JPH09182773A

JPH09182773A - 介護用浴室

Info

Publication number: JPH09182773A
Application number: JP35291295A
Authority: JP
Inventors: Nobuo Suzuki; 信男鈴木
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1995-12-28
Filing date: 1995-12-28
Publication date: 1997-07-15

Abstract

(57)【要約】【課題】被介護者を移動させる手間が省けて介護者の
入浴介護の負担が軽減すると共に、コンパクトとなって
収納・携帯することができる介護用浴室を提供すること
にある。【解決手段】部屋本体１と浴槽２とを備え、部屋本体
１は、未使用状態で床15に偏平敷設状であって、エアー
を注入して起立する筒袋状の骨格部３と、骨格部３に張
設された隔幕部４と、を有している。浴槽２は、未使用
状態で床15に偏平な敷設状であって、底壁５及び周囲壁
６が防水シートからなると共に、周囲壁６の上端縁16に
エアーを注入して膨張する浮袋状周囲枠７を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、被介護者の入浴介
護に使用する介護用浴室に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、怪我や病気などをして自分自身で
は寝床から歩いて移動することができない（老人や病人
等の）被介護者を入浴させる際、介護者が被介護者を抱
えたり、あるいは、車いすに乗せて浴室まで運んで入浴
介護をしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、入浴介
護をすることは介護者にとって重労働であり、特に、被
介護者が自力で起き上がることもできない場合は、介護
者の負担が一層重いものとなる。また、寝室から離れた
別の浴室まで運ぶことは介護者にとって大変な労苦であ
り、また、被介護者も、入浴がわずらわしいものとな
る。

【０００４】そこで、本発明は、被介護者を移動させる
手間が省けて介護者の入浴介護の負担が軽減すると共
に、コンパクトになって収納・携帯することができる介
護用浴室を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の介護用浴槽は、部屋本体と浴槽とを備
え、該部屋本体は、未使用状態で床に偏平敷設状であっ
て、エアーを注入して起立する筒袋状の骨格部と、該骨
格部に張設された隔幕部と、を有し、さらに、上記浴槽
は未使用状態で床に偏平な敷設状であって、底壁及び周
囲壁が防水シートからなると共に該周囲壁の上端縁にエ
アーを注入して膨張する浮袋状周囲枠を有するものであ
る。

【０００６】また、骨格部と浮袋状周囲枠とは、夫々個
別に設けられたエアー注入口からエアーが注入されるも
のである。また、隔幕部は、天井部と、周囲壁部と、床
面部とを有し、周囲壁部の所定箇所に開閉部を設けると
共に、該開閉部寄りに浴槽を設けたものである。また、
浴槽の周囲壁の内面に引張部材を付設し、浮袋状周囲枠
が引張部材を介して周囲壁の内面側に引っ張られるよう
に構成したものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、実施の形態を示す図面に基
づき本発明を詳説する。

【０００８】図１と図２は、本発明に係る介護用浴室の
実施の一形態を示し、図１は使用状態、図２は未使用状
態を示している。この介護用浴室は、直方体型の部屋本
体１と、この部屋本体１の内部に浴槽２を備えたもので
ある。部屋本体１は、未使用状態で床15に偏平敷設状で
あって、エアーを注入して起立する筒袋状の骨格部３
と、この骨格部３に張設された隔幕部４と、を有してい
る。なお、浴槽２は、部屋本体１の前方側の隔幕部４寄
りに設けられ、これについては後述する。

【０００９】直方体型の部屋本体１の骨格（枠組み）を
なす骨格部３は、四本の鉛直部17…と、隣合う鉛直部1
7，17の各上端と接続する四本の上辺部18…と、隣合う
鉛直部17，17の各下端と連結する三本の下辺部19…──
─即ち、浴槽２に沿った前辺部22を除く───と、を有
している。この鉛直部17…と上辺部18…と下辺部19…と
は、その内部空洞が全てつながっており、下辺部19の所
定一箇所に、エアーを注入されて骨格部３が膨張し起立
するためのエアー注入口14ａが設けられている。

