JPH09183709A - 化粧料及びその製造方法 - Google Patents

化粧料及びその製造方法

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JPH09183709A
JPH09183709A JP31488395A JP31488395A JPH09183709A JP H09183709 A JPH09183709 A JP H09183709A JP 31488395 A JP31488395 A JP 31488395A JP 31488395 A JP31488395 A JP 31488395A JP H09183709 A JPH09183709 A JP H09183709A
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純二 湯田
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隆一 稲場
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Abstract

(57)【要約】 【目的】金属酸化物を含有する皮膚上における延びが更
に良い化粧料を提供することである。 【構成】分解可能な内芯核物質の分散液に、該内芯核物
質に付着・凝集可能な金属化合物を混入し、前記分散液
の分散媒を除去する際に、前記金属化合物を前記内芯核
物質に付着・凝集させ、次いで前記内芯核物質を分解す
ることによって生成される崩壊性中空多孔性金属酸化物
を含有することを特徴とする化粧料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、皮膚上における伸びが良
く、滑らかである化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、種々の金属酸化物を含有する
化粧料、例えば酸化チタンを含有する化粧料がある。酸
化チタンは、皮膚を紫外線から保護する紫外線遮蔽効果
を有するため、シミ、ソバカスなどの発生防止に役立っ
ている。このため、このような酸化チタン等の金属酸化
物は、化粧料の含有成分として現在広く汎用されてい
る。
【0003】しかしながら、この酸化チタンは、化粧料
の塗布時にざらつきや伸びの悪さを感じさせること、ま
た、それ自身が持つ隠蔽力の強さから白浮きしやすいこ
と等、使用面での問題がある。この問題は、酸化チタン
の配合量を増加させることにより、さらに悪化すること
になる。
【0004】この問題を解決するために、隠蔽力を弱め
紫外線遮蔽効果を高めるよう超微粒子酸化チタンを用い
ることが行われているが、これらは、微粒子自身が凝集
しやすいという特徴を有するため、化粧料調製時に凝集
体を形成し易く、それ故、分散性が劣るという問題が生
じる。また、皮膚の表面は凹凸になっているため、その
凝集体を皮膚上に分散させるのは、容易ではなく、伸
び、色むら、色分かれ、感触の悪さ等の問題が生じるこ
とになる。
【0005】従来、これら問題点を解決するため種々の
試みが行われている。例えば、酸化チタンの表面をアル
ミナ、シリカ、高級脂肪酸塩、シリコーン等により表面
処理をして得られる表面処理酸化チタンを用いるものが
ある。しかしながら、このものは、皮膚上における伸び
や延展性の改善が十分でなく、塗布時の均一性や化粧仕
上げ効果に優れたものではない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これら問題を解決する
ものとして、皮膚上において物理的な圧力により崩壊す
る性質を有する酸化チタンを化粧料に含有することによ
り、皮膚上における滑りを良くし、構成粒子の分散性を
向上させる化粧料がある(特公平6−96494)。
【0007】しかしながら、この化粧料は、崩壊性を有
するため使用感においての改善は見られるものの、中実
粒子であるため、崩壊性が十分ではなく、局所的に凝集
体を形成することになり、粒子を均一に分散することが
できない。このため、期待する紫外線遮蔽効果が得られ
ない他、色むらの原因となったり、また、凝集体付近の
化粧料の密着性の低下により、化粧崩れの原因となると
いう問題がある。
【0008】そこで、本発明は、金属酸化物を含有する
皮膚上における延びが更に良い化粧料を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、本発明は、崩壊性中空多孔性金属酸化物を含有す
