JP2996618B2 - 蓄熱燃焼バーナ - Google Patents

蓄熱燃焼バーナ

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JP2996618B2 JP8068014A JP6801496A JP2996618B2 JP 2996618 B2 JP2996618 B2 JP 2996618B2 JP 8068014 A JP8068014 A JP 8068014A JP 6801496 A JP6801496 A JP 6801496A JP 2996618 B2 JP2996618 B2 JP 2996618B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼方向が交互に
切り換えられる蓄熱燃焼バーナの改良された構造に関す
るものであって、特に、蓄熱体の配置構造に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エネルギ効率と温度分布の改善を
目的とした燃焼装置であって、燃焼方向が交互に切り換
えられる燃焼バーナの両端部に蓄熱体を配設した蓄熱燃
焼バーナが実用化されている。その1例を図7に示す
と、耐火煉瓦で構成された炉室1には、ワーク2を搬送
するためのローラ3と、その上方にラジアントチューブ
41が配置されている。そして、このラジアントチュー
ブ41とその端部が接続している一対の燃焼室5a、5
bとからなる1組のバーナ本体40には、内部に蓄熱体
6a、6bを配置した耐火煉瓦製ダクト7a、7bが燃
焼室5a、5bに接続して設けられている。そして、こ
のダクト7a、7bには、加熱用空気供給装置(図示せ
ず)と燃焼ガス排気装置(図示せず)が切替え自在に接
続されている。
【0003】ここで、燃焼用空気は、先ず、一方のダク
ト7aに送入され、蓄熱体6aを通過して燃焼室5aに
おいて、外部から供給された燃料ガスの燃焼に用いられ
る。このとき燃焼ガスは、燃焼室5a側から燃焼室5b
側へとラジアントチューブ41を通過しながらワーク2
を加熱した後、他方の燃焼室5b、および蓄熱体6bを
通じてダクト7bから排気ガスとして外部に送り出され
る。そのとき、蓄熱体5bは高温の排気ガスにより加熱
されて蓄熱することになる。
【0004】次いで所要時間経過後、燃焼用空気と燃料
ガスの供給を切替え装置(図示せず)により、ダクト7
b、蓄熱体6b、燃焼室5bの側に切り換えて、高温に
蓄熱した蓄熱体6bと熱交換して加熱された燃焼用空気
によって、先の燃焼方向とは逆方向からの燃焼が行われ
る。このときには、先とは逆に排気側となった蓄熱体6
aが高温の排気ガスにより加熱されて蓄熱することにな
る。
【0005】このような燃焼方向の切替えを比較的短時
間、例えば20〜30秒周期で行うことにより、一方の
蓄熱体5aまたは5bは燃焼用空気の予熱に利用される
とともに、他方の蓄熱体5bまたは5aは排気ガスから
熱量を回収して蓄熱することが順次交互に繰り返される
ことになるので、エネルギ効率が向上する。また、燃焼
方向が交互に繰り返されるので、ラジアントチューブ4
1の温度分布の均一性が向上し、ワークをより均一に加
熱できるという優れた特長がある。
【0006】このような燃焼システムに用いられる蓄熱
体6として、耐熱性がすぐれていること、圧力損失が少
ないことなどの観点から、多数の平行な連通孔を有する
セラミック製ハニカム構造体(以下、この連通孔をハニ
カム連通孔という)が好適であって、特に、コージライ
ト、炭化珪素、ムライト製のものは、低膨張性、高熱伝
導性、高温耐熱性などから、上記のような蓄熱燃焼バー
ナにおいては熱衝撃による破損を防止できるので好まし
い。このような蓄熱体は、図7に例示するように、熱交
換容量を考慮して通常は複数個のハニカム構造体を段積
するようにして配設されるのが通常であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た蓄熱燃焼バーナの場合、燃焼室に近い方の蓄熱体は高
温となる燃焼室からの熱によってしばしば過熱されるこ
とがある。そして蓄熱体の前半部分が過熱状態となると
その分だけ排気ガスから熱量を回収できないという問題
