JPH09178203A - 空気調和装置 - Google Patents

空気調和装置

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Publication number
JPH09178203A
JPH09178203A JP7339384A JP33938495A JPH09178203A JP H09178203 A JPH09178203 A JP H09178203A JP 7339384 A JP7339384 A JP 7339384A JP 33938495 A JP33938495 A JP 33938495A JP H09178203 A JPH09178203 A JP H09178203A
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JP
Japan
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air
fan
heat exchanger
stationary blade
tongue
Prior art date
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Pending
Application number
JP7339384A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshimasa Kikuchi
芳正 菊池
Susumu Nakayama
晋 名嘉山
Toshitaka Sakasegawa
敏隆 逆瀬川
Kozo Yoshinaga
浩三 吉永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP7339384A priority Critical patent/JPH09178203A/ja
Publication of JPH09178203A publication Critical patent/JPH09178203A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Air-Conditioning Room Units, And Self-Contained Units In General (AREA)
  • Air Filters, Heat-Exchange Apparatuses, And Housings Of Air-Conditioning Units (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 クロスフローファンの上流側と下流側とを仕
切る舌部及びその周辺部の構造を改良することにより、
NZ音の低減と熱交換器の効率の向上とを両立する。 【解決手段】 熱交換器(6a)の下端部とクロスフローフ
ァン(7) との間に位置する舌部(15)の高さ寸法を、該舌
部(15)の機能が阻害されない程度まで短くする。舌部(1
5)の先端に対して所定間隔を存した上側位置に水平方向
に延びる円柱部材で成る静翼(16)を配置する。舌部(15)
と静翼(16)との間を流れる空気を、静翼(16)の外周円弧
面(16a) によるコアンダ効果によりファン(7) の外周囲
に沿う流れに変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、送風手段としてク
ロスフローファンを備えた空気調和装置に係り、特に、
ファン周辺部で発生する騒音の低減及び該ファンの近傍
に配置される熱交換器に対する気流の改善対策に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば実公昭63−1136
0号公報に開示されているように、空気調和装置の室内
機の1タイプとしてクロスフローファンにより送風を行
うものが知られている。この種の室内機は、図6に示す
ように、ケーシング(a) の前面中央部から上端部に亘る
部分と上面とに空気吸込口(b,c) が、ケーシング(a) の
前面下端部に空気吹出口(d) が夫々設けられている。そ
して、ケーシング(a) 内には、空気吸込口(b,c) に対向
して熱交換器(e) が、該熱交換器(e) の奥側にクロスフ
ローファン(f) が夫々配置されている。また、空気吹出
口(d) には吹出し空気の風向を調整するための羽根(g,
g) が設けられている。また、熱交換器(e)の下端部に
