JPH0918144A - ガラスセラミック多層配線基板及びその製造方法並びにガラスセラミック多層配線基板実装構造体 - Google Patents

ガラスセラミック多層配線基板及びその製造方法並びにガラスセラミック多層配線基板実装構造体

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JPH0918144A
JPH0918144A JP7161750A JP16175095A JPH0918144A JP H0918144 A JPH0918144 A JP H0918144A JP 7161750 A JP7161750 A JP 7161750A JP 16175095 A JP16175095 A JP 16175095A JP H0918144 A JPH0918144 A JP H0918144A
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copper
nickel
glass
thin film
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JP7161750A
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Setsuo Ando
節夫 安藤
Takashi Inoue
隆史 井上
Takayoshi Watabe
隆好 渡部
Akihiro Ando
昭博 安藤
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】ガラスセラミック多層配線基板の裏面に、入出
力ピンを十分な強度と信頼性とを有してガラスセラミッ
ク基材に接合できるような接続用電極を備えたガラスセ
ラミック多層配線基板及びその製造方法並びにその実装
構造体を提供する。 【構成】硼珪酸ガラス及びムライトを主成分とするガラ
スセラミックを基材とし、内部に銅または銅合金からな
る配線導体112を配設し、裏面に、入出力ピン121
を配設するための第1の接続用電極114として、配線
導体112に接続された厚膜パッドを埋設した多層配線
基板111である。表面に薄膜回路パターン116、1
17を形成し、電子デバイス部品413を搭載・接続す
るために、前記薄膜回路パターンの所望個所に薄膜回路
パターン116に接続され、ニッケル合金からなる接合
金属層と表面保護層とを積層させた積層金属膜119で
形成された第2の接続用電極を形成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、配線導体を内蔵し、そ
れが表面および裏面に電気的に導通されたガラスセラミ
ック多層配線基板において、微小はんだ接続に好適な微
細接続用電極を備えたガラスセラミック多層配線基板及
びその製造方法並びにガラスセラミック多層配線基板実
装構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、LSIデバイスシステムの処理能
力の高度化にともない、LSIは多ピン化し、また信号
の立ち上がり・立ち下がり速度が益々速くなって、信号
伝送回路に高速性能が要求されてきた。これらの要求に
答えるため、例えば大形コンピュータやスーパーコンピ
ュータに代表される超高速システムにおいては、シング
ルチップパッケージをプリント回路基板に実装する形態
を脱却し、セラミック−金属導体からなる多層同時焼結
基板(セラミック多層基板)を実装基板に用いたマルチ
チップ実装となった。前記セラミック多層基板の性能向
上(配線収容能力向上)のためには、導体配線の微細化
が不可欠であるが、そのためには低抵抗導体の採用が必
要となる。即ち、セラミック多層基板として、従来配線
導体の主流であったタングステンやモリブデンなどの高
抵抗高融点金属に代って、低抵抗導体である銅配線を用
いることが知られている。(例えば、R.R.Tummala他、
“Packaging technology forIBM's latest mainframe c
omputers (S390/ES9000),” in Proceedings of 41stEl
ectronic Components and Technology Conf., May 199
1, pp.682-687)(従来技術1)。また多数の入出力ピ
ンをアルミナべース多層配線基板の裏面に形成した蒸着
金属薄膜電極に対してろう付けする際に、該ろう付け部
の残留応力を出来るだけ低減するための方法について、
特開昭63−116379号公報(従来技術2)およ
び、D.Y.Shih 他による“Designs of low stress I/O p
in attach structures” IEEE Transactions on Compon
ents, Hybrids, and Manufacturing Technology, VOL.1
5, No.2, pp.369-377, May 1992 (従来技術3)に開示
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、低抵抗導体
である銅または銅合金の配線導体を使用するためには、
銅の融点が低いので、誘電体材料としては、従来の高融
点セラミック(ムライト)材料(基材)をそのまま使用
することができず、比較的融点の低いガラスセラミック
材料(基材)を用いることが必要となる。しかしなが
ら、上記従来技術1、2、3のいずれにおいても、ムラ
イト基材からなるセラミック多層基板に比べて、比較的
強度の低いガラスセラミック基材からなるガラスセラミ
ック多層配線基板の裏面に、入出力ピンの形状を考慮す
ることなく、しかもろう付け部の残留応力(ろう材の硬
化収縮応力、熱応力が主因)やピンの挿抜による負荷が
集中してガラスセラミック基材にかかってクラック(亀
裂)等が発生するのを防止して、入出力ピンを十分な強
度と信頼性とを有してガラスセラミック基材に接合でき
るようにすることについて十分考慮されていないという
課題を有していた。
【0004】本発明の目的は、上記従来技術の課題を解
決すべく、低抵抗導体である銅または銅合金の配線導体
を使用することができる比較的融点の低く、且つ比較的
強度の低いガラスセラミック基材からなるガラスセラミ
ック多層配線基板の裏面に、入出力ピンを十分な強度と
信頼性とを有してガラスセラミック基材に接合できるよ
うな接続用電極を備えたガラスセラミック多層配線基板
を提供することにある。また本発明の他の目的は、低抵
抗導体である銅または銅合金の配線導体を使用すること
ができる比較的融点の低く、且つ比較的強度の低いガラ
スセラミック基材からなるガラスセラミック多層配線基
板において、多数の電子デバイス部品及び入出力ピンを
信頼性高く実装できるようにしたガラスセラミック多層
配線基板を提供することにある。また本発明の他の目的
は、低抵抗導体である銅または銅合金の配線導体を使用
することができる比較的融点の低く、且つ比較的強度の
低いガラスセラミック基材からなるガラスセラミック多
層配線基板に対して、多数の電子デバイス部品及び入出
力ピンを信頼性高く実装したガラスセラミック多層配線
基板実装構造体を提供することにある。また本発明の他
の目的は、低抵抗導体である銅または銅合金の配線導体
を使用することができる比較的融点の低く、且つ比較的
強度の低いガラスセラミック基材からなるガラスセラミ
ック多層配線基板において、多数の電子デバイス部品及
び入出力ピンを信頼性高く実装できるようにしたガラス
セラミック多層配線基板を出来るだけ単純な工程で安価
に製造することができるようにしたガラスセラミック多
層配線基板の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、少なくとも内部に銅または銅合金の配線
導体を配設し、裏面側に、入出力ピンを配設するための
接続用電極として、前記配線導体に接続された銅または
銅合金の厚膜パッド(応力緩和の役目をする。
【0006】)(膜厚約5〜30μm、径が約800〜
1600μm)を埋設したことを特徴とするガラスセラ
ミック多層配線基板である。また本発明は、硼珪酸ガラ
ス及びムライトを主成分とするガラスセラミックを基材
とし、少なくとも内部に銅または銅合金からなる配線導
体を配設し、裏面側に、入出力ピンを配設するための接
続用電極として、前記配線導体に接続された銅または銅
合金の厚膜パッド(応力緩和の役目をする。)(膜厚約
5〜30μm、径が約800〜1600μm)を埋設し
たことを特徴とするガラスセラミック多層配線基板であ
る。
【0007】また本発明は、前記ガラスセラミック多層
配線基板において、前記銅または銅合金の厚膜パッドの
周囲をガラスセラミック材(厚さが約20〜100μ
m)で被覆して応力集中を緩和したことを特徴とする。
また本発明は、前記ガラスセラミック多層配線基板にお
いて、前記接続用電極の表面に金材料からなる表面保護
層(膜厚約0.05〜0.1μm)を形成したことを特
徴とする。また本発明は、前記ガラスセラミック多層配
線基板において、前記銅または銅合金の配線導体がCu
またはCu−Ti合金またはCu−Zr合金からなる配
線導体(抵抗値約0.5Ω/cm以下)であることを特
徴とする。また本発明は、前記ガラスセラミック多層配
線基板において、前記銅または銅合金の厚膜パッドがC
uまたはCu−Ti合金またはCu−Zr合金からなる
厚膜パッドであることを特徴とする。また本発明は、前
記ガラスセラミック多層配線基板において、前記接続用
電極の表面に、ニッケル−ボロン合金、ニッケル−リン
合金またはニッケル−コバルト合金のなかから選ばれた
少なくとも1種類の材料からなる接合金属層(相互拡散
のバリヤー層である。)(膜厚約0.5〜3μm)と表
面保護層(膜厚約0.05〜0.1μm)とを積層した
積層金属膜を形成したことを特徴とする。また本発明
は、少なくとも内部に銅または銅合金の配線導体を配設
し、裏面側に、入出力ピンを配設するための第1の接続
用電極として、前記配線導体に接続された銅または銅合
金の厚膜パッド(応力緩和の役目をする。)(膜厚約5
〜30μm、径が約800〜1600μm)を埋設した
ガラスセラミック多層配線基板であって、該基板の表面
に薄膜回路パターン(膜厚約2.5〜9μm)を形成
し、電子デバイス部品を搭載・接続するために、前記薄
膜回路パターンの所望個所において薄膜回路パターンに
接続され、ニッケル−ボロン合金、ニッケル−リン合金
またはニッケル−コバルト合金のなかから選ばれた少な
くとも1種類の材料からなる接合金属層(相互拡散のバ
リヤー層である。)(膜厚約1.5〜3μm)と表面保
護層(膜厚約0.05〜0.1μm)とを積層させた積
層金属膜で形成された第2の接続用電極を形成したこと
を特徴とするガラスセラミック多層配線基板である。
【0008】また本発明は、硼珪酸ガラス及びムライト
を主成分とするガラスセラミックを基材とし、少なくと
も内部に銅または銅合金からなる配線導体を配設し、裏
面側に、入出力ピンを配設するための第1の接続用電極
として、前記配線導体に接続された銅または銅合金の厚
膜パッド(応力緩和の役目をする。)(膜厚約5〜30
μm、径が約800〜1600μm)を埋設したガラス
セラミック多層配線基板であって、該基板の表面に薄膜
回路パターンを形成し、電子デバイス部品を搭載・接続
するために、前記薄膜回路パターンの所望個所において
薄膜回路パターンに接続され、ニッケル−ボロン合金、
ニッケル−リン合金またはニッケル−コバルト合金のな
かから選ばれた少なくとも1種類の材料からなる接合金
属層(相互拡散のバリヤー層である。)(膜厚約1.5
〜3μm)と表面保護層(膜厚約0.05〜0.1μ
m)とを積層させた積層金属膜で形成された第2の接続
用電極を形成したことを特徴とするガラスセラミック多
層配線基板である。また本発明は、前記ガラスセラミッ
ク多層配線基板において、前記基板における銅または銅
合金の厚膜パッドの周囲をガラスセラミック材で被覆し
たことを特徴とする。また本発明は、前記ガラスセラミ
ック多層配線基板において、前記第2の接続用電極にお
ける表面保護層を金材料からなることを特徴とする。ま
た本発明は、前記ガラスセラミック多層配線基板におい
て、前記第1の接続用電極の表面に、ニッケル−ボロン
合金、ニッケル−リン合金またはニッケル−コバルト合
金のなかから選ばれた少なくとも1種類の材料からなる
接合金属層と表面保護層とを積層した積層金属膜を形成
することを特徴とする。また本発明は、前記ガラスセラ
ミック多層配線基板において、前記薄膜回路パターンを
Cr膜(密着層)(膜厚約0.3〜1.2μm)−Cu
膜(膜厚約2〜7μm)−Cr膜(密着層)(膜厚約
0.2〜1μm)またはTi膜(密着層)(膜厚約0.
