JPH09176845A - スパッタ装置 - Google Patents

スパッタ装置

Info

Publication number
JPH09176845A
JPH09176845A JP7336748A JP33674895A JPH09176845A JP H09176845 A JPH09176845 A JP H09176845A JP 7336748 A JP7336748 A JP 7336748A JP 33674895 A JP33674895 A JP 33674895A JP H09176845 A JPH09176845 A JP H09176845A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
target material
vibration
target
substrate
sputtering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP7336748A
Other languages
English (en)
Inventor
Nobuaki Mitamura
宣明 三田村
Takeshi Kawamata
健 川俣
Hiroshi Ikeda
浩 池田
Nobuyoshi Toyohara
延好 豊原
Toshiaki Oimizu
利明 生水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP7336748A priority Critical patent/JPH09176845A/ja
Publication of JPH09176845A publication Critical patent/JPH09176845A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ターゲット材料のエロージョンを小さい段階
で解消し、ターゲット材料の利用効率、装置の稼働率等
を向上したスパッタ装置を提供すること。 【解決手段】 真空チャンバー2の内部には、薄膜を形
成する対象となる基板22と、顆粒状の材料からなるタ
ーゲット材料9と、このターゲット材料9を収納するタ
ーゲット収容皿12と、この皿12に振動を伝える振動
伝達棒13とを設け、外部にはターゲット材料9の平坦
化手段としての振動発生装置16を設ける。スパッタリ
ング中あるいはその前に振動発生装置16を振動させ、
この振動を振動伝達棒13およびターゲット収容皿12
を介してターゲット材料9に伝達し、上記顆粒状の粒子
を移動させてターゲット材料9を平坦化し、その結果不
均一な消耗は解消される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レンズや液晶表示
装置用ガラスなどの基板の表面に薄膜を形成するスパッ
タ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、このような基板の表面に薄膜
を形成する方法として、磁界を用いたマグネトロンスパ
ッタ法やイオンビームを用いたイオンビームスパッタ法
に代表されるスパッタ法が検討されてきた。このスパッ
タ法を用いると、基板を加熱せずにこの表面に密着性の
優れた薄膜を形成できるためプラスチック等の耐熱性の
低い材料を基板とすることができる。また、成膜中の監
視を行う必要がないため装置の自動化が容易である。
【0003】ところで、このスパッタ法では、基板の表
面に形成する薄膜の材料としてターゲット材料と呼ばれ
るものが用いられるが、このターゲット材料は、通常銅
製のバッキングプレートにインジウムなどの金属でボン
ディングされ、板状に形成されている。そして、この板
状に形成されたターゲット材料を磁界あるいはイオンビ
ームでスパッタリングさせて基板の表面に薄膜を形成し
ている。(例えば、特公昭59−22788号公報参
照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、板状のターゲ
ット材料を用いて、スパッタ法で基板に薄膜を形成する
と、次のような問題が生じていた。磁界を用いたマグネ
トロンスパッタ法では、マグネットの取り付け位置や形
状に起因して磁界の分布に強弱が生じてしまう。また、
イオンビームを用いたイオンビームスパッタ法では、イ
オンガンの径方向の電流密度の違いに起因してイオンビ