は、該熱交換器(e) で発生した結露水を回収するための
ドレンパン(h) が設けられており、このドレンパン(h)
のクロスフローファン(f) 側の端部には上側に折曲げら
れて成る立上り部(i) (以下、舌部と呼ぶ)が設けられ
ており、この舌部(i) によってクロスフローファン(f)
の上流側と下流側とが仕切られている。
【0003】そして、クロスフローファン(f) の駆動に
伴って空気吸込口(b,c) からケーシング(a) 内に導入し
た室内空気を熱交換器(e) の冷媒管を流れる冷媒との間
で熱交換を行って温度調整して空調空気とした後、クロ
スフローファン(f) を経て空気吹出口(d) から室内に向
って吹出すようになっている。また、この空調空気の吹
出し方向は空気吹出口(d) の羽根(g,g) によって調整さ
れる。
【0004】ところで、この種の室内機における騒音の
1つとしてクロスフローファン(f)の周辺部において該
クロスフローファン(f) の翼(f1,f1, …) と空気吸込口
(b)から導入される空気との干渉によって発生する所謂
NZ音がある。このNZ音は、クロスフローファン(f)
の回転数(N) と翼枚数(Z) に起因して発生するものであ
る。
【0005】ところで、これまで上記NZ音を低減する
目的で、上述した公報に示されている如く、舌部とファ
ンとの間の距離をファンの回転軸方向で変化させたり、
また、特公平7−52016号公報に示されている如
く、舌部の高さ寸法をファンの回転軸方向で変化させる
ことが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前者の構成
では、舌部とファンとの間の距離が部分的に最適値から
ずれてしまうことになるので、部分的に舌部の機能(フ
ァンの上流側と下流側とを仕切る機能)が阻害されるこ
とになり、風量の低下を招き、これによって室内機の性
能が低下してしまう。
【0007】また、後者の構成では、舌部の高さ寸法が
部分的に最適値からずれてしまうことになるので、特
に、舌部の高さ寸法が短い部分では、そこを通過した空
気が翼に衝突する力が大きくなり、これに伴って部分的
に大きなNZ音が発生する。このため、十分な騒音の低
減量を得ることができない。
【0008】以下に、舌部の高さ寸法とNZ音の音量と
の関係について説明する。図8は、図7(ケーシング
(a) 内での空気の流れを矢印で示す)の如く舌部(i) の
高さ寸法を、該舌部(i) の機能が発揮できる最小限の値
に設定した場合の騒音周波数と音圧ベクトルとの関係を
示している(本図は翼枚数が35枚のものを回転数13
50rpm で回転させた場合の実験結果である)。また、
図10は、図9(図7と同様にケーシング(a) 内での空
気の流れを矢印で示す)の如く舌部(i) の高さ寸法を上
記図7のものよりも高く(例えば、約3倍程度)設定し
た場合の騒音周波数と音圧ベクトルとの関係を示してい
る(上記と同じ条件で行った実験結果である)。このよ
うに、舌部(i) の高さ寸法が大きいほどNZ騒音のピー
ク値を低減することができ、室内機の運転音を低減でき
ることになる。これは、舌部(i) を迂回してその上側か
らファン(f) に流れ込む空気の流線方向がファン(f) の
外周囲に沿う方向となるからであると考えられる。
【0009】しかしながら、図9の如く舌部(i) の高さ
寸法を大きく設定すると、この舌部(i) の配設部分にお
いて熱交換器(e) からファン(f) に亘る空気の流通面積
が小さくなってしまう。つまり、舌部(i) の上端部分が
熱交換器(e) の下端部分(図9における領域B)の下流
側に位置し、この熱交換器(e) の下端部分からファン
(f) に亘る空気の流通路を閉塞することになる。これで
は、この熱交換器(e) の下端部分に空気が流れなくな
り、この部分での熱交換が十分に行えず、熱交換器(e)
の効率が悪化してしまう。そして、この構成において十
分な熱交換量を得ようとした場合、ファン(f) の回転数
を増大させることが考えられるが、これでは空気がファ
ンの翼に衝突する力が大きくなり、騒音が増大してしま
うことになる。このように、従来の構成では、NZ音の
低減と熱交換器(e) の効率の向上とを両立することはで
きなかった。
【0010】本発明は、この点に鑑みてなされたもので
あって、舌部及びその周辺部の構造を改良することによ
り、NZ音の低減と熱交換器の効率の向上とを両立する
ことを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、舌部に近接した位置に、ファンに流れ