ることを特徴とする化粧料である。本発明に係る崩壊性
中空多孔性金属酸化物は、中空であるため、中実なもの
に比べて、崩壊が容易であり、十分な崩壊性を有する。
また、本発明に係る崩壊性中空多孔性金属酸化物は、中
実なものに比べて、単位粒子当たりの一次粒子(凝集し
ていない粒子)の数が少ないため、崩壊時における崩壊
点での構成粒子の重なり合いが少なくなり、局所的に凝
集体を形成することなく、粒子を均一に分散することが
できる。このため、期待する紫外線遮蔽効果を得ること
ができ、色むら、または、凝集体付近の化粧料の密着性
の低下による化粧崩れを防止することができる。
【0010】一方、本発明に係る崩壊性中空多孔性金属
酸化物を含有した化粧料を使用する際に、未崩壊の粒子
が存在したとしても、この崩壊性中空多孔性金属酸化物
は、中空であるため、中実なものに比べて、通気性、吸
油性、吸湿性に優れている。
【0011】また、前記崩壊性中空多孔性金属酸化物
は、分解可能な内芯核物質の分散液に、該内芯核物質に
付着・凝集可能な金属化合物を混入し、前記分散液の分
散媒を除去する際に、前記金属化合物を前記内芯核物質
に付着・凝集させ、あるいは、前記金属化合物を前記内
芯核物質に付着・凝集させた後、前記分散液の分散媒を
除去し、次いで前記内芯核物質を分解することによって
生成されることが好ましく、更にその後前記崩壊性中空
多孔性金属酸化物を焼結させることが好ましい。
【0012】またさらに、前記崩壊性中空多孔性金属酸
化物の粒子径は、0.1〜100μmであることが好ま
しい。また、この崩壊性中空多孔性金属酸化物は、力学
的作用によって崩壊されることが好ましく、化粧料への
配合量が0.05〜95重量%であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施形態】本発明における金属化合物は、金属
酸化物、または、ゾル・ゲル反応により金属酸化物ゾル
若しくはその集合体を形成し得る金属化合物であって、
例えば金属酸化物微粒子、金属酸化物超微粒子、金属ア
ルコキシド、金属アセチルアセテート、金属カルボキシ
レート、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属オキシ塩化物、
金属塩化物等があり、これらのうち二種以上を用いるこ
ともできる。それらを構成する金属は、Ti、Al、Z
r、Si、Ni、Fe、Ce、Znのうち一種または二
種以上から選ばれるものである。
【0014】具体的に例示すると、金属酸化物微粒子、
金属酸化物超微粒子としては、酸化チタン、酸化アルミ
ニウム、酸化ジルコニウム、シリカ、酸化ニッケル、酸
化鉄、酸化セリウム、酸化亜鉛等があり、金属アルコキ
シドとしては、アルミニウムエトキシド、アルミニウム
ブトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニ
ウムメトキシド、ニッケルアルミニウム複合アルコキシ
ド、シリコンエトキシド、シリコンイソプロポキシド、
シリコンメトキシド、ジルコニウムエトキシド、ジルコ
ニウムブトキシド、ジルコニウムプロポキシド、ジルコ
ニウムメトキシド、チタンエトキシド、チタンブトキシ
ド、チタンイソプロポキシド、チタンメトキシド、金属
アセチルアセトネートとしては、アルミニウムアセチル
アセトネート、ジルコニウムアセチルアセトネート、金
属カルボキシレートとしては、酢酸アルミニウム、硫酸
塩としては、硫酸アルミニウム、硫酸チタニル、硝酸塩
としては硝酸鉄、硝酸ニッケル、オキシ塩化物として
は、オキシ塩化アルミニウム、オキシ塩化ジルコニウ
ム、塩化物としては、四塩化チタン、塩化鉄、塩化亜鉛
等がある。酸化チタンを用いることによって紫外線遮蔽
効果、ジルコニアを用いることによって赤外線遮蔽効
果、シリカまたは酸化アルミニウムを用いることによっ
て透明性や滑り等の向上を図ることができる。
【0015】前記内芯核物質は、熱、酸、または塩基を
作用することによって分解されるものが好ましく、熱を
作用することによって分解されるものとして、例えばナ
イロン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリオレフィン等の合成樹脂若しくはこれらの共重
合体、澱粉、または、セルロース等がある。酸または塩
基を作用することによって分解することができる物質と
しては、例えば炭酸マグネシウム、炭酸コバルト、炭酸
