JPH09184789A - 内燃機関の失火診断装置 - Google Patents

内燃機関の失火診断装置

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JPH09184789A
JPH09184789A JP34402195A JP34402195A JPH09184789A JP H09184789 A JPH09184789 A JP H09184789A JP 34402195 A JP34402195 A JP 34402195A JP 34402195 A JP34402195 A JP 34402195A JP H09184789 A JPH09184789 A JP H09184789A
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JP
Japan
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misfire
cylinder
value
internal combustion
combustion engine
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JP34402195A
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English (en)
Inventor
Yoichi Kishimoto
洋一 岸本
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内燃機関の失火診断のNG結果を適切なタイミ
ングで下す。 【解決手段】失火診断条件成立後、機関累積回転回数が
所定数 (1000) に達するまでに第1気筒群 (♯1、♯
3、♯5気筒) の気筒の総失火回数m1 又は第2気筒群
(♯2、♯4、♯6気筒) の気筒の総失火回数m2 が、
それぞれ基準値C1 又はC2 以上となったときに、第1
又は第2気筒群の失火NGを表示するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の失火状
態を診断する装置に関し、失火NGの診断結果が適切な
タイミングで下されるようにした技術に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の失火診断は、一般に各気筒の
燃焼行程毎に失火の有無を判定し、排気系に介装された
排気浄化触媒が失火により未燃状態で排出される排気の
酸化燃焼による温度上昇が大きくなる許容基準以上の失
火率であるときに失火状態がNGであると診断するよう
にしている (特開平6−129299号公報等参照) 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の内燃機関の
失火診断では、失火率の判定を失火判定総回数を表す機
関の累積回転回数が所定値 (例えば1000回転) に達
したときに、それまでに失火有りと判定された回数が、
基準値に達しているか否かによって行っている。しか
し、上記のように失火判定総回数相当値が所定値に達し
たときに失火率の判定つまり失火診断を行う従来方式で
は、失火率が基準値を少し上回る程度では排気浄化触媒
が未だ問題となる温度まで上昇する前に、既に失火NG
の診断が下されてMILの点滅等による警報がなされる
ことになり、一方、失火率が基準値よりかなり高いとき
には、判定時に既に排気浄化触媒が問題となる温度を超
えて上昇しているようなことがある。
【0004】また、排気浄化触媒の温度は、冷却用ファ
ンや走行風等による冷却状態によっても影響されるが、
従来かかる影響を考慮した診断は行われていなかった。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みなされたもの
で、排気温度触媒が実際に問題となる温度付近に達した
ときに、失火NGの診断結果を下すことにより適切なタ
イミングで処置が行われるようにすることを目的とす
る。
【0005】また、冷却状態を考慮して、より排気温度
浄化触媒の温度状態に則したタイミングで診断結果が下
されるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1に係
る発明は図1に示すように、排気浄化触媒を備えた内燃
