JPH09180134A - 磁気抵抗効果型磁気ヘッド - Google Patents
磁気抵抗効果型磁気ヘッドInfo
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- JPH09180134A JPH09180134A JP34030395A JP34030395A JPH09180134A JP H09180134 A JPH09180134 A JP H09180134A JP 34030395 A JP34030395 A JP 34030395A JP 34030395 A JP34030395 A JP 34030395A JP H09180134 A JPH09180134 A JP H09180134A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】磁気抵抗効果膜に充分大きい縦バイアス磁界を
印加するために、縦バイアス印加層を構成する強磁性膜
と反強磁性膜との間の交換結合磁界を大きくする。 【解決手段】磁気抵抗効果膜20の両脇に配置した縦バ
イアス印加層21を、強磁性膜50/反強磁性膜40/
強磁性膜30の三層構造あるいはそれ以上の積層構造に
する。
印加するために、縦バイアス印加層を構成する強磁性膜
と反強磁性膜との間の交換結合磁界を大きくする。 【解決手段】磁気抵抗効果膜20の両脇に配置した縦バ
イアス印加層21を、強磁性膜50/反強磁性膜40/
強磁性膜30の三層構造あるいはそれ以上の積層構造に
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気媒体から情報信
号を読み取るための磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効
果ヘッドに関する。
号を読み取るための磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効
果ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の高密度化に伴い、高感度な再
生用ヘッドが求められており、その再生ヘッドは、磁気
抵抗効果(MR)を利用した磁気抵抗効果型ヘッドが用
いられている。現在磁気ディスク装置を搭載されている
MRヘッドは、磁性膜の磁化の方向と信号検出電流との
なす角度に依存して抵抗が変化する異方性磁気抵抗効果
が用られているが、数Gb/in2 程度の高面記録密度に
なるとこの異方性磁気抵抗効果を用いたMRヘッドでは
感度不足になることが予想される。最近、高感度の再生
ヘッドとして、Dienyらによる、Physical Review,第4
3巻,1297〜1300頁に記載の「軟磁性多層膜に
おける巨大磁気抵抗効果」のように、2層の強磁性膜を
非磁性膜で分離し、一方の強磁性膜に反強磁性膜を隣接
して磁化の方向を固定させ、2層の強磁性膜の互いの磁
化方向のなす角度によって抵抗変化が得られる巨大磁気
抵抗効果(GMR)を用いたヘッドが研究されている。
いずれのMRヘッドでも、磁気抵抗効果膜の磁化が回転
することによって抵抗変化が生じるため、磁気抵抗効果
膜に磁壁が入って磁壁移動に伴うノイズ(バルクハウゼ
ンノイズ)を抑制することが重要な課題である。
生用ヘッドが求められており、その再生ヘッドは、磁気
抵抗効果(MR)を利用した磁気抵抗効果型ヘッドが用
いられている。現在磁気ディスク装置を搭載されている
MRヘッドは、磁性膜の磁化の方向と信号検出電流との
なす角度に依存して抵抗が変化する異方性磁気抵抗効果
が用られているが、数Gb/in2 程度の高面記録密度に
なるとこの異方性磁気抵抗効果を用いたMRヘッドでは
感度不足になることが予想される。最近、高感度の再生
ヘッドとして、Dienyらによる、Physical Review,第4
3巻,1297〜1300頁に記載の「軟磁性多層膜に
おける巨大磁気抵抗効果」のように、2層の強磁性膜を
