JPH09183968A - 冷熱剤 - Google Patents
冷熱剤Info
- Publication number
- JPH09183968A JPH09183968A JP35252795A JP35252795A JPH09183968A JP H09183968 A JPH09183968 A JP H09183968A JP 35252795 A JP35252795 A JP 35252795A JP 35252795 A JP35252795 A JP 35252795A JP H09183968 A JPH09183968 A JP H09183968A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phosphate
- cooling
- sodium
- ammonium
- crystals
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Bedding Items (AREA)
- Thermotherapy And Cooling Therapy Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】頭部や患部などの冷却に使用する冷熱剤におい
て、冷蔵庫内で冷却放置しても結晶が塊状化することな
く、冷却性能および感触が優れ、長時間にわたって爽快
感が得られる、しかも繰り返して使用できる清涼枕用な
どの冷却具を得る。 【解決手段】燐酸ナトリウム塩類と、燐酸水素アンモニ
ウムナトリウムまたは燐酸アンモニウム塩類と水とを主
成分とし、−5〜5℃に冷却して結晶を析出させる。必
要に応じ、結晶核形成剤、高分子保水剤、増粘剤などを
添加する。
て、冷蔵庫内で冷却放置しても結晶が塊状化することな
く、冷却性能および感触が優れ、長時間にわたって爽快
感が得られる、しかも繰り返して使用できる清涼枕用な
どの冷却具を得る。 【解決手段】燐酸ナトリウム塩類と、燐酸水素アンモニ
ウムナトリウムまたは燐酸アンモニウム塩類と水とを主
成分とし、−5〜5℃に冷却して結晶を析出させる。必
要に応じ、結晶核形成剤、高分子保水剤、増粘剤などを
添加する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷熱剤に関し、さら
に詳細には、優れた冷却性能および触感を有すると同時
に、冷蔵庫内などで冷却した場合においても結晶が塊状
化したりすることがなく、頭部や患部などの冷却に使用
する場合に違和感を生じたり、袋が破れたりする心配が
なく、快適かつ安全性の高い冷却具を得るための冷熱剤
に関する。
に詳細には、優れた冷却性能および触感を有すると同時
に、冷蔵庫内などで冷却した場合においても結晶が塊状
化したりすることがなく、頭部や患部などの冷却に使用
する場合に違和感を生じたり、袋が破れたりする心配が
なく、快適かつ安全性の高い冷却具を得るための冷熱剤
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、頭や患部を冷やす目的などで氷の
う、水枕などが古くから使用されている。また、凝固点
の低い溶液や高分子ゲル状化合物を冷却し、その顕熱を
利用する方法も知られている。さらに最近では、無機塩
類の結晶が水に溶ける際に生ずる吸熱を利用した清涼枕
なども市販されつつあり、これに用いる冷熱剤として、
硫酸ナトリウムと水、あるいは燐酸水素2ナトリウムと
水を組み合わせたもの(実公平4−21809号公報)
そのほかに、燐酸ナトリウム塩類と燐酸アンモニウム塩
類または燐酸アンモニウムナトリウム塩類と水と組みを
合わせたもの(特開平7−48565号公報)などが知
られている。
う、水枕などが古くから使用されている。また、凝固点
の低い溶液や高分子ゲル状化合物を冷却し、その顕熱を
利用する方法も知られている。さらに最近では、無機塩
類の結晶が水に溶ける際に生ずる吸熱を利用した清涼枕
なども市販されつつあり、これに用いる冷熱剤として、
硫酸ナトリウムと水、あるいは燐酸水素2ナトリウムと
水を組み合わせたもの(実公平4−21809号公報)
そのほかに、燐酸ナトリウム塩類と燐酸アンモニウム塩
類または燐酸アンモニウムナトリウム塩類と水と組みを
合わせたもの(特開平7−48565号公報)などが知
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、氷のう
や水枕は一般的に重量が大きくなり、氷や冷水を使用の
度毎に準備する必要があるなど不便な点が多い。また、
凝固点の低い溶液や高分子ゲル状化合物を冷却して用い
る方法では、簡便さの点などでは氷のうや水枕より優れ
ているが、重量当りの冷却容量が小さいほか、高分子ゲ
ル状化合物の場合には温度が低い領域では硬くなり違和
感を生ずる欠点がある。さらに、硫酸ナトリウムと水と
の組み合わせや、燐酸水素2ナトリウムと水と組み合わ
せた冷熱剤では、一度結晶の溶解後、再結晶させると、
結晶の粒が大きくなり、使用時の感触が悪く、不快感を
生ずるばかりでなく、そのまま放置しておくと結晶が塊
状化し、冷熱剤を収納した袋が固い結晶により衝撃で破
れてしまうなどの欠点があった。一方、燐酸ナトリウム
塩類と燐酸アンモニウム塩類または、燐酸アンモニウム
ナトリウム塩類と水を組み合わせたものでは、細かい結
晶が析出し、感触に優れており、そのまま放置しても結
晶が塊状化することはないが長期間繰り返し使用した場
合には次第に粗大な結晶が析出し、違和感を生じるよう
になるとともに、袋が破れる恐れがあった。
や水枕は一般的に重量が大きくなり、氷や冷水を使用の