ニッケル等の水に難溶で酸に溶解するもの、水酸化ニッ
ケル、水酸化カドニウム等の水に難溶で酸およびアンモ
ニウム塩水溶液に可溶なもの、水酸化亜鉛等水に難溶で
酸・塩基に可溶なもの、または、酸化亜鉛、酸化マグネ
シウム、酸化コバルト、酸化ニッケル等酸に可溶なもの
がある。熱分解した後、酸または塩基による分解が必要
となるものとして、例えば炭酸マグネシウム、炭酸コバ
ルト、炭酸ニッケル、水酸化亜鉛等がある。
【0016】また、前記内芯核物質は、平均粒子径が
0.1〜100μmのものを用いることができ、特に1
〜30μmのものを用いることが好ましい。
【0017】また、前記内芯核物質に金属酸化物を付着
凝集する方法としては、以下のようなものがある。例え
ば、金属酸化物微粒子および金属酸化物超微粒子を用い
た場合、内芯核物質の分散液の分散媒を留去、残存物を
乾燥することにより付着凝集させる方法、金属アルコキ
シド、金属アセチルアセテート、金属カルボキシレー
ト、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属オキシ塩化物、金属
塩化物から選ばれる一種または二種以上を用いた場合、
先ず加水分解を行い金属酸化物のゾル、若しくは、金属
酸化物ゲルの懸濁分散液を調製した後、これを内芯核物
質分散液に加え分散媒を除去し、残存物を乾燥すること
により付着凝集させるか、または、先に前記金属化合物
を内芯核物質分散液に分散させた後、加水分解を行い、
内芯核物質に付着凝集あるいは被膜形成させる方法があ
る。また、これらの方法を組み合わせても良い。何れの
方法であっても分散媒を除去することで、内芯核物質が
金属化合物で被覆された複合粒子を得ることができる。
さらに、この分散液の濃度を変化させることで本発明の
崩壊性中空多孔性金属酸化物の膜厚および多孔性の度合
いを調整することができる。
【0018】さらに、内芯核物質の分解方法は、熱によ
る酸化分解若しくは熱分解、または、酸若しくは塩基を
用いて分解することが好ましい。また、これらを組み合
わせても良い。これら具体的な方法としては、以下のよ
うなものがある。例えば、内芯核物質に燃焼性物質を用
いる場合、加熱することによって、この燃焼性物質を燃
焼させ除去する方法がある。この場合、同時にその中空
粒子を焼結することができる。このときの昇温速度は、
燃焼物質の種類により変化させることが好ましい。昇温
速度が速すぎると、燃焼性物質の分解速度も速く、粒子
が崩壊する場合があるため、燃焼性物質の大部分が除去
されるまではゆっくり昇温して、大部分が除去された後
に、目的とする昇温温度まで昇温させると良い。例え
ば、内芯核物質に澱粉を用いた場合、澱粉は、250℃
付近で主に分解が起こるため、250℃前後において、
ゆっくり昇温することで粒子の破裂を減少させることが
できる。また、ここで述べる焼結とは、内芯核物質が被
覆されまたは内芯核物質が除去された金属化合物を加熱
し、これを一次粒子間において互いの粒子が部分的に、
崩壊性が失わない程度に弱く結着された金属酸化物にす
ることを意味する。また、内芯核物質が酸または塩基に
より分解可能な場合、先に得られた内芯核物質の表面に
金属化合物が凝集した複合物質を酸または塩基の水溶液
に浸すことにより、内芯核物質を除去して中空粒子にす
る方法があり、この場合この中空粒子をその後に焼結す
ることができる。また、焼結することで酸若しくは塩基
により分解可能になる金属化合物の場合、内芯核物質の
表面に金属化合物が凝集した複合物質を焼結し、その後
これを酸または塩基に浸すことにより、内芯核物質を分
解除去する方法がある。焼結は、500〜1500℃で
行うことができるが、約1000℃で0.5〜3時間程
行うことが好ましい。500℃より低い温度では崩壊性
粒子を構成する一次粒子間の結着が弱く非常に崩壊しや
すくなり、崩壊性中空粒子の形状を維持することが難し
いのである。また、1500℃より高い温度による焼結
または長時間の焼結を行うと、崩壊性粒子を構成する一
次粒子間の結着がより強固になり、崩壊性を持たない中
空多孔性粒子になってしまうのである。つまり、この焼
結温度と時間を制御することによって、崩壊性粒子の強
度を調整することができ、所望の崩壊性を有する崩壊性
中空多孔性金属酸化物を得ることができるのである。
【0019】また、本発明の崩壊性中空多孔性金属酸化
物の内部には、様々な機能性有効物質を担持することが
可能である。本発明においては中空粒子が崩壊するた