非磁性膜で分離し、一方の強磁性膜に反強磁性膜を隣接
して磁化の方向を固定させ、2層の強磁性膜の互いの磁
化方向のなす角度によって抵抗変化が得られる巨大磁気
抵抗効果(GMR)を用いたヘッドが研究されている。
いずれのMRヘッドでも、磁気抵抗効果膜の磁化が回転
することによって抵抗変化が生じるため、磁気抵抗効果
膜に磁壁が入って磁壁移動に伴うノイズ(バルクハウゼ
ンノイズ)を抑制することが重要な課題である。
【0003】このバルクハウゼンノイズを抑制するため
には、磁気抵抗効果膜にたいしてトラック幅方向にいわ
ゆる「縦バイアス磁界」を印加することが有効であると
いうことが知られている。縦バイアス磁界を印加する方
法として、特開平3−125311号公報には磁気抵抗効果膜
の両脇に硬磁性膜を配置する方法、特開平7−57223号公
報には強磁性膜と反強磁性膜の積層膜を配置する方法が
開示されている。
には、磁気抵抗効果膜にたいしてトラック幅方向にいわ
ゆる「縦バイアス磁界」を印加することが有効であると
いうことが知られている。縦バイアス磁界を印加する方
法として、特開平3−125311号公報には磁気抵抗効果膜
の両脇に硬磁性膜を配置する方法、特開平7−57223号公
報には強磁性膜と反強磁性膜の積層膜を配置する方法が
開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】バルクハウゼンノイズ
を抑制する方法として従来提案された強磁性膜と反強磁
性膜の積層膜を配置したMRヘッドの構造を図5に示
す。強磁性膜30と反強磁性膜40との交換結合磁界
は、強磁性膜30の飽和磁束密度が大きいほど、また強
磁性膜30の膜厚が厚いほど小さくなる。したがって、
縦バイアス磁界を大きくしようとすると交換結合磁界が
小さくなり、外部から作用する磁界によって強磁性膜3
0の磁化が回転してしまう。図6は、強磁性膜であるN
iFeと反強磁性膜であるNiMnの交換結合磁界と、
NiFe膜厚との関係を示している。ここで、交換結合
を生じるためにNiFe/NiMn積層膜にキャッピン
グ層を10nm形成して、280℃で6時間の熱処理を
行っている。交換結合磁界はNiFe膜厚が厚くなるほ
ど小さくなる。磁気抵抗効果膜に十分な縦バイアス磁界
を印加するには、強磁性膜であるNiFeの膜厚は少な
くとも磁気抵抗効果膜以上必要である。磁気抵抗効果膜
をNiFeとし、その膜厚を20nmとした場合、図よ
り強磁性膜であるNiFeの膜厚は20nm以上必要と
なり、そのため交換結合磁界は100Oe以下と小さく
なってしまうことが分かる。
を抑制する方法として従来提案された強磁性膜と反強磁
性膜の積層膜を配置したMRヘッドの構造を図5に示
す。強磁性膜30と反強磁性膜40との交換結合磁界
は、強磁性膜30の飽和磁束密度が大きいほど、また強
磁性膜30の膜厚が厚いほど小さくなる。したがって、
縦バイアス磁界を大きくしようとすると交換結合磁界が
小さくなり、外部から作用する磁界によって強磁性膜3
0の磁化が回転してしまう。図6は、強磁性膜であるN
iFeと反強磁性膜であるNiMnの交換結合磁界と、
NiFe膜厚との関係を示している。ここで、交換結合
を生じるためにNiFe/NiMn積層膜にキャッピン
グ層を10nm形成して、280℃で6時間の熱処理を
行っている。交換結合磁界はNiFe膜厚が厚くなるほ
ど小さくなる。磁気抵抗効果膜に十分な縦バイアス磁界
を印加するには、強磁性膜であるNiFeの膜厚は少な
くとも磁気抵抗効果膜以上必要である。磁気抵抗効果膜
をNiFeとし、その膜厚を20nmとした場合、図よ
り強磁性膜であるNiFeの膜厚は20nm以上必要と
なり、そのため交換結合磁界は100Oe以下と小さく
なってしまうことが分かる。
【0005】本発明の目的は、磁気抵抗効果膜に十分大
きい縦バイアス磁界を印加するために、縦バイアス印加
層である強磁性膜と反強磁性膜との間の交換結合磁界を
大きくし、これにより、磁気抵抗効果膜の磁区構造が安
定化し、バルクハウゼンノイズがなく、再生変動の少な
い磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供することにある。
きい縦バイアス磁界を印加するために、縦バイアス印加
層である強磁性膜と反強磁性膜との間の交換結合磁界を
大きくし、これにより、磁気抵抗効果膜の磁区構造が安
定化し、バルクハウゼンノイズがなく、再生変動の少な
い磁気抵抗効果型磁気ヘッドを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、磁気抵
抗効果を用いて磁気的信号を電気的信号に変換する磁気
抵抗効果膜と、磁気抵抗効果膜に信号検出電流を流すた
めの一対の電極と、磁気抵抗効果膜が実質的に中央の感
磁部領域のみに形成され、磁気抵抗効果膜の端部領域の
一方上に感磁部のエッジに密着して磁気抵抗効果膜に縦
バイアス磁界を印加するための縦バイアス印加層が形成
される磁気抵抗効果型磁気ヘッドで、縦バイアス印加層
を少なくとも三層の積層膜(例えば強磁性膜/反強磁性
膜/強磁性膜或いは強磁性膜/反強磁性膜/強磁性膜/
反強磁性膜)で構成することにより達成される。
抗効果を用いて磁気的信号を電気的信号に変換する磁気
抵抗効果膜と、磁気抵抗効果膜に信号検出電流を流すた
めの一対の電極と、磁気抵抗効果膜が実質的に中央の感
磁部領域のみに形成され、磁気抵抗効果膜の端部領域の
一方上に感磁部のエッジに密着して磁気抵抗効果膜に縦
バイアス磁界を印加するための縦バイアス印加層が形成
される磁気抵抗効果型磁気ヘッドで、縦バイアス印加層
を少なくとも三層の積層膜(例えば強磁性膜/反強磁性
膜/強磁性膜或いは強磁性膜/反強磁性膜/強磁性膜/
反強磁性膜)で構成することにより達成される。
【0007】反強磁性膜は、Ni−Mn合金,Cr−M
n合金,Co−Mn合金,Mn−Ir合金,Fe−Mn
合金,Ni−Mn−X1合金,Fe−Mn−X1合金
(X1はCr,Ti,Zr,Ru,Rh及びPtから選
択される少なくとも一種類の元素)、或いはCr−Mn
−X2合金,Co−Mn−X2合金,Mn−Ir−X2
合金(X2はRu,Rh,Pd,Ag,Pt,Ir,A
u及びCuから選択される少なくとも一種類の元素)を
用いることができる。
n合金,Co−Mn合金,Mn−Ir合金,Fe−Mn
合金,Ni−Mn−X1合金,Fe−Mn−X1合金
(X1はCr,Ti,Zr,Ru,Rh及びPtから選
択される少なくとも一種類の元素)、或いはCr−Mn
−X2合金,Co−Mn−X2合金,Mn−Ir−X2
合金(X2はRu,Rh,Pd,Ag,Pt,Ir,A
u及びCuから選択される少なくとも一種類の元素)を
用いることができる。
【0008】また強磁性膜は、Ni−Fe合金,Ni−
Fe−X3合金(X3はAg,Pt及びAuから選択さ
れる少なくとも一種類の元素)である請求項2の磁気抵
抗効果型磁気ヘッド。
Fe−X3合金(X3はAg,Pt及びAuから選択さ
れる少なくとも一種類の元素)である請求項2の磁気抵
抗効果型磁気ヘッド。
【0009】さらに、磁気抵抗効果膜は異方性磁気抵抗
効果を示す材料から成り、磁気抵抗効果膜に横バイアス
磁界を印加する手段を有している。また、磁気抵抗効果
膜として、反強磁性膜/第1の強磁性膜/非磁性膜/第
2の強磁性膜の積層構造を有し、外部磁界を印加しない
状態で第1の強磁性膜の磁化方向が第2の強磁性膜の磁
化方向に対し垂直であり、第1と第2の強磁性膜の磁化
方向の相対的な角度によって抵抗変化が起こる磁気抵抗
効果膜を用いることができる。
効果を示す材料から成り、磁気抵抗効果膜に横バイアス
磁界を印加する手段を有している。また、磁気抵抗効果
膜として、反強磁性膜/第1の強磁性膜/非磁性膜/第
2の強磁性膜の積層構造を有し、外部磁界を印加しない
状態で第1の強磁性膜の磁化方向が第2の強磁性膜の磁
化方向に対し垂直であり、第1と第2の強磁性膜の磁化
方向の相対的な角度によって抵抗変化が起こる磁気抵抗
効果膜を用いることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を示す。