度毎に準備する必要があるなど不便な点が多い。また、
凝固点の低い溶液や高分子ゲル状化合物を冷却して用い
る方法では、簡便さの点などでは氷のうや水枕より優れ
ているが、重量当りの冷却容量が小さいほか、高分子ゲ
ル状化合物の場合には温度が低い領域では硬くなり違和
感を生ずる欠点がある。さらに、硫酸ナトリウムと水と
の組み合わせや、燐酸水素2ナトリウムと水と組み合わ
せた冷熱剤では、一度結晶の溶解後、再結晶させると、
結晶の粒が大きくなり、使用時の感触が悪く、不快感を
生ずるばかりでなく、そのまま放置しておくと結晶が塊
状化し、冷熱剤を収納した袋が固い結晶により衝撃で破
れてしまうなどの欠点があった。一方、燐酸ナトリウム
塩類と燐酸アンモニウム塩類または、燐酸アンモニウム
ナトリウム塩類と水を組み合わせたものでは、細かい結
晶が析出し、感触に優れており、そのまま放置しても結
晶が塊状化することはないが長期間繰り返し使用した場
合には次第に粗大な結晶が析出し、違和感を生じるよう
になるとともに、袋が破れる恐れがあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは結晶化時に
塊状化することがなく、安全で、しかも優れた感触と冷
却感を備えた冷熱剤を得るべく研究を重ねた結果、室温
近辺で結晶を析出する無機塩として燐酸ナトリウム塩類
と燐酸アンモニウムナトリウム、燐酸アンモニウムなど
の塩類とを併用し、−5〜5℃に冷却することにより微
細で柔軟な結晶を再現性よく析出させることができるこ
とを見い出し、本発明に到達した。すなわち本発明は、
燐酸ナトリウム塩類と、燐酸アンモニウムナトリウ
ム塩類または燐酸アンモニウム塩類と、水とを混合
し、−5〜5℃に冷却して結晶を析出させ、該結晶が室
温近辺での温度上昇により溶媒である水に溶けてゆく際
に生ずる吸熱を利用することを特徴とする冷熱剤であ
る。
塊状化することがなく、安全で、しかも優れた感触と冷
却感を備えた冷熱剤を得るべく研究を重ねた結果、室温
近辺で結晶を析出する無機塩として燐酸ナトリウム塩類
と燐酸アンモニウムナトリウム、燐酸アンモニウムなど
の塩類とを併用し、−5〜5℃に冷却することにより微
細で柔軟な結晶を再現性よく析出させることができるこ
とを見い出し、本発明に到達した。すなわち本発明は、
燐酸ナトリウム塩類と、燐酸アンモニウムナトリウ
ム塩類または燐酸アンモニウム塩類と、水とを混合
し、−5〜5℃に冷却して結晶を析出させ、該結晶が室
温近辺での温度上昇により溶媒である水に溶けてゆく際
に生ずる吸熱を利用することを特徴とする冷熱剤であ
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の冷熱剤において、冷熱剤
用の無機塩類としてはナトリウム含有燐酸塩類とアンモ
ニウム含有燐酸塩が併用され、これらが水と混合された
ものであり、非透水性の扁平状の袋などに密封収納され
冷蔵庫内などで冷却して用いられる。また頭部や患部な
どの冷却に使用したのちは、再度冷蔵庫などで冷却する
ことにより繰り返し使用することができる。
用の無機塩類としてはナトリウム含有燐酸塩類とアンモ
ニウム含有燐酸塩が併用され、これらが水と混合された
ものであり、非透水性の扁平状の袋などに密封収納され
冷蔵庫内などで冷却して用いられる。また頭部や患部な
どの冷却に使用したのちは、再度冷蔵庫などで冷却する
ことにより繰り返し使用することができる。
【0006】本発明において使用される燐酸ナトリウム
塩類としては、例えば燐酸水素2ナトリウム(Na2 H
PO4 )、その12H2 O水和物など、燐酸2水素ナト
リウム(NaH2 PO4 )、その2H2 O水和物など、
燐酸3ナトリウム(Na3 PO4 )、その10H2 O水
和物などが挙げられる。これらのうちでも燐酸水素2ナ
トリウムおよびその水和物を主成分とするものが好まし
い。
塩類としては、例えば燐酸水素2ナトリウム(Na2 H
PO4 )、その12H2 O水和物など、燐酸2水素ナト
リウム(NaH2 PO4 )、その2H2 O水和物など、
燐酸3ナトリウム(Na3 PO4 )、その10H2 O水
和物などが挙げられる。これらのうちでも燐酸水素2ナ
トリウムおよびその水和物を主成分とするものが好まし
い。
【0007】また、上記の燐酸ナトリウム塩類と併用さ
れる燐酸アンモニウムナトリウム塩類または燐酸アンモ
ニウム塩類としては、例えば燐酸水素アンモニウムナト
リウム(NaNH4 HPO4 )、その4H2 O水和物、
燐酸水素2アンモニウム〔(NH4 )2 HPO4 〕、燐
酸2水素アンモニウム(NH4 H2 PO4 )、燐酸3ア
ンモニウム〔(NH4 )3 PO4 〕、それらの3H2 O
水和物などである。これらのうちでも燐酸水素アンモニ
ウムナトリウム、燐酸水素2アンモニウムおよびその水
和物を主成分とするものなどが好ましい。
れる燐酸アンモニウムナトリウム塩類または燐酸アンモ
ニウム塩類としては、例えば燐酸水素アンモニウムナト
リウム(NaNH4 HPO4 )、その4H2 O水和物、
燐酸水素2アンモニウム〔(NH4 )2 HPO4 〕、燐
酸2水素アンモニウム(NH4 H2 PO4 )、燐酸3ア
ンモニウム〔(NH4 )3 PO4 〕、それらの3H2 O
水和物などである。これらのうちでも燐酸水素アンモニ
ウムナトリウム、燐酸水素2アンモニウムおよびその水
和物を主成分とするものなどが好ましい。
【0008】冷熱剤の調製方法としては、通常は、上記
のような燐酸ナトリウム塩類および燐酸水素アンモニウ
ムナトリウムまたは燐酸アンモニウム塩類自体を水と混
合することによって調製するか、あるいはこれらを加温
溶解後、再度結晶を析出させることによって調製するこ