機関の失火診断装置であって、各気筒の燃焼行程毎に失
火の有無を判定する失火判定手段と、前記失火判定手段
により失火有りと判定された総失火回数を計測する総失
火回数計測手段と、前記失火判定手段による総判定回数
に相当する値を計測する総判定回数計測手段と、前記総
判定回数計測手段により計測された総判定回数相当値が
所定値に達するまでに、前記総失火回数計測手段により
計測された総失火回数が基準値に達したときに、失火状
態がNGであると診断する診断手段と、を含んで構成し
たことを特徴とする。
【0007】失火判定手段は、機関の回転変動率等に基
づいて算出された失火パラメータを判定レベルと比較す
ること等により、各気筒の燃焼行程毎に失火の有無を判
定する。そして、前記失火判定毎に総判定回数計測手段
が機関の累積回転回数等によって総失火判定回数に相当
する値を計測しつつ、失火有りと判定される毎に総失火
回数計測手段が総失火回数を計測し、前記総判定回数が
所定値に達するまでに前記総失火回数が基準値に達した
ときには失火状態がNGであるとの診断結果を診断手段
が下す。
【0008】また、請求項2に係る発明は、前記診断手
段における基準値は、前記排気浄化触媒の冷却状態に応
じた値に設定されることを特徴とする。例えば、排気浄
化触媒が冷却されやすいような場合は、同じ総失火回数
でも触媒の温度が上昇しにくいため、基準値を大きめに
設定する。
【0009】また、請求項3に係る発明は、前記排気浄
化触媒は、気筒群別に接続された排気系にそれぞれ備え
られ、排気浄化触媒の冷却量が相対的に大きい気筒群に
対する前記基準値は、他の気筒群に対する基準値より大
きい値に設定されることを特徴とする。前記した理由に
より、排気浄化触媒の冷却量が相対的に大きく温度上昇
しにくい気筒群側の基準値は相対的に大きい値に設定す
る。
【0010】また、請求項4に係る発明は、内燃機関が
V型内燃機関で、かつ、V型をなす各シリンダバンクの
気筒配列方向が車両前後方向と直角な方向となるように
配置され、車両の前側のシリンダバンクの気筒群に対す
る前記基準値が、後側のシリンダバンクの気筒群に対す
る基準値より大きい値に設定されることを特徴とする。
【0011】前側のシリンダバンクの気筒群側に接続さ
れた排気浄化触媒は、後側のシリンダバンクの気筒群側
に接続された排気浄化触媒に比べて走行風による冷却量
が大きいため、該前側のシリンダバンクの気筒群に対す
る前記基準値を、後側のシリンダバンクの気筒群に対す
る基準値より大きい値に設定する。また、請求項5に係
る発明は、機関搭載車両の車速を検出する手段を含み、
検出された車速が大きいときは小さいときより前記基準
値を大きい値に設定することを特徴とする。
【0012】車速が大きいときは小さいときより走行風
量が大きく、排気浄化触媒が冷却されやすいので、基準
値を大きい値に設定する。また、請求項6に係る発明
は、前記総失火回数計測手段は、前記排気浄化触媒の冷
却状態に応じて重みを変えて失火回数をカウントするこ
とを特徴とする。
【0013】前記請求項2に係る発明で説明したよう
に、例えば、排気浄化触媒が冷却されやすいような場合
は、実際の総失火回数が同じでも触媒の温度が上昇しに
くいため、カウントの重みを小さめに設定する。また、
請求項7に係る発明は、前記排気浄化触媒は、気筒群別
に接続された排気系にそれぞれ備えられ、排気浄化触媒
の冷却量が相対的に大きい気筒群に対する前記重みは、
他の気筒群に対する重みより小さい値に設定されること
を特徴とする。
【0014】また、請求項8に係る発明は、内燃機関が
V型内燃機関で、かつ、V型をなす各シリンダバンクの
気筒配列方向が車両前後方向と直角な方向となるように
配置され、車両の前側のシリンダバンクの気筒群に対す
る前記重みが、後側のシリンダバンクの気筒群に対する
重みより大きい値に設定されることを特徴とする。
【0015】また、請求項9に係る発明は、機関搭載車
両の車速を検出する手段を含み、検出された車速が大き
いときは小さいときより前記重みを小さい値に設定する
ことを特徴とする。排気浄化触媒の冷却状態に対する総
失火回数のカウントの重みと、基準値との大小関係は、
反対の関係にあるから、請求項7に係る発明〜請求項9
に係る発明の作用は、請求項2に係る発明〜請求項6に
係る発明について記載した作用と同様である。
【0016】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、失火状態
