JPH09184772A - 高分子感温体およびこれを用いた感温素子 - Google Patents

高分子感温体およびこれを用いた感温素子

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JPH09184772A
JPH09184772A JP8181897A JP18189796A JPH09184772A JP H09184772 A JPH09184772 A JP H09184772A JP 8181897 A JP8181897 A JP 8181897A JP 18189796 A JP18189796 A JP 18189796A JP H09184772 A JPH09184772 A JP H09184772A
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iodide
iodine
polyamide
temperature sensitive
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JP8181897A
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Tadataka Yamazaki
忠孝 山崎
Masahiko Ito
雅彦 伊藤
Kazuyuki Obara
和幸 小原
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は電気採暖具等の可撓性の温度センサ
や感温ヒータに用いる感温体に関するもので、感温特性
および耐熱安定性に優れた高分子感温体および感温素子
を提供することを目的とする。 【解決手段】 ポリアミドとよう化錫またはよう化アン
チモン等のよう素化合物からなる群から選択される添加
剤と酸化金属を含んでなるポリアミド組成物より構成さ
れ、温度検知性(インピーダンス特性)と優れた熱通電
安定性が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子感温体およ
びそれを用いた感温素子に関し、更に詳しくは、電気採
暖具等の可撓性の温度センサや感温ヒータに用いる高分
子感温体およびそれを用いた感温素子に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、高分子感温体は、一対の電極間
に配設され、可撓性線状の温度センサや感熱ヒータとし
て用いられている。
【0003】高分子感温体としては、ナイロン12や特
開昭55−100693号公報に開示されている変性ナ
イロン11等のポリアミドを含む組成物が用いられる。
高分子感温体は、その静電容量や抵抗値あるいはインピ
ーダンス等の温度変化を利用して、温度センサの機能を
果たす。
【0004】さらに特公昭60−48081号公報は亜
リン酸エステルを熱劣化改良剤として添加したポリアミ
ド組成物を、特開昭64−30203号公報は銅不活性
化剤とフェノール系酸化防止剤を添加したイオン伝導性
感熱組成物を開示している。
【0005】しかしながら、ナイロン12は吸湿率が低
い点は優れているが、温度センサとしては湿度による感
温特性の変動が大きいため、実用に供し難い。
【0006】特開昭55−100693号公報に開示の
変性ポリアミドは、インピーダンスの温度依存性が小さ
いため温度検出感度が低く、耐熱安定性に劣る。
【0007】そこで、耐湿度性、感温性の改善のため、
特公平3−50401号公報に開示されている様に、フ
ェノール系化合物のアルデヒド重縮合体を配合した組成
物が提案されている。さらに、特開昭58−21544
9号公報に開示されているように、ポリアミドに0.0
2〜5重量%のよう化亜鉛を配合して温度依存性を高め
たポリアミド組成物が提案されている。しかし、前者は
インピーダンスの温度依存性が低く、また後者は初期の
インピーダンスの温度依存性は改善されているものの、
前者と同じくインピーダンス−温度曲線の熱安定性が不
十分である等の問題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ナイロン12は吸湿率
が低い点は優れているが、温度センサとしては湿度によ
る感温特性の変動が大きいため、実用に供し難い。また
特開昭55−100693号公報の変性ポリアミドにお
いては、インピーダンスの温度依存性が小さいため温度
検出感度が低く、耐熱安定性に劣る。このため耐湿性,
感温性の改善のため、特公平3−50401号公報に開
示されている様にフェノール系化合物のアルデヒド重縮
合体を配合した組成物が提案されている。しかしこれら
はいずれもインピーダンスの温度依存性が低く、また長
期間にわたる熱安定性が不十分である等の課題を有して
いた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためにポリアミドに、よう化錫,よう化アンチモ
ン,よう化銅,よう化ニッケル,よう化マンガン,よう
化コバルト,よう化鉄,よう化鉛,よう化チタン,よう
化ナトリウム,よう化カリウムおよびこれらの水和物か
らなる群から送択された少なくとも1種のよう素化合物
からなる添加剤すなわち、よう素供与体と金属酸化物す
なわち、よう素受要体とを配合したものである。
