JPH09180281A - 光ディスクの製造方法 - Google Patents

光ディスクの製造方法

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JPH09180281A
JPH09180281A JP33966995A JP33966995A JPH09180281A JP H09180281 A JPH09180281 A JP H09180281A JP 33966995 A JP33966995 A JP 33966995A JP 33966995 A JP33966995 A JP 33966995A JP H09180281 A JPH09180281 A JP H09180281A
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JP
Japan
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time
film
target plate
optical disk
discharge
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JP33966995A
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Yoshikatsu Kato
吉克 加藤
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜部12を構成する各薄膜11〜14を成
膜する際に、何等かの原因により2分以上の間成膜作業
が停止しても、製造される光磁気ディスクのエラーレー
トを増大させることなく高品質を実現させて製品の歩留
り及び信頼性の大幅な向上を図る。 【解決手段】 薄膜の成膜時から継続して当該成膜時に
比して100W〜500W程度の低い投入パワーにより
ターゲット板51とディスク基板1との間に微弱放電を
発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタ法により
ディスク基板上にターゲット材を積層させることにより
各薄膜が成膜されてなる光ディスクを製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光磁気ディスクは、ポリカーボ
ネート等よりなるディスク基板上に、誘電体膜/磁性体
膜/誘電体膜/反射膜の4層構造を有する薄膜部が成膜
形成されて構成されている。ここで、上記誘電体膜はS
iN等を材料として成膜されるものであり、上記磁性体
膜はTb−Fe−Co等を材料として成膜されるもので
ある。
【0003】上記薄膜部を構成する上記各薄膜を成膜す
るには、真空薄膜形成技術であるスパッタ法が用いられ
る。
【0004】スパッタ成膜を行う際に用いられるスパッ
タリング装置は、成膜室である真空チャンバーと、プラ
ズマ放電用のDC高圧電源と電源ラインにて接続されて
いるカソード部と、このカソード部と所定距離をもって
対向配置されてアノードとして機能するパレットと、ス
パッタガスであるAr等を真空チャンバー内に供給する
ためのスパッタガス供給部とから構成されている。
【0005】上記カソード部は、所定のターゲット材料
よりなるターゲット板と、このターゲット板が載置固定
されるバッキングプレートと、当該バッキングプレート
に設置された上記ターゲット板の外周部近傍に設けられ
たカソードシールド(ダークスペースシールド)とを有
して構成されている。
【0006】上記パレットは、中心に回転導入軸を有す
るターンテーブルとしても機能するものであり、このパ
レット上にターゲット板と対向するようにディスク基板
が載置固定される。
【0007】このスパッタリング装置を用いて、グロー
放電によりカソード部に設置されたターゲット板をイオ
ン化したArガスがスパッタリングし、ターゲット板か
ら飛び出した原子等によりパレットに設置されたディス
ク基板上に薄膜を形成する。
【0008】すなわち、上記スパッタリング装置を用い
て光磁気ディスクの上記各薄膜を成膜するに際しては、
先ず例えば1Pa程度以下の圧力のAr雰囲気中にてカ
ソード、即ちターゲット板に所定の負電位を印加する。
すると一対の電極として機能するカソード部−パレット
間に電界が生じ、グロー放電が起こってイオン化(プラ
ズマ化)したArガスがターゲット板をスパッタリング
する。その結果、上記ターゲット板からターゲット材料
が原子等の状態となって叩き出され、このターゲット材
料がターゲット板と対向して配置された上記ディスク基
板上に堆積して薄膜が形成されるこのとき、上記カソー
ド部に設置されたターゲット板の外周部近傍に配された
カソードシールドによってターゲット板が保護され、タ
ーゲット板以外のものがスパッタされることなく当該タ