とができるが、通常は前者の方法が用いられる。また、
水中で反応してこれらを生成する酸、アルカリおよび塩
類などを混合し、冷熱剤として用いることもできる。例
えば、燐酸水素2ナトリウムを主成分とする燐酸ナトリ
ウム塩類を生成させる方法としては、(イ)燐酸を苛性
ソーダまたは炭酸ソーダで中和する方法、(ロ)3燐酸
3ナトリウム(Na3 P3 O9 )、燐酸3ナトリウム
(Na3 PO4)、燐酸2水素ナトリウム(NaH2 P
O4 )、ピロ燐酸ナトリウム(Na4 P2 O7 )、ピロ
燐酸2水素2ナトリウム(Na2 H2 P2 O7 )、メタ
燐酸ナトリウム〔(NaPO3 )n〕、トリポリ燐酸ナ
トリウム(Na5 P3 O10)などの無水燐酸ナトリウム
塩および含水和物塩などの水溶液に燐酸を加える方法な
どがある。
のような燐酸ナトリウム塩類および燐酸水素アンモニウ
ムナトリウムまたは燐酸アンモニウム塩類自体を水と混
合することによって調製するか、あるいはこれらを加温
溶解後、再度結晶を析出させることによって調製するこ
とができるが、通常は前者の方法が用いられる。また、
水中で反応してこれらを生成する酸、アルカリおよび塩
類などを混合し、冷熱剤として用いることもできる。例
えば、燐酸水素2ナトリウムを主成分とする燐酸ナトリ
ウム塩類を生成させる方法としては、(イ)燐酸を苛性
ソーダまたは炭酸ソーダで中和する方法、(ロ)3燐酸
3ナトリウム(Na3 P3 O9 )、燐酸3ナトリウム
(Na3 PO4)、燐酸2水素ナトリウム(NaH2 P
O4 )、ピロ燐酸ナトリウム(Na4 P2 O7 )、ピロ
燐酸2水素2ナトリウム(Na2 H2 P2 O7 )、メタ
燐酸ナトリウム〔(NaPO3 )n〕、トリポリ燐酸ナ
トリウム(Na5 P3 O10)などの無水燐酸ナトリウム
塩および含水和物塩などの水溶液に燐酸を加える方法な
どがある。
【0009】また、燐酸水素アンモニウムナトリウム塩
類を主成分とするアンモニウム塩を生成させる方法とし
ては、例えば、(ハ)燐酸水素2ナトリウム水溶液に塩
化アンモニウムを加える方法、(ニ)燐酸2水素アンモ
ニウム、燐酸水素2アンモニウム、燐酸3アンモニウム
の無水燐酸塩および含水和物塩などの水溶液に苛性ソー
ダを加える方法、(ホ)燐酸とアンモニア水とから燐酸
アンモニウム塩類を作り、さらに、前記(ニ)の工程を
経て製造する方法などがある。これらの方法では生成条
件によってはその他の燐酸ナトリウム塩類または燐酸ア
ンモニウム塩類が同時に混生してくることもあるが、そ
のまま冷熱剤に使用することができる。
類を主成分とするアンモニウム塩を生成させる方法とし
ては、例えば、(ハ)燐酸水素2ナトリウム水溶液に塩
化アンモニウムを加える方法、(ニ)燐酸2水素アンモ
ニウム、燐酸水素2アンモニウム、燐酸3アンモニウム
の無水燐酸塩および含水和物塩などの水溶液に苛性ソー
ダを加える方法、(ホ)燐酸とアンモニア水とから燐酸
アンモニウム塩類を作り、さらに、前記(ニ)の工程を
経て製造する方法などがある。これらの方法では生成条
件によってはその他の燐酸ナトリウム塩類または燐酸ア
ンモニウム塩類が同時に混生してくることもあるが、そ
のまま冷熱剤に使用することができる。
【0010】本発明に係る冷熱剤は、比較的低い温度領
域、例えば−5〜20℃のような温度で結晶が析出し、
体温により温度が上昇する領域、例えば20〜28℃の
ような温度で析出した結晶が吸熱を生じながら溶解しう
るように塩類の濃度、混合割合が適宜定められる。燐酸
ナトリウム塩類と燐酸アンモニウムナトリウム塩類また
は燐酸アンモニウム塩類を合わせた塩類の重量は、水溶
液として存在するものと結晶となって析出するものを合
わせ、無水物換算で通常は、冷熱剤総重量の5〜60重
量%、好ましくは15〜35重量%、より好ましくは2
0〜30重量%である。塩類の重量が5重量%よりも小
さくなると再結晶化し難くなり、一方、60重量%より
も大きくなると結晶の量が多くなり過ぎて冷熱剤の感触
が低下する恐れが生ずる。
域、例えば−5〜20℃のような温度で結晶が析出し、
体温により温度が上昇する領域、例えば20〜28℃の
ような温度で析出した結晶が吸熱を生じながら溶解しう
るように塩類の濃度、混合割合が適宜定められる。燐酸
ナトリウム塩類と燐酸アンモニウムナトリウム塩類また
は燐酸アンモニウム塩類を合わせた塩類の重量は、水溶
液として存在するものと結晶となって析出するものを合
わせ、無水物換算で通常は、冷熱剤総重量の5〜60重
量%、好ましくは15〜35重量%、より好ましくは2
0〜30重量%である。塩類の重量が5重量%よりも小
さくなると再結晶化し難くなり、一方、60重量%より
も大きくなると結晶の量が多くなり過ぎて冷熱剤の感触
が低下する恐れが生ずる。
【0011】また、燐酸ナトリウム塩類に対する燐酸水
素アンモニウムナトリウム、燐酸アンモニウム塩類の割
合には特に制限はないが、冷熱剤中の燐酸塩全体に含ま
れるNaとNH4 基との割合(Na/NH4 )がモル比
で、通常は1:5〜5:1、好ましくは1:1〜5:1
であり、かつ、PO4 基1モルに対するNaとNH4基
の合計モル比、すなわち〔(Na+NH4 )/PO4 〕
が通常は1:1.5〜2.5、好ましくは1:1.8〜
1:2.2とされる。Na、NH4 基およびPO4 基の
割合のバランスがこれらの範囲から外れすぎると、結晶
の粒が大きくなったり、塊状化したりする恐れがあり、
また、溶液のPHが10以上または4以下となって製造
時の取扱いに安全上の問題を生ずる恐れがある。
素アンモニウムナトリウム、燐酸アンモニウム塩類の割
合には特に制限はないが、冷熱剤中の燐酸塩全体に含ま