【００１０】また、隔幕部４は、骨格部３の鉛直部17
…、上辺部18…及び下辺部19…とでできた四角い枠の間
に張設され、（絵模様を施された）天井部８と、周囲壁
部９…と、床面部10と、を有している。この周囲壁部９
…の所定箇所、即ち、前側と左側の周囲壁部９，９は、
開閉自在とするために、夫々開閉部Ａ，Ｂが設けられて
いる。前側の周囲壁部９は、上端のみが上辺部18に固着
されて二枚の簾状に設けられており、この簾状の周囲壁
部９を巻き上げて（該上辺部18に付設された）ベルト2
3，23で縛ることによって開閉部Ａが開状態となる。ま
た、左側の周囲壁部９は、中央の長手方向にファスナー
24が設けられており、ファスナー24を開けることによっ
て開閉部Ｂが開状態となる。なお、後方の周囲壁部９の
上方隅に、後で簡易取付けタイプの換気扇27が取付けら
れるための窓部28が形成されている。

【００１１】また、浴槽２は（部屋本体１と同様に）未
使用状態で床15に偏平な敷設状であって、その底壁５及
び周囲壁６が防水シートからなり、周囲壁６の上端縁16
にエアーを注入して膨張する浮袋状周囲枠７を有してい
る。また、骨格部３の前側の鉛直部17，17の夫々の下端
と接続すると共に、浴槽２前面（前方の周囲壁６）に沿
って、（上述の）筒袋状の前辺部22が設けられている。
この前辺部22と浮袋状の上記周囲枠７とは、浴槽２前面
の右隅にある細い中継チューブ25を介して内部空洞がつ
なげられており、前辺部22の所定一箇所に設けられたエ
アー注入口14ｂからエアーを供給されて共に膨張する。
なお、左側の周囲壁６の下方隅に、排水口26が設けられ
ている。

【００１２】本発明の介護用浴室は、未使用時は布団の
ように折り畳んで収納ケース29に収納して携帯、保管す
ることができ、使用の際───即ち、被介護者21の入浴
の際───図２に示す如く、使用場所である被介護者21
の寝室の床15に偏平状に敷設する。そして、図３に示す
如く、骨格部３の下辺部19に設けられたエアー注入口14
ａに接続器具30を接続し、エアー源（高圧ボンベやフッ
トポンプ等）からのエアーを所定圧まで注入する。

【００１３】すると、骨格部３のみが徐々に膨張し、図
４に示す如く、起立すると共に骨格部３と隔幕部４とが
共働して部屋本体１が形成される。このとき、隔幕部４
の開閉部Ａ，Ｂはどちらも閉状態であるため、開閉部Ａ
の簾状の周囲壁部９，９を巻き上げベルト23，23で縛っ
て開状態にし、開閉部Ｂのファスナー24を上げて開状態
にする。

【００１４】そして、偏平状の浴槽２の横に並べるよう
に、被介護者21の寝床31を部屋本体１の開閉部Ａに寄せ
る。すると、図５の（イ）に示すように、寝床31と浴槽
２との間には敷居のような段差がないため、被介護者21
は寝返りするだけで容易に浴槽２の上に移動することが
できる。それは、開閉部Ａ下の前辺部22及び浴槽２の周
囲枠７には未だエアーが注入されておらず、萎んだ状態
だからである。骨格部３と浮袋状周囲枠７とが、夫々個
別のエアー注入口14ａ，14ｂから注入されるように構成
したのはこのためである。

【００１５】しかして、図３に示す前辺部22のエアー注
入口14ｂからエアーを注入すると、図５の（ロ）に示す
如く、前辺部22及び浴槽２の周囲枠７が膨張する。この
とき、前辺部22内のエアーは（上記説明の）細い中継チ
ューブ25を通って、周囲枠７内へ送り込まれる（図６参
照）。また、これによって被介護者21は、周囲枠７を枕
にして頭をもたげることができる。

【００１６】そして、図６の（イ）に示すように、（図
外の）湯沸器からホース32を介してぺちゃんこ状の浴槽
２内に湯33を溜めると、浮袋状の周囲枠７は水位の上昇
と共に浮力により浮き上がり、それと同時に、周囲枠７
に固着された周囲壁６も引っ張り上げられる。なお、周
囲枠７を枕にした被介護者21は頭を徐々に上に持ち上げ
られる。そして、同図の（ロ）に示す如く、弛んだ周囲
壁６が展張状態まで水位が上昇したところで、湯33の供
給を止める。

【００１７】このとき、浴槽２の周囲壁６の内面34に、
紐状の引張部材12の一端が付設されていると共に他端が
周囲枠７に固着されているので、所定水位（周囲壁６が
延びきって展張状態になったときの水位）に達すると周
囲枠７は、引張部材12を介して周囲壁６の内面34側に引
っ張られる。つまり、引張部材12が周囲枠７に浮き上が
りを阻止する張力をかけることによって、上記所定水位
より水位が上昇しても周囲枠７はそれ以上浮かび上がる
ことができず、周囲壁６の外面35側に反転することがで
きない。周囲枠７が反転してしまうと周囲枠７に湯33の
浮力がかからなくなるので、周囲枠７及び周囲壁６が下
へ落ちて浴槽２がぺちゃんこ状になると共に湯33が溢れ
でてしまうので、引張部材12を設けてこれらを防止して
いる。