【0010】上記発明によれば、前記よう素化合物がイ
ンピーダンスの温度依存性を高め、金属酸化物が消失す
るよう素を補足し、長期間にわたる熱安定性を保つこと
ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】一般に高分子感温体は、一対の銅
あるいは銅合金の巻き線電極間に配設されて可撓性線状
の温度センサや感熱ヒータとして用いられる。温度セン
サや感熱ヒータとしての耐熱安定性は、高分子感温体自
体の安定性と巻き線電極の表面状態により決まる。
【0012】本発明の前記よう素化合物と酸化亜鉛等の
酸化金属を配合したポリアミド組成物を用いた場合、高
分子感温体中のよう素金属化合物のもつイオンキャリア
性により著しくインピーダンスの温度依存性が高くな
る。
【0013】高温度で長期間使用した場合によう素化合
物より生じたよう素はアミド基周辺に局在する一方、よ
う素イオンとして金属電極に作用し電気絶縁体であるよ
う化金属を生成し、電極間のインピーダンスの安定性を
損ねる。例えば、電極に銅を用いた場合、よう化銅を生
成し、電極間インピーダンスの経時安定性が得られにく
い。
【0014】そこで、酸化金属、例えば酸化亜鉛を併用
すると、酸化金属がよう素イオンの受容体として働き、
金属電極表面でのよう素金属の生成を防止することがで
きる。さらに、酸化亜鉛はよう化亜鉛を生成し、半波の
通電安定性を向上させる作用が働くという連環サイクル
が機能するものと考えられる。従って、高分子感温体の
熱安定性を長期間にわたって向上させ、温度センサや感
熱ヒータとして耐熱安定性を著しく増すことができる。
【0015】しかもヒンダードフェノールまたはナルチ
フアミンのもつ抗酸化性により、ポリアミド組成物の熱
的安定性がさらに向上される。本発明におけるよう化亜
鉛および酸化亜鉛とヒンダードフェノールまたはナフチ
ルアミンとの組み合わせは、作用が重複してもお互い疎
外されるものでなく、相乗作用を持つ。従って、高分子
感温体の熱安定性を向上させ、温度センサや感熱ヒータ
として耐熱安定性を著しく増すものと考えられる。
【0016】また、亜リン酸エステル系化合物を配合す
ることにより耐熱安定性と還元防錆作用が向上する。例
えばデトラフェニルジポロピレングリコールジホスファ
イト,テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリ
スリトールテトラホスファイト及び水添フェノールA・
ペンタエリスリトールホスファイトポリマーのような高
分子量でかつリン濃度の高いホスファイトのもつ熱安定
性と還元防錆作用による効果により熱劣化性が相乗的に
著しく抑制される。リン濃度が低いとこの効果は低く、
また高すぎても実用的でない。リン濃度は(ポリアミド
に対し)3〜20重量%で効果があるが、5〜15重量
%で最もよい効果を示す。また分子量が低いと、高温で
発揮しやすく、効果の持続性に乏しい。一方、分子量が
5,000を越えると分散が難しくなるので、望ましく
は300〜3,500である。
【0017】さらにデカメチレンジカルボン酸ジサリチ
ロイルヒドラジド,N,N’−ビス[3−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
ル]ヒドラジンや1,2,3−ベンゾトリアゾールおよ
びその誘導体として1−ヒドロキシメチルベンゾトリア
ゾール、および1,2−ジカルボキシエチルベンゾトリ
アゾールのような金属不活性化剤を添加することによ
り、銅電極とポリアミド組成物との界面の電気抵抗値を
安定化し、さらに銅害によるポリアミド組成物の耐熱劣
化を防止することができる。
【0018】さらにフェノール化合物のアルデヒド重縮
合体を配合することにより強力な吸湿防止作用を付与す
ることができる。例えばオキシ安息香酸エステル−ホル
ムアルデヒド重縮合体のようなフェノール系化合物はポ
リアミドと相溶性がよく、ポリアミド中で水素結合サイ
トに水分子の代わりに配位して吸湿性を低減させ、湿度
による感温特性の変動を低減させる。またそのアミド基
への作用により感温性を増大する効果もある。
【0019】本発明におけるよう化亜鉛および酸化亜鉛
とヒンダードフェノール、ナフチルアミンおよび亜リン
酸エステルと金属不活性剤との組合せは作用が重複して
お互いに疎外されるものではなく、相乗作用を持つ。従
って、銅電極を用いた高分子感温体の熱安定性を向上さ
せ、温度センサや感熱ヒータとして耐熱安定性を著しく
増すものと考えられる。
【0020】また、電極材料が例えば金、白金、パラジ
ウムなどの貴金属を用いたり、メッキが施されている場
合、よう化金属の生成は見られにくいが、銀、錫、半
田、ステンレススチール、チタン、インジウムなどを用
いた場合、これら金属のよう化物は導電度が比較的高い
ので、電極間インピーダンスの経時安定性を高めること
ができる。またよう化物を表面層のみに形成するように
したものにあっては内部層を安価な導電性のよい材料と
することができ、通電安定性とコストダウンの両立がで
きる。
【0021】以下、本発明の実施例について述べる。 (実施例1)実施例1では、ポリアミドとして吸湿性の
少ないナイロン12を選択した。
【0022】ナイロン12の100重量部に対し、よう
化亜鉛を2〜35重量部まで変化させて配合し、押出機
