JPH09187165A - マット状緑化材 - Google Patents

マット状緑化材

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JPH09187165A
JPH09187165A JP8001601A JP160196A JPH09187165A JP H09187165 A JPH09187165 A JP H09187165A JP 8001601 A JP8001601 A JP 8001601A JP 160196 A JP160196 A JP 160196A JP H09187165 A JPH09187165 A JP H09187165A
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mat
greening
fiber
seeds
cotton
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Masataka Iwamoto
正孝 岩元
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Kakui Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 植物種子の出芽、生育を妨げずに高い弾力性
や復元力を備え、かつ、耐候性にも優れた広範囲な目的
に対応しうるようなマット状緑化材を提供する。 【解決手段】 パルプ材層の表面に種子および肥料を点
在接着し、その上に、羊毛繊維70〜80wt%,木綿
繊維・脱脂木綿繊維・吸水性化学繊維のうち1種以上2
0〜30wt%よりなる不織布層を設けたことを特徴と
するマット状緑化材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路側壁や法面、
公園等の裸地などの土地を緑化するための緑化材に関す
るものであり、詳しくは、土地の緑化のために育てる植
物の種子を担持し、かつ、表面に繊維層を有するマット
状緑化材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、マット状緑化材としては、 薄綿の裏面に種子、肥料等を接着剤によって張り付け
た資材。 膨軟かつ厚手の綿状素材で種子、肥料等を挾持した資
材。 種子、肥料を張り付けた薄綿に水溶性フィルムを挾ん
で熱融着樹脂をラミネートした紙を張り付けた資材。な
どが知られている。また、従来のマット状緑化材におい
て使用されている補強のためのネットは化学繊維製であ
った。
【0003】さらに、大規模急傾斜裸地等の緑化の目的
では、種子、肥料等の吹き付けや種子等を混入した土の
うを埋め込むといった方法が考案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術には下記のような問題点があった。すな
わち、のような著しく薄い綿を使用する方法では、資
材が余りに薄くかつ膨軟性に欠けるので弾力性や復元力
に欠け、雨滴の衝撃を地表面が直接受け、かつ雨水の一
時的貯留が困難である、という問題があった。また、
のような厚手の木綿製素材を使用する方法では、種子の
出芽を妨げるばかりでなく、木綿は耐候性に劣り、短期
間に腐敗して本来の機能が短期間に消滅するという問題
があった。さらに、のような水溶性フィルムや熱融着
樹脂等を使用する資材では弾力性に欠け、緩衝機能が小
さい、といった問題があった。例えば、沖縄の赤土流出
地域のような降雨強度が大きく、かつ雨水によって流出
し易い土壌の分布している土地においては、何らかの資
材で地表を被覆することが望ましく、本発明のように植
生が繁茂するまでの期間は資材本体で雨滴の衝撃を緩和
して雨水による土砂流出を軽減する方法が望ましいが、
〜の資材ではこれらの要件をまかないきれないとい
う問題があった。
【0005】また、所定の植物を成長させ、最終的には
土地の緑化を目的としたマット状緑化材を提供するもの