【0011】(実施例)図1及び図2に、本発明による
磁気抵抗効果型磁気ヘッドの断面図を示す。磁気抵抗効
果型磁気ヘッドは、例えば、ガラス,セラミック又は半
導体などの基板10の上に、磁気抵抗効果膜20が形成
され、それを所定の形状にパターニングした後、磁気抵
抗効果膜20の両端部に強磁性膜30,反強磁性膜4
0,強磁性膜50の3層膜をあるいは強磁性膜30,反
強磁性膜40,強磁性膜50,反強磁性膜80の4層膜
を形成し、その上に電極60が形成される。
磁気抵抗効果型磁気ヘッドの断面図を示す。磁気抵抗効
果型磁気ヘッドは、例えば、ガラス,セラミック又は半
導体などの基板10の上に、磁気抵抗効果膜20が形成
され、それを所定の形状にパターニングした後、磁気抵
抗効果膜20の両端部に強磁性膜30,反強磁性膜4
0,強磁性膜50の3層膜をあるいは強磁性膜30,反
強磁性膜40,強磁性膜50,反強磁性膜80の4層膜
を形成し、その上に電極60が形成される。
【0012】磁気抵抗効果膜20は、異方性磁気抵抗効
果を示す膜からなり、図3に示すように基板側から、横
バイアス磁界を印加する軟磁性膜21/非磁性膜22/
強磁性膜23/保護膜24で形成されている。
果を示す膜からなり、図3に示すように基板側から、横
バイアス磁界を印加する軟磁性膜21/非磁性膜22/
強磁性膜23/保護膜24で形成されている。
【0013】また、磁気抵抗効果膜20は、巨大磁気抵
抗効果を利用した磁気抵抗効果積層膜を用いることもで
きる。図4に、最も基本的な構造の一つを示す。基板側
から、反強磁性膜25/第1の強磁性膜26/非磁性膜
27/第2の強磁性膜28である。第1の強磁性膜26
と第2の強磁性膜28の面内磁化は、外部磁界が印加さ
れていない状態でお互いに対して90度傾いた方向に向
けられている。さらに第1の強磁性膜26は、反強磁性
膜25によって、好ましい方向に磁化が固定されてい
る。媒体からの磁界により、第2の強磁性膜28の磁化
は自由に回転し、それにより抵抗変化が生じて出力が発
生する。また、磁気抵抗効果積層膜を基板側から第2の
強磁性膜28/非磁性膜27/第1の強磁性膜26/反
強磁性膜25とすることもできる。ただし、この場合の
反強磁性膜25は導電性でなければならない。また第2
の強磁性膜の配向性を良くするために、基板10と第2
の強磁性膜28との間に下地膜を敷くこともできる。
抗効果を利用した磁気抵抗効果積層膜を用いることもで
きる。図4に、最も基本的な構造の一つを示す。基板側
から、反強磁性膜25/第1の強磁性膜26/非磁性膜
27/第2の強磁性膜28である。第1の強磁性膜26
と第2の強磁性膜28の面内磁化は、外部磁界が印加さ
れていない状態でお互いに対して90度傾いた方向に向
けられている。さらに第1の強磁性膜26は、反強磁性
膜25によって、好ましい方向に磁化が固定されてい
る。媒体からの磁界により、第2の強磁性膜28の磁化
は自由に回転し、それにより抵抗変化が生じて出力が発
生する。また、磁気抵抗効果積層膜を基板側から第2の
強磁性膜28/非磁性膜27/第1の強磁性膜26/反
強磁性膜25とすることもできる。ただし、この場合の
反強磁性膜25は導電性でなければならない。また第2
の強磁性膜の配向性を良くするために、基板10と第2
の強磁性膜28との間に下地膜を敷くこともできる。
【0014】本発明の一実施例をプロセス工程にしたが
って次に説明する。
って次に説明する。
【0015】基板10の上に、横バイアス磁界を印加す
るための軟磁性膜21として、Ni−Fe−ZrO2 2
0nm、非磁性膜22としてTa 10nm、強磁性膜
23としてNi−Fe合金 20nm、保護膜としてT
a 3nmを順次形成し、所定の形状に加工する。次
に、リフトオフ用ホトレジスト層を形成したあと、強磁
性膜30であるNi−Fe合金 15nm、反強磁性膜
40であるNi−Mn合金 40nm、さらに強磁性膜
50であるNi−Fe合金 15nmを順次積層し、縦
