JP3721033B2 - 蓄熱式バーナー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はスラブ、ビレット、ブルーム等の被加熱物を所定の目標温度前で加熱する加熱炉、均熱炉、熱処理炉(以下、本発明では加熱炉と総称する)用の蓄熱式バーナーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、加熱炉においては、炉の熱効率向上を目的とした燃焼装置に、排ガス顕熱で燃焼空気の高温予熱を行う手段として、排気と燃焼を交互に行い、排気時にはバーナーに付属した蓄熱器に収納された蓄熱体によって熱を回収し、燃焼時には、この蓄熱器により燃焼空気を予熱する蓄熱式バーナーを使用している。
このように、バーナーに付属して蓄熱器を設置し燃焼用空気を高温に予熱するため、バーナー全体が大きくなり、且つ重量が極めて重くなる。特に、蓄熱体にセラミックボールを使用した場合、蓄熱器自身の重量も重くなるという問題があった。
そこでその解決手段として、特開平8−28831号公報により蓄熱燃焼バーナー装置が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
図7は、前記特開平8−28831号公報に記載されている蓄熱燃焼バーナー装置の構成を示した図である。この燃焼装置の構成は、炉壁に取り付けられたバーナーの保炎器1上流側のバーナーヘッド2内に蓄熱体3を充填した蓄熱部4を設け、前記バーナーヘッド2には給排気管5を備えた排熱回収管6を設け、この排熱回収管6にも蓄熱体3を充填している。7は保炎器1とバーナーヘッド2間の燃料配管、18は燃料配管7の外周に設けたフィンプレート等の伝熱部、10は燃焼用空気と排ガスの切換弁である。
【0004】
この蓄熱燃焼バーナー装置は、蓄熱体3の配置工夫によりバーナーのコンパクト化という課題は克服しているが、給排気管5から給排気される燃焼空気および排ガスの流れ方向に対して蓄熱部4の配置が適切でなく、燃焼空気および排ガスが蓄熱体3全てに均等に流れずにその大部分が蓄熱部4をショートカットするため、蓄熱体3の効率よい利用ができず、その結果、高効率の熱回収が行えない。同時に燃焼空気及び排ガスの均流化が出来ないので、燃焼空気噴出孔から出る空気も温度偏差が生じ、安定した燃焼が行えない。
【0005】
また、保炎器1とその周囲のバーナータイル19からなる保炎部にて、全予熱空気と燃料ガスが混合されて燃焼を行うため、燃焼反応が急速に進行して保炎部内で燃焼が完了するため、火炎が高温の短炎となり、燃焼用空気が1000℃以上であるような高炉温に適用した場合、NOx(窒素酸化物)が高濃度となるため、低NOx性と均一加熱性が要求される加熱炉には適用できない。
さらに、保炎部のバーナータイル19により、火炎から被加熱物への放射伝熱が妨げられるため、熱効率がよくないという問題点があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明の要旨は、バッフル10内に1次燃焼ポートを形成し、該1次燃焼ポート11の上流側に蓄熱体3を充填した蓄熱部4を設け、燃料供給管7の外周に1次燃焼用空気供給管8を設けてなるバーナーノズル9を、前記蓄熱部4を貫通して配設し、該バーナーノズル9の開口部を前記1次燃焼ポート11に臨ませると共に、前記蓄熱部4の高温側及び低温側にそれぞれ高温空間部13及び低温空間部14を設け、高温空間部13と炉内23を連通する給排気孔12を前記バッフル10に設け、炉内23へ予熱後の2次燃焼用空気を供給及び炉内23から排ガスを吸引する如くなし、一方低温空間部14には、給排気管5を接続し、系外から2次燃焼用空気を供給及び熱交換後の排ガスを排気する如くなし、前記蓄熱部を貫通するバーナーノズルが2次燃焼用空気の流れ方向と交差することを特徴とする蓄熱式バーナーである。
【0007】
