JPH09178112A - 熱風循環システム - Google Patents

熱風循環システム

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JPH09178112A
JPH09178112A JP7343379A JP34337995A JPH09178112A JP H09178112 A JPH09178112 A JP H09178112A JP 7343379 A JP7343379 A JP 7343379A JP 34337995 A JP34337995 A JP 34337995A JP H09178112 A JPH09178112 A JP H09178112A
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heat
gas
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良一 田中
Mamoru Matsuo
護 松尾
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良基 藤井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温でかつ強い循環流を生成できるようにす
る。また低動力で高温かつ多量の循環量を確保する。 【解決手段】 炉内2で火炎を形成して燃焼する熱源用
バーナ3と炉内2の燃焼ガスを炉外に取り出して再び別
の場所から炉内2へ還流させる炉外循環系路4とを備え
ている。そして、該炉外循環系路4は炉1に近い炉内ガ
ス出入口9A,9B部分にそれぞれ蓄熱体5A,5Bを
備えると共に循環ファン6を有し、循環ファン6の吸入
口側と吐出口側とをいずれかの一方の蓄熱体5A,5B
にそれぞれ選択的に連結させて蓄熱体5A,5Bに対す
る気流の流れの方向を相対的に切り替える流路切替装置
7並びに両蓄熱体5A,5Bの間の炉外循環系路4にお
いて気流のガス性状を変えるための抜熱若しくは希釈を
行う抜熱手段8を有し、熱源用バーナ3を交互に燃焼さ
せると共にそれに同調させて流路切替装置7によって周
期的に気流の流れ方向を反転する高温強循環流10を炉
内2に形成するようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炉内ガスを一旦炉
外に取り出してから再び炉内へ増速して戻し、強循環流
を形成する熱風循環システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、炉内温度の平坦化などを行うため
燃焼ガスを強制的に循環させることが行われている。例
えば、図6に示すように、熱風循環ファン101と炉内
ガスを炉105の外に取り出してから再び炉内104へ
戻すダクト102とで循環流103を炉内104に形成
するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、強循環
エネルギは気流の流量と圧力によって決まることから、
熱風のまま強制循環させる従来システムによると、得ら
れる強循環には限界がある。即ち、圧力は流速の二乗に
比例するため、流速を上げようとすると、圧力を流速の
二乗に比例して上げなければならない。しかし、圧力が
二乗で増えると、極端に循環ファンの動力が増えること
から、吐出圧力を高くできず循環量が制限される。
【0004】また、高温の熱風を対象にしようとする
と、耐熱性の翼やファン軸の冷却が必要となるし故障も
多くなることから、従来には高温の熱風に耐えられるフ
ァンが存在せず、高温熱風を循環させることは実現が困
難であった。このため、従来の熱風循環システムでは、
炉外循環できるガス温度は650℃程度が限界であり、
低温の炉例えば650℃以下の低温炉にしか通常適用で
きない。
【0005】したがって、従来の熱風循環システムによ
ると、炉内ガスの循環効果が不十分であり、炉のコンパ
クト化や高性能化が達成できない問題を有していた。
【0006】本発明は、高温でかつ強い循環流を生成で
きる熱風循環システムを提供することを目的とする。ま
た、本発明は、低動力で高温かつ多量の循環量を確保で