ームの照射密度に強弱が生じてしまう。そのため、板状
のターゲット材料は不均一にスパッタリングされて、そ
の表面にエロージョン(erosion) と呼ばれる局部的な消
耗が発生する。このエロージョンが進むと、スパッタリ
ングの状態が変化して、基板上に形成される薄膜の成膜
速度や膜厚分布が不均一になるなどの支障となる。その
結果、基板の表面に均一な薄膜を形成するために、ひん
ぱんにターゲット材料を交換する必要が生じる。
【0005】これではターゲット材料の利用効率が悪い
ばかりでなく、自動化された連続式のスパッタ装置など
では、ターゲット材料の交換の度に装置を停止しなけれ
ばならず、稼働率が低下する。本発明は、かかる従来の
問題点に鑑みてなされたもので、ターゲット材料のエロ
ージョンを小さい段階、つまり成膜速度や膜厚分布に悪
影響を及ぼさない段階で解消し、ターゲット材料の寿命
を延ばしてその利用効率を上げ、装置の稼働率が高いス
パッタ装置を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のスパッタ装置
は、顆粒状の材料よりなるターゲット材料の収納部材
と、この収納部材に収納された上記ターゲット材料を振
動させる振動伝達手段とを有する。すなわち、本発明で
はターゲット材料として板状の材料ではなく顆粒状の材
料を用い、振動伝達手段により上記ターゲット材料の収
納部材に収納された顆粒状の材料に振動を与えることに
より、不均一に消耗した前記ターゲット材料の表面を簡
単に平坦化させるものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態例)本発明の第1の実施形態例を、図1
から図3を用いて説明する。図1は基板に薄膜を形成す
る前のマグネトロンスパッタ装置の断面図、図2は基板
に薄膜を形成した状態を示すマグネトロンスパッタ装置
の断面図、図3は装置内部に収容されたターゲット材料
に振動を与えている状態を示すマグネトロンスパッタ装
置の断面図である。
【0008】マグネトロンスパッタ装置1は、図1に示
すように、成膜時にその内部を真空にする真空チャンバ
ー2を本体として備えている。この真空チャンバー2は
導電性材料で形成され、リード線3によってアースされ
ている。また、この真空チャンバー2の内部下方には複
数のマグネット4からなる磁界発生部を固定した箱状の
マグネトロンカソード5を収容している。このマグネト
ロンカソード5は導電性材料で形成されている。
【0009】また、マグネトロンカソード5の下方に
は、同じく導電性材料からなる支持部材6が取り付けら
れ、この支持部材6は絶縁体7を介して真空チャンバー
2に固定されている。支持部材6は高周波(以下、RF
という)電源8に接続され、このRF電源8は真空チャ
ンバー2と電気的に接続するためアースされている。こ
のようにマグネトロンカソード5の電源としてRF電源
8を用いることにより、絶縁物をターゲット材料とする
スパッタリングが可能となる。
【0010】上部に開口部が形成されたマグネトロンカ
ソード5の上方には、ターゲット材料9を冷却するため
の銅製のバッキングプレート10が固定されている。こ
のバッキングプレート10は、図示しない冷却水供給源
から供給される冷却水を収容する空間11を内部に有し
ている。このバッキングプレート10の上面は平らに形
成され、その上に底部が平らで上方に開口部を有する絶
縁物からなるターゲット収容皿12が、上記バンキング
プレート10と密着しつつも固定されない状態で載って
いる。このターゲット収容皿12には、顆粒状に形成さ
れたターゲット材料9が収容される。
【0011】ここで、顆粒状の材料とは、従来用いられ
ていた板状の材料とは異なり、互いに独立して移動しう
る複数の粒子の集合体を指し、その粒子の形状や大き
さ、材質などは特に限定されるものではない。ターゲッ
ト収容皿12の側壁の外周面には、このターゲット収容
皿12に振動を伝える円筒状の振動伝達棒13の一端が
取り付けられている。この振動伝達棒13はこれ自体が
スパッタリングされないように導電性材料である銅で作
られ、リード線14によって真空チャンバー2にアース
されている。この振動伝達棒13は、真空チャンバー2
の側壁を貫通して外まで延び、その貫通部に弾性を有す
るバイトン製のOリング15を設けることにより、後述