さらに本発明では、前記蓄熱式バーナーにおいて、高温空間部13と炉内23を連通する給排気孔12を、1次燃焼ポート11の上方に設けたことを特徴とする。
さらに、前記バッフル10に設けた給排気孔12の、高温空間部側開口20の直径を炉内側開口21の直径よりも大きくし、且つ給排気孔12の直径を高温空間部13側から炉内23側に向かって漸減するように構成したことを特徴とする。
また、前記バッフル10に設けた給排気孔12の直径を、高温空間部側開口20から炉内23側に向かって漸減して絞り部22を構成し、さらに該絞り部22から炉内側開口21に向かって給排気孔12の直径を拡大して構成したことを特徴とする。
さらに前記給排気孔12を、炉内23側において前記バーナーノズル9の軸芯線に向かって3〜15度傾けて設けたことを特徴とする。
【0008】
【実施例】
以下に本発明の一実施例を図面により説明する。
図1は、本発明に関わる蓄熱式バーナーの実施例を示す縦断面図である。
図において、バッフル10内には1次燃焼ポート11が形成されており、1次燃焼ポート11の奥、即ち1次燃焼ポート11の上流側には蓄熱体3を充填した蓄熱部4が設けられている。さらに燃料配管7の先端側の外周に1次燃焼用空気配管8を設けて構成されるバーナーノズル9を、蓄熱部4内を貫通して設けており、このバーナーノズル9の開口部を1次燃焼ポート11に臨ませている。
このようにバーナーノズル9が蓄熱部4内に設けられているため、バーナーノズル9は蓄熱部4によって、高温に予熱された燃焼用空気及び排ガスから保護された状態となっている。尚、1次燃焼用空気配管8は、燃料配管7を冷却する役目も担っている。
【0009】
また蓄熱部4の高温側及び低温側、即ち蓄熱部4にて予熱された後の高温2次燃焼用空気の通路・または炉内から吸引され蓄熱部4を通過する前の高温排ガスの通路となる蓄熱部高温側には、2次燃焼用空気・排ガスの流れを均流化するための高温空間部13が設けられており、蓄熱部4にて予熱される前の低温2次燃焼用空気の通路・または炉内から吸引され蓄熱部4を通過した後の低温排ガスの通路となる低温側には、2次燃焼用空気・排ガスの流れを均流化するための低温空間部14が設けられている。
さらにバッフル10には、蓄熱部4にて予熱された2次燃焼用空気を炉内へ供給及び炉内からの排ガスを吸引するための給排気孔12が設けられており、この給排気孔12は炉内23と高温空間部13とを連通している。
【0010】
このバッフル10に設けた給排気孔12の直径は、2次燃焼用空気を炉内23に吹き込む際に必要な流速が得られるように設計される。給排気孔12の径については、全体に亘って同径でもよいが、本実施例では特に、図1にあるように、高温空間部13へ連通している給排気孔12の高温空間部側開口20の直径を、炉内23へ連通している炉内側開口21の直径よりも大きくし、且つ給排気孔12の直径を高温空間部13側から炉内23側に向かって漸減した構成としている。即ち、2次燃焼用空気を炉内へ吹き込む直前である炉内側開口21の直径を絞ることで、蓄熱部4で予熱された2次燃焼用空気を炉内に吹き込む際に必要な流速が得られるようにしている。
尚、漸減角度については、2次燃焼用空気及び炉内からの排ガスが給排気孔12を通過する際に剥離せず、渦を生じない程度の勾配にする。
【0011】
給排気孔12を以上のような構成とすることで、2次燃焼用空気を炉内23に吹き込む際の流速を確保する一方で、高温空間部13から給排気孔12に2次燃焼用空気を供給する際や炉内から高温空間部13へ排ガスを吸引する際の圧力損失を減じることが可能となる。また、給排気孔12全体を同径とした場合、2次燃焼用空気を炉内へ吹き込む際の流速を基準として直径が設定されているため、炉内23から高温空間部13に排ガスを吸引する際に、給排気孔12から高温空間部13へ吸引される排ガス流速が高くなる。これにより、蓄熱体3が例えばアルミナボールのようなものの場合、蓄熱体3が高温空間部13において給排気孔12の対向面に吹き上げられて山になり、このような偏った蓄熱体3の配置により、蓄熱部4での蓄熱が偏る可能性が生じる。従って本実施例で記載のように、高温空間部13へ連通した開口部の直径を大きくした方が、蓄熱を均一に行う上でもより一層効果的となる。