込む空気の流線方向をファンの外周囲に沿う方向に変化
させる部材を設けるようにした。具体的に、請求項1記
載の発明は、図1に示すように、空気吸込口(3) から空
気吹出口(5) に亘る空気通路(A) を備えたケーシング
(2) と、上記空気吸込口(3) に対向してケーシング(2)
内に配置された熱交換器(6a)と、上記ケーシング(2) 内
に熱交換器(6a)より空気流通下流側に配置されたクロス
フローファン(7) と、上記熱交換器(6a)の一端部とクロ
スフローファン(7) との間において、該クロスフローフ
ァン(7) の上流側と下流側とを仕切るように空気通路
(A) の壁面に突設され、クロスフローファン(7) の外周
囲に近接した位置で、該外周囲の略接線方向に延びる仕
切部材(15)とを備え、上記空気吸込口(3) からケーシン
グ(2) 内に導入した空気を熱交換器(6a)において温度調
整した後、クロスフローファン(7) を経て空気吹出口
(5) から吹出す空気調和装置を前提としている。そし
て、上記熱交換器(6a)とクロスフローファン(7) との間
で、且つ仕切部材(15)の先端に対して所定間隔を存した
位置に、クロスフローファン(7) の軸心方向に沿って延
びる静翼(16)を設ける。また、該静翼(16)に、仕切部材
(15)との間を流れる空気をクロスフローファン(7) の外
周囲に沿う方向に案内する案内面(16a)を形成した構成
としている。
【0012】このような構成により、静翼(16)と仕切部
材(15)との間を流れる空気は、静翼(16)の案内面(16a)
によるコアンダ効果により、流線の方向が変化し、クロ
スフローファン(7) の外周囲に沿う方向に案内されるこ
とになる。このため、仕切部材(15)の高さ寸法を小さく
設定しても空気がファン(7) の翼に衝突する力は小さく
なりNZ音は低減される。また、仕切部材(15)の高さ寸
法が小さいことから、この仕切部材(15)が熱交換器(6a)
とファン(7) との間の空気通路を狭くすることはなくな
り、熱交換器(6a)の全体に亘って空気を流すことができ
る。
【0013】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の空気調和装置において、静翼(16)を円柱状部材で成し
た構成としている。
【0014】請求項3記載の発明は、上記請求項1記載
の空気調和装置において、静翼(16)を断面楕円形状の部
材で成した構成としている。
【0015】請求項4記載の発明は、上記請求項1記載
の空気調和装置において、静翼(16)を断面円弧状の部材
で成した構成としている。
【0016】これら構成により、静翼(16)の形状を具体
的に得ることができ、特に、静翼(16)を断面円弧状の部
材で成した場合には、その軽量化を図りながらコアンダ
効果による空気の案内機能を確保することができる。
【0017】請求項5記載の発明は、上記請求項1記載
の空気調和装置において、仕切部材(15)に、該仕切部材
(15)と静翼(16)との間を流れる空気を、静翼(16)の案内
面(16a) と協働してクロスフローファン(7) の外周囲に
沿う方向に案内する案内部(15a) を設けた構成としてい
る。
【0018】この構成により、仕切部材(15)の案内部(1
5a) と静翼(16)の案内面(16a) との両機能により、確実
に空気をクロスフローファン(7) の外周囲に沿う方向に
案内することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(実施形態)次に、本発明の実施形態を図面に基いて説
明する。本形態では、空気調和装置として壁掛け式の室
内機に本発明を適用した場合について説明する。図1
は、本形態に係る室内機(1) の内部構造を示す断面図で
ある。この室内機(1) は、ケーシング(2) 前面の中央部
から上端部に亘って前面側空気吸込口(3) が、ケーシン
グ(2) 上面に上面側空気吸込口(4) が夫々設けられてい
る。また、ケーシング(2) 前面の下端部には空気吹出口
(5) が設けられている。これにより、このケーシング
(2) の内部には空気吸込口(3,4) から空気吹出口(5) に
亘る空気通路(A) が形成されている。
【0020】そして、ケーシング(2) 内には、各空気吸
込口(3,4) に対向して熱交換器(6)が配置されている。
この熱交換器(6) は、前面側空気吸込口(3) に対向して
傾斜配置された前側熱交換器(6a)と、該前側熱交換器(6
a)の上端に連続し、ケーシングの奥側(図1の左側)に