があった。本発明は、この問題を解決するためになされ
たものであり、エネルギ効率を更に向上させた蓄熱燃焼
バーナを提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の問題は、燃焼方向
を反対方向に交互に切替え可能な1組のバーナ本体と、
そのバーナ本体に連設された燃焼用空気の取り込みと燃
焼ガスの排気とを交互に切替え可能な1対のダクトとを
少なくとも具備するとともに、そのバーナ本体およびダ
クトの少なくとも一方のガス流路に熱交換のためのセラ
ミック製ハニカム構造体からなる複数の蓄熱体を配置し
た蓄熱燃焼バーナであって、その蓄熱体のうち隣り合う
少なくとも1組の蓄熱体がそのハニカム連通孔の軸をず
らしたものとして配置されていることを特徴とする蓄熱
燃焼バーナ、により解決することができる。
【0009】なお、本発明では、蓄熱体の配置構造とし
て、前記ガス流路が折り曲げられて、その折り曲げ部の
前後に蓄熱体が配設されて、そのハニカム連通孔の軸を
ずらしたものとして配置されているように具体化して、
上記の問題を解決することができる。また、前記ガス流
路内に積層された少なくとも1組の蓄熱体が連通孔方向
を回動軸として適宜に回動させて、そのハニカム連通孔
の軸をずらしたものとして配置されているように具体化
して、同様に問題を解決することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、第1の実施形態を図1に基
づいて説明する。耐火煉瓦で構成された炉室1には、上
方にラジアントチューブ41が配置され、そのラジアン
トチューブ41とその端部がそれぞれ接続している一対
の燃焼室5a、5bがバーナ本体40の要部を形成して
いる。そして、それぞれには、ガス流路にセラミック製
ハニカム構造体からなる蓄熱体6a、6bを配置した耐
火煉瓦製ダクト7a、7bが連続して設けられ、そのダ
クト7a、7bには、加熱用空気供給装置(図示せず)
と燃焼ガス排気装置(図示せず)が切替え自在に接続さ
れている構造は、従来のものと変わりはない。
【0011】本発明の特徴は、隣り合う蓄熱体のうち少
なくとも1組の蓄熱体がそのハニカム連通孔の軸をずら
したものとして配置されているものであり、この実施形
態では、ダクト7a、7bのガス流路がL字形に折り曲
げられていて、折り曲げ部71の空間の前後に蓄熱体6
aと61aおよび蓄熱体6bと61bが配設されている
構造を採用することで、隣り合う蓄熱体のハニカム連通
孔の軸を直角方向にずらしているのである。この場合の
折り曲げ角度は、この実施形態のL字状のように直角が
最も簡単で好適であるが、それに限定されるものではな
い。
【0012】また、第2の実施形態をその要部斜視図
(図2)、そのa−a’方向断面図(図3)に基づいて
説明する。この場合も、炉室1、ラジアントチューブ4
1、一対の燃焼室5a、5b、セラミック製ハニカム構
造体からなる円柱形状の蓄熱体6a、6b、ダクト7
a、7bなどの基本的構造は従来のものと変わりはない
ものの、この実施形態では、ダクト7内のガス流路に積
層されて隣り合う1組のハニカム状蓄熱体6と61が連
通孔方向の中心を軸として回動させて、そのハニカム連
通孔の軸をほぼ45°ずらしたものとして配置されてい
るところが特徴である。この場合の回動角度は、この実
施形態のように45°の例に限定されるものではない。
また、前記の連通孔方向の中心を軸として回動させた1
組の蓄熱体6、61が、空間62を隔てるように配置さ
れるのも好適である。
【0013】以上説明した第1、第2の実施形態の蓄熱
燃焼バーナにおける、蓄熱体全体のガス流通方向の温度
勾配と、ガス流通断面における温度勾配とを測定した事
例を図4、図5に示す。ここにおいて、実施形態の結果
を─○─実線で、隣り合う蓄熱体のハニカム連通孔の軸
を一致させた従来例の結果を─△─実線で示すように、
ガス流通方向の温度勾配では、約800℃が約1000
℃に拡大でき、またガス流通断面における温度勾配で
は、約200℃が約50℃に緩和されるなどエネルギ効
率の向上を期待できることが分かった。
【0014】次に、第3の実施形態を図6に基づいて説
明すると、耐火煉瓦で構成された炉室1には、燃焼ガス
を交互に噴出するように設定された1組のバーナ本体4