【0012】
図3は、バッフル10に設けた給排気孔12の直径についての他の実施例を示す。図3のようにバッフル10に設けた給排気孔12の直径を、高温空間部側開口20から炉内23側に向かって漸減して絞り部22を構成し、さらにこの絞り部22から炉内側開口21に向かって給排気孔12の直径を拡大して構成してもよい。この絞り部22から炉内側開口21に向かって給排気孔12の直径を拡大する構成は、施工上の容易さや耐火ブロックで構成されたバッフル10の損傷を防止するためである。従って、絞り部22から炉内開口21までの距離は、長くとる必要はなく、施工上やバッフル10の損傷を防止するために必要な距離さえ確保できればよい。
【0013】
図2は、蓄熱式バーナーを炉内側から見た正面図であり、バッフル10に設けた給排気孔12は1次燃焼ポート11の上方に複数設けられ、蓄熱部4の上方の高温空間部13に連通している。この給排気孔12は蓄熱部4よりも上方に位置するため、給排気孔12から蓄熱体3の一部が炉内へ落下することがない。この給排気孔12からは燃焼に必要な残りの2次燃焼用空気を直接炉内に供給する。この給排気孔12は、通常断面が円形状のものを円周方向に120°以内に等ピッチで1〜3個配置する。
【0014】
1次燃焼ポート11は、通常給排気孔12の仮想ピッチ円の直径Dと1次燃焼ポート11の直径dとの比であるD/dを2.0〜5.0とし、かつ1次燃焼ポート11の長さLと直径の比であるL/dを1.5〜5.0とすることが、火炎の保炎性とNOx抑制の面から望ましい。
【0015】
すなわち、D/dを2.0以下にすると、1次燃焼ポート11と給排気孔12が近くになりすぎ、2次燃焼がバーナ近傍で完結してしまい、炉温がフラットにならない。また火炎のピーク温度も上がり、高NOxとなる。また1次燃焼ポート11と給排気孔12を近づけすぎた場合、バーナーノズル9を蓄熱部に十分埋めることができず、その結果バーナーノズル9が焼損するおそれがある。一方、D/dを5.0以上にすると1次燃焼炎と2次空気が遠く離れすぎて、燃焼が完結せずに、炉外に未燃分を排出する可能性が出てくる。
【0016】
また、L/dを1.5以下にすると、保炎作用が発揮できず失火する可能性が出てくる。即ちdに対してLが小の場合、1次燃焼ポート11が短くなりすぎ、またLに対してdが大の場合は、1次燃焼火炎が1次燃焼ポート11の円周壁から離れてしまうため、燃焼ポートによる火炎の持続ができないからである。反対にL/dが5.0以上の場合は、dに対してLが大の場合、不必要にバッフル10のサイズが大きくなり経済的デメリットが大きくなる。またLに対してdが小の場合、1次燃焼に必要な空間が確保できず、失火する。
【0017】
系外から2次燃焼用空気を供給及び熱交換後の排ガスを排気するための給排気管5は、低温空間部14に接続されている。
その他、前述した高温空間部13、低温空間部14は、2次燃焼用空気および排ガスを十分均流化するために必要な空間であり、それぞれ蓄熱部4の容積の少なくとも40%以上の容積を必要とする。このように構成した蓄熱式バーナー16,17を、図4に示すように、加熱炉の炉壁15の炉内側表面とバーナーのバッフル10先端が同一面となるように、加熱炉の炉壁15に取り付ける。
【0018】
次に本発明の作動機能について説明する。
図4は、本発明に係わる蓄熱式バーナーを備えた加熱炉の炉幅方向断面図である。 燃焼を行う側のバーナーは、バーナーのバッフル10内に設けられた1次燃焼ポート11に、燃料配管7と1次燃焼用空気配管8から燃料と適量の1次燃焼用空気を供給して、常に1次燃焼ポート11内の温度が約1200℃〜1400℃になるように燃料の1次燃焼を行い、火炎の保炎性の確保を行う。その際、この燃料配管7から燃料を通常50〜80m/sの流速で供給する。また1次燃焼用空気配管8からは、燃焼に必要な全空気量の0〜30%を炉温により設定し(炉温が高いほど空気量を下げる)、1次燃焼用空気を通常30〜60m/sの流速で供給する。