ーゲット板のみに安定にスパッタリングが施されるよう
になる。
【0009】このようにして、各薄膜成膜に対応した各
々の真空チャンバー内において、パレットに載置固定さ
れたディスク基板上に各薄膜が順次積層成膜されて、上
記薄膜部が形成されることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
なスパッタリング装置を用いた薄膜成膜時において、デ
ィスク基板が載置固定されたパレットを隣接する真空チ
ャンバーに対して搬入・搬出を行う場合(前者の場合)
には、一時的に放電を停止させることが必要となる。ま
た、上述の場合以外にも、例えば光磁気ディスクのロッ
トを切り換えるときや、或は何等かの事故が発生したと
き等(後者の場合)には一時的に放電を停止させること
が必要となる。
【0011】ここで、上記前者の場合には、図8に示す
ように、放電継続時間が5分程度であるのに対して放電
停止時間が1分程度であるために問題はないが、上記後
者の場合には、2分以上の放電停止時間が必要である。
2分以上放電が停止すると、ターゲット板の近傍に配さ
れたカソードシールドの温度が低下し、放電再開の際に
当該カソードシールドの温度が急上昇する。このとき、
カソードシールドの材質と当該カソードシールドに付着
したターゲット材の材質とが異なるために、その線膨張
係数の相違からカソードシールドに付着したターゲット
材が剥離することがある。この現象は成膜する薄膜がS
iNx よりなる誘電体膜である場合に顕著に現れること
が知られている。
【0012】上述のように、カソードシールドに付着し
たターゲット材に剥離が生じた場合、剥離物がパレット
に載置固定されたディスク基板上に直接付着することに
なり、エラーレートを著しく増加させる原因の1つとな
る。さらにこの場合、上記剥離物が誘電体膜の材料であ
るときには、図9に示すように、当該剥離物に帯電が生
じてターゲット板表面への異常放電(アーク放電)が発
生する虞れがある。このアーク放電の発生によりターゲ
ット板に叩き出しが生じてターゲット材がディスク基板
上に付着し、更にエラーレートの増大が招来されること
になる。
【0013】そこで本発明は、上述の様々な課題に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、薄膜
部を構成する各薄膜を成膜する際に、何等かの原因によ
り2分以上の間成膜作業が停止しても、製造される光デ
ィスクのエラーレートを増大させることなく高品質を実
現させて製品の歩留り及び信頼性の大幅な向上を図るこ
とを可能とする光ディスクの製造方法を提供することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の対象となるもの
は、スパッタ法によりターゲット板とディスク基板との
間に放電を発生させて当該ディスク基板上にターゲット
材を積層させることにより各薄膜が成膜されてなる光デ
ィスクを製造する方法である。
【0015】ここで、製造する上記光ディスクとして
は、ディスク基板上に誘電体膜、磁性体膜、誘電体膜、
及び反射膜が順次成膜されてなる光磁気ディスクを主な
対象とする。
【0016】本発明の光ディスクの製造方法は、上記各
薄膜の成膜プロセスにおいて、当該各薄膜の非成膜期間
のうち、非成膜時間が所定時間以上となる場合に、成膜
期間から継続して当該成膜時に比して低い投入パワーに
よりターゲット板とディスク基板との間に微弱放電を発
生させる手法である。
【0017】この場合、具体的には、上記所定時間を2
分間程度に規定することが好ましい。この所定時間が2
分間より短時間である場合には、放電を停止させてもカ
ソードシールドはさほど温度低下を来すことがなく、し
たがってこのカソードシールドからターゲット材の付着
物が剥離することはない。
【0018】また、上記各薄膜の非成膜時における投入
パワーを100W以上500W以下の所定値とすること
が好適である。ここで、投入パワーを100Wより低値
とすると、ターゲット板の近傍に設けられたカソードシ
ールドの保温効果が十分とはならず、また投入パワーを
500Wより高値とすると、ターゲット板に僅かながら
スパッタが施されていたずらに当該ターゲット板を消費
させることとなる。
【0019】上述のように、本発明に係る光ディスクの
製造方法においては、各薄膜の非成膜時のうちで非成膜
時間が所定時間以上となる場合、例えば真空チャンバー
内のターゲットを換えるときや、光磁気ディスクのロッ
トを切り換えるとき、或は何等かの事故が発生したとき
等において、成膜時から継続して当該成膜時に比して低
い投入パワーによりターゲット板とディスク基板との間
に微弱放電を発生させる。
【0020】この場合、上記微弱放電によりカソードシ
ールドが所定温度以上に保温される。したがって、薄膜
の成膜を再開させた際にカソードシールドに急激な温度