により混練りした後、加熱プレスで約70×70mm、
厚さ1mmのシートを作成した。
【0023】このように得たシート片よりダンベル試験
片を作成し、降伏点強度を測定したところ、30重量部
を越えると著しく強度が低下した。
【0024】シート片の両面に銀電極を形成し、温度1
00℃における初期のインピーダンスと100℃の高温
下で100Vの半波整流電圧を1000時間印加した後
のインピーダンスの変化を調べた。結果を図1に示す。
ポリアミド100重量部に対して、よう化亜鉛の添加量
が5.3重量部以上で非常に安定していることがわか
る。従って、よう化亜鉛は、ポリアミド100重量部当
たり5.3〜30重量部配合した場合、耐熱電気特性及
び機械特性の安定に寄与することがわかる。
【0025】(実施例2)実施例2では、ポリアミドと
して吸湿性の少ないナイロン12、ナイロン12−ナイ
ロン40共重合体、N−アルキル置換ポリアミド11、
ポリエーテルアミド、およびダイマー酸含有アミドを選
んだ。
【0026】これらのポリマーのインピーダンスの温度
依存性を高める導電付与通電安定剤として、熱安定性の
高いよう素化合物を用いた。また、よう素受容体として
は、粒子径0.1〜0.5μmの酸化亜鉛、酸化マグネ
シウム及び酸化鉛の粉末を用いた。よう素ドナーとして
の有機よう素化合物としては、ポリ[(2−オキソ−1
−ピロリジニル)エチレン]ヨードを選んだ。さらにフ
ェノール化合物のアルデヒド重縮合体を添加した例で
は、ポリアミドと相溶性の良いオキシ安息香酸オクチル
エステル−ホルムアルデヒド重縮合体をポリアミド10
0重量部当たり15重量部を用いた。
【0027】これら成分を配合し、押出機より混練りし
た後、加熱プレス約70×70mm、厚さ1mmのシー
トに成形し、その両面に銅電極部を設けて、試料を作成
した。
【0028】電極材料依存性は、(表3)に示す電極材
料を用いて調べた。インピーダンスの温度依存性は、4
0〜80℃におけるサーミスタB定数で表した。
【0029】耐熱安定性は、100℃における初期のイ
ンピーダンスと100℃で100Vの半波通電を100
0時間行った後のインピーダンスとの温度差(△T2
で表した。なお40〜80℃におけるサーミスタB定数
は40℃におけるインピーダンスZ40及び80℃におけ
るインピーダンスZ80を測定した結果をもとに算出し
た。
【0030】これらの結果を(表1),(表2)および
(表3)に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】(実施例3)実施例3では、温度依存性を
高める導電付与通電安定剤として、熱安定性の高いよう
素化合物としてよう化金属を用いた。よう素受容体とし
ては粒子径0.1〜0.5μmの酸化亜鉛粉末を用い
た。さらにフェノール化合物のアルデヒド重縮合体を添
加した例では、ポリアミドと相溶性の良いオキシ安息香
酸オクチルエステル−ホルムアルデヒド重縮合体をポリ
アミド100重量部当たり15重量部用いた。
【0035】試料は実施例1と同様のシートに成形し、
その両面に銅電極を設けて作成した。
【0036】電極材料依存性は、(表6)に示す電極材
料を用いて調べた。インピーダンスの温度依存性は、4
0〜80℃におけるサーミスタB定数で表した。
【0037】耐熱安定性は120℃における空気加熱老
化試験をダンベル試験片でおこない、降伏点強度の半減
する時間で評価した。さらに、100℃における初期の
インピーダンスと100℃で100Vの半波通電を1,
000時間行った後のインピーダンスとの温度差(△T
2)で表わした。なお40〜80℃におけるサーミスタ
B定数は40℃におけるインピーダンスZ40および80
℃におけるインピーダンスZ80を測定した結果をもとに
算出した。
【0038】これらの結果を(表4),(表5)および
(表6)に示す。
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】上記実施例2〜3に示したように、本発明
の通電安定剤としては、よう化錫、よう化アンチモン,
よう化銅,よう化ニッケル,よう化マンガン,よう化コ
バルト,よう化鉄,よう化鉛,よう化カドミウム,よう
化チタン,よう化ナトリウム,よう化カリウム,ポリ
[(2−オキソ−1−ピロリジニル)エチレン]ヨードな
どのよう素化合物およびこれらの水和物が用いられ、サ
ーミスタB定数の向上に寄与する。これら以外に、よう
化パラジウム,よう化銀,よう化ネオジムなど、よう素
を含む化合物であればいずれも用いることができる。
【0043】よう素化合物は、ポリアミド100重量部
に対し0.01〜30重量部配合される。0.01重量
部より少ないと増感性および半波通電安定効果が低く、
30重量部より多いと組成物の物理的性質を著しく損な
う。
【0044】また、高温度で長時間使用した場合に、よ
う素化合物より生じるよう素イオンの受容体としては酸
化亜鉛及びその他の金属酸化物が用いられ、金属電極表
面のよう素金属の生成の防止に寄与している。さらに、
例えば酸化亜鉛の場合はよう化亜鉛を生成し、半波通電
安定性を向上させる作用が働くという連環サイクルが機
能するものと考えられる。またその他の金属酸化物も同
様の働きを示す。従って、高分子感温体の熱安定性を向
上させ、温度センサや感熱ヒータとして、耐熱安定性を