がNGであるとの診断結果は、総失火数が基準値に達し
た時点で下されるので、排気浄化触媒が失火による温度
上昇で問題となる温度付近となったときにNG診断結果
が下されることになり、早すぎたり遅すぎたりすること
なく、適切なタイミングで診断結果を下すことができ
る。
【0017】また、請求項2に係る発明によれば、排気
浄化触媒の冷却状態に応じて、基準値を設定することに
より、排気浄化触媒の温度状態をより正確に把握して、
診断精度を向上することができる。また、請求項3に係
る発明によれば、排気浄化触媒の冷却量が大きい気筒群
側の基準値を大きく設定することにより、各気筒群の失
火NG診断が下されるときの排気浄化触媒の温度を均等
化することができ、気筒群毎に診断精度がばらつくこと
を防止できる。
【0018】また、請求項4に係る発明によれば、排気
浄化触媒がラジエータファンや走行風で冷却されやすい
前側のシリンダバンクの気筒群の失火診断精度と、排気
浄化触媒が走行風で冷却されにくい後側のシリンダバン
クの気筒群の失火診断精度とを同等にすることができ
る。また、請求項5に係る発明によれば、車速によって
変化する走行風量により排気浄化触媒の冷却量が変化し
ても、失火診断精度を同等に維持することができる。
【0019】また、請求項6に係る発明〜請求項9に係
る発明の効果は、それぞれ請求項2に係る発明〜請求項
5に係る発明の効果と同様である。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
に基づいて説明する。一実施形態を示す図2以降におい
て、内燃機関1はV型6気筒機関とし、いわゆるFF
(フロントエンジン・フロントドライブ) 車で、V型を
なす各シリンダバンクにおける気筒配列方向が車両前後
方向と直角な方向に配置される横置型とする。
【0021】コントロールユニット10はマイクロコンピ
ュータを内蔵し、各種センサからの信号に基づいて演算
処理を行い、機関の各気筒 (♯1〜♯6) 毎に設けられ
ている燃料噴射弁及び点火コイル (図示せず) の作動を
制御する。前記各種のセンサとしては、クランク角セン
サ11、エアフローメータ12、水温センサ13などが設けら
れている。
【0022】クランク角センサ11は、クランク角180 °
毎の基準信号と単位クランク角 (1〜2°) 毎の単位信
号とを出力し、これらにより、クランク角を検出しうる
と共に、機関回転速度Nを検出可能である。また、基準
信号には気筒判別信号が含まれており、例えば♯1気筒
に対応する基準信号のパルス幅を長くするなどして、気
筒判別を可能としてある。
【0023】エアフローメータ12は、例えば熱線式で、
吸入空気流量Qを検出可能である。水温センサ13は、機
関1の冷却水温度Twを検出する。ここにおいて、コン
トロールユニット10は、吸入空気流量Qと機関回転速度
Nとに基づいて基本燃料噴射量TP =k・Q/N (kは
定数) を演算し、これに各種補正を施して最終的な燃料
噴射量TI =TP ・COEF (COEFは各種補正係
数) を定め、このTI に相当するパルス幅の駆動パルス
信号を機関回転に同期した所定のタイミングで各気筒の
燃料噴射弁2に出力して、燃料噴射を行わせる。
【0024】また、コントロールユニット10は、機関回
転速度Nと基本燃料噴射量TP とに基づいて点火時期を
定め、そのタイミングで図示しない点火コイルの作動を
制御して点火を行わせる。また、前記クランク角センサ
11とは別に、機関1のクランク軸端部に連結されたリン
グギア14の外周側に近接して該リングギア14の歯が通過
する毎に信号を発生するピックアップ15を設け、該ピッ
クアップ15からの信号をコントロールユニット10に入力
する。
【0025】一方、車両前側に位置する第1気筒群 (♯
1,♯3,♯5気筒) と、車両後側に位置する第2気筒
群 (♯2,♯4,♯6気筒) とに個別に接続された排気
マニホールド16,17に、それぞれ排気浄化触媒18,19が
介装されている。そして、コントロールユニット10は、
前記ピックアップ15からの信号に基づいて各気筒の燃焼
行程毎に失火判定を行い、更に失火率を求めて失火診断
を行う。
【0026】以下に、コントロールユニット10による失
火診断のルーチンを、図3に示したフローチャートに従
って説明する。ステップ1では、機関の運転状態に基づ
いて失火診断条件が成立しているか否かを判定する。具