バイアス印加層70を形成する。次に、磁気抵抗効果膜
の電気抵抗の変化を読みだすための電極膜60であるA
u 0.2μm を形成したあと、リフトオフ用レジスト
層を除去して、本発明のMRヘッドが作製できる。Ni
−Mn合金はorder の反強磁性体であるNi−Fe合金
とNi−Mn合金との間に交換結合を生じるためには、
真空中で3kOeの磁界をNi−Fe合金の容易軸方向
(媒体対向面に平行)に印加しながら、280℃で6時
間の熱処理を行う必要がある。熱処理温度は、下は25
0℃まで下げることができ、その時には熱処理時間は9
時間必要となる。また、上は300℃まで上げることが
でき、その時には3時間の短い熱処理時間で済む。
るための軟磁性膜21として、Ni−Fe−ZrO2 2
0nm、非磁性膜22としてTa 10nm、強磁性膜
23としてNi−Fe合金 20nm、保護膜としてT
a 3nmを順次形成し、所定の形状に加工する。次
に、リフトオフ用ホトレジスト層を形成したあと、強磁
性膜30であるNi−Fe合金 15nm、反強磁性膜
40であるNi−Mn合金 40nm、さらに強磁性膜
50であるNi−Fe合金 15nmを順次積層し、縦
バイアス印加層70を形成する。次に、磁気抵抗効果膜
の電気抵抗の変化を読みだすための電極膜60であるA
u 0.2μm を形成したあと、リフトオフ用レジスト
層を除去して、本発明のMRヘッドが作製できる。Ni
−Mn合金はorder の反強磁性体であるNi−Fe合金
とNi−Mn合金との間に交換結合を生じるためには、
真空中で3kOeの磁界をNi−Fe合金の容易軸方向
(媒体対向面に平行)に印加しながら、280℃で6時
間の熱処理を行う必要がある。熱処理温度は、下は25
0℃まで下げることができ、その時には熱処理時間は9
時間必要となる。また、上は300℃まで上げることが
でき、その時には3時間の短い熱処理時間で済む。
【0016】本実施例では、縦バイアス印加層としても
っとも代表的なNi−Fe合金/Ni−Mn合金を用い
たが、特にこれに限定されることはない。たとえばNi
−Mn合金の代わりに、Ni−Mn合金の耐食性を向上
させるためにCr,Ti,Zr,Ru,Rh及びPtか
ら選択される少なくとも一種類の元素(X1)を添加し
たNi−Mn−X1を用いることもできる。Ni−Mn
−X1合金はNi−Mn合金に比較してorder になりに
くい。そのため、熱処理時間よりも長時間の熱処理、或
いは高温の熱処理を必要とする。また、高温熱処理の不
必要なdisorderの反強磁性体であるCr−Mn合金,C
o−Mn合金,Mn−Ir合金,Fe−Mn合金,Fe
−Mn−X1合金或いは磁気モーメントを局在化させる
というRu,Rh,Pd,Ag,Pt,Au,Cu及び
Irから少なくとも一種類の元素(X2)を添加したC
r−Mn−X2合金,Co−Mn−X2合金,Co−M
n−Cr−X2合金,Mn−Ir−X2合金を用いるこ
ともできる。また、Ni−Fe合金の代わりに、Ni−
Fe合金の格子定数を大きくするためにAg,Au及び
Ptから選択された少なくとも一種類の元素(X3)を
添加したNi−Fe−X3合金を用いることもできる。
っとも代表的なNi−Fe合金/Ni−Mn合金を用い
たが、特にこれに限定されることはない。たとえばNi
−Mn合金の代わりに、Ni−Mn合金の耐食性を向上
させるためにCr,Ti,Zr,Ru,Rh及びPtか
ら選択される少なくとも一種類の元素(X1)を添加し
たNi−Mn−X1を用いることもできる。Ni−Mn
−X1合金はNi−Mn合金に比較してorder になりに
くい。そのため、熱処理時間よりも長時間の熱処理、或
いは高温の熱処理を必要とする。また、高温熱処理の不
必要なdisorderの反強磁性体であるCr−Mn合金,C
o−Mn合金,Mn−Ir合金,Fe−Mn合金,Fe
−Mn−X1合金或いは磁気モーメントを局在化させる
というRu,Rh,Pd,Ag,Pt,Au,Cu及び
Irから少なくとも一種類の元素(X2)を添加したC