著しく増すことができる。
【0045】金属酸化物は、ポリアミド100重量部に
対し、0.01〜30重量部配合される。0.1重量部
より少ないと効果が低く、30重量部より多いと組成物
の物理的性質を著しく損なう。
【0046】また、よう素ドナーはよう素有機化合物で
あっても、酸化亜鉛との組み合わせで増感性および半波
通電安定効果を発揮することはよう化亜鉛の単独添加と
同様である。
【0047】さらにフェノール化合物のアルデヒド重縮
合体を添加する場合、ポリアミドと相溶性の良いフェノ
ール系化合物のアルデヒド重縮合体としては、p−オキ
シ安息香酸オクチルエステル−アルデヒド重縮合体およ
びp−オキシ安息香酸イソステアリルエステル−ホルム
アルデヒド重縮合体が相溶性および耐湿性の点で優れて
いる。p−オキシ安息香酸アルキルエステル以外にp−
ドデルフェノール、p−クロロフェノール、p−オキシ
安息香酸ノニルエステル等のアルデヒド重縮合体であっ
てもよい。これらは、ポリアミド100重量部に対し、
5〜30重量部配合される。5重量部より少ないと効果
が低く、30重量部より多いと組成物の性質を著しく損
な。
【0048】(感熱素子の評価)実施例2に示す感温素
子の評価のため、ナイロン12(100重量部),よう
化コバルト(5.0重量部),酸化マグネシウム(5.
0重量部)よりなるナイロン配合物のペレットを作成
し、このペレットを用いて図2に示すような感温素子、
すなわち温度検知ヒータを作成した。
【0049】この温度検知ヒータは、1500デニール
のポリエステル芯糸1,0.5%銀入銅電極線2,ナイ
ロン感温層3,発熱・温度検知電極線4,および耐熱ポ
リ塩化ビニル外被5から成る。
【0050】また実施例3に示す感温素子の評価のため
ナイロン12(100重量部)、よう化コバルト(5.
0重量部)、酸化亜鉛(5.0重量部)よりなるナイロ
ン配合物のペレットを作成し、このペレットを用いて実
施例2と同様図2に示すような温度検知ヒータ線を作成
した。
【0051】比較のためにナイロン12のみで感温層を
形成した試作物に対して、上記実施例2及び実施例3の
いずれのものもサーミスタB定数は約3.3倍の136
00(K)を示し、耐熱寿命試験として行った100℃
における連続100V半波通電に対してこれは3000
時間以上の耐久性を示した。また、0.5%銀入銅電極
線に約30μのニッケルメッキを施した電極線を用いた
場合、8000時間以上の耐久性を示した。
【0052】さらに、この温度検知を備えた発熱一体線
は耐久性に優れているので、断熱保温に対して安定した
性能を示し、電気カーペット,電気毛布,電気座布団,
フロアーマット,電気床暖房,壁面ヒータ,パネルヒー
タ,電気布団,電気足温器,カーシートヒータなどの電
気採暖具に長い寿命と高い安全性を付与することができ
る。試作した面積180cm四方で、消費電力610ワ
ットの電気カーペットは従来の温度検知付きヒータ線に
比べて、100℃における半波の通電耐久性は10倍以
上を示した。
【0053】(実施例4)実施例4では、実施例2と同
様インピーダンスの温度依存性を高める導電付与通電安
定剤として、熱安定性の高いよう化亜鉛を用いた。よう
素受容体としては粒子径0.1〜0.5μmの酸化亜鉛
粉末を用いた。さらにフェノール化合物のアルデヒド重
宿合体を添加した例では、ポリアミドと相溶性の良いオ
キシ安息香酸オクチルエステル−ホルムアルデヒド重宿
合体をポリアミド100重量部当たり15重量部用い
た。
【0054】試料は実施例2と同様のシートに成形し、
その両面に銅電極を設けて作成した。
【0055】電極材料依存性は、(表8)に示す電極材
料を用いて調べた。インピーダンスの温度依存性は、4
0〜80℃におけるサーミスタB定数で表した。
【0056】耐熱安定性は、100℃における初期のイ
ンピーダンスと100℃で100Vの半波通電を100
0時間行った後のインピーダンスとの温度差(△Tz
で表した。なお40〜80℃におけるサーミスタB定数
は40℃におけるインピーダンスZ40および80℃にお
けるインピーダンスZ80を測定した結果をもとに算出し
た。
【0057】
【表7】
【0058】
【表8】
【0059】(実施例5)実施例5では、実施例4と同
様インピーダンスの温度依存性を高める導電付与通電安
定剤として熱安定性の高いよう化亜鉛を用い、よう素受
容体としては粒子径0.1〜0.5μmの酸化亜鉛粉末
を用いた。
【0060】酸化防止性と熱安定性を高めるために、ヒ
ンダードフェノールとして、トリエチレングリコール−
ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート(分子量586.8)、
ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
(分子量1177.7)、N、N’−ヘキサメチレンビ
ス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロ
シンナマイド)(分子量637.0)、3,9−ビス
{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメ
チルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスビロ
[5.5]ウンデカン(分子量741)を選び、またナ
フチルアミンとしてフェニル−α−ナフチルアミン(分
子量404)を選んだ。
【0061】さらにフェノール化合物のアルデヒド重縮
合体を添加した例では、ポリアミドと相溶性の良いオキ
シ安息香酸オクチルエステル−ホルムアルデヒド重縮合
体をポリアミン100重量部当たり15重量部用いた。
【0062】試料は実施例2と同様のシートに成形し、
その両面に銀塗布面電極を設けて作成した。
【0063】電極材料依存性は、(表10)に示す電極
材料を用いて調べた。インピーダンスの温度依存性は、
40〜80℃におけるサーミスタB定数で表した。
【0064】耐熱安定性は120℃における空気加熱老
化試験をダンベル試験片でおこない降伏点強度の半減す
る時間で評価した。さらに、100℃における初期のイ
ンピーダンスと100℃で100Vの半波通電を500
時間行った後のインピーダンスとの温度差(△Tz)で
表した。なお40〜80℃におけるサーミスタB定数は
40℃におけるインピーダンスZ40および80℃におけ
るインピーダンスZ80を測定した結果をもとに算出し
た。
【0065】これらの結果を(表9)および(表10)
に示す。
【0066】
【表9】
【0067】
【表10】
【0068】(実施例6)実施例6では、ポリアミドと
しては、吸湿性の少ないナイロン12、ナイロン12−
ナイロン40共重合体、N−アルキル置換ポリアミド1
1、ポリエーテルアミド、ダイマー酸含有アミドを選ん
だ。これらのポリマーのインピーダンスの温度依存性を
高める導電付与剤として、熱安定性の高いよう化亜鉛を
用いた。よう素受容体としては粒子径0.1〜0.5μ
mの酸化亜鉛粉末を用いた。また、上記酸化亜鉛と相乗
作用をして酸化防止性と還元防錆作用を高める構成とし
て、亜リン酸エステルとしてテトラフェニルプロピレン
グリコールジホスファイト(分子量566,リン濃度1
0.9重量%),テトラフェニルテトラ(トリデシル)
ペンタエリスリトールテトラホスファイト(分子量1,
424,リン濃度8.7重量%),水添ビスフェノール
A・ペンタエリスリトールホスファイト(分子量2,5
00〜3,100,リン濃度13.8重量%)を選ん
だ。添加剤の量は、ナイロン100重量部に対して1重
量部とした。
【0069】酸化防止性と熱安定性を高めるためにヒン
ダードフェノールとして、トリエチレングリコール−ビ
ス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート(分子量586.8)を選
び、またナフチルアミンとしてフェニル−α−ナフチル
アミン(分子量404)を選んだ。
【0070】フェノール化合物のアルデヒド重縮合体を
添加した例では、ポリアミドと相溶性の良いオキシ安息
香酸オクチルエステル−ホルムアルデヒド重縮合体をポ
リアミド100重量部当たり15重量部用いた。
【0071】これらの成分を配合し、押出機により混練
りした後、加熱プレスで約70×70mm,厚さ1mm
のシートに成形し、その両面に銅電極を設けて、試料を
作成した。
【0072】電極材料依存性は、(表12)に示す電極
材料を用いて調べた。インピーダンスの温度依存性は、
40〜80℃におけるサーミスタB定数で表した。また
耐熱安定性は120℃における空気加熱老化試験をダン
ベル試験片で行い降状点強度の半減する時間で評価し
た。さらに100℃における初期のインピーダンスと1
00℃で100Vの半波通電を1,000時間行った後
のインピーダンスとの温度差(△Tz)で表した。な
お、40〜80℃におけるサーミスタB定数は40℃に
おけるインピーダンスZ40および80℃におけるインピ
ーダンスZ80を測定した結果をもとに算出した。
【0073】これらの結果を(表11)および(表1
2)に示す。
【0074】
【表11】
【0075】
【表12】
【0076】(実施例7)実施例7ではインピーダンス
の温度依存性を高める導電付与剤および半波通電安定化
剤として、熱安定性の高いよう化亜鉛を用い、よう素受
容体としては粒子径0.1〜0.5μmの酸化亜鉛粉末
を用いた。また、上記酸化亜鉛と相乗作用をして銅電極
とポリアミド組成物との界面安定化剤としてデカメチレ
ンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、N,N’−
ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]ヒドラジンや、1,2,
3−ベンゾトリアゾールおよびその誘導体として1−ヒ
ドロキシメチルベンゾトリアゾール、および1,2−ジ
カルボキシエチルベンゾトリアゾールを用いた。添加剤
の量は、ナイロン100重量部に対して1重量部とし
た。
【0077】酸化防止性と熱安定性を高めるためにヒン
ダードフェノールとして、ペンタエリスリチル−テトラ
キス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート](分子量1177.7)を
選び、またナフチルアミンとしてフェニル−α−ナフチ
ルアミン(分子量404)を選んだ。
【0078】亜リン酸エステルとしてテトラフェニルジ
プロピレングリコールホスファイト(分子量566、リ
ン濃度10.9重量%)を選んだ。
