JP3171076B2 - 高分子感温体およびそれを用いた感温素子 - Google Patents

高分子感温体およびそれを用いた感温素子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気採暖具などの
過撓性の温度センサや感温ヒータに用いる高分子感温体
およびそれを用いた感温素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の高分子感温体は、一般に
一対の巻き線電極間に配設され、加撓性線状の温度セン
サや感熱ヒータとして用いられている。この高分子感温
体としては、ナイロン12や特開昭55−100693
号公報に開示されている変性ナイロン11(ATO−C
HIMIE社製、商品名「リルサンNナイロン」)など
のポリアミド組成物が用いられ、その静電容量や抵抗値
あるいはインピーダンスなどの温度変化を検出すること
により温度センサの機能を果たしている。または特公平
2−47083号公報では、導電性付与剤としてよう素
化合物であるよう化第一スイッチをポリアミド樹脂と混
合させた高分子感温体が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の高
分子感温体では、例えばナイロン12は吸湿率が低い点
は優れているが、温度センサとしては湿度による感温特
性の変動が大きいため、実用に供し難い。また特開昭5
5−100693号公報の変性ポリアミドにおいては、
インピーダンスの温度依存性が小さいため温度検出感度
が低く、耐熱安定性に劣る。インピーダンスの温度依存
性を改善するために特公平2−47083号公報では、
導電性付与剤としてポリアミドと混合したポリアミド組
成物を開示しているが、ポリアミドと開示された導電付
与剤を配合すると、熱溶融混合等で生成されるポリアミ
ド組成物はよう素が分離された状態になっているため、
このポリアミド組成物を使用した高分子感温体を挟持す
る電極を設けて長期間通電環境下で使用した場合、経時
変化から高分子感温体中で分極を生じ、インピーダンス
の温度依存性が小さくなり正しく温度が検知できなくな
るという課題を有していた。
【0004】本発明は、このような従来の課題を解決す
るもので、高耐熱性で且つインピーダンスの温度依存性
が大きく、通電後でも通電前と変化しないインピーダン
ス−温度特性を有する通電安定性に優れた高分子感温体
としてのポリアミド組成物およびその高分子感温体を用
いた感温素子を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、ポリアミドによう素と酸化カドミウムを配
合したポリアミド組成物を主体とする高分子感温体とし
てある。また上記作成したポリアミド組成物に金属不活
性剤、および、リン濃度が3〜20重量%で分子量20
0〜5000の亜リン酸エステル系化合物と、さらにナ
フチルアミンまたはヒンダードフェノール系耐熱安定剤
のうち少なくとも1種を配合したポリアミド組成物を感
温体として用いる。
【0006】また、それぞれ上記の高分子感温体を一対
の電極間に配設し、高分子感温体の物理的性質の温度変
化を両電極で検出するようにしたものであり、電極の両
極またはいずれか一方の材料が金、白金、パラジウム、
銅、銀、錫、半田、チタン、ニッケル、インジウムを用
い、または、金、白金、パラジウム、銅、銀、錫、半
田、チタン、ニッケル、インジウムを含む内部層とは異
なる他種金属からなる電極を用いる感温素子としてあ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】一般に、高分子感温体は、一対の
銅あるいは銅合金の巻き線電極に配設されて、可撓性線
状の温度センサや感熱ヒータとして用いられる。これら
温度センサや感熱ヒータとしての耐熱安定性は、高分子
感温体自体の安定性と巻き線電極の表面状態により決ま
る。
【0008】本発明の高分子感温体を用いた場合、ポリ
アミド組成物中に導電付与剤として配合したよう素の持
つイオンキャリア性により、著しくインピーダンスの温
度依存性を高める。つまり、ポリアミド組成物の温度が
高くなるとインピーダンス値が低くなるNTC特性を有
するようになる。しかし、高温度で長期間通電使用した
場合に、よう素はアミド基周辺に局在する一方、余った