であるから、当然に当該植物(被覆作物など)の成育を
妨げるものであってはならない。
【0006】そこで、植物種子の出芽、生育を妨げずに
高い弾力性や復元力を備え、かつ、耐候性にも優れた広
範囲な目的に対応しうるようなマット状緑化材が待望さ
れていたのである。
【0007】勿論、緑化の対象となる土地の性状やその
土地の気象条件、緑化材の用途や使用条件などの各種の
条件は様々であり、各種の条件によってマット状緑化材
の具備すべき条件は異なるが、一般的には、施工初期
は、ある程度、膨軟かつ弾力性のある資材で雨滴の強度
を受け止め、更に雨水の流去に伴う土砂の流出を抑制
し、中期では、資材に混入した植物種子の出芽、繁茂と
資材の緩衝と保水機能によって障害を軽減する。更に後
期では植生繁茂と栽培植物がある場合はこれを併用する
ことによって、土砂の流出と環境緑化を図れば良い。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記のような課
題を解決するものであり、これに適した機能と実用性を
兼ね備えている。その要旨とするところは特許請求の範
囲に記載の通りである。
【0009】しかして、本願請求項1に記載の発明は、
パルプ材層の表面に種子および肥料を点在接着し、その
上に、羊毛繊維70〜80wt%,木綿繊維・脱脂木綿
繊維・吸水性化学繊維のうち1種以上20〜30wt%
よりなる不織布層を設けたことを特徴とするマット状緑
化材、である。
【0010】本発明の特徴の一は、パルプ材層の表面に
点在接着させた種子及び肥料を被覆する不織布層に、羊
毛繊維を主体とした繊維を用いる点である。
【0011】被覆(不織布)層の具備すべき条件は、緑
化材の用途や使用条件によって異なるが、例えば降雨時
の雨滴の地表に対する衝撃を緩和する機能を加味した緑
化材(とりわけ、沖縄の赤土流出地域で注目されてい
る)の基材として利用する場合は、被覆(不織布)層の
厚さが厚いことは緩衝機能が高いことの極めて重要な要
因となり、同様に、その被覆(不織布)層が被覆作物の
出芽を阻害しないとすれば、注目すべき2つの機能を合
わせ持つことになり、この様な機能をもつ資材は他に例
がない。
【0012】不織布層における羊毛繊維の割合は70〜
80wt%とする。70wt%未満では地表に敷設した
不織布が降雨条件下で十分な弾力性と孔隙性を保持する
ことが困難となり、雨滴の衝撃緩和に加えて、種子の出
芽が十分確保できなくなる。80wt%を越えると不織
布が過度に膨軟かつ孔隙性が大となって種子の出芽に適
切な保水性を保持できなくなり、本発明の目的とする効
果が得られない。
【0013】不織布層を構成する繊維のうち、羊毛繊維
の70〜80wt%を除いた他の20〜30wt%の繊
維には、木綿繊維・脱脂木綿繊維・吸水性化学繊維のう
ち1種以上を配合するものである。
【0014】不織布層に配合する脱脂木綿繊維の配合割
合は5〜10wt%の範囲が好ましい。また、吸水性化
学繊維の配合割合は3〜7wt%が好ましい。これらの
繊維を配合すれば羊毛繊維との機能補完により、弾力
性、孔隙性に加えて保水性を増加する効果がある。
【0015】脱脂木綿繊維は保水性を増す効果があり、
これを配合することにより種子の出芽に有効な水の保持
機能を大きく改善することができるのである。脱脂木綿
繊維の配合割合は5〜10wt%が好ましい。5wt%
未満では保水性が小さくなり、10wt%を越えると種
子の出芽の阻害する傾向がでるからである。
【0016】吸水性化学繊維の配合割合は3〜7wt%
が好ましい。3wt%未満では保水性が小さくなり、7
wt%を越えると種子の出芽の阻害する傾向がでるから
である。
【0017】請求項4に記載の発明は、請求項1,2又
は3に記載の発明において、さらに、不織布層の厚みを
2〜3mmとしたことを特徴とするものである。
【0018】不織布層の厚みについては、一般に雨滴の
地表に対する衝撃の程度と混入した植物種子の出芽及び
生育状況などを考慮して決定されるべきものであるが、
