JPH09183707A - 抗菌・防かび性組成物 - Google Patents
抗菌・防かび性組成物Info
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- JPH09183707A JPH09183707A JP7354323A JP35432395A JPH09183707A JP H09183707 A JPH09183707 A JP H09183707A JP 7354323 A JP7354323 A JP 7354323A JP 35432395 A JP35432395 A JP 35432395A JP H09183707 A JPH09183707 A JP H09183707A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】所望の材料に抗菌性と防かび性を付与できる抗
菌・防かび性組成物を提供する。 【構成】環内に1つ以上の窒素原子を含む複素6員環構
造を有するか又はハロアルキルチオ系に属する防かび性
化合物及び無機系抗菌剤を含有させる。
菌・防かび性組成物を提供する。 【構成】環内に1つ以上の窒素原子を含む複素6員環構
造を有するか又はハロアルキルチオ系に属する防かび性
化合物及び無機系抗菌剤を含有させる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特定の防かび性を有
する有機化合物と無機系抗菌剤を含有させることによっ
て、抗菌性が付与されるだけでなく、防かび性能、特に
胞子の発芽を阻止する能力を著しく増進させた抗菌・防
かび性組成物に関する。本発明の抗菌・防かび性組成物
は、各種樹脂と配合して抗菌・防かび性樹脂組成物を容
易に得ることができる。本発明の抗菌・防かび性組成物
を配合した樹脂組成物は、フィルム、シート等の成形
品、並びに各種繊維、紙、皮革、塗料、接着剤、断熱材
及びコーキング材等として使用することができる。な
お、本明細書において、抗菌性と防かび性を兼ね備えた
性質を「抗菌・防かび性」と、抗菌性と防かび性を兼ね
備えた薬剤を「抗菌・防かび剤」と略記する。
する有機化合物と無機系抗菌剤を含有させることによっ
て、抗菌性が付与されるだけでなく、防かび性能、特に
胞子の発芽を阻止する能力を著しく増進させた抗菌・防
かび性組成物に関する。本発明の抗菌・防かび性組成物
は、各種樹脂と配合して抗菌・防かび性樹脂組成物を容
易に得ることができる。本発明の抗菌・防かび性組成物
を配合した樹脂組成物は、フィルム、シート等の成形
品、並びに各種繊維、紙、皮革、塗料、接着剤、断熱材
及びコーキング材等として使用することができる。な
お、本明細書において、抗菌性と防かび性を兼ね備えた
性質を「抗菌・防かび性」と、抗菌性と防かび性を兼ね
備えた薬剤を「抗菌・防かび剤」と略記する。
【0002】
【従来技術】従来から無機系の抗菌・防かび剤として
は、銀、銅、亜鉛などの抗菌性を示す金属イオンを活性
炭、アパタイト、ゼオライトなどに担持させたものが知
られている。一方、有機系の抗菌・防かび剤としては、
塩化ベンザルコニウムで代表される第四アンモニウム塩
系化合物、2,4−チアゾリルベンズイミダゾールで代
表されるイオウ含有ベンズイミダゾール系化合物、メチ
レンビスチオシアネートで代表されるビスチオシアネー
ト系化合物、8−キノリノールに代表されるキノリノー
ル系化合物、エタノールに代表されるアルコール系化合
物、ホルマリンに代表されるアルデヒド系化合物、クレ
ゾールに代表されるフェノール系化合物、ソルビン酸に
代表されるカルボン酸系化合物などの防かび剤が知られ
ている。
は、銀、銅、亜鉛などの抗菌性を示す金属イオンを活性
炭、アパタイト、ゼオライトなどに担持させたものが知
られている。一方、有機系の抗菌・防かび剤としては、
塩化ベンザルコニウムで代表される第四アンモニウム塩
系化合物、2,4−チアゾリルベンズイミダゾールで代
表されるイオウ含有ベンズイミダゾール系化合物、メチ
レンビスチオシアネートで代表されるビスチオシアネー
ト系化合物、8−キノリノールに代表されるキノリノー
ル系化合物、エタノールに代表されるアルコール系化合
物、ホルマリンに代表されるアルデヒド系化合物、クレ
ゾールに代表されるフェノール系化合物、ソルビン酸に
代表されるカルボン酸系化合物などの防かび剤が知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た無機系防かび剤は耐熱性や耐薬品性に優れているもの
の、細菌類に対する抗菌効果に比べて真菌類に対する防
かび効果に劣るという問題点があり、防かび剤の大半は
有機系が利用されている。また、有機系防かび剤は逆に
細菌類に対する抗菌効果に劣るという傾向があり、抗菌
性、防かび性共に兼ね備えた抗菌・防かび剤が望まれて
いる。
た無機系防かび剤は耐熱性や耐薬品性に優れているもの
の、細菌類に対する抗菌効果に比べて真菌類に対する防
かび効果に劣るという問題点があり、防かび剤の大半は
有機系が利用されている。また、有機系防かび剤は逆に
細菌類に対する抗菌効果に劣るという傾向があり、抗菌
性、防かび性共に兼ね備えた抗菌・防かび剤が望まれて
いる。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の
防かび性を有する有機化合物と無機系抗菌剤を含有させ
ることによって、抗菌性が付与されるだけでなく、防か
び性能、特に胞子の発芽を阻止する能力が著しく増進す
るという利点を有することを見い出し、本発明を完成す
るに至ったのである。即ち、本発明は、環内に1つ以上
の窒素原子を含む複素6員環構造を有するか又はハロア
ルキルチオ系に属する防かび性化合物及び無機系抗菌剤
を含有することを特徴とする抗菌・防かび性組成物であ
る。
上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の
防かび性を有する有機化合物と無機系抗菌剤を含有させ
ることによって、抗菌性が付与されるだけでなく、防か
び性能、特に胞子の発芽を阻止する能力が著しく増進す
るという利点を有することを見い出し、本発明を完成す