上昇が生じることがなく、薄膜の成膜時にターゲット板
がスパッタリングされてターゲット材が副次的にカソー
ドシールドに付着しても、この付着物の当該カソードシ
ールドからの剥離脱落が防止されることになる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光ディスクの
製造方法を光磁気ディスクの薄膜部形成に用いた具体的
な実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0022】本実施の形態において製造される光磁気デ
ィスクは、図1に示すように、ポリカーボネート等より
なるディスク基板1上に、誘電体膜11/磁性体膜12
/誘電体膜13/反射膜14が順次成膜されて薄膜部2
が成膜形成されてなるものである。ここで、上記誘電体
膜はSiN等を材料として成膜されるものであり、上記
磁性体膜はTb−Fe−Co等を材料として成膜される
ものである。
【0023】薄膜部2を構成する上記各薄膜11〜14
を成膜するには、真空薄膜形成技術であるスパッタ法が
用いられる。
【0024】薄膜部2を形成するに際しては、図2に示
すようなスパッタリング装置を用いる。このスパッタリ
ング装置は、後述のパレット42に所定数のディスク基
板1の取付がなされるドライクリーンルーム21と、仕
込室32を有するパレット搬出路22と、真空脱ガスが
行われる脱ガス室23と、各薄膜11〜14の成膜がそ
れぞれ順次独立に行われるスパッタ部24と、上記パレ
ット42の取出しが行われる取出し室25とから構成さ
れている。
【0025】ドライクリーンルーム21は、ディスク着
脱ロボット31を備え、当該ドライクリーンルーム21
内においてディスク着脱ロボット31により各ディスク
基板1がターンテーブル様のパレット42上に載置固定
される。
【0026】スパッタ部24は、4つの真空チャンバー
33〜36が順次配されてなり、各真空チャンバーは隣
接する真空チャンバー(或は脱ガス室23または取出し
室25)とゲートバルブにより接続されている。
【0027】各真空チャンバー33〜36は、図3に示
すように、プラズマ放電用のDC高圧電源と電源ライン
にて接続されているカソード部41と、このカソード部
と所定距離をもって対向配置されてアノードとして機能
するパレット42と、スパッタガスであるArガス等を
当該真空チャンバー内に供給するためのスパッタガス供
給部とから構成されている。
【0028】カソード部41は、所定のターゲット材料
よりなるターゲット板51と、このターゲット板51が
載置固定されるバッキングプレート52と、当該バッキ
ングプレート52に設置されたターゲット板51の外周
部近傍にカソードシールド(ダークスペースシールド)
53とを有して構成されている。
【0029】カソードシールド53は、ターゲット板5
1以外のものがスパッタされることを防止するために設
けられたものであり、ターゲット板51の周縁部から若
干離間した箇所に略々リング状にターゲット板51及び
バッキングプレート52の周縁部を包囲するように設け
られている。
【0030】パレット42は、中心に回転導入軸55を
有するターンテーブルとしても機能するものであり、当
該パレット42上にターゲット板51と対向するように
円弧状に各ディスク基板1が載置固定される。
【0031】上記スパッタリング装置を用いて上記各薄
膜11〜14を成膜するに際しては、先ず、ドライクリ
ーンルーム21内にてディスク着脱ロボット31を用い
てパレット42に所定数のディスク基板1を載置固定す
る。
【0032】続いて、ドライクリーンルーム21から仕
込室32へ送られたパレット42を脱ガス室23へ送出
し、当該脱ガス室23内において所定数のパレット42
に対して同時に真空脱ガスを行う。
【0033】次いで、スパッタ部24の各真空チャンバ
ー33〜36内において、以下に示すように各薄膜11
〜14のスパッタ成膜を順次行う。
【0034】先ず、脱ガス室23からゲートバルブを通
して真空チャンバー33内にパレット42を設置し、当
該パレット42を回転導入軸55を中心として所定の回
転速度で回転させる。 そして、当該真空チャンバー3
3内を十分良い真空状態、例えば1Pa以下とし、スパ
ッタガス供給部7より真空チャンバー1内にスパッタガ
ス、ここではArガスとN2 ガスを所要の圧力となるま
で導入する。この状態にてプラズマ放電用のDC高圧電
源より4kW程度の投入パワーでバッキングプレート5
2、即ちターゲット板51に所定の負電位を印加する。
するとバッキングプレート52−パレット42間に電界
が生じ、グロー放電が起こってイオン化したArガスが
ターゲット板51をスパッタリングする。その結果、こ
のターゲット板51からターゲット材料が原子等の状態
となって叩き出され、スパッタガスであるN2 ガスと反
応したターゲット材料がパレット42の回転によりター