れるNaとNH4 基との割合(Na/NH4 )がモル比
で、通常は1:5〜5:1、好ましくは1:1〜5:1
であり、かつ、PO4 基1モルに対するNaとNH4基
の合計モル比、すなわち〔(Na+NH4 )/PO4 〕
が通常は1:1.5〜2.5、好ましくは1:1.8〜
1:2.2とされる。Na、NH4 基およびPO4 基の
割合のバランスがこれらの範囲から外れすぎると、結晶
の粒が大きくなったり、塊状化したりする恐れがあり、
また、溶液のPHが10以上または4以下となって製造
時の取扱いに安全上の問題を生ずる恐れがある。
【0012】本発明において、冷熱剤の結晶析出量およ
び溶解温度を調節するなどの目的で必要に応じて上記の
塩類にさらに、その他の塩類を併用することもできる。
例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナト
リウムカリウム、炭酸クロムナトリウム、炭酸スカンジ
ウムナトリウム、炭酸セリウムナトリウム、硫酸ナトリ
ウムおよびこれらの水和物などが併用できる。
び溶解温度を調節するなどの目的で必要に応じて上記の
塩類にさらに、その他の塩類を併用することもできる。
例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナト
リウムカリウム、炭酸クロムナトリウム、炭酸スカンジ
ウムナトリウム、炭酸セリウムナトリウム、硫酸ナトリ
ウムおよびこれらの水和物などが併用できる。
【0013】本発明において、結晶の析出を容易にする
などの目的で結晶核形成剤を添加することが好ましい。
結晶核形成剤としてはリチウム、カリウムまたはアルカ
リ土類金属の燐酸塩、水酸化物およびそれらの水和物な
どである。燐酸塩としては、燐酸カリウム塩類、燐酸ス
トロンチウム塩類、燐酸リチウム塩類、燐酸カルシウム
塩類、燐酸バリウム塩類、燐酸マグネシウム塩類および
それらの水和物などであり、例えば、燐酸2水素カリウ
ム、燐酸水素2カリウム、燐酸3カリウム、燐酸3リチ
ウム、燐酸水素2リチウム、燐酸2水素リチウム、2燐
酸3ストロンチウム、燐酸水素ストロンチウム、2燐酸
4水素ストロンチウム、2燐酸3カルシウム、燐酸水素
カルシウム、2燐酸4水素カルシウム、2燐酸3マグネ
シウム、燐酸水素マグネシウム、2燐酸4水素マグネシ
ウム、2燐酸3バリウム、燐酸水素バリウム、2燐酸4
水素バリウムおよびこれらの水和物などであり、これら
の他に水中で加水分解してこれらの塩類を生成するピロ
燐酸塩類なども有効である。また、水酸化物としては、
例えば、水酸化ストロンチウム、水酸化カルシウム、水
酸化リチウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウムお
よびそれらの水和物などが挙げられる。これらのうちで
も燐酸カリウム塩類、燐酸カルシウム塩類、燐酸ストロ
ンチウム塩類、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウ
ム、およびそれらの水和物などが好ましく、燐酸2水素
カリウム、燐酸水素2カリウム、燐酸水素カルシウム、
燐酸水素ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、およ
びそれらの水和物などが特に好ましい。これらの結晶核
形成剤はそれぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上
を併用してもよい。
などの目的で結晶核形成剤を添加することが好ましい。
結晶核形成剤としてはリチウム、カリウムまたはアルカ
リ土類金属の燐酸塩、水酸化物およびそれらの水和物な
どである。燐酸塩としては、燐酸カリウム塩類、燐酸ス
トロンチウム塩類、燐酸リチウム塩類、燐酸カルシウム
塩類、燐酸バリウム塩類、燐酸マグネシウム塩類および
それらの水和物などであり、例えば、燐酸2水素カリウ
ム、燐酸水素2カリウム、燐酸3カリウム、燐酸3リチ
ウム、燐酸水素2リチウム、燐酸2水素リチウム、2燐
酸3ストロンチウム、燐酸水素ストロンチウム、2燐酸
4水素ストロンチウム、2燐酸3カルシウム、燐酸水素
カルシウム、2燐酸4水素カルシウム、2燐酸3マグネ
シウム、燐酸水素マグネシウム、2燐酸4水素マグネシ
ウム、2燐酸3バリウム、燐酸水素バリウム、2燐酸4
水素バリウムおよびこれらの水和物などであり、これら
の他に水中で加水分解してこれらの塩類を生成するピロ
燐酸塩類なども有効である。また、水酸化物としては、
例えば、水酸化ストロンチウム、水酸化カルシウム、水
酸化リチウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウムお
よびそれらの水和物などが挙げられる。これらのうちで
も燐酸カリウム塩類、燐酸カルシウム塩類、燐酸ストロ
ンチウム塩類、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウ
ム、およびそれらの水和物などが好ましく、燐酸2水素
カリウム、燐酸水素2カリウム、燐酸水素カルシウム、
燐酸水素ストロンチウム、水酸化ストロンチウム、およ
びそれらの水和物などが特に好ましい。これらの結晶核
形成剤はそれぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上
を併用してもよい。
【0014】これらの結晶核形成剤を添加、混合するこ
とにより、通常は、結晶は細かく安定した析出状態とな
るが、水酸化物を用いる場合には、より細かい結晶を析
出させるために添加後、一旦80℃程度に加熱した後、
冷却し、結晶を析出させて使用することが好ましい。結