3〜1.2μm)−Cu膜(膜厚約2〜7μm)−Ti
膜(密着層)(膜厚約0.2〜1μm)の積層膜で形成
したことを特徴とする。
【0009】また本発明は、少なくとも内部に銅または
銅合金の配線導体を配設し、裏面側に、入出力ピンを配
設するための第1の接続用電極として、前記配線導体に
接続された銅または銅合金の厚膜パッド(応力緩和の役
目をする。)(膜厚約5〜30μm、径が約800〜1
600μm)を埋設したガラスセラミック多層配線基板
であって、前記第1の接続用電極の表面に、ニッケル−
ボロン合金、ニッケル−リン合金またはニッケル−コバ
ルト合金のなかから選ばれた少なくとも1種類の材料か
らなる接合金属層(相互拡散のバリヤー層である。)
(膜厚約1.5〜3μm)と表面保護層(膜厚約0.0
5〜0.1μm)とを積層した積層金属膜を形成し、前
記基板の表面に薄膜回路パターンを形成し、電子デバイ
ス部品を搭載・接続するために、前記薄膜回路パターン
の所望個所において薄膜回路パターンに接続され、ニッ
ケル−ボロン合金、ニッケル−リン合金またはニッケル
−コバルト合金のなかから選ばれた少なくとも1種類の
材料からなる接合金属層(相互拡散のバリヤー層であ
る。)(膜厚約1.5〜3μm)と表面保護層(膜厚約
0.05〜0.1μm)とを積層させた積層金属膜で形
成された第2の接続用電極を形成したことを特徴とする
ガラスセラミック多層配線基板である。また本発明は、
硼珪酸ガラス及びムライトを主成分とするガラスセラミ
ックを基材とし、少なくとも内部に銅または銅合金から
なる配線導体を配設し、裏面側に、入出力ピンを配設す
るための第1の接続用電極として、前記配線導体に接続
された銅または銅合金の厚膜パッドを埋設したガラスセ
ラミック多層配線基板であって、前記第1の接続用電極
の表面に、ニッケル−ボロン合金、ニッケル−リン合金
またはニッケル−コバルト合金のなかから選ばれた少な
くとも1種類の材料からなる接合金属層と表面保護層と
を積層した積層金属膜を形成し、前記基板の表面に薄膜
回路パターンを形成し、電子デバイス部品を搭載・接続
するために、前記薄膜回路パターンの所望個所において
薄膜回路パターンに接続され、ニッケル−ボロン合金、
ニッケル−リン合金またはニッケル−コバルト合金のな
かから選ばれた少なくとも1種類の材料からなる接合金
属層と表面保護層とを積層させた積層金属膜で形成され
た第2の接続用電極を形成したことを特徴とするガラス
セラミック多層配線基板である。
【0010】また本発明は、少なくとも内部に銅または
銅合金の配線導体を配設し、裏面側に、入出力ピンを配
設するための第1の接続用電極として、前記配線導体に
接続された銅または銅合金の厚膜パッドを埋設したガラ
スセラミック多層配線基板であって、前記第1の接続用
電極に対して入出力ピンをろう付けして配設し、前記基
板の表面に薄膜回路パターンを形成し、電子デバイス部
品を搭載・接続するために、前記薄膜回路パターンの所
望個所において薄膜回路パターンに接続され、ニッケル
−ボロン合金、ニッケル−リン合金またはニッケル−コ
バルト合金のなかから選ばれた少なくとも1種類の材料
からなる接合金属層と表面保護層とを積層させた積層金
属膜で形成された第2の接続用電極を形成し、該第2の
接続用電極に対して電子デバイス部品をろう付けして搭
載・接続したことを特徴とするガラスセラミック多層配
線基板実装構造体である。また本発明は、硼珪酸ガラス
及びムライトを主成分とするガラスセラミックを基材と
し、少なくとも内部に銅または銅合金からなる配線導体
を配設し、裏面側に、第1の接続用電極として、前記配
線導体に接続された銅または銅合金の厚膜パッドを埋設
したガラスセラミック多層配線基板であって、前記第1
の接続用電極に対して入出力ピンをろう付けして配設
し、前記基板の表面に薄膜回路パターンを形成し、前記
薄膜回路パターンの所望個所において薄膜回路パターン
に接続され、ニッケル−ボロン合金、ニッケル−リン合
金またはニッケル−コバルト合金のなかから選ばれた少
なくとも1種類の材料からなる接合金属層と表面保護層
とを積層させた積層金属膜で形成された第2の接続用電
極を形成し、該第2の接続用電極に対して電子デバイス
部品をろう付けして搭載・接続したことを特徴とするガ
ラスセラミック多層配線基板実装構造体である。
【0011】また本発明は、少なくとも内部に銅または
銅合金の配線導体を配設し、裏面側に、第1の接続用電
極として、前記配線導体に接続された銅または銅合金の
厚膜パッドを埋設したガラスセラミック多層配線基板で
あって、前記第1の接続用電極の表面に、ニッケル−ボ
ロン合金、ニッケル−リン合金またはニッケル−コバル
ト合金のなかから選ばれた少なくとも1種類の材料から
なる接合金属層と表面保護層とを積層した積層金属膜を
形成し、該第1の接続用電極に対して入出力ピンをろう
付けして配設し、前記基板の表面に薄膜回路パターンを
形成し、前記薄膜回路パターンの所望個所において薄膜
回路パターンに接続され、ニッケル−ボロン合金、ニッ
ケル−リン合金またはニッケル−コバルト合金のなかか
ら選ばれた少なくとも1種類の材料からなる接合金属層
と表面保護層とを積層させた積層金属膜で形成された第
2の接続用電極を形成し、該第2の接続用電極に対して
電子デバイス部品をろう付けして搭載・接続したことを
特徴とするガラスセラミック多層配線基板実装構造体で
ある。また本発明は、硼珪酸ガラス及びムライトを主成
分とするガラスセラミックを基材とし、少なくとも内部
に銅または銅合金からなる配線導体を配設し、裏面側
に、入出力ピンを配設するための第1の接続用電極とし
て、前記配線導体に接続された銅または銅合金の厚膜パ
ッドを埋設したガラスセラミック多層配線基板であっ
て、前記第1の接続用電極の表面に、ニッケル−ボロン
合金、ニッケル−リン合金またはニッケル−コバルト合
金のなかから選ばれた少なくとも1種類の材料からなる
接合金属層と表面保護層とを積層した積層金属膜を形成
し、該第1の接続用電極に対して入出力ピンをろう付け
して配設し、前記基板の表面に薄膜回路パターンを形成
し、電子デバイス部品を搭載・接続するために、前記薄
膜回路パターンの所望個所において薄膜回路パターンに
接続され、ニッケル−ボロン合金、ニッケル−リン合金
またはニッケル−コバルト合金のなかから選ばれた少な
くとも1種類の材料からなる接合金属層と表面保護層と
を積層させた積層金属膜で形成された第2の接続用電極
を形成し、該第2の接続用電極に対して電子デバイス部
品をろう付けして搭載・接続したことを特徴とするガラ
スセラミック多層配線基板実装構造体である。
【0012】また本発明は、前記ガラスセラミック多層
配線基板実装構造体において、前記ろう付けのろう材が
Au−Sn合金、Au−Ge合金、Sn−Ag合金、S
n−Pb合金のなかから選ばれた少なくとも1種類の合
金材料であることを特徴とする。また本発明は、少なく
とも内部に銅または銅合金の配線導体を配設し、裏面側
に、前記配線導体に接続された銅または銅合金の厚膜パ
ッドを埋設したガラスセラミック多層配線基板を製作す
るガラスセラミック多層配線基板製作工程と、このガラ
スセラミック多層配線基板製作工程で製作されたガラス
セラミック多層配線基板の裏面に有機樹脂保護皮膜を形
成して前記基板の裏面を保護する有機樹脂保護皮膜形成
工程と、この有機樹脂保護皮膜形成工程により前記基板
の裏面を有機樹脂保護皮膜で保護した後、前記基板の表
面に薄膜回路パターンを形成し、この形成された薄膜回
路パターン上の所望個所を被覆するように絶縁膜を形成
する薄膜回路パターン・絶縁膜形成工程と、この薄膜回
路パターン・絶縁膜形成工程で薄膜回路パターンおよび
絶縁膜を形成した後、前記基板の裏面を保護した有機樹
脂保護皮膜を除去する有機樹脂保護皮膜除去工程と、こ
の有機樹脂保護皮膜除去工程により裏面を保護した有機
樹脂保護皮膜を除去した後、前記基板の表面上における
薄膜回路パターンの露出した個所と前記基板の裏面側に
有する(埋設された)前記パッドとに対してニッケル−
ボロン合金、ニッケル−リン合金またはニッケル−コバ
ルト合金のなかから選ばれた少なくとも1種類の材料か
らなる接合金属層を無電解めっきによって形成し、この
接合金属層の上に表面保護層を積層する接続用電極形成
工程とを有することを特徴とするガラスセラミック多層
配線基板の製造方法である。
【0013】また本発明は、硼珪酸ガラス及びムライト
を主成分とするガラスセラミックを基材とし、少なくと
も内部に銅または銅合金からなる配線導体を配設し、裏
面側に、前記配線導体に接続された銅または銅合金の厚
膜パッドを埋設したガラスセラミック多層配線基板を製
作するガラスセラミック多層配線基板製作工程と、この
ガラスセラミック多層配線基板製作工程で製作されたガ
ラスセラミック多層配線基板の裏面に有機樹脂保護皮膜
を形成して前記基板の裏面を保護する有機樹脂保護皮膜
形成工程と、この有機樹脂保護皮膜形成工程により前記
基板の裏面を有機樹脂保護皮膜で保護した後、前記基板
の表面に薄膜回路パターンを形成し、この形成された薄
膜回路パターン上の所望個所を被覆するように絶縁膜を
形成する薄膜回路パターン・絶縁膜形成工程と、この薄
膜回路パターン・絶縁膜形成工程で薄膜回路パターンお
よび絶縁膜を形成した後、前記基板の裏面を保護した有
機樹脂保護皮膜を除去する有機樹脂保護皮膜除去工程
と、この有機樹脂保護皮膜除去工程により裏面を保護し
た有機樹脂保護皮膜を除去した後、前記基板の表面上に
おける薄膜回路パターンの露出した個所と前記基板の裏
面側に有する(埋設された)前記パッドとに対してニッ
ケル−ボロン合金、ニッケル−リン合金またはニッケル
−コバルト合金のなかから選ばれた少なくとも1種類の
材料からなる接合金属層を無電解めっきによって形成
し、この接合金属層の上に表面保護層を積層する接続用
電極形成工程とを有することを特徴とするガラスセラミ
ック多層配線基板の製造方法である。
【0014】また本発明は、硼珪酸ガラス及びムライト