きる熱風循環システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明の熱風循環システムは、炉内で火炎を形成し
て燃焼する熱源用バーナと炉内の燃焼ガスを炉外に取り
出して再び別の場所から炉内へ還流させる炉外循環系路
とを備えている。そして、該炉外循環系路は炉に近い取
り出し口及び戻し口部分にそれぞれ蓄熱体を備えると共
に循環ファンを有し、循環ファンの吸入口側と吐出口側
とをいずれかの一方の蓄熱体にそれぞれ選択的に連結さ
せて蓄熱体に対する気流の流れの方向を相対的に切り替
えることによって蓄熱体を通して炉内からの燃焼ガスの
取り出しと炉内への供給を交互に行なわせる流路切替装
置並びに両蓄熱体の間の炉外循環系路において気流のガ
ス性状を変えるための抜熱若しくは希釈を行う抜熱手段
を有し、熱源用バーナを交互に燃焼させると共にそれに
同調させて流路切替装置によって周期的に気流の流れ方
向を反転する高温強循環流を炉内に形成するようにして
いる。
【0008】したがって、炉内ガスの一部は循環ファン
によって発生する負圧によって炉外循環系路へ導入さ
れ、循環ファンで昇圧された後再び炉内へ高速で噴射さ
れ、炉内に強循環流を形成する。この際、炉内ガスは炉
外循環系路吸入側で蓄熱体を経てその顕熱を蓄熱体に捨
てて低温とされる。そして、低温状態で循環ファンに導
入され、昇圧された後反対側の蓄熱体を通過してそこで
の直接熱交換によって再び高温とされてから炉内へ噴射
される。
【0009】炉内に強循環を惹き起こす炉内ガスの高流
速の流れは、通常、火炎温度を下げて失火を招く。しか
し、請求項1の発明の場合、炉内ガスは流速があがって
も温度が燃料の発火温度よりも高温とされているため、
着火ポイントでの温度がそう下がらないので着火性に優
れ火炎の安定性があり火炎が吹き消えることがない。ま
た、炉内ガスの高速噴流によって、炉内に燃焼ガスの強
循環が起こり、炉内温度の平坦化(平均化)が行われ局
所高温域が発生しない。即ち、流体を高速供給できれば
そのモーメンタムによって、加熱空間の広い領域におい
て炉内ガス循環量をこれまでよりも格段に増加させるこ
とができる。その結果、炉内ガス温度差が低減し、温度
場の超平坦化が可能になり局所高温域を発生させない。
このため、炉内平均温度を限界温度付近にまで上げるこ
とができ、伝熱量の増大を図れる。
【0010】一方、炉外循環系路内では、抜熱手段によ
る抜熱あるいは希釈によって循環気流のガス性状の変更
が行われ、平衡温度の上昇が防がれている。ここで、循
環気流の抜熱による平衡温度および戻し口温度は、次の
数式1によって表される。
【0011】
【数1】
【0012】この循環ファン吸い込み口の気流平衡温度
tcは循環気流の抜熱温度差△tと蓄熱体の温度効率に
支配され、例えば循環気流の取り出し口温度thが10
00℃の場合には図4に示す関係にある。また、循環気
流の希釈による平衡温度および戻し口温度は、次の数式
2によって表される。
【0013】
【数2】
【0014】この循環ファン吸い込み口の気流平衡温度
tcは循環気流への稀釈空気量△Gと蓄熱体の温度効率
に支配され、例えば循環気流の取り出し口温度thが1
000℃、大気温度toが20℃の場合には、図5に示
す関係にある。かくして、炉外循環系路内での適量の抜
熱あるいは希釈によるガス性状の変更によって平衡温度
の上昇が起こらないようにされている。
【0015】ここで、抜熱手段は炉外循環系路の炉に近
い取り出し口と戻し口に設置された両端の蓄熱体の間で
あれば特に設置箇所に限定を受けるものではないが、流
路切替装置と循環ファンの吸い込み側との間に配置され
ていることが好ましい。また、抜熱手段は、例えば、空
気や排ガスなどの少量の希釈用気体を循環ガスに注入す
るもの、熱交換器、加熱設備の材料予熱部、あるいは両
蓄熱体の間の流路の保温を薄くすることなどによって構
成される。
【0016】また、本発明の熱風循環システムにおい
て、熱源用バーナは、蓄熱体を備え該蓄熱体を介して燃
焼用空気の供給若しくは炉内ガスの排気を行う2基で1
組のバーナを交互に燃焼させる蓄熱型バーナシステムを
使用することが好ましい。
【0017】この場合、燃焼ガスが排気される際に、そ
の顕熱が蓄熱体に回収されてから、再び極めて高い熱効
