5mol%)およびDMPG
60.4mg(88μmol)を原料とし、前記参考例
1−1と同様の方法で非重合性脂質混合物を調製した。
ナス型フラスコに、1mMHEPES緩衝液(pH7.
5;浸透圧1mOsm)からなる水和溶液20mlを添
加し、25℃で穏やかに攪拌・振とうして脂質を分散さ
せた。この分散液を40℃で、エクストルーダー(日油
リポソーム(株)、最大圧力30kg/cm2 )を用い
て、厚さ0.2μmのポリカーボネート製メンブランフ
ィルターを5回通過させた。リン濃度を測定し20mM
に濃度調整してリポソーム懸濁液を得た。
透圧は1mOsmである。水和溶液の浸透圧は、浸透圧
計(オズモメーター ONE−TEN、FISKE社
製)で測定した。また、以後浸透圧が記してある溶液は
同様に測定を行った。
素ガスでバブリングして溶存酸素を除去した後、5kG
y/時間のγ線を25℃で1時間照射して重合反応を行
った。
000から8000の透析膜に入れ、100倍容量の、
食塩を加えて304mOsmに調整した10mM HE
PES緩衝液(pH7.5)で透析を行い外水相を置換
した。透析後の外水相の浸透圧の測定は、透析後のリポ
ソーム懸濁液を限外濾過し、リポソームを除いた液につ
いて浸透圧計(オズモメーター ONE−TEN、FI
SKE社製)を用いて行った。また、透析を行う前後の
重合リポソームの平均粒径を、動的光散乱法粒度分布計
(NICOMPモデル370HPL、日油リポソーム
(株)製)で測定した。
前記実施例1−1−(1)と同様の方法でリポソーム懸
濁液の調製を行った。
素ガスでバブリングして溶存酸素を除去した。この試料
瓶を横に倒し、溶液の深さが10mm以下とし、5Me
Vの電子線照射装置を用いて5kGyの線量を照射して
重合反応を行った。0.8μmのメンブランフィルター
で、共雑物を取り除き重合リポソーム懸濁液を得た。
外水相浸透圧測定及び粒径測定を行った。
前記実施例1−1−(1)と同様の方法でリポソーム懸
濁液の調製を行った。
をリポソーム懸濁液に加え、60℃に加温して12時間
維持しアゾ系開始剤による重合を行った。0.8μmの
メンブランフィルターで、共雑物を取り除き重合リポソ
ーム懸濁液を得た。
外水相浸透圧測定及び粒径測定を行った。
前記実施例1−1−(1)と同様の方法でリポソーム懸
濁液の調製を行った。
い重合リポソーム懸濁液を調製した。
100倍容量の、食塩で浸透圧を1516mOsmに調
整した10mM HEPES緩衝液(pH7.5)で透
析を行い外水相を置換した。次いで前記実施例1−1−
(3)と同様に外水相浸透圧測定及び粒径測定を行っ
た。
ナス型フラスコに、食塩で300mOsmに調整した1
0mM HEPES緩衝液(pH7.5)からなる水和
溶液10mlを添加し、25℃で穏やかに攪拌・振とう
して脂質を分散させた。この分散液を40℃で、エクス
トルーダー(日油リポソーム(株)製)を用いて厚さ
0.2μmのポリカーボネート製メンブランフィルター
を5回通過させた。次に、リン濃度を測定し20mMに
濃度調整してリポソーム懸濁液を得た。
い重合リポソーム懸濁液を調製した。
100倍容量の、食塩で603mOsmに調整した10
mMHEPES緩衝液(pH7.5)で透析し、外水相
の置換を行った。次いで前記実施例1−1−(3)と同
様に、外水相浸透圧測定及び粒径測定を行った。
前記実施例1−1−(1)と同様の方法でリポソーム懸
濁液の調製を行った。
い重合リポソーム懸濁液を調製した。
外水相浸透圧測定及び粒径測定を行った。
前記実施例1−1−(1)と同様の方法でリポソーム懸
濁液の調製を行った。
い重合リポソーム懸濁液を調製した。
外水相浸透圧測定及び粒径測定を行った。
前記実施例1−1−(1)と同様の方法でリポソーム懸
濁液の調製を行った。
い重合リポソーム懸濁液を調製した。
外水相浸透圧測定及び粒径測定を行った。
前記実施例1−1−(1)と同様の方法でリポソーム懸
濁液の調製を行った。
い重合リポソーム懸濁液を調製した。
外水相浸透圧測定及び粒径測定を行った。
前記実施例1−1−(1)と同様の方法でリポソーム懸
濁液の調製を行った。
い重合リポソーム懸濁液を調製した。
外水相浸透圧測定及び粒径測定を行った。
前記実施例1−1−(1)と同様の方法でリポソーム懸
濁液の調製を行った。
い重合リポソーム懸濁液を調製した。
外水相浸透圧測定及び粒径測定を行った。
前記実施例1−1−(1)と同様の方法でリポソーム懸
濁液の調製を行った。
い重合リポソーム懸濁液を調製した。
外水相浸透圧測定及び粒径測定を行った。
前記実施例1−1−(1)と同様の方法でリポソーム懸
