JPH09183881A - 水膨潤性止水材 - Google Patents

水膨潤性止水材

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JPH09183881A
JPH09183881A JP35264395A JP35264395A JPH09183881A JP H09183881 A JPH09183881 A JP H09183881A JP 35264395 A JP35264395 A JP 35264395A JP 35264395 A JP35264395 A JP 35264395A JP H09183881 A JPH09183881 A JP H09183881A
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water
rubber
copolymer
swelling
resin
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JP35264395A
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Hajime Kitano
一 北野
Yoshiki Nobuto
芳樹 延藤
Akira Nishikawa
亮 西川
Masao Ishii
正雄 石井
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (a)α−オレフィンとα,β−不飽和
カルボン酸またはその無水物の共重合物に、塩基性物質
を中和度が0.1〜0.5となる割合で反応させて得ら
れる中和物と架橋剤から構成され、蒸留水の吸水倍率が
10〜200倍である高吸水性樹脂10〜200重量
部、および(b)ゴム100重量部からなる水膨潤性止
水材。 【効果】 蒸留水は勿論のこと、海水や水道水などの電
解質水溶液に対し、静水中および流水中において高い膨
潤率を示し、止水効果を長期間保持し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水膨潤性止水材に関
する。
【0002】
【従来の技術】現在、水膨潤性止水材は、主として、ヒ
ューム管ジョイント部のシール材、U字溝などのパッキ
ン、セグメントジョイント部のシール材、止水板などの
土木や建築用の資材として、接合部の間隙からの漏水を
防止するために使用されている。このような止水材とし
ては、従来、加硫ゴムに高吸水性樹脂を充填剤として練
り込んだもの(特開昭59−120653号公報参照)
や、加硫ゴムに水膨潤性ウレタンをブレンドしたもの
(特開昭51−96848号公報参照)等が使用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加硫ゴ
ムに高吸水性樹脂を練り込んでなる止水材は、海水など
の電解質水溶液に対する膨潤率が蒸留水の場合に比べ著
しく小さいため、かかる電解質水溶液に対しては止水効
果が十分ではなく、また長期間電解質水溶液に浸漬させ
ると膨潤率が低下するという欠点がある。また、加硫ゴ
ムに水膨潤性ウレタンをブレンドしてなる止水材は、電
解質水溶液や蒸留水に対する膨潤率が極めて低いうえ、
ウレタンが加水分解性であるが故に止水効果が徐々に損
われるという問題点がある。また、水膨潤性ウレタンは
加硫ゴムへの分散性が良好ではないので、止水材を製造
する際に作業が繁雑になるという難点がある。しかして
本発明は、蒸留水は勿論のこと、海水や水道水などの電
解質水溶液に対し、静水中および流水中においても高い
膨潤率を示し、止水効果を長期間保持し得る水膨潤性止
水材を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
課題は、(a)α−オレフィンとα,β−不飽和カルボ
ン酸またはその無水物の共重合体に、塩基性物質を中和
度が0.1〜0.5となる割合で反応させて得られる中
和物と架橋剤から構成され、蒸留水に対する吸水倍率が
10〜200倍である高吸水性樹脂10〜200重量
部、および(b)ゴム100重量部からなる水膨潤性止
水材を提供することによって解決される。
【0005】本発明の水膨潤性止水材を構成する(a)
成分である高吸水性樹脂は、α−オレインとα,β−不
飽和カルボン酸またはその無水物の共重合体(以下これ
を共重合体と略称する)を塩基性物質と反応させて得ら
れる中和物と架橋剤から構成され、蒸留水に対する吸水
倍率が20〜200倍のものであり、一般には上記中和
物を架橋剤によって架橋せしめることによって得ること
とができる。なお、共重合体を架橋剤によって架橋せし
めた後、塩基性物質と反応させて中和物としても、高吸
水性樹脂(a)が得られることは言うまでもない。
【0006】上記の共重合体は、例えば、α−オレフィ
ンとα,β−不飽和カルボン酸またはその無水物を、そ
れらを溶解する溶媒中で、ラジカル重合させることによ
り容易に得ることができる。その際、使用されるα−オ
レフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1
−ブテン、2−ブテン、イソブチレン、n−ペンテン、