【0019】
さらに、この多量の未燃分を有した1次燃焼ガスと複数の給排気孔12から、高温の2次燃焼用空気を通常80m/s以上の高速で直接炉内23に噴射し、この噴射エネルギーで炉内ガスの誘引が行われて低酸素濃度となった2次燃焼用空気によって、2次燃焼を行う。
【0020】
図5は、炉幅方向における炉内温度分布を示す図である。その結果、保炎部内にて燃料と燃焼空気の全量を燃焼していた従来バーナーの火炎温度分布が、図5の線▲1▼で示すようにバーナー近くで高くなるのに対して、本発明の蓄熱式バーナーによると、1次燃焼用空気と2次燃焼用空気の供給を分け、2次燃焼用空気を高速で直接炉内に噴射することにより、炉内において1次燃焼ガスと2次燃焼用空気との混合が徐々に起こり火炎が長炎化するため、従来のようなバーナー近傍での燃焼が抑制され、図5の点線▲2▼で示すように、バーナー近傍での急激な燃焼が抑制され、フラットに近い炉温度分布が形成され、被加熱物の均一加熱に適した状態となる。
また、従来技術のような保炎部のバーナータイル19による遮蔽が無く、2次燃焼火炎から周囲への放射伝熱量が増加して火炎のピーク温度が下がり、NOxの生成が抑制される。
【0021】
図4中、蓄熱式バーナ16及び17は炉幅方向に対向して設けられ、A側蓄熱式バーナー16が燃焼、B側蓄熱式バーナー17が蓄熱を行っている場合、A側蓄熱式バーナー16において、2次燃焼用空気は給排気管5から低温空間部14で一旦均流化され、蓄熱部4内の蓄熱体3を通り高温に予熱され、さらに高温空間部13において再度均流化された後、バッフル10内の給排気孔12を通り炉内に噴出される。その結果、従来例の蓄熱式バーナーと異なり、全ての蓄熱体を効率よく利用したより高い熱回収が行え、同時に2次燃焼用空気を供給する給排気孔12から出る空気も温度偏差がなく、安定した燃焼が行える。
【0022】
燃焼ガスは、炉内にて加熱に供された後、B側蓄熱式バーナー17においてバッフル10内の給排気孔12を通り、高温空間部13において均流化され、蓄熱体3を断面方向において均等に予熱して、低温空間部14を通り給排気管5から排気される。一定時間経過後、今度はB側蓄熱式バーナー17が燃焼を行い、A側蓄熱式バーナー16が蓄熱動作を行う。この燃焼を数十秒間隔で実施することによって、装置的にコンパクトであるにも関わらず省エネルギー化でき、安定した燃焼を提供できるものである。
このとき、バーナーノズル9は蓄熱体3に周囲を囲まれているので、高温に予熱された2次空気及び排ガスに直接晒されず、バーナーノズル9の冷却に特別な措置を講じる必要がない。
【0023】
次に、第2の実施例について説明する。
図6は、そのほとんどの構成が第1の実施例と同一であるが、ここでは給排気孔12の設置角度を変えている。即ち給排気孔12を、炉内側においてバーナーノズル9の軸芯線に向かって3〜15度傾けて設けている。
【0024】
第1の実施例のように給排気孔12とバーナーノズル9を平行に配置し、2次燃焼用空気を直接炉内に吹き込む事で、バーナー近傍での急速燃焼を防止し、火炎を長炎化することができる。それにより炉幅方向において、炉温をフラットに近い状態にすることが可能となった。ただし第1の実施例の場合、2次燃焼用空気が1次燃焼火炎と平行に炉内供給されるため、バーナーから最も離れた炉幅方向中心部Cよりも手前で1次燃焼火炎が浮き上がり、また2次燃焼用空気もかなり失速しているため1次燃焼火炎の浮き上がりを防止できず、炉幅方向中心部Cよりも手前で1次燃焼空気と2次燃焼空気との混合がピークとなり、よって火炎が炉幅方向中心部Cまで届かず、炉幅方向中心Cで若干温度が下がった状態となる。