r−Mn−X2合金,Co−Mn−X2合金,Co−M
n−Cr−X2合金,Mn−Ir−X2合金を用いるこ
ともできる。また、Ni−Fe合金の代わりに、Ni−
Fe合金の格子定数を大きくするためにAg,Au及び
Ptから選択された少なくとも一種類の元素(X3)を
添加したNi−Fe−X3合金を用いることもできる。
【0017】次に、巨大磁気抵抗効果膜210を用いた
本発明の一実施例を示す。基板10の上に、反強磁性膜
25であるNiO 50nm、第1の強磁性膜26であ
るNi−Fe合金 5nm、非磁性膜27であるCu
2nm、第2の強磁性膜28であるNi−Fe合金 5
nmを順次形成し、所定の形状にパターニングする。こ
の時、巨大磁気抵抗効果膜210の抵抗変化率を大きく
するために、第1の強磁性及び第2の強磁性膜のどちら
か一方あるいは両方を2層にすることがあり、たとえば
Coを非磁性膜27との間に挿入することもできる。次
に、リフトオフ用ホトレジスト層を形成したあと、強磁
性膜30であるNi−Fe合金15nm、反強磁性膜4
0であるCr−Mn合金 40nm、さらに強磁性膜5
0であるNi−Fe合金 15nmを順次積層し、縦バ
イアス印加層70を形成する。次に、電極膜60である
Au 0.2μm を形成したあと、リフトオフ用レジス
ト層を除去する。さらに、真空中で3kOeの磁界を媒
体対向面と垂直に印加しながら、250℃で20分熱処
理して、反強磁性膜25であるNiOを着磁し、本発明
のGMRヘッドを作製する。実施例では、巨大磁気抵抗
効果膜210を基板側から反強磁性膜25/第1の強磁
性膜26/非磁性膜27/第2の強磁性膜28の順に積
層したが、逆に基板側から第2の強磁性膜28/非磁性
膜27/第1の強磁性膜26/反強磁性膜25を配置す
ることもできる。ただし、この場合の反強磁性膜25に
は導電性の材料を用いる必要がある。また、第1の強磁
性膜26の磁化を固定するための反強磁性膜25と、縦
バイアス印加層に用いている反強磁性膜40の着磁方向
がお互いに対して90°傾いているため、ブロッキング
温度の異なる材料を用いる必要がある。この時、反強磁
性膜25/第1の強磁性膜26との間の交換結合磁界
が、縦バイアス印加層70の強磁性膜30/反強磁性膜
40/強磁性膜50との間の交換結合磁界よりも大きい
方が好ましい。さらに、これらの着磁のための熱処理温
度は、巨大磁気抵抗効果膜210の特性の安定性を考慮し
て、280℃以下であることが好ましい。
本発明の一実施例を示す。基板10の上に、反強磁性膜
25であるNiO 50nm、第1の強磁性膜26であ
るNi−Fe合金 5nm、非磁性膜27であるCu
2nm、第2の強磁性膜28であるNi−Fe合金 5
nmを順次形成し、所定の形状にパターニングする。こ
の時、巨大磁気抵抗効果膜210の抵抗変化率を大きく
するために、第1の強磁性及び第2の強磁性膜のどちら
か一方あるいは両方を2層にすることがあり、たとえば
Coを非磁性膜27との間に挿入することもできる。次
に、リフトオフ用ホトレジスト層を形成したあと、強磁
性膜30であるNi−Fe合金15nm、反強磁性膜4
0であるCr−Mn合金 40nm、さらに強磁性膜5
0であるNi−Fe合金 15nmを順次積層し、縦バ
イアス印加層70を形成する。次に、電極膜60である
Au 0.2μm を形成したあと、リフトオフ用レジス
ト層を除去する。さらに、真空中で3kOeの磁界を媒
体対向面と垂直に印加しながら、250℃で20分熱処
理して、反強磁性膜25であるNiOを着磁し、本発明
のGMRヘッドを作製する。実施例では、巨大磁気抵抗
効果膜210を基板側から反強磁性膜25/第1の強磁
性膜26/非磁性膜27/第2の強磁性膜28の順に積
層したが、逆に基板側から第2の強磁性膜28/非磁性
膜27/第1の強磁性膜26/反強磁性膜25を配置す
ることもできる。ただし、この場合の反強磁性膜25に
は導電性の材料を用いる必要がある。また、第1の強磁
性膜26の磁化を固定するための反強磁性膜25と、縦