前述のような本発明の特徴である配合割合の繊維からな
る不織布層においては、両者は相反する要件をもつもの
であるため、その適正な厚みの決定が困難である。しか
して、本発明者は種々の研究を重ねた結果、本発明にお
ける適正な不織布層の厚みは2〜3mmが好ましいことを
見い出したものである。
【0019】本願請求項5に記載の発明は、パルプ材層
の裏面にネットを貼着したことを特徴とする請求項1、
2、3又は4記載のマット状緑化材である。
【0020】本発明マット状緑化材は、不織布層が厚い
ために、従来のマット状緑化材などより大きい強度を保
持しているが、敷設のための張力や風によってマット状
緑化材が吹き飛ばされるのを防ぐために、大規模施工に
当ってはネットで補強することがより望ましい。
【0021】本願請求項6に記載の発明は、ネットが天
然繊維製であることを特徴とする請求項5記載のマット
状緑化材である。資材補強のために、従来品では化学繊
維製ネットが使用されているが、化学繊維製ネットは、
腐敗しないために環境保全上問題があるほか、植生管理
のための作業者の安全確保にも問題がある。
【0022】天然繊維製ネットは、施工後、雨滴によっ
て資材が地表になじみ易く、又、種子の出芽、出根によ
って地表からの剥離の可能性が少なくなる1ケ月未満の
期間で、腐敗、消滅し、いわゆる自然に帰る環境に優し
い資材である。
【0023】本願請求項7に記載の発明は、ネットが木
綿製であることを特徴とする請求項6記載のマット状緑
化材である。
【0024】木綿製ネットは、施工当初は素材自体が施
工に十分な張力等の強度を保持しているが、短期間で腐
敗し、消滅するために安全な作業が確保できる。
【0025】
【作用】本発明の主体をなす羊毛繊維は、物理的にみて
他の繊維にはないいくつかの特長があり、これによっ
て、本発明の顕著な効果が達成できるものと考えられ
る。すなわち、羊毛繊維の特長は 羊毛は繊維の表面が形状の異なるウロコ状(セレーシ
ョン)になっている。このために、塊状となった羊毛繊
維はこのセレーションの相互からみ合いによって高い弾
力性や復元力を備えている。
【0026】例えば、弾性回復は綿より大きく、ポリプ
ロピレンと同程度、その耐久性はポリプロピレンより大
きいことが知られている。
【0027】羊毛繊維は縮れ(クリンプス)を生じて
いる。近年、合成繊維でも人工的に縮れ加工した素材が
みられるが、材質や材料の構成など、素材の内的要素に
よって生まれた縮れでないために、羊毛の縮れに比べ
て、引張り、圧縮、摩擦に対する耐久性が劣り、形状を
そこなうことが多い。羊毛はこの捲縮の良さによって常
に繊維と繊維との間に空気の層ができ、孔隙が多いため
に、高い弾力性と孔隙性を保ち、加えて、外部からの影
響によって、特性が容易に低下しないという優れた特長
を備えている。
【0028】繊維の耐候性については、羊毛が腐敗し
にくいことは、一般に知られているが、実際に羊毛繊維
を主体とした緑化材の耐候性について検討した結果、地
表に被覆した本発明マット状緑化材が腐敗するまでの期
間は、綿に比べて約2〜2.7倍となり、天然繊維であり
ながら、耐候性が高いことがわかる。
【0029】近年、開発されたか化学繊維の中には耐候
性がの極めて高い素材が多くみられるが、化学繊維の緑
化材への利用に対する批判が多い中で、羊毛は天然繊維
でありながら、比較的高い耐候性を具備していることは
重要なことである。
【0030】以上のように、化学繊維を含む他の繊維に
比べて、優れた特性を備えた羊毛繊維を主体とした本発
明マット状緑化材は、適度の孔隙を保ち、圧密されにく
いために、降雨や土壌による圧密等の条件においても、
その特性を持ち続ける能力が高く、このために、本発明
マット状緑化材に担持された作物の種子は、マット状緑
化材を貫通しやすく、出芽率が同様の厚さの他の資材に
比べて高いものと考えられる。
【0031】
【実施例】実施例及び比較例のマット状緑化材に使用し
た繊維の種類、構成繊維の配合割合、並びに厚み、およ
