JPH1036574A - 水膨潤性止水材 - Google Patents
水膨潤性止水材Info
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- JPH1036574A JPH1036574A JP20786896A JP20786896A JPH1036574A JP H1036574 A JPH1036574 A JP H1036574A JP 20786896 A JP20786896 A JP 20786896A JP 20786896 A JP20786896 A JP 20786896A JP H1036574 A JPH1036574 A JP H1036574A
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 (a)α−オレフィンとα,β−不飽和
カルボン酸またはその無水物の共重合体に、一価の金属
を含む塩基性物質と二価以上の金属を含む塩基性物質を
グラム当量比で前者/後者=1/4〜9/1で混合して
なる塩基を、中和度が0.1〜0.5となる割合で反応
させて得られる中和物と架橋剤から構成され、蒸留水に
対する吸水倍率が10〜200倍である高吸水性樹脂1
0〜200重量部、および(b)ゴム100重量部から
なる水膨潤性止水材。 【効果】 蒸留水は勿論のこと、海水や水道水などの電
解質水溶液に対しても、静水中および流水中において高
い膨潤倍率を示し、止水効果を長期間保持できる。
カルボン酸またはその無水物の共重合体に、一価の金属
を含む塩基性物質と二価以上の金属を含む塩基性物質を
グラム当量比で前者/後者=1/4〜9/1で混合して
なる塩基を、中和度が0.1〜0.5となる割合で反応
させて得られる中和物と架橋剤から構成され、蒸留水に
対する吸水倍率が10〜200倍である高吸水性樹脂1
0〜200重量部、および(b)ゴム100重量部から
なる水膨潤性止水材。 【効果】 蒸留水は勿論のこと、海水や水道水などの電
解質水溶液に対しても、静水中および流水中において高
い膨潤倍率を示し、止水効果を長期間保持できる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水膨潤性止水材に関
する。
する。
【0002】
【従来の技術】現在、水膨潤性止水材は、主として、ヒ
ューム管ジョイント部のシール材、U字溝などのパッキ
ン、セグメントジョイント部のシール材、止水板などの
土木や建築用の資材として、接合部の間隙からの漏水を
防止するために使用されている。このような止水材とし
ては、従来、加硫ゴムに高吸水性樹脂を充填剤として練
り込んだもの(特開昭53−25666号公報参照)
や、加硫ゴムに水膨潤性ウレタンをブレンドしたもの
(特開昭51−96848号公報参照)等が使用されて
いる。
ューム管ジョイント部のシール材、U字溝などのパッキ
ン、セグメントジョイント部のシール材、止水板などの
土木や建築用の資材として、接合部の間隙からの漏水を
防止するために使用されている。このような止水材とし
ては、従来、加硫ゴムに高吸水性樹脂を充填剤として練
り込んだもの(特開昭53−25666号公報参照)
や、加硫ゴムに水膨潤性ウレタンをブレンドしたもの
(特開昭51−96848号公報参照)等が使用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加硫ゴ
ムに高吸水性樹脂を練り込んでなる止水材は、海水など
の電解質水溶液に対する膨潤倍率が蒸留水の場合に比べ
て著しく小さいため、かかる電解質水溶液に対しては止
水効果が十分ではなく、また長時間電解質水溶液に浸漬
させると膨潤倍率が低下するという欠点がある。また、
加硫ゴムに水膨潤性ウレタンをブレンドしてなる止水材
は、電解質水溶液や蒸留水に対する膨潤倍率が極めて低
いうえ、ウレタンが加水分解性であるが故に止水効果が
徐々に損なわれるという問題点がある。また、水膨潤性
ウレタンは加硫ゴムへの分散性が良好でないので、止水
材を製造する際に作業が繁雑になるという難点がある。
ムに高吸水性樹脂を練り込んでなる止水材は、海水など
の電解質水溶液に対する膨潤倍率が蒸留水の場合に比べ
て著しく小さいため、かかる電解質水溶液に対しては止
水効果が十分ではなく、また長時間電解質水溶液に浸漬
させると膨潤倍率が低下するという欠点がある。また、
加硫ゴムに水膨潤性ウレタンをブレンドしてなる止水材
は、電解質水溶液や蒸留水に対する膨潤倍率が極めて低
いうえ、ウレタンが加水分解性であるが故に止水効果が
徐々に損なわれるという問題点がある。また、水膨潤性
ウレタンは加硫ゴムへの分散性が良好でないので、止水
材を製造する際に作業が繁雑になるという難点がある。
【0004】しかして本発明は、蒸留水は勿論のこと、
海水や水道水などの電解質水溶液に対しても、静水中お
よび流水中において高い膨潤倍率を示し、止水効果を長
期間保持できる水膨潤性止水材を提供することを課題と
する。
海水や水道水などの電解質水溶液に対しても、静水中お
よび流水中において高い膨潤倍率を示し、止水効果を長
期間保持できる水膨潤性止水材を提供することを課題と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、上記の
課題は、(a)α−オレフィンとα,β−不飽和カルボ
ン酸またはその無水物の共重合体に、一価の金属を含む
塩基性物質と二価以上の金属を含む塩基性物質をグラム
当量比で前者/後者=1/4〜9/1で混合してなる塩
基(以下、これを塩基と略称することがある)を、中和
度が0.1〜0.5となる割合で反応させて得られる中
和物と架橋剤から構成され、蒸留水に対する吸水倍率が
10〜200倍である高吸水性樹脂10〜200重量
部、および(b)ゴム100重量部からなる水膨潤性止
水材を提供することによって解決される。
課題は、(a)α−オレフィンとα,β−不飽和カルボ
ン酸またはその無水物の共重合体に、一価の金属を含む
塩基性物質と二価以上の金属を含む塩基性物質をグラム
当量比で前者/後者=1/4〜9/1で混合してなる塩
基(以下、これを塩基と略称することがある)を、中和
度が0.1〜0.5となる割合で反応させて得られる中
和物と架橋剤から構成され、蒸留水に対する吸水倍率が
10〜200倍である高吸水性樹脂10〜200重量