する振動発生装置16で発生した振動をターゲット収容
皿12に伝達し得るとともに、真空チャンバー2内を気
密に保持している。
【0012】この振動伝達棒13の他端には、ターゲッ
ト材料9の平坦化手段としての振動発生装置16が取り
付けられる。この振動発生装置16は、外枠であるハウ
ジング17と、このハウジング17の内壁面に固定治具
18を介して強固に固定された電磁モータ19と、この
電磁モータ19の回転軸20の先端に固定した金属製の
円筒部材21とから構成される。この円筒部材21は、
その中心点からずらした位置、いわゆるダイナミックバ
ランスを意図的にずらした位置で回転軸20に取り付け
ている。
【0013】薄膜を形成する対象となる基板22は、基
板ホルダー23に保持されて真空チャンバー2の上部内
壁であって、ターゲット材料9と対向する位置に固定さ
れる。次に、このマグネトロンスパッタ装置1を用いて
基板上に薄膜を形成する方法について説明する。
【0014】まず、ターゲット収容皿12には顆粒状に
形成されたターゲット材料9を投入し、基板ホルダー2
3には基板22を取り付ける。次に、真空チャンバー2
内を不図示の真空ポンプにより、圧力が1×10-3Pa
以下の真空になるまで排気する。その後、不図示のガス
導入系からアルゴン(Ar)ガスを真空チャンバー2内
に導入し、圧力が5×10-1Pa程度になるようにす
る。ここで、RF電源8からマグネトロンカソード5に
RF電力を100〜300W程度投入すると、ターゲッ
ト材料9と基板22との間のターゲット材料9の表面近
傍にArプラズマが発生し、このプラズマ中のArイオ
ンによりターゲット材料9がスパッタリングされる。そ
の結果、ターゲット材料9から飛び出した粒子は基板2
2表面に堆積して薄膜24が形成される(図2参照)。
最後に真空チャンバー2をリークし、基板22を基板ホ
ルダー23から取り外し、一枚の基板に対する成膜作業
が終了する。
【0015】通常の成膜作業では、厚い膜を得るために
長時間連続してスパッタリングを行ったり、多数の基板
22に薄膜24を形成するために、基板22を取り替え
て何回もスパッタリングを繰り返す。この時、ターゲッ
ト材料9をそのまま使い続けたのでは、板状のターゲッ
ト材料を用いた時に局部的なエロージョンが発生したの
と同様に、図2に示すように、顆粒状のターゲット材料
9が不均一に消耗してしまう。
【0016】そこで、図3に示すように、振動発生装置
16により振動を発生させる。ここで振動を発生する機
構について詳述すると、まず電磁モータ19を駆動する
ことにより円筒部材21を回転させる。すると円筒部材
21は慣性質量の略中心を中心として回転するので、回
転軸20は前記慣性質量の略中心の周りを回転すること
になる。従って、その反動として電磁モータ19がこの
回転と反対回りの加速度を受けて円形に振動し、この振
動が固定治具18、およびハウジング17を介して振動
発生装置16全体の振動となる。
【0017】この振動発生装置16で発生した振動は、
振動伝達棒13及びターゲット収容皿12を介してター
ゲット材料9に伝えられる。その結果、ターゲット材料
9を構成する顆粒状の粒子は移動し、ターゲット材料9
の表面は平坦化されて不均一な消耗が解消される。な
お、ターゲット材料9を振動させるタイミングはスパッ
タリング前でも、スパッタリング中でも、その両方のタ
イミングで行ってもよい。少なくともスパッタリング中
に振動させる場合には、この振動は連続的に与えてもよ
いし、ターゲット材料9の消耗の程度に応じて間欠的に
与えてもよい。また、電磁モータ19をハウジング17
の中に回転軸20が水平になるように取り付けてもよ
い。更に、ターゲット材料9の厚さは消耗の分だけ減少
することになるが、少なくともターゲット収容皿12の
全面に1層以上敷き詰められる程度に有ればスパッタリ
ングは可能であるから、予めターゲット収容皿12に十
分の量のターゲット材料9を収容しておけば、その減少
量は無視できる。
【0018】本発明の第1の実施形態例によれば、ター
ゲット材料9の不均一な消耗を解消しつつ成膜を行うこ
とができるので、成膜作業を連続して行っても膜厚分布
が不均一に形成されてしまう心配がない。よって、ター
ゲット材料9を頻繁に交換する必要がないので、ターゲ
ット材料9の利用効率を大幅に向上でき、装置の稼働率
も高くなり、また膜厚分布も均一にすることができる。