0a、40bが直接取り付けられ、バーナ本体40a、
40bそれぞれのガス流路には、セラミック製ハニカム
構造体からなる蓄熱体6a、6bを配置され、続いてダ
クト7a、7bが設けられている燃焼装置において、前
記第1の実施形態のように、隣り合う蓄熱体のうち少な
くとも1組の蓄熱体がそのハニカム連通孔の軸をずらし
たものとして配置されているものであり、あるいは、前
記第2の実施形態のように、隣り合う1組のハニカム状
蓄熱体が連通孔方向の中心を軸として回動させたものと
して、具体化することができる。そして、この場合に
も、図4、図5に示すのと同様なエネルギ効率の向上を
期待できるのである。
【0015】なお、前記第1〜第3の実施形態におい
て、ガス流路に配設された前記蓄熱体にうち、バーナ本
体側に位置する蓄熱体のハニカム連通孔の孔径を隣接す
る他の蓄熱体のそれより小径にして具体化すると、蓄熱
体全体のガス流通方向の温度勾配を大きく、ガス流通断
面における温度勾配を緩やかにすることができるので熱
効率が向上して特に好ましい。また、本発明は、第1、
第2の実施形態のようにラジアントチューブ41を用い
るタイプ、および、第3の実施形態のようにラジアント
チューブ41を用ないタイプ、いわゆるオープンバーナ
タイプの双方に適用され得ることはいうまでもい。
【0016】
【発明の効果】本発明の蓄熱燃焼バーナは、以上に説明
したように構成されているので、蓄熱体のガス流通入口
部と出口部との温度差を大きくできるとともに、周辺部
と中心部の温度差を減少させることができるので、エネ
ルギ効率をさらに向上できるという優れた効果がある。
よって本発明は従来の問題点を解消した蓄熱燃焼バーナ
として、その工業的価値は極めて大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態を説明するための要部断面
図。
【図2】本発明の他の実施形態を説明するための要部斜
視図。
【図3】本発明の他の実施形態を説明するためのa−
a’方向断面図
【図4】本発明の実施形態の作用を説明するためのグラ
フ。
【図5】本発明の実施形態の作用を説明するための他の
グラフ。
【図6】本発明の第3の実施形態を説明するための要部
断面図。
【図7】従来の蓄熱燃焼バーナの要部を示す断面図。
【符号の説明】
1 炉室、40 バーナ本体、41 ラジアントチュー
ブ、5a、5b 燃焼室、6a、6b 蓄熱体、7a、
7b ダクト。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼方向を反対方向に交互に切替え可能
    な1組のバーナ本体と、そのバーナ本体に連設された燃
    焼用空気の取り込みと燃焼ガスの排気とを交互に切替え
    可能な1対のダクトとを少なくとも具備するとともに、
    そのバーナ本体およびダクトの少なくとも一方のガス流
    路に熱交換のためのセラミック製ハニカム構造体からな
    る複数の蓄熱体を配置した蓄熱燃焼バーナであって、そ
    の蓄熱体のうち隣り合う少なくとも1組の蓄熱体がその
    ハニカム連通孔の軸をずらしたものとして配置されてい
    ることを特徴とする蓄熱燃焼バーナ。
  2. 【請求項2】 前記ガス流路が折り曲げられて、その折
    り曲げ部の前後に蓄熱体が配設されて、そのハニカム連
    通孔の軸をずらしたものとして配置されている請求項1
    に記載の蓄熱燃焼バーナ。
  3. 【請求項3】 前記の1組の蓄熱体の一方の蓄熱体が連
    通孔方向を回動軸として回動させて、そのハニカム連通
    孔の軸をずらしたものとして配置されている請求項1に
    記載の蓄熱燃焼バーナ。
  4. 【請求項4】 前記の連通孔方向を回動軸として回動さ
    せた隣り合う1組の蓄熱体が、空間を隔てて隣接してい
    る請求項3に記載の蓄熱燃焼バーナ。
  5. 【請求項5】 前記蓄熱体のうち、バーナ本体側に位置
    する蓄熱体のハニカム連通孔の内径が隣接する他の蓄熱
    体のそれより小である請求項1ないし4のいずれかに記
    載の蓄熱燃焼バーナ。
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