晶核形成剤の量は冷熱剤の薬剤全体の0.01〜5重量
%、好ましくは0.05〜3重量%である。
とにより、通常は、結晶は細かく安定した析出状態とな
るが、水酸化物を用いる場合には、より細かい結晶を析
出させるために添加後、一旦80℃程度に加熱した後、
冷却し、結晶を析出させて使用することが好ましい。結
晶核形成剤の量は冷熱剤の薬剤全体の0.01〜5重量
%、好ましくは0.05〜3重量%である。
【0015】本発明において、塊状化を防止し、常に細
かい結晶状態を維持させ、ソフト感を得るとともに万一
袋が破れても人体に薬液が飛散しないよう安全性を高め
る目的などで高分子保水剤、増粘剤、高分子凝集剤など
を添加することができる。高分子保水剤としては、例え
ばポリアクリル酸、でんぷん−アクリル酸グラフト共重
合物、マレイン酸共重合物、ポリビニルアルコール、イ
ソブチレン−マレイン酸共重合物など、増粘剤として
は、例えばキサンタンガム(多糖類)、カルボキシメチ
ルセルロース、セピオライト粘土など、高分子凝集剤と
しては、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性イ
オン系などがあり、例えばポリメタアクリル酸エステ
ル、ポリアリルアミン、ポリアクリルアミド、キトサ
ン、ポリアクリル酸ソーダ、アクリルアミド−アクリル
酸ソーダ共重合物、ポリアクリルアミド部分加水分解
物、ポリエチレンオキサイドなどが挙げられる。これら
はそれぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上を併用
してもよい。これらのうちでも、高分子系保水剤および
多糖類系増粘剤が好ましく、前者では例えばサンフレッ
シュIM−500D、同ST−500MPS(三洋化成
工業(株)製)、アクアリックCS6S、同6HM
((株)日本触媒製)などのポリアクリル酸系高分子保
水剤、特に、サンフレッシュST−500MPS、アク
アリックCS6Sなどの微粉末状のもの、後者では例え
ば、ケルザム(米、ケルコ社製、キサンタンガム)など
が好ましい。添加量は、通常は冷熱剤全体の0.01〜
3重量%であり、好ましくは0.1〜2重量%である。
かい結晶状態を維持させ、ソフト感を得るとともに万一
袋が破れても人体に薬液が飛散しないよう安全性を高め
る目的などで高分子保水剤、増粘剤、高分子凝集剤など
を添加することができる。高分子保水剤としては、例え
ばポリアクリル酸、でんぷん−アクリル酸グラフト共重
合物、マレイン酸共重合物、ポリビニルアルコール、イ
ソブチレン−マレイン酸共重合物など、増粘剤として
は、例えばキサンタンガム(多糖類)、カルボキシメチ
ルセルロース、セピオライト粘土など、高分子凝集剤と
しては、カチオン系、アニオン系、ノニオン系、両性イ
オン系などがあり、例えばポリメタアクリル酸エステ
ル、ポリアリルアミン、ポリアクリルアミド、キトサ
ン、ポリアクリル酸ソーダ、アクリルアミド−アクリル
酸ソーダ共重合物、ポリアクリルアミド部分加水分解
物、ポリエチレンオキサイドなどが挙げられる。これら
はそれぞれ単独で用いてもよく、また、2種以上を併用
してもよい。これらのうちでも、高分子系保水剤および
多糖類系増粘剤が好ましく、前者では例えばサンフレッ
シュIM−500D、同ST−500MPS(三洋化成
工業(株)製)、アクアリックCS6S、同6HM
((株)日本触媒製)などのポリアクリル酸系高分子保
水剤、特に、サンフレッシュST−500MPS、アク
アリックCS6Sなどの微粉末状のもの、後者では例え
ば、ケルザム(米、ケルコ社製、キサンタンガム)など
が好ましい。添加量は、通常は冷熱剤全体の0.01〜
3重量%であり、好ましくは0.1〜2重量%である。
【0016】本発明の冷熱剤は通常は非透水性の袋に密
封収納され、主に清涼枕として使用される他、患部など
を冷やすための冷却袋などとして使用することもでき
る。冷熱剤を収納する袋の材質には合成樹脂フィルムな
どが用いられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリイソシアネートなどの合成樹脂フィ
ルムおよびこれらの複合フィルムであり、強度、柔軟
性、加工のし易さおよび価格面などからポリ塩化ビニ
ル、ナイロンおよびこれらの複合フィルムなどが好まし
い。
封収納され、主に清涼枕として使用される他、患部など
を冷やすための冷却袋などとして使用することもでき
る。冷熱剤を収納する袋の材質には合成樹脂フィルムな
どが用いられ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリエステル、ナイロン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリイソシアネートなどの合成樹脂フィ
ルムおよびこれらの複合フィルムであり、強度、柔軟
性、加工のし易さおよび価格面などからポリ塩化ビニ
ル、ナイロンおよびこれらの複合フィルムなどが好まし
い。
【0017】これらを清涼枕とする場合には、冷熱剤は
偏平状の袋に収納されるが、より優れた感触をもたせ、
快適に安眠でき、疲労回復効果を高める目的で、合成樹
脂フィルムの袋の外面の全面または片面を脱脂綿、ガー
ゼ、吸水性繊維層よりなる不織布、吸水性繊維層を植毛
した植毛布などで覆うか、または張り合わせたような形
態としてもよい。扁平状の袋の大きさ、形状には特に制
限はなく、通常知られている種々の枕などに適用しうる
大きさの面積を有するものであればよく、例えば、長方
形、正方形、円形、楕円形など使用目的や好みなどに応
じて任意の形状とすることができる。冷熱剤を収納した