2−メチル−1−ブテン、n−ヘキセン、2−メチル−
1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル
−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、ジイソブチ
レンなどが挙げられるが、それらの中でも特にイソブチ
レンが好ましい。
【0007】また、α,β−不飽和カルボン酸またはそ
の無水物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、無水
マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、フ
マール酸、メサコン酸およびそれらの酸無水物などが挙
げられるが、それらの中でも特に無水マレイン酸が好ま
しい。
【0008】共重合体の分子量は、高吸水性樹脂(a)
の耐久性および水膨潤性止水材を製造する際の作業上の
利便性の観点から、ジメチルホルムアミド溶液とし、3
0℃で測定した極限粘度[η]において0.1〜8(d
l/g)であることが好ましく、0.2〜5(dl/
g)であることがより好ましい。
【0009】共重合体は、本発明の主旨を損なわない程
度に第3の成分が共重合されていてもよい。かかる第3
の成分としては、例えば、スチレン、スチレンスルホン
酸、アクリルアミド、メタアクリルアミド、2−アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)
アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチルなどが
挙げられる。
【0010】また、塩基性物質としては、例えば、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの
アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物;アン
モニア、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミ
ン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどの
アミン類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカ
リ金属の炭酸塩;酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの
アルカリ金属の酢酸塩;酢酸アンモニウム;リン酸二ナ
トリウム、リン酸三ナトリウムなどのアルカリ金属のリ
ン酸塩等が挙げられる。これらの中でも水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムまたはアンモニアが好ましい。これ
らの塩基性物質は単独で使用してもよいし、2種以上を
組み合わせて使用してもよい。
【0011】塩基性物質は、共重合体に対し、中和度が
0.1〜0.5の範囲となる量を使用することが必要で
あり、中和度が0.3〜0.5の範囲となる量を使用す
ることが好ましい。ここで、中和度とは、共重合体中の
酸基と塩基性物質との比率を示すものであり、共重合体
中のカルボキシル基のモル数がx(モル)、使用した塩
基性物質の量がy(モル当量)であるときy/xで与え
られる。なお、共重合体中に酸無水物基が存在するとき
には、該酸無水物基はカルボキシル基2個に相当するも
のとして計算する。共重合体に対し、中和度が0.1未
満となる量で塩基性物質を使用した場合、充分な吸水性
能を有する高吸水性樹脂(a)が得られない。また、中
和度が0.5を越える量で塩基性物質を使用すると得ら
れる水膨潤性止水材は、長期間電解質水溶液に浸漬した
場合に膨潤率が低下する。
【0012】架橋剤としては、例えば、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリグリセリン等の多価アルコール、エチ
レングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリ
コールジグリシジルエーテルグリセリンジグリシジルエ
ーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリエレ
ングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレング
リコールジグリシジルエーテル等の多価エポキシ化合
物;エタノールアミン;エチレンジアミン、プロピレン
ジアミン、トリメチロールメラミン等の多価アミン、ペ
ンタエリスリトール、ポリエチレンイミン、尿素など、
分子中に水酸基、エポキシ基やアミノ基を複数有する多
官能性化合物が使用される。これらの架橋剤は単独で使
用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよ
い。
【0013】架橋剤の使用量は、高吸水性樹脂(a)の
蒸留水に対する吸水倍率が所定の範囲内となるように設
定されるが、通常、共重合体の中和物に対して0.01
〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0014】共重合体の中和物と架橋剤の反応は次のよ
うにして実施すると効率的である。すなわち、共重合体
の中和物の水溶液に所望とする量の架橋剤を添加し、均
一な水溶液とする。この際に、界面活性剤を併用しても
よい。次いで、得られた水溶液から水を除去し、さらに
所定の温度に保持して架橋反応を進行せしめる。水の除
去および架橋反応の進行は、共重合体の中和物と架橋剤
を含有する水溶液を70〜250℃、好ましくは70〜
200℃に加熱した平板あるいはロール上に流延して水
を蒸発させ、得られるフィルムを粉砕した後、所定の温
度に加熱することによって簡便に実施することができ
る。この際、100〜250℃、好ましくは120〜2
20℃で架橋反応が行われる。
【0015】高吸水樹脂(a)の蒸留水に対する吸水倍
率は10〜200倍の範囲内にあることが必要である。
高吸水性樹脂の蒸留水に対する吸水倍率が10倍未満の
場合には、得られる止水材の膨潤率が低くなり、十分な
止水効果が得られず、一方、吸水倍率が200倍を越え
ると、得られる止水材の耐久性が低下する。
【0016】本発明の水膨潤性止水材は、蒸留水や海水
などの各種の電解質水溶液に対して使用されるので蒸留
水と電解質水溶液に対する膨潤率の差を小さくしておく
ことが、実用上望ましい。水膨潤性止水材の蒸留水と電
解質水溶液に対する膨潤率の差を小さくするには、高吸
水性樹脂(a)の蒸留水に対する吸水倍率が10〜12
0倍の範囲内にあることが好ましい。
【0017】また、本発明の水膨潤性止水材を構成する
もう一方の成分(b)であるゴムとしては、従来から水
膨潤性止水材の基材として使用されているものを特に制
限なく用いることができ、例えば、天然ゴム、スチレン
・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、アクリロニトリル
・ブタジエンゴム、アクリルゴム、イソブチレンゴム、
イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、ポリエチレ
ン、塩素化ポリエチレン、スルホン化ポリエチレン、塩
素化ポリプロピレン、スルホン化ポリプロピレン、エチ
レン・酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニルまたはその
共重合体、ウレタンゴム、フッ素ゴム、シリコンゴム、
スチレン−イソプレンブロック共重合体またはその水添
物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
またはその水添物、スチレン−ブタジエンブロック共重
合体またはその水添物、スチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体またはその水添物などが挙げられ
る。これらの中でもクロロプレンゴム、エチレンプロピ
レンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共
重合体の水添物が好ましい。これらのゴムは単独で使用
してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよ
い。また、これらのゴムは、加硫して使用することもで
きる。
【0018】高吸水性樹脂(a)とゴム(b)の配合量
は、ゴム(b)100重量部に対して高吸水性樹脂
(a)が10〜200重量部の範囲内にあることが必要
である。高吸水性樹脂(a)の配合量が、ゴム(b)1
00重量部に対して10重量部未満の場合には、得られ
る水膨潤性止水材の膨潤率が低く、止水効果が十分では
ない。また、高吸水性樹脂(a)の配合量が、ゴム
(b)100重量部に対して200重量部を越えると、
両者を均一に混合することが困難となり、止水材として
の均一性が低下する。
【0019】また、本発明の水膨潤性止水材は、発明の
主旨を損なわない程度に硬質材料を添加してもよい。か
かる硬質材料としては、例えば、ポリスチレン、ポリα
−メチルスチレン、スチレン・マレイン酸樹脂、ABS
樹脂、AS樹脂、ポリメチルアクリレート、ナイロン、
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、ポリカーボネート、マレインイミド樹脂、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、
ノルボルネン樹脂などが挙げられる。また、本発明の水
膨潤性止水材は、必要に応じて、充填剤、軟化剤、可塑
剤、粘着付与樹脂、発泡剤、顔料、滑剤、分散剤、紫外
線防止剤、防カビ剤などを添加してもよい。
【0020】かかる充填剤としては、例えば炭酸カルシ
ウム、クレー、タルク、けいそう土、アルミナ、マイ
カ、硫酸アルミナ、硫酸バリウム、アスベスト、グラフ
ァイト、ガラスビーズなどが挙げられる。
【0021】また、軟化剤及び可塑剤としては、例え
ば、ステアリン酸、ラウリル酸、リシノール酸、パルミ
チン酸、綿実油、ひまし油、なたね油、パーム油、やし
油、パインタール、トール油、サブ(ファクチス)、パ
ラフィン系プロセス油、ナフテン系プロセス油、芳香族
