JPH09183672A - アルミナ・マグネシア質不定形耐火物 - Google Patents
アルミナ・マグネシア質不定形耐火物Info
- Publication number
- JPH09183672A JPH09183672A JP7343149A JP34314995A JPH09183672A JP H09183672 A JPH09183672 A JP H09183672A JP 7343149 A JP7343149 A JP 7343149A JP 34314995 A JP34314995 A JP 34314995A JP H09183672 A JPH09183672 A JP H09183672A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnesia
- alumina
- refractory
- starting material
- grain size
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Abstract
(57)【要約】
【課題】本発明は、溶湯容器、特に、特殊鋼精錬用容器
の内張り耐火物の耐食性を改善し、その寿命を延長し得
る不定形耐火物を提供することを目的としている。 【解決手段】骨材としてＡｌ2 Ｏ3 を主成分としたアル
ミナ原料と、粒度７５μｍ以下のＭｇＯを主成分とする
マグネシア原料を６〜１２ｗｔ％と、結合剤としての粒
径１０μ以下のＴｉＯ2 微粉とで形成してなるアルミナ
・マグネシア質不定形耐火物である。
の内張り耐火物の耐食性を改善し、その寿命を延長し得
る不定形耐火物を提供することを目的としている。 【解決手段】骨材としてＡｌ2 Ｏ3 を主成分としたアル
ミナ原料と、粒度７５μｍ以下のＭｇＯを主成分とする
マグネシア原料を６〜１２ｗｔ％と、結合剤としての粒
径１０μ以下のＴｉＯ2 微粉とで形成してなるアルミナ
・マグネシア質不定形耐火物である。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、不定形耐火物に関
し、特に、溶湯保持容器の内張り耐火物として使用され
るアルミナ・マグネシア不定形耐火物に係わる。
し、特に、溶湯保持容器の内張り耐火物として使用され
るアルミナ・マグネシア不定形耐火物に係わる。
【０００２】
【従来の技術】近年、取鍋等の溶湯保持容器（以下、溶
湯容器という）の内張りに使用する不定形耐火物として
は、アルミナ質及び塩基性材料を骨材とする不定形耐火
物が使用されている。このアルミナ質及び塩基性不定形
耐火物は、耐スラグ潤滑性に優れているが、使用中にス
ラグの浸潤による変質層の形成や剥落が生じ、使用限度
判定が困難であるという問題が生じている。そこで、特
開昭６４−９８６８８号公報は、アルミナ質不定形耐火
物において、粒径１ｍｍ以下の微粉にスピネル・クリン
カを配合し、スラグの浸潤を抑制する方法を提案した。
この方法を使用すると、アルミナ質材料の耐スラグ浸潤
性の改良はできるが、該アルミナ質材料を骨材としてい
る点、及び結合剤にアルミナ・セメントを使用している
点から耐食性が不十分である。また、耐食性を向上させ
るために、スピネル・クリンカ粒に代えて微粉域でマグ
ネシア粒を配合することが、特開平３−２５７０７５３
号公報及び特開平５−９７５２６号公報で提案されてい
るが、これらの方法では、高膨張を示すマグネシア粒配
合粒度が大きく、且つ結合剤にアルミナ・セメントを使
用している点から、あまり改良されず、やはり耐食性が
不十分と言わざるを得ない。
湯容器という）の内張りに使用する不定形耐火物として
は、アルミナ質及び塩基性材料を骨材とする不定形耐火
物が使用されている。このアルミナ質及び塩基性不定形
耐火物は、耐スラグ潤滑性に優れているが、使用中にス
ラグの浸潤による変質層の形成や剥落が生じ、使用限度
判定が困難であるという問題が生じている。そこで、特
開昭６４−９８６８８号公報は、アルミナ質不定形耐火
物において、粒径１ｍｍ以下の微粉にスピネル・クリン
カを配合し、スラグの浸潤を抑制する方法を提案した。
この方法を使用すると、アルミナ質材料の耐スラグ浸潤
性の改良はできるが、該アルミナ質材料を骨材としてい
る点、及び結合剤にアルミナ・セメントを使用している
点から耐食性が不十分である。また、耐食性を向上させ
るために、スピネル・クリンカ粒に代えて微粉域でマグ
ネシア粒を配合することが、特開平３−２５７０７５３
号公報及び特開平５−９７５２６号公報で提案されてい
るが、これらの方法では、高膨張を示すマグネシア粒配