部、および(b)ゴム100重量部からなる水膨潤性止
水材を提供することによって解決される。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の水膨潤性止水材を構成す
る(a)成分である高吸水性樹脂は、α−オレフィンと
α,β−不飽和カルボン酸またはその無水物の共重合体
(以下これを共重合体と省略する)を塩基と反応させて
得られる中和物と架橋剤から構成され、蒸留水に対する
吸水倍率が10〜200倍のものであるが、一般に、上
記中和物を架橋剤によって架橋せしめることによって得
ることができる。なお、共重合体を架橋剤によって架橋
せしめた後、塩基を反応させて中和物としても、高吸水
性樹脂(a)が得られることは言うまでもない。
る(a)成分である高吸水性樹脂は、α−オレフィンと
α,β−不飽和カルボン酸またはその無水物の共重合体
(以下これを共重合体と省略する)を塩基と反応させて
得られる中和物と架橋剤から構成され、蒸留水に対する
吸水倍率が10〜200倍のものであるが、一般に、上
記中和物を架橋剤によって架橋せしめることによって得
ることができる。なお、共重合体を架橋剤によって架橋
せしめた後、塩基を反応させて中和物としても、高吸水
性樹脂(a)が得られることは言うまでもない。
【0007】上記共重合体は、例えば、α−オレフィン
とα,β−不飽和カルボン酸またはその無水物を、それ
らを溶解する溶媒中で、ラジカル重合させることにより
容易に得ることができる。その際、使用されるα−オレ
フィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1―
ブテン、2−ブテン、イソブチレン、n−ペンテン、2
−メチル−1−ブテン、n−ヘキセン、2−メチル−1
−ペンテン、3―メチル−1−ペンテン、4−メチル−
1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、ジイソブチレ
ンなどが挙げられるが、これらの中でも特にイソブチレ
ンが好ましい。また、α,β−不飽和カルボン酸または
その無水物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、無
水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、
フマール酸、メサコン酸などが挙げられるが、これらの
中でも無水マレイン酸が好ましい。
とα,β−不飽和カルボン酸またはその無水物を、それ
らを溶解する溶媒中で、ラジカル重合させることにより
容易に得ることができる。その際、使用されるα−オレ
フィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1―
ブテン、2−ブテン、イソブチレン、n−ペンテン、2
−メチル−1−ブテン、n−ヘキセン、2−メチル−1
−ペンテン、3―メチル−1−ペンテン、4−メチル−
1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、ジイソブチレ
ンなどが挙げられるが、これらの中でも特にイソブチレ
ンが好ましい。また、α,β−不飽和カルボン酸または
その無水物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、無
水マレイン酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、
フマール酸、メサコン酸などが挙げられるが、これらの
中でも無水マレイン酸が好ましい。
【0008】共重合体の分子量は、高吸水性樹脂(a)
の耐久性および水膨潤性止水材を製造する際の工程通過
性の観点から、ジメチルホルムアミド溶液とし、30℃
で測定した極限粘度[η]において0.1〜8(dl/
g)であることが好ましく、0.2〜5(dl/g)で
あることがより好ましい。
の耐久性および水膨潤性止水材を製造する際の工程通過
性の観点から、ジメチルホルムアミド溶液とし、30℃
で測定した極限粘度[η]において0.1〜8(dl/
g)であることが好ましく、0.2〜5(dl/g)で
あることがより好ましい。
【0009】共重合体は、本発明の主旨を損なわない程
度に第3の成分が共重合されていてもよい。かかる第3
の成分としては、例えば、スチレン、スチレンスルホン
酸、(メタ)アクリルアミド、2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸ブチルなどが挙げられる。
度に第3の成分が共重合されていてもよい。かかる第3
の成分としては、例えば、スチレン、スチレンスルホン
酸、(メタ)アクリルアミド、2−アクリルアミド−2
−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プ
ロピル、(メタ)アクリル酸ブチルなどが挙げられる。
【0010】本発明では、一価の金属を含む塩基性物質
と二価以上の金属を含む塩基性物質を併用する。一価の
金属を含む塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウ
ム、酢酸リチウム、硝酸ナトリウム、リン酸水素三ナト
リウム、リン酸三ナトリウムなどが挙げられる。これら
の中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リ
チウムが好ましい。
と二価以上の金属を含む塩基性物質を併用する。一価の
金属を含む塩基性物質としては、例えば、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウ
ム、酢酸リチウム、硝酸ナトリウム、リン酸水素三ナト
リウム、リン酸三ナトリウムなどが挙げられる。これら
の中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リ
チウムが好ましい。
【0011】また、二価以上の金属を含む塩基性物質と
しては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化亜鉛、水酸化鉄、水酸化バリウム、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸マグ
ネシウム、硝酸カルシウム、リン酸カルシウムなどが挙
げられる。これらの中でも水酸化カルシウム、水酸化マ
グネシウムが好ましい。
しては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化亜鉛、水酸化鉄、水酸化バリウム、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸マグ
ネシウム、硝酸カルシウム、リン酸カルシウムなどが挙
げられる。これらの中でも水酸化カルシウム、水酸化マ
グネシウムが好ましい。
【0012】一価の金属を含む塩基性物質と二価以上の
金属を含む塩基性物質の割合は、グラム当量比で、一価
の金属を含む塩基性物質/二価以上の金属を含む塩基性
物質=1/4〜9/1の範囲内にあることが必要であ
る。両者の割合を上記の範囲内とすることによって、止
水効果、特に電解質水溶液に対する止水効果を長期間保
持できる水膨潤性止水材を得ることができる。一価の金
属を含む塩基性物質と二価以上の金属を含む塩基性物質
の割合は、グラム当量比で、前者/後者=1/2〜4/
1であることが好ましい。
金属を含む塩基性物質の割合は、グラム当量比で、一価
の金属を含む塩基性物質/二価以上の金属を含む塩基性
物質=1/4〜9/1の範囲内にあることが必要であ
る。両者の割合を上記の範囲内とすることによって、止
水効果、特に電解質水溶液に対する止水効果を長期間保
持できる水膨潤性止水材を得ることができる。一価の金
属を含む塩基性物質と二価以上の金属を含む塩基性物質
の割合は、グラム当量比で、前者/後者=1/2〜4/
1であることが好ましい。
【0013】塩基は、共重合体に対し、中和度が0.1
〜0.5の範囲となる量を使用することが必要であり、
中和度が0.3〜0.5の範囲となる量を使用すること
が好ましい。ここで中和度とは、共重合体中の酸基と塩
基との比率を示すものであり、共重合体中のカルボキシ
ル基のモル数がx(モル)、反応に使用した塩基の量が
y(グラム当量)であるときy/xで与えられる。な
お、共重合体中に酸無水物基が存在するときには、該酸
無水物基はカルボキシル基2個に相当するものとして計
算する。共重合体に対し、中和度が0.1未満となる量
で塩基を使用した場合、充分な吸水性能を有する高吸水
性樹脂(a)が得られない。また、中和度が0.5を越
える量で塩基を使用すると、得られる水膨潤性止水材
は、長期間電解質水溶液に浸漬した場合に止水効果が低
下する。
〜0.5の範囲となる量を使用することが必要であり、
中和度が0.3〜0.5の範囲となる量を使用すること
が好ましい。ここで中和度とは、共重合体中の酸基と塩
基との比率を示すものであり、共重合体中のカルボキシ
ル基のモル数がx(モル)、反応に使用した塩基の量が
y(グラム当量)であるときy/xで与えられる。な
お、共重合体中に酸無水物基が存在するときには、該酸
無水物基はカルボキシル基2個に相当するものとして計
算する。共重合体に対し、中和度が0.1未満となる量
で塩基を使用した場合、充分な吸水性能を有する高吸水
性樹脂(a)が得られない。また、中和度が0.5を越
える量で塩基を使用すると、得られる水膨潤性止水材
は、長期間電解質水溶液に浸漬した場合に止水効果が低
下する。
【0014】架橋剤としては、例えば、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリグリセリン等の多価アルコール;エチ
レングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリ
コールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジル
エーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリエ
チレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル等の多価エポキシ化
合物;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、尿素、
ポリエチレンイミン等の多価アミン;エタノールアミ
ン、ペンタエリスリトール、トリメチロールメラミンな
ど分子中に水酸基、エポキシ基やアミノ基を複数個有す
る多官能性化合物が使用される。これらの架橋剤は単独
で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用し
てもよい。
ール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレン
グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリグリセリン等の多価アルコール;エチ
レングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリ
コールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジル
エーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリエ
チレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレ
ングリコールジグリシジルエーテル等の多価エポキシ化
合物;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、尿素、
ポリエチレンイミン等の多価アミン;エタノールアミ
ン、ペンタエリスリトール、トリメチロールメラミンな
ど分子中に水酸基、エポキシ基やアミノ基を複数個有す
る多官能性化合物が使用される。これらの架橋剤は単独
で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用し
てもよい。
【0015】架橋剤の使用量は、高吸水性樹脂(a)の
蒸留水に対する吸水倍率が所定の範囲内となるように適
宜設定されるが、通常、共重合体の中和物に対して0.
01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
蒸留水に対する吸水倍率が所定の範囲内となるように適
宜設定されるが、通常、共重合体の中和物に対して0.