向って下方に傾斜する後側熱交換器(6b)とから成ってい
る。
【0021】そして、この各熱交換器(6a,6b) よりも空
気流通方向の下流側にはクロスフローファン(7) が配置
されている。このクロスフローファン(7) は、その軸線
方向(図1の紙面鉛直方向)に所定間隔を存して配置さ
れたリング状の複数枚のプレート(7a,7a, …) 同士の間
に、水平方向に延びる複数枚の翼(7b,7b, …) が円環状
に配列された状態で架設されており、図示しないファン
モータに連結されている。そして、このファンモータの
駆動に伴って図1における反時計回り方向に回転するこ
とで、空気吸込口(3,4) から空気吹出口(5) に向う気流
を発生するようになっている。
【0022】また、空気吹出口(5) には吹出し空気の風
向を調整するための複数枚の垂直羽根(8) 及び水平羽根
(9,9) が設けられている。垂直羽根(8) は、略上下方向
に延びる回転軸回りに回転可能であって、空気吹出口
(5) の複数箇所に配設されており、吹出し空気の水平方
向の向きを調整する。一方、水平羽根(9,9) は、水平方
向に延びる回転軸回りに回転可能であって、空気吹出口
(5) の上下2箇所に配設されており、吹出し空気の上下
方向の向きを調整する。
【0023】また、各熱交換器(6a,6b) の下側位置に
は、冷房運転時等に該熱交換器(6a,6b) で発生した結露
水を回収するためのドレンパン(10,11) が設けられてい
る。前側熱交換器(6a)の下側に位置する前側ドレンパン
(10)は、一端が前側熱交換器(6a)の下端部に位置し、ケ
ーシング(2) の奥側に向って僅かに上方へ傾斜してい
る。このため、この前側ドレンパン(10)は、ケーシング
(2) の前面側空気吸込口(3) と空気吹出口(5) との間を
仕切ることで空気通路(A) の壁面の一部を構成すること
になる。
【0024】一方、後側熱交換器(6b)の下側に位置する
後側ドレンパン(11)は、ケーシング(2) の内壁面から後
側熱交換器(6b)の下側を覆うように突出されている。こ
のような構成により、各熱交換器(6a,6b) で発生して流
下した結露水はドレンパン(10,11) で回収されて図示し
ないドレンホースにより室外に排出されるようになって
いる。
【0025】次に、本形態の特徴とする構成について説
明する。上記前側ドレンパン(10)におけるケーシング
(2) 奥側の一端は上側に折曲げられて、クロスフローフ
ァン(7) の上流側と下流側とを仕切る仕切部材としての
舌部(15)に形成されている。この舌部(15)は、前側熱交
換器(6a)の下端部とクロスフローファン(7) との間に配
置されて、該クロスフローファン(7) の外周囲に近接し
た位置において該クロスフローファン(7) の外周囲の接
線方向に延びている。また、この舌部(15)の高さ寸法は
比較的短く設定されている。具体的には、該舌部(15)の
下端位置は、クロスフローファン(7) の下端と略同一高
さ位置に設定されており、また、この舌部(15)は水平方
向に対して約50°の傾斜角度をもって上側に向ってケ
ーシング(2) の前面側に傾斜している。更に、この舌部
(15)の高さ寸法は、クロスフローファン(7) の回転中心
(O) 及び舌部(15)の上端部を結ぶ直線(L1)と、クロスフ
ローファン(7) の回転中心(O) 及び舌部(15)の下端部を
結ぶ直線(L2)とのなす角度(図1における角度α)が約
20°に設定される値となっている(例えば図6に示す
従来のものではこの角度が45°となっている)。この
ように、舌部(15)の高さ寸法が短く設定されているの
で、この舌部(15)が覆う前側熱交換器(6a)の下端部分の
領域が小さくなっている。つまり、この舌部(15)が前側
熱交換器(6a)の下端部とクロスフローファン(7) との間
の空気通路を閉塞する領域は極めて小さくなっている。
【0026】そして、この舌部(15)の上端に対して僅か
な間隔を存した上側位置には静翼(16)が配設されてい
る。この静翼(16)は、クロスフローファン(7) の軸線方
向に沿って水平方向に延びる樹脂製或いは金属製の円柱
状の部材であって、その径寸法は、前側熱交換器(6a)の
下端部分を通過してクロスフローファン(7) に向って流
れる空気の流通抵抗が著しく大きくなることがない程度
の比較的小径に設定されている。そして、この静翼(16)
と舌部(15)との間に空気が流れる際、この空気は、静翼
(16)の外周面によるコアンダ効果により該静翼(16)の下