ゲット板51と対向する位置に配された各ディスク基板
1の表面に堆積して、SiNよりなる誘電体膜11が成
膜形成される。
【0035】このとき、図4に示すように、ターゲット
板51のスパッタリングにより、上記ターゲット材料は
各ディスク基板1の表面に堆積するとともにターゲット
板51の外周部近傍に設けられたカソードシールド53
の内側に付着する。この付着物が剥離してターゲット板
51上に脱落すると、チャージによりアーク放電が発生
して製造された光磁気ディスクのエラーレート増大等を
招来する不都合が生じる。
【0036】そこで、本実施の形態においては、誘電体
膜11の非成膜時のうちで非成膜時間が所定時間以上と
なる場合、例えば光磁気ディスクのロットを切り換える
ときや、或は何等かの事故が発生したとき等において、
図5に示すように、成膜時から継続して当該成膜時に比
して低い投入パワーによりターゲット板51とディスク
基板1との間に微弱放電を発生させる。
【0037】この場合、具体的には、上記所定時間を2
分間程度に規定することが好ましい。この所定時間が2
分間より短時間である場合には、放電を停止させてもカ
ソードシールド53はさほど温度低下を来すことがな
く、したがってこのカソードシールド53からターゲッ
ト材の付着物が剥離することはない。
【0038】また、誘電体膜11の非成膜時における投
入パワーを100W以上500W以下の所定値とするこ
とが好適である。ここで、投入パワーを100Wより低
値とすると、ターゲット板51の近傍に設けられたカソ
ードシールド53の保温効果が十分とはならず、また投
入パワーを500Wより高値とすると、ターゲット板5
3に僅かながらスパッタが施されていたずらに当該ター
ゲット板53を消費させることとなる。
【0039】この場合、上記微弱放電によりカソードシ
ールド53が所定温度以上に保温される。したがって、
誘電体膜11の成膜を再開させた際にカソードシールド
53に急激な温度上昇が生じることがなく、誘電体膜1
1の成膜時にターゲット板51がスパッタリングされて
ターゲット材が副次的にカソードシールド53に付着し
ても、この付着物の当該カソードシールド53からの剥
離脱落が防止されることになる。
【0040】続いで、誘電体膜33を有する各ディスク
基板1が載置固定されたパレット42をゲートバルブを
通して真空チャンバー34内に設置し、Arガスをスパ
ッタガスとして上述の誘電膜11の成膜と同様に各ディ
スク基板1に対して記録膜12を誘電膜11上に成膜形
成する。
【0041】このときも、上述と同様に、記録膜12の
非成膜時のうちで非成膜時間が所定時間以上となる場
合、例えば真空チャンバー内のターゲットを換えるとき
や、光磁気ディスクのロットを切り換えるとき、或は何
等かの事故が発生したとき等において、成膜時から継続
して当該成膜時に比して低い投入パワーによりターゲッ
ト板51とディスク基板1との間に100W以上500
W以下の微弱放電を発生させる。
【0042】この場合、上記微弱放電によりカソードシ
ールド53が所定温度以上に保温される。したがって、
記録膜12の成膜を再開させた際にカソードシールド5
3に急激な温度上昇が生じることがなく、記録膜12の
成膜時にターゲット板51がスパッタリングされてター
ゲット材が副次的にカソードシールド53に付着して
も、この付着物の当該カソードシールド53からの剥離
脱落が防止されることになる。
【0043】続いて、パレット42を真空チャンバー3
5内に設置し、誘電体膜11の成膜と同様に各ディスク
基板1に対して誘電体膜13を記録膜12上に成膜形成
する。このときも、誘電体膜13の非成膜時のうちで非
成膜時間が所定時間以上となる場合に、成膜時から継続
して当該成膜時に比して低い投入パワーによりターゲッ
ト板51とディスク基板1との間に100W以上500
W以下の微弱放電を発生させてカソードシールド53に
付着した付着物の剥離脱落を防止する。
【0044】そして、パレット42を真空チャンバー3
6内に設置し、記録膜12の成膜と同様に各ディスク基
板1に対して反射膜14を誘電体膜13上に成膜形成す
る。その後、取出し室25からパレット42を取り出
し、このパレット42から薄膜部2が形成された各ディ
スク基板を取り外し、所定の後工程を経ることにより上
記光磁気ディスクが完成する。
【0045】(実験例)ここで、1つの実験例について
説明する。この実験は、本実施例の製造方法により光磁
気ディスクを製造するに際して、上記微弱放電を施さな
い従来の製造方法との比較に基づいて各薄膜11〜14
をスパッタ成膜するときのビットエラーレートの変化に
ついて測定したものである。
【0046】この実験結果について、従来の製造方法に
より成膜する場合(サンプル1)を図6に、本実施例の
製造方法により成膜する場合(サンプル2)を図7にそ
れぞれ示す。