01〜5重量%、好ましくは0.1〜3重量%である。
【0016】共重合体の中和物と架橋剤の反応は次のよ
うにして実施すると効率的である。すなわち、共重合体
の中和物の水溶液に所望とする量の架橋剤を添加し、均
一な水溶液とする。この際に、界面活性剤を併用しても
よい。次いで、得られた水溶液から水を除去し、さらに
所定の温度で架橋反応を進行せしめる。水の除去および
架橋反応の進行は、共重合体の中和物と架橋剤を含有す
る水溶液を70〜250℃、好ましくは70〜200℃
に加熱した平板あるいはロール上に流延して水を蒸発さ
せ、得られるフィルムを粉砕した後、所定の温度に加熱
することによって簡便に実施することができる。この
際、100〜250℃、好ましくは120〜220℃で
架橋反応が行われる。
うにして実施すると効率的である。すなわち、共重合体
の中和物の水溶液に所望とする量の架橋剤を添加し、均
一な水溶液とする。この際に、界面活性剤を併用しても
よい。次いで、得られた水溶液から水を除去し、さらに
所定の温度で架橋反応を進行せしめる。水の除去および
架橋反応の進行は、共重合体の中和物と架橋剤を含有す
る水溶液を70〜250℃、好ましくは70〜200℃
に加熱した平板あるいはロール上に流延して水を蒸発さ
せ、得られるフィルムを粉砕した後、所定の温度に加熱
することによって簡便に実施することができる。この
際、100〜250℃、好ましくは120〜220℃で
架橋反応が行われる。
【0017】高吸水性樹脂(a)の蒸留水に対する吸水
倍率は10〜200倍の範囲内にあることが必要であ
る。高吸水性樹脂(a)の蒸留水に対する吸水倍率が1
0倍未満の場合には、得られる水膨潤性止水材の膨潤倍
率が低くなり、十分な止水効果が得られない。一方、吸
水倍率が200倍を越えると、得られる水膨潤性止水材
の耐久性が低下する。本発明の水膨潤性止水材は、蒸留
水や海水などの各種の電解質水溶液に対して使用される
ので、蒸留水と電解質水溶液に対する膨潤倍率の差を小
さくしておくことが実用上望ましい。水膨潤性止水材の
蒸留水と電解質水溶液に対する膨潤倍率の差を小さくす
るには、高吸水性樹脂(a)の蒸留水に対する吸水倍率
が10〜120倍の範囲内にあることが好ましい。
倍率は10〜200倍の範囲内にあることが必要であ
る。高吸水性樹脂(a)の蒸留水に対する吸水倍率が1
0倍未満の場合には、得られる水膨潤性止水材の膨潤倍
率が低くなり、十分な止水効果が得られない。一方、吸
水倍率が200倍を越えると、得られる水膨潤性止水材
の耐久性が低下する。本発明の水膨潤性止水材は、蒸留
水や海水などの各種の電解質水溶液に対して使用される
ので、蒸留水と電解質水溶液に対する膨潤倍率の差を小
さくしておくことが実用上望ましい。水膨潤性止水材の
蒸留水と電解質水溶液に対する膨潤倍率の差を小さくす
るには、高吸水性樹脂(a)の蒸留水に対する吸水倍率
が10〜120倍の範囲内にあることが好ましい。
【0018】また、本発明の水膨潤性止水材を構成する
もう一方の成分(b)であるゴムとしては、従来から水
膨潤性止水材の基材として使用されているものを特に制
限なく用いることができ、例えば、天然ゴム、クロロプ
レンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴ
ム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリルゴ
ム、イソブチレンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロ
ピレンゴム、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、スル
ホン化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、スルホン
化ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポ
リ塩化ビニルまたはその共重合体、ウレタンゴム、フッ
素ゴム、シリコンゴム、スチレン−イソプレンブロック
共重合体またはその水添物、スチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体またはその水添物、スチレン−
ブタジエンブロック共重合体またはその水添物、スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体またはその
水添物などが挙げられる。これらの中でもクロロプレン
ゴム、エチレン・プロピレンゴム、スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック共重合体の水添物が好ましい。こ
れらのゴムは単独で使用してもよいし、2種類以上を組
み合わせて使用してもよい。また、これらのゴムは、加
硫して使用することもできる。
もう一方の成分(b)であるゴムとしては、従来から水
膨潤性止水材の基材として使用されているものを特に制
限なく用いることができ、例えば、天然ゴム、クロロプ
レンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴ
ム、アクリロニトリル・ブタジエンゴム、アクリルゴ
ム、イソブチレンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロ
ピレンゴム、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、スル
ホン化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、スルホン
化ポリプロピレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポ
リ塩化ビニルまたはその共重合体、ウレタンゴム、フッ
素ゴム、シリコンゴム、スチレン−イソプレンブロック
共重合体またはその水添物、スチレン−イソプレン−ス
チレンブロック共重合体またはその水添物、スチレン−
ブタジエンブロック共重合体またはその水添物、スチレ
ン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体またはその