濁液の調製を行った。
い重合リポソーム懸濁液を調製した。
倍容量の、食塩で102Osmに調整した10mM H
EPES緩衝液(pH7.5)で透析し、外水相の置換
を行った。
様の条件で外水相の浸透圧測定及び粒径測定を行った。
前記実施例1−5−(1)と同様の方法でリポソーム懸
濁液の調製を行った。
い重合リポソーム懸濁液を調製した。
外水相の浸透圧測定及び粒径測定を行った。
い、前記実施例1−1−(1)と同様の方法でリポソー
ム懸濁液の調製を行った。
径測定を行った。
安定性評価結果を下記の表1に示した。
行う前の平均粒径(A)、および浸透圧を負荷した透析
を行った後の平均粒径(B)より、下記の式(2)で示
される粒径変化率を求めた。
として◎、±11〜±20%は実用上問題ないものとし
て○、それ以上の変化率を示したものや沈澱を生じたも
のは安定性不良のものとして×で示した。
ロール類の含有量を少なくした特別な配合割合の重合性
脂質混合物を重合させたものとすることにより、浸透圧
変化、特に使用時の浸透圧調整における浸透圧変化に対
しても凝集することなく、安定となる性質を有する。
水相の浸透圧を、内水相の浸透圧に対し100mOsm
以上変化させても安定である。
Claims (2)
- 【請求項1】 全膜構成脂質中、重合性脂質を25〜1
00モル%及びステロール類を0〜25モル%含有する
重合性リポソーム懸濁液を重合させてなる重合リポソー
ム懸濁液。 - 【請求項2】 請求項1記載の、重合リポソーム懸濁液
の外水相の浸透圧を、内水相の浸透圧に対し100mO
sm以上変化させて使用環境に最適な浸透圧に調整して
なる重合リポソーム懸濁液。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1831896A JPH09187643A (ja) | 1996-01-09 | 1996-01-09 | 重合リポソーム懸濁液 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1831896A JPH09187643A (ja) | 1996-01-09 | 1996-01-09 | 重合リポソーム懸濁液 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09187643A true JPH09187643A (ja) | 1997-07-22 |
Family
ID=11968272
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1831896A Pending JPH09187643A (ja) | 1996-01-09 | 1996-01-09 | 重合リポソーム懸濁液 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09187643A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018198918A1 (ja) * | 2017-04-28 | 2018-11-01 | 国立大学法人神戸大学 | ドロー溶液及びそれを用いた発電装置、水処理装置 |
JP2018533565A (ja) * | 2015-10-16 | 2018-11-15 | サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク | 両親媒性分子層 |
-
1996
- 1996-01-09 JP JP1831896A patent/JPH09187643A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018533565A (ja) * | 2015-10-16 | 2018-11-15 | サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィク | 両親媒性分子層 |
WO2018198918A1 (ja) * | 2017-04-28 | 2018-11-01 | 国立大学法人神戸大学 | ドロー溶液及びそれを用いた発電装置、水処理装置 |
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A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071227 |
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