よう素イオンが金属電極に作用し電気絶縁体であるよう
化金属を生成し、電極間インピーダンスの温度特性の経
時安定性を損ねる。そこで、高分子感温体となるポリア
ミド組成物中に酸化カドミウムを併用配合すると、酸化
カドミウムがよう素イオンの受容体として働き、金属電
極表面のよう化金属の生成を防止することができる。さ
らに、よう素と反応した酸化カドミウムは、よう化カド
ミウムを生成し、通電安定性を向上させる作用が働くと
いう連環サイクルが機能すると考えられる。このため安
定的にポリアミド組成物中によう素化合物を含有するこ
とができる。従って、高分子感温体のインピーダンス−
温度特性を向上させ、通電状態でも高分子感温体中の感
温性が損なわれることなく、温度センサや感熱ヒータと
してインピーダンス−温度特性の安定性を著しく向上す
ることができる。
【0009】そして、金属不活性剤として、デカメチレ
ンジカルボン酸ジサリチロイルヒドラジド、N,N’−
ビス[3−(3、5−ジ−t−ブチルナフチルアミンま
たはヒンダードロキシフェニル)プロピオニル]ヒドラ
ジンやベンゾトリアゾールおよびその誘導体として1−
ヒドロキシメチルベンゾトリアゾール、および1、2−
ジ−カルボキシエチルベンゾトリアゾール、等を配合し
て銅電極とポリアミド組成物との界面電気抵抗を安定化
し、さらに銅害によるポリアミド組成物の耐熱劣化を防
止することができる。
【0010】巻線電極の加熱などによる高温酸化は、高
分子感温体中のナフチルアミン、またはヒンダードフェ
ノール系耐熱安定剤のうち少なくとも1種の化合物の存
在により著しく抑制される。しかも、テトラフェニル・
ジプロピレングリコールジホスファイト、テトラフェニ
ルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホ
スファイトおよび水添フェノールA・ペンタエリスリト
ールホスファイトポリマのように高分子量でかつリン濃
度の高いジホスファイトまたはテトラホスファイトある
いはホスファイト系ポリマーのもつ酸化防止性と還元防
錆作用の相乗効果により熱劣化性が著しく抑制される。
リン濃度が低いとこの効果は低く、また高すぎても実用
的でない。リン濃度は3〜20重量%で効果があるが、
望ましくは5〜15重量%で最も良い値を示す。また分
子量が低いと高温で揮発しやすく、効果の持続性に乏し
い。また5000を越えると分散が難しくなるので、望
ましくは300〜3500が実用的である。
【0011】また本発明におけるナフチルアミン、ヒン
ダードフェノールを配合することにより、防錆作用と酸
化防止が相乗的に可能となる。なお以上の金属不活性
剤、亜リン酸エステル系化合物、ナフチルアミンヒンダ
ードフェノール等の組み合わせは作用が重複してもお互
いに阻害されるものでなく、加算されて相乗作用を持
つ。従って、高分子感温体の熱安定性を向上させ、温度
センサや感熱ヒータとして耐熱安定性を著しく増すもの
と考えられる。
【0012】さらにフェノール化合物のアルデヒド重縮
合体の配合により強力な吸湿防止作用を付与することが
できる。フェノール系化合物はポリアミドと相溶性がよ
く、ポリアミド中で水素結合サイトに水分子の代わりに
配位してポリアミドの吸湿性を低減させ、湿度による感
温特性の変動を低減させる。
【0013】また、電極材料が例えば、金、白金、パラ
ジウムなどの貴金属を用いたり、メッキが施されている
場合、よう化金属の生成は見られにくいが、銀、錫、ハ
ンダ、ステンレス、チタン、インジウム等を用いた場
合、これら金属のよう化物は導電度が比較的高いので、
電極間インピーダンスの経時安定性を高めることができ
る。
【0014】
【実施例】以下に本発明の第1の実施例を説明する。本
実施例に用いるポリアミドとしては、吸湿性の少ないナ
イロン12、ナイロン12−ナイロン40共重合体、N
−アルキル置換ポリアミド11、ポリエーテルアミド、
ダイマー酸含有ポリアミドを選んだ。これらのポリマー
のインピーダンスの温度依存性を高める導電性付与剤お
よび通電安定剤としてよう素を用いた。よう素受容体と
しては粒子径0.1〜0.5μmの酸化カドミウム粉末
を用いた。
【0015】さらにフェノール化合物のアルデヒド重縮
合体を添加した例では、ポリアミドと相溶性の良いオキ