【0019】また、顆粒状の材料に振動を与えると、形
状の小さい粒子、例えばスパッタリングにより小さくな
った粒子が下方に移動するので、上記ターゲット材料の
表面には常に形状のそろった粒子が並ぶことになる。そ
の結果、成膜速度や膜厚分布なども更に安定するという
作用もある。更に、マグネトロンカソード5を用いてい
るので、ターゲット材料9は導電性であると絶縁性であ
るとを問わない。そのため、酸化物、フッ化物、窒化
物、金属、有機ポリマー等のスパッタリングが可能とな
る。
【0020】なお、本実施形態例ではターゲット材料9
の表面の不均一な消耗を解消するために、振動発生装置
16で発生した振動を伝達するものと説明した。しか
し、必要に応じて、人為的に振動伝達棒13を操作者が
手で振動させるようにしてもよい。 (第2実施形態例)本発明の第2の実施形態例を図4を
用いて説明する。図4は装置内部に収容されたターゲッ
ト材料に振動を与えている状態を示すマグネトロンスパ
ッタ装置の断面図である。以下、第1実施形態例と同一
の部材には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0021】マグネトロンカソード5の支持部材6には
直流電源26の負極に接続され、この直流電源26の正
極は真空チャンバー2と電気的に接続するためアースさ
れている。このように直流電源26を用いるために、タ
ーゲット収容皿12は導電性材料で構成する。そのた
め、このターゲット収容皿12は同じく導電性材料から
なる振動伝達棒13に対して絶縁物75を介して取り付
けられている。そのことによって、マグネトロンカソー
ド5に加えた負の電位がリード線14を通じてアースさ
れることを防止している。
【0022】また、振動発生装置16のハウジング17
の中には電磁コイル27が固定治具28を介して固定さ
れている。この電磁コイル27の中心にはその一端が電
磁コイル27よりも突出しているコア29が埋設されて
いる。このコア29の突出された端部とわずかに離れた
位置、つまりこのコア29が磁気を帯びたときにコア2
9に密着可能な位置に、金属板31がある。この金属板
31はコア29の軸方向に摺動できるようにガイド30
にて保持され、コア29が励磁されていない時にはコア
29から離反する方向にバネ32により付勢されてい
る。
【0023】次に、振動発生装置16により振動を発生
する機構について詳述すると、まず不図示の交流電源よ
り電磁コイル27に交流電流を流すとコア29の極性が
周期的に反転する。コア29がN極かS極に励磁された
時には、金属板31がコア29に吸引され、コア29の
磁極が変化する時には、コア29の吸引力が解除され、
バネ32により金属板31がコア29より離反される。
その結果、金属板31は、コア29に対して交流電流の
周期の2倍の周期で磁力による吸引・離反を繰り返し、
コア22の長手方向に振動するようになる。
【0024】その他の構成は、第1実施形態例と同様で
ある。本発明の第2の実施形態例によっても、第1の実
施形態例と同様の作用効果を得ることができる。また、
導電性物質をターゲット材料とするスパッタリングであ
れば、このように、安価で構造の簡単な直流電源26を
用いることができる。 (第3実施形態例)本発明の第3の実施形態例を図5か
ら図7を用いて説明する。図5は基板に薄膜を形成する
前のイオンビームスパッタ装置の断面図、図6は基板に
薄膜を形成した状態を示すイオンビームスパッタ装置の
断面図、図7は装置内部に収容されたターゲット材料に
振動を与えている状態を示すイオンビームスパッタ装置
の断面図である。
【0025】イオンビームスパッタ装置51は、図5に
示すように、成膜時にその内部を真空にする真空チャン
バー52を本体として備えている。この真空チャンバー
52の内部下方には、ターゲット材料53を冷却するた
めの銅製のバッキングプレート54が支持部材55を介
して真空チャンバー52に固定されている。このバッキ
ングプレート54は、図示しない冷却水供給源から供給
される冷却水を収容する空間56を内部に有している。
【0026】このバッキングプレート54の上面は平ら
で、かつ外縁にガイド部70が形成されている。その上
に底部が平らで上方に開口部を有し、上記ガイド部70
の内面よりわずかに小さな外周面を有するターゲット収
容皿57が、上記バッキングプレート54と密着しつつ
も固定されない状態で載っている。上記ガイド部70に