率で燃焼用空気の予熱に使われて炉内へ戻されるため、
燃焼用空気の温度は蓄熱体へ流出する燃焼排ガスの温度
に近い高温にでき、高い熱効率を維持できる。また、炉
内での燃焼位置が短時間に切り換えられると共にそれと
合わせて高温熱風の噴射方向即ち循環流の流れの方向が
切り換えられるので、火炎位置が頻繁に移り変わる非定
在火炎となり炉内温度分布がより均一化でき、加熱むら
が少なくなる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を図面に示す
最良の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
【0019】図1に本発明の熱風循環システムを適用し
た加熱設備の一実施例を示す。この熱風循環システム
は、炉1と、炉内2で火炎を形成して燃焼する熱源用バ
ーナ3及び炉内2の燃焼ガスを炉外に取り出して再び別
の場所から炉内2へ還流させる炉外循環系路4とから主
に構成されている。熱源用バーナ3は、交互に燃焼する
1組のバーナ3A,3Bによって構成されている。これ
らバーナ3A,3Bは炉内温度分布に偏りが発生しない
ように、熱源として好適な位置でかつできるだけ離れた
位置に配置されることが好ましい。炉外循環系路4は、
熱源用バーナ3の切り替えに応じて周期的に気流の流れ
方向を反転する高温強循環流を炉内2に形成するように
設けられている。この炉外循環系路4の炉内ガス出入口
9A,9Bは熱源用バーナ3のバーナスロートと並べて
配置され、高温強循環流が火炎及び燃焼ガス17を被加
熱物に沿って誘引させるように設けられている。本実施
の形態では、被加熱物寄りに炉外循環系路4の循環ガス
出入口9A,9Bを設けているが、これに特に限定され
ず、場合によっては被加熱物寄りにバーナ3A,3Bを
設けても良い。
【0020】一方、熱源用バーナ3としては、本実施例
の場合、蓄熱型バーナシステムが採用されている。この
蓄熱型バーナシステムは、それぞれ蓄熱体11A,11
Bを有する一対のバーナ3A,3Bを流路切替手段12
を介して空気供給系13あるいは排気系14に選択的に
接続して、一対のバーナ3A,3Bの一方を燃焼させて
いる間に停止中の他方から被加熱物Wの加熱に使った後
の燃焼ガスを排気させるようにして成る。各バーナ3
A,3Bは、例えば炉1の両側壁に互いに向き合って据
え付けられており、交互に作動する。なお、各バーナ3
A,3Bは必ずしも対向させて炉1の両側壁に別々に配
置する必要はなく、例えば炉1の一方の壁に並べて配置
しても良い。尚、図中の符号16は燃料ノズルである。
【0021】蓄熱体11A,11Bはバーナボディある
いはこれと別体のケーシングなどに収められてバーナ3
A,3Bに組み込まれている。この蓄熱体11A,11
Bは、通過する排ガスとの間で熱交換を行い廃熱を回収
すると共に回収した熱で燃焼用空気を予熱する。各バー
ナ3A,3Bの蓄熱体11A,11Bは、ダクト15,
15を介して四方弁12のポートに接続されている。ま
た、四方弁12の他のポートには、空気供給系13及び
排気系14がそれぞれ接続されている。したがって、こ
の四方弁12を切り替えることで、各バーナ3A,3B
並びに蓄熱体11A,11Bのうち何れか一方は空気供
給系13に、何れか他方は排気系14にそれぞれ選択的
に接続される。
【0022】他方、炉外循環系路4は、炉1に近い部分
にそれぞれ蓄熱体5A,5Bを備えると共に循環ファン
6を有し、循環ファン6の吸入口側と吐出口側とを蓄熱
体5A,5Bのいずれか一方にそれぞれ選択的に連結さ
せて蓄熱体5A,5Bに対する気流の流れの方向を相対
的に切り替えることによって蓄熱体5A,5Bを通して
炉内2からの燃焼ガスの取り出しと炉内2への供給を交
互に行なわせる流路切替装置7並びに気流のガス性状を
変えるための抜熱若しくは希釈を行う抜熱手段8を有
し、流路切替装置7によって周期的に気流の流れ方向を
反転する高温強循環流10を炉内2に形成するようにし
ている。
【0023】ここで、蓄熱体としては、熱源用バーナに
使用される蓄熱体11A,11Bも、また炉外循環系路
4に配置される蓄熱体5A,5Bも、比較的圧力損失が
低い割に熱容量が大きく耐久性の高い材料、例えばセラ