シ安息香酸オクチルエステル−ホルムアルデヒド重縮合
体を選び15重量部配合することにした。
【0016】測定用の試料はこれらを各種ポリアミドに
配合し、押し出し機により混練りした後、加熱プレスで
約70×70mm、厚さ1mmのシートに成形し、その両面
に銅板の電極を設けて測定電極を作成した。また、電極
材料依存性は銀板、金板、および銅板に銀メッキ、錫メ
ッキ、半田メッキを施したものを用いた。インピーダン
スの温度依存性は40〜80℃におけるサーミスタB定
数で表した。さらに通電安定性の評価については、図2
を用いて説明する。図2のように、温度20〜120℃
まで変化させたときの体積固有インピーダンスを測定す
る。初期の体積固有インピーダンス特性(図2の初期)
から100℃での体積固有インピーダンスを求め、10
0℃中で100Vの半波整流通電を1000時間行った
後(図2の特性A、特性B)、初期と同じ体積固有イン
ピーダンスを示す温度を求め、100℃での温度差を比
較する。図2では温度差ΔTB>ΔTAであるので特性A
のほうが通電安定性が高いと判断する。ここでは温度差
をΔTzで表した。なお40〜80℃におけるサーミス
タB定数は40℃におけるインピーダンスZ40および
80℃におけるインピーダンスZ80を測定し、その結
果をもとに算出した。
【0017】よう素と酸化カドミウムを用いた高分子感
温体において電極材料に銅板を用いた測定結果を(表
1)に、また(表1)の中から代表的な配合について各
種の電極を用いた高分子感温体の測定結果を(表2)に
示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】本発明の第1の実施例によれば、サーミス
タB定数は約10000(K)でナイロンだけのときよ
りも3倍近く高くなっていて、通電安定性もよう素だけ
を配合するよりも温度シフトは小さくなり、特性安定性
が向上する。
【0021】導電付与剤および通電安定剤として、よう
素と酸化カドミウムが併用され、サーミスタB定数と高
温通電安定性の向上に寄与している。これらの材料は、
0.01〜30重量部配合される。0.01重量部より
少ないと増感性及び通電安定効果が低く、30重量部よ
り多いとポリアミド組成物の物理的性質を著しく損な
う。また、高温度で長期間使用した場合に、よう素イオ
ンの受容体としては余剰の酸化カドミウムが機能し、金
属電極表面のよう化金属の生成防止に寄与している。さ
らに、酸化カドミウムは熱溶融混練過程で、よう素と反
応してよう化カドミウムを生成し通電安定性を向上させ
る作用が働くという連環サイクルが機能すると考えられ
る。従って、高分子感温体の熱安定性を向上させ温度セ
ンサ付感熱ヒータとして耐熱安定性を著しく増すことが
できる。
【0022】また、電極材料依存性は銀板、金板、およ
び銅板に銀メッキ、錫メッキ、半田メッキに使用して、
同様に試験した結果、いずれの場合も銅板より同等以上
の通電安定性を示すことを確かめた。これは、電極表面
状態が銅板の場合と比較して安定であるためで、高分子
感温体の通電安定性に大きく寄与している。なお、ここ
に挙げた電極材料以外にも、酸化しにくい電極材料であ
れば、通電安定性は向上する。
【0023】感温素子の評価のため、ナイロン12(1
00重量部)、よう素(4重量部)、酸化カドミウム
(5重量部)よりなるナイロン配合物のペレットを作成
し、このペレットを押出し加工して図1に示す構成の感
温素子、すなわち温度検知線を作成した。図1の各構成
要素について説明すると、1は1500デニールのポリ
エステル芯糸、2は0.5%銀入銅線の電極線、3は本
発明の実施例1のナイロン感温体層、4は発熱線、5は
耐熱塩化ビニル外被である。この温度検知線のサーミス
タB定数は10500(K)を示した。また、耐熱寿命
試験として行った120℃における連続100V通電に
対しても3000時間の耐久性を示し、実用的に問題の
ないことがわかった。
【0024】本発明の第1の実施例によれば要素と酸化
カドミウムの併用配合は、高分子感温体としてのサーミ
スタB定数の向上と、通電安定特性を有することができ
る。
【0025】次に、本発明の第2の実施例を説明する。
本実施例では、実施例1で示したポリアミド、導電付与
剤及び通電安定剤、よう素受容体、フェノール化合物の
アルデヒド重宿合体に加えて、上記酸化カドミウムと相
