JPH09184940A - 光ファイバカプラおよびその製造方法 - Google Patents

光ファイバカプラおよびその製造方法

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JPH09184940A
JPH09184940A JP34254195A JP34254195A JPH09184940A JP H09184940 A JPH09184940 A JP H09184940A JP 34254195 A JP34254195 A JP 34254195A JP 34254195 A JP34254195 A JP 34254195A JP H09184940 A JPH09184940 A JP H09184940A
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JP
Japan
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carbon
optical fiber
optical
adhesive
fiber coupler
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JP34254195A
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English (en)
Inventor
Masaru Yui
大 油井
Yoichi Ishiguro
洋一 石黒
Tomomi Moriya
知巳 守屋
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーボンコート光ファイバと接着剤との密着
性を高め、光ファイバカプラに加わる張力を長期間保持
する光ファイバカプラを提供する。 【解決手段】 補強部材11の溝11aの中に、光結合
部が収納される。補強部材11の左右の端部近傍が固定
部位12であり、ここに、光ファイバ1,2の被覆の端
部が位置し、裸ファイバ部1a,2aも溝11a内に収
納されている。裸ファイバ部1a,2a上には、光ファ
イバ1,2の被覆の端部近傍において、カーボン膜13
が残っている。各固定部位12において、裸ファイバ部
1a,2aが補強部材11に接着剤14で接着固定され
る。ただし、接着剤14は、少なくとも一本の光ファイ
バ2については、裸ファイバ部2aのカーボン除去領域
を含むように接着剤14が塗布されて補強部材11に固
定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ通信等
に使われる光ファイバカプラおよびその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】カーボンコート光ファイバは、耐水素特
性および耐疲労特性に優れた光ファイバであり、特開平
6−59152号公報等に記載されているように、光フ
ァイバカプラにも用いられている。光ファイバカプラ
は、融着延伸後、その形状を保つために張力を加えた状
態でガラス板などの補強部材に接着樹脂等で固定され
る。ところが、一般にカーボンと接着樹脂の密着力が低
いため、長期間使用した場合などには密着性が劣化し所
定の張力が維持できなくなり、結果として光ファイバカ
プラの特性劣化を引き起こすという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、カーボンコ
ート光ファイバと接着剤との密着性を高め、光ファイバ
カプラに加わる張力を長期間保持する光ファイバカプラ
および光ファイバカプラの製造方法を提供することを目
的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
おいては、クラッド外層にカーボンを有する複数本の光
ファイバが隣接して配置され加熱融着された後加熱延伸
されて光結合部が形成され、前記光結合部をはさむ部位
を接着剤で補強部材に固定される光ファイバカプラにお
いて、少なくとも1本の前記光ファイバについては、少
なくとも前記カーボンが除去された領域と除去されない
領域にまたがって前記接着剤で前記補強部材に固定され
ることを特徴とするものである。
【0005】請求項2に記載の発明においては、請求項
1に記載の光ファイバカプラにおいて、前記光ファイバ
は、テープ状カーボンコート光ファイバ心線であること
を特徴とするものである。
【0006】請求項3に記載の発明においては、請求項
1または2に記載の光ファイバカプラにおいて、前記接
着剤は、光硬化型樹脂であることを特徴とするものであ
る。
【0007】請求項4に記載の発明においては、クラッ
ド外層にカーボンを有する複数本の光ファイバを隣接し
て配置し加熱融着した後加熱延伸して光結合部を形成
し、前記光結合部をはさむ部位を接着剤で補強部材に固
定する光ファイバカプラの製造方法において、前記光フ
ァイバの融着前または融着時に加熱装置を移動させて前
記カーボンが除去される範囲を制御し、少なくとも1本
の前記光ファイバについては、少なくとも前記カーボン
が除去された領域と除去されない領域にまたがって前記
接着剤で前記補強部材に固定することを特徴とするもの
である。
【0008】請求項5に記載の発明においては、請求項
4に記載の光ファイバカプラの製造方法において、前記
加熱装置は、バーナであることを特徴とするものであ
る。
【0009】請求項6に記載の発明においては、請求項
4または5に記載の光ファイバカプラの製造方法におい
て、前記カーボンの除去を加熱融着の前に行なうことを
特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の光ファイバカプ