るに至ったのである。即ち、本発明は、環内に1つ以上
の窒素原子を含む複素6員環構造を有するか又はハロア
ルキルチオ系に属する防かび性化合物及び無機系抗菌剤
を含有することを特徴とする抗菌・防かび性組成物であ
る。
【0005】○防かび性化合物 本発明における防かび性化合物は、環内に1つ以上の窒
素原子を含む複素6員環構造を有するか又はハロアルキ
ルチオ系に属する防かび性化合物である。
素原子を含む複素6員環構造を有するか又はハロアルキ
ルチオ系に属する防かび性化合物である。
【0006】環内に1つ以上の窒素原子を含む複素6員
環構造を有する防かび性化合物の好ましい具体例として
以下の化合物がある。即ち、2,3,5,6−テトラク
ロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、2−ピリジ
ンチオール−1−オキシド亜鉛などのピリジン系化合
物;ピタリジン系化合物;ピリミジン系化合物;トリア
ジン系化合物;ピラジン系化合物;キノリン系化合物;
キナゾリン系化合物;フェナントロジン系化合物;フェ
ナントロリン系化合物;フェナジン系化合物等である。
上記複素6員環系防かび性化合物は、1種または2種以
上を用いることができ、又上記ハロアルキルチオ系防か
び性化合物と適宜併用してもよい。
環構造を有する防かび性化合物の好ましい具体例として
以下の化合物がある。即ち、2,3,5,6−テトラク
ロロ−4−(メチルスルホニル)ピリジン、2−ピリジ
ンチオール−1−オキシド亜鉛などのピリジン系化合
物;ピタリジン系化合物;ピリミジン系化合物;トリア
ジン系化合物;ピラジン系化合物;キノリン系化合物;
キナゾリン系化合物;フェナントロジン系化合物;フェ
ナントロリン系化合物;フェナジン系化合物等である。
上記複素6員環系防かび性化合物は、1種または2種以
上を用いることができ、又上記ハロアルキルチオ系防か
び性化合物と適宜併用してもよい。
【0007】ハロアルキルチオ系である防かび化合物
は、下式で表される化合物である。
は、下式で表される化合物である。
【0008】
【化1】
【0009】上式において、X,Y及びZはF,Cl,
Br又はIのハロゲンであり、これらは互いに同一であ
ってもよいし、異なっていてもよい。Rは有機基であ
り、好ましくは構造中にイミド基を持つ有機基である。
具体例としては、N−(フルオロジクロロメチルチオ)
フタルイミド、N,N−ジメチル−N’−(ジクロロフ
ルオロメチルチオ)−N’−フェニルスルファミド、
N,N−ジメチル−N’−(ジクロロフルオロメチルチ
オ)−N’−トリスルファミド、N−(トリクロルメチ
ルチオ)フタルイミド、テトラクロルエチルチオテトラ
ヒドロフタルイミド、N−トリクロルメチルチオ−4−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシイミドなどが挙
げられる。これらハロアルキルチオ系防かび性化合物
は、1種または2種以上を用いることができる。
Br又はIのハロゲンであり、これらは互いに同一であ
ってもよいし、異なっていてもよい。Rは有機基であ
り、好ましくは構造中にイミド基を持つ有機基である。
具体例としては、N−(フルオロジクロロメチルチオ)
フタルイミド、N,N−ジメチル−N’−(ジクロロフ
ルオロメチルチオ)−N’−フェニルスルファミド、
N,N−ジメチル−N’−(ジクロロフルオロメチルチ
オ)−N’−トリスルファミド、N−(トリクロルメチ
ルチオ)フタルイミド、テトラクロルエチルチオテトラ
ヒドロフタルイミド、N−トリクロルメチルチオ−4−
シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシイミドなどが挙
げられる。これらハロアルキルチオ系防かび性化合物
は、1種または2種以上を用いることができる。
【0010】○無機系抗菌剤 本発明における無機系抗菌剤は、銀及び銅等の抗菌性を
有する金属イオンとして知られている抗菌性金属イオン
を担持させた無機化合物であれば特に制限はなく、抗菌
性金属イオンを担持させる無機化合物としては、例えば
以下のものがある。即ち、活性炭、活性アルミナ、シリ
カゲル等の無機系吸着剤、ゼオライト、ハイドロキシア
パタイト、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、チタン
酸カリウム、含水酸化ビスマス、含水酸化ジルコニウ
ム、ハイドロタルサイト類化合物等の無機イオン交換体
がある。これらの無機化合物に抗菌性金属イオンを担持
させる方法には特に制限はなく、今までに知られた担持
方法はいずれも採用でき、例えば物理吸着又は化学吸着
により担持させる方法、イオン交換反応により、担持さ
せる方法、結合材により担持させる方法、抗菌性金属化
合物を無機化合物に打ち込むことにより担持させる方
法、蒸着、溶解析出反応、スパッタ等の薄膜形成法によ
り無機化合物の表面に抗菌性金属化合物の薄層を形成さ
せることにより担持させる方法がある。本発明における
無機系抗菌剤の好ましい粒径は10μm以下であり、よ
り好ましくは3μm以下であり、特に好ましくは1μm
以下である。
有する金属イオンとして知られている抗菌性金属イオン
を担持させた無機化合物であれば特に制限はなく、抗菌
性金属イオンを担持させる無機化合物としては、例えば
以下のものがある。即ち、活性炭、活性アルミナ、シリ
カゲル等の無機系吸着剤、ゼオライト、ハイドロキシア
パタイト、リン酸ジルコニウム、リン酸チタン、チタン
酸カリウム、含水酸化ビスマス、含水酸化ジルコニウ
ム、ハイドロタルサイト類化合物等の無機イオン交換体
がある。これらの無機化合物に抗菌性金属イオンを担持
させる方法には特に制限はなく、今までに知られた担持
方法はいずれも採用でき、例えば物理吸着又は化学吸着
により担持させる方法、イオン交換反応により、担持さ
せる方法、結合材により担持させる方法、抗菌性金属化
合物を無機化合物に打ち込むことにより担持させる方
法、蒸着、溶解析出反応、スパッタ等の薄膜形成法によ
り無機化合物の表面に抗菌性金属化合物の薄層を形成さ
せることにより担持させる方法がある。本発明における
無機系抗菌剤の好ましい粒径は10μm以下であり、よ