び重量等を表1に示す。表中、各繊維の配合割合はwt
%である。
【0032】表1に示す各繊維を配合し、図1に示す製
造装置・製造工程により、実施例及び比較例のマット状
緑化材を製造した。すなわち、原料(11)となるウー
ル繊維を混打綿機(12)で攪拌・調整したのち自動供
給機(13)で一定量で梳綿機(14)に供給する。梳
綿機(14)によって薄綿状に調整されたウール繊維
は、レーヤ(15)によって左右方向に切りたたまれ、
4〜6枚重ねの層状となって厚手の膨軟な繊維層から成
るシートを構成する。シートは次にニードルパンチ(1
6)に送られ、爪付きの無数の針によって上下方向に繊
維のからみを持たされ、緊密化されたマット状となって
送り出される。帯状のマットは、コンベヤ(25)によ
って移動し、その上に次に示す各種の処理を施される。
すなわち、装置の下側にある糊タンク(22)によって
下側片面だけに糊付けされたネット(21)が反転して
マットの下側に挿入され、マットとネットが糊によって
一体化される。その後、マット上側の全面に播挿機(1
7)、施肥機(18)によって均等に植物の種子、肥料
が使用されたのち糊散布機(19)によって上方から全
面に糊が吹き付けられ、その上にパルプ材が被覆され、
ローラ(26)によって圧着される。これらの処理によ
って原形を構成した緑化材は乾燥装置(23)を通過す
る過程で乾燥され、巻取機(24)によって巻取られ
る。
【0033】以上のようにして本願発明の実施例及び比
較例のマット状緑化材を製造した。実施例1のマット状
緑化材の一部を切り出した状態を図2に示す。図2中、
31は不織布、32は種子、33は肥料、34はパルプ
材、35は補強用ネットであって、36はこれらを一体
化する糊となっている。
【0034】これらの実施例及び比較例のマット状緑化
材について、実地試験を行った。その試験結果を表2に
示す。
【0035】各試験方法は以下の通りである。
【0036】[種子の萌芽率]マット状緑化材を構成す
る不織布の片面にでん粉主体の糊を吹き付けたのち、イ
タリアンライグラスまたはトールフェスク31の種子を
25g/m2 播種し、これを薄い紙で被覆した資材を作
成した。この資材の不織布を上側にして地表面に敷き詰
め、不織布を貫通して出芽した種子の割合を求め萌芽率
とした。
【0037】[雨水の流去水量および土砂流出量]各マ
ット状緑化材について、傾斜3度の裸地圃場(国頭マー
ジ土壌)に傾斜方向20m、水平方向10mの試験圃場
を1区設け、これを畦板で囲み、その傾斜下側の水下に
開口部幅90cmの流出口を設置した。開口部から流出
し土砂溜桝を通過した水と土砂について、パーシャル型
流量計で雨水の表面流去水量を測定するとともに、溜桝
内に滞積した土砂を採取し、土砂流出量として求めた。
【0038】各試験場には、傾斜方向に畦幅1.5mの
平畦を設け、これを幅1mのマット状緑化材で被覆した
(被覆幅:1m.裸地幅:50cm)。各畦には、条間
60cm、株間30cm、2条千鳥植えの作付様式でパ
インアップルを作付した。
【0039】[保水量]各資材に水を十分浸した後、こ
れを水平状態に置き、水の滴りがなくなった時点で室内
常温状態に放置し、経過時間ごとの重量を測定して、資
材がなお保持している水量を求め、これから保水量を算
出した。
【0040】表2の試験結果により裏付けられるよう
に、本発明の実施例緑化材はいずれも所望の効果を奏し
ている。さらに、本願請求項2の実施例に該当する実施
例緑化材12、13、16を実施例緑化材8、9と比較
すれば明らかなように、本願請求項2の発明は、羊毛繊
維の混入割合が僅んど同じであっても、脱脂木綿繊維が
5〜10%加わることによって吸水性が増すために、資
材が地表に密着し易くなり、これによって流去水量及び
土砂流出量が低減するという、より優れた効果を奏する
ものである。また、本願請求項3の実施例に該当する実
施例緑化材14、15、16を実施例緑化材8、10、
11と比較すれば明らかなように、本願請求項3の発明