側面からファン(7) に対向する面までの円弧面(16a) に
沿って流線の方向が上側に変化することになる。このた
め、この静翼(16)の下側面からファン(7) に対向する面
までの円弧面(16a) が本発明で言う案内面として機能す
るようになっている。
【0027】また、この静翼(16)の配設位置及び外径寸
法の具体例について説明すると、該静翼(16)は、舌部(1
5)の高さ寸法に略等しい間隔寸法を存して舌部(15)の上
側位置に配置され、また、その外径寸法は舌部(15)の高
さ寸法に略等しい値に設定されている。尚、本発明は、
このような寸法に限るものではなく、必要に応じて任意
の値に設定可能である。
【0028】次に、上述の如く構成された室内機(1) の
運転動作について説明する。ファンモータの駆動に伴っ
てクロスフローファン(7) が回転すると、各空気吸込口
(3,4) からケーシング(2) 内に導入した室内空気が熱交
換器(6) の冷媒管を流れる冷媒との間で熱交換を行って
温度調整(冷房運転時には冷却、暖房運転時には加熱)
され空調空気となった後、クロスフローファン(7) を経
て空気吹出口(5) から室内に向って吹出される。また、
この空調空気の吹出し方向は空気吹出口(5) に設けられ
た各羽根(8,9) によって調整される。
【0029】このような運転動作において、上述したよ
うに舌部(15)の高さ寸法は短く設定されているので、前
側熱交換器(6a)の下端部分からクロスフローファン(7)
に向って流れる空気の流通が妨げられることは殆どな
い。つまり、図2に示すケーシング(2) 内部における空
気の流線からも解るように、この前側熱交換器(6a)の下
端部分に十分な空気流通量が得られ(図2の流線C)、
該前側熱交換器(6a)の全体に亘って空気を流通させるこ
とができ、この熱交換器(6a)において高い効率で空気と
冷媒との間で熱交換が行われる。
【0030】また、このように舌部(15)の高さ寸法を短
く設定した場合、熱交換器(6a)を経た気流がクロスフロ
ーファン(7) に衝突することにより発生するNZ音が懸
念されるが、舌部(15)の上側に静翼(16)が設けられてい
ることで、この舌部(15)と静翼(16)との間を流通する空
気(図2の流線C)はコアンダ効果により静翼(16)の案
内面(16a) に沿って流線の方向が上側に向うように変化
する。つまり、この部分を流れる空気はクロスフローフ
ァン(7) の周方向に向って流れが変化するので、空気が
クロスフローファン(7) の翼(7b)に衝突する力は小さく
なり、これによって上記NZ音が低減されることにな
る。つまり、この静翼(16)により、舌部(15)の高さ寸法
を大きく設定した場合と同様の効果が得られることにな
る。
【0031】この静翼(16)を用いたことによりNZ音が
低減される原理について説明すると、図3(a) は、従来
例として、静翼(16)を用いることなしに単に舌部(i) の
高さ寸法を短く設定した場合の風速ベクトル(Va)とファ
ン外周速度ベクトル(Vb)とを示す図であり、図3(b)
は、その際の風速ベクトル(Va)とファン外周速度ベクト
ル(Vb)との合ベクトル(Vc)を示している。一方、図3
(c) は本形態の構成における風速ベクトル(VA)とファン
外周速度ベクトル(VB)とを示す図であり、図3(d)は、
その際の風速ベクトル(VA)とファン外周速度ベクトル(V
B)との合ベクトル(VC)を示している。これら合ベクトル
(Vc,VC) から解るように、従来のものは風速ベクトル(V
a)とファン外周速度ベクトル(Vb)との成す角が大きいこ
とから合ベクトル(Vc)も大きくなる。これは、気流が翼
(7b,7b, …) に衝突する力が大きいことを示しており、
これによって大きなNZ音が発生することになる。一
方、本形態のものでは、静翼(16)を設けたことによるコ
アンダ効果によって風速ベクトル(VA)の方向がファン外
周速度ベクトル(VB)に沿う方向に向けられる。このた
め、この両ベクトル(VA,VB) の合ベクトル(VC)は小さく
なり、これによってNZ音が低減されることになる。
【0032】(実験例)以下、本形態の構成によるNZ
音の低減効果を確認するために行った実験例について説
明する。この実験例では、翼枚数が35枚のフロスフロ
ーファン(7) をファン回転数1350rpm で回転させた
場合の各周波数帯におけるNZ音の音圧レベルを測定し
て行った。その結果を図4に示す。
【0033】この図4に示すように、上述した従来例で
説明した単に舌部の高さ寸法を短く設定した場合の実験