り好ましくは3μm以下であり、特に好ましくは1μm
以下である。
【0011】上記の無機化合物の中で、無機イオン交換
体は抗菌性金属イオンを強固に担持できることから好ま
しく、リン酸塩系無機イオン交換体に抗菌性イオンを担
持させた下式〔1〕で示される抗菌剤は特に好ましい抗
菌剤である。 M1 a Ab M2 2(PO4 )3 nH2 0 〔1〕 (M1 は銀、銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバルト、
ニッケル、マンガン、砒素、アンチモン、ビスマス、バ
リウム、カドミウム又はクロムから選ばれる少なくとも
1種の金属イオンであり、Aはアルカリ金属イオン、ア
ルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン又は水素イ
オンから選ばれる少なくとも1種のイオンであり、M2
は4価金属イオンであり、nは0≦n≦6を満たす数で
あり、a及びbはla+mb=1を満たす正数である。
但し、lはM1 の価数であり、mはAの価数である。)
体は抗菌性金属イオンを強固に担持できることから好ま
しく、リン酸塩系無機イオン交換体に抗菌性イオンを担
持させた下式〔1〕で示される抗菌剤は特に好ましい抗
菌剤である。 M1 a Ab M2 2(PO4 )3 nH2 0 〔1〕 (M1 は銀、銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバルト、
ニッケル、マンガン、砒素、アンチモン、ビスマス、バ
リウム、カドミウム又はクロムから選ばれる少なくとも
1種の金属イオンであり、Aはアルカリ金属イオン、ア
ルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン又は水素イ
オンから選ばれる少なくとも1種のイオンであり、M2
は4価金属イオンであり、nは0≦n≦6を満たす数で
あり、a及びbはla+mb=1を満たす正数である。
但し、lはM1 の価数であり、mはAの価数である。)
【0012】上式〔1〕で示されるリン酸塩は、アモル
ファス又は空間群R3cに属する結晶性化合物であり、各
構成イオンが3次元網目状構造を作る化合物である。本
発明において好適に用いることができるリン酸塩系抗菌
剤は、日光に暴露したときの変色が少ないことから、3
次元網目状構造を有する結晶性化合物である。上式
〔1〕におけるM1 は、いずれも抗菌性を示す金属イオ
ンとして知られたものであり、これらの中で銀は、安全
性の他、防かび、抗菌性及び防藻性を高めることができ
る金属として特に有効である。
ファス又は空間群R3cに属する結晶性化合物であり、各
構成イオンが3次元網目状構造を作る化合物である。本
発明において好適に用いることができるリン酸塩系抗菌
剤は、日光に暴露したときの変色が少ないことから、3
次元網目状構造を有する結晶性化合物である。上式
〔1〕におけるM1 は、いずれも抗菌性を示す金属イオ
ンとして知られたものであり、これらの中で銀は、安全
性の他、防かび、抗菌性及び防藻性を高めることができ
る金属として特に有効である。
【0013】上式〔1〕におけるAは、アルカリ金属イ
オン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン又
は水素イオンから選ばれる少なくとも1種のイオンであ
り、好ましい具体例には、リチウム、ナトリウム及びカ
リウム等のアルカリ金属イオン、マグネシウム又はカル
シウム等のアルカリ土類金属イオン又は水素イオンがあ
り、これらの中では、化合物の安定性及び安価に入手で
きる点から、カリウム、リチウム、ナトリウム、アンモ
ニウムイオン及び水素イオンが好ましいイオンである。
オン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン又
は水素イオンから選ばれる少なくとも1種のイオンであ
り、好ましい具体例には、リチウム、ナトリウム及びカ
リウム等のアルカリ金属イオン、マグネシウム又はカル
シウム等のアルカリ土類金属イオン又は水素イオンがあ
り、これらの中では、化合物の安定性及び安価に入手で
きる点から、カリウム、リチウム、ナトリウム、アンモ
ニウムイオン及び水素イオンが好ましいイオンである。
【0014】上式〔1〕におけるM2 は、4価金属イオ
ンであり、好ましい具体例には、ジルコニウムイオン、
チタンイオン又は錫イオンがあり、化合物の安全性を考
慮すると、ジルコニウムイオン及びチタンイオンは特に
好ましい4価金属イオンである。
ンであり、好ましい具体例には、ジルコニウムイオン、
チタンイオン又は錫イオンがあり、化合物の安全性を考
慮すると、ジルコニウムイオン及びチタンイオンは特に
好ましい4価金属イオンである。
【0015】上記リン酸塩系抗菌剤の好ましい具体例と
して、以下のものがある。即ち、 Ag0.005 Li0.995 Zr2 (PO4 )3 Ag0.01(NH4 )0.99Zr2 (PO4 )3 Ag0.05Na0.95Zr2 (PO4 )3 Ag0.2 K0.8 Ti2 (PO4 )3 Ag0.1 H0.9 Zr2 (PO4 )3 Ag0.5 Na0.25H0.25Zr2 (PO4 )3 Ag0.9 Na0.1 Zr2 (PO4 )3 及び上記化合物1モルあたりの銀イオンの電荷量と同じ
電荷量になるようにしながら、上記各式におけるAgを
Zn、Mn、Ni、Pb、Hg、Sn又はCuと置換し
た化合物等である。
して、以下のものがある。即ち、 Ag0.005 Li0.995 Zr2 (PO4 )3 Ag0.01(NH4 )0.99Zr2 (PO4 )3 Ag0.05Na0.95Zr2 (PO4 )3 Ag0.2 K0.8 Ti2 (PO4 )3 Ag0.1 H0.9 Zr2 (PO4 )3 Ag0.5 Na0.25H0.25Zr2 (PO4 )3 Ag0.9 Na0.1 Zr2 (PO4 )3 及び上記化合物1モルあたりの銀イオンの電荷量と同じ
電荷量になるようにしながら、上記各式におけるAgを
Zn、Mn、Ni、Pb、Hg、Sn又はCuと置換し
た化合物等である。