体的な判定条件としては、スタータスイッチOFF後の
経過時間が所定時間を経過した後であり、水温Twが所
定範囲内にあり、かつ、吸気温度TQ が所定値以上であ
ること等であり、これらの条件が全て満たされていると
きに失火検出が許可される。
【0027】ステップ2では、前記失火検出が許可され
て後述するように失火判定が行われる総失火判定回数に
相当する値を計測するため、機関1が1回転する毎に累
積回転回数nを機関回転カウンタによりカウントする。
このステップ2の機能が、総失火判定回数計測手段に相
当する。ステップ3では、最新に燃焼行程を終えた失火
判定対象気筒が前記第1気筒群のいずれかの気筒 (♯
1、♯3、♯5気筒) であって、該失火対象気筒が失火
しているか否かを判定する。具体的には、対応する失火
判定対象気筒の判別を、前記クランク角センサ11の気筒
判別信号により行って、失火判定対象気筒が第1気筒群
のいずれかの気筒であるか否かを判定する。そして失火
判定対象気筒が第1気筒群の気筒であると判定されたと
きは、機関の回転変動率等に基づいて燃焼行程毎に失火
パラメータMISAを算出する一方、機関運転状態に応
じて設定された基準値を中心として所定の判定レベル範
囲を設定し、前記算出された失火パラメータMISAの
値を前記判定レベル範囲内と比較する。
【0028】そして、MISAの値が前記判定レベルの
範囲内に属していると判定された場合は、ステップ4へ
進んで対応する失火判定対象気筒に失火有りと判定し、
当該第1気筒群の各気筒の総失火回数m1 をカウントす
る第1気筒群失火カウンタをカウントアップする。ステ
ップ5では、前記第1気筒群の総失火回数m1 が基準値
1 に達したか否かを判定する。ここで、該基準値C1
は、総失火回数m1 が該基準値C1 に達したときに第1
気筒群の排気マニホールド16に介装された排気浄化触媒
18の温度が問題となる温度付近まで上昇するような値に
設定されているが、排気浄化触媒18の冷却状態をも考慮
して設定されている。即ち、排気浄化触媒18が車両の前
側に配置されているため、ラジエータファンからの送風
や走行風により冷却されやすく、失火時に排出される未
燃排気の酸化燃焼による排気浄化触媒18の温度上昇が、
前記冷却によって抑制されるので、該抑制分を考慮して
基準値C1 を大きめに設定する。
【0029】そして、前記総失火回数mが基準値C1
達したと判定された場合は、ステップ6へ進み、右側シ
リンダバンクの第1気筒群の失火状態がNGであるとの
診断結果を下し、該診断結果をMILの点滅信号によっ
て表示する。次いで、ステップ13へ進み、新たな失火診
断を開始するため、前記機関回転カウンタ、前記第1気
筒群失火カウンタ及び後述する第2気筒群失火カウンタ
により、それぞれ計測される機関の累積回転回数n、第
1気筒群の総失火回数m1 及び第2気筒群の総失火回数
2 をクリアする。
【0030】また、前記ステップ3で第1気筒群に失火
判定対象気筒が無いか、有っても失火有りと判定されな
かった場合、又は、失火有りと判定されたがステップ5
で総失火回数が基準値C1 に達していないと判定された
場合は、ステップ7へ進む。ステップ7では、第1気筒
群の失火判定と同様にして最新に燃焼行程を終えた失火
対象気筒が前記第2気筒群のいずれかの気筒 (♯2、♯
4、♯6気筒) であって、該気筒が失火しているか否か
を判定する。
【0031】そして、第2気筒群の気筒が失火している
と判定されたときは、ステップ8へ進んで、第2気筒群
失火カウンタにより計測される第2気筒群の総失火回数
2をカウントアップした後、ステップ9へ進んで、該
総失火回数m2 が基準値C2に達したか否かを判定し、
達したと判定されたときにステップ10へ進み、左側シリ
ンダバンクの第2気筒群の失火状態がNGであるとの診
断結果を下し、該診断結果をMILの点滅信号によって
表示した後、ステップ13へ進んで前記各カウント値をク
リアする。
【0032】ここで、前記第2気筒群の失火診断用の基
準値C2 は、総失火回数m2 が該基準値C2 に達したと
きに第2気筒群の排気マニホールド17に介装された排気
浄化触媒19の温度が問題となる温度付近まで上昇するよ
うな値に設定されているが、第1気筒群の場合と同様に
排気浄化触媒19の冷却状態をも考慮して設定されてい
る。即ち、第2気筒群用の排気浄化触媒19は車両の後側
に配置されているため、第1気筒群用の排気浄化触媒18
に比較してラジエータファンからの送風や走行風による