【0025】
そこで本発明者らは給排気孔12の設置角度に着目し、さらに実験を行った結果、水平方向に設置されたバーナーノズル9からの1次燃焼火炎に向かって、3〜15度傾けた角度で2次燃焼空気を炉内に供給することにより、図5の▲3▼に示すように、実施例1に比べ、炉幅方向においてさらにフラットな炉温分布になることがわかった。これは、水平方向に伸びる1次燃焼火炎に向かって若干の角度を付けた状態で2次燃焼用空気を供給することで、炉幅方向中心部手前で浮き上がろうとする1次燃焼火炎を2次燃焼用空気が押し込みつつ炉幅方向中心部Cに直進するため、ほぼ均等な状態で1次燃焼火炎と2次燃焼用空気が混合しながら、火炎が炉幅方向中心部Cまで到達するのではないかと考えられる。これにより、第1の実施例に比べ若干炉内でのピーク温度が下がって、また火炎が伸び、さらに炉幅方向の温度をよりフラットに近づけることが可能となった。
【0026】
ここで、給排気孔12の角度を3〜15度としたのは、3度よりも小さくした場合は、1次燃焼火炎と2次燃焼用空気との交点において、2次燃焼用空気の流速はかなり失速しているため、2次燃焼用空気が1次燃焼火炎の浮き上がりに負け、炉幅方向中心部Cよりも若干手前で混合が起こって燃焼がピークとなり、1次燃焼火炎が炉幅方向中心部まで到達しない。よって炉幅方向中心部Cの温度が若干低下してしまうためである。また15度よりも大きくした場合は、バーナーに近い位置で1次燃焼火炎と2次燃焼用空気がぶつかり、燃焼が早期に完結してしまうため、炉幅方向中心部Cまで火炎が到達せず、結果炉温ピークがバーナ近傍となり、炉幅方向中心部Cの炉温が低下する状態となってしまう。
【0027】
従って、本実施例のように、給排気孔12の角度を3〜15度とすることで、火炎の浮き上がりを防止しつつ炉幅方向中心部まで火炎を到達させることが可能となり、よって炉幅方向の温度分布をフラットにより近くする事で、被加熱物を均一に加熱することができるものである。
【0028】
【発明の効果】
本願請求項1〜4の発明は以下のような効果が得られる。
(1)バーナー本体に蓄熱部を備えるためコンパクトになり、従来のリジェネバーナーと比較して加熱炉のサイズがバーナーネックにならない。
(2)コンパクトに製作できるため、バーナー製作費用が従来の蓄熱部を備えないバーナーと比較して殆ど変わらない。
(3)蓄熱部の高温側及び低温側に十分な断面積の空間部を設けることにより、2次燃焼用空気及び排ガスはこの空間部で均流化され、蓄熱部に偏流を生じさせず高効率な熱回収を行い、また安定した燃焼を行える。
(4)バーナーノズルが蓄熱部を貫通して設けられており、直接高温に予熱された燃焼用空気及び排ガスに晒されていないため、バーナーノズル保護を特別に講じる必要がない。
(5)1次燃焼ポートで燃料の1次燃焼を行い、この1次燃焼ガスと2次燃焼用空気を、2次燃焼室を設けずに直接炉内に噴射して2次燃焼を行うため、高温に予熱された2次燃焼用空気を使用するにも関わらず、火炎の最高温度の低下と長炎化により、NOxの抑制と被加熱物の均一加熱ができる。
(6)1次燃焼用空気を2次燃焼用空気と独立して供給し、1次燃焼ポートにて1次燃焼させる構成であるため、2次燃焼室がないバーナーにも関わらず、立ち上げ時など炉温が低温時でも保炎性が良好である。
【0029】
請求項2の発明においては、さらに
(7)給排気孔を1次燃焼用ポートよりも高い位置に設けているため、1次燃焼ポートの上流側にある蓄熱体の一部が、給排気孔を通って炉内に落ち込むことがない。 請求項3の発明においては、さらに
(8)バッフルに設けた給排気孔の、高温空間部側開口直径を炉内側開口直径よりも大きくし、且つ給排気孔の直径を高温空間部側から炉内側に向かって漸減するように構成したことで、バーナの圧力損失を減じ、ランニングコストを抑えることが可能となる。
また炉内から高温空間部に吸引される排ガスにより、蓄熱体が吹き上げられ、蓄熱部での蓄熱が偏ったものになることも防止される。