合粒度が大きく、且つ結合剤にアルミナ・セメントを使
用している点から、あまり改良されず、やはり耐食性が
不十分と言わざるを得ない。
【０００３】さらに、結合剤に関しては、スピネル質材
料及び塩基性材料の分野において、特開昭６０−６０９
８６号公報、特開昭５９−１３７３６７号公報等でシリ
カ超微粉の添加が提案されている。この方法によれば、
アルミナ・セメントと比較して耐食性は改善されるが、
使用時にシリカ超微粉が軟化溶融し、アルミナもしくは
マグネシアと低融点化合物を生成するため、やはり、耐
食性が不十分であった。
料及び塩基性材料の分野において、特開昭６０−６０９
８６号公報、特開昭５９−１３７３６７号公報等でシリ
カ超微粉の添加が提案されている。この方法によれば、
アルミナ・セメントと比較して耐食性は改善されるが、
使用時にシリカ超微粉が軟化溶融し、アルミナもしくは
マグネシアと低融点化合物を生成するため、やはり、耐
食性が不十分であった。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
を鑑み、溶湯容器、特に、特殊鋼精錬用容器の内張り耐
火物の耐食性を改善し、その寿命を延長し得る不定形耐
火物を提供することを目的としている。
を鑑み、溶湯容器、特に、特殊鋼精錬用容器の内張り耐
火物の耐食性を改善し、その寿命を延長し得る不定形耐
火物を提供することを目的としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】発明者は、上記目的を達
成するため、従来のアルミナ質及び塩基性材料を骨材と
する不定形耐火物の特性を鋭意調査し、以下の知見を得
た。 （１） 該不定形耐火物は、内張り施工時に水を媒体と
して流し込みを行うため、乾燥〜加熱の段階で内張り層
の中で気孔が増大する。これは、脱水に加えて、結合剤
を介して焼結が進行するためである。この気孔が多量に
存在すると、該内張り耐火物の溶損が助長されるので、
この気孔生成を減じる必要がある。 （２） アルミナとマグネシアは１３００℃以上でスピ
ネル（ＭｇＯ・Ａｌ2 Ｏ 3 ）を生成するが、その際、約
８％の体積膨張を伴うことが知られている。従って、マ
グネシアを微粉で配合してアルミナとの反応を促進さ
せ、該体積膨張を利用して緻密化（耐火物中の気孔を減
じる効果）させることが可能と考えられる。 （３） 結合剤としてアルミナ・セメントを用いると、
その成分中のＣａＯ分がスラグ中のＡｌ2 Ｏ3 成分と容
易に反応し、低融点化する。また、シリカ超微粉につい
ても、耐火物中のＭｇＯ、Ａｌ2 Ｏ3 成分と反応して低
融点化する。従って、該不定形耐火物の耐食性をより一
層向上させるためには、アルミナ・セメントやシリカ超
微粉以外の結合剤を用いる必要がある。
成するため、従来のアルミナ質及び塩基性材料を骨材と
する不定形耐火物の特性を鋭意調査し、以下の知見を得
た。 （１） 該不定形耐火物は、内張り施工時に水を媒体と
して流し込みを行うため、乾燥〜加熱の段階で内張り層
の中で気孔が増大する。これは、脱水に加えて、結合剤
を介して焼結が進行するためである。この気孔が多量に
存在すると、該内張り耐火物の溶損が助長されるので、
この気孔生成を減じる必要がある。 （２） アルミナとマグネシアは１３００℃以上でスピ
ネル（ＭｇＯ・Ａｌ2 Ｏ 3 ）を生成するが、その際、約
８％の体積膨張を伴うことが知られている。従って、マ
グネシアを微粉で配合してアルミナとの反応を促進さ
せ、該体積膨張を利用して緻密化（耐火物中の気孔を減
じる効果）させることが可能と考えられる。 （３） 結合剤としてアルミナ・セメントを用いると、
その成分中のＣａＯ分がスラグ中のＡｌ2 Ｏ3 成分と容
易に反応し、低融点化する。また、シリカ超微粉につい
ても、耐火物中のＭｇＯ、Ａｌ2 Ｏ3 成分と反応して低
融点化する。従って、該不定形耐火物の耐食性をより一
層向上させるためには、アルミナ・セメントやシリカ超
微粉以外の結合剤を用いる必要がある。
【０００６】本発明は、かかる知見に基づきなされたも
ので、すなわち、骨材としてＡｌ2Ｏ3 を主成分とした
アルミナ原料と、粒度７５μｍ以下のＭｇＯを主成分と
するマグネシア原料を６〜１２ｗｔ％と、結合剤として
の粒径１０μ以下のＴｉＯ2超微粉とで形成してなるこ
とを特徴とするアルミナ・マグネシア質不定形耐火物で
ある。
ので、すなわち、骨材としてＡｌ2Ｏ3 を主成分とした
アルミナ原料と、粒度７５μｍ以下のＭｇＯを主成分と
するマグネシア原料を６〜１２ｗｔ％と、結合剤として
の粒径１０μ以下のＴｉＯ2超微粉とで形成してなるこ