【0079】フェノール化合物のアルデヒド重縮合体を
添加した例では、ポリアミドと相溶性の良いオキシ安息
香酸オクチルエステルホルムアルデヒド重縮合体をポリ
アミド100重量部当たり15重量部用いた。
【0080】試料は実施例2と同様のシートに成形し、
その両面に銅電極を設けて作成した。
【0081】インピーダンスの温度依存性は40〜80
℃におけるサーミスタB定数で表した。
【0082】耐熱安定性は120℃における空気加熱老
化試験をダンベル試験片で行い降状点強度の半減する時
間で評価した。さらに100℃における初期のインピー
ダンスと100℃で100Vの半波通電を1,000時
間行った後のインピーダンスとの温度差(△Tz)で表
した。なお40〜80℃におけるサーミスタB定数は4
0℃におけるインピーダンスZ40および80℃における
インピーダンスZ80を測定した結果をもとに算出した。
【0083】これらの結果を(表13)および(表1
4)に示す
【0084】
【表13】
【0085】
【表14】
【0086】実施例4〜7に示す本発明の通電安定剤と
してはよう化亜鉛無水物またはよう化亜鉛2水和物が用
いられ、サーミスタB定数の向上に寄与している。これ
らは、ポリアミドに対し0.01〜30重量部配合され
る。0.01重量部より少ないと増感性および半波通電
安定効果が低く、30重量部より多いと組成物の物理的
性質を著しく損なう。
【0087】また、高温度で長時間使用した場合に、よ
う化亜鉛より生じたよう素イオンの受容体としては酸化
亜鉛が用いられ、金属電極表面のよう化金属の生成の防
止に寄与している。さらに、酸化亜鉛はよう化亜鉛を生
成し通電安定性を向上させる作用が働くという連還サイ
クルが機能するものと考えられる。従って、高分子感温
体の熱安定性を向上させ、温度センサや感熱ヒータとし
て耐熱安定性を著しく増すことができる。これは、ポリ
アミドに対し0.01〜30重量部配合される0.01
重量部より少ないと効果が低く、30重量部より多いと
組成物の物理的性質を著しく損なう。
【0088】また抗酸化剤としてはヒンダードフェノー
ルとしてトリエチレングリコール−ビス[3−(3−t
−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオネート]またはペンタエリスリチル−テトラキス
[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート]またはN、N’−ヘキサメチレ
ンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒ
ドロシンナマイド)または3,9−ビス{2−[3−
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}
−2,4,8,10−テトラオキサスビロ[5.5]ウ
ンデカン、ナフチルアミンが用いられ、耐熱性の向上に
寄与している。これらの組み合わせが、さらに相乗的効
果を発揮している。また亜リン酸エステルとしては、分
子量が高く不揮発生に優れ、かつリン濃度が適当なテト
ラフェニルジプロピレングリコールホスファイト、テト
ラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトール
テトラフォスファイト、水添ビスフェノールA・ペンタ
エリスリトールホスファイトポリマーが用いられ、耐熱
安定性と防錆作用の向上に寄与している。また抗酸化剤
としてのヒンダードフェノールやナフチルアミンの組み
合わせが、さらに相乗効果を発揮している。
【0089】また、フェノール系化合物のアルデヒド重
縮合体としては、p−オキシ安息香酸オクチルエステル
−アルデヒド重縮合体およびp−オキシ安息香酸イソス
テアリルエステル−ホルムアルデヒド重縮合体が相溶性
および耐湿性の点で優れている。p−オキシ安息香酸ア
ルキルエステル以外に、p−ドデシルフェノール、p−
クロロフェノール、p−オキシ安息香酸ノニルエステル
等のアルデヒド重縮合体であってもよい。これらは、ポ
リアミド100重量部に対し、5〜30重量部配合され
る。5重量部より少ないと効果が低く、30重量部より
多いと組成物の性質を著しく損なう。
【0090】また、金属不活性剤を添加した例では、上
記銅電極とポリアミド組成物との界面安定剤としてはデ
カメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、
N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジや、1,
2,3−ベンゾトリアゾールおよびその誘導体として1
−ヒドロキシメチルベンゾトリアゾールおよび1,2−
ジカルボキシエチルベンゾトリアゾールを用いたが、そ
の他のトリアゾール誘導体として1−(2,3−ジヒド
ロキシプロピルベンゾトリアゾール、ヘキサメチレンジ
(アミノメチルベンゾトリアゾール、1−[N,N’−
ビス(2−エチルヘキシル)ベンゾトリアゾール−4,
4−(ジアミノメチルベンゾトリアゾール−フェニル)
メタン、ビス[(1−ベンゾトリアゾリル)メチル]ホ
スホン酸であってもよい。
【0091】(感熱素子の評価)実施例4および5に示
す感熱素子の評価のためナイロン12(100重量
部)、ヨウ化亜鉛(7.0重量部)、酸化亜鉛(5.0