は、吸水性化学繊維を3〜7%混入することによって、
資材の吸水性が増し、かつ、地表に密着し易くなるため
に、流去水量及び土砂流出量が減少する、という優れた
効果をも奏するものである。
【0041】さらに、資材の厚さが増すことによって、
雨滴の衝撃緩和効果や保水性、雨水の流速低減等の効果
が増すことで流去水量や土砂流出量が減少するが、他
方、種子の萌芽率が低下するという問題が伴う。従っ
て、萌芽率の許容値をどの程度とするかが重要な問題と
なる。
【0042】一般に、植生分布むらや立毛本数の確保さ
らに経済的理由からして、萌芽率は75〜80%以上が
望ましい値とされている。
【0043】この観点から本発明資材について研究を進
めた結果、資材の厚さ4mm以上の条件では、萌芽率の
確保にやや問題が出る傾向があり、厚さ1mmの条件で
は萌芽率の確保には問題等はないが、流去水量や土砂流
出量がやや過多となる傾向があることが判った。
【0044】したがって、本願請求項4の実施例に該当
する実施例緑化材2、3を実施例緑化材1、4と比較す
れば明らかなように、総合的に判断すると、資材の厚さ
2〜3mmが最適値となり、本願請求項4の発明は、よ
り優れた効果を奏するものである。
【0045】また、資材を構成する薄綿だけでは、施工
時に十分な強度を確保することに不安がある。この問題
を解決するためには、綿の厚さを厚くするか、薄綿に何
らかの補強資材を張り付けることが有効である。前者の
方法では、種子の萌芽率確保の点で制約があるために補
強剤としてのネットの張り付けがより好ましい。
【0046】しかしながら、例えば、ポリプロピレン製
ネットは、資材の強度保持の面では極めて有効であり、
加えて低価格であるという経済的利点があったが、施工
後、長期間原形をとどめ、残存するために、植生管理作
業時の障害や環境の保全、さらに景観保持等の面で問題
があった。
【0047】この問題の重要性が、近年、「地球環境」
の視点からより重要視されるようになったことは明らか
である。
【0048】この問題を解決するために、自然条件で腐
敗し、消滅する天然繊維を素材としたネットで構成する
のが最も望ましい方法といえる。
【0049】本発明資材では、これを木綿繊維で構成す
ることとしたところ、化学繊維製ネットと対比しても、
萌芽率、流去水量、土砂流出量で同等の効果を保持す
る、という優れた効果をも奏するものである。
【0050】これに対して、羊毛繊維を全く含まない比
較例緑化材1は、素材の構造が過度に緊密であるのに加
えて、透水性、保水性に劣るために、種子の萌芽率を著
しく阻害し、また、流去水量や土砂流出量の増大を伴う
等実用的に問題があり、逆に、羊毛繊維のみから成る比
較例緑化材2は、素材が羊毛繊維だけで構成されている
ために、過度に膨軟となり、このために種子の萌芽率は
高いが、流去水量、土砂流出量ともに増大するという問
題がある。
【0051】いずれも当業界のニーズに答えていない。
【0052】また、羊毛繊維の配合割合が本発明の範囲
未満である、比較例緑化材3、4は、種子の萌芽率は許
容値の下限にとどまるが、木綿繊維の混入割合が多い割
には、過度に膨軟なために、流去水量、土砂流出量とも
に多く、実用性にかける。
【0053】一方、羊毛繊維の配合割合が本発明の範囲
を越える比較例緑化材5は、羊毛繊維の混入割合が高い
ために膨軟性が高く、したがって、種子の萌芽率は高い
が、比較緑化材2と同様に、過度に膨軟であるために、
雨水の保水効果に乏しく、流去水量、土砂流出量ともに
高い値を示すために、いずれも本願発明の目的とした効
果を達成できなかった。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】表2の各試験結果から、本願発明マット状
緑化材が、種子の萌芽率では大差がないものの、雨水の
表面流去量、これに伴う土砂流出量が比較例緑化材に比
べて著しく優れ、道路壁や法面の保護に対して有効であ