冷却が少なく、該冷却による温度上昇抑制作用が小さい
ので、同一の総失火回数に対して排気浄化触媒19の温度
が高くなる。そこで、第2気筒群失火診断用の基準値C
2 は、少ない総失火回数で失火NG診断結果が下される
ように、第1気筒群失火診断用の基準値C1 より小さく
設定してある。
【0033】そして、前記第1気筒群又は第2気筒群の
失火NG診断結果が新たに下されることなく、第1気筒
群又は第2気筒群の失火診断を終えた後は、ステップ12
へ進みステップ2で計測される機関の累積回転回数n
が、所定値例えば1000回に達したか否かを判定す
る。ステップ11で機関の累積回転回数nが所定値に達し
ていないと判定されたときは、そのまま各カウンタの計
測を継続して今回の診断を続行するが、累積回転回数n
が所定値に達したと判定されたときはステップ12へ進
み、第1気筒群及び第2気筒群の失火NGを表すMIL
の点滅信号等の表示を停止した後、ステップ13へ進んで
各カウンタの値をリセットする。
【0034】即ち、累積回転回数nが所定値に達するま
でにいずれの気筒群の総失火回数も基準値に達しないよ
うな失火率では、排気浄化触媒は問題となる温度まで上
昇することはないと判断して、前回の診断結果がNGで
ない場合は勿論のこと、前回の診断結果がNGであって
もOKの診断結果を下すようにする。このようにすれ
ば、従来のように失火の総判定回数に相当する値が所定
値となるのを待ってから診断結果を下すのではなく、総
判定回数に相当する値が所定値になるまでに総失火回数
が基準値に達するか否かで診断結果を下すようにしたた
め、排気浄化触媒がちょうど失火の積み重ねによる温度
上昇で問題となる温度付近になったときに、失火NGの
診断が下されることとなる。したがって、総失火回数が
少な過ぎて排気浄化触媒の温度がまだ低く余裕があると
きや、逆に総失火回数が多過ぎて温度が上がり過ぎて触
媒に影響を与えてしまった後に失火NG診断結果が下さ
れることがなく、失火対策 (修理) を施すのに最も適切
なタイミングで診断結果を下すことができる。
【0035】また、前記第1気筒群用の排気浄化触媒18
と第2気筒群用の排気浄化触媒19との冷却量の相違によ
る同一の総失火回数での温度状態の相違を考慮して、基
準値C1 ,C2 を相違させたことにより、第1気筒群と
第2気筒群とで失火NG診断が下されるときの各気筒群
の排気浄化触媒の温度を均等化することができ、両気筒
群共に、最適なタイミングで失火NG診断結果を下すこ
とができる。
【0036】次に、第2の実施形態について説明する。
本実施形態は、走行風量が車速によって変化することに
対処して失火診断を行うようにしたものである。システ
ム構成は図4に示すようになっており、第1の実施形態
と異なるのは、内燃機関21として4気筒直列機関に適用
し、車速を検出する車速センサ22を追加し、車速信号を
コントロールユニット10に入力させて車速に応じて失火
診断用の基準値を切り換えるようにした点である。
【0037】本実施形態に係る失火診断ルーチンを図5
に示したフローチャートに従って説明する。ステップ2
1,ステップ22では、図3のステップ1,ステップ2と
同様にして失火診断条件の成立を判定し、成立時に機関
累積回転回数をカウントアップする。ステップ23では、
各気筒の燃焼行程毎に前記同様にして失火の有無を判定
する。
【0038】そして、失火有りと判定されたときはステ
ップ24へ進み、失火カウンタにより総失火回数mをカウ
ントアップする。ステップ25では、車速センサ21で検出
された車速VSPが、所定値VSP0 以上であるか否か
を判定する。そして、所定値VSP0 以上と判定された
高車速時は、ステップ26へ進んで前記ステップ23で計測
された総失火回数mが基準値D1 以上であるか否かを判
定する。
【0039】基準値D1 以上と判定されたときは、ステ
ップ27へ進んで失火NGの診断結果を下し、該診断結果
をMILの点滅信号によって表示した後、ステップ28へ
進んで各カウンタで計測される機関累積回転回数n及び
総失火回数mをクリアする。また、ステップ25で、車速
VSPが所定値VSP0 未満と判定された低車速時は、
ステップ29へ進んで総失火回数mが基準値D2 以上であ
るか否かを判定し、基準値D2 以上と判定されたとき
は、ステップ27、28へ進んで失火NGの診断結果を下し
てMILの点滅信号によって表示した後、機関累積回転