ミックスで成形されたハニカム形状のセル孔を多数有す
る筒体の使用が好ましい。例えば、燃焼排ガスのように
1000℃前後の高温流体と燃焼用空気のように20℃
前後の低温流体との熱交換には、コージライトやムライ
ト等のセラミックスを材料として押し出し成形によって
製造されるハニカム形状のものの使用が好ましい。ま
た、ハニカム形状の蓄熱体は、コージライト、ムライト
以外のセラミックス例えばアルミナやセラミックス以外
の素材例えば耐熱鋼等の金属あるいはセラミックスと金
属の複合体例えばポーラスな骨格を有するセラミックス
の気孔中に溶融した金属を自発浸透させ、その金属の一
部を酸化あるいは窒化させてセラミックス化し、気孔を
完全に埋め尽くしたAl2 3 −Al複合体、SiC−
Al2 3 −Al複合体などを用いて製作しても良い。
尚、ハニカム形状とは、本来六角形のセル(穴)を意味
しているが、本明細書では本来の六角形のみならず四角
形や三角形のセルを無数にあけたものを含む。また、一
体成形せずに管などを束ねることによってハニカム形状
の蓄熱体を得るようにしても良い。また、蓄熱体の形状
も特にハニカム形状に限定されず、平板形状や波板形状
の蓄熱材料を筒状のケーシング内に放射状に配置した
り、パイプ形状の蓄熱材料を軸方向に流体が通過するよ
うに筒状のケーシング内に充填したものであっても良
い。または、隔壁によって周方向に2室に区画形成さ
れ、軸方向に流体が通過可能とした筒状のケーシングを
用意し、これの各室に球状、短管、短棒、細片、ナゲッ
ト状、網状などの蓄熱材料の塊りを充填することによっ
て構成されたものでも良い。
【0024】また、循環ファン6の吸入側と流路切替装
置7との間には抜熱手段8としての希釈空気注入口8a
が設けられている。この希釈空気注入口8aからは蓄熱
体5A,5Bの温度効率に見合った抜熱が実施できるよ
うに、常温の空気が注入される。この常温の空気の注入
による抜熱量は、数式3によって表される。
【0025】
【数3】
【0026】この循環ファン吸い込み口の気流平衡温度
tcは循環気流への稀釈空気量△Gと蓄熱体の温度効率
に支配され、例えば循環気流取り出し口温度thが10
00℃で、大気温度が20℃の場合には図5に示す関係
にある。そこで、平衡温度の上昇が起こらないようにす
るため、炉外循環系路内で適量の希釈によるガス性状の
変更が行われている。通常、蓄熱体5A,5Bの温度効
率が80〜90%程度の場合には希釈率は、0.1〜
0.25の範囲に設定される。循環気流取り出し口温度
thが1000℃において、希釈率△G/G=0におけ
る温度効率がηto=0.9の蓄熱器を用いて、△G/
G=0.1で希釈したときの平衡温度tc、温度効率η
t、戻し口の循環気流温度tlを求めると<tc=38
0℃、ηt=0.855、tl=910℃となる。
【0027】以上のように構成された熱循環システムに
よると、次のようにして炉内に高温の強循環流を形成し
て炉内温度の平坦化と高温化を実現できる。
【0028】熱源用バーナ3を構成する1組のバーナ3
A,3Bを交互に焚いて炉内2に非定在火炎を形成す
る。
【0029】例えば、バーナ3Aを作動させる場合に
は、バーナ3A側を燃焼用空気供給系13に接続するよ
うに四方弁12を切り替え、かつ一方の燃料制御弁を開
くと共に他方の燃料制御弁を閉じる。これにより、供給
される燃焼用空気は、蓄熱体11Aを通過しながら排ガ
ス温度に近い高温例えば800〜1000℃程度に予熱
された後、各バーナスロート内に流れ込み、各燃料ノズ
ルから噴射された燃料と混合されて燃焼する。一方、排
気系に接続されているバーナ3B側では燃焼ガスが排出
される。このとき、被加熱物Wの加熱に使われた後の燃
焼ガス(排ガス)の熱は蓄熱体11Bで回収される。
【0030】そして、バーナ3A側が作動を開始してか
ら所定時間(例えば、20秒〜60秒)が経過すると、
四方弁12が切り替わると共に、これに連動して燃料制
御弁の一方が閉じて他方が開く。これにより、バーナ3
B側に燃焼用空気及び燃料が供給されて燃焼を開始する
一方、バーナ3Aが非作動の待機状態になる。このと
き、バーナ3B側へ供給される燃焼用空気は、排ガスの
廃熱で加熱された蓄熱体11Bで予熱され、非常に高温