とを特徴とするアルミナ・マグネシア質不定形耐火物で
ある。
【０００７】また、本発明は、さらに、Ａｌ2 Ｏ3 とＭ
ｇＯを主成分としたスピネル原料を加えたことを特徴と
するアルミナ・マグネシア質不定形耐火物でもある。ア
ルミナ・マグネシア質不定形耐火物を上記のように形成
することで、その耐火物を内張りした層中の気孔を著し
く減少できるようになり、耐食性の改良、つまり該不定
形耐火物の寿命が延長されるようになる。
ｇＯを主成分としたスピネル原料を加えたことを特徴と
するアルミナ・マグネシア質不定形耐火物でもある。ア
ルミナ・マグネシア質不定形耐火物を上記のように形成
することで、その耐火物を内張りした層中の気孔を著し
く減少できるようになり、耐食性の改良、つまり該不定
形耐火物の寿命が延長されるようになる。
【０００８】
【発明の実施の形態】本発明に係るアルミナ・マグネシ
ア質不定形耐火物の内容は前記の通りであるので、以下
ではその特徴部分につき補足しておく。本発明の重要ポ
イントは、粒度７５μｍ以下のマグネシア原料をアルミ
ナと反応させてスピネルとし、焼結層を緻密化させるこ
とによって耐食性を向上させることにある。特に、粒度
７５μ以上のマグネシアが存在すると、スピネルの生成
反応が遅れ、加熱された場合に未反応のマグネシア粒が
膨張して内張り耐火物の組織が破壊され、逆に気孔率が
増大する。それ故、本発明では、マグネシア原料の粒度
を７５μ以下に限定する。
ア質不定形耐火物の内容は前記の通りであるので、以下
ではその特徴部分につき補足しておく。本発明の重要ポ
イントは、粒度７５μｍ以下のマグネシア原料をアルミ
ナと反応させてスピネルとし、焼結層を緻密化させるこ
とによって耐食性を向上させることにある。特に、粒度
７５μ以上のマグネシアが存在すると、スピネルの生成
反応が遅れ、加熱された場合に未反応のマグネシア粒が
膨張して内張り耐火物の組織が破壊され、逆に気孔率が
増大する。それ故、本発明では、マグネシア原料の粒度
を７５μ以下に限定する。
【０００９】また、該マグネシア原料の配合量を６〜１
２％の範囲に限定したのは、６％未満ではスピネルの生
成量が少なく緻密化の効果が得られず、１２％以上では
前記したように未反応のマグネシアが残留し、耐火物の
組織を破壊するからである。さらに、骨材の粒度構成に
ついては、アルミナ原料、及びスピネル原料のどちらを
用いても良いが、より一層耐食性を向上させるためには
スピネル原料の方が好ましい。その配合量または配合比
率は意図する目的によって変えられるべきものである。
２％の範囲に限定したのは、６％未満ではスピネルの生
成量が少なく緻密化の効果が得られず、１２％以上では
前記したように未反応のマグネシアが残留し、耐火物の
組織を破壊するからである。さらに、骨材の粒度構成に
ついては、アルミナ原料、及びスピネル原料のどちらを
用いても良いが、より一層耐食性を向上させるためには
スピネル原料の方が好ましい。その配合量または配合比
率は意図する目的によって変えられるべきものである。
【００１０】結合剤の超微粉については、一般に不定形
耐火物の超微粉結合剤として、シリカやアルミナの超微
粉等が使用されているが、いずれもスラグ中のＣａＯ，
Ａｌ 2 Ｏ3 ，ＳｉＯ2 成分もしくは耐火物材料中のＡｌ
2 Ｏ3 ，ＳｉＯ2 等の微粉成分と反応して低融点化合物
を容易に生成する。そのため、本発明では、低融点化合
物を生成しないＴｉＯ2 の超微粉を採用した。また、そ
れには、粒度１０μｍ以下のものを使用するが、その配
合量は１〜１０％の範囲が原料構成上好ましい。
耐火物の超微粉結合剤として、シリカやアルミナの超微
粉等が使用されているが、いずれもスラグ中のＣａＯ，
Ａｌ 2 Ｏ3 ，ＳｉＯ2 成分もしくは耐火物材料中のＡｌ
2 Ｏ3 ，ＳｉＯ2 等の微粉成分と反応して低融点化合物
を容易に生成する。そのため、本発明では、低融点化合
物を生成しないＴｉＯ2 の超微粉を採用した。また、そ
れには、粒度１０μｍ以下のものを使用するが、その配
合量は１〜１０％の範囲が原料構成上好ましい。
【００１１】
（実施例１）表１に示す各原料を配合し、水分６％で流
し込み不定形耐火物を調整し、４０ｍｍ×４０ｍｍ×１
６０ｍｍの金型に鋳込成形した。次いで、該鋳込体を１
１０℃で２４時間の乾燥後、回転式スラグ侵食試験に供
した。試験方法としては、侵食剤としてステンレス鋼ス
ラグ（塩基度１．７）：ＳＵＳ３０４＝１：１の混合物
を使用し、１６５０℃で３時間行った。その後、その焼
結した供試体を取出し、その溶損量を測定した。該溶損
量は、比較例の結果を１００とする相対値で表２に示し