回数n及び総失火回数mをクリアする。
【0040】ここで、前記車速VSPが所定値VSP0
以上の高車速時と所定値VSP0 未満の低車速時とで
は、前記失火診断用の基準値D1 と基準値D2 とが異な
る値となるように設定されている。即ち、高車速時は低
車速時に比較して車両の走行風量が大きく排気浄化触媒
の冷却量が大きくなるので、既述した理由により、高車
速時用の基準値D1 は低車速時用の基準値D2 より大き
い値に設定してある。
【0041】そして、前記失火NGの診断結果が新たに
下されることなく失火診断を終えた後は、ステップ30へ
進み機関の累積回転回数nが、所定値 (1000回) に
達したか否かを判定する。ステップ30で機関の累積回転
回数nが所定値に達していないと判定されたときは、そ
のまま各カウンタの計測を継続して今回の診断を続行す
るが、累積回転回数nが所定値に達したと判定されたと
きはステップ31へ進み、失火NGを表すMILの点滅信
号等の表示を停止した後、ステップ28へ進んで各カウン
タの値をリセットする。
【0042】このように、本実施形態においても総判定
回数に相当する値が所定値になるまでに総失火回数が基
準値に達するか否かで診断結果を下すようにしたため、
排気浄化触媒がちょうど失火の積み重ねによる温度上昇
で問題となる温度付近となって処置を施すのに最適なタ
イミングで失火NGの診断が下されることとなる。ま
た、高車速時用の失火診断用の基準値D1 を、低車速時
用の基準値D2 より大きい値に設定したことにより、車
速によって走行風量が変化し、排気浄化触媒の冷却量が
変化しても、失火NGの診断結果が下されるときの排気
浄化触媒の温度を略一定にすることができ、常に最適な
タイミングで診断結果を下すことができる。
【0043】尚、気筒別の総失火回数もカウントしてお
き、例えば前記全気筒合計の総失火回数が基準値以上で
少なくとも1つの気筒が失火していると診断されたとき
に、気筒別の総失火回数が基準値以上の気筒が1つのみ
であるときは、当該単一の所定気筒が失火しており、そ
れ以外のときは複数気筒が失火していると診断すること
もできる。
【0044】また、前記V型内燃機関において、第1の
実施形態の気筒群別の基準値の切換に加えて、本実施形
態の車速による基準値の切換を併用した場合は、排気浄
化触媒温度の均等化をより高めることができる。更に、
本実施形態では、低車速と高車速とで基準値を2段階に
切り換えたが、車速を3以上の多段階に区分し、各車速
域毎に設定した基準値に切り換えるようにして、精度を
高めるようにしてもよい。
【0045】また、基準値を切り換える代わりに、失火
判定時のカウントの重みを排気浄化触媒の冷却状態によ
って変えるようにしてもよい。特に、前記のように車速
域を多段階に区分した場合には、1回の診断期間 (最大
1000回転分) で1つの車速域に留まる確率が減少す
るので、基準値は切り換えず、車速域毎にカウントの重
みを切り換えるようにしてもよい。例えば、中車速域で
カウントの重みを1とし、排気浄化触媒が冷却されやす
い高車速域では重みを1より小さく例えば0.8として総
失火回数が増大しにくくし、冷却されにくい低車速域で
は重みを1より大きく例えば1.2 として総失火回数が増
大しやすくなるようにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成・機能を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施形態のシステム構成を示す
図。
【図3】同上実施形態の失火診断ルーチンを示すフロー
チャート。
【図4】本発明の第2の実施形態のシステム構成を示す
図。
【図5】同上実施形態の失火診断ルーチンを示すフロー
チャート。
【符号の説明】
1,21 内燃機関 10 コントロールユニット 14 リングギア 15 ピックアップ 22 車速センサ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】排気浄化触媒を備えた内燃機関の失火診断
    装置であって、 各気筒の燃焼行程毎に失火の有無を判定する失火判定手
    段と、 前記失火判定手段により失火有りと判定された総失火回
    数を計測する総失火回数計測手段と、 前記失火判定手段による総判定回数に相当する値を計測
    する総判定回数計測手段と、 前記総判定回数計測手段により計測された総判定回数相