(例えば、800〜1000℃程度)になる。
【0031】常温の燃焼用空気あるいは300〜400
℃程度に予熱された燃焼用空気を使用する一般的な燃焼
の場合には、空気不足あるいは空気過剰では燃焼し難
い。しかしながら、燃焼用空気がこのように高温になる
と、たとえ空気不足あるいは空気過剰の場合でも混合ガ
スそのものの温度が燃料の着火温度付近あるいはそれ以
上となって反応速度の増大や可燃限界の大幅な拡大が燃
焼の安定化に大きく寄与して比較的良好に燃焼する。
【0032】以後、バーナ3A及びバーナ3Bは所定時
間毎に交互に作動し、非常に高温の燃焼用空気を用いて
交互燃焼を繰り返す。
【0033】ここで、高効率伝熱による伝熱量の最大化
とは、伝熱効率改善によって熱装置への供給熱エネルギ
ー量を低減させる手法である。そのためには平均熱流束
を増大させなければならないので、伝熱係数の増大と温
度場の温度の増加が基本となる。したがって、熱装置へ
の供給熱エネルギー量一定の条件で、もし炉内全体の温
度レベルを最大許容値まで高められるのであれば、伝熱
量は増加する。そして、増加した伝熱量を前と同じ量に
戻すには、熱装置への供給熱エネルギー量を減少させれ
ばよい。これが「高効率伝熱による伝熱量の最大化」に
よる省エネルギーである。
【0034】しかし、従来の通常燃焼技術では炉内温度
レベルを高めようとすると必ず局所的に許容最大値を越
えるような領域が生じる。つまり通常燃焼で乱流拡散火
炎を安定に燃焼継続させるためには保炎領域の形成が必
須である。そのため、通常燃焼では保炎領域を中心に高
温域が生じるので、熱装置内に不可避的に偏りの大きい
温度分布が形成されることになる。その結果、これが制
約条件となって、平均熱流束の改善、即ち適正な高温場
形成の手法は実現性に乏しいと考えられていた。
【0035】また、炉内ガスの循環量が比較的小さな場
合、炉温上昇に伴って、火炎領域からの被加熱物に対す
る放射伝熱量が飛躍的に増加し、炉内流動ガスの熱容量
は小さく炉内容積の一部の高温ガス部分からの伝熱が被
加熱物へ与える熱量の大部分を担うこととなる。火炎領
域の外の温度低下した他の領域のガスはそのまま炉外に
排出するにはまだ温度が高すぎる理由からのみ炉内に留
められ、被加熱物へのわずかな伝熱と保温のために利用
されている。このため、炉の大部分の容積の伝熱に寄与
する割合が小さいにも関わらず、一般的な炉は必要以上
の容積を持つことになる。炉をコンパクト化すると炉出
口のガス温度が高くなり、熱回収量を十分に大きくしな
いと排熱量が増加し、炉の熱効率を低下させることにな
る。
【0036】これに対し本発明の熱風循環システムは、
炉内ガスの持つ顕熱を回収すると共に高温の既燃ガス・
燃焼排ガスを入口に戻して高速で噴出する方法であるた
め、炉内を流れるガスの流量は投入された空気と燃料の
量に循環するガス量を加えたものになり、循環ガス量の
増大によって炉内のガス流動が激しくなり、混合の促進
や対流伝熱量の増加が起きて温度分布は平滑になる。
【0037】更に、循環気流の高速噴射によってガス循
環率が増加すると、燃焼ガスの熱容量の増加のために火
炎の最高温度は大きく低下する。つまり、循環ガス量が
増加すると、燃焼による局所的温度上昇は炉内流動ガス
量に逆比例して小さくなり、炉内温度の軸方向分布は平
坦化してくる。しかも、ガス循環率の増加と共に炉内最
高温度は逆比例して低下してくるが、炉内平均温度はほ
とんど低下せず、炉内最高温度は炉内平均温度に近づき
炉内温度分布は平均化してくる。
【0038】以上説明したように、本発明の加熱方法で
は、炉内の平均ガス流量が炉に流入する空気(+燃料)
分だけではなくガス循環流量分だけ増加し、かつ高温の
ままでガス循環量を増加でき、相対的に燃焼による温度
上昇分を300〜500℃と小さく抑えることができ
る。
【0039】なお、本実施例においては、蓄熱体を備え
る2基で一組のバーナ3A,3Bを交互に燃焼させる蓄
熱型バーナシステムに適用した場合について説明したが
これに特に限定されず、例えば酸素バーナ燃焼のような
ものであっても、蓄熱型バーナシステムと同様の火炎温
度・燃焼ガス温度が高温となる熱源として採用が可能で
ある。
【0040】また、抜熱手段8についても特定のものに