ることが明らかである。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、高い弾力性や復元力を
備え、耐久性にも優れたマット状緑化材を提供すること
ができる。本発明マット状緑化材は、高い弾力性と孔隙
性を保ち、加えて、外部からの影響によって、特性が容
易に低下しないという優れた特長を有し、天然繊維であ
りながら、耐候性が高いマット状緑化材を得ることがで
きる。
【0058】例えば、浄雨や土壌による圧密等の条件に
おいても、本発明マット状緑化材は、適度の孔隙を保
ち、圧密されにくいために、その特性を持ち続ける能力
が高く、このために、本発明マット状緑化材に担持され
た作物の種子は、マット状緑化材を貫通しやすく、出芽
率が同様の厚さの他の緑化材に比べて非常に高い。
【0059】すなわち、本発明マット状緑化材は、緩衝
機能の高さを満足しながら、同時に、担持された作物の
出来を阻害しない、という注目すべき2つの機能を合わ
せ持つ緑化材である。
【0060】以上の通り、本発明は当業界のニーズに答
えた有用な発明であり、その効果は極めて大なるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係るマット状緑化材の製造装置並び
に製造工程の一例を示す図である。
【図2】本願発明実施例1のマット状緑化材の一部を切
り出した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
11・・原料 12・・混打綿機(スカッチャー) 13・・自動供給機(オートフィーダ) 14・・梳綿機(ローラカード) 15・・レーヤ 16・・パンチニードル 17・・播種機(シーダー) 18・・施肥機(ファティライザー) 19・・糊散布機(スプレーヤ) 20・・パルプ材 21・・ネット 22・・糊タンク 23・・乾燥装置(ドライヤー) 24・・巻取機 25・・コンベヤ 26・・ローラ 31・・不織布層 32・・種子 33・・肥料 34・・糊 35・・パルプ材 36・・補強ネット

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルプ材層の表面に種子および肥料を点
    在接着し、その上に、羊毛繊維70〜80wt%,木綿
    繊維・脱脂木綿繊維・吸水性化学繊維のうち1種以上2
    0〜30wt%よりなる不織布層を設けたことを特徴と
    するマット状緑化材。
  2. 【請求項2】 不織布層中の脱脂木綿繊維の配合割合が
    5〜10wt%であることを特徴とする請求項1記載の
    マット状緑化材。
  3. 【請求項3】 不織布層中の吸水性化学繊維の配合割合
    が3〜7wt%であることを特徴とする請求項1又は2
    記載のマット状緑化材。
  4. 【請求項4】 不織布層が2〜3mmの厚みであることを
    特徴とする請求項1、2又は3記載のマット状緑化材。
  5. 【請求項5】 不織布層の表面にネットを貼着したこと
    を特徴とする請求項1、2、3又は4記載のマット状緑
    化材。
  6. 【請求項6】 ネットが天然繊維製であることを特徴と
    する請求項5記載のマット状緑化材。
  7. 【請求項7】 ネットが木綿製であることを特徴とする
    請求項6記載のマット状緑化材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006004315A1 (en) * 2004-05-03 2006-01-12 Jung Pil Koo Mat to cultivate sprouts and method to manufacture that
KR100804273B1 (ko) * 2007-01-05 2008-02-18 (주)태봉 육묘 매트와 이의 제조 방법 및 이 육묘 매트를 이용한육묘장치

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