【0016】本発明で好適に用いることができるリン酸
塩系抗菌剤を合成する方法には、焼成法、湿式法及び水
熱法等があり、常法により容易に得ることができる。
塩系抗菌剤を合成する方法には、焼成法、湿式法及び水
熱法等があり、常法により容易に得ることができる。
【0017】後述するように、本発明の抗菌・防かび性
組成物は各種樹脂に配合して抗菌・防かび性樹脂組成物
を容易に得ることができ、この樹脂組成物において抗菌
性を発揮させるには、一般式〔1〕におけるaの値は大
きい方がよいが、aの値が0.001以上であれば、十
分に抗菌性を発揮させることができる。しかし、aの値
が0.01未満であると、抗菌性を長時間発揮させるこ
とが困難となる恐れがあるので、aの値を0.01以上
の値とすることが好ましい。更に、樹脂の成形性や成形
体強度を維持し、かつ十分な抗菌性を長時間発揮させる
ためにはaの値を0.03以上0. 7以下とするのが適
当である。
組成物は各種樹脂に配合して抗菌・防かび性樹脂組成物
を容易に得ることができ、この樹脂組成物において抗菌
性を発揮させるには、一般式〔1〕におけるaの値は大
きい方がよいが、aの値が0.001以上であれば、十
分に抗菌性を発揮させることができる。しかし、aの値
が0.01未満であると、抗菌性を長時間発揮させるこ
とが困難となる恐れがあるので、aの値を0.01以上
の値とすることが好ましい。更に、樹脂の成形性や成形
体強度を維持し、かつ十分な抗菌性を長時間発揮させる
ためにはaの値を0.03以上0. 7以下とするのが適
当である。
【0018】○金属酸化物 本発明において、所望により、以下に示す特定の金属酸
化物を併用すると、抗菌効果及び変色防止効果を高める
ことができる。本発明において好適に用いることができ
る金属酸化物は酸化亜鉛及び二酸化チタンから選ばれる
少なくとも1種の化合物である。
化物を併用すると、抗菌効果及び変色防止効果を高める
ことができる。本発明において好適に用いることができ
る金属酸化物は酸化亜鉛及び二酸化チタンから選ばれる
少なくとも1種の化合物である。
【0019】酸化亜鉛は、天然物又は合成物の何れでも
よく、性状、製造方法において特に制限はない。一般に
亜鉛華として顔料に用いられている酸化亜鉛の他、イン
キ、充填剤、紫外線吸収剤、セラミックス原料、化粧
品、歯科原料、媒熔剤、感光体、医薬品、触媒、電子材
料、蛍光体、電池として用いられているもの等を使用で
きる。
よく、性状、製造方法において特に制限はない。一般に
亜鉛華として顔料に用いられている酸化亜鉛の他、イン
キ、充填剤、紫外線吸収剤、セラミックス原料、化粧
品、歯科原料、媒熔剤、感光体、医薬品、触媒、電子材
料、蛍光体、電池として用いられているもの等を使用で
きる。
【0020】二酸化チタンは、天然物又は合成物の何れ
でもよく、非晶質又は結晶質の何れであってもよく、性
状、製造方法において特に制限はない。二酸化チタンは
結晶構造によりアナタース、ルチル及びブルッカイトに
分類されるが、本発明において、何れの結晶構造のを用
いてもよい。工業的に容易に入手できることから、アナ
タース及びルチルは好ましいものである。一般に顔料と
して用いられている二酸化チタンの他、インキ、化粧
品、医薬品、釉薬、歯科材料、有機チタン原料、セラミ
ックス原料、研磨剤、補強剤、触媒、電子材料として用
いられているもの等を使用できる。
でもよく、非晶質又は結晶質の何れであってもよく、性
状、製造方法において特に制限はない。二酸化チタンは
結晶構造によりアナタース、ルチル及びブルッカイトに
分類されるが、本発明において、何れの結晶構造のを用
いてもよい。工業的に容易に入手できることから、アナ
タース及びルチルは好ましいものである。一般に顔料と
して用いられている二酸化チタンの他、インキ、化粧
品、医薬品、釉薬、歯科材料、有機チタン原料、セラミ
ックス原料、研磨剤、補強剤、触媒、電子材料として用
いられているもの等を使用できる。
【0021】金属酸化物の粒子径、粒子の形状において
特に制限はない。樹脂への分散性を考慮すると、好まし
い平均粒子径は10μm以下であり、好ましい粒子の形
状は立方体状、直方体状、球状、針状である。更に、上
記金属酸化物は分散性向上、表面活性低減のため、表面
処理を施したものを使用することができる。表面処理方
法は湿式又は乾式の何れであってもよい。表面処理剤に
ついての限定は無く、一般に用いられるアルミニウム、
亜鉛、シリカなどの可溶性塩類を用いることができる。
特に制限はない。樹脂への分散性を考慮すると、好まし
い平均粒子径は10μm以下であり、好ましい粒子の形
状は立方体状、直方体状、球状、針状である。更に、上
記金属酸化物は分散性向上、表面活性低減のため、表面
処理を施したものを使用することができる。表面処理方
法は湿式又は乾式の何れであってもよい。表面処理剤に
ついての限定は無く、一般に用いられるアルミニウム、
亜鉛、シリカなどの可溶性塩類を用いることができる。
【0022】本発明において上記金属酸化物を配合する
場合、金属酸化物の好ましい配合割合は、無機系抗菌剤
と金属酸化物の合計量100重量部(以下単に部と略
す)を基準として、金属酸化物が5〜90部である。金
属酸化物の配合割合が5部より少ないと、金属酸化物と
無機系抗菌剤との併用による抗菌効果及び変色防止効果
を発揮させることが困難となる恐れがあり、金属酸化物
が90部より多いと、無機系抗菌剤による抗菌効果を発
揮させることが困難となる恐れがある。
場合、金属酸化物の好ましい配合割合は、無機系抗菌剤
と金属酸化物の合計量100重量部(以下単に部と略
す)を基準として、金属酸化物が5〜90部である。金
属酸化物の配合割合が5部より少ないと、金属酸化物と
無機系抗菌剤との併用による抗菌効果及び変色防止効果
を発揮させることが困難となる恐れがあり、金属酸化物
が90部より多いと、無機系抗菌剤による抗菌効果を発
揮させることが困難となる恐れがある。
【0023】また、十分な抗菌効果を発揮させるために
は、抗菌性金属イオンの含有率を無機系抗菌剤と金属酸
化物の合計重量を基準として0.5重量%以上とするこ
とが好ましく、1重量%以上とすることがより好まし
い。
は、抗菌性金属イオンの含有率を無機系抗菌剤と金属酸
