JP3260162B2 - スターカプラの製造方法 - Google Patents

スターカプラの製造方法

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JP3260162B2 JP10146192A JP10146192A JP3260162B2 JP 3260162 B2 JP3260162 B2 JP 3260162B2 JP 10146192 A JP10146192 A JP 10146192A JP 10146192 A JP10146192 A JP 10146192A JP 3260162 B2 JP3260162 B2 JP 3260162B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光を分配、合流または波
長多重・波長分離を行なうスターカプラの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】スターカプラはm個の入力端子のうちど
の入力端子に光を入射しても、n個の出力端子のそれぞ
れに光が出射する作用を有する光部品である。スターカ
プラにも種々のタイプがあり、最も量産されているのは
融着延伸型のスターカプラである。この融着延伸型のス
ターカプラは、複数の光ファイバを互いに添わせた後、
適当な熱源、例えば酸水素炎バーナなどの燃焼ガスバー
ナで加熱して融着させ、更に長手方向に引っ張って延伸
する。この結果、延伸部分のファイバのコアは細めら
れ、テーパ部が形成される。そしてテーパ部においては
コアが接近するので、これらのコアの伝搬モード間に電
磁的な結合が生じてスターカプラとしての作用を有する
ようになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記融
着延伸型のスターカプラの製造においては、多くのファ
イバを均一に融着することが困難であるため、融着延伸
条件の定常化が難しく、その製造に高度の熟練を必要と
する。また上記方法で製造されたスターカプラのテーパ
部は、延伸により細められているので、耐衝撃性に劣る
という欠点があり、補強工程を要する。本発明は前記事
情に鑑みてなされたもので、テーパ部の強度を向上させ
たスターカプラおよびこれを容易に製造できる方法を提
供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明のスターカプラの
製造方法としては、コア部とクラッド部を有する複数の
光ファイバ母材を、ガラス管の貫通孔内に束ねて配置
し、これを線引してマルチコアファイバを形成し、次い
でこれを切断したものを加熱延伸すると同時にねじリを
加えることによりテーパ部を形成することを前記課題の
解決手段とした。
【0005】
【実施例】本発明のスターカプラの製造方法を説明す
る。図1ないし図4は、本発明方法の一実施例を示す図
である。図1において符号7は光ファイバ母材である。
この光ファイバ母材7…は、例えば酸化ゲルマニウムを
添加した石英からなる高屈折率のコア部8と、その周囲
の石英からなるクラッド部9を備えたものである。光フ
ァイバ母材7…としては、通常の通信用に使用される光
ファイバ母材を用いればよく、用途によりシングルモー
ド型,または多モード型GIタイプのものが使用でき
る。また光ファイバ母材7…としては、全て同一であっ
てもよいし、異なっていてもよい。光ファイバ母材7…
の直径は5〜20mm程度が好ましい。以下本実施例で用
いる光ファイバ母材7…の本数をn本と表示する。
【0006】 ガラス管10は、図1に示すように、その
長手方向に円形の貫通孔11を形成した円筒型のもので
ある。このガラス管10のガラスの材質は特に限定され
ないが、例えば石英ガラスなどを用いることができる。
また上記貫通孔11の形状は特に規定されないが、貫通
孔の大きさは、図1に示すように、光ファイバ母材7…
の集合体を束ねて挿入したときに、集合体10と貫通孔
11の隙間が1〜2mmとなるように設定されていること
が好ましい。また上記ガラス管8の肉厚は、所望の仕上
がり外径を有するスターカプラを得るという観点から、
光ファイバ母材7の直径とのかねあいを勘案して適宜選
択される。
【0007】 次いで、図1に示すように、ガラス管10
の貫通孔11に、光ファイバ母材7…のn本の集合体を
束ねて挿入し、集合体12とする。このとき、完成時に
入力端子となる1本の光ファイバ母材7を中央に配置
し、残りの光ファイバ母材7…をこの中央の光ファイバ
母材7の周囲に均等に配置することが好ましい。
【0008】 次にこの集合体12を線引炉(図示略)に
取り付け、集合体12の先端を加熱装置(図示略)で局
部加熱しつつファイバ状に線引し、n個のコアを有する
マルチコアファイバ13を作製する(図2(a))。この
工程で長尺のマルチコアファイバ13が作製される。こ
のときコア間隔(ファイバ径)は自由に選択できるが一
般的仕様としてはコア間隔が125μmに設定すること
が好ましい。またマルチコアファイバ13の外径は、
0.25〜5mmの範囲に設定することが好ましい。
【0009】 次に、このようにして作製されたマルチコ
アファイバ13を、数cm程度の適宜な長さに切断し(
2(b)、(c))、切断したマルチコアファイバ13
中央を、図3に示すように酸水素ガスバーナ14などの
加熱手段により加熱しつつ、長手方向に引っ張って、加
熱部分を延伸することにより、テーパ部6を形成し、ス
ターカプラ1とする。また加熱部分を延伸すると同時
、ねじりを加える。
【0010】 この加熱、延伸操作にあっては、マルチコ
アファイバ13を構成するn本の光ファイバ4…の一端
に各々光ファイバを接続し(図示略)、他方側の中央の
1本の光ファイバに光を入射したときの、出射側に接続
されたn本の光ファイバの出射光強度をモニターしてお
き、n本の出射側光ファイバからの出射光強度から結合
度を求め、適宜な結合度(n本のコアが同レベルパワ
ー)が得られるように延伸量を調節することが望まし
い。
【0011】 このようにして作成されたスターカプラ1
は、図4に示すようにSUSなどからなる補強用パイプ
15中に挿入し、両端を研磨した後、実用に供する。
【0012】
【発明の効果】 以上説明したように本発明のスターカプ
ラの製造方法は、コア部とクラッド部を有する複数の光
ファイバ母材を、ガラス管の貫通孔内に束ねて配置し、
これを線引してマルチコアファイバを形成し、次いで該
マルチコアファイバの一部を加熱延伸すると同時にねじ
りを加えることによりテーパ部を形成するものである。
したがって1本のマルチコアファイバを加熱延伸するこ
とでスターカプラが得られ、従来の複数のファイバを融
着延伸する方法に比べて取扱が容易で作業が簡単に行え
る。 また加熱延伸した段階で、テーパ部が支持ガラス体
に保護された状態となるので、後の補強工程が不要であ
り、ガラス管の形状を適宜選択するだけで、容易に外径
の太く機械強度の大きいスターカプラが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるスターカプラの製造方法の一実
施例を説明するための図であって、ガラス管に光ファイ
バ母材を挿入する工程の概略斜視図である。
【図2】 本発明によるスターカプラの製造方法の一実
施例を説明するための図であって、線引および切断によ
り、マルチコアファイバを作製する工程を示す概略側面
図である。
【図3】 本発明によるスターカプラの製造方法の一実
施例を説明するための図であって、マルチコアファイバ
の延伸工程を示す斜視図である。
【図4】 本発明によるスターカプラの製造方法の一実
施例を説明するための図であって、研磨工程を示す概略
斜視図である。
【符号の説明】
1…スターカプラ、6…テーパ部、7…光ファイバ母
材、8…コア部9…クラッド部、10…ガラス管、11
…貫通孔、13…マルチコアファイバ14…ガスバーナ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア部とクラッド部を有する複数の光フ
    ァイバ母材を、ガラス管の貫通孔内に束ねて配置し、こ
    れを線引きしてマルチコアファイバを形成し、次いで該
    マルチコアファイバの一部を加熱延伸すると同時にねじ
    りを加え、テーパ部を形成することを特徴とするスター
    カプラの製造方法。
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