を主成分とするガラスセラミックを基材とし、少なくと
も内部に銅または銅合金からなる配線導体を配設し、裏
面側に、前記配線導体に接続された銅または銅合金の厚
膜パッドを埋設したガラスセラミック多層配線基板を製
作するガラスセラミック多層配線基板製作工程と、この
ガラスセラミック多層配線基板製作工程で製作されたガ
ラスセラミック多層配線基板の裏面に有機樹脂保護皮膜
を形成して前記基板の裏面を保護する有機樹脂保護皮膜
形成工程と、この有機樹脂保護皮膜形成工程により前記
基板の裏面を有機樹脂保護皮膜で保護した後、前記基板
の表面に薄膜回路パターンを形成し、この形成された薄
膜回路パターン上の所望個所を被覆するように絶縁膜を
形成する薄膜回路パターン・絶縁膜形成工程と、この薄
膜回路パターン・絶縁膜形成工程で薄膜回路パターンお
よび絶縁膜を形成した後、前記基板の表面上における薄
膜回路パターンの露出した個所に対してニッケル−ボロ
ン合金、ニッケル−リン合金またはニッケル−コバルト
合金のなかから選ばれた少なくとも1種類の材料からな
る接合金属層を無電解めっきによって形成し、この接合
金属層の上に表面保護層を積層する接続用電極形成工程
と、前記基板の裏面を保護した有機樹脂保護皮膜を除去
する有機樹脂保護皮膜除去工程とを有することを特徴と
するガラスセラミック多層配線基板の製造方法である。
【0015】また本発明は、前記ガラスセラミック多層
配線基板の製造方法における前記接続用電極形成工程に
おいて、接合金属層の上への表面保護層の積層を無電解
めっきで行うことを特徴とする。また本発明は、前記ガ
ラスセラミック多層配線基板の製造方法における前記接
続用電極形成工程において、接合金属層の上への表面保
護層の積層を金の無電解めっきで行うことを特徴とす
る。また本発明は、前記ガラスセラミック多層配線基板
の製造方法における前記薄膜回路パターン・絶縁膜形成
工程において、前記基板の表面への薄膜回路パターンの
形成をスパッタ成膜で行うことを特徴とする。また本発
明は、前記ガラスセラミック多層配線基板の製造方法に
おける前記薄膜回路パターン・絶縁膜形成工程におい
て、前記基板の表面への薄膜回路パターンの形成を、C
r膜−Cu膜−Cr膜またはTi膜−Cu膜−Ti膜か
らなる積層膜になるようにスパッタ成膜で行うことを特
徴とする。
【0016】
【作用】前記構成により、ガラスセラミック多層配線基
板の裏面側に形成する入出力ピン接続用電極を、銅また
は銅合金の厚膜パッドそのもの(ガラスセラミック基材
に埋設する。)としたことにより、ろう付けの負荷(ろ
う材硬化収縮による残留応力、入出力ピン挿抜時の機械
力等)を強度の低いガラスセラミックの表面にはほとん
どかけず、その代りにこの負荷を銅または銅合金からな
る厚膜パッドに受け持たせることができ、その結果、銅
または銅合金の厚膜パッドそのものが弾性変形能および
塑性変形能にすぐれるため、ろう付けの負荷を十分に緩
和吸収し、信頼性の高い入出力ピン接合を達成すること
ができる。即ち、実際に、銅または銅合金の厚膜パッド
をガラスセラミック基材の裏面側に埋設し、この厚膜パ
ッドに入出力ピンをろう付けしたところ、ろう付け部は
必要な引っ張り強度と信頼性の両方において十分に満足
することが確認できた。即ち、本発明によれば、ガラス
セラミック多層配線基板の裏面側に埋設した銅または銅
合金の厚膜パッドを入出力ピン接続用電極として用いる
ことで、前記銅または銅合金の厚膜パッドの弾性変形能
および塑性変形能を利用して入出力ピンろう付け部の残
留応力を緩和吸収し、高い信頼性の入出力ピン接続を実
現することができた。
【0017】また、本発明によれば、電子デバイス部品
(半導体素子等)を搭載・接続するために、ガラスセラ
ミック多層配線基板の表面に形成する接続用電極パッド
を接合金属層/表面保護層の層構造とし、該接合金属層
としてニッケル−ボロン合金、ニッケル−リン合金また
はニッケル−コバルト合金のなかから選ばれた少なくと
も1種類の材料を用い、表面保護層としては酸化されな
い金等を用いることで、十分のリフロ−耐性と接続信頼
性とを持つ接続用電極パッドを得る(確立する)ことが
できる。また前記構成により、基板の表面上における薄
膜回路パターンの露出した個所と前記基板の裏面側に有
する(埋設された)前記パッドとに対してニッケル−ボ
ロン合金、ニッケル−リン合金またはニッケル−コバル
ト合金のなかから選ばれた少なくとも1種類の材料から
なる接合金属層を無電解めっきによって形成し、この接
合金属層の上に表面保護層を積層することによって、十
分のリフロ−耐性と接続信頼性とを持つ接続用電極パッ
ドを形成したガラスセラミック多層配線基板を非常に能
率よく製造することができ、大幅な原価低減をはかるこ
とができる。
【0018】
【実施例】本発明の実施例について、図面を用いて詳細
に説明する。まずセラミック多層基板(多層同時焼結基
板)の性能向上(配線収容能力向上)のためには、導体
配線の微細化(例えば配線幅20〜50μm、配線厚さ
10〜20μm)が不可欠であり、そのためには低抵抗
導体(例えば約0.5Ω/cm以下)にすることが必要
となる。この低抵抗導体の材料としては、融点が低い
(融点が例えば750〜1100℃である。)銅または
銅合金(CuまたはCu−Ti合金またはCu−Zr合
金)を使用することになる。そこで、誘電体材料として
は比較的軟化点の低い(軟化点が例えば850〜100
0℃である。)ガラスセラミック材料(基材)を用い
る。即ち、セラミック多層基板を、図1〜図3に示すよ
うにガラスセラミック多層配線基板111で形成して、
導体配線112として低抵抗である融点が低い銅または
銅合金(CuまたはCu−Ti合金またはCu−Zr合
金)を使用することを可能にすることにある。ところ
が、ガラスセラミック多層配線基板111を構成する基
材であるガラスセラミック材料は、補強の目的で、少量
のセラミックフィラーが含有されているが、その組成の
大部分を強度の低いガラス成分(硼珪酸ガラス)が占め
て強度が低くなる。そこで、本発明は、強度が低いガラ
スセラミック多層配線基板111に対して多数の電子デ
バイス部品(半導体素子等)413及び入出力ピン12
1を信頼性を高くして実装できるようにしたことにあ
る。
【0019】〔第1の実施例〕次に、本発明に係るガラ
スセラミック多層配線基板の一実施例について、図1乃
至図3を用いて説明する。即ち、図1(a)、図2
(a)および図3(a)は、基板の裏面側に入出力ピン
接続用の厚膜パッドを、また基板の表面に半導体素子等
の接続用薄膜電極および薄膜配線層(薄膜回路パター
ン)を持つガラスセラミック多層配線基板の主要断面構
造図である。ところで、ガラスセラミック多層配線基板
111の製作は、硼珪酸ガラス(約50〜90wt
%)、ムライト(約10〜50wt%)、アルミナ(約
0〜50wt%)を主成分とするガラスセラミック材料
(基材)と有機樹脂バインダー(約6〜20wt%)か
らなる白板グリーンシート(高抵抗材料)に、スクリーン
印刷などの手法によって内部導体配線(スルホールや内
層配線)112を銅または銅合金(CuまたはCu−T
i合金またはCu−Zr合金)の微粉末からなる導体ペ
ーストを用いて印刷して各層のグリーンシートを作成
し、これらを積層、圧着して、次いで電気炉で焼結させ
る同時焼結法により行うが、この際、基板の裏面側の最
外層に、入出力ピン121の接続に必要な外形寸法の厚
膜パッド114を、銅または銅合金(CuまたはCu−
Ti合金またはCu−Zr合金)の微粉末からなる導体
ペーストを用いて上記内部導体配線と同様に印刷して形
成すればよい。さらに、ろう付け部の応力集中を緩和す
るため、この厚膜パッド114の外周部に、硼珪酸ガラ
ス(約50〜90wt%)、ムライト(約10〜50w
t%)、アルミナ(約0〜50wt%)を主成分とする
ガラスセラミック材料(基材)のみからなるドーナツ形
状のカバーコート115を施すことで入出力ピン接合部
114、120の信頼性を一層強化することができる。
これは、入出力ピン121の引っ張り試験の際に、カバ
ーコート115の無い場合には剥き出しの厚膜パッド1
14の最外周端部にろう付け部の応力が集中し、最外周
端部を起点として、厚膜パッド114の剥がれ現象が発
生する場合があったが、上記ドーナツ状のカバーコート
115のパターンを厚膜パッド114のパターン外周部
に重ねて印刷することにより、応力集中点が厚膜パッド
114の内部に移動したためである。すなわち、該カバ
ーコート115の設置により、入出力ピン121の引張
り試験結果において、上記厚膜パッド114の剥がれ現
象は皆無となり、常に入出力ピン121の破断となっ
た。
【0020】なお、銅または銅合金からなる厚膜パッド
114の表面は、図1に示すようにそのまま直接入出力
ピン121のろう付けに用いてもよいが、図2および図
3に示すように、必要に応じて適当なめっき膜125、
126、127を形成した後に入出力ピン121のろう
付けを行っても良い。すなわち、ろう材の濡れ性確保や
耐腐食性確保の観点からは、厚膜パッド114の表面に
金めっき膜125や、ニッケル合金めっき膜126/金
めっき膜127からなる積層膜を形成することが望まし
い。ここで、ニッケル合金めっき膜126としては、ニ
ッケル−ボロン合金、ニッケル−リン合金またはニッケ
ル−コバルト合金が有効であった。すなわち、これらの
めっき膜125、126、127を厚膜パッド114の
表面に形成することにより、ろう材の濡れ性を安定化
し、あるいは接続部の耐腐食性をより増強することがで
きた。
【0021】一方、セラミック多層配線基板111の表
面には多数の電子デバイス部品(半導体素子等)413
を高密度に実装するが、単位面積当りの接続端子数(ピ
ン数)が膨大であるため、接続方式としては、図4に示
すように、電子デバイス部品(半導体素子等)413上
の接続用電極412とセラミック多層配線基板111の