化物の合計重量を基準として0.5重量%以上とするこ
とが好ましく、1重量%以上とすることがより好まし
い。
【0024】本発明の抗菌・防かび性組成物における無
機系抗菌剤および防かび性化合物の配合割合は特に限定
されないが、無機系抗菌剤と防かび性化合物の配合割合
を本発明の抗菌・防かび性組成物において、無機系抗菌
剤が10〜90重量%、より好ましくは30〜70重量
%の範囲で調整するのが望ましく、抗菌性と防かび性と
の要求されるバランスと使用目的に応じて適宜調整すれ
ば良い。無機系抗菌剤および防かび性化合物を配合する
方法は、これら両者が均一に混合できる方法であれば特
に制限はない。
機系抗菌剤および防かび性化合物の配合割合は特に限定
されないが、無機系抗菌剤と防かび性化合物の配合割合
を本発明の抗菌・防かび性組成物において、無機系抗菌
剤が10〜90重量%、より好ましくは30〜70重量
%の範囲で調整するのが望ましく、抗菌性と防かび性と
の要求されるバランスと使用目的に応じて適宜調整すれ
ば良い。無機系抗菌剤および防かび性化合物を配合する
方法は、これら両者が均一に混合できる方法であれば特
に制限はない。
【0025】○樹脂 本発明の抗菌・防かび性組成物は、各種樹脂と配合して
抗菌・防かび性樹脂組成物を容易に得ることができる。
配合することができる樹脂は、半合成樹脂及び合成樹脂
のいずれであってもよく、また熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂のいずれであってもよい。具体的な樹脂として、成
形用プラスチック、繊維用プラスチック及びゴム状プラ
スチック等があり、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、塩化ビニル、ABS樹脂、ナイロン、ポリエステ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリスチレン、
ポリアセタール、ポリカーボネイト、アクリル樹脂、フ
ッ素樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエ
ラストマー、メラミン樹脂、ユリア樹脂、四弗化エチレ
ン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレ
タン樹脂及びフェノール樹脂等の成形用プラスチック;
ナイロン、ポリエチレン、レーヨン、アセテート、アク
リル、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、キュプ
ラ、トリアセテート、ビニリデン等の繊維用プラスチッ
ク;天然ゴム及びシリコーンゴム、SBR(スチレン・
ブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、EPM
(エチレン・プロピレンゴム)、FPM(フッ素ゴ
ム)、NBR(ニトリルゴム)、CSM(クロルスルホ
ン化ポリエチレンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、I
R(合成天然ゴム)、IIR(ブチルゴム)、ウレタン
ゴム及びアクリルゴム等のゴム状プラスチックがある。
抗菌・防かび性樹脂組成物を容易に得ることができる。
配合することができる樹脂は、半合成樹脂及び合成樹脂
のいずれであってもよく、また熱可塑性樹脂、熱硬化性
樹脂のいずれであってもよい。具体的な樹脂として、成
形用プラスチック、繊維用プラスチック及びゴム状プラ
スチック等があり、例えばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、塩化ビニル、ABS樹脂、ナイロン、ポリエステ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリスチレン、
ポリアセタール、ポリカーボネイト、アクリル樹脂、フ
ッ素樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエ
ラストマー、メラミン樹脂、ユリア樹脂、四弗化エチレ
ン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレ
タン樹脂及びフェノール樹脂等の成形用プラスチック;
ナイロン、ポリエチレン、レーヨン、アセテート、アク
リル、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、キュプ
ラ、トリアセテート、ビニリデン等の繊維用プラスチッ
ク;天然ゴム及びシリコーンゴム、SBR(スチレン・
ブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、EPM
(エチレン・プロピレンゴム)、FPM(フッ素ゴ
ム)、NBR(ニトリルゴム)、CSM(クロルスルホ
ン化ポリエチレンゴム)、BR(ブタジエンゴム)、I
R(合成天然ゴム)、IIR(ブチルゴム)、ウレタン
ゴム及びアクリルゴム等のゴム状プラスチックがある。
【0026】本発明の抗菌・防かび性組成物を樹脂に配
合する際の好ましい割合は、配合後の全重量を基準とし
て、0.01〜20重量%、より好ましくは0.1〜1
0重量%である。
合する際の好ましい割合は、配合後の全重量を基準とし
て、0.01〜20重量%、より好ましくは0.1〜1
0重量%である。
【0027】本発明の抗菌・防かび性組成物を配合した
樹脂組成物は、フィルム、シート等の成形品、並びに各
種繊維、紙、皮革及び塗料等として使用することがで
き、具体的な用途としては、タオル、カーペット、カー
テン、衣類などの繊維製品、冷蔵庫、洗濯機、食器乾燥
器、掃除機、空調機、テレビ、電話などの電化製品、壁
紙、タイル、煉瓦、コンクリート、ネジ、目地などの建
築材料、洗面器、歯ブラシ、ほうき、ホース、スリッ
パ、ごみ箱、たわしなどの日曜雑貨品、まな板、三角コ
ーナー、包丁などの台所用品、トイレタリー用品、各種
コーティング材、塗料及び接着剤などがある。
樹脂組成物は、フィルム、シート等の成形品、並びに各
種繊維、紙、皮革及び塗料等として使用することがで
き、具体的な用途としては、タオル、カーペット、カー