め、粉体としての流動性を低下させることなく多くの機
能性有効物質を担持することができ、崩壊性中空多孔性
金属酸化物の崩壊により、機能性有効物質の機能を瞬時
に発現することができる。また、この崩壊性中空多孔性
金属酸化物の内部に担持された機能性有効物質は、崩壊
時に無駄なく放出されるので、機能性有効物質を担持し
た非崩壊性の化合物と同程度の効果を得ようとするなら
ば、その化合物に比べて、担持させる機能性有効物質の
量を少なくすることができる。
【0020】実際に担持することができる機能性有効物
質としては、グリセリン、プロピレングリコール、ソル
ビトール、ポリエチレングリコール、ヒアルロン酸ナト
リウム、ピリドロンカルボン酸ナトリウム、乳酸ナトリ
ウム等の保湿剤(エリモント剤を含む)、ビタミン類、
抗菌剤、香料等化粧料に所望の機能を付与する機能性有
効物質、または、油脂・ロウ類等があり、これらを二種
以上担持させても良い。
【0021】これら物質の崩壊性中空多孔性金属酸化物
への担持方法としては、例えば揮発性溶媒に可溶な機能
性有効物質の場合、可溶性の揮発性溶媒に溶解させた
後、多孔性粒子の孔から内部に浸透させ、中空内に導入
し、次に溶媒を除去することにより中空内および粒子表
面に担持させる方法、または、油脂・ロウ類などは、一
度溶解させたものを多孔性粒子の孔から内部に浸透させ
中空内に導入した後粒子を濾別し、冷却することによっ
て、中空内および粒子表面に担持させる方法がある。
【0022】また、粒子調製時あるいは調製後、粒子表
面かつ/または内部に対して着色剤を担持させることも
可能である。例えば、崩壊性中空多孔性金属酸化物の調
製の際に金属アルコキシドを用いる場合、生成する金属
酸化物ゾルを内芯核物質に付着凝集させるときに、着色
剤を同時に添加することよって、着色剤を金属酸化物の
一次粒子間に、均一に分散させることができる。また、
崩壊性中空多孔性金属酸化物を着色剤の分散溶液に分散
させることによって、その多孔性粒子の表面かつ/また
は内部に着色剤を担持させる方法もある。
【0023】中空部に着色剤を担持させた本発明の粒子
は、未崩壊時には目視によりその着色剤を確認すること
ができないが、粒子崩壊時にはその着色剤が露出するた
め、着色剤を目視により確認することができる。このた
め、粒子を崩壊させた部分と、粒子を崩壊させない部分
とで、色を微妙に変化させることができ、化粧料使用時
にその微妙な色の変化を楽しむことができる。
【0024】なお、機能性有効物質を担持した崩壊性中
空多孔性金属酸化物と、着色剤を担持した崩壊性中空多
孔性金属酸化物と、何も担持していない崩壊性中空多孔
性金属酸化物とを一種または二種以上を任意の割合で化
粧料成分として配合することも可能である。
【0025】
【実施例】次に、本発明の実施例について、比較実験例
とあわせて説明する。
【0026】先ず、本発明の実施例に配合される崩壊性
中空多孔性金属酸化物について説明する。崩壊性中空多
孔性金属酸化物の第1の態様(以下、単に「第1態様」
という)は、次の方法で調製した。先ず、内芯核物質で
ある澱粉5gを分散媒であるエタノール150mlに分
散し、この分散溶液に金属化合物であるチタニアゾル5
g(TiO2含有率21%)を加えて撹拌した。その
後、この分散混合液を約75℃に加熱し、熱風により分
散溶媒を除去し、さらにこれを乾燥して酸化チタン被覆
澱粉を得た。次に、この酸化チタン被覆澱粉を加熱装置
に入れ、200℃まで加熱した後、300℃までは10
℃/時間の昇温速度で昇温させて、その後100℃/時
間の昇温速度で1000℃まで昇温して、その温度で2
時間加熱して焼結した後、放冷することによって略球状
の崩壊性中空多孔性酸化チタン0.935gを得た(収
率89%)。
【0027】この崩壊性中空多孔性酸化チタンの外観の
走査型電子顕微鏡写真(10000倍)を図1に示す。
【0028】次に、崩壊性中空多孔性金属酸化物の第2
の態様(以下、単に「第2態様」という)について説明
する。第2態様は、次の方法で調製した。先ず、内芯核
物質である澱粉5gと弁柄0.02gを分散媒であるエ
タノール150mlに分散させる。そこにチタニアゾル
4.5g(TiO2含有率21%)を加えて撹拌する。
この分散混合溶液を約75℃に加温し、熱風により溶媒
を除去し、さらに加熱乾燥して弁柄含有酸化チタン被覆
澱粉を得る。次にこれを加熱装置に入れ、200℃まで
加熱した後、300℃までは10℃/時間の昇温速度で