水添物などが挙げられる。これらの中でもクロロプレン
ゴム、エチレン・プロピレンゴム、スチレン−イソプレ
ン−スチレンブロック共重合体の水添物が好ましい。こ
れらのゴムは単独で使用してもよいし、2種類以上を組
み合わせて使用してもよい。また、これらのゴムは、加
硫して使用することもできる。
【0019】高吸水性樹脂(a)とゴム(b)の配合量
は、ゴム(b)100重量部に対して高吸水性樹脂
(a)が10〜200重量部の範囲内にあることが必要
である。高吸水性樹脂(a)の配合量がゴム(b)10
0重量部に対して10重量部未満の場合には、得られる
水膨潤性止水材の膨潤倍率が低く、止水効果が十分では
ない。また、高吸水性樹脂(a)の配合量がゴム(b)
100重量部に対して200重量部を越えると、両者を
均一に混合することが困難となり、止水材としての均一
性が低下する。
は、ゴム(b)100重量部に対して高吸水性樹脂
(a)が10〜200重量部の範囲内にあることが必要
である。高吸水性樹脂(a)の配合量がゴム(b)10
0重量部に対して10重量部未満の場合には、得られる
水膨潤性止水材の膨潤倍率が低く、止水効果が十分では
ない。また、高吸水性樹脂(a)の配合量がゴム(b)
100重量部に対して200重量部を越えると、両者を
均一に混合することが困難となり、止水材としての均一
性が低下する。
【0020】また、本発明の水膨潤性止水材は、発明の
主旨を損なわない程度に硬質材料を含有していてもよ
い。かかる硬質材料としては、例えば、ポリスチレン、
ポリα−メチルスチレン、スチレン・マレイン酸樹脂、
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、アクリ
ロニトリル・スチレン樹脂、ポリメチルアクリレート、
ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリカーボネート、マレイミド樹脂、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン
樹脂、ノルボルネン樹脂などが挙げられる。
主旨を損なわない程度に硬質材料を含有していてもよ
い。かかる硬質材料としては、例えば、ポリスチレン、
ポリα−メチルスチレン、スチレン・マレイン酸樹脂、
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂、アクリ
ロニトリル・スチレン樹脂、ポリメチルアクリレート、
ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート、ポリカーボネート、マレイミド樹脂、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン
樹脂、ノルボルネン樹脂などが挙げられる。
【0021】また、本発明の水膨潤性止水材には、必要
に応じて、充填剤、可塑剤、粘着付与樹脂、発泡剤、顔
料、滑剤、分散剤、紫外線防止剤、防かび剤などを添加
してもよい。
に応じて、充填剤、可塑剤、粘着付与樹脂、発泡剤、顔
料、滑剤、分散剤、紫外線防止剤、防かび剤などを添加
してもよい。
【0022】充填剤としては、ゴム等に対して従来から
使用されているものを用いることができ、例えば、クレ
ー、タルク、けいそう土、アルミナ、マイカ、硫酸アル
ミナ、硫酸バリウム、アスベスト、グラファイト、ガラ
スビーズなどが挙げられる。また、可塑剤としては、例
えば、ステアリン酸、ラウリル酸、リシノール酸、パル
ミチン酸、綿実油、ひまし油、なたね油、パーム油、や
し油、パインタール、トール油、サブ(ファクチス)、
パラフィン系プロセス油、ナフテン系プロセス油、芳香
族系プロセス油、パラフィン、アスファルト、ワセリ
ン、低分子ポリイソプレンまたはその水添物、低分子量
ポリエチレン、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレ
ート、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレー
ト、ジ−(2−エチルへキシル)アジペート、ジイソデ
シルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバ
ケート、トリクレジルフォスフェート、トリオクチルフ
ォスフェート、塩化パラフィン、塩素化ジフェニル、エ
ポキシ誘導体、オレイルニトリル、ストラクトールなど
が挙げられる。
使用されているものを用いることができ、例えば、クレ
ー、タルク、けいそう土、アルミナ、マイカ、硫酸アル
ミナ、硫酸バリウム、アスベスト、グラファイト、ガラ
スビーズなどが挙げられる。また、可塑剤としては、例
えば、ステアリン酸、ラウリル酸、リシノール酸、パル
ミチン酸、綿実油、ひまし油、なたね油、パーム油、や
し油、パインタール、トール油、サブ(ファクチス)、
パラフィン系プロセス油、ナフテン系プロセス油、芳香
族系プロセス油、パラフィン、アスファルト、ワセリ
ン、低分子ポリイソプレンまたはその水添物、低分子量
ポリエチレン、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレ
ート、ジオクチルフタレート、ジイソデシルフタレー
ト、ジ−(2−エチルへキシル)アジペート、ジイソデ
シルアジペート、ジオクチルセバケート、ジブチルセバ
ケート、トリクレジルフォスフェート、トリオクチルフ
ォスフェート、塩化パラフィン、塩素化ジフェニル、エ
ポキシ誘導体、オレイルニトリル、ストラクトールなど
が挙げられる。
【0023】粘着付与樹脂としては、例えば、クマロン
インデン樹脂、フェノール・ホルマリン樹脂、キシレン
・ホルマリン樹脂、テルペン・フェノール樹脂、コレシ
ン、ロジンの誘導体、ポリブテン、ポリテルペンなどが
挙げられる。
インデン樹脂、フェノール・ホルマリン樹脂、キシレン
・ホルマリン樹脂、テルペン・フェノール樹脂、コレシ
ン、ロジンの誘導体、ポリブテン、ポリテルペンなどが
挙げられる。
【0024】そして、発泡剤としては、公知のものを使
用することができ、例えば、炭酸アンモニウム、亜硝酸
アンモニウム、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、