テン、衣類などの繊維製品、冷蔵庫、洗濯機、食器乾燥
器、掃除機、空調機、テレビ、電話などの電化製品、壁
紙、タイル、煉瓦、コンクリート、ネジ、目地などの建
築材料、洗面器、歯ブラシ、ほうき、ホース、スリッ
パ、ごみ箱、たわしなどの日曜雑貨品、まな板、三角コ
ーナー、包丁などの台所用品、トイレタリー用品、各種
コーティング材、塗料及び接着剤などがある。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 (参考例1)ハロアルキルチオ系防かび性化合物の一種
であるN−フルオロジクロロメチルチオフタルイミド
(以下防かび剤Aと略す)と下式〔2〕で表される無機
系抗菌剤xを、小型ヘンシェルミキサーを用いて各々を
等重量比で均一に混合し、抗菌・防かび性組成物(A
x)を得た。 Ag0.15Na0.5 H0.35Zr2 (PO4 )3 〔2〕 又、防かび剤Aに代えて、環内に1つ以上の窒素原子を
含む複素6員環構造を有する防かび性化合物の一種であ
る2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホ
ニル)ピリジン(以下防かび剤Bと略す)を用いたこと
以外は上記と同様にして抗菌・防かび性組成物(Bx)
を得た。
る。 (参考例1)ハロアルキルチオ系防かび性化合物の一種
であるN−フルオロジクロロメチルチオフタルイミド
(以下防かび剤Aと略す)と下式〔2〕で表される無機
系抗菌剤xを、小型ヘンシェルミキサーを用いて各々を
等重量比で均一に混合し、抗菌・防かび性組成物(A
x)を得た。 Ag0.15Na0.5 H0.35Zr2 (PO4 )3 〔2〕 又、防かび剤Aに代えて、環内に1つ以上の窒素原子を
含む複素6員環構造を有する防かび性化合物の一種であ
る2,3,5,6−テトラクロロ−4−(メチルスルホ
ニル)ピリジン(以下防かび剤Bと略す)を用いたこと
以外は上記と同様にして抗菌・防かび性組成物(Bx)
を得た。
【0029】(参考例2)下記〔3〕で表される無機系
抗菌剤30部と酸化亜鉛70部を小型破砕器に入れて混
合し、抗菌剤組成物yを調製し、参考例1における無機
系抗菌剤xに代えて抗菌剤組成物yを用いたこと以外は
参考例1と同様にして、防かび剤Aと抗菌剤組成物yを
含有する抗菌・防かび性組成物(Ay)、及び防かび剤
Bと抗菌剤組成物yを含有する抗菌・防かび性組成物
(By)を得た。 Ag0.53Na0.17H0.30Zr2 (PO4 )3 〔3〕
抗菌剤30部と酸化亜鉛70部を小型破砕器に入れて混
合し、抗菌剤組成物yを調製し、参考例1における無機
系抗菌剤xに代えて抗菌剤組成物yを用いたこと以外は
参考例1と同様にして、防かび剤Aと抗菌剤組成物yを
含有する抗菌・防かび性組成物(Ay)、及び防かび剤
Bと抗菌剤組成物yを含有する抗菌・防かび性組成物
(By)を得た。 Ag0.53Na0.17H0.30Zr2 (PO4 )3 〔3〕
【0030】(参考例3)防かび性化合物として、防か
び剤Aに代えて2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾ
ール(以下防かび剤Cと略す)を用いたこと以外は参考
例1と同様にして抗菌・防かび性組成物(Cx)を得、
又防かび剤Aに代えて塩化ベンザルコニウム(以下防か
び剤Dと略す)を用いたこと以外は参考例1と同様にし
て抗菌・防かび性組成物(Dx)を得た。
び剤Aに代えて2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾ
ール(以下防かび剤Cと略す)を用いたこと以外は参考
例1と同様にして抗菌・防かび性組成物(Cx)を得、
又防かび剤Aに代えて塩化ベンザルコニウム(以下防か
び剤Dと略す)を用いたこと以外は参考例1と同様にし
て抗菌・防かび性組成物(Dx)を得た。
【0031】(参考例4)無機系抗菌剤xに代えて抗菌
剤組成物yを用い、更に防かび性化合物として、防かび
剤Aに代えて防かび剤Cを用いたこと以外は参考例1と
同様にして抗菌・防かび性組成物(Cy)を得、又無機
系抗菌剤xに代えて抗菌剤組成物yを用い、更に防かび
剤Aに代えて防かび剤Dを用いたこと以外は参考例1と
同様にして抗菌・防かび性組成物(Dy)を得た。
剤組成物yを用い、更に防かび性化合物として、防かび
剤Aに代えて防かび剤Cを用いたこと以外は参考例1と
同様にして抗菌・防かび性組成物(Cy)を得、又無機
系抗菌剤xに代えて抗菌剤組成物yを用い、更に防かび
剤Aに代えて防かび剤Dを用いたこと以外は参考例1と
同様にして抗菌・防かび性組成物(Dy)を得た。
【0032】(実施例1〜4)ポリスチレン樹脂(旭化
成株式会社製商品名:スタイロン403R)100部に
0.2部の流動パラフィンを添加し、ヘンシェルミキサ
ーで混合した。その後、参考例1で調製した抗菌・防か
び性組成物(Ax)1.0部を添加し、再び混合した
後、射出成形機(名機製作所株式会社製M−50AII
−DM)を用いて220℃で射出成形し、11cm×1
1cm×2mmのプレートを作製した。抗菌・防かび性
組成物(Ax)に代えて抗菌・防かび性組成物(B
x),(Ay)又は(By)を用いたこと以外は実施例
1と同様にして各種プレートを作製した。上記のように
して調製したプレートから3cm四方の試料片を切り出
し、抗菌性と防かび性の評価用に用いた。実施例No.
と試料片中に含有させた抗菌・防かび性組成物の種類と
の対応は以下の通りである。
成株式会社製商品名:スタイロン403R)100部に
0.2部の流動パラフィンを添加し、ヘンシェルミキサ
ーで混合した。その後、参考例1で調製した抗菌・防か
び性組成物(Ax)1.0部を添加し、再び混合した
後、射出成形機(名機製作所株式会社製M−50AII
−DM)を用いて220℃で射出成形し、11cm×1
1cm×2mmのプレートを作製した。抗菌・防かび性
組成物(Ax)に代えて抗菌・防かび性組成物(B
x),(Ay)又は(By)を用いたこと以外は実施例
1と同様にして各種プレートを作製した。上記のように
して調製したプレートから3cm四方の試料片を切り出
し、抗菌性と防かび性の評価用に用いた。実施例No.