    当値が所定値に達するまでに、前記総失火回数計測手段
    により計測された総失火回数が基準値に達したときに、
    失火状態がNGであると診断する診断手段と、 を含んで構成したことを特徴とする内燃機関の失火診断
    装置。
  2. 【請求項2】前記診断手段における基準値は、前記排気
    浄化触媒の冷却状態に応じた値に設定されることを特徴
    とする請求項1に記載の内燃機関の失火診断装置。
  3. 【請求項3】前記排気浄化触媒は、気筒群別に接続され
    た排気系にそれぞれ備えられ、 排気浄化触媒の冷却量が相対的に大きい気筒群に対する
    前記基準値は、他の気筒群に対する基準値より大きい値
    に設定されることを特徴とする請求項2に記載の内燃機
    関の失火診断装置。
  4. 【請求項4】内燃機関がV型内燃機関で、かつ、V型を
    なす各シリンダバンクの気筒配列方向が車両前後方向と
    直角な方向となるように配置され、 車両の前側のシリンダバンクの気筒群に対する前記基準
    値が、後側のシリンダバンクの気筒群に対する基準値よ
    り大きい値に設定されることを特徴とする請求項3に記
    載の内燃機関の失火診断装置。
  5. 【請求項5】機関搭載車両の車速を検出する手段を含
    み、検出された車速が大きいときは小さいときより前記
    基準値を大きい値に設定することを特徴とする請求項2
    〜請求項4のいずれか1つに記載の内燃機関の失火診断
    装置。
  6. 【請求項6】前記総失火回数計測手段は、前記排気浄化
    触媒の冷却状態に応じて重みを変えて失火回数をカウン
    トすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の失
    火診断装置。
  7. 【請求項7】前記排気浄化触媒は、気筒群別に接続され
    た排気系にそれぞれ備えられ、 排気浄化触媒の冷却量が相対的に大きい気筒群に対する
    前記重みは、他の気筒群に対する重みより小さい値に設
    定されることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の
    失火診断装置。
  8. 【請求項8】内燃機関がV型内燃機関で、かつ、V型を
    なす各シリンダバンクの気筒配列方向が車両前後方向と
    直角な方向となるように配置され、 車両の前側のシリンダバンクの気筒群に対する前記重み
    が、後側のシリンダバンクの気筒群に対する重みより大
    きい値に設定されることを特徴とする請求項7に記載の
    内燃機関の失火診断装置。
  9. 【請求項9】機関搭載車両の車速を検出する手段を含
    み、検出された車速が大きいときは小さいときより前記
    重みを小さい値に設定することを特徴とする請求項6〜
    請求項8のいずれか1つに記載の内燃機関の失火診断装
    置。
JP34402195A 1995-12-28 1995-12-28 内燃機関の失火診断装置 Pending JPH09184789A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6634220B1 (en) 1999-10-13 2003-10-21 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Misfire detecting apparatus for an internal combustion engine and a method for detecting misfires
KR100494904B1 (ko) * 2002-11-08 2005-06-13 현대자동차주식회사 차량의 실화 검출 방법
JP2022062317A (ja) * 2020-10-08 2022-04-20 三菱電機株式会社 内燃機関の制御装置

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US11512662B2 (en) 2020-10-08 2022-11-29 Mitsubishi Electric Corporation Internal-combustion-engine controller

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