系プロセス油、パラフィン、アスファルト、ワセリン、
低分子ポリイソプレンまたはその水添物、低分子ポリエ
チレン、ジブチル・フタレート、ジヘプチル・フタレー
ト、ジオクチル・フタレート、ジイソデシル・フタレー
ト、ジ−(2エチルヘキシル)アジペート、ジイソデシ
ル・アジペート、ジオクチル・セバゲート、ジブチル・
セバゲート、トリクレジル・フォスフェート、トリオク
チル・フォスフェート、塩化パラフィン、塩素化ジフェ
ニル、エポキシ誘導体、オレイルニトリル、ストラクト
ールなどが挙げられる。
【0022】粘着付与樹脂としては、例えば、クマロン
インデン樹脂、フェノール・ホルマリン樹脂、テルペン
・フェノール樹脂、キシレン・ホルマリン樹脂、コレシ
ン、ロジンの誘導体、ポリブテン、ポリテルペンなどが
挙げられる。
【0023】そして、発泡剤としては、例えば、重炭酸
ナトリウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、
ジニトロソ・ペンタメチレン・テトラミン、アゾジカル
ボンアミドなどが挙げられる。
【0024】顔料としては、例えば、カーボンブラッ
ク、酸化チタン、炭酸カルシウム、カドミウム赤などの
無機顔料、アゾ系、フタロシアニン系、ニトロソ系など
の有機顔料が挙げられる。また、滑剤としては、例え
ば、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、フォスフェート
エステル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンワッ
クスなどが挙げられる。
【0025】本発明の水膨潤性止水材を製造する方法と
しては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、
高吸水樹脂(a)、ゴム(b)および必要に応じて他の
成分を、ゴム(b)が軟化する温度において、ロール
機、バンバリーミキサー、一軸押し出し機または二軸押
し出し機などを用いて均一に混練し、次いで、プレス機
や射出成形機などで成形する方法が挙げられる。
【0026】また、高吸水樹脂(a)、ゴム(b)、架
橋剤、必要に応じて加硫促進剤などをロール機、バンバ
リーミキサー、一軸押し出し機、二軸押し出し機などで
均一に混合した後、加硫プレス機や加硫缶などを用いて
加硫成形することによって、本発明の水膨潤性止水材を
製造することもできる。
【0027】このようにして得られる水膨潤性止水材
は、蒸留水、海水や水道水などの電解質水溶液に対し、
静水中および流水中において高い膨潤率を示し、長期間
安定した止水効果を発揮するので、ヒューム管ジョイン
ト部のシール材、U字溝などのパッキン、セグメントジ
ョイント部のシール材、止水板などの土木や建築用の資
材や、光ケーブルの止水材、電気部品のハーネス用止水
材などとして有用である。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例では、以下の方法により
高吸水性樹脂の蒸留水に対する吸水倍率、および水膨潤
性止水材の引張り物性、膨潤率、静水中での安定性、流
水中での安定性、膨潤・乾燥繰り返し耐久性の測定を行
った。
【0029】(高吸水性樹脂の蒸溜水に対する吸水倍
率)高吸水性樹脂約1gを内容積1リットルのビーカー
に入れ、次いで、800ccの蒸留水を加え、30分間
室温にて放置した後、予め重量を測定した200メッシ
ュのナイロン布で、30分間自然濾過を行い、重量を測
定して蒸留水を吸収した後のゲルの重量を求め、次の式
に従って吸水倍率を算出した。 吸収倍率[倍]=(蒸留水を吸収した後のゲルの重量−
蒸留水を吸収する前のゲルの重量)/蒸留水を吸収する
前のゲルの重量
【0030】(引っ張り物性)JIS K6301に記
載された方法に従って測定した。
【0031】(膨潤率)30mm×30mm×2mmの
水膨潤性止水材シートを作成し、蒸溜水または人工海水
(市販品、商品名:アクアマリン、八州薬品(株)社
製)に3日間浸漬して、浸漬後のシート重量を測定し、
下記の式より膨潤率を求めた。 膨潤率(倍)=浸漬後のシート重量/浸漬前のシート重
【0032】(静水中での安定性)30mm×30mm
×2mmの水膨潤性止水材シートを作成し、上記の人工
海水に1年間浸漬し、上記の式に従って膨潤率を求め、
人工海水に3日間浸漬したときの膨潤率からの低下率を
算出し、静水中での安定性の指標とした。膨潤率の低下
率の値が小さい程、静水中での止水効果の安定性が優れ
ている。
【0033】(流水中での安定性)30mm×30mm
×2mmの水膨潤性止水材シートを作成し、毎時100
リットルの流速で流れる循還水(水道水)に1年間浸漬
し、上記の式に従って膨潤率を求め、蒸留水に3日間浸
漬したときの膨潤率からの低下率を算出し、流水中での
安定性の指標とした。膨潤率の低下率の値が小さい程、
流水中での止水効果の安定性が優れている。
【0034】(膨潤・乾燥繰返し耐久性)30mm×3
0mm×2mmの水膨潤性止水材シートを作成し、上記
人工海水に7日間浸漬した後、100℃にて2時間乾燥
させた。この操作を4回繰返した後、上記の人工海水に
3日間浸漬して、膨潤率を測定し、かかる膨潤・乾燥処