と試料片中に含有させた抗菌・防かび性組成物の種類と
の対応は以下の通りである。
【0033】
【表1】
【0034】(比較例1〜4)抗菌・防かび性組成物
(Ax)に代えて抗菌・防かび性組成物(Cx),(D
x),(Cy)又は(Dy)を用いたこと以外は実施例
1と同様にして各種試料片を作製した。比較例No.と
試料片中に含有させた抗菌・防かび性組成物の種類との
対応は以下の通りである。
(Ax)に代えて抗菌・防かび性組成物(Cx),(D
x),(Cy)又は(Dy)を用いたこと以外は実施例
1と同様にして各種試料片を作製した。比較例No.と
試料片中に含有させた抗菌・防かび性組成物の種類との
対応は以下の通りである。
【0035】
【表2】
【0036】(比較例5〜10)抗菌・防かび性組成物
(Ax)に代えて,防かび剤A〜D、無機系抗菌剤x又
は抗菌剤組成物yを用いた以外は実施例1と同様にして
各種試料片を作製した。比較例No.と試料片に含有さ
せた成分との対応は以下の通りである。
(Ax)に代えて,防かび剤A〜D、無機系抗菌剤x又
は抗菌剤組成物yを用いた以外は実施例1と同様にして
各種試料片を作製した。比較例No.と試料片に含有さ
せた成分との対応は以下の通りである。
【0037】
【表3】
【0038】・防かび性の評価(1) ○ラップ法による胞子数の測定 実施例1〜4、比較例1〜10で作製した試料片上に麦
芽エキス(0.05%)含有胞子懸濁液を100μl滴
下し、2.0cm四方のラップにより密着させ、25
℃、湿度90%で48時間保持し、前後の胞子数の変化
を測定した。かびにはAspergills niger(黒麹かび)を
用いた。上記のようにして得られた防かび性試験の結果
を表1に示す。なお、初発胞子数は 4.5×104 個/mlで
あり、表中の数は単位体積当たりの胞子数を「個/ml」
を単位として示したものであり、表中の記号「−」は、
48時間後の洗い出し時に菌糸の成長が認められ、胞子
数の測定が不可能であったことを意味するものである。
芽エキス(0.05%)含有胞子懸濁液を100μl滴
下し、2.0cm四方のラップにより密着させ、25
℃、湿度90%で48時間保持し、前後の胞子数の変化
を測定した。かびにはAspergills niger(黒麹かび)を
用いた。上記のようにして得られた防かび性試験の結果
を表1に示す。なお、初発胞子数は 4.5×104 個/mlで
あり、表中の数は単位体積当たりの胞子数を「個/ml」
を単位として示したものであり、表中の記号「−」は、
48時間後の洗い出し時に菌糸の成長が認められ、胞子
数の測定が不可能であったことを意味するものである。
【0039】・防かび性の評価(2) ○ハロー法による防かび性の評価 実施例1〜4および比較例1〜10で作製した試料片の
防かび効果を評価した。防かび性の評価方法は、試料片
をポテトデキストロース寒天培地に置き、培養後阻止帯
形成幅を測定することにより防かび性を評価した。かび
にはAspergillsniger(黒麹かび)を用いた。なお、ブ
ランク試験の結果では発育阻止帯は生成せず、表中の記
号の意味は以下の通りである。 ○:発育阻止帯が生成した。 ×:発育阻止帯が生成しなかった。 上記のようにして得た防かび性試験の結果を下記表4と
表5に示す。
防かび効果を評価した。防かび性の評価方法は、試料片
をポテトデキストロース寒天培地に置き、培養後阻止帯
形成幅を測定することにより防かび性を評価した。かび
にはAspergillsniger(黒麹かび)を用いた。なお、ブ
ランク試験の結果では発育阻止帯は生成せず、表中の記
号の意味は以下の通りである。 ○:発育阻止帯が生成した。 ×:発育阻止帯が生成しなかった。 上記のようにして得た防かび性試験の結果を下記表4と
表5に示す。
【0040】・抗菌性試験 実施例1〜4、比較例1〜10で作製した試料片の抗菌
力を以下の方法により評価した。被検菌には大腸菌を用
い、希釈液の菌数が約105 /mlとなるように調整し
た。次いで試料片(3cm四方)に100μlの希釈液
を滴下し2cm四方のラップにより密着させ、37℃で
保存した。保存開始から6時間保存した後に、菌数測定
用培地(SCDLP液体培地)で試料片上の生残菌を洗
い出し、この洗液を試験液とした。この試験液につい
て、菌数測定用培地を用いる混釈平板培養法(37℃2
日間)により生菌数を測定して、1ml当たりの生菌数
に換算した。なお、初発菌数は2.6 ×105 であり、対象
試験における菌数は8.3 ×104 であり、ブランク試験に
おける菌数は4.1 ×104 である。上記のようにして得た
抗菌性試験の結果を下記表4と表5に示す。
力を以下の方法により評価した。被検菌には大腸菌を用
い、希釈液の菌数が約105 /mlとなるように調整し
た。次いで試料片(3cm四方)に100μlの希釈液
を滴下し2cm四方のラップにより密着させ、37℃で
保存した。保存開始から6時間保存した後に、菌数測定
用培地(SCDLP液体培地)で試料片上の生残菌を洗
い出し、この洗液を試験液とした。この試験液につい
て、菌数測定用培地を用いる混釈平板培養法(37℃2
日間)により生菌数を測定して、1ml当たりの生菌数
に換算した。なお、初発菌数は2.6 ×105 であり、対象
試験における菌数は8.3 ×104 であり、ブランク試験に
おける菌数は4.1 ×104 である。上記のようにして得た
抗菌性試験の結果を下記表4と表5に示す。
【0041】表4と表5における総合評価の欄に示した
記号の意味は以下の通りである。 A:総合評価として特に優れている。 B:総合評価として優れている。 C:胞子を死滅させる効果または抗菌効果に劣ってい
る。 D:総合評価として劣っている。
記号の意味は以下の通りである。 A:総合評価として特に優れている。 B:総合評価として優れている。 C:胞子を死滅させる効果または抗菌効果に劣ってい
る。 D:総合評価として劣っている。
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】防かび剤又は無機系抗菌剤を単独で含有さ
せた場合は、表5に示した比較例5〜10の結果からわ
かるように、防かび性又は抗菌性のどちらか一方の効果
しか発揮させることができず、又防かび剤と無機系抗菌
剤を併用する場合であっても、本発明における特定の防
かび剤以外のものを使用した場合には、表5の比較例1
〜4の結果からわかるように、防かび性が劣っている。
一方、本発明における特定の防かび剤を含有させた抗菌
・防かび性組成物を使用すると、実施例1〜4の結果か
らわかるように、防かび性と抗菌性が共に優れた効果を
発揮させることができる。又、実施例1〜4のラップ法
の結果からわかるように、本発明の抗菌・防かび性組成
物は、従来の有機系防かび性化合物に比べて抗菌性に優
れるだけでなく、特に胞子の発芽を阻止する能力に優れ
ている。
せた場合は、表5に示した比較例5〜10の結果からわ
かるように、防かび性又は抗菌性のどちらか一方の効果
しか発揮させることができず、又防かび剤と無機系抗菌
剤を併用する場合であっても、本発明における特定の防
かび剤以外のものを使用した場合には、表5の比較例1
〜4の結果からわかるように、防かび性が劣っている。
一方、本発明における特定の防かび剤を含有させた抗菌