表面の同一パターンの接続用電極119を互いに対向さ
せ、各電極対の間を微小はんだボール411で接続させ
るC4(Controlled Collapse Chip Connection)方式が
必要である。このように構成されたマルチチップモジュ
ールにおいては、システムの論理変更や故障電子デバイ
ス部品(半導体素子等)の付替えのためのリワークが必
要であり、この時のはんだリフローの際の溶融はんだと
接続用電極の反応により接続用電極材料が膜減りする
「はんだ食われ」が発生する。したがって必要な回数の
はんだリフローに耐える接続用電極119の採用が要件
となる。そこで、セラミック多層配線基板111の表面
の接続用電極パッド119を接合金属層/表面保護層の
層構造とし、該接合金属層としてニッケル−ボロン合
金、ニッケル−リン合金またはニッケル−コバルト合金
のなかから選ばれた少なくとも1種類の材料を用い、表
面保護層としては金を用いることにより、十分のリフロ
ー耐性と接続信頼性を持つ接続用電極パッド119を得
ることができた。
【0022】ここで、ガラスセラミック多層配線基板の
部分111は、裏面側の入出力ピン接続用の厚膜パッド
114に導かれ、また表面にも導かれた内層配線導体1
12を有し、硼珪酸ガラス、ムライトおよびアルミナを
主成分とするガラスセラミックで形成されたものであ
る。また内層配線導体112および厚膜パッド114
は、低抵抗の純銅(Cu)、または銅−チタン(Cu−
Ti)、銅−ジルコニウム(Cu−Zr)等の銅合金に
より形成されている。更に特徴的なことは、入出力ピン
接続用の厚膜パッド114の外周部に同じガラスセラミ
ック材料からなるドーナッツ形状のカバーコート115
を形成してあることである。さて、該厚膜パッド114
の厚さは、ガラスセラミック基材の焼結工程、ろう付け
工程の熱処理に伴う熱応力の低減を配慮すれば、ろう付
け時のろうによる食われ量(厚さ)を十分に賄える限度
の範囲で、出来るだけ薄い方が有利である。さらに、銅
または銅合金の厚膜パッド114の印刷工程側の条件も
考慮すると、焼結後の厚膜パッド114の厚さは約5〜
30μmの範囲が最適となる。また厚膜パッド114は
円形状であるが、その外径は、入出力ピン121の接続
ピッチ、入出力ピン121の引張強度の仕様、後述する
入出力ピン121のサイズ等と関連して決定される。本
実施例における厚膜パッド114の径は約800〜16
00μmの範囲のものである。さらに、該カバーコート
115は後述するように、ろう付け部の応力集中緩和の
ために有効であるが、そのサイズは応力集中緩和効果の
観点から最適値範囲を決め、さらに入出力ピン121の
接続ピッチ、印刷精度などの限定考慮して設定した。カ
バーコート115の断面は図1(b)に示すようにほぼ
半長楕円形であり、その長軸が幅、短軸の半分が厚さに
対応する。本実施例においては、カバーコート115の
幅が約50〜150μm、同厚さが約20〜100μm
の範囲を用いた。
【0023】このガラスセラミック多層配線基板111
の表面上には、表面に導かれた配線導体112と接続さ
れた薄膜回路パターンとして、薄膜整合パッド116や
薄膜配線117などが形成されており、さらにポリイミ
ド系樹脂などの有機材料からなる層間絶縁膜118が形
成され、最表面にははんだ接続用薄膜電極119が設置
されている。薄膜整合パッド116は、ホトリソグラフ
ィにより高い位置精度ならびにパターンサイズ精度で形
成される薄膜回路パターンと、印刷精度バラツキならび
に焼結収縮バラツキ等が原因でどうしても設計位置から
ずれる傾向にある厚膜回路パターン(配線導体)112
との接続を確保するために設置される。薄膜配線117
および薄膜整合パッド116は、電気特性とガラスセラ
ミック表面や層間絶縁材料との密着力確保の観点から、
クロム/銅/クロム(Cr/Cu/Cr)、またはチタ
ン/銅/チタン(Ti/Cu/Ti)の構成からなる積
層金属薄膜を用いる。クロムまたはチタンが、銅または
銅合金の配線導体112とガラスセラミック部113の
表面や層間絶縁材料118との密着層となる。ここでク
ロムまたはチタンからなる密着層は膜応力の観点から必
要最低限の厚さが望ましく、本実施例では、約0.03
〜0.1μmの範囲とした。また銅の厚さは、必要な配
線抵抗値と微細加工性の観点から決定され、約2〜7μ
mの範囲とした。層間絶縁膜118の厚さは薄膜配線に
対するカバレジ性とビア穴加工性の観点から、約5〜1
0μmの範囲とした。次に、最表面のはんだ接続用薄膜
電極119は、層間絶縁層118に形成されたビアを介
して薄膜整合パッド116と接続する電極である。その
膜構成は下から順に、接合金属層/表面保護層の層構造
とし、接合金属層として膜厚が約0.5〜3μmのニッ
ケル−ボロン合金、ニッケル−リン合金またはニッケル
−コバルト合金の少なくとも1種類を用い、表面保護層
として膜厚が約0.05〜0.1μmの金めっき膜を用
いた。ここで膜応力の低減を考慮すると、とくに接合金
属層の膜厚を許容できる範囲でできるだけ薄くするのが
有利である。しかし接合金属層については、既述した電
子デバイス部品(半導体素子等)の付替えのための多数
回に及ぶはんだ付けのやり直し(リワークまたはリペア
という)に対するはんだ食われ耐性の確保のため、上記
の膜厚範囲が必要である。
【0024】図1(b)は、図1(a)のセラミック多
層配線基板111の裏面側に入出力ピン121をろう付
けした構造の主要断面図を示す。本実施例では、ろう材
120としては、Au〜20wt%Sn共晶合金(融点
280℃)を用いたが、ろう材としてはこの他に、本組
成以外のAu−Sn合金、Au−Ge合金、Sn−Ag
合金、Sn−Pb合金を用いることができる。また、入
出力ピン121としては銅合金基材にニッケルめっきお
よび金めっきを施したものを用いたが、コバールや42
アロイを基材としてニッケルめっきおよび金めっきを施
したものでもよい。入出力ピンの形状は図1(b)に示
した通りであり、ピン径150〜500μm、ピンヘッ
ド径300〜1000μm、ピンヘッド厚さ50〜30
0μmのものを用いたが、入出力ピン121の形状はこ
れに限定されるものでないことは明らかである。
【0025】ここでろう材は、銅または銅合金からなる
厚膜パッド114に直接的に濡れ、且つこれと反応して
接合を形成する。この際ろう材フィレット端部123
は、ろう材が最大に濡れ拡がった場合で、厚膜パッド1
14とカバーコート115の境界122まで到達する
が、この位置は当然のことながら元々の厚膜パッド11
4の端部124よりパッドの内側にある。ろう付け応力
の集中点は、ろう材フィレット114の端部123にあ
るため、カバーコートが無い場合には、ろう付け応力が
入出力ピン121の引張り強度に影響を与え、引っ張り
試験の際に厚膜パッド端部からの剥がれが3kg以下の
強度で発生することがあった。しかし、カバーコート1
15の存在により応力集中点が厚膜パッド114の端部
124から厚膜パッド114の内部に移動し、この応力
を厚膜銅パッド114そのものの応力緩和作用により吸
収できるため、入出力ピン121の引っ張り強度は大幅
に向上し、ピン引っ張り試験においてはすべてのピンが
ピン破断となった。すなわち、入出力ピン121の接合
部114、120の引っ張り強度は、少なくともピンそ
のものの破断強度よりも大となり、約4kg以上を達成
した。
【0026】図7に比較例を示す。即ち、アルミナベー
ス多層配線基板に用いられた形状の入出力ピン(平坦縁
部ピン)をガラスセラミック多層配線基板111にろう
付けした状態を示す。ここで、ろう付け720は大部分
ガラスセラミック113の表面に形成された蒸着金属薄
膜電極(Ti/Cu/Ti/AuやTi/Al/Ti/
Au等の積層構造とし、ここでCu、Alを応力緩和層
(クッション層)とした。)719に対して行われてい
る。従って、ろう付け部720の残留応力(ろう材の硬
化収縮応力、熱応力が主因)や入出力ピン121の挿抜
による負荷は、全てガラスセラミック113の部分にか
かることになる。このため、応力集中の甚だしいろう材
のフィレット部720の真下のガラスセラミック113
内にクラック722が発生することになる。なお、71
4は薄膜整合パッド、715は薄膜配線、716は層間
絶縁膜、717は薄膜銅ビア、718は接続用薄膜電極
を示す。図7に示す比較例の場合、ろう材フィレット7
20およびその端部が、強度が低くかつ靱性のないガラ
スセラミック基材113にかかるため、ろう付け部の基
板破壊が起こる場合があった。しかし、前記実施例にお
いては、入出力ピン121の接合部114、120の引
っ張り強度は、少なくともピンそのものの破断強度より
も大となり、約4kg以上を達成することができ、入出
力ピンの接合強度向上に極めて有効であることが確認さ
れた。
【0027】次に、図2に示す実施例ついて説明する。
図2(a)は、裏面側に入出力ピン接続用の厚膜パッド
114を、また表面に半導体素子等の接続用薄膜電極
(薄膜整合パッド116、接続用薄膜電極パッド11
9)および薄膜配線層117を持つガラスセラミック多
層配線基板111の実施例を示す主要断面構造図である
が、基本構成は図1(a)と同一であり、厚膜パッド1
14の表面に、表面保護膜として厚さ0.05〜3μm
の金めっき125を施したことだけが異なる。ここで金
めっき膜は、厚膜パッド114の表面保護膜として形成
したものである。図1(a)に示すガラスセラミック多
層配線基板111では、長期保存した場合に銅または銅
合金からなる厚膜パッド114の表面が酸化されるた
め、ろう材の濡れ性が低下する現象が認められる。例え
ば、図1(a)に示すセラミック多層配線基板111を
通常の空調機で管理された部屋(平均室温25℃、平均
湿度50%)に放置すると、約100日後にろう材濡れ
性の低下が始まるのに対して、図2(a)に示す構成
(厚膜パッド114の表面に、表面保護膜として厚さ
0.05〜3μmの金めっき125を施した構成)では