限られるものではなく、例えば、循環気流から直接熱を
取り出す手段を採用しても良い。図2に他の実施の形態
の一例を示す。この熱風循環システムは、抜熱手段8と
して熱交換器8bを使用したものである。この場合、熱
交換によって循環ガスの性状を変えて数式4及び図4に
示す関係が成立するようにしたものである。
【0041】
【数4】
【0042】更に、図3に他の実施の形態の一例を示
す。この熱風循環システムは、抜熱手段8として加熱設
備1’の予熱部8cを利用したものである。この場合、
流路切替装置7と循環ファンと6との間に加熱設備1’
の予熱部8cを接続して被加熱物Wの予熱によって抜熱
させるものである。この加熱設備1’の加熱部2’には
熱源用バーナ3と炉外循環系路4とが接続され、高温の
強循環流10が形成されている。
【0043】更に、図示していないが、抜熱手段8とし
ては両蓄熱体5A,5Bの間の流路の保温を薄くするこ
とによっても構成できる。この場合、熱の利用効率は低
下するが、設備的には保温材が少なくなるという利点が
有る。
【0044】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
の熱風循環システムによると、炉内ガスは炉外循環系路
吸入側で蓄熱体を経てその顕熱を蓄熱体に捨てて低温と
されてから低温状態で循環ファンに導入され、昇圧され
た後反対側の蓄熱体を通過してそこでの直接熱交換によ
って再び高温とされてから炉内へ噴射されるので、低温
用循環ファンを使って炉内に高温の強循環気流を形成で
きる。即ち、炉外の熱風循環系路を循環させる炉内ガス
が低温となるため循環ファンを大型化(能力を上げるこ
と)でき、吐出流量を大きくして強循環の生成を可能と
する。
【0045】この炉内ガスの高流速の流れは、通常、火
炎温度を下げて失火を招くが、請求項1の発明の場合、
流速があがっても温度が燃料の発火温度よりも高温とさ
れているため、着火ポイントでの温度がそう下がらない
ので着火性に優れ火炎の安定性があり火炎が吹き消える
ことがない。また、炉内ガスの高速噴流によって、炉内
に燃焼ガスの強循環が起こり、炉内温度の平坦化(平均
化)が行われ局所高温域が発生しない。即ち、流体を高
速供給できればそのモーメンタムによって、加熱空間の
広い領域において炉内ガス循環量をこれまでよりも格段
に増加させることができる。その結果、炉内ガス温度差
が低減し、温度場の超平坦化が可能になり局所高温域を
発生させない。このため、炉内平均温度を限界温度付近
にまで上げることができ、伝熱量の増大を図れる。しか
も、炉内最高温度が低下するため、低NOx化を実現で
きる。
【0046】よって、本発明の熱風循環システムは、炉
内温度の均一化によって、炉内温度差が小さくなるため
炉構造物に対する熱ストレスを小さくし、かつ最高温度
の低下によって従来の耐熱技術で十分に対応できるよう
にするとともに局所高温によるダメージを小さくでき
る。また、炉内平均温度の上昇を可能とするため、炉内
全体が加熱のために利用でき、同一被加熱物への対流伝
熱量の増加をもたらす。
【0047】また、本発明の熱風循環システムでは、炉
内温度の均一化が被加熱物への伝熱に有効な炉空間の体
積割合を従来よりも大きくすることとなるので、燃焼負
荷率を従来よりも高くとれ、炉容積の縮小または生産性
の向上が可能となり、炉のコンパクト化が可能である。
【0048】請求項7の発明の場合、熱源用バーナにお
いて、燃焼ガスが高温のまま排気されるとしても、その
顕熱が蓄熱体を経て排気される際に回収されてから再び
極めて高い熱効率で燃焼用空気の予熱に使われて炉内へ
戻されるため、高い熱効率を維持できる。また、炉内で
の燃焼位置が短時間に切り換えられるので、火炎位置が
頻繁に移り変わる非定在火炎となり、炉内温度分布がよ
り均一化でき、加熱むらが少なくなるし、装備がコンパ
クトで簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱風循環システムの実施の一形態を示
す原理図である。
【図2】本発明の熱風循環システムの他の実施の一形態
を示す原理図である。
【図3】本発明の熱風循環システムの更に他の実施の一
形態を示す原理図であり、(A)はワーク送り方向に沿