アゾジカルボンアミドなどが挙げられる。
用することができ、例えば、炭酸アンモニウム、亜硝酸
アンモニウム、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、
アゾジカルボンアミドなどが挙げられる。
【0025】顔料としては、例えば、カーボンブラッ
ク、酸化チタン、炭酸カルシウム、カドミウム赤などの
無機顔料;アゾ系、フタロシアニン系、ニトロソ系など
の有機顔料が挙げられる。
ク、酸化チタン、炭酸カルシウム、カドミウム赤などの
無機顔料;アゾ系、フタロシアニン系、ニトロソ系など
の有機顔料が挙げられる。
【0026】また、滑剤としては、例えば、ステアリン
酸、ステアリン酸亜鉛、フォスフェートエステル、ポリ
エチレングリコール、ポリエチレンワックスなどが挙げ
られる。
酸、ステアリン酸亜鉛、フォスフェートエステル、ポリ
エチレングリコール、ポリエチレンワックスなどが挙げ
られる。
【0027】本発明の水膨潤性止水材を製造する方法と
しては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、
高吸水性樹脂(a)、ゴム(b)および必要に応じて他
の成分を、ゴム(b)が軟化する温度において、ロール
機、バンバリーミキサー、一軸押出機または二軸押出機
などを用いて均一に混練し、次いで、プレス機や射出成
形機などで成形する方法が挙げられる。
しては、従来公知の方法を用いることができ、例えば、
高吸水性樹脂(a)、ゴム(b)および必要に応じて他
の成分を、ゴム(b)が軟化する温度において、ロール
機、バンバリーミキサー、一軸押出機または二軸押出機
などを用いて均一に混練し、次いで、プレス機や射出成
形機などで成形する方法が挙げられる。
【0028】また、高吸水性樹脂(a)、ゴム(b)、
架橋剤、必要に応じて加硫促進剤などをロール機、バン
バリーミキサー、一軸押出機、二軸押出機などで均一に
混合した後、加硫プレスや加硫缶などを用いて加硫成形
することによって本発明の水膨潤性止水材を製造するこ
ともできる。
架橋剤、必要に応じて加硫促進剤などをロール機、バン
バリーミキサー、一軸押出機、二軸押出機などで均一に
混合した後、加硫プレスや加硫缶などを用いて加硫成形
することによって本発明の水膨潤性止水材を製造するこ
ともできる。
【0029】このようにして得られる水膨潤性止水材
は、蒸留水、海水や水道水などの電解質水溶液に対し、
静水中および流水中において長期間安定した高い止水効
果を発揮するので、ヒューム管ジョイント部のシール
材、U字溝などのパッキン、セグメントジョイント部の
シール材、止水板などの土木や建築用の資材や、光ケー
ブルの遮水材、電機部品のハーネス用止水材などとして
有用である。
は、蒸留水、海水や水道水などの電解質水溶液に対し、
静水中および流水中において長期間安定した高い止水効
果を発揮するので、ヒューム管ジョイント部のシール
材、U字溝などのパッキン、セグメントジョイント部の
シール材、止水板などの土木や建築用の資材や、光ケー
ブルの遮水材、電機部品のハーネス用止水材などとして
有用である。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例では、以下の方法により
高吸水性樹脂の蒸留水に対する吸水倍率、並びに水膨潤
性止水材の引張り物性、膨潤倍率、静水中での安定性、
流水中での安定性、膨潤・乾燥繰返し耐久性および止水
効果の長期安定性の測定を行った。
るが、本発明はかかる実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例および比較例では、以下の方法により
高吸水性樹脂の蒸留水に対する吸水倍率、並びに水膨潤
性止水材の引張り物性、膨潤倍率、静水中での安定性、
流水中での安定性、膨潤・乾燥繰返し耐久性および止水
効果の長期安定性の測定を行った。
【0031】高吸水性樹脂の蒸留水に対する吸水倍率 高吸水性樹脂約1gを秤量し、内容積1リットルのビー
カーに入れ、次いで800ccの蒸留水を加えて30分
間放置した後、予め重量を測定した200メッシュのナ
イロン布で30分間自然濾過を行い、重量を測定して、
蒸留水を吸収した後の樹脂の重量を求め、次の式に従っ
て吸収倍率を算出した。 吸水倍率(倍)=(蒸留水を吸収した後の樹脂の重量−
蒸留水を吸水する前の樹脂の重量)/蒸留水を吸収する
前の樹脂の重量
カーに入れ、次いで800ccの蒸留水を加えて30分
間放置した後、予め重量を測定した200メッシュのナ
イロン布で30分間自然濾過を行い、重量を測定して、
蒸留水を吸収した後の樹脂の重量を求め、次の式に従っ
て吸収倍率を算出した。 吸水倍率(倍)=(蒸留水を吸収した後の樹脂の重量−
蒸留水を吸水する前の樹脂の重量)/蒸留水を吸収する
前の樹脂の重量
【0032】水膨潤性止水材の各種性能 (引張り物性)JIS K6301に記載された方法に
従って測定した。
従って測定した。
【0033】(膨潤倍率)30mm×30mm×2mm
の水膨潤性止水材シートを作製し、蒸留水または人工海
水(市販品、商品名:アクアマリン、八州薬品(株)社
製)に3日間浸漬して、浸漬後のシート重量を測定し、
下記の式に従って膨潤倍率を求めた。 膨潤倍率(倍)=浸漬後のシート重量/浸漬前のシート
重量
の水膨潤性止水材シートを作製し、蒸留水または人工海
水(市販品、商品名:アクアマリン、八州薬品(株)社
製)に3日間浸漬して、浸漬後のシート重量を測定し、
下記の式に従って膨潤倍率を求めた。 膨潤倍率(倍)=浸漬後のシート重量/浸漬前のシート
重量
【0034】(静水中での安定性)30mm×30mm
×2mmの水膨潤性止水シート材を作製し、上記の人工
海水に室温で1年間浸漬し、上記の式に従って膨潤倍率
を求め、人工海水に3日間浸漬したときの膨潤倍率から
の低下率を算出し、静水中での安定性の指標とした。膨
潤倍率の低下率の値が小さい程、静水中での止水効果の
安定性が優れている。
×2mmの水膨潤性止水シート材を作製し、上記の人工
海水に室温で1年間浸漬し、上記の式に従って膨潤倍率
を求め、人工海水に3日間浸漬したときの膨潤倍率から
の低下率を算出し、静水中での安定性の指標とした。膨
潤倍率の低下率の値が小さい程、静水中での止水効果の