よりターゲット収容皿57は、バッキングプレート54
からの脱落を防止されている。このターゲット収容皿5
7には、顆粒状に形成されたターゲット材料53が収容
される。
【0027】このターゲット収容皿57の側壁の外周面
には、このターゲット収容皿57に振動を伝える断面四
角形の振動伝達棒58の一端が取り付けられている。こ
の振動伝達棒58の他端の上部には、振動発生装置59
が取り付けられる。この振動発生装置59は、振動伝達
棒58に固定された真空モータ74と、この真空モータ
74の回転軸60の先端に固定した金属製の円筒部材6
1と、振動伝達棒58の下方に固定されたバランサとし
て作用するバイトン製の弾性体62とから構成される。
この円筒部材61は、その中心点からずらした位置、い
わゆるダイナミックバランスを意図的にずらした位置で
回転軸60に取り付けている。また、真空モータ74を
駆動させるための電力は真空チャンバー52の側壁面に
気密に形設された端子台71を介して図示しない外部の
交流電源から供給される。
【0028】また、真空チャンバー52の側壁内部には
カウフマン型のイオンガン63が、斜め上方からターゲ
ット材料53に向けてイオンを出射するように固定され
る。さらに、薄膜を形成する対象となる基板64は、タ
ーゲット材料53の略中央で通る線に対してイオンガン
63と線対称の位置に、基板ホルダー65に保持されて
真空チャンバー52の側部内壁に固定される。
【0029】次に、このイオンビームスパッタ装置51
を用いて基板上に薄膜を形成する方法について説明す
る。まず、ターゲット収容皿57には顆粒状に形成され
たターゲット材料53を投入し、基板ホルダー65には
基板64を取り付ける。次に、真空チャンバー52内を
不図示の真空ポンプにより、圧力が5×10-4Pa以下
の真空になるまで排気する。その後、イオンガン63に
アルゴン(Ar)ガスを導入し、電力を1kW程度かけ
てイオンガン63を動作させる。すると、イオンガン6
3からターゲット材料53に向けてArイオンが照射さ
れ、このArイオンによりターゲット材料53がスパッ
タリングされる。その結果、ターゲット材料53から飛
び出した粒子は基板64表面に堆積して薄膜66が形成
される(図6参照)。最後に真空チャンバー52をリー
クし、基板64を基板ホルダー65から取り外し、一枚
の基板に対する成膜作業が終了する。
【0030】通常の成膜作業では、厚い膜を得るために
長時間連続してスパッタリングを行ったり、多数の基板
64に薄膜66を形成するために、基板64を取り替え
て何回もスパッタリングを繰り返す。この時、ターゲッ
ト材料53をそのまま使い続けたのでは、板状のターゲ
ット材料を用いた時に局部的なエロージョンが発生した
のと同様に、図6に示すように、顆粒状のターゲット材
料53が不均一に消耗してしまう。
【0031】そこで、図7に示すように、振動発生装置
59により振動を発生させる。ここで振動を発生する機
構について詳述すると、まず真空モータ59を駆動する
ことにより円筒部材61を回転させる。すると円筒部材
61は慣性質量の略中心を中心として回転するので、回
転軸60は前記慣性質量の略中心の周りを回転すること
になる。従って、その反動として真空モータ59がこの
回転と反対回りの加速度を受けて円形に振動し振動発生
装置59全体の振動となる。
【0032】この振動発生装置59で発生した振動は、
振動伝達棒58及びターゲット収容皿57を介してター
ゲット材料53に伝えられる。その結果、ターゲット材
料53を構成する顆粒状の粒子は移動し、ターゲット材
料53の表面は平坦化されて不均一な消耗が解消され
る。なお、ターゲット材料53を振動させるタイミング
はスパッタリング前でも、スパッタリング中でも、その
両方のタイミングで行ってもよい。
【0033】本発明の第3の実施形態例によれば、本発
明に係るスパッタ装置がイオンビームスパッタ装置にお
いても具現化し得る。また、振動発生装置59を真空チ
ャンバー52の内部に設けたので、この真空チャンバー
52の高真空状態の維持がより容易となる。 (第4実施形態例)本発明の第4の実施形態例を図8を
用いて説明する。図8は基板に薄膜を形成する前のイオ
ンビームスパッタ装置の断面図である。以下、第3実施
形態例と同一の部材には同一の番号を付し、その説明を
省略する。
【0034】振動発生装置72は、バッキングプレート