・防かび性組成物を使用すると、実施例1〜4の結果か
らわかるように、防かび性と抗菌性が共に優れた効果を
発揮させることができる。又、実施例1〜4のラップ法
の結果からわかるように、本発明の抗菌・防かび性組成
物は、従来の有機系防かび性化合物に比べて抗菌性に優
れるだけでなく、特に胞子の発芽を阻止する能力に優れ
ている。
【0045】
【発明の効果】本発明の抗菌・防かび性組成物は、従来
の有機系防かび性化合物に比べて、抗菌性に優れている
だけでなく、防かび性能、特に胞子の発芽を阻止する能
力が著しく優れている。本発明の抗菌・防かび性組成物
は、各種樹脂と配合して抗菌・防かび性樹脂組成物を容
易に得ることができる。本発明の抗菌・防かび性組成物
を配合した樹脂組成物は、フィルム、シート等の成形
品、並びに各種繊維、紙、皮革、塗料、接着剤、断熱材
及びコーキング材等として使用することができる。
の有機系防かび性化合物に比べて、抗菌性に優れている
だけでなく、防かび性能、特に胞子の発芽を阻止する能
力が著しく優れている。本発明の抗菌・防かび性組成物
は、各種樹脂と配合して抗菌・防かび性樹脂組成物を容
易に得ることができる。本発明の抗菌・防かび性組成物
を配合した樹脂組成物は、フィルム、シート等の成形
品、並びに各種繊維、紙、皮革、塗料、接着剤、断熱材
及びコーキング材等として使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 秀樹 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】環内に1つ以上の窒素原子を含む複素6員
環構造を有するか又はハロアルキルチオ系に属する防か
び性化合物及び無機系抗菌剤を含有することを特徴とす
る抗菌・防かび性組成物。 - 【請求項2】無機系抗菌剤が下式〔1〕で示される化合
物であることを特徴とする請求項1記載の抗菌・防かび
性組成物。 M1 a Ab M2 2(PO4 )3 nH2 0 〔1〕 (M1 は銀、銅、亜鉛、錫、水銀、鉛、鉄、コバルト、
ニッケル、マンガン、砒素、アンチモン、ビスマス、バ
リウム、カドミウム又はクロムから選ばれる少なくとも
1種の金属イオンであり、Aはアルカリ金属イオン、ア
ルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン又は水素イ
オンから選ばれる少なくとも1種のイオンであり、M2
は4価金属であり、nは0≦n≦6を満たす数であり、
a及びbはla+mb=1を満たす正数である。但し、
lはM1 の価数であり、mはAの価数である。) - 【請求項3】酸化亜鉛及び二酸化チタンから選ばれる少
なくとも1種の金属酸化物を含有することを特徴とする
請求項1又は請求項2記載の抗菌・防かび性組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7354323A JPH09183707A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 抗菌・防かび性組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7354323A JPH09183707A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 抗菌・防かび性組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09183707A true JPH09183707A (ja) | 1997-07-15 |
Family
ID=18436786
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7354323A Pending JPH09183707A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | 抗菌・防かび性組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09183707A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1362885A1 (en) * | 2002-05-17 | 2003-11-19 | Kenji Nakamura | Antimicrobially treated material and methods of preventing coloring thereof |
WO2006000755A3 (en) * | 2004-06-25 | 2006-06-22 | Dupont Teijin Films Us Ltd | Antimicrobial polymeric film |
US7704530B2 (en) | 2001-09-14 | 2010-04-27 | Kenji Nakamura | Antimicrobially treated material and methods of preventing coloring thereof |
-
1995
- 1995-12-28 JP JP7354323A patent/JPH09183707A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7704530B2 (en) | 2001-09-14 | 2010-04-27 | Kenji Nakamura | Antimicrobially treated material and methods of preventing coloring thereof |
EP1362885A1 (en) * | 2002-05-17 | 2003-11-19 | Kenji Nakamura | Antimicrobially treated material and methods of preventing coloring thereof |
WO2006000755A3 (en) * | 2004-06-25 | 2006-06-22 | Dupont Teijin Films Us Ltd | Antimicrobial polymeric film |
JP2008503636A (ja) * | 2004-06-25 | 2008-02-07 | デュポン テイジン フィルムズ ユー.エス.リミテッド パートナーシップ | 抗菌性ポリマーフィルム |
US7705078B2 (en) | 2004-06-25 | 2010-04-27 | Dupont Teijin Films U.S. Limited Partnership | Antimicrobial polymeric film |
JP2012012617A (ja) * | 2004-06-25 | 2012-01-19 | Dupont Teijin Films Us Lp | 抗菌性ポリマーフィルム |
KR101288755B1 (ko) * | 2004-06-25 | 2013-07-23 | 듀폰 테이진 필름즈 유.에스. 리미티드 파트너쉽 | 항균 중합체 필름 |
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