偏平状の袋は、例えば、そのまま、またはこれをさらに
ソフトなカバー材などで覆うか、あるいはポケットなど
の収納部が設けられた厚手の枕などに収納されて清涼枕
とされる。
偏平状の袋に収納されるが、より優れた感触をもたせ、
快適に安眠でき、疲労回復効果を高める目的で、合成樹
脂フィルムの袋の外面の全面または片面を脱脂綿、ガー
ゼ、吸水性繊維層よりなる不織布、吸水性繊維層を植毛
した植毛布などで覆うか、または張り合わせたような形
態としてもよい。扁平状の袋の大きさ、形状には特に制
限はなく、通常知られている種々の枕などに適用しうる
大きさの面積を有するものであればよく、例えば、長方
形、正方形、円形、楕円形など使用目的や好みなどに応
じて任意の形状とすることができる。冷熱剤を収納した
偏平状の袋は、例えば、そのまま、またはこれをさらに
ソフトなカバー材などで覆うか、あるいはポケットなど
の収納部が設けられた厚手の枕などに収納されて清涼枕
とされる。
【0018】このようにして得られた清涼枕や冷却袋な
どは、−5〜5℃のような温度に冷却して細かい多量の
結晶を析出させた状態で使用される。冷熱剤は頭部など
を冷却しながらその熱を吸収し、温度上昇によって結晶
が再度溶解してゆくが、この間は溶解による吸熱が続く
ので20〜28℃のような所望の温度に維持され、長時
間にわたって爽快感が得られる。そして使用後は−5〜
5℃のような低温雰囲気下、または冷蔵庫内などに置く
ことによって再度結晶が析出するのでそのままの繰り返
して使用することができる。
どは、−5〜5℃のような温度に冷却して細かい多量の
結晶を析出させた状態で使用される。冷熱剤は頭部など
を冷却しながらその熱を吸収し、温度上昇によって結晶
が再度溶解してゆくが、この間は溶解による吸熱が続く
ので20〜28℃のような所望の温度に維持され、長時
間にわたって爽快感が得られる。そして使用後は−5〜
5℃のような低温雰囲気下、または冷蔵庫内などに置く
ことによって再度結晶が析出するのでそのままの繰り返
して使用することができる。
【0019】
実施例1 厚さ90ミクロンで、220×240mmに裁断した無
色半透明軟質塩化ビニルフィルム2枚を重ね合わせ、3
辺をそれぞれ5mm幅で高周波溶着して1辺が開口した
扁平状の袋を製作した。この袋内に、無水物換算で燐酸
水素2ナトリウム240g、燐酸水素2アンモニウム7
8gに結晶核形成剤として燐酸水素カルシウム2水和物
1g、燐酸2水素カリウム1g、高分子保水剤としてサ
ンフレッシュST−500MPS(三洋化成工業(株)
製、微粉末タイプ)9gを添加し、これにイオン交換水
を加えて総重量1300gとして得た冷熱剤を収納し、
開口部を高周波溶着で密封して清涼枕を製作した。この
清涼枕を30℃恒温水浴槽内に浸漬し、結晶を溶解させ
てから、0℃の冷蔵庫内に一夜放置したところ、結晶が
析出した。この結晶は細かく、スラリー状であり、枕全
体が柔軟で優れた感触を有していた。
色半透明軟質塩化ビニルフィルム2枚を重ね合わせ、3
辺をそれぞれ5mm幅で高周波溶着して1辺が開口した
扁平状の袋を製作した。この袋内に、無水物換算で燐酸
水素2ナトリウム240g、燐酸水素2アンモニウム7
8gに結晶核形成剤として燐酸水素カルシウム2水和物
1g、燐酸2水素カリウム1g、高分子保水剤としてサ
ンフレッシュST−500MPS(三洋化成工業(株)
製、微粉末タイプ)9gを添加し、これにイオン交換水
を加えて総重量1300gとして得た冷熱剤を収納し、
開口部を高周波溶着で密封して清涼枕を製作した。この
清涼枕を30℃恒温水浴槽内に浸漬し、結晶を溶解させ
てから、0℃の冷蔵庫内に一夜放置したところ、結晶が
析出した。この結晶は細かく、スラリー状であり、枕全
体が柔軟で優れた感触を有していた。
【0020】次に、使い捨てかいろの温度特性試験法
(JIS S4100)を応用し、上記の清涼枕の片面
を30℃に保たれた恒温水浴槽の外壁に密着させ、他の
片面に熱電対温度計を取付け、面全体を3枚のネルで覆
った状態でテープによって確実に固定した後、温度変化
を測定した。その結果、結晶が徐々に溶解し0℃から2
5℃に達するまでに約11時間、28℃に上昇するまで
に計21時間と長時間にわたり、快適な温度が維持され
た。この枕を再び0℃の冷蔵庫内に放置して結晶析出の
状態を観察したところ多数の微細な結晶が析出し、全体
が粘調性を帯びたスラリー状となり、柔軟でソフト感の
あるものが得られた。そのまま一週間放置したが、状態
はほとんど変わらなかった。次に、この枕について結晶
の析出状態を観察するために30℃に温めて結晶を溶解
させたのち、0℃の冷蔵庫内に放置することを、1週間
に1回の割合で一年間繰り返したが、粒径が3mm以上
の結晶は析出しなかった。
(JIS S4100)を応用し、上記の清涼枕の片面
を30℃に保たれた恒温水浴槽の外壁に密着させ、他の
片面に熱電対温度計を取付け、面全体を3枚のネルで覆
った状態でテープによって確実に固定した後、温度変化
を測定した。その結果、結晶が徐々に溶解し0℃から2
5℃に達するまでに約11時間、28℃に上昇するまで
に計21時間と長時間にわたり、快適な温度が維持され
た。この枕を再び0℃の冷蔵庫内に放置して結晶析出の
状態を観察したところ多数の微細な結晶が析出し、全体
が粘調性を帯びたスラリー状となり、柔軟でソフト感の
あるものが得られた。そのまま一週間放置したが、状態
はほとんど変わらなかった。次に、この枕について結晶
の析出状態を観察するために30℃に温めて結晶を溶解
させたのち、0℃の冷蔵庫内に放置することを、1週間
に1回の割合で一年間繰り返したが、粒径が3mm以上
の結晶は析出しなかった。