300日以上たってもろう材濡れ性の低下が認められ
ず、表面保護効果が確認された。これより、本実施例
は、厚膜パッド114の表面のろう材濡れ性の長期確保
・基板の長期保存に対して有効である。図2(b)は、
図2(a)に示すガラスセラミック多層配線基板111
の裏面側に埋設された銅または銅合金からなる厚膜パッ
ド114の表面に、表面保護膜として厚さ0.05〜3
μmの金めっき125を施した表面に入出力ピン121
をろう付けしたものである。ここで、表面保護膜である
金めっき膜125はろう付け工程において溶融したろう
材に速やかに溶解して吸い取られ、見かけ上跡形もなく
なり、基本的に図1(b)と同一の形態となる。入出力
ピン121の接合強度についても、金めっき膜は全く影
響がなく、図1(b)の構成と同等の性能が確認され
た。
【0028】次に図3に示す実施例について説明する。
図3(a)も、裏面側に入出力ピン接続用の厚膜パッド
114を、また表面に半導体素子等の接続用薄膜電極
(薄膜整合パッド116、接続用薄膜電極パッド11
9)および薄膜配線層117を持つガラスセラミック多
層配線基板111の実施例を示す主要断面構造図である
が、基本構成は図1(a)と同一であり、厚膜パッド1
14の表面に、相互拡散のバリヤー層として厚さ0.5
〜3μmのニッケル合金めっき膜126および表面保護
層として厚さ0.05〜1μmの金めっき膜127を形
成したことだけが異なる。なお本実施例においてはニッ
ケル合金めっき膜126としてニッケル−ボロン合金め
っきを用いたが、この他にニッケル−リン合金めっき、
ニッケル−コバルト合金めっきを用いてもよい。さて金
めっき膜127が、厚膜パッド114の表面の保護膜と
して機能することは、上記図2(a)に示す実施例で述
べた通りであるが、金めっき膜127と下地銅合金11
4との間は、比較的低温の熱処理によって容易に相互拡
散し、金めっき膜の保護効果が失われることがわかっ
た。例えば、厚膜銅パッド114の表面に形成された厚
さ0.08μmの金めっき膜は、200℃/1時間の熱
処理でほぼ完全に銅の中に拡散し、表面から消失する。
従って、ろう材の融点(Au−20wt%Snの場合な
ら280℃)以上で行われるろう付けの熱処理の際に、
金めっき膜は厚膜銅に拡散して消滅するので、図2
(b)に示したろう付け部のろう材フィレット120の
端部123より外側の厚膜パッド114の表面(銅また
は銅合金)は、何の保護皮膜もなしの剥き出しの状態と
なる。これは、厚膜パッド114の表面に何の保護皮膜
も形成しない図1(b)に示す構成でも、もちろん同様
の事情である。このように銅または銅合金が部分的にも
せよ露出した状態は、使用条件によっては腐食の原因と
なることが懸念される。本実施例における厚膜パッド1
14上のニッケル合金めっき膜/金めっき膜の積層膜か
らなる保護皮膜126、127は、この懸念に対する有
効な対策を施すことができる。即ち、銅または銅合金か
らなる厚膜パッド114と金めっき膜127の間にはさ
まれたニッケル合金めっき膜126は、銅と金の間の相
互拡散のバリヤーとなる。例えば、銅または銅合金から
なる厚膜パッド114/ニッケル−ボロン合金めっき膜
(膜厚約0.5〜3μm)126/金めっき(膜厚約
0.05〜1μm)127の構成で、熱拡散の実験を試
した結果、少なくとも400℃/1時間の熱処理をして
も表面の金は全く減少することなく、また下地の銅が金
めっき表面に浮き出してくることはなかった。このこと
から、ニッケル合金めっき膜126/金めっき膜127
の積層膜が、厚膜パッド114の表面の保護皮膜として
極めて有効であることがわかった。なお本実施例におい
て、ニッケル合金めっき126の膜厚は、ろう付け条
件、基板の使用条件などに応じて変更する。ニッケル合
金めっき126の膜厚が比較的薄い場合には、ろう材が
ニッケル合金めっき層をすべて食い尽くし、下地の厚膜
パッド114まで到達するが、同膜厚が比較的厚い場合
には、ろう材の拡散がニッケル合金層の中で止まる。こ
こで図3(b)は、この後者の場合を図示している。以
上のように、裏面側に入出力ピン接続用の厚膜パッド1
14を、また表面に半導体素子等の接続用薄膜電極(薄
膜整合パッド116、接続用薄膜電極パッド119)お
よび薄膜配線層117を持つガラスセラミック多層配線
基板111と、この基板111に対して入出力ピン12
1をろう付けしてなる入出力ピン付きガラスセラミック
多層配線基板の実施例について述べた。これらは、入出
力ピン接続用の厚膜パッド114の構成に違いがあり、
ガラスセラミック多層配線基板111の使用条件などに
応じてその構成を選択できる。
【0029】〔第2の実施例〕次に、本発明に係るガラ
スセラミック多層配線基板111を備えた実装構造体の
実施例について、図4を用いて説明する。即ち、図4
(a)(b)はガラスセラミック多層配線基板を備えた
実装構造体の実施例を示す主要断面構造図である。ここ
で、まず図4(a)は、既に説明した図1(a)に示す
ガラスセラミック多層配線基板111の表面に、既述の
C4方式により複数の電子デバイス部品(半導体素子
等)413を接続実装した実装構造体である。すなわち
接続用薄膜電極119と、これに対向する同一パターン
配置の接続電極612を有する複数の電子デバイス部品
(半導体素子等)613を、微小はんだボール611を
介して接続してなるセラミック多層配線基板実装構造体
(マルチチップモジュール)である。
【0030】図4(b)は、図3(b)に示すガラスセ
ラミック多層配線基板111の表面に、図3(a)の実
装構造体と同様に、C4方式により複数の電子デバイス
部品(半導体素子等)413を接続実装した実装構造体
(マルチチップモジュール)である。図では省略したが、
これらのセラミック多層配線基板実装構造体(マルチチ
ップモジュール)を複数個、基板111の裏面の入出力
ピンを受けるコネクタを介してさらに大きなマザーボー
ド(多層プリント配線板などからなる)に接続したり、あ
るいは入出力ピンを直接にマザーボードに挿入後、はん
だ付け等の方法で接続することにより、より巨大なシス
テムに組み上げることもできる。
【0031】〔第3の実施例〕ここで、本発明に係る裏
面側に入出力ピン接続用の厚膜パッド114を、また表
面に半導体素子等の接続用薄膜電極(薄膜整合パッド1
16、接続用薄膜電極パッド119)および薄膜配線層
117を持つガラスセラミック多層配線基板の製造方法
について、図5に示す工程図を用いて説明する。まず図
5を用いて、例えば、図1(a)に示したガラスセラミ
ック多層配線基板111を製造する方法について説明す
る。
【0032】工程(1)は、出発の厚膜多層セラミック
基板(例えばガラスセラミック多層配線基板111)を
製作する厚膜回路基板製作工程を示す。即ち、硼珪酸ガ
ラス、ムライト、アルミナを主成分とするガラスセラミ
ックと有機樹脂バインダーからなる白板グリーンシート
(高抵抗材料)に、スクリーン印刷などの手法によって
内部導体配線112を印刷して各層のグリーンシートを
作成し、これらを積層、圧着して同時焼結することによ
り厚膜多層セラミック基板(ガラスセラミック多層配線
基板111)を製造する。工程(2)は、後続の薄膜工
程で要求される表裏面の平坦度および面粗さを得るため
に、工程(1)の厚膜回路基板製作工程で焼結されたガ
ラスセラミック多層配線基板111の表裏面に対して、
研磨を施す研磨工程を示す。ここで、表面側は薄膜配線
パターン116、117を形成するためのホトリソ工程
の要求から、まずラッピングにより約50μm以下の平
坦度に仕上げ、ついで平均粒径50Åのコロイダルシリ
カを用いたポリッシングにより表面粗さRaを約500
Å以下に仕上げた。一方、裏面側は倣い性のよいポリッ
シングにより面粗さRa約2μm程度の仕上げにとどめ
た。このとき、裏面のガラスセラミック113および厚
膜パッド114の除去量は、2〜3μm程度である。本
実施例では、裏面側に薄膜パターンを形成する必要がな
く、また裏面側の厚膜パッド114そのものを入出力ピ
ンの接続電極として利用する関係上、極力研磨による除
去量を少なく抑えたいので、定寸切り込み(一定厚さの
絶対値を削り取る)の研磨方法であるラッピングを採用
することができず、またその必要もない。この点、既述
の比較例(図7参照)では、入出力ピン接合のための電
極を薄膜プロセスにより形成するので、基板裏面側も表
面側同様に研磨の工数をかける必要があり、全工程が長
くなる。以上から本実施例によれば、基板111の裏面
側について、研磨工程を簡略化し、かつ電極形成に薄膜
工程を使わないので、大幅な工程合理化すなわちコスト
低減を達成できるものである。
【0033】次いで、工程(3)は、工程(2)で示す
研磨工程で研磨されたガラスセラミック多層配線基板1
11の裏面に耐熱・耐薬品性の有機樹脂保護皮膜を形成
する有機樹脂保護皮膜工程を示す。本実施例では有機樹
脂保護皮膜511として、ポリイミド樹脂膜を用いた。
方法はポリイミドワニスのスピン塗布により形成した塗
膜を乾燥ベークし、ついで、350〜400℃の温度で
硬化させて最終膜とした。膜厚は、基板裏面の凹凸を完
全に被覆しかつピンホールを皆無とする目的で、約4〜
6μmの膜厚で2度塗りとし、最終の膜厚を約8〜12
μmとした。この保護皮膜511は、基板111の表面
の全薄膜工程の種々の工程ダメージから基板裏面を守る
ためのものである。これ以後、基板表面側の薄膜回路の
形成工程に入る。工程(4)は、工程(3)で示す有機
樹脂保護皮膜工程で裏面に有機樹脂保護皮膜が形成され
たガラスセラミック多層配線基板111の表面側に、最
初に薄膜整合パッド116および薄膜配線(薄膜配線パ
ターン)117からなる薄膜回路パターンを形成する薄
膜回路パターン形成工程を示す。ここではまず、ガラス
セラミック多層配線基板111の表面側全面に、クロム
(密着層)(膜厚約0.3〜1.2μm)/銅(膜厚が約
2〜7μm)/クロム(密着層)(膜厚約0.2〜1.
