JP3572428B2 - 重合リポソームの製造方法 - Google Patents

重合リポソームの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は内包された薬物の変性が抑制された、重合リポソームの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医薬の分野において標的指向製剤のひとつとして、各種薬物を封入したリポソーム製剤がある。しかしリポソーム製剤は不安定であるため凍結保存が難しく、また、血中に投与すると肝臓・脾臓などのRES系の臓器に捕捉されたり、標的臓器に到達する前に血中で分解する等、血中滞留時間が短いという問題点があった。
【0003】
この問題を解決するため、γ線や紫外線、電子線等の活性エネルギー線を用いてリポソームを重合することにより、膜を強固にする方法が知られている。このようにして得られた重合リポソームは凍結保存が可能であり、また、血中での安定性も高い。(Biomat.,Art.Cell and Immob.Biotec 20(2−4)
【0004】
しかしながら、リポソームを重合させるための活性エネルギー線の照射により、内包された薬物の変性速度が上昇するという問題点があった。例えばヘモグロビンを内包したリポソームの場合、照射によりヘモグロビンの変性によるメトヘモグロビンの生成、即ちヘモグロビンのメト化が促進される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は重合リポソームとしての製剤的安定性を保持し、かつ内包された薬物の変性が抑制されるような重合リポソームの製造法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の問題点を解決するための方法を検討した結果、内水相に薬物を封入し、膜構成成分に重合性リン脂質を含むリポソームを、活性エネルギー線を照射して重合する際、外水相にラジカル捕捉能を有する水溶性化合物を存在させることで、リポソーム製剤の安定性を損なうことなく、薬物の変性が抑制されることを知り本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は内水相に薬物を内包し、膜構成成分に重合性リン脂質を含むリポソームを、活性エネルギー線を照射して重合する重合リポソームの製造方法において、外水相中に0.05g/dl〜50g/dlの、グルタチオン、システイン、アスコルビン酸、EDTA、NADH、ピリドキサル−5−リン酸、ヘモグロビン及びアルブミンから選ばれる化合物の存在下で重合することを特徴とする重合リポソームの製造方法である。
【0008】
本発明に用いるリポソームの原料である重合性リン脂質は特に限定されず、分子中に重合性脂肪酸残基、例えば重合性アルケノイル基、重合性アルカジエノイル基、重合性アルカトリエノイル基等を有するもので、このような重合性脂肪酸残基を含有していれば、非重合性脂肪族残基が含有されてもよい。非重合性脂肪族残基としては炭素数2〜24の直鎖あるいは分岐鎖のアルキル基、アシル基、非重合性アルケニル基、非重合性アルケノイル基などがあげられる。
【0009】
このような重合性リン脂質を具体的に挙げると、例えば、1,2−ビス(2,4−オクタデカジエノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1,2−ビス(2,4−ヘキサデカジエノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1−(オクタデカノイル)−2−(2,4−オクタジエノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1−(ヘキサデカノイル)−2−(2,4−オクタジエノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1−(オクタデカノイル)−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1−(ヘキサデカノイル)−2−(2,4−ヘキサジエノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1−(2,4−オクタデカジエノイル)−2−オクタデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1−(2,4−ヘキサデカジエノイル)−2−ヘキサデカノイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン、1,2−ビス−(8,10,12−オクタデカトリエノイル)−sn−グリセロ−3−ホスホコリンなどの誘導体が利用可能である。
【0010】