【0021】比較例1 冷熱剤の組成として、燐酸水素2ナトリウムを無水物換
算で324gにイオン交換水を加えて総重量1300g
とした他は、実施例と同一の方法で清涼枕を製作した。
この枕を用いて実施例と同様な条件で試験をおこなった
ところ、0℃から25℃に達するまでに約6時間、28
℃に上昇するまでに13時間であった。この枕を再び0
℃の冷蔵庫内に放置して結晶析出の状態を観察したとこ
ろ6〜12mm程度の比較的大きい結晶が多数生してい
た。そのまま一週間放置したところ、結晶がさらに大き
く成長して塊状物となっており、指で力を加えただけで
は潰すことができなかった。
算で324gにイオン交換水を加えて総重量1300g
とした他は、実施例と同一の方法で清涼枕を製作した。
この枕を用いて実施例と同様な条件で試験をおこなった
ところ、0℃から25℃に達するまでに約6時間、28
℃に上昇するまでに13時間であった。この枕を再び0
℃の冷蔵庫内に放置して結晶析出の状態を観察したとこ
ろ6〜12mm程度の比較的大きい結晶が多数生してい
た。そのまま一週間放置したところ、結晶がさらに大き
く成長して塊状物となっており、指で力を加えただけで
は潰すことができなかった。
【0022】比較例2 実施例1と同一の方法で清涼枕を製作した。この枕を3
0℃の恒温水槽に浸漬し、結晶を溶解させたのち、10
℃の室内に一夜放置したところ結晶が析出した。この結
晶は細かくスラリー状であり、枕全体が柔軟で優れた感
触を有していた。この枕を実施例1と同様に30℃の使
い捨てかいろの温度試験器にセットし、温度変化を測定
した。その結果、10℃から25℃に達する迄に8.5
時間、28℃に達するまでに15.5時間にわたって快
適な温度を持続した。この枕を再び10℃の室内に放置
して結晶の析出状態を観察したところ多数の微細な結晶
が析出し、全体が粘調性を帯びたスラリー状であった。
そのまま一週間放置したが状態は殆ど変わらなかった。
次にこの枕について、結晶の析出状態を観察するために
30℃に温めて結晶を溶解させたのち、10℃の室内に
放置することを一週間に一回の割合で一年間繰り返し
た。その結果、一か月経過の時点で粒径5mm程度の大
きさの結晶が5個、6か月経過の時点では粒径10mm
程度の結晶が8個、一年経過の時点では粒径20mm程
度の結晶が6個析出しているのが認められた。
0℃の恒温水槽に浸漬し、結晶を溶解させたのち、10
℃の室内に一夜放置したところ結晶が析出した。この結
晶は細かくスラリー状であり、枕全体が柔軟で優れた感
触を有していた。この枕を実施例1と同様に30℃の使
い捨てかいろの温度試験器にセットし、温度変化を測定
した。その結果、10℃から25℃に達する迄に8.5
時間、28℃に達するまでに15.5時間にわたって快
適な温度を持続した。この枕を再び10℃の室内に放置
して結晶の析出状態を観察したところ多数の微細な結晶
が析出し、全体が粘調性を帯びたスラリー状であった。
そのまま一週間放置したが状態は殆ど変わらなかった。
次にこの枕について、結晶の析出状態を観察するために
30℃に温めて結晶を溶解させたのち、10℃の室内に
放置することを一週間に一回の割合で一年間繰り返し
た。その結果、一か月経過の時点で粒径5mm程度の大
きさの結晶が5個、6か月経過の時点では粒径10mm
程度の結晶が8個、一年経過の時点では粒径20mm程
度の結晶が6個析出しているのが認められた。
【0023】
【発明の効果】本発明により、従来技術の欠点であった
結晶の塊状化を防止でき、−5〜5℃のような温度でも
微細で柔軟な状態の結晶析出可能となり、しかも結晶の
再現性もよく多数回の繰り返し使用ができるとともに大
きな冷却能力が得られるようになった。また、結晶核形
成剤や高分子保水剤、増粘剤などを添加した場合には、
さらに細かく安定した結晶析出状態が維持されるように
なった。従って、この冷熱剤を清涼枕などに応用するこ
とによって、優れた冷却性能を有するとともにソフトで
感触がよく、快適、かつ安全で、しかも、長時間放置し
ても結晶が塊状化することがなく、常に安心して繰り返
し使用することが可能となった。
結晶の塊状化を防止でき、−5〜5℃のような温度でも
微細で柔軟な状態の結晶析出可能となり、しかも結晶の
再現性もよく多数回の繰り返し使用ができるとともに大
きな冷却能力が得られるようになった。また、結晶核形
成剤や高分子保水剤、増粘剤などを添加した場合には、
さらに細かく安定した結晶析出状態が維持されるように
なった。従って、この冷熱剤を清涼枕などに応用するこ
とによって、優れた冷却性能を有するとともにソフトで
感触がよく、快適、かつ安全で、しかも、長時間放置し
ても結晶が塊状化することがなく、常に安心して繰り返
し使用することが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤沢 正幸 神奈川県平塚市田村5181番地 日本パイオ ニクス株式会社平塚工場内 (72)発明者 長津 功 神奈川県平塚市田村5181番地 日本パイオ ニクス株式会社平塚工場内 (72)発明者 高橋 守 神奈川県平塚市田村5181番地 日本パイオ ニクス株式会社平塚工場内
Claims (9)
- 【請求項1】燐酸ナトリウム塩類と、燐酸アンモニ
ウムナトリウム塩類または燐酸アンモニウム塩類と、
水とを混合し、−5〜5℃に冷却して結晶を析出させ、
該結晶が室温近辺での温度上昇により、溶媒である水に
溶けてゆく際に生ずる吸熱を利用することを特徴とする
冷熱剤。 - 【請求項2】燐酸ナトリウム塩類が、燐酸水素2ナトリ
ウム、燐酸2水素ナトリウム、燐酸3ナトリウムまたは
これらの水和物から選ばれる少なくとも1種である請求