理を施す前の水膨潤性止水材シートを人工海水に3日間
浸漬したときの膨潤率からの低下率を算出し、膨潤・乾
燥繰返し耐久性の指標とした。膨潤率の低下率の値が小
さい程、耐久性が優れている。
【0035】参考例1 内容積1リットルのオートクレーブに、トルエン600
g、イソブチレン35g、無水マレイン酸70g、過酸
化ベンゾイル0.2gを入れ、窒素雰囲気下70℃にて
6時間重合反応を行った。室温まで冷却した後、沈澱し
た生成物を回収し、減圧下、100℃で6時間かけて残
留モノマーや溶媒を除去して、イソブチレンと無水マレ
イン酸の共重合体を得た。この共重合体は、ジメチルホ
ルムアミド溶液とし、30℃で測定した極限粘度[η]
が1.0(dl/g)であった。
【0036】参考例2 参考例1で得られた、イソブチレンと無水マレイン酸の
共重合体20gと水酸化ナトリウム4gを76mlの蒸
留水中に仕込み、90℃で8時間反応させて20%濃度
のイソブチレンと無水マレイン酸共重合体の中和物の水
溶液を調製した。この際、中和度は0.4であった。こ
の中和物の水溶液に架橋剤としてポリエチレンイミン
0.1gを加え、攪拌して均一な水溶液を得た。次に、
この水溶液を100℃に過熱されたロール上に薄く流延
し、水を蒸発させた後、得られたフィルムを粉砕し、2
00℃で1時間架橋反応を行って高吸水性樹脂1を得
た。得られた高吸水性樹脂1の蒸留水に対する吸水倍率
は116倍であった。
【0037】参考例3 参考例1で得られた、イソブチレンと無水マレイン酸の
共重合体20gと水酸化ナトリウム5gを75mlの蒸
留水中に仕込み、90℃で8時間反応させて20%濃度
のイソブチレンと無水マレイン酸共重合体の中和物の水
溶液を調製した。この際、中和度は0.5であった。こ
の中和物の水溶液に架橋剤としてポリエチレンイミン
0.15gを加え、以下、参考例2と同様の操作により
高吸水性樹脂2を得た。得られた高吸水性樹脂2の蒸留
水に対する吸水倍率は113倍であった。
【0038】参考例4 架橋剤としてポリエチレンイミン0.2gを用いたこと
以外は参考例2と同様の操作により高吸水性樹脂3を得
た。得られた高吸水性樹脂3の蒸留水に対する吸水倍率
は52倍であった。
【0039】参考例5 参考例1で得られた、イソブチレンと無水マレイン酸の
共重合体20gと水酸化ナトリウム6gを74mlの蒸
留水中に仕込み、90℃で8時間反応させて20%濃度
のイソブチレンと無水マレイン酸共重合体の中和物の水
溶液を調製した。この際、中和度は0.6であった。こ
の中和物の水溶液に架橋剤としてポリエチレンイミン
0.2gを添加し、以下、参考例2と同様の操作により
高吸水性樹脂4を得た。得られた高吸水性樹脂4の蒸留
水に対する吸水倍率は107倍であった。
【0040】実施例1〜3および比較例1および2 表1中に記載した配合処方に従って、50℃にてロール
機で各成分を均一に混練し、シート状に成形した。次
に、得られたシート状物を、縦100mm、横100m
m、厚み2mmの金型にはめ込み、170℃で70kg
f/cm2 の条件下で20分間加硫させ、水膨潤性止水
材を得た。得られた水膨潤性止水材は前記の方法によ
り、各種特性の評価を行った。結果を表1に併せて示
す。
【0041】
【表1】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、蒸留水は勿論のこと、
海水や水道水などの電解質水溶液に対し、静水中および
流水中において高い膨潤率を示し、止水効果を長期間保
持しうる水膨潤性止水材を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 正雄 茨城県鹿島郡神栖町東和田36番地 株式会 社クラレ内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)α−オレフィンとα,β−不飽和
    カルボン酸またはその無水物の共重合体に、塩基性物質
    を中和度が0.1〜0.5となる割合で反応させて得ら
    れる中和物と架橋剤から構成され、蒸留水に対する吸水
    倍率が10〜200倍である高吸水性樹脂10〜200
    重量部、および(b)ゴム100重量部からなる水膨潤
    性止水材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006249170A (ja) * 2005-03-09 2006-09-21 Kuraray Trading Kk 繰り返し使用可能な吸水性樹脂の製造方法
JP2007296515A (ja) * 2006-03-17 2007-11-15 Nch Corp 中和作用を有する高吸収性ポリマー組成物
JP2008174668A (ja) * 2007-01-19 2008-07-31 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd 樹脂組成物
CN112011106A (zh) * 2019-05-31 2020-12-01 福州东凡机电科技有限公司 一种橡胶调节片及其制备方法

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