【0047】先ず、サンプル1においては、図6に示す
ように、放電を停止させた後に放電を開始した直後をピ
ークとしてビットエラーレートが急峻に増大し、徐々に
減少して放電停止前の状態に戻る。この現象は、放電停
止中にカソードシールド53に付着したターゲット材が
剥離脱落して薄膜上に付着するために発生ものと考えら
れる。
【0048】それに対して、サンプル2においては、図
7に示すように、微弱放電前と比較して微弱放電後もビ
ットエラーレートに増大は見られず、安定した値を示し
ている。これは、ターゲット材のカソードシールド53
からの剥離脱落が防止されたためであると考えられる。
【0049】以上のように、本実施の形態における光磁
気ディスクの製造方法によれば、薄膜部2を構成する各
薄膜11〜14を成膜する際に、何等かの原因により2
分以上の間成膜作業が停止しても、製造される光磁気デ
ィスクのエラーレートを増大させることなく高品質を実
現させて製品の歩留り及び信頼性の大幅な向上を図るこ
とが可能となる。
【0050】
【発明の効果】本発明に係る光磁気ディスクの製造方法
によれば、薄膜部を構成する各薄膜を成膜する際に、何
等かの原因により2分以上の間成膜作業が停止しても、
製造される光ディスクのエラーレートを増大させること
なく高品質を実現させて製品の歩留り及び信頼性の大幅
な向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態において製造される光磁気ディス
クを模式的に示す断面図である。
【図2】本実施の形態において使用されるスパッタリン
グ装置を示す模式図である。
【図3】スパッタ部の構成要素である真空チャンバーを
示す模式図である。
【図4】カソードシールドにターゲット材が付着した様
子を示す模式図である。
【図5】微弱放電を発生させるために成膜時に比して低
いパワーを投入した様子を示す特性図である。
【図6】従来の製造方法により各薄膜が成膜する場合に
おいて、成膜停止期間を挟んだビットエラーレートの時
間変化を示す特性図である。
【図7】本実施の形態の製造方法により各薄膜が成膜す
る場合において、微弱放電期間を挟んだビットエラーレ
ートの時間変化を示す特性図である。
【図8】放電停止時間が1分程度であるときの放電状態
を示す特性図である。
【図9】放電停止時間が2分以上であるときの放電状態
を示す特性図である。
【符号の説明】
1 ディスク基板 2 薄膜部 11,13 誘電体膜 12 磁性体膜 14 反射膜 33〜36 真空チャンバー 41 カソード部 42 パレット 51 ターゲット板 52 バッキングプレート 53 カソードシールド

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパッタ法によりターゲット板とディス
    ク基板との間に放電を発生させて当該ディスク基板上に
    ターゲット材を積層させることにより各薄膜が成膜され
    てなる光ディスクを製造するに際して、 上記各薄膜の成膜プロセスにおいて、当該各薄膜の非成
    膜時のうち、非成膜時間が所定時間以上となる場合に、
    成膜時から継続して当該成膜時に比して低い投入パワー
    によりターゲット板とディスク基板との間に微弱放電を
    発生させることを特徴とする光ディスクの製造方法。
  2. 【請求項2】 所定時間が2分間であることを特徴とす
    る請求項1記載の光ディスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 各薄膜の非成膜時における投入パワーを
    100W以上500W以下の所定値とすることを特徴と
    する請求項1記載の光ディスクの製造方法。
  4. 【請求項4】 製造する光ディスクがディスク基板上に
    誘電体膜、磁性体膜、誘電体膜及び反射膜が順次成膜さ
    れてなる光磁気ディスクであることを特徴とする請求項
    1記載の光ディスクの製造方法。
JP33966995A 1995-12-26 1995-12-26 光ディスクの製造方法 Withdrawn JPH09180281A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7625450B2 (en) 2003-10-15 2009-12-01 Canon Anelva Corporation Film forming apparatus

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7625450B2 (en) 2003-10-15 2009-12-01 Canon Anelva Corporation Film forming apparatus

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