0μm)の順に連続スパッタ成膜した。この際、スパッ
タ成膜直前に、基板111の表面全面にアルゴンガスに
よるスパッタエッチをかけ、厚膜銅112のスルホール
表面と上記薄膜116、117とのコンタクト(密着
性)を確保した。薄膜整合パッド116および薄膜配線
(薄膜配線パターン)117への加工は、ホトレジスト
をマスクとした連続ウェットエッチングで行った。この
とき、クロムの加工はアルカリ性過マンガン酸カリウム
水溶液、またはアルカリ性フェリシアン化カリウム水溶
液を主成分とするエッチャントで実行し、銅の加工には
リン酸/硝酸系の混合液エッチャントを用いた。なお、
上記密着層としてのクロムに代えてチタンを用いても良
い。
【0034】次に工程(5)は、工程(4)に示す薄膜
回路パターン形成工程で薄膜回路パターンを形成を形成
した表面に層間絶縁膜118を形成する層間絶縁膜形成
工程を示す。この層間絶縁膜形成工程では、まずポリイ
ミド樹脂塗膜をスピン塗布法により形成し、350〜4
00℃で硬化熱処理を行うことによって層間絶縁膜11
8を形成する。ここで膜厚は約5〜10μmとした。そ
して、このポリイミド膜へのビア開口部412の形成
は、層間絶縁膜118の表面に所望のレジストパターン
を形成した後、ヒドラジン−エチレンジアミン系の混合
液やその他のアルカリ性混合液でエッチングする方法で
実行することができる。また、この所望の位置にビア開
口部を有する層間絶縁膜118は、感光性ポリイミドを
用いてフォトリソ工程による簡便な加工方法で形成する
こともできる。次に、工程(6)は、工程(5)に示す
層間絶縁膜形成工程で層間絶縁膜118が形成されたビ
ア開口部412に、はんだ接続用薄膜電極119を形成
する接続用電極形成工程を示す。即ち、ニッケル−ボロ
ン合金、ニッケル−リン合金あるいはニッケル−コバル
ト合金の少なくとも1種類からなる膜厚約0.5〜3μ
mの接合金属層を無電解めっき法で形成する。次に形成
された接合合金表面に、それぞれの合金の反応性にマッ
チした金めっき液により置換金めっき処理(無電解金め
っき処理)をして、はんだ接続用薄膜電極119の形成
(置換金めっき)が完了する。置換金めっき膜を形成し
た接続用薄膜電極は、はんだ濡れ性に優れ、十分の接続
信頼性を示した。
【0035】次に、工程(7)は、有機樹脂保護皮膜4
11の除去工程を示す。この有機樹脂保護皮膜411の
除去工程で行う除去方法の一つは、酸素プラズマアッシ
ャであり、酸素分圧0.4〜0.6torr、プラズマ
電力200〜400ワットの条件で枚葉式アッシャで処
理すると、基板サイズ(除去面積)にもよるが、数時間
かけて8〜12μmのポリイミド膜を除去できる。もう
一つの除去方法は、エキシマレーザの全面スキャンによ
るレーザアブレーションであり、工程時間は圧倒的に短
縮される。即ち、XeClを放電ガスとする波長が約3
06nmのエキシマレーザを用い、エネルギー密度0.
6J/cm2 ・pulse、ビーム径4.5mm角、シ
ョット数120パルスの条件でスキャン加工すると12
7mm角基板上の12μm厚のポリイミドが、約15分
以内で除去できた。除去後の表面には加工残渣のカーボ
ンが発生するがこれは数分のアッシャ処理できれいに除
去できる。ここまでで、図1(a)に示すガラスセラミ
ック多層配線基板111を製造できた。
【0036】最後に工程(8)は、入出力ピン121を
ろう付けするろう付け工程を示す。この工程において使
用したろう材は、Au−20wt%Sn共晶合金(融点
280℃)である。本実施例においては、予め所定量の
ろう材をヘッド部に固着させてある入出力ピン121を
カーボン製のピン位置決め治具を用いて、(7)で得ら
れたガラスセラミック基板111の裏面の所定位置(厚
膜パッド141上)に設置し、水素−窒素還元雰囲気炉
(最高到達温度320℃、ろう材融点以上の保持時間1
7分)でリフローすることにより行った。以上の工程に
より、図1(b)に示す、入出力ピン付きガラスセラミ
ック多層配線基板を、十分の性能と信頼性を具備させな
がら、簡便な方法で製造することができる。なお、ここ
では薄膜配線層117を一層だけ形成した回路基板を図
示したにすぎないが、以上のプロセスの中で、工程
(4)、工程(5)を繰り返し実行すれば、薄膜配線1
17と層間絶縁層118を交互に重ね合わせ、かつ必要
な箇所で各配線層間がビアを介して相互に接続された薄
膜多層回路を備えたセラミック多層配線基板を製造でき
ることは言うまでもない。
【0037】〔第5の実施例〕本発明に係る裏面側に入
出力ピン接続用の厚膜パッド114を、また表面に半導
体素子等の接続用薄膜電極(薄膜整合パッド116、接
続用薄膜電極パッド119)および薄膜配線層117を
持つガラスセラミック多層配線基板の製造方法につい
て、図6に示す工程図を用いて説明する。即ち、図6を
用いて、図3(a)に示した厚膜多層セラミック基板
(例えばガラスセラミック多層配線基板111)を製造
する方法について説明する。各工程は大部分、既述した
図5と重複するので、図5との比較において特に異なる
部分を詳しく説明する。工程(1)については、図5に
示す出発の厚膜回路基板製作工程と同様である。これに
対して、工程(2)で、厚膜多層セラミック基板(ガラ
スセラミック多層配線基板111)の裏面にだけ図5に
示す工程(2)と同じ条件の倣い性の良いポリッシュを
かける。次に工程(3)において、厚膜多層セラミック
基板(ガラスセラミック多層配線基板111)の裏面に
有機樹脂保護皮膜511を、図5に示す工程(3)と同
様の方法で形成する。この後、表面側の薄膜回路形成工
程に入る。即ち、工程(4)は、薄膜整合パッド形成工
程、工程(5)は層間絶縁膜形成工程で、それぞれ図5
に示す工程(4)、工程(5)と同じものである。
【0038】次に、工程(6)において、図5に示す工
程(7)で用いた方法により、有機樹脂保護皮膜511
を除去し、裏面側の厚膜パッド114を露出させる。
【0039】そして、工程(7)において、薄膜整合パ
ッド116および厚膜パッド114の両表面に無電解め
っき法により、ニッケル−ボロン合金の膜厚約0.5〜
3μmの接合金属層119および126を同時に形成す
る。本実施例においては膜厚約0.5〜3μmのニッケ
ル−ボロン合金めっき膜を形成したが、めっき膜として
はこのほかに、ニッケル−リン合金あるいはニッケル−
コバルト合金の少なくとも1種類が用いられる。膜厚
は、ろう材の種類およびろう付け条件に応じて適宜決定
する。更に工程(8)において、はんだ接続用電極11
9とニッケル合金めっき膜126の両表面に、同時に、
合金の反応性にマッチした金めっき液により置換金めっ
き処理(無電解金めっき処理)をして、置換金めっきを
形成する。そして最後に工程(9)において、入出力ピ
ン121をAu−20wt%Sn共晶合金でろう付けし
た。ここで、ろう付けの条件は、基本的に図5に示す工
程(8)と同一でよい。以上説明した製造方法によれ
ば、厚膜多層セラミック基板(ガラスセラミック多層配
線基板111)の表面及び裏面同時に膜厚が0.5〜3
μmの接合金属層(ニッケル−ボロン合金あるいはニッ
ケル−リン合金あるいはニッケル−コバルト合金の少な
くとも1種類)と表面保護層(金)とを無電解めっきに
よって形成することができるので、非常に能率よく製造
することができる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、ガラスセラミック多層
配線基板の裏面側のI/Oピン接続電極を設置するに当
り、強度の低いガラスセラミック表面に応力緩和能に富
む厚膜銅パッドまたは厚膜銅合金パッドをI/Oピン接
続電極に用いることを可能とし、信頼性の高いI/Oピ
ン接続を低コストで達成することができる効果を奏す
る。また本発明によれば、表面側に、はんだリペア耐性
に優れた接続金属層を主体とする接続用電極パッドを高
密度に持ったガラスセラミック多層配線基板を実現する
ことができる効果を奏する。また本発明によれば、ガラ
スセラミック多層配線基板の裏面側に形成する入出力ピ
ン接続用電極を、銅または銅合金の厚膜パッドそのもの
(ガラスセラミック基材に埋設する。)としたことによ
り、ろう付けの負荷(ろう材硬化収縮による残留応力、
入出力ピン挿抜時の機械力等)を強度の低いガラスセラ
ミックの表面にはほとんどかけず、その代りにこの負荷
を銅または銅合金からなる厚膜パッドに受け持たせるこ
とができ、その結果、銅または銅合金の厚膜パッドその
ものが弾性変形能および塑性変形能にすぐれるため、ろ
う付けの負荷を十分に緩和吸収し、信頼性の高い入出力
ピン接合を達成することができる効果が得られる。
【0041】また本発明によれば、ガラスセラミック多
層配線基板の裏面側に埋設した銅または銅合金の厚膜パ
ッドを入出力ピン接続用電極として用いることで、前記
銅または銅合金の厚膜パッドの弾性変形能および塑性変
形能を利用して入出力ピンろう付け部の残留応力を緩和
吸収し、高い信頼性の入出力ピン接続を実現することが
できる効果を奏する。また本発明によれば、電子デバイ
ス部品(半導体素子等)を搭載・接続するために、ガラ
スセラミック多層配線基板の表面に形成する接続用電極
パッドを接合金属層/表面保護層の層構造とし、該接合
金属層としてニッケル−ボロン合金、ニッケル−リン合
金またはニッケル−コバルト合金のなかから選ばれた少
なくとも1種類の材料を用い、表面保護層としては酸化
されない金等を用いることで、十分のリフロ−耐性と接
続信頼性とを持つ接続用電極パッドを得る(確立する)
ことができる効果を奏する。また本発明によれば、集積
度の極めて高い超多ピンLSIを多数個実装してなるマ
ルチチップモジュールを、高い信頼性のもとで、低いコ
ストで量産することができる効果を奏する。
【0042】また本発明によれば、基板の表面上におけ
る薄膜回路パターンの露出した個所と前記基板の裏面側
に有する(埋設された)前記パッドとに対してニッケル
−ボロン合金、ニッケル−リン合金またはニッケル−コ
バルト合金のなかから選ばれた少なくとも1種類の材料
からなる接合金属層を無電解めっきによって形成し、こ
の接合金属層の上に表面保護層を積層することによっ
て、十分のリフロ−耐性と接続信頼性とを持つ接続用電
極パッドを形成したガラスセラミック多層配線基板を非
常に能率よく製造することができ、大幅な原価低減をは
かることができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガラスセラミック多層配線基板の