重量部)よりなるナイロン配合物のペレットを作成し、
このペレットを用いて図3に示すような感熱素子、すな
わち温度検知線を作成した。ここで、温度検知線は、1
500デニールのポリエステル芯糸1、0.5%銀入銅
電極線2,4、ナイロン感温層3、ポリエステル分離層
5、および耐熱塩化ビニル外被6から成る。
【0092】比較としてのナイロン12のみで感温層を
形成した温度検知線に比べ、本発明の温度検知線の場
合、サーミスタB定数は約3.3倍の11600(K)
を示し、耐熱寿命試験として行った100℃における連
続100V半波通電に対してこれは3000時間以上の
耐久性を示した。
【0093】また、0.5%銀入銅電極線に約30μの
錫95%−鉛5%の半田メッキを施した電極線を用いた
場合、5000時間以上の耐久性を示した。
【0094】また実施例6および7に示す感熱素子の評
価のためナイロン12(100重量部)、ヨウ化亜鉛
(5.5重量部)、ヨウ化亜鉛(4重量部)、デカメチ
レンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド(0.5重
量部)、N,N’−ビス[3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラジ
ン(0.5重量部)、テトラフェニルジプロピレングリ
コールジホスファイト(1重量部)、ペンタエリスリチ
ル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート](1重量部)よ
りなるナイロン配合物のペレットを作成し、このペレッ
トを用いて図3に示すような感熱素子、すなわち温度検
知線を作成した。
【0095】比較としてのナイロン12のみで感温層を
形成した温度検知線に比べ、本発明の温度検知線の場
合、サーミスタB定数は約3倍の11,000(K)を
示し、120℃における連続100V通電に対して4,
000時間以上の耐久性を示した。
【0096】なお、上記実施例1〜6において、ヨウ素
イオンの受容体として働き金属電極表面のヨウ素金属の
生成を防止する材料として酸化亜鉛を例示して説明した
が、仕様形態に応じた要求性能を満足させることができ
れば、酸化亜鉛に代えて、例えば酸化マグネシウム、酸
化鉛等を用いてもよく、ヨウ素イオンの受容体として働
き、金属電極表面のヨウ素金属の生成を防止する酸化金
属であればいずれでも用いることができる。
【0097】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ポリアミ
ドとよう化錫,よう化アンチモン,よう化銅,よう化ニ
ッケル,よう化マンガン,よう化コバルト,よう化鉄,
よう化鉛,よう化チタン,よう化ナトリウム,よう化カ
リウムおよびこれらの水和物からなる群から選択された
少なくとも1種のよう素化合物と、酸化金属あるいは酸
化金属の一種である酸化亜鉛との併用は、サーミスタB
定数の向上と高温度においても、長期に亙る機械的強度
と電気特性を安定なものとして、多くの実用的な用途の
信頼性を向上させることができる。
【0098】さらに、上記ヨウ素化合物酸化金属あるい
は酸化金属の一種である酸化亜鉛と、さらにヒンダード
フェノールまたはナフチルアミンとの併用は、サーミス
タB定数の向上に加え、高温度においても、長期に亙る
機械的強度と電気特性を安定なものとして、さらにその
信頼性を飛躍的に向上させることができる。
【0099】また、上記酸化金属あるいは酸化金属の一
種である酸化亜鉛と、さらに金属不活性化剤との併用
は、サーミスタB定数の向上に加え銅電極を用いた時の
銅害による耐熱劣化を防止し、高温度においても、長期
に亙る機械的強度と電気特性を安定なものとして、さら
にその信頼性を向上させることができる。
【0100】また、上記酸化金属あるいは酸化金属の一
種である酸化亜鉛と、さらに亜リン酸エステル化合物を
併用した場合は、サーミスタB定数が向上し、高温度に
おいても、長期に亙る機械的強度と電気特性を安定なも
のとしてその信頼性を向上させることができる。
【0101】また電極の少なくとも一方の電極材料に、
銅,アルミニウム,金,白金,パラジウム,銀,錫,半
田,ニッケル,ステンレススチール,チタン,インジウ
ムを用いている場合は温度変化に対する通電率変化も少
なく、より経時安定性を高めることができ、また電極の
うち、いずれか一方および両極の材料の表面層が金,白
金,パラジウム,銀,錫,半田,ニッケル,チタン,イ
ンジウムを含む内部層とは異なる他種金属からなる電極
を用いている場合は、通電安定性コストダウンを同時に
図ることができ、より実用的なものとすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の感温体におけるよう化亜鉛
量と耐熱電気特性および機械特性の関係を示すグラフ
【図2】本発明は実施例2〜3の感温体を用いた温度検
知ヒータ線の一部破断側面図
【図3】本発明の実施例4〜7の感温体を用いた温度検
知ヒータ線の一部破断側面図

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミドとよう化錫,よう化アンチモ
    ン,よう化銅,よう化ニッケル,よう化マンガン,よう
    化コベルト,よう化鉄,よう化鉛,よう化チタン,よう