膜構成成分には重合性リン脂質のほかに非重合性リン脂質を含んでいても構わない。非重合性リン脂質は例えば卵黄レシチン、大豆レシチン、水添卵黄レシチン、水添大豆レシチンなどの天然系リン脂質及びその誘導体、また、ジミルリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジオレイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジン酸、ジパルミトイルホスファチジン酸、ジステアリルホスファチジン酸、ジオレイルホスファチジン酸、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ジステアリルホスファチジルグリセロール、などのアシル基組成を操作した合成系のリン脂質、さらにホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリンなどが利用可能で特に限定されるものではない。
【0011】
本発明において重合性リン脂質の含有量は、全膜構成成分に対して重合性リン脂質を1モル%以上含むことが好ましい。1モル%未満では重合後の安定性が低下する傾向にある。
【0012】
リポソームを製造する際に、必要により膜の安定化剤として、エルゴステロール、コレステロール等のステロール類、荷電物質として、パルミチン酸及びパルミチン酸ナトリウム等の脂肪酸及び脂肪酸塩を添加することができる。
【0013】
リポソーム化は常法に従って行うことが可能であり、例えば薄膜法、超音波処理法、エタノール注入法、フレンチプレス法、押し出し法、透析法、逆相法等いづれの方法を用いてもよい。特に好ましくは押し出し法によって粒径100nm−300nmに形成するのがよい。
【0014】
このようにして得られたリポソームは、膜成分中に重合性リン脂質を含有しており、それを重合させることにより、またその際重合度や重合率を調整することにより、保存安定性や血中安定性に優れた重合リポソームを得ることができる。
【0015】
リポソームの重合は活性エネルギー線を照射して行なわれる。活性エネルギー線としては特に限定されず、紫外線重合、γ線重合、X線重合、電子線重合などの公知の方法を用いることができ、これらを組み合わせることもできるが特にγ線による重合が好ましい。これら活性エネルギー線の照射による重合法は、重合後に精製の必要がないという点で有利である。
【0016】
本発明はこの活性エネルギー線の照射による重合の際に、外水相にラジカル捕捉能を有する水溶性化合物を存在させることを特徴とするものであり、これにより、照射活性エネルギー線による内包された薬物の変性を抑制することができる。
【0017】
このようなラジカル捕捉能を有する水溶性化合物としては、ヘモグロビン、アルブミン、グロブリンなどのタンパク質、グルタチオン等のペプチド類、システイン、フェニルアラニン、ヒスチジンなどのアミノ酸、ピリドキサル−5−リン酸のような芳香族化合物、アスコルビン酸などの水溶性ビタミン類、NADHなどのヌクレオチド類、EDTAなどの金属キレート剤が挙げられる。これらは、組み合わせて用いることも可能であるし、上記以外の物質と組み合わせてもよい。
【0018】
外水相に存在させる化合物は、ラジカル捕捉能を有する水溶性化合物であれば内水相に内包される薬物と同一物質でも良い。内水相の薬物と外水相に存在させる水溶性化合物が異なる場合は、造粒後に洗浄操作を行い、外水相に上記したような水溶性化合物を添加する。また、内水相の薬物と外水相に存在させる水溶性化合物が同一物質である場合は、上記方法のように洗浄後に水溶性化合物を添加するか、または造粒後の洗浄操作を省略し、外水相中に存在させる水溶性化合物の量を0.05g/dl〜50g/dlの範囲内の所望の量としたものに活性エネルギー線を照射し重合リポソームを得ることもできる。
【0019】
リポソームの重合の際、外水相中に存在させるラジカル捕捉能を有する水溶性化合物の量は0.05g/dl〜50g/dlであり、好ましくは0.1g/dl〜20g/dlである。0.05g/dl以下であるとリポソームに封入された薬物が変性し、50g/dl以上であると活性エネルギー線照射による重合率が上がらず血中安定性や保存安定性が保持できない。
【0020】
一定量の活性エネルギー線を照射し、重合リポソームが得られた後、洗浄により外水相中のラジカル捕捉能を有する水溶性化合物を除去し、ついで緩衝液に懸濁する等、公知の手段により薬物を内水相に含有する重合リポソームが得られる。
【0021】
本発明はいかなる薬物を内包する重合リポソームの製造にも適用可能であるが、特に活性エネルギー線照射により変性を受け易い薬物を含有する場合、その変性を抑制することができるので有効である。特にヘモグロビンは照射により変性(メト化)されメトヘモグロビンが生成するので、ヘモグロビンのメト化を防止する方法として有用である。
【0022】
【実施例】
以下、本発明を実施例とそれに対する比較例により詳しく説明する。
【0023】
[参考例](ヘモグロビン内包リン脂質の製造)