昇温させて、その後100℃/時間の昇温速度で100
0℃まで昇温して、その温度で2時間加熱して焼結した
後、放冷することによって略球状の赤色に着色された崩
壊性中空多孔性酸化チタン0.859gを得た。この崩
壊性中空多孔性酸化チタンは、崩壊前には弁柄の一部が
崩壊性粒子の内部に含有されており、崩壊後はその弁柄
が崩壊性粒子内部からその表面に露出するため、崩壊前
に比べて崩壊後はやや赤みが強くなっているのが確認さ
れた。
【0029】次に、崩壊性中空多孔性金属酸化物の第3
の態様(以下、単に「第3態様」という)について説明
する。第3態様は、次の方法で調製した。先ず、第1態
様の崩壊性中空多孔性酸化チタン5gをグリセリン5g
に溶かしたエタノール溶液10mlに浸して脱気した
後、溶媒を除去して表面及び中空部にグリセリンを担持
した崩壊性中空多孔性酸化チタン10g(グリセリン含
有率50%)を得た。
【0030】このような方法によって得られた中空部及
び表面にグリセリンを担持した崩壊性中空多孔性酸化チ
タンは、崩壊時にグリセリンが放出するため、とても滑
らかな感触となっていることが確認された。
【0031】次に、崩壊性中空多孔性金属酸化物を含有
した本発明の実施例に係る化粧料について説明する。本
発明の第1実施例である粉白粉は、表1に示す1から5
の成分を混合機で混合し、調製した。
【0032】
【表1】 本発明の第2実施例である固形ファンデーションは、表
2に示す1〜6の成分をハンマーミルにより粉砕し、ヘ
ンシェルミキサーで混合した後、表2に示す7及び8の
成分を加え混合し、これに加熱溶解した表2の9を加え
て混合した後プレス成型することによって調製した。
【0033】
【表2】 本発明の第3実施例であるアイシャドウは、1〜7をハ
ンマーミルにより粉砕し、ヘンシェルミキサーで混合し
た後、8と9を加え混合し、これに加熱溶解した10と
11を加えて混合した後プレス成型することによって調
製した。
【0034】
【表3】 次に、上記実施例に対する比較例について説明する。第
1比較例は、本発明の第1実施例の表1に示す1の成分
の代わりに微粒子酸化チタン20%を用いて、実施例1
と同様に粉白粉を配合した。
【0035】第2比較例は、本発明の第2実施例の表2
に示す7及び8に示す成分の代わりに微粒子酸化チタン
11%、グリセリン4%を用いて、実施例2と同様に固
形ファンデーションを配合した。
【0036】第3比較例は、本発明の第3実施例の表3
に示す8及び9に示す成分の代わりに微粒子チタン19
%、グリセリン4%を用いて実施例3と同様にアイシャ
ドウを配合した。
【0037】上記第1乃至3実施例、及び、第1乃至3
比較例で得られた各化粧料について、皮膚へ塗布した際
の官能試験をパネル20名によって行った。その結果を
表4に示す。
【0038】
【表4】 以上のように本発明の化粧料は、従来の化粧料に比べて
滑らかさ、延び、均一性、密着性、透明感に優れたもの
である。また、上記第1乃至3実施態様は、内芯核物質
として略球状の澱粉が使用されるているので、その崩壊
性中空多孔性金属酸化物を略球状に形成することができ
る。
【0039】なお、第1乃至3実施例において化粧料配
合例(粉白粉、固形ファンデーション、アイシャドウ)
を示したが、これに限定されるものではなく、例えば口
紅、リキッドファンデーション、頬紅など他の化粧料
に、崩壊性中空多孔性金属酸化物を配合しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用される崩壊性中空多孔性酸化チタ
ンの走査型電子顕微鏡写真(10000倍)である。
【手続補正書】
【提出日】平成7年12月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正内容】
【0029】次に、崩壊性中空多孔性金属酸化物の第3
の態様(以下、単に「第3態様」という)について説明
する。第3態様は、次の方法で調製した。先ず、第1態
様の崩壊性中空多孔性酸化チタン5gをグリセリン5g
溶かしたエタノール溶液10mlに浸して脱気した
後、溶媒を除去して表面及び中空部にグリセリンを担持
した崩壊性中空多孔性酸化チタン10g(グリセリン含
有率50%)を得た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正内容】
【0033】
【表2】本発明の第3実施例であるアイシャドウは、1