バイアス印加層に用いている反強磁性膜40の着磁方向
がお互いに対して90°傾いているため、ブロッキング
温度の異なる材料を用いる必要がある。この時、反強磁
性膜25/第1の強磁性膜26との間の交換結合磁界
が、縦バイアス印加層70の強磁性膜30/反強磁性膜
40/強磁性膜50との間の交換結合磁界よりも大きい
方が好ましい。さらに、これらの着磁のための熱処理温
度は、巨大磁気抵抗効果膜210の特性の安定性を考慮し
て、280℃以下であることが好ましい。
【0018】
【発明の効果】異方正磁気抵抗効果及び巨大磁気抵抗効
果を利用した磁気抵抗効果型磁気ヘッドの磁気抵抗効果
膜の両脇に設けられた縦バイアス印加層を、強磁性膜/
反強磁性膜/強磁性膜と3層以上積層することにより、
その間で生じる交換結合磁界を大きくすることができ
る。これにより、磁気抵抗効果膜の磁区構造が安定化
し、バルクハウゼンノイズがなく、再生変動の少ない磁
気抵抗効果型磁気ヘッドを提供することができる。
果を利用した磁気抵抗効果型磁気ヘッドの磁気抵抗効果
膜の両脇に設けられた縦バイアス印加層を、強磁性膜/
反強磁性膜/強磁性膜と3層以上積層することにより、
その間で生じる交換結合磁界を大きくすることができ
る。これにより、磁気抵抗効果膜の磁区構造が安定化
し、バルクハウゼンノイズがなく、再生変動の少ない磁
気抵抗効果型磁気ヘッドを提供することができる。
【図1】本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドの断面図。
【図2】本発明の磁気抵抗効果型磁気ヘッドの断面図。
【図3】異方性磁気抵抗効果膜の断面図。
【図4】巨大磁気抵抗効果膜の断面図。
【図5】従来の磁気抵抗効果型磁気ヘッドの断面図。
【図6】Ni−Fe/Ni−Mn積層膜の交換結合磁界
とNi−Fe膜厚の関係の説明図。
とNi−Fe膜厚の関係の説明図。
10…基板、20…磁気抵抗効果膜、30,50…強磁
性膜、40,80…反強磁性膜、60…電極、70…縦
バイアス印加層。
性膜、40,80…反強磁性膜、60…電極、70…縦
バイアス印加層。
Claims (6)
- 【請求項1】磁気抵抗効果を用いて磁気的信号を電気的
信号に変換する磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜
に信号検出電流を流すための一対の電極と、前記磁気抵
抗効果膜が実質的に中央の感磁部領域のみに形成され、
前記磁気抵抗効果膜の端部領域の一方上に感磁部のエッ
ジに密着して前記磁気抵抗効果膜に縦バイアス磁界を印
加するための縦バイアス印加層が形成される磁気抵抗効
果型磁気ヘッドにおいて、前記縦バイアス印加層が少な
くとも三層の積層膜で構成されていることを特徴とする
磁気抵抗効果型磁気ヘッド。 - 【請求項2】前記縦バイアス印加層が、強磁性層/反強
磁性膜/強磁性膜或いは強磁性膜/反強磁性膜/強磁性
膜/反強磁性膜の3層以上の構成からなる請求項1の磁
気抵抗効果型磁気ヘッド。 - 【請求項3】前記縦バイアス印加層の反強磁性膜がNi
−Mn合金,Cr−Mn合金,Co−Mn合金,Mn−
Ir合金,Fe−Mn合金,Ni−Mn−X1合金,F
e−Mn−X1合金(X1はCr,Ti,Zr,Ru,
Rh及びPtから選択される少なくとも一種類の元
素)、或いはCr−Mn−X2合金,Co−Mn−X2
合金,Co−Mn−Cr−X2合金,Mn−Ir−X2
合金(X2はRu,Rh,Pd,Ag,Pt,Ir,Au
及びCuから選択される少なくとも一種類の元素)であ
る請求項2の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。 - 【請求項4】前記縦バイアス印加層の強磁性膜がNi−
Fe合金,Ni−Fe−X3合金(X3はAg,Pt及
びAuから選択される少なくとも一種類の元素)からな
る請求項2の磁気抵抗効果型磁気ヘッド。 - 【請求項5】前記磁気抵抗効果膜が異方性磁気抵抗効果
を示す材料から成り、前記磁気抵抗効果膜に横バイアス