結果(図8)と比較すると、NZ音の音圧レベルのピー
ク値が低減されていることが解る。
【0034】以上説明したように、本形態の構成によれ
ば、クロスフローファン(7) の上流側と下流側とを仕切
る舌部(15)の高さ寸法を短く設定しても静翼(16)を設け
ることによってNZ音の低減化を図ることができるの
で、簡単な構成でもってNZ音の低減と熱交換器(6a)の
効率の向上とを両立することができ、室内機(1) の運転
時の静粛化と性能の向上とを図ることができる。
【0035】(変形例)以下、静翼(16)及び舌部(15)の
変形例について説明する。
【0036】−第1タイプ− 本タイプの静翼(16)は、図5(a) に示すように、断面形
状が楕円形状になっており、楕円の長軸側が略鉛直方向
若しくは鉛直方向に対して僅かに反時計回り方向に傾斜
した方向に延びるように配設されている。これにより、
静翼(16)と舌部(15)との間を流れる空気がコアンダ効果
によって上側に流線の方向を変える際の静翼(16)の立上
り部分の距離を長く確保することができることになる。
つまり、静翼(16)の案内面(16a) を鉛直方向に延ばした
構成となっており、この静翼(16)と舌部(15)との間を流
れる空気をより確実にファン(7) の外周囲に沿う流れと
することができる。
【0037】−第2タイプ− 本タイプの静翼(16)は、図5(b) に示すように、略半円
弧状の板材でなり、その膨出側の外側面(16a) が案内面
として機能するようにファン外周囲に対向するように位
置されている。これにより、静翼(16)の軽量化を図りな
がら上述した円柱状の静翼(16)を使用した場合と同様の
効果を得ることができることになる。
【0038】−第3タイプ− 本タイプの静翼(16)は、図5(c) に示すように、上述し
た第2タイプのものよりも大きな曲率半径でなる板材で
なっている。そして、この静翼(16)も上述した第2タイ
プのものと同様に膨出側の外側面(16a) が案内面として
機能するようにファン外周囲に対向するように位置され
ている。この構成によれば、上述した第1タイプのもの
と同様に、静翼(16)の案内面(16a) を鉛直方向に延ばす
ことができ、且つ第2タイプのものと同様に静翼(16)の
軽量化を図ることができる。
【0039】−第4タイプ− 本タイプは舌部(15)の変形例であって、図5(d) に示す
ように、その先端部分に空気の流線をファン外周囲に向
って案内する湾曲面を有する案内部(15a) が一体形成さ
れている。これにより、この案内部(15a) と静翼(16)の
案内面(16a) とが協働して空気をファン外周囲に向って
案内することになり、気流の方向を上側へ変化させる機
能を確実に得ることができる。また、このような構成の
舌部(15)は、上述した第1〜第3タイプの静翼(16)と組
み合わせて使用することも可能である。
【0040】尚、上述した実施形態では、空気調和装置
として壁掛け式の室内機に本発明を適用した場合につい
て説明したが、これに限らず、床置き式等その他の室内
機や室外機に適用することも可能である。
【0041】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば以下に述べるような効果が発揮される。請求項1記載
の発明によれば、送風手段としてクロスフローファンを
使用した空気調和装置に対して、該クロスフローファン
の上流側と下流側とを仕切る仕切部材の先端に対して所
定間隔を存した位置に、クロスフローファンの軸心方向
に沿って延びる静翼を設け、該静翼に、仕切部材との間
を流れる空気をクロスフローファンの外周囲に沿う方向
に案内する案内面を形成したために、仕切部材の高さ寸
法を小さく設定しても空気がファンの翼に衝突する力は
小さくなりNZ音を低減することができる。また、仕切
部材の高さ寸法を小さくできることから、この仕切部材
が熱交換器とファンとの間の空気通路を狭くすることは
なくなり、熱交換器の全体に亘って空気を流すことがで
きる。このように、本発明によれば、簡単な構成でもっ
てNZ音の低減と熱交換器の効率の向上とを両立するこ
とができ、室内機の運転時の静粛化と性能の向上とを図
ることができる。
【0042】請求項2〜4記載の発明によれば、静翼の
形状を具体的に得ることができ、特に、静翼を断面円弧
状の部材で成した場合には、その軽量化を図りながらコ
アンダ効果による空気の案内機能を確保することがで
き、実用性の高い静翼を得ることができる。
【0043】請求項5記載の発明によれば、仕切部材