〜7をハンマーミルにより粉砕し、ヘンシェルミキサー
で混合した後、8と9を加え混合し、これに加熱溶解し
た10と11を加えて混合した後プレス成型することに
よって調製した。
【表2】実施例2 成 分 配合量(%) 1 黄酸化鉄 2.0 2 弁柄 0.8 3 黒酸化鉄 0.2 4 タルク 30.0 5 マイカ 25.0 6 セリサイト 14.0 7 第1態様の崩壊性中空多孔性酸化チタン 7.0 8 第3態様のグリセリン含有崩壊性中空多孔性酸化チタン 8.0 流動パラフィン 13.0

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 崩壊性中空多孔性金属酸化物を含有する
    ことを特徴とする化粧料。
  2. 【請求項2】 前記崩壊性中空多孔性金属酸化物は、分
    解可能な内芯核物質の分散液に、該内芯核物質に付着・
    凝集可能な金属化合物を混入し、前記分散液の分散媒を
    除去する際に、前記金属化合物を前記内芯核物質に付着
    ・凝集させ、次いで前記内芯核物質を分解することによ
    って生成される請求項1記載の化粧料。
  3. 【請求項3】 前記崩壊性中空多孔性金属酸化物は、分
    解可能な内芯核物質の分散液に、該内芯核物質に付着・
    凝集可能な金属化合物を混入し、該金属化合物を前記内
    芯核物質に付着・凝集させた後、前記分散液の分散媒を
    除去し、次いで前記内芯核物質を分解することによって
    生成される請求項1記載の化粧料。
  4. 【請求項4】 前記内芯核物質を分解した後、更に前記
    崩壊性中空多孔性金属酸化物を焼結する請求項2または
    3記載の化粧料。
  5. 【請求項5】 前記金属化合物は、金属酸化物である請
    求項2乃至4いずれか記載の化粧料。
  6. 【請求項6】 前記金属化合物は、ゾル・ゲル反応によ
    り金属酸化物ゾル若しくはその集合体を形成し得る金属
    化合物である請求項2乃至4いずれか記載の化粧料。
  7. 【請求項7】 前記金属化合物は、金属酸化物微粒子、
    金属酸化物超微粒子、金属アルコキシド、金属アセチル
    アセテート、金属カルボキシレート、金属硫酸塩、金属
    硝酸塩、金属オキシ塩化物、金属塩化物のうち一種また
    は二種以上である請求項2乃至4いずれか記載の化粧
    料。
  8. 【請求項8】 前記金属化合物を構成する金属は、T
    i、Al、Zr、Si、Ni、Fe、Ce、Znのうち
    一種または二種以上である請求項2乃至7いずれか記載
    の化粧料。
  9. 【請求項9】 前記内芯核物質は、熱、酸、または、塩
    基を作用することによって分解されるものである請求項
    2乃至8いずれか記載の化粧料。
  10. 【請求項10】 前記崩壊性中空多孔性金属酸化物は、
    機能性有効物質を担持している請求項1乃至9いずれか
    記載の化粧料。
  11. 【請求項11】 前記崩壊性中空多孔性金属酸化物は、
    着色剤を担持している請求項1乃至10いずれか記載の
    化粧料。
  12. 【請求項12】 前記崩壊性中空多孔性金属酸化物の粒
    子径が0.1〜100μmである請求項1乃至11いず
    れか記載の化粧料。
  13. 【請求項13】 分解可能な内芯核物質の分散液に、該
    内芯核物質に付着・凝集可能な金属化合物を混入し、前
    記分散液の分散媒を除去する際に、前記金属化合物を前
    記内芯核物質に付着・凝集させ、次いで前記内芯核物質
    を分解することによって化粧料に含有される崩壊性中空
    多孔性金属酸化物を製造する方法。
  14. 【請求項14】 前記崩壊性中空多孔性金属酸化物は、
    分解可能な内芯核物質の分散液に、該内芯核物質に付着
    ・凝集可能な金属化合物を混入し、該金属化合物を前記
    内芯核物質に付着・凝集させた後、前記分散液の分散媒
    を除去し、次いで前記内芯核物質を分解することによっ
    て化粧料に含有される崩壊性中空多孔性金属酸化物を製
    造する方法。
  15. 【請求項15】 前記内芯核物質を分解した後、更に前
    記崩壊性中空多孔性金属酸化物を焼結する請求項13ま
    たは14記載の崩壊性中空多孔性金属酸化物の製造方
    法。
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