重合性リン脂質である1−アシル−2−オクタデカジエノイルホスファチジルコリン(以下AODPCという)944mg(1.23mmol)と非重合性リン脂質であるジパルミトイルホスファチジルコリン(以下、DPPCという)906mg(1.23mmol)とコレステロール954mg(2.47mmol)とパルミチン酸ナトリウムとを196mg(0.70mmol)、ナス型フラスコに入れ、クロロホルム−メタノール−水(65:25:4(v/v/v))60mlを添加して溶解し、エバポレーターを用いて溶媒を留去した。これに水を添加し液体窒素により凍結させ、二晩凍結乾燥させて乾燥粉末からなる混合脂質を調整した。
【0024】
ヒト濃厚赤血球から赤血球膜を除去し、精製、濃縮したヘモグロビン溶液30mlと混合脂質3gを攬拌、混合することにより、ヘモグロビン含有脂質分散液を得た後、エクストルーダー(日油リポソーム社製)を用いてポリカーボネート製のフィルターを通過させることにより、0.2μmの大きさとなるように粒径制御した。
【0025】
[実施例1](重合リポソームの製造)
参考例の方法で得られた粒径制御後のリポソームについて、封入されなかったヘモグロビンを洗浄するために遠心分離操作(20,000G×30min)を行い、上清を除去した。沈澱を6g/dlのヘモグロビンを添加した10mMのHEPES緩衝液(pH7.4)を用いて懸濁し、リポソーム懸濁液を調製した。この状態で5kGy/h、1時間のγ線照射を行い、重合リポソームを得た。再度洗浄を行い、外水相のヘモグロビンを除去して、10mMのHEPES緩衝液(pH7.4)を用いて懸濁してヘモグロビンを内水相に含有する重合リポソームを得た。
【0026】
[実施例2]
実施例1と同様の方法でヘモグロビン含有リポソームを作製し、重合する際、外水相にヘモグロビン溶液(12g/dl)を添加して5kGy/hで1時間のγ線照射により重合した。その後洗浄を行い、外水相の混合溶液を除去して、10mMのHEPES緩衝液(pH7.4)を用いて懸濁してヘモグロビンを内水相に含有する重合リポソームを得た。
【0027】
[実施例3]
実施例1と同様の方法でヘモグロビン含有リポソームを作製し、重合する際、外水相にヘモグロビン溶液(0.5g/dl)を添加して5kGy/hで1時間のγ線照射により重合した。その後洗浄を行い、外水相の混合溶液を除去して、10mMのHEPES緩衝液(pH7.4)を用いて懸濁してヘモグロビンを内水相に含有する重合リポソームを得た。
【0028】
[実施例4]
参考例で示した粒径制御後のリポソームについて洗浄操作を行わず外水相のヘモグロビン溶液が6g/dlになるように10mMのHEPES緩衝液(pH7.4)を用いて希釈した後5kGy/h、1時間のγ線照射を行い、重合リポソームを得た。その後洗浄を行い、外水相のヘモグロビンを除去して、10mMのHEPES緩衝液(pH7.4)を用いて懸濁してヘモグロビンを内水相に含有する重合リポソームを得た。
【0029】
[実施例5]
実施例1と同様の方法でヘモグロビン含有リポソームを作製し、重合する際、外水相にピリドキサル−5−リン酸(0.080g/dl)を添加して5kGy/hで1時間のγ線照射により重合した。その後洗浄を行い、外水相のピリドキサル−5−リン酸を除去して、10mMのHEPES緩衝液(pH7.4)を用いて懸濁してヘモグロビンを内水相に含有する重合リポソームを得た。
【0030】
[実施例6]
実施例1と同様の方法でヘモグロビン含有リポソームを作製し、重合する際、外水相にNADH(0.076g/dl)を添加して5kGy/hで1時間のγ線照射により重合した。その後洗浄を行い、外水相のNADHを除去して、10mMのHEPES緩衝液(pH7.4)を用いて懸濁してヘモグロビンを内水相に含有する重合リポソームを得た。
【0031】
[実施例7]
実施例1と同様の方法でヘモグロビン含有リポソームを作製し、重合する際、外水相にヘモグロビン(6g/dl)及びピリドキサル−5−リン酸(0.080g/dl)、NADH(0.076g/dl)の混合溶液を添加して5kGy/hで1時間のγ線照射により重合した。その後洗浄を行い、外水相の混合溶液を除去して、10mMのHEPES緩衝液(pH7.4)を用いて懸濁してヘモグロビンを内水相に含有する重合リポソームを得た。
【0032】
[実施例8]
実施例1と同様の方法でヘモグロビン含有リポソームを作製し、重合する際、外水相にアルブミン(6g/dl)を添加して5kGy/hで1時間のγ線照射により重合した。その後洗浄を行い、外水相のアルブミンを除去して、10mMのHEPES緩衝液(pH7.4)を用いて懸濁してヘモグロビンを内水相に含有する重合リポソームを得た。
【0033】
[実施例9]
実施例1と同様の方法でヘモグロビン含有リポソームを作製し、重合する際、外水相にグルタチオン(0.77g/dl)を添加して5kGy/hで1時間のγ線照射により重合した。その後洗浄を行い、外水相のグルタチオンを除去して、10mMのHEPES緩衝液(pH7.4)を用いて懸濁してヘモグロビンを内水相に含有する重合リポソームを得た。