項1に記載の冷熱剤。 - 【請求項3】燐酸アンモニウムナトリウム塩類または燐
酸アンモニウム塩類が、燐酸水素アンモニウムナトリウ
ム、燐酸水素2アンモニウム、燐酸2水素アンモニウ
ム、燐酸アンモニウムまたはこれらの水和物から選ばれ
る少なくとも1種である請求項1に記載の冷熱剤。 - 【請求項4】冷熱剤中に含まれるNaとNH4 基との割
合(Na/NH4 )がモル比で1:5〜5:1であり、
かつ、PO4 基1モルに対するNaとNH4基の合計モ
ル比〔(Na+NH4 )/PO4 〕が1:1.5〜2.
5である請求項1に記載の冷熱剤。 - 【請求項5】冷熱剤中に含まれる燐酸塩類の量が、無水
物換算で5〜60重量%である請求項1に記載の冷熱
剤。 - 【請求項6】燐酸ナトリウム塩類が、燐酸水素2ナトリ
ウムまたはその水和物であり、燐酸アンモニウムナトリ
ウム塩類または燐酸アンモニウム塩類が、燐酸水素アン
モニウムナトリウムまたは燐酸水素2アンモニウムある
いはそれらの水和物である請求項2または3に記載の冷
熱剤。 - 【請求項7】結晶核形成剤としてリチウム、カリウムま
たはアルカリ土類金属のそれぞれの燐酸塩、水酸化物お
よびそれらの水和物から選ばれる少なくとも1種が、冷
熱剤全体に対し、0.01〜5重量%添加されてなる請
求項1に記載の冷熱剤。 - 【請求項8】結晶核形成剤が燐酸カリウム塩、燐酸カル
シウム塩、燐酸ストロンチウム塩、水酸化カルシウム、
水酸化ストロンチウム、およびそれらの水和物である請
求項7に記載の冷熱剤。 - 【請求項9】高分子保水剤、増粘剤および高分子凝集剤
から選ばれる少なくとも1種が、冷熱剤全体に対し、
0.01〜3重量%添加されてなる請求項1に記載の冷
熱剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35252795A JPH09183968A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 冷熱剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35252795A JPH09183968A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 冷熱剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09183968A true JPH09183968A (ja) | 1997-07-15 |
Family
ID=18424679
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35252795A Pending JPH09183968A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 冷熱剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09183968A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015183891A (ja) * | 2014-03-20 | 2015-10-22 | トッパン・フォームズ株式会社 | 保冷具 |
-
1995
- 1995-12-28 JP JP35252795A patent/JPH09183968A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015183891A (ja) * | 2014-03-20 | 2015-10-22 | トッパン・フォームズ株式会社 | 保冷具 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR100290628B1 (ko) | 냉열제 | |
US6096067A (en) | Disposable thermal body pad | |
JPH0881676A (ja) | 熱エネルギー貯蔵用又は熱エネルギー発生用組成物 | |
JP2581708B2 (ja) | 熱エネルギ貯蔵組成物 | |
JP3394807B2 (ja) | 冷熱剤 | |
JPH09183968A (ja) | 冷熱剤 | |
JP6864742B2 (ja) | 蓄冷材および蓄冷パック | |
JP3516975B2 (ja) | 冷暖両用蓄熱袋 | |
JP3621725B2 (ja) | 冷熱剤 | |
JPS5966480A (ja) | 塩化カルシウム6水化物とカリウム塩の可逆相変化組成物 | |
JP3466710B2 (ja) | 冷却枕 | |
JP3527529B2 (ja) | 保冷眼帯 | |
JPWO2004052251A1 (ja) | 保冷袋 | |
JPH0625657A (ja) | 保冷剤 | |
JP2001139939A (ja) | 蓄熱材組成物 | |
JPS6043388B2 (ja) | 蓄熱材 | |
JP4054447B2 (ja) | 熱刺激治療器 | |
JPS5827301B2 (ja) | 過冷却防止材とその製造方法 | |
JPH0315119B2 (ja) | ||
JP2023146368A (ja) | 潜熱蓄熱材組成物 | |
JPS62238300A (ja) | 蓄熱材組成物 | |
JPS63273787A (ja) | 蓄熱材カプセル | |
JPH02208388A (ja) | 冷却用組成物 | |
JPH0451593B2 (ja) | ||
JPH10237434A (ja) | 蓄熱材の製造方法 |