た。
し込み不定形耐火物を調整し、４０ｍｍ×４０ｍｍ×１
６０ｍｍの金型に鋳込成形した。次いで、該鋳込体を１
１０℃で２４時間の乾燥後、回転式スラグ侵食試験に供
した。試験方法としては、侵食剤としてステンレス鋼ス
ラグ（塩基度１．７）：ＳＵＳ３０４＝１：１の混合物
を使用し、１６５０℃で３時間行った。その後、その焼
結した供試体を取出し、その溶損量を測定した。該溶損
量は、比較例の結果を１００とする相対値で表２に示し
た。
【００１２】表２に示す結果から、本発明に係るアルミ
ナ・マグネシア質不定形耐火物は、耐食性に極めて優れ
ていることが明らかである。 （実施例２）表１に示した本発明に係る記号Ａ、Ｄ、Ｆ
の不定形耐火物を、溶鋼精錬用容器である１６０トンの
ＶＯＤ鍋（真空脱ガス槽で用いる）スラグラインの流し
込み材に添加水量６％で使用したところ、その内張り層
の寿命は、Ａが７０チャージ、Ｄが９０チャージ、Ｆが
８５チャージであった。一方、従来の流し込み材Ｊの寿
命は３０チャージであり、大幅な延長が達成された。。
ナ・マグネシア質不定形耐火物は、耐食性に極めて優れ
ていることが明らかである。 （実施例２）表１に示した本発明に係る記号Ａ、Ｄ、Ｆ
の不定形耐火物を、溶鋼精錬用容器である１６０トンの
ＶＯＤ鍋（真空脱ガス槽で用いる）スラグラインの流し
込み材に添加水量６％で使用したところ、その内張り層
の寿命は、Ａが７０チャージ、Ｄが９０チャージ、Ｆが
８５チャージであった。一方、従来の流し込み材Ｊの寿
命は３０チャージであり、大幅な延長が達成された。。
【００１３】
【表１】
【００１４】
【表２】
【００１５】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、精錬
用容器の内張りに用いたアルミナ・マグネシア質不定形
耐火物層の気孔率が低減され、その耐食性の飛躍的向上
が得られた。その結果、取鍋、さらにはＶＯＤ鍋の寿命
が大幅に延長され、また、他の溶湯容器（例えば、タン
ディッシュ、脱ガス浸漬管、等）及びランス材等へ適用
し、同様の効果が期待できる。
用容器の内張りに用いたアルミナ・マグネシア質不定形
耐火物層の気孔率が低減され、その耐食性の飛躍的向上
が得られた。その結果、取鍋、さらにはＶＯＤ鍋の寿命
が大幅に延長され、また、他の溶湯容器（例えば、タン
ディッシュ、脱ガス浸漬管、等）及びランス材等へ適用
し、同様の効果が期待できる。
Claims (2)
- 【請求項１】 骨材としてＡｌ2 Ｏ3 を主成分としたア
ルミナ原料と、粒度７５μｍ以下のＭｇＯを主成分とす
るマグネシア原料を６〜１２ｗｔ％と、結合剤としての
粒径１０μ以下のＴｉＯ2 超微粉とで形成してなること
を特徴とするアルミナ・マグネシア質不定形耐火物。 - 【請求項２】 さらに、Ａｌ2 Ｏ3 とＭｇＯを主成分と
したスピネル原料を加えたことを特徴とする請求項１記
載のアルミナ・マグネシア質不定形耐火物。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7343149A JPH09183672A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | アルミナ・マグネシア質不定形耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7343149A JPH09183672A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | アルミナ・マグネシア質不定形耐火物 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09183672A true JPH09183672A (ja) | 1997-07-15 |
Family
ID=18359302
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7343149A Withdrawn JPH09183672A (ja) | 1995-12-28 | 1995-12-28 | アルミナ・マグネシア質不定形耐火物 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09183672A (ja) |
-
1995
- 1995-12-28 JP JP7343149A patent/JPH09183672A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20030304 |