第1の実施例の内の一実施例を示す断面構造図である。
【図2】本発明に係るガラスセラミック多層配線基板の
第1の実施例の内の他の実施例を示す断面構造図であ
る。
【図3】本発明に係るガラスセラミック多層配線基板の
第1の実施例の内の更に他の一実施例を示す断面構造図
である。
【図4】本発明に係る電子デバイス部品を実装したガラ
スセラミック多層配線基板実装構造体(マルチチップモ
ジュール)の第2の実施例を示す断面図である。
【図5】本発明に係るガラスセラミック多層配線基板の
第1の実施例の内の一実施例を製造するための第3の実
施例である各製造プロセス(各製造工程)を示す断面図
である。
【図6】本発明に係るガラスセラミック多層配線基板の
第1の実施例の内の更に他の一実施例を製造するための
第4の実施例である各製造プロセス(各製造工程)を示
す断面図である。
【図7】比較例であるガラスセラミック多層配線基板を
示す断面図である。
【符号の説明】
111…ガラスセラミック多層配線基板(セラミック配
線基板) 112…内層配線導体(厚膜銅配線または厚膜銅合金配
線) 113…セラミック部、114…厚膜パッド、115…
カバーコート 116…薄膜整合パッド、117…薄膜配線、118…
層間絶縁膜 119…接続用電極パッド、120…ろう材(ろう材フ
ィレット) 121…入出力ピン、125…表面保護層(金めっき) 126…接合金属層(ニッケル合金めっき)、127…
表面保護層(金めっき) 411…微小はんだボール、
412…接続用電極 413…電子デバイス部品(半導体素子等) 511…有機樹脂保護皮膜、512…層間絶縁膜ビア開
口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 昭博 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地株式 会社日立製作所生産技術研究所内

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも内部に銅または銅合金の配線導
    体を配設し、裏面に、入出力ピンを配設するための接続
    用電極として、前記配線導体に接続された銅または銅合
    金の厚膜パッドを埋設したことを特徴とするガラスセラ
    ミック多層配線基板。
  2. 【請求項2】硼珪酸ガラス及びムライトを主成分とする
    ガラスセラミックを基材とし、少なくとも内部に銅また
    は銅合金からなる配線導体を配設し、裏面に、入出力ピ
    ンを配設するための接続用電極として、前記配線導体に
    接続された銅または銅合金の厚膜パッドを埋設したこと
    を特徴とするガラスセラミック多層配線基板。
  3. 【請求項3】前記銅または銅合金の厚膜パッドの周囲を
    ガラスセラミック材で被覆したことを特徴とする請求項
    1または2記載のガラスセラミック多層配線基板。
  4. 【請求項4】前記接続用電極の表面に金材料からなる表
    面保護層を形成したことを特徴とする請求項1または2
    記載のガラスセラミック多層配線基板。
  5. 【請求項5】前記銅または銅合金の配線導体がCuまた
    はCu−Ti合金またはCu−Zr合金からなる配線導
    体であることを特徴とする請求項1または2記載のガラ
    スセラミック多層配線基板。
  6. 【請求項6】前記銅または銅合金の厚膜パッドがCuま
    たはCu−Ti合金またはCu−Zr合金からなる厚膜
    パッドであることを特徴とする請求項1または2記載の
    ガラスセラミック多層配線基板。
  7. 【請求項7】前記接続用電極の表面に、ニッケル−ボロ
    ン合金、ニッケル−リン合金またはニッケル−コバルト
    合金のなかから選ばれた少なくとも1種類の材料からな
    る接合金属層と表面保護層とを積層した積層金属膜を形
    成したことを特徴とする請求項1または2記載のガラス
    セラミック多層配線基板。
  8. 【請求項8】少なくとも内部に銅または銅合金の配線導
    体を配設し、裏面に、入出力ピンを配設するための第1
    の接続用電極として、前記配線導体に接続された銅また
    は銅合金の厚膜パッドを埋設したガラスセラミック多層
    配線基板であって、 該基板の表面に薄膜回路パターンを形成し、電子デバイ
    ス部品を搭載・接続するために、前記薄膜回路パターン
    の所望個所において薄膜回路パターンに接続され、ニッ
    ケル−ボロン合金、ニッケル−リン合金またはニッケル
    −コバルト合金のなかから選ばれた少なくとも1種類の
    材料からなる接合金属層と表面保護層とを積層させた積
    層金属膜で形成された第2の接続用電極を形成したこと
    を特徴とするガラスセラミック多層配線基板。
  9. 【請求項9】硼珪酸ガラス及びムライトを主成分とする
    ガラスセラミックを基材とし、少なくとも内部に銅また
    は銅合金からなる配線導体を配設し、裏面に、入出力ピ
    ンを配設するための第1の接続用電極として、前記配線
    導体に接続された銅または銅合金の厚膜パッドを埋設し
    たガラスセラミック多層配線基板であって、 該基板の表面に薄膜回路パターンを形成し、電子デバイ
    ス部品を搭載・接続するために、前記薄膜回路パターン
    の所望個所において薄膜回路パターンに接続され、ニッ
    ケル−ボロン合金、ニッケル−リン合金またはニッケル
    −コバルト合金のなかから選ばれた少なくとも1種類の
    材料からなる接合金属層と表面保護層とを積層させた積
    層金属膜で形成された第2の接続用電極を形成したこと
    を特徴とするガラスセラミック多層配線基板。
  10. 【請求項10】前記基板における銅または銅合金の厚膜
    パッドの周囲をガラスセラミック材で被覆したことを特
    徴とする請求項8または9記載のガラスセラミック多層
    配線基板。
  11. 【請求項11】前記第2の接続用電極における表面保護
    層を金材料からなることを特徴とする請求項8または9
    記載のガラスセラミック多層配線基板。
  12. 【請求項12】前記第1の接続用電極の表面に、ニッケ
    ル−ボロン合金、ニッケル−リン合金またはニッケル−
    コバルト合金のなかから選ばれた少なくとも1種類の材
    料からなる接合金属層と表面保護層とを積層した積層金
    属膜を形成することを特徴とする請求項8または9記載
    のガラスセラミック多層配線基板。
  13. 【請求項13】前記薄膜回路パターンをCr膜−Cu膜
    −Cr膜またはTi膜−Cu膜−Ti膜の積層膜で形成
    したことを特徴とする請求項8または9記載のガラスセ
    ラミック多層配線基板。
  14. 【請求項14】少なくとも内部に銅または銅合金の配線
    導体を配設し、裏面に、入出力ピンを配設するための第
    1の接続用電極として、前記配線導体に接続された銅ま
    たは銅合金の厚膜パッドを埋設したガラスセラミック多
    層配線基板であって、 前記第1の接続用電極の表面に、ニッケル−ボロン合
    金、ニッケル−リン合金またはニッケル−コバルト合金
    のなかから選ばれた少なくとも1種類の材料からなる接
    合金属層と表面保護層とを積層した積層金属膜を形成
    し、 前記基板の表面に薄膜回路パターンを形成し、電子デバ
    イス部品を搭載・接続するために、前記薄膜回路パター
    ンの所望個所において薄膜回路パターンに接続され、ニ
    ッケル−ボロン合金、ニッケル−リン合金またはニッケ
    ル−コバルト合金のなかから選ばれた少なくとも1種類
    の材料からなる接合金属層と表面保護層とを積層させた
    積層金属膜で形成された第2の接続用電極を形成したこ
    とを特徴とするガラスセラミック多層配線基板。
  15. 【請求項15】硼珪酸ガラス及びムライトを主成分とす
    るガラスセラミックを基材とし、少なくとも内部に銅ま
    たは銅合金からなる配線導体を配設し、裏面に、入出力
    ピンを配設するための第1の接続用電極として、前記配
    線導体に接続された銅または銅合金の厚膜パッドを埋設
    したガラスセラミック多層配線基板であって、 前記第1の接続用電極の表面に、ニッケル−ボロン合
    金、ニッケル−リン合金またはニッケル−コバルト合金
    のなかから選ばれた少なくとも1種類の材料からなる接
    合金属層と表面保護層とを積層した積層金属膜を形成
    し、 前記基板の表面に薄膜回路パターンを形成し、電子デバ
    イス部品を搭載・接続するために、前記薄膜回路パター
    ンの所望個所において薄膜回路パターンに接続され、ニ
    ッケル−ボロン合金、ニッケル−リン合金またはニッケ
    ル−コバルト合金のなかから選ばれた少なくとも1種類
    の材料からなる接合金属層と表面保護層とを積層させた
    積層金属膜で形成された第2の接続用電極を形成したこ
    とを特徴とするガラスセラミック多層配線基板。
  16. 【請求項16】少なくとも内部に銅または銅合金の配線
    導体を配設し、裏面に、入出力ピンを配設するための第
    1の接続用電極として、前記配線導体に接続された銅ま
    たは銅合金の厚膜パッドを埋設したガラスセラミック多
    層配線基板であって、 前記第1の接続用電極に対して入出力ピンをろう付けし
    て配設し、 前記基板の表面に薄膜回路パターンを形成し、電子デバ
    イス部品を搭載・接続するために、前記薄膜回路パター
    ンの所望個所において薄膜回路パターンに接続され、ニ
    ッケル−ボロン合金、ニッケル−リン合金またはニッケ
    ル−コバルト合金のなかから選ばれた少なくとも1種類
    の材料からなる接合金属層と表面保護層とを積層させた
    積層金属膜で形成された第2の接続用電極を形成し、該
    第2の接続用電極に対して電子デバイス部品をろう付け
    して搭載・接続したことを特徴とするガラスセラミック
    多層配線基板実装構造体。
  17. 【請求項17】硼珪酸ガラス及びムライトを主成分とす
    るガラスセラミックを基材とし、少なくとも内部に銅ま
    たは銅合金からなる配線導体を配設し、裏面に、第1の
    接続用電極として、前記配線導体に接続された銅または