磁界を印加する手段を有している請求項1の磁気抵抗効
果型磁気ヘッド。 - 【請求項6】前記磁気抵抗効果膜が、反強磁性膜/第1
の強磁性膜/非磁性膜/第2の強磁性膜の積層構造を有
し、外部磁界を印加しない状態で第1の強磁性膜の磁化
方向が第2の強磁性膜の磁化方向に対し垂直であり、第
1と第2の強磁性膜の磁化方向の相対的な角度によって
抵抗変化が起こる磁気抵抗効果膜である請求項1の磁気
抵抗効果型磁気ヘッド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34030395A JPH09180134A (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | 磁気抵抗効果型磁気ヘッド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34030395A JPH09180134A (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | 磁気抵抗効果型磁気ヘッド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09180134A true JPH09180134A (ja) | 1997-07-11 |
Family
ID=18335660
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34030395A Pending JPH09180134A (ja) | 1995-12-27 | 1995-12-27 | 磁気抵抗効果型磁気ヘッド |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09180134A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7898775B2 (en) | 2006-08-17 | 2011-03-01 | Tdk Corporation | Magnetoresistive device having bias magnetic field applying layer that includes two magnetic layers antiferromagnetically coupled to each other through intermediate layer |
CN111512457A (zh) * | 2017-12-26 | 2020-08-07 | 阿尔卑斯阿尔派株式会社 | 磁场施加偏置膜以及使用其的磁检测元件及磁检测装置 |
-
1995
- 1995-12-27 JP JP34030395A patent/JPH09180134A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7898775B2 (en) | 2006-08-17 | 2011-03-01 | Tdk Corporation | Magnetoresistive device having bias magnetic field applying layer that includes two magnetic layers antiferromagnetically coupled to each other through intermediate layer |
CN111512457A (zh) * | 2017-12-26 | 2020-08-07 | 阿尔卑斯阿尔派株式会社 | 磁场施加偏置膜以及使用其的磁检测元件及磁检测装置 |
CN111512457B (zh) * | 2017-12-26 | 2023-05-09 | 阿尔卑斯阿尔派株式会社 | 磁场施加偏置膜以及使用其的磁检测元件及磁检测装置 |
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