【００１８】そして、図７に示すように、前方の周囲壁
部９，９を下ろして（外部から見えないように）開閉部
Ａを閉状態とし、介護者20は開閉部Ｂから部屋本体１内
に入って被介護者21の入浴介護をする。被介護者21は、
浮き上がった周囲枠７を枕にすることができるので、寝
そべった楽な姿勢のまま介護者20によって体を洗われる
と共に、隔幕部４天井部８に描かれた富士山や松の絵を
観ながら快適に入浴を楽しむことができる（図１参
照）。また、浴槽２は比較的浅いが、全身が十分湯33の
中につかることができ、湯33の節約ともなる。なお、部
屋本体１内に湯気が充満して介護者20及び被介護者21の
視界が遮られないよう、換気扇27を回して換気をする
が、換気扇27の外側に長いダクトを設け、蒸気を家の外
へ排出させるようにするのが、望ましい。

【００１９】また、使用後は、浴槽２の周囲壁６に設け
られた排水口26に排水用ホースを連結し、湯33を外部
（家の外やトイレの排水口等）に排水すると共に周囲壁
６を弛ませる。ある程度湯33を除去した後、周囲枠７及
び前辺部22のエアーを抜いて萎ませ、体を拭いた被介護
者21を再び寝返らせて寝床につかせる。そして、完全に
湯33を除去すると共に部屋本体１内外を拭って乾かした
後、骨格部３のエアーを抜いて部屋本体１を萎ませ、全
体を折畳んで収納ケース29に収納する（図２参照）。つ
まり、使用準備と逆の順序で後片付けは進行する。

【００２０】図８は、本発明の介護用浴室の他の実施の
形態を示し、これは、浴槽２の底壁５及び周囲壁６の内
面34に、エアーによって膨張する傾斜した背もたれ部36
と（背もたれ部36上方の）枕部37とを設けたものであ
る。背もたれ部36及び枕部37は、背もたれ部36上方の周
囲枠７と内部空洞がつながっており、周囲枠７のエアー
注入時のエアーによって膨張する。被介護者21は背もた
れ部36に背もたれし、枕部37に頭をもたげることができ
るので、より楽な姿勢で快適に入浴介護を受けることが
できる。

【００２１】図９の（イ）は上述の図１，図２及び図６
に示した構造を簡略化して示した断面図であるが、この
浴槽２は、図９の（イ）に示すもの以外でも良く、同図
（ロ）（ハ）は、浴槽２の変形例を示している。同図
（ロ）の浴槽２は、その周囲壁６が横長空気袋40ａを複
数段積み重ねて成る。この複数段の横長空気袋40ａ…
は、エアーを注入されると一斉に膨張し、起立した周囲
壁６となる。また、同図（ハ）の浴槽２は、周囲壁６の
上部を断面円形状の横長空気袋40ａとし、その下方に断
面長円形状の横長空気袋40ｂを設けている。この横長空
気袋40ａ，40ｂは、エアー注入時に起立して周囲壁を形
成する。このように、図９の（ロ）（ハ）に於ても、周
囲壁６の上縁部に浮袋状周囲枠７を有する構造であると
いえる。

【００２２】また、図10に示すように、部屋本体１の開
閉部Ａは、周囲壁部９，９を、中央から左右に分けて面
状ファスナー付き帯体やベルト23，23等で縛ると、迅速
に開状態とすることができる。なお、ベルト23，23等は
周囲壁部９，９の適当な位置に設ける。

【００２３】なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ
れず、例えば、部屋本体１の形状をドーム型とし、それ
に対応して浴槽２の形状を円形としたり、また、隔幕部
４全体を防水シートで形成し、家の室内に湿気が漏れな
いようにするも良い。また、隔幕部４の天井部８を省略
あるいは着脱式にすると、被介護者21を偏平状の浴槽２
上へ乗せた後部屋本体１と浴槽２の周囲枠７とに、同時
にエアー注入することができる。つまり、エアー注入口
を一つにすることができる。