【0034】
[実施例10]
実施例1と同様の方法でヘモグロビン含有リポソームを作製し、重合する際、外水相にシステイン(0.30g/dl)を添加して5kGy/hで1時間のγ線照射により重合した。その後洗浄を行い、外水相のシステインを除去して、10mMのHEPES緩衝液(pH7.4)を用いて懸濁してヘモグロビンを内水相に含有する重合リポソームを得た。
【0035】
[実施例11]
実施例1と同様の方法でヘモグロビン含有リポソームを作製し、重合する際、外水相にアスコルビン酸(0.44g/dl)を添加して5kGy/hで1時間のγ線照射により重合した。その後洗浄を行い、外水相のアスコルビン酸を除去して、10mMのHEPES緩衝液(pH7.4)を用いて懸濁してヘモグロビンを内水相に含有する重合リポソームを得た。
【0036】
[実施例12]
実施例1と同様の方法でヘモグロビン含有リポソームを作製し、重合する際、外水相にEDTA(0.93g/dl)を添加して5kGy/hで1時間のγ線照射により重合した。その後洗浄を行い、外水相のEDTAを除去して、10mMのHEPES緩衝液(pH7.4)を用いて懸濁してヘモグロビンを内水相に含有する重合リポソームを得た。
【0037】
[比較例1]
実施例1においてヘモグロビン添加の緩衝液の代わりにヘモグロビン無添加のHEPES緩衝液(pH7.4)を用いて懸濁した以外は実施例1と同様の方法でリポソームを作製し、実施例1と同線量でγ線照射を行い重合した。その後洗浄を行い、10mMのHEPES緩衝液(pH7.4)を用いて懸濁してヘモグロビンを内水相に含有する重合リポソームを得た。
【0038】
[比較例2]
実施例1と同様の方法でヘモグロビン含有リポソームを作製し、重合する際、外水相にヘモグロビン(0.03g/dl)の混合溶液を添加して5kGy/hで1時間のγ線照射により重合した。その後洗浄を行い、外水相の混合溶液を除去して、10mMのHEPES緩衝液(pH7.4)を用いて懸濁してヘモグロビンを内水相に含有する重合リポソームを得た。
【0039】
[比較例3]
実施例1で内包するヘモグロビン溶液に25mMのシステインを添加して、同様の方法でリポソームを作製し、重合する際の外水相は、10mMのHEPES緩衝液(pH7.4)のみとし、同線量でγ線照射を行い、重合した。その後洗浄を行い、10mMのHEPES緩衝液(pH7.4)を用いて懸濁してヘモグロビンを内水相に含有する重合リポソームを得た。
【0040】
[比較例4]
実施例1と同様の方法でヘモグロビン含有リポソームを作製し、重合する際、外水相にグルコース(0.45g/dl)を添加して5kGy/hで1時間のγ線照射により重合した。その後洗浄を行い、外水相のシステインを除去して、10mMのHEPES緩衝液(pH7.4)を用いて懸濁してヘモグロビンを内水相に含有する重合リポソームを得た。
【0041】
<保存安定性試験>
実施例1〜12、比較例1〜4で作製した試料について、37℃遮光下でインキュベーションを行い、インキュベーション開始時及び、12,24,36,48時間後のメトヘモグロビン生成率を測定した。メトヘモグロビン量の測定は、メトヘモグロビンが407nm付近に吸収を持つことを利用した。
24時間後のメトヘモグロビン生成率(メト化率)を表に1に示した。
【0042】
【表1】
重合ヘモグロビン含有リポソームの評価
Figure 0003572428
【0043】
表1の結果より、外水相中にラジカル捕捉能を有する水溶性化合物の非存在下、あるいは少量でγ線により重合した重合リポソームにおいては、内水相に内包されたヘモグロビンのメト化が率が上昇しており、薬物の変性が促進されていることが分かる。これに対し特定量のラジカル捕捉能を有する水溶性化合物を外水相中に存在させてリポソームを重合する本発明方法では薬物の変性が抑制され、安定なリポソーム製剤が得られる。
【0044】
【発明の効果】
リポソームを活性エネルギー線照射により重合して内水相に薬物を内包した重合リポソームを製造する際に、外水相中にラジカル捕捉能を有する水溶性化合物を特定量存在させて重合することにより、薬物の変性が抑制され、しかも凍結保存可能で、血中でも安定なリポソーム製剤が得られるので、本発明はドラッグデリバリーシステムに適した薬物内包製剤に広く応用できる。

Claims (1)

  1. 内水相に薬物を内包し、膜構成成分に重合性リン脂質を含むリポソームを、活性エネルギー線を照射して重合する重合リポソームの製造方法において、外水相中に0.05g/dl〜50g/dlの、グルタチオン、システイン、アスコルビン酸、EDTA、NADH、ピリドキサル−5−リン酸、ヘモグロビン及びアルブミンから選ばれる化合物の存在下で重合することを特徴とする重合リポソームの製造方法。
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