    化ナトリウム,よう化カリウムおよびこれらの水和物か
    らなる群から送択された少なくとも1種のそう素化合物
    からなる添加剤と金属酸化物とを配合したポリアミド組
    成物よりなる高分子感温体。
  2. 【請求項2】 ポリアミドが、下記(a)〜(f)より
    なる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1に記
    載の高分子感温体。 (a)ポリウンデカンアミド (b)ポリドデカンアミド (c)直鎖飽和炭化水素C10以上を含むポリアミド及び
    その共重合体 (d)ポリウンデカンアミドあるいはポリドデカンアミ
    ドのN−アルキル置換アミド共重合体 (e)ポリウンデカンアミドあるいはポリドデカンアミ
    ドのエーテルアミド共重合体 (f)ダイマー酸含有ポリアミド
  3. 【請求項3】 ポリアミド組成物がナフチルアミンおよ
    びヒンダードフェノールからなる群から選択される少な
    くとも一種を含んでなる請求項1記載の高分子感温体。
  4. 【請求項4】 ナフチルアミンが、フェニル−α−ナフ
    チルアミンおよびN’N−ジ−β−ナフチル−p−フェ
    ニレンジアミンからなる群から選択される少なくとも一
    種である請求項3記載の高分子感温体。
  5. 【請求項5】 ヒンダードフェノールが、トリエチレン
    グリコールービス{3−(3−t−ブチル−5−メチル
    −4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート},ペンタ
    エリスリチル−テトラキス{3−(3,5−ジ−t−ブ
    チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート},
    N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチ
    ル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマイド)および3,
    9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキ
    シ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,
    1−ジメチルエチル]−2,4,810−テトラオキサ
    スピロ[5.5]ウンデカンからなる群から選択される少
    なくとも一種である請求項3記載の高分子感温体。
  6. 【請求項6】 ポリアミド組成物が亜リン酸エステル系
    化合物を含んでなる請求項1記載の高分子感温体。
  7. 【請求項7】 亜リン酸エステル系化合物がテトラフェ
    ニルジプロピレングリコールジホスファイト,テトラフ
    ェニルテトラ(トリデシル)ぺんたえリスト−ルテトラ
    ホスファイトおよび水添フェノールA・ペンタエリスト
    −ルホスファイトポリマーからなる群から選択される少
    なくとも一種である請求項6記載の高分子感温体。
  8. 【請求項8】 ポリアミド組成物が、金属不活性化剤を
    含む請求項1記載の高分子感温体。
  9. 【請求項9】 金属不活性化剤が、下記(a)〜(c)
    からなる群から選択される少なくとも一種を含む請求項
    8記載の高分子感温体。 (a)デカメチレンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラ
    ジド,N,N’−ビス{3−(3,5−ジ−t−ブチル
    −4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル}ヒドラジン (b)ベンゾトリアゾールおよびその誘導体 (c)N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジ
    アミンおよびその誘導体。
  10. 【請求項10】 ポリアミド組成物が、オキシ安息香酸
    エステル・ホルムアルデヒド重縮合体を含む請求項1記
    載の高分子感温体。
  11. 【請求項11】 金属酸化物が酸化亜鉛である請求項1
    記載の高分子感温体。
  12. 【請求項12】 1対の電極、およびその間に配設した
    請求項1〜11のいずれかに記載の高分子感温体からな
    る感温素子。
  13. 【請求項13】 一対の電極の少なくとも一方が、銅,
    アルミニウム,金,白金,パラジウム,銀,錫,半田,
    ニッケル,ステンレススチール,チタン,および、イン
    ジウムからなる群から選択される少なくとも1種の金属
    からなる電極である請求項12記載の感温素子。
  14. 【請求項14】 一対の電極の少なくとも一方が金,白
    金,パラジウム,銀,銅,半田,ニッケル,チタン,お
    よびインジウムからなる群から選択される少なくとも1
    種の金属を内部層と,内部層の金属とは異なる他の金属
    からなる表面層とからなる電極である請求項12記載の
    感温素子。
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