ラの製造方法を示す製造装置の概略構成図である。図
中、1,2は光ファイバ、1a,2aは裸ファイバ部、
3は延伸ステージ、4は糸、5は重り、6はセットチッ
プ、7は測定用光源、8a,8bはパワーメーター、9
はバーナである。2本の光ファイバ1,2は、両側の被
覆部がそれぞれ左右の延伸ステージ3,3に取り付けら
れる。延伸ステージ3,3には、糸4,4が取り付けら
れ、滑車を経由して糸4,4の先端に重り5,5が取り
付けられており、延伸ステージ3,3には、重り5,5
の重さに応じた一定の張力が与えられる。セットチップ
6,6は、光ファイバ1,2の被覆を除去して露出され
た裸ファイバ部1a,2aを密着させるようにセットす
るためのものである。
【0011】測定用光源7は、光ファイバ1,2のうち
一方に測定光を入射させる。形成された光結合部からの
出射光は、パワーメータ8a,8bによって測定され、
分岐比や過剰損失を測定することができる。バーナ9
は、光ファイバ1,2の裸ファイバ1a,2aに沿って
往復移動しながら光ファイバを加熱することができるも
のであり、一般に、水素、プロパン、アセチレン等の可
燃性ガスと酸素との混合気体を燃焼させるものである
が、抵抗炉、セラミックヒータ、赤外線ヒータ等の熱源
を用いるものもある。
【0012】製造方法について説明する。光ファイバ
1,2の被覆を所定の長さにわたって除去して、カーボ
ンコートされた裸ファイバ部1a,2aを露出させ、セ
ットチップ6,6の細径部において光結合部を形成する
部分の両側の適当な位置を密着するようにクランプし
て、バーナ9で加熱して裸ファイバ部1a,2aの所定
範囲を密着させる。カーボンは、このときの加熱で除去
される。
【0013】ついで、セットチップ6,6を外し、バー
ナ9で加熱しながら、延伸ステージ3,3に重り4,4
による張力を与えて延伸ステージ3,3を移動させ、カ
ーボンが除去された裸ファイバ部1a,2aを延伸し、
光結合部を形成する。この延伸工程においては、一方の
光ファイバ1の一端側に測定用光源7からの光線を入射
させ、光ファイバ1,2の他方端側からパワーメータ8
a,8bで出射光をモニタし、所定の分岐比が得られた
ところで延伸を停止させる。この状態で補強材を光結合
部の下に位置させ、光結合部をはさむ部位を接着剤で補
強材に固定する。
【0014】図2は、本発明の光ファイバカプラの第1
の実施の形態の構造図である。図中、図1と同様な部分
には同じ符号を用いて説明を省略する。11は補強部
材、11aは溝、12は固定部位、13はカーボン膜、
14は接着剤である。補強部材11は左側のみを図示す
るが反対側も同様である。この補強部材11は、例え
ば、溝11aが加工された石英板であり、溝11aの中
に光結合部が収納される。補強部材11の左右の端部近
傍が固定部位12であり、ここに光ファイバ1,2の被
覆の端部が位置し、裸ファイバ部1a,2aも溝11a
内に収納される。
【0015】裸ファイバ部1a,2a上には、光ファイ
バ1,2の被覆の端部近傍において、カーボン膜13が
残っている。各固定部位12において、裸ファイバ部1
a,2aが補強部材11に接着剤14で接着固定され
る。ただし、接着剤14は、少なくとも一本の光ファイ
バについては、カーボン除去領域を含むように接着剤1
4が塗布されて補強部材11に固定される。図示の例で
は、光ファイバ2については、裸ファイバ部2aのカー
ボン除去領域を含んで接着剤14が塗布される。
【0016】接着樹脂に対する密着力は、一般にカーボ
ンよりガラスの方が高く、裸ファイバ部1a,2aのカ
ーボン除去領域ではガラス部が露出しているため、この
ガラス部が接着剤14を介して高い密着性で補強部材1
1に固定されるから、光ファイバの裸ファイバ部1a,
2aに加えられている張力が長期間保持される。
【0017】もちろん、カーボン膜13が残る領域が少
ない方が望ましく、また、できるだけ多くの本数の光フ
ァイバのカーボン除去領域が接着固定されることが望ま
しい。なお、図示のように、光ファイバ1,2の被覆部
分も接着固定されることが望ましいが、必ずしも接着固
定される必要はなく、光ファイバ1,2の裸ファイバ部
1a,2aのみにおいて接着固定されればよい。
【0018】光ファイバ1,2を融着する際の熱でカー
ボン膜13は除去される。しかし、補強部材11の大き
さと固定部位12が決められている場合、カーボン除去
部の長さが一定していることが望ましい。
【0019】図3は、本発明の光ファイバカプラの第2
の実施の形態の構造図である。図中、図1,図2と同様
な部分には同じ符号を用いて説明を省略する。この実施
の形態では、光ファイバ1,2ともカーボン除去部の長
さが一定である。このような光ファイバカプラは、図1
に示したバーナ9を光ファイバ1,2の長手方向の左右
に移動させることにより、カーボン除去部の長さを制御
してカーボン除去部の長さを一定にすることができる。
この場合、全ての光ファイバ1,2のカーボン除去部に
均等に接着剤14を塗布することが容易に行なえる。
【0020】光ファイバ1,2の融着時の熱によりカー
ボン膜13が除去される。特にバーナ9は、カーボン膜
13の除去に有効である。カーボン膜13を一層確実に
熱除去するためには、融着前にバーナ9または他の加熱
手段を用いて光ファイバ1,2が溶融しない温度でカー
ボン膜13を除去しておくことが望ましい。バーナ9
は、加熱温度の制御が容易でかつ制御の応答が速い。こ
のとき、図1に示したバーナ9等の加熱装置を移動させ
ると除去部の長さの制御性が向上する。
【0021】図4は、湿熱特性を表わす線図である。横
軸に試験時間[hr]をとり縦軸にパワー変動[dB]