    銅合金の厚膜パッドを埋設したガラスセラミック多層配
    線基板であって、 前記第1の接続用電極に対して入出力ピンをろう付けし
    て配設し、 前記基板の表面に薄膜回路パターンを形成し、前記薄膜
    回路パターンの所望個所において薄膜回路パターンに接
    続され、ニッケル−ボロン合金、ニッケル−リン合金ま
    たはニッケル−コバルト合金のなかから選ばれた少なく
    とも1種類の材料からなる接合金属層と表面保護層とを
    積層させた積層金属膜で形成された第2の接続用電極を
    形成し、該第2の接続用電極に対して電子デバイス部品
    をろう付けして搭載・接続したことを特徴とするガラス
    セラミック多層配線基板実装構造体。
  18. 【請求項18】少なくとも内部に銅または銅合金の配線
    導体を配設し、裏面に、第1の接続用電極として、前記
    配線導体に接続された銅または銅合金の厚膜パッドを埋
    設したガラスセラミック多層配線基板であって、 前記第1の接続用電極の表面に、ニッケル−ボロン合
    金、ニッケル−リン合金またはニッケル−コバルト合金
    のなかから選ばれた少なくとも1種類の材料からなる接
    合金属層と表面保護層とを積層した積層金属膜を形成
    し、該第1の接続用電極に対して入出力ピンをろう付け
    して配設し、 前記基板の表面に薄膜回路パターンを形成し、前記薄膜
    回路パターンの所望個所において薄膜回路パターンに接
    続され、ニッケル−ボロン合金、ニッケル−リン合金ま
    たはニッケル−コバルト合金のなかから選ばれた少なく
    とも1種類の材料からなる接合金属層と表面保護層とを
    積層させた積層金属膜で形成された第2の接続用電極を
    形成し、該第2の接続用電極に対して電子デバイス部品
    をろう付けして搭載・接続したことを特徴とするガラス
    セラミック多層配線基板実装構造体。
  19. 【請求項19】硼珪酸ガラス及びムライトを主成分とす
    るガラスセラミックを基材とし、少なくとも内部に銅ま
    たは銅合金からなる配線導体を配設し、裏面に、入出力
    ピンを配設するための第1の接続用電極として、前記配
    線導体に接続された銅または銅合金の厚膜パッドを埋設
    したガラスセラミック多層配線基板であって、 前記第1の接続用電極の表面に、ニッケル−ボロン合
    金、ニッケル−リン合金またはニッケル−コバルト合金
    のなかから選ばれた少なくとも1種類の材料からなる接
    合金属層と表面保護層とを積層した積層金属膜を形成
    し、該第1の接続用電極に対して入出力ピンをろう付け
    して配設し、 前記基板の表面に薄膜回路パターンを形成し、電子デバ
    イス部品を搭載・接続するために、前記薄膜回路パター
    ンの所望個所において薄膜回路パターンに接続され、ニ
    ッケル−ボロン合金、ニッケル−リン合金またはニッケ
    ル−コバルト合金のなかから選ばれた少なくとも1種類
    の材料からなる接合金属層と表面保護層とを積層させた
    積層金属膜で形成された第2の接続用電極を形成し、該
    第2の接続用電極に対して電子デバイス部品をろう付け
    して搭載・接続したことを特徴とするガラスセラミック
    多層配線基板実装構造体。
  20. 【請求項20】前記ろう付けのろう材がAu−Sn合
    金、Au−Ge合金、Sn−Ag合金、Sn−Pb合金
    のなかから選ばれた少なくとも1種類の合金材料である
    ことを特徴とする請求項16または17または18また
    は19記載のガラスセラミック多層配線基板実装構造
    体。
  21. 【請求項21】少なくとも内部に銅または銅合金の配線
    導体を配設し、裏面に、前記配線導体に接続された銅ま
    たは銅合金の厚膜パッドを埋設したガラスセラミック多
    層配線基板を製作するガラスセラミック多層配線基板製
    作工程と、 このガラスセラミック多層配線基板製作工程で製作され
    たガラスセラミック多層配線基板の裏面に有機樹脂保護
    皮膜を形成して前記基板の裏面を保護する有機樹脂保護
    皮膜形成工程と、 この有機樹脂保護皮膜形成工程により前記基板の裏面を
    有機樹脂保護皮膜で保護した後、前記基板の表面に薄膜
    回路パターンを形成し、この形成された薄膜回路パター
    ン上の所望個所を被覆するように絶縁膜を形成する薄膜
    回路パターン・絶縁膜形成工程と、 この薄膜回路パターン・絶縁膜形成工程で薄膜回路パタ
    ーンおよび絶縁膜を形成した後、前記基板の裏面を保護
    した有機樹脂保護皮膜を除去する有機樹脂保護皮膜除去
    工程と、 この有機樹脂保護皮膜除去工程により裏面を保護した有
    機樹脂保護皮膜を除去した後、前記基板の表面上におけ
    る薄膜回路パターンの露出した個所と前記基板の裏面に
    有する前記パッドとに対してニッケル−ボロン合金、ニ
    ッケル−リン合金またはニッケル−コバルト合金のなか
    から選ばれた少なくとも1種類の材料からなる接合金属
    層を無電解めっきによって形成し、この接合金属層の上
    に表面保護層を積層する接続用電極形成工程とを有する
    ことを特徴とするガラスセラミック多層配線基板の製造
    方法。
  22. 【請求項22】硼珪酸ガラス及びムライトを主成分とす
    るガラスセラミックを基材とし、少なくとも内部に銅ま
    たは銅合金からなる配線導体を配設し、裏面に、前記配
    線導体に接続された銅または銅合金の厚膜パッドを埋設
    したガラスセラミック多層配線基板を製作するガラスセ
    ラミック多層配線基板製作工程と、 このガラスセラミック多層配線基板製作工程で製作され
    たガラスセラミック多層配線基板の裏面に有機樹脂保護
    皮膜を形成して前記基板の裏面を保護する有機樹脂保護
    皮膜形成工程と、 この有機樹脂保護皮膜形成工程により前記基板の裏面を
    有機樹脂保護皮膜で保護した後、前記基板の表面に薄膜
    回路パターンを形成し、この形成された薄膜回路パター
    ン上の所望個所を被覆するように絶縁膜を形成する薄膜
    回路パターン・絶縁膜形成工程と、 この薄膜回路パターン・絶縁膜形成工程で薄膜回路パタ
    ーンおよび絶縁膜を形成した後、前記基板の裏面を保護
    した有機樹脂保護皮膜を除去する有機樹脂保護皮膜除去
    工程と、 この有機樹脂保護皮膜除去工程により裏面を保護した有
    機樹脂保護皮膜を除去した後、前記基板の表面上におけ
    る薄膜回路パターンの露出した個所と前記基板の裏面に
    有する前記パッドとに対してニッケル−ボロン合金、ニ
    ッケル−リン合金またはニッケル−コバルト合金のなか
    から選ばれた少なくとも1種類の材料からなる接合金属
    層を無電解めっきによって形成し、この接合金属層の上
    に表面保護層を積層する接続用電極形成工程とを有する
    ことを特徴とするガラスセラミック多層配線基板の製造
    方法。
  23. 【請求項23】硼珪酸ガラス及びムライトを主成分とす
    るガラスセラミックを基材とし、少なくとも内部に銅ま
    たは銅合金からなる配線導体を配設し、裏面に、前記配
    線導体に接続された銅または銅合金の厚膜パッドを埋設
    したガラスセラミック多層配線基板を製作するガラスセ
    ラミック多層配線基板製作工程と、 このガラスセラミック多層配線基板製作工程で製作され
    たガラスセラミック多層配線基板の裏面に有機樹脂保護
    皮膜を形成して前記基板の裏面を保護する有機樹脂保護
    皮膜形成工程と、 この有機樹脂保護皮膜形成工程により前記基板の裏面を
    有機樹脂保護皮膜で保護した後、前記基板の表面に薄膜
    回路パターンを形成し、この形成された薄膜回路パター
    ン上の所望個所を被覆するように絶縁膜を形成する薄膜
    回路パターン・絶縁膜形成工程と、 この薄膜回路パターン・絶縁膜形成工程で薄膜回路パタ
    ーンおよび絶縁膜を形成した後、前記基板の表面上にお
    ける薄膜回路パターンの露出した個所に対してニッケル
    −ボロン合金、ニッケル−リン合金またはニッケル−コ
    バルト合金のなかから選ばれた少なくとも1種類の材料
    からなる接合金属層を無電解めっきによって形成し、こ
    の接合金属層の上に表面保護層を積層する接続用電極形
    成工程と、 前記基板の裏面を保護した有機樹脂保護皮膜を除去する
    有機樹脂保護皮膜除去工程とを有することを特徴とする
    ガラスセラミック多層配線基板の製造方法。
  24. 【請求項24】前記接続用電極形成工程において、接合
    金属層の上への表面保護層の積層を無電解めっきで行う
    ことを特徴とする請求項21または22または23記載
    のガラスセラミック多層配線基板の製造方法。
  25. 【請求項25】前記接続用電極形成工程において、接合
    金属層の上への表面保護層の積層を金の無電解めっきで
    行うことを特徴とする請求項21または22または23
    記載のガラスセラミック多層配線基板の製造方法。
  26. 【請求項26】前記薄膜回路パターン・絶縁膜形成工程
    において、前記基板の表面への薄膜回路パターンの形成
    をスパッタ成膜で行うことを特徴とする請求項21また
    は22または23記載のガラスセラミック多層配線基板
    の製造方法。
  27. 【請求項27】前記薄膜回路パターン・絶縁膜形成工程
    において、前記基板の表面への薄膜回路パターンの形成
    を、Cr膜−Cu膜−Cr膜からなる積層膜になるよう
    にスパッタ成膜で行うことを特徴とする請求項21また
    は22または23記載のガラスセラミック多層配線基板
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6485814B1 (en) 1999-04-05 2002-11-26 Fujitsu Limited High density thin film circuit board and method of production thereof
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