54の下部に固定された複数のランジュバン振動子73
と、この振動子73を発振させるための図示しない超音
波発振器から構成される。ランジュバン振動子73は、
圧電体を用いた振動子である。その他の構成は、第3実
施形態例と同様である。
【0035】ランジュバン振動子73は、超音波発振器
から10kHz〜100kHz程度の周波数の電力を供
給されて振動する。この振動子73で発生した振動は、
バッキングプレート54及びターゲット収容皿57を介
してターゲット材料53に伝えられる。その結果、ター
ゲット材料53を構成する顆粒状の粒子は移動し、ター
ゲット材料53の表面は平坦化されて不均一な消耗が解
消される。
【0036】本発明の第4の実施形態例によれば、ター
ゲット収容皿57の下部に直接振動発生装置72を設け
ているので、スパッタ装置の小型化が可能となる。ま
た、ターゲット材料53への振動の伝達が確実であり、
振動周波数を変更することで振動量を容易に調整し得る
スパッタ装置を提供することもできる。 (その他の実施形態例)以上の実施形態例の説明では、
マグネトロンスパッタ法とイオンビームスパッタ法につ
いて説明したが、本発明はそれに限定されず他のスパッ
タ法、例えば3極スパッタ法や反応性スパッタ法にも適
用が可能であることは勿論である。
【0037】またターゲット材料としては、石英(Si
2 )、二酸化チタン(TiO2 )、酸化ジルコニウム
(ZrO2 )、インジウム・スズ酸化物(I. T. O.
)等の酸化物、フッ化マグネシウム(MgF2 )等の
フッ化物、窒化ケイ素(Si34 )等の窒化物、アル
ミニウム(Al)、タングステン(W)等の金属、また
はテフロン、ポリイミドなどの有機ポリマーを用いるこ
とができる。
【0038】更に基板としては、シリコン単結晶等の半
導体材料、ガラスやプラスチックで構成されたレンズ、
プリズム、フィルター等の光学部品、液晶表示基板、光
ディスク等の記録媒体など、特に限定されない。尚、第
1実施形態例では、電磁モータ19をハウジング17内
に回転軸20が水平になるように取り付けたが、垂直の
方向に取り付けてもよい。
【0039】また、第4実施形態例ではランジュバン振
動子73を例示したが、圧電素子を用いたその他の振動
発生手段としては、ジルコン酸チタン酸鉛からなる厚さ
数十ミクロンの薄板の圧電素子を数百枚積層した積層型
圧電アクチュエータがある。
【0040】
【実施例】実施例として、具体的な数値を例示して上記
実施形態例の説明を補足する。 (第1実施例)第1実施形態例として示したマグネトロ
ンスパッタ装置に、石英(SiO2 )のターゲット材料
を用いてスパッタリングを行う場合は、以下の条件によ
って構成することができる。
【0041】条件;ターゲット材料の粒径:1mm ターゲット収容皿の材質:石英(SiO2 ) ターゲット収容皿の直径:4インチ ターゲット収容皿の深さ:5mm 基板:シリコン単結晶 基板の直径:4インチ ターゲット材料と基板との間隔:75mm RF電力:1.2〜3.7W/cm2 電磁モータ回転数:100回/分 (第2実施例)第2実施形態例として示したマグネトロ
ンスパッタ装置に、タングステン(W)のターゲット材
料を用いてスパッタリングを行う場合は、以下の条件に
よって構成することができる。
【0042】条件;ターゲット材料の粒径:0.5mm ターゲット収容皿の材質:タングステン(W) ターゲット収容皿の直径:4インチ ターゲット収容皿の深さ:5mm 基板:ガラス基板 基板の直径:4インチ ターゲット材料と基板との間隔:75mm 直流電圧:1000V 金属板振動:500回/分 (第3実施例)第3実施形態例として示したイオンビー
ムスパッタ装置に、アルミナ(Al23 )のターゲッ
ト材料を用いてスパッタリングを行う場合は、以下の条
件によって構成することができる。
【0043】条件;ターゲット材料の粒径:2mm ターゲット収容皿の材質:アルミナ(Al2 3 ) ターゲット収容皿の直径:4インチ ターゲット収容皿の深さ:10mm 基板:ガラス基板 基板の直径:4インチ ターゲット材料と基板との間隔:75mm イオンガン電力:1kW 真空モータ回転数:60回/分 (第4実施例)第4実施形態例として示したイオンビー
ムスパッタ装置に、フッ化マグネシウム(MgF2 )の
ターゲット材料を用いてスパッタリングを行う場合は、
以下の条件によって構成することができる。