乗作用して銅電極とポリアミド組成物との界面安定化の
ために金属不活性剤のデカメチレンジカルボン酸ジサリ
チロイルヒドラジド、N、N’−ビス[3−(3、5−
ジ−t−ブチルヒドロキシフェニル)プロピオニル]ヒ
ドラジンや1、2、3ベンゾトリアゾールおよびその誘
導体として1−ヒドロキシメチルベンゾトリアゾールお
よび1、2−ジカルボキシエチルベンゾトリアゾールを
用いた。
【0026】酸化防止性と熱安定性を高める構成とし
て、亜リン酸エステル系化合物としてテトラフェニル・
ジプロピレングリコールジホスファイト(分子量56
6、リン濃度10.9重量%)、テトラフェニルテトラ
(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイ
ト(分子量1424、リン濃度8.7重量%)、水添フ
ェノールA・ペンタエリスリトールホスファイトポリマ
ー(分子量2500〜3100、リン濃度13.8重量
%)を選んだ。さらにナイロン感温体の耐熱性を高める
ためにナフチルアミンとしてフェニル−α−ナフチルア
ミンを添加した。また酸化防止性を高めるためにヒンダ
ードフェノールとしてペンタエリスリチル−テトラキス
[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート](CHIBA GEICY製、
商品名「イルガノックス1010」)を選択した。組成
比は、ナイロン100重量部に対して添加剤は全て0.
5〜1.0重量部とした。
【0027】測定用の試料は本発明の第1の実施例と同
じように、以上の材料を各種ポリアミドに配合し、押し
出し機により混練りした後、加熱プレスで約70×70
mm、厚さ1mmのシートに成形し、その両面に銅板の電極
を設けて測定電極を作成した。また、電極材料依存性は
銀板、金板、および銅板に銀メッキ、錫メッキ、半田メ
ッキ等を施したものを用いた。インピーダンスの温度依
存性は40〜80℃におけるサーミスタB定数で表し
た。また耐熱安定性は、120℃中での空気加熱老化試
験をダンベル試験片で行い、降状点強度の半減する時間
で評価した。さらに、通電安定性の評価については10
0℃における初期のインピーダンスと、100℃で10
0Vの半波通電を1000時間行った後の試料について
初期のインピーダンスを示す温度を求め、100℃との
温度差ΔTzで表した。なお40〜80℃におけるサー
ミスタB定数は40℃におけるインピーダンスZ40お
おび80℃におけるインピーダンスZ80を測定し、そ
の結果をもとに算出した。
【0028】よう素と酸化カドミウム、及びフェノール
化合物のアルデヒド重宿合体、金属不活性剤、亜リン酸
エステル系化合物、ナフチルアミン、ヒンダードフェノ
ールを組み合わせて配合した高分子感温体において電極
材料に銅板を用いた測定結果を(表3)および(表4)
に、また(表3)および(表4)の中から代表的な配合
について各種の電極材料を用いた高分子感温帯の測定結
果を(表5)および(表6)に示す。
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】本発明の第2の実施例によれば、金属不活
性剤、亜リン酸エステル系化合物、ナフチルアミンまた
はヒンダードフェノールを配合すれば耐熱安定性は、ダ
ンベル試験片による空気加熱老化試験結果から、降状点
強度性能においても前記材料を配合しない従来よりも高
く、耐熱安定性が優れていることがわかる。しかも、前
記材料を組み合わせて配合してもサーミスタB定数、通
電安定性も損なわない。また、電極材料に酸化しにくい
材料を選択すれば、通電安定性も向上する。なお、ここ
に挙げたような電極材料以外にも、酸化を起こしにくい
電極材料であれば通電安定性は向上する。
【0034】本実施例では、導電付与剤および通電安定
剤として、よう素と酸化カドミウムが併用され、サーミ
スタB定数と高温通電安定性の向上に寄与している。
【0035】金属不活性剤が銅電極とポリアミド組成物
間の界面安定化が図られ、また亜リン酸エステルが耐熱
安定性と防錆作用の向上に寄与している。ナフチルアミ
ンは耐熱性の向上に寄与している。さらに、ヒンダード
フェノールを添加することにより耐熱酸化防止性能を相
乗的に向上させる。そして、フェノール系化合物のアル