った断面図、(B)はその横断面図である。
【図4】循環ファン吸入口の気流平衡温度と循環気流の
抜熱度差との関係を蓄熱体の温度効率との関係で示すグ
ラフである。
【図5】循環ファン吸入口の気流平衡温度と稀釈空気率
との関係を蓄熱体の温度効率との関係で示すグラフであ
る。
【図6】従来の熱風循環システムの一例を示す原理図で
ある。
【符号の説明】
1 炉 2 炉内 3 熱源用バーナ 4 炉外循環系路 5A,5B 蓄熱体 6 循環ファン 7 流路切替装置 8 抜熱手段
フロントページの続き (72)発明者 藤井 良基 東京千代田区丸の内一丁目1番2号 日本 鋼管株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉内で火炎を形成して燃焼する熱源用バ
    ーナを備えると共に炉内の燃焼ガスを炉外に取り出して
    再び別の場所から炉内へ還流させる炉外循環系路を有
    し、かつ該炉外循環系路は炉に近い取り出し口及び戻し
    口部分にそれぞれ蓄熱体を備えると共に循環ファンを有
    し、前記循環ファンの吸入口側と吐出口側とをいずれか
    の一方の前記蓄熱体にそれぞれ選択的に連結させて前記
    蓄熱体に対する気流の流れの方向を相対的に切り替える
    ことによって前記蓄熱体を通して炉内からの燃焼ガスの
    取り出しと炉内への供給を交互に行なわせる流路切替装
    置並びに両蓄熱体の間の炉外循環系路において気流のガ
    ス性状を変えるための抜熱若しくは希釈を行う抜熱手段
    を有し、前記熱源用バーナを交互に燃焼させると共にそ
    れに同調させて前記流路切替装置によって周期的に気流
    の流れ方向を反転する高温強循環流を前記炉内に形成す
    ることを特徴とする熱風循環システム。
  2. 【請求項2】 前記抜熱手段は前記流路切替装置と循環
    ファンの吸い込み側との間に配置されていることを特徴
    とする請求項1記載の熱風循環システム。
  3. 【請求項3】 前記抜熱手段は少量の希釈用気体を注入
    するものであることを特徴とする請求項1または2記載
    の熱風循環システム。
  4. 【請求項4】 前記抜熱手段は熱交換器であることを特
    徴とする請求項1または2記載の熱風循環システム。
  5. 【請求項5】 前記抜熱手段は材料予熱部であり、該材
    料予熱部で循環ガスの抜熱を行うことを特徴とする請求
    項1または2記載の熱風循環システム。
  6. 【請求項6】 前記抜熱手段は両蓄熱体の間の流路の保
    温を薄くすることによって構成されていることを特徴と
    する請求項1記載の熱風循環システム。
  7. 【請求項7】 前記熱源用バーナは、蓄熱体を備え該蓄
    熱体を介して燃焼用空気の供給若しくは炉内ガスの排気
    を行う2基で1組のバーナを交互に燃焼させる蓄熱型バ
    ーナシステムであることを特徴とする請求項1から6の
    いずれかに記載の熱風循環システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009243854A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Osaka Gas Co Ltd 燃焼装置
JP2015210050A (ja) * 2014-04-28 2015-11-24 日本ファーネス株式会社 高温酸素燃焼装置及び高温酸素燃焼方法
CN110455089A (zh) * 2019-08-30 2019-11-15 包头市绎斯迈特高新材料有限公司 一种硅系合金熔矿炉的储热炉及其建造工艺
KR20230016597A (ko) 2021-07-26 2023-02-02 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 가열로
KR20230113135A (ko) 2022-01-21 2023-07-28 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 가열로

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