【００２４】

【発明の効果】本発明は上述の如く構成されるので、次
に記載する効果を奏する。

【００２５】（請求項１記載の介護用浴槽によれば）介
護者20が、病人や寝たきりの老人などの被介護者21を抱
えたり、車いすに乗せたりして浴室まで移動させること
なく、被介護者21の寝室内の寝床の横で、簡単かつ迅速
に浴室をつくると共に、労力を要せずとも容易に被介護
者21を入浴させることができ、介護負担を軽減すること
ができる。また、被介護者21にとっても、入浴の度に移
動する煩わしさから解放され、快適な入浴を楽しむこと
ができる。また、部屋本体１内は隔幕部４によって外部
から遮断されているため、入浴時の水が外部に飛散せ
ず、家の室内を汚すことなく使用できる。

【００２６】また、未使用時には布団のように小さく折
畳むことができるので、収納ケースを用意すれば場所を
とらず保管できると共に、携帯にも便利となる。また、
一般家庭や老人ホームや病院等での使用はもちろんのこ
と、緊急災害時の非難場所の簡易風呂としても有効利用
することができる。

【００２７】（請求項２又は３記載の介護用浴槽によれ
ば）骨格部３と浮袋状周囲枠７とが、夫々個別のエアー
注入口14ａ，14ｂから注入されて膨張するので、先に骨
格部３を膨張起立させて部屋本体１をつくっても浴槽２
は偏平敷設状のままであるため、寝床31と浴槽２との間
には敷居のような段差が生じない。従って、被介護者21
は寝返りするだけで容易に偏平敷設状の浴槽２の上に移
動することができ、介護者20の移動介護の負担が省かれ
る。また、部屋本体１の開閉部Ａ寄りに浴槽２を設ける
ことによって移動距離が最短となり、被介護者21に負担
をかけない。

【００２８】（請求項４記載の介護用浴槽によれば）所
定水位に達したときの周囲枠７は、引張部材12によって
周囲壁６の内面34側に引っ張られ、それ以上の浮き上が
りを阻止される。従って、上記所定水位より水位が上昇
しても周囲枠７がそれ以上浮かび上がって周囲壁６の外
面35側に反転しないので、反転することによって浴槽２
が崩れて（ぺちゃんこ状となって）湯33が溢れでてしま
うのを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の介護用浴室の実施の一形態を示す斜視
図である。

【図２】使用前の状態を示す斜視図である。

【図３】エアー注入口を示す説明図である。

【図４】部屋本体が形成された状態を示す斜視図であ
る。

【図５】被介護者が浴槽へ移動した状態を示す説明図で
ある。

【図６】浴槽内へ湯を溜める状態を示す腰部断面図であ
る。

【図７】使用状態を示す正面図である。

【図８】本発明の介護用浴室の他の実施の形態を示す正
面図である。

【図９】浴槽の形状を説明する簡略断面図である。

【図10】他の実施の形態を示す斜視図である。

【符号の説明】

１部屋本体２浴槽３骨格部４隔幕部５底壁６周囲壁７周囲枠８天井部９周囲壁部 10 床面部 12 引張部材 14ａエアー注入口 14ｂエアー注入口 15 床 16 上端縁 34 内面Ａ開閉部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 594043269 高橋文子兵庫県神戸市中央区港島中町３−１−44− 909 (71)出願人 596013246 伊志嶺ミツ江大阪府泉南郡岬町淡輪2577−８ (72)発明者鈴木信男大阪府泉南郡岬町深日1971の２

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】部屋本体１と浴槽２とを備え、該部屋本
体１は、未使用状態で床に偏平敷設状であって、エアー
を注入して起立する筒袋状の骨格部３と、該骨格部３に
張設された隔幕部４と、を有し、さらに、上記浴槽２は
未使用状態で床15に偏平な敷設状であって、底壁５及び
周囲壁６が防水シートからなると共に該周囲壁６の上端
縁16にエアーを注入して膨張する浮袋状周囲枠７を有す
ることを特徴とする介護用浴室。
【請求項２】骨格部３と浮袋状周囲枠７とは、夫々個
別に設けられたエアー注入口14ａ，14ｂからエアーが注
入される請求項１記載の介護用浴室。
【請求項３】隔幕部４は、天井部８と、周囲壁部９
と、床面部10とを有し、周囲壁部９の所定箇所に開閉部
Ａを設けると共に、該開閉部Ａ寄りに浴槽２を設けた請
求項１又は２記載の介護用浴室。
【請求項４】浴槽２の周囲壁６の内面34に引張部材12
を付設し、浮袋状周囲枠７が引張部材12を介して周囲壁
６の内面34側に引っ張られるように構成した請求項１，
２又は３記載の介護用浴室。