【0044】条件;ターゲット収容皿の材質:アルミナ
(Al2 3 ) ターゲット収容皿の直径:4インチ ターゲット収容皿の深さ:3mm 基板:光学レンズ(硝材はBK7) 基板の直径:20mm ターゲット材料と基板との間隔:100mm イオンガン電力:1kW 振動子の振動周波数:40kHz
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明のスパッタ装置によ
れば、顆粒状の材料よりなるターゲット材料の収納部材
と、この収納部材に収納された上記ターゲット材料を振
動させる振動伝達手段とを有しているので、ターゲット
材料のエロージョンを成膜速度や膜厚分布に悪影響を及
ぼさない段階で解消し、ターゲット材料の寿命を延ばし
てその利用効率を上げ、装置の稼働率が高くすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態例における基板に薄膜を形成する
前のマグネトロンスパッタ装置の断面図である。
【図2】第1実施形態例における基板に薄膜を形成した
状態を示すマグネトロンスパッタ装置の断面図である。
【図3】第1実施形態例における装置内部に収容された
ターゲット材料に振動を与えている状態を示すマグネト
ロンスパッタ装置の断面図である。
【図4】第2実施形態例における装置内部に収容された
ターゲット材料に振動を与えている状態を示すマグネト
ロンスパッタ装置の断面図である。
【図5】第3実施形態例における基板に薄膜を形成する
前のイオンビームスパッタ装置の断面図である。
【図6】第3実施形態例における基板に薄膜を形成した
状態を示すイオンビームスパッタ装置の断面図である。
【図7】第3実施形態例における装置内部に収容された
ターゲット材料に振動を与えている状態を示すイオンビ
ームスパッタ装置の断面図である。
【図8】第4実施形態例における基板に薄膜を形成する
前のイオンビームスパッタ装置の断面図である。
【符号の説明】
2、52 真空チャンバー 8 RF電源 9、53 ターゲット材料 12、57 ターゲット収容皿 13、58 振動伝達棒 16、59 振動発生装置 22、64 基板 24、66 薄膜 26 直流電源 63 イオンガン 73 ランジュバン振動子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊原 延好 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 生水 利明 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顆粒状の材料よりなるターゲット材料の
    収納部材と、この収納部材に収納された上記ターゲット
    材料を振動させる振動伝達手段とを有することを特徴と
    するスパッタ装置。
JP7336748A 1995-12-25 1995-12-25 スパッタ装置 Withdrawn JPH09176845A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7336748A JPH09176845A (ja) 1995-12-25 1995-12-25 スパッタ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7336748A JPH09176845A (ja) 1995-12-25 1995-12-25 スパッタ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09176845A true JPH09176845A (ja) 1997-07-08

Family

ID=18302360

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7336748A Withdrawn JPH09176845A (ja) 1995-12-25 1995-12-25 スパッタ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09176845A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002500413A (ja) * 1997-12-31 2002-01-08 ラム リサーチ コーポレーション 電力供給された非磁性金属部材をプラズマac励起源とプラズマの間に含むプラズマ装置