をとったもので、カーボン除去部を接着剤で固定した場
合と、そうでない場合の湿熱実験での特性比較を示す。
カーボン除去部で固定した場合にはパワー変動が小さい
ことが確認された。
【0022】上述した説明では、補強部材11として溝
加工された石英板を用いたが、平板や中空パイプを用い
ることもできる。このときの補強部材の材質は、温度変
化による膨張収縮の影響を低減するため、なるべくガラ
スの熱膨張率に近いものがよい。接着剤14としては、
アクリレート系、エボキシ系などの光硬化型接着樹脂が
硬化時間を短縮できる点で有利であるが、熱硬化樹脂、
ガラスハンダなどの無機接着剤を用いてもよい。また、
光ファイバとして、複数本の光ファイバを有するテープ
状カーボンコート光ファイバ心線を用いることにより、
複数組のカーボンコート光ファイバカプラを製造するこ
とができる。
【0023】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の発明によれば、少なくとも1本の光ファイバ
については、少なくともカーボンが除去された領域と除
去されない領域にまたがって接着剤で補強部材に固定さ
れることから、裸ファイバ部のガラス部が接着剤を介し
て高い密着性で補強部材に固定され、光ファイバの裸フ
ァイバ部に加えられている張力が長期間保持されるとい
う効果がある。その結果、光ファイバカプラの特性劣化
を引き起こしにくいという効果がある。
【0024】請求項2に記載の発明によれば、光ファイ
バがテープ状カーボンコート光ファイバ心線であること
から、複数組のカーボンコート光ファイバカプラを製造
することができるという効果がある。
【0025】請求項3に記載の発明によれば、接着剤が
光硬化型樹脂であることから、硬化時間を短縮できると
いう効果がある。
【0026】請求項4に記載の発明によれば、光ファイ
バの融着前または融着時に加熱装置を移動させてカーボ
ンが除去される範囲を制御し、少なくとも1本の光ファ
イバについては、少なくともカーボンが除去された領域
と除去されない領域にまたがって接着剤で補強部材に固
定することから、請求項1に記載の発明の光ファイバカ
プラを製造できるとともに、カーボン除去部の長さを制
御できるという効果がある。例えば、カーボン除去部の
長さを一定に制御することができ、この場合、全ての光
ファイバのカーボン除去部に均等に接着剤を塗布するこ
とが容易に行なえる。
【0027】請求項5に記載の発明によれば、加熱装置
がバーナであることから、カーボンの除去に有効である
という効果がある。
【0028】請求項6に記載の発明によれば、カーボン
の除去を加熱融着の前に行なうことから、カーボンを一
層確実に熱除去できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバカプラの製造方法を示す製
造装置の概略構成図である。
【図2】本発明の光ファイバカプラの第1の実施の形態
の構造図である。
【図3】本発明の光ファイバカプラの第2の実施の形態
の構造図である。
【図4】湿熱特性を表わす線図である。
【符号の説明】
1,2…光ファイバ、1a,2a…裸ファイバ部、3…
延伸ステージ、4…糸、5…重り、6…セットチップ、
7…測定用光源、8a,8b…パワーメーター、9…バ
ーナ、11…補強部材、11a…溝、12…固定部位、
13…カーボン膜、14…接着剤。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クラッド外層にカーボンを有する複数本
    の光ファイバが隣接して配置され加熱融着された後加熱
    延伸されて光結合部が形成され、前記光結合部をはさむ
    部位を接着剤で補強部材に固定される光ファイバカプラ
    において、少なくとも1本の前記光ファイバについて
    は、少なくとも前記カーボンが除去された領域と除去さ
    れない領域にまたがって前記接着剤で前記補強部材に固
    定されることを特徴とする光ファイバカプラ。
  2. 【請求項2】 前記光ファイバは、テープ状カーボンコ
    ート光ファイバ心線であることを特徴とする請求項1に
    記載の光ファイバカプラ。
  3. 【請求項3】 前記接着剤は、光硬化型樹脂であること
    を特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバカプ
    ラ。
  4. 【請求項4】 クラッド外層にカーボンを有する複数本
    の光ファイバを隣接して配置し加熱融着した後加熱延伸
    して光結合部を形成し、前記光結合部をはさむ部位を接
    着剤で補強部材に固定する光ファイバカプラの製造方法
    において、前記光ファイバの融着前または融着時に加熱
    装置を移動させて前記カーボンが除去される範囲を制御
    し、少なくとも1本の前記光ファイバについては、少な
    くとも前記カーボンが除去された領域と除去されない領
    域にまたがって前記接着剤で前記補強部材に固定するこ
    とを特徴とする光ファイバカプラの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記加熱装置は、バーナであることを特
    徴とする請求項4に記載の光ファイバカプラの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記カーボンの除去を加熱融着の前に行
    なうことを特徴とする請求項4または5に記載の光ファ
    イバカプラの製造方法。
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