安定性が優れている。
【0035】(流水中での安定性)30mm×30mm
×2mmの水膨潤性止水材シートを作製し、毎時100
リットルの流速で流れる循環水(水道水)に室温で1年
間浸漬し、上記の式に従って膨潤倍率を求め、蒸留水に
3日間浸漬(静置)したときの膨潤倍率からの低下率を
算出し、流水中での安定性の指標とした。膨潤倍率の低
下率の値が小さい程、流水中での止水効果の安定性が優
れている。
×2mmの水膨潤性止水材シートを作製し、毎時100
リットルの流速で流れる循環水(水道水)に室温で1年
間浸漬し、上記の式に従って膨潤倍率を求め、蒸留水に
3日間浸漬(静置)したときの膨潤倍率からの低下率を
算出し、流水中での安定性の指標とした。膨潤倍率の低
下率の値が小さい程、流水中での止水効果の安定性が優
れている。
【0036】(膨潤・乾燥繰返し耐久性)30mm×3
0mm×2mmの水膨潤性止水材シートを作製し、上記
の人工海水に7日間浸漬した後、100℃にて2時間乾
燥させた。この操作を4回繰返した後、上記の人工海水
に3日間浸漬して、膨潤倍率を測定し、かかる膨潤・乾
燥処理を施す前の水膨潤性止水材シートを人工海水に3
日間浸漬したときの膨潤倍率からの低下率を算出し、膨
潤・乾燥繰返し耐久性の指標とした。膨潤倍率の低下率
の値が小さい程、膨潤・乾燥繰返し耐久性が優れてい
る。
0mm×2mmの水膨潤性止水材シートを作製し、上記
の人工海水に7日間浸漬した後、100℃にて2時間乾
燥させた。この操作を4回繰返した後、上記の人工海水
に3日間浸漬して、膨潤倍率を測定し、かかる膨潤・乾
燥処理を施す前の水膨潤性止水材シートを人工海水に3
日間浸漬したときの膨潤倍率からの低下率を算出し、膨
潤・乾燥繰返し耐久性の指標とした。膨潤倍率の低下率
の値が小さい程、膨潤・乾燥繰返し耐久性が優れてい
る。
【0037】(止水効果の長期安定性)30mm×30
mm×2mmの水膨潤性止水材シートを作製し、上記の
人工海水に80℃で浸漬して、上記の式に従って継時的
に膨潤倍率を算出し、膨潤倍率が同水膨潤性止水材シー
トを人工海水に室温で3日間浸漬したときの膨潤倍率の
80%に低下した時点の日数を求めた。この日数が長い
ほど止水効果の長期安定性が優れている。なお測定は2
00日間で終了させた。
mm×2mmの水膨潤性止水材シートを作製し、上記の
人工海水に80℃で浸漬して、上記の式に従って継時的
に膨潤倍率を算出し、膨潤倍率が同水膨潤性止水材シー
トを人工海水に室温で3日間浸漬したときの膨潤倍率の
80%に低下した時点の日数を求めた。この日数が長い
ほど止水効果の長期安定性が優れている。なお測定は2
00日間で終了させた。
【0038】参考例1 内容積1リットルのオートクレーブに、トルエン600
g、イソブチレン35g、無水マレイン酸70gおよび
過酸化ベンゾイル0.2gを入れ、窒素雰囲気下70℃
にて6時間重合反応を行った。室温まで冷却した後、沈
殿した生成物を回収し、減圧下、100℃で6時間かけ
て残留モノマーや溶媒を除去して、イソブチレンと無水
マレイン酸の共重合体を得た。この共重合体はジメチル
ホルムアミド溶液とし、30℃で測定した極限粘度
[η]が1.0(dl/g)であった。
g、イソブチレン35g、無水マレイン酸70gおよび
過酸化ベンゾイル0.2gを入れ、窒素雰囲気下70℃
にて6時間重合反応を行った。室温まで冷却した後、沈
殿した生成物を回収し、減圧下、100℃で6時間かけ
て残留モノマーや溶媒を除去して、イソブチレンと無水
マレイン酸の共重合体を得た。この共重合体はジメチル
ホルムアミド溶液とし、30℃で測定した極限粘度
[η]が1.0(dl/g)であった。
【0039】参考例2 参考例1で得られたイソブチレンと無水マレイン酸の共
重合体20g、水酸化ナトリウム4.2gおよび水酸化
カルシウム1.0gを74.8mlの蒸留水中に仕込
み、90℃で8時間反応させて20%濃度のイソブチレ
ンと無水マレイン酸共重合体の中和物の水溶液を調製し
た。この際、中和度は0.5で、水酸化ナトリウムと水
酸化カルシウムの割合はグラム当量比で4/1であっ
た。この中和物の水溶液に架橋剤としてポリエチレンイ
ミン0.24gを加え、撹拌して均一な水溶液を得た。
次に、この水溶液を100℃に加熱されたロール上に薄
く流延し、水を蒸発させた後、得られたフィルムを粉砕
し、200℃で1時間架橋反応を行って高吸水性樹脂1
を得た。得られた高吸水性樹脂1の蒸留水に対する吸水
倍率は44倍であった。
重合体20g、水酸化ナトリウム4.2gおよび水酸化
カルシウム1.0gを74.8mlの蒸留水中に仕込
み、90℃で8時間反応させて20%濃度のイソブチレ
ンと無水マレイン酸共重合体の中和物の水溶液を調製し
た。この際、中和度は0.5で、水酸化ナトリウムと水
酸化カルシウムの割合はグラム当量比で4/1であっ
た。この中和物の水溶液に架橋剤としてポリエチレンイ
ミン0.24gを加え、撹拌して均一な水溶液を得た。
次に、この水溶液を100℃に加熱されたロール上に薄
く流延し、水を蒸発させた後、得られたフィルムを粉砕
し、200℃で1時間架橋反応を行って高吸水性樹脂1
を得た。得られた高吸水性樹脂1の蒸留水に対する吸水
倍率は44倍であった。
【0040】参考例3 参考例1で得られたイソブチレンと無水マレイン酸の共
重合体20g、水酸化ナトリウム3.1gおよび水酸化
カルシウム1.9gを75mlの蒸留水中に仕込み、9
0℃で8時間反応させて20%濃度のイソブチレンと無
水マレイン酸共重合体の中和物の水溶液を調製した。こ
の際、中和度は0.5で、水酸化ナトリウムと水酸化カ
ルシウムの割合はグラム当量比で3/2であった。この
中和物の水溶液に架橋剤としてポリエチレンイミン0.
24gを加え、以下、参考例2と同様の操作により高吸
水性樹脂2を得た。得られた高吸水性樹脂2の蒸留水に
対する吸水倍率は40倍であった。
重合体20g、水酸化ナトリウム3.1gおよび水酸化
カルシウム1.9gを75mlの蒸留水中に仕込み、9
0℃で8時間反応させて20%濃度のイソブチレンと無
水マレイン酸共重合体の中和物の水溶液を調製した。こ
の際、中和度は0.5で、水酸化ナトリウムと水酸化カ
ルシウムの割合はグラム当量比で3/2であった。この
中和物の水溶液に架橋剤としてポリエチレンイミン0.