【0030】
請求項4の発明においては、さらに
(9)バッフルに設けた給排気孔の直径を、高温空間部側開口から炉内側に向かって漸減して絞り部を構成し、さらに該絞り部から炉内側開口に向かって給排気孔の直径を拡大して構成したことで、バーナの圧力損失を減じ、ランニングコストを抑えることが可能となる。
また炉内から高温空間部に吸引される排ガスにより、蓄熱体が吹き上げられ、蓄熱部での蓄熱が偏ったものになることも防止される。さらに施工もしやすくなる。
請求項5の発明においては、さらに
(10)給排気孔を、炉内側においてバーナーノズルの軸芯線に向かって3〜15度傾けて設けたので、火炎の浮き上がりを防止しつつ、炉幅方向中心部まで火炎を到達させることが可能となり、炉幅方向における1次燃焼火炎と2次燃焼用空気との混合がより均等に近い状態で起こり、炉温分布がより一層フラットになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる蓄熱式バーナーの実施例を示す縦断面図。
【図2】本発明に関わる蓄熱式バーナーの実施例を炉内側からみた場合の正面図。
【図3】他の実施例における給排気孔の断面図。
【図4】本発明に関わる蓄熱式バーナーを備えた加熱炉炉幅の断面図。
【図5】バーナーからの距離と炉内火炎温度を示す図。
【図6】本発明に関わる蓄熱式バーナーの第2の実施例を示す縦断面図。
【図7】従来技術を示す蓄熱式バーナーを備えた工業炉の炉幅断面図。
【符号の説明】
1:保炎器 2:バーナーヘッド
3:蓄熱体 4:蓄熱部
5:給排気管 6:排熱回収管
7:燃料配管 8:1次燃焼用空気配管
9:バーナーノズル 10:バッフル
11:1次燃焼ポート 12:給排気孔
13:高温空間部 14:低温空間部
15:加熱炉炉壁 16:A側蓄熱式バーナー
17:B側蓄熱式バーナー 18:伝熱部
19:バーナータイル 20:高温空間部側開口
21:炉内側開口 22:絞り部
23:炉内
Claims (5)
- バッフル内に1次燃焼ポートを形成し、該1次燃焼ポートの上流側に蓄熱体を充填した蓄熱部を設け、燃料供給管の外周に1次燃焼用空気供給管を設けてなるバーナーノズルを、前記蓄熱部を貫通して配設し、該バーナーノズルの開口部を前記1次燃焼ポートに臨ませると共に、前記蓄熱部の高温側及び低温側にそれぞれ空間部を設け、高温空間部と炉内を連通する給排気孔を前記バッフルに設け、炉内へ予熱後の2次燃焼用空気を供給及び炉内から排ガスを吸引する如くなし、一方低温空間部には給排気管を接続し、系外から2次燃焼用空気を供給及び熱交換後の排ガスを排気する如くなし、前記蓄熱部を貫通するバーナーノズルが2次燃焼用空気の流れ方向と交差することを特徴とする蓄熱式バーナー。
- 前記給排気孔を、前記1次燃焼ポートの上方に設けたことを特徴とする請求項1記載の蓄熱式バーナー。
- 前記バッフルに設けた給排気孔の、高温空間部側開口の直径を炉内側開口の直径よりも大きくし、且つ給排気孔の直径を高温空間部側から炉内側に向かって漸減するように構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の蓄熱式バーナー。
- 前記バッフルに設けた給排気孔の直径を、高温空間部側開口から炉内側に向かって漸減して絞り部を構成し、さらに該絞り部から炉内側開口に向かって給排気孔の直径を拡大して構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の蓄熱式バーナー。
- 前記給排気孔を、炉内側において前記バーナーノズルの軸芯線に向かって3〜15度傾けて設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の蓄熱式バーナー。
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