に、静翼の案内面と協働してクロスフローファンの外周
囲に沿う方向に空気を案内する案内部を設けたために、
この案内部と案内面との両機能により、確実に空気をク
ロスフローファンの外周囲に沿う方向に案内することが
でき、上述した請求項1記載の発明に係る効果をより確
実に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る室内機の断面図である。
【図2】室内機内部を流れる空気の流線を示す図であ
る。
【図3】NZ音の低減原理を説明するための図である。
【図4】実験例の結果を示す図である。
【図5】各変形例を示す要部拡大断面図である。
【図6】従来例における図1相当図である。
【図7】舌部高さ寸法を短くした場合の図2相当図であ
る。
【図8】図7の構成における図4相当図である。
【図9】舌部高さ寸法を長くした場合の図2相当図であ
る。
【図10】図9の構成における図4相当図である。
【符号の説明】
(2) ケーシング (3) 前面空気吸込口 (5) 空気吹出口 (6a) 前側熱交換器 (7) クロスフローファン (15) 舌部(仕切部材) (15a) 案内部 (16) 静翼 (16a) 円弧面(案内面) (A) 空気通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 逆瀬川 敏隆 滋賀県草津市岡本町字大谷1000番地の2 ダイキン工業株式会社滋賀製作所内 (72)発明者 吉永 浩三 大阪府堺市金岡町1304番地 ダイキン工業 株式会社堺製作所金岡工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気吸込口(3) から空気吹出口(5) に亘
    る空気通路(A) を備えたケーシング(2) と、 上記空気吸込口(3) に対向してケーシング(2) 内に配置
    された熱交換器(6a)と、 上記ケーシング(2) 内に熱交換器(6a)より空気流通下流
    側に配置されたクロスフローファン(7) と、 上記熱交換器(6a)の一端部とクロスフローファン(7) と
    の間において、該クロスフローファン(7) の上流側と下
    流側とを仕切るように空気通路(A) の壁面に突設され、
    クロスフローファン(7) の外周囲に近接した位置で、該
    外周囲の略接線方向に延びる仕切部材(15)とを備え、 上記空気吸込口(3) からケーシング(2) 内に導入した空
    気を熱交換器(6a)において温度調整した後、クロスフロ
    ーファン(7) を経て空気吹出口(5) から吹出す空気調和
    装置において、 上記熱交換器(6a)とクロスフローファン(7) との間で、
    且つ仕切部材(15)の先端に対して所定間隔を存した位置
    には、クロスフローファン(7) の軸心方向に沿って延び
    る静翼(16)が設けられ、該静翼(16)には、仕切部材(15)
    との間を流れる空気をクロスフローファン(7) の外周囲
    に沿う方向に案内する案内面(16a) が形成されているこ
    とを特徴とする空気調和装置。
  2. 【請求項2】 静翼(16)は円柱状部材で成っていること
    を特徴とする請求項1記載の空気調和装置。
  3. 【請求項3】 静翼(16)は断面楕円形状の部材で成って
    いることを特徴とする請求項1記載の空気調和装置。
  4. 【請求項4】 静翼(16)は断面円弧状の部材で成ってい
    ることを特徴とする請求項1記載の空気調和装置。
  5. 【請求項5】 仕切部材(15)には、該仕切部材(15)と静
    翼(16)との間を流れる空気を、静翼(16)の案内面(16a)
    と協働してクロスフローファン(7) の外周囲に沿う方向
    に案内する案内部(15a) が設けられていることを特徴と
    する請求項1記載の空気調和装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030042715A (ko) * 2001-11-23 2003-06-02 주식회사 엘지이아이 공기조화기의 실내기
WO2011077484A1 (ja) * 2009-12-24 2011-06-30 三菱電機株式会社 空気調和機
CN110762614A (zh) * 2018-07-09 2020-02-07 青岛海尔空调器有限总公司 立式空调器室内机

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