24gを加え、以下、参考例2と同様の操作により高吸
水性樹脂2を得た。得られた高吸水性樹脂2の蒸留水に
対する吸水倍率は40倍であった。
【0041】参考例4 参考例1で得られたイソブチレンと無水マレイン酸の共
重合体20g、水酸化ナトリウム3.1gおよび水酸化
カルシウム1.0gを75.9mlの蒸留水中に仕込
み、90℃で8時間反応させて20%濃度のイソブチレ
ンと無水マレイン酸共重合体の中和物の水溶液を調製し
た。この際、中和度は0.4で、水酸化ナトリウムと水
酸化カルシウムの割合はグラム当量比で3/1であっ
た。この中和物の水溶液に架橋剤としてポリエチレンイ
ミン0.24gを加え、以下、参考例2と同様の操作に
より高吸水性樹脂3を得た。得られた高吸水性樹脂3の
蒸留水に対する吸水倍率は32倍であった。
重合体20g、水酸化ナトリウム3.1gおよび水酸化
カルシウム1.0gを75.9mlの蒸留水中に仕込
み、90℃で8時間反応させて20%濃度のイソブチレ
ンと無水マレイン酸共重合体の中和物の水溶液を調製し
た。この際、中和度は0.4で、水酸化ナトリウムと水
酸化カルシウムの割合はグラム当量比で3/1であっ
た。この中和物の水溶液に架橋剤としてポリエチレンイ
ミン0.24gを加え、以下、参考例2と同様の操作に
より高吸水性樹脂3を得た。得られた高吸水性樹脂3の
蒸留水に対する吸水倍率は32倍であった。
【0042】参考例5 参考例1で得られたイソブチレンと無水マレイン酸の共
重合体20g、水酸化ナトリウム4.9gおよび水酸化
カルシウム0.03gを75.1mlの蒸留水中に仕込
み、90℃で8時間反応させて20%濃度のイソブチレ
ンと無水マレイン酸共重合体の中和物の水溶液を調製し
た。この際、中和度は0.5、水酸化ナトリウムと水酸
化カルシウムの割合はグラム当量比で19/1であっ
た。この中和物の水溶液に架橋剤としてポリエチレンイ
ミン0.24gを添加し、以下、参考例2と同様の操作
により高吸水性樹脂4を得た。得られた高吸水性樹脂4
の蒸留水に対する吸水倍率は85倍であった。
重合体20g、水酸化ナトリウム4.9gおよび水酸化
カルシウム0.03gを75.1mlの蒸留水中に仕込
み、90℃で8時間反応させて20%濃度のイソブチレ
ンと無水マレイン酸共重合体の中和物の水溶液を調製し
た。この際、中和度は0.5、水酸化ナトリウムと水酸
化カルシウムの割合はグラム当量比で19/1であっ
た。この中和物の水溶液に架橋剤としてポリエチレンイ
ミン0.24gを添加し、以下、参考例2と同様の操作
により高吸水性樹脂4を得た。得られた高吸水性樹脂4
の蒸留水に対する吸水倍率は85倍であった。
【0043】実施例1〜3および比較例1、2 表1に記載した配合処方に従って、50℃にてロール機
で各成分を均一に混練し、シート状に成形した。次に、
得られたシート状物を、縦100mm、横100mm、
厚さ2mmの金型にはめ込み、170℃で70kgf・
cm2 の条件下で10分間加硫させ、水膨潤性止水材を
得た。得られた水膨潤性止水材は、所定の形状とした
後、前記の方法により、各種性能の評価を行った。結果
を表1に併せて示す。
で各成分を均一に混練し、シート状に成形した。次に、
得られたシート状物を、縦100mm、横100mm、
厚さ2mmの金型にはめ込み、170℃で70kgf・
cm2 の条件下で10分間加硫させ、水膨潤性止水材を
得た。得られた水膨潤性止水材は、所定の形状とした
後、前記の方法により、各種性能の評価を行った。結果
を表1に併せて示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、蒸留水は勿論のこと、
海水や水道水などの電解質水溶液に対しても、静水中お
よび流水中において高い膨潤倍率を示し、止水効果を長
期間保持できる水膨潤性止水材が提供される。
海水や水道水などの電解質水溶液に対しても、静水中お
よび流水中において高い膨潤倍率を示し、止水効果を長
期間保持できる水膨潤性止水材が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 正雄 茨城県鹿島郡神栖町東和田36番地 株式会 社クラレ内
Claims (1)
- 【請求項1】 (a)α−オレフィンとα,β−不飽和
カルボン酸またはその無水物の共重合体に、一価の金属
を含む塩基性物質および二価以上の金属を含む塩基性物
質をグラム当量比で前者/後者=1/4〜9/1で混合
してなる塩基を、中和度が0.1〜0.5となる割合で
反応させて得られる中和物と架橋剤から構成され、蒸留
水に対する吸水倍率が10〜200倍である高吸水性樹
脂10〜200重量部、および(b)ゴム100重量部
からなる水膨潤性止水材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20786896A JPH1036574A (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | 水膨潤性止水材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20786896A JPH1036574A (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | 水膨潤性止水材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1036574A true JPH1036574A (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=16546887
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20786896A Pending JPH1036574A (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | 水膨潤性止水材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1036574A (ja) |
-
1996
- 1996-07-18 JP JP20786896A patent/JPH1036574A/ja active Pending
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