デヒド重宿合体には、p−オキシ安息香酸オクチルエス
テル−アルデヒド重宿合体およびp−オキシ安息香酸イ
ソステアリルエステル−ホルムアルデヒド重宿合体が層
溶性および耐湿性の点で優れているが、p−オキシ安息
香酸アルキルエステル以外にp−ドデシルフェノール、
p−クロロフェノール、p−オキシ安息香酸ノニルエス
テルなどのアルデヒド重宿合体であってもよい。これら
は、ポリアミドに対し、5〜30重量部配合される。5
重量部より少ないと効果が低く、30重量部より多いと
組成物の物理的性質を著しく損なう。
【0036】さらに、感温素子としての評価のため、ナ
イロン12(100重量部)、よう素(4重量部)と酸
化カドミウム(5重量部)、テトラフェニルテトラ(ト
リデシル)ペンタエリスリトールテトラホスファイト
(0.5重量部)、ペンタエリスリチル−テトラキス
[3−(3、5−t−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート](0.5重量部)よりなるナイ
ロン配合物のペレットを作成し、このペレットを押出し
加工して図1に示す構成の感温素子、すなわち温度検知
線を作成した。図1の各構成要素について説明すると、
1は1500デニールのポリエステル芯糸、2は0.5
%銀入銅線の電極線、3は本発明の第2の実施例である
ナイロン感温体層、4は発熱線、5は耐熱塩化ビニル外
被である。この温度検知線のサーミスタB定数は102
00(K)を示した。また、耐熱寿命試験として行った
120℃における連続100V通電に対しても5000
時間以上の耐久性を示し、実用的に問題のないことがわ
かった。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように本発明に
よれば、ポリアミドによう素と酸化カドミウムを配合し
た高分子感温体は、ナイロン樹脂物のみと比較してサー
ミスタB定数を向上させる。さらに通電後も特定安定に
寄与する。
【0038】さらに金属不活性剤とリン濃度が適度な値
を持つ亜リン酸エステル系化合物と、さらにヒンダード
フェノールまたはナフチルアミンを併用することによ
り、高温保存試験においても長期間にわたり機械的強度
と電気特性が相乗的に安定化され、多くの実用的な用途
における信頼性の高い高分子感温体を提供することがで
きる。また、上記の高分子感温体を用いて温度見知感度
が高く、かつ耐熱性の良い感温素子が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高分子感温体を用いた温度検知ヒータ
線の構成を示す一部切欠側面図
【図2】体積固有インピーダンスの温度依存性から通電
安定性評価を示す図
【符号の説明】
1 ポリエステル芯糸 2 電極線 3 高分子感温体 4 発熱線 5 耐熱塩化ビニル外被
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 5/24 C08K 5/24 5/3472 5/3472 5/524 5/524 C08L 67/02 C08L 67/02 77/02 77/02 G01K 7/16 G01K 7/16 S (56)参考文献 特開 昭55−100693(JP,A) 特開 昭60−106102(JP,A) 特開 平6−3198(JP,A) 特開 平6−151111(JP,A) 特開 平6−151114(JP,A) 特開 平7−142208(JP,A) 特開 平7−142209(JP,A) 特開 平7−142210(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01C 7/04 C08K 3/02 C08K 3/22 C08K 5/13 C08K 5/18 C08K 5/24 C08K 5/3472 C08K 5/524 C08L 67/02 C08L 77/02 G01K 7/16

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアミドに、よう素と酸化カドミウムを
    配合したポリアミド組成物よりなる高分子感温体。
  2. 【請求項2】ポリアミドに、よう素と酸化カドミウムと
    リン濃度が3〜20重量部で分子量が200〜5000
    の亜リン酸エステル系化合物と、さらにナフチルアミン
    またはヒンダードフェノール系耐熱安定剤より選ばれた
    少なくとも一種の化合物とを配合したポリアミド組成物
    を主体とする高分子感温体。
  3. 【請求項3】ポリアミドが、下記(a)〜(e)よりな
    る群から選ばれた少なくとも1種である請求項1または
    2記載の高分子感温体。 (a)ポリウンデカンアミド (b)ポリドデカンアミド (c)ポリウンデカンアミドあるいはポリドデカンアミ
    ドのN−アルキル置換アミド共重合体 (d)ポリウンデカンアミドあるいはポリドデカンアミ
    ドのエーテルアミド共重合体 (e)ダイマー酸含有ポリアミド
  4. 【請求項4】下記(1)(2)よりなる群から選ばれた
    少なくとも1種を含む金属不活性剤を備えた請求項2記
    載の高分子感温体。 (1)ヒドラジン類:デカメチレンジカルボン酸ジサリ
    チロイルヒドラジドN,N’−ビス[3−(3、5−ジ
    −t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニ
    ル]ヒドラジン (2)トリアゾール類:ベンゾトリアゾールおよびその
    誘導体
  5. 【請求項5】ヒンダードフェノールがトリエチレングリ
    コール−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒ
    ドロキシフェニル)プロピオネート]またはペンタエリ
    スリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル
    −4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]または
    N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5ジ−t−ブチル
    −4−ヒドロキシ−ヒドロキシンナマミド)または3,
    9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキ
    シ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]−1,
    1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキ
    サスピロ[5,5]ウンデカンより選ばれた少なくとも
    1種である請求項2記載の高分子感温体。
  6. 【請求項6】ナフチルアミンがフェニール−α−ナフチ
    ルアミンまたはN’,N−ジ−β−ナフチル−pフェニ
    レンジアミンより選ばれた少なくとも1種である請求項
    2記載の高分子感温体。
  7. 【請求項7】亜リン酸エステル系化合物がテトラフェニ
    ル・ジプロピレングリコールジホスファイトまたはテト
    ラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトール
    テトラホスファイトまたは水添フェノールA・ペンタエ
    リスリトールホスファイトポリマより選ばれた少なくと
    も1種である請求項2記載の高分子感温体。
  8. 【請求項8】ポリアミド組成物がオキシ安息香酸エステ
    ル・ホルムアルデヒド重縮合体を含んでなる請求項1ま
    たは3記載の高分子感温体。
  9. 【請求項9】請求項1から請求項9のいずれか1項記載
    の高分子感温体を一対の電極間に配設し、前記両電極間
    にある前記高分子感温体の物理的性質の温度による変化
    を前記両電極により検出する感温素子。
  10. 【請求項10】電極のうち、いずれか一方および両極の
    少なくとも表面層に、金、白金、パラジウム、銅、銀、
    錫、半田、チタン、ニッケル、インジウムを用いてなる
    請求項9記載の感温素子。
  11. 【請求項11】電極のうち、いずれか一方および両極の
    材料が、金、白金、パラジウム、銅、銀、錫、半田、チ
    タン、ニッケル、インジウムを含む内部層とは異なる他
    種金属からなる請求項9記載の感温素子。
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