JP2007146272A (ja) * 2005-01-28 2007-06-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd Pvd法による成膜方法及びpvd法に用いる成膜用ターゲット
US8419911B2 (en) 2005-01-28 2013-04-16 Panasonic Corporation Deposition method by physical vapor deposition and target for deposition processing by physical vapor deposition
KR20210136479A (ko) * 2020-05-07 2021-11-17 주식회사 소로나 파우더 코팅 방법 및 장치

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002500413A (ja) * 1997-12-31 2002-01-08 ラム リサーチ コーポレーション 電力供給された非磁性金属部材をプラズマac励起源とプラズマの間に含むプラズマ装置
JP2007146272A (ja) * 2005-01-28 2007-06-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd Pvd法による成膜方法及びpvd法に用いる成膜用ターゲット
JP4651547B2 (ja) * 2005-01-28 2011-03-16 パナソニック株式会社 Pvd法による成膜方法及びpvd法に用いる成膜用ターゲット
US8419911B2 (en) 2005-01-28 2013-04-16 Panasonic Corporation Deposition method by physical vapor deposition and target for deposition processing by physical vapor deposition
KR20210136479A (ko) * 2020-05-07 2021-11-17 주식회사 소로나 파우더 코팅 방법 및 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0175924B1 (ko) 기판 피막 장치
JPH10321595A (ja) プラズマ処理装置
WO2005028699A1 (en) Apparatus for low temperature semiconductor fabrication
KR102119634B1 (ko) 기판 상에서의 균일한 금속화를 위한 방법 및 장치
JPH09176845A (ja) スパッタ装置
JPH10251849A (ja) スパッタリング装置
JP4213777B2 (ja) スパッタリング装置及び方法
KR101127259B1 (ko) 역 바이어스 대향 타깃 스퍼터링
JP2004162138A (ja) プラズマ支援スパッタ成膜装置
US20030044529A1 (en) Method of depositing thin film
JPH0529270A (ja) マグネトロンプラズマ処理装置
JPH06322534A (ja) 薄膜形成方法及び薄膜形成装置
US11728226B2 (en) Deposition system and method
JP4321308B2 (ja) プラズマ発生方法及び装置
TWI784223B (zh) Ecr濺鍍用靶材及成膜裝置以及成膜對象物之製造方法
JP4137198B2 (ja) スパッタリング装置
JP2003234339A (ja) プラズマ処理装置、プラズマ処理装置のパーティクル除去方法
JPS63153265A (ja) スパツタ装置
JPS5831076A (ja) 物理的蒸着法による被膜形成方法及びその装置
KR20070074020A (ko) 스퍼터링 증착 장치 및 스퍼터링 증착 방법
JP2002086068A (ja) 超音波振動ユニット、超音波洗浄装置、および超音波洗浄方法
JPH11302840A (ja) スパッタ装置
JP2005226153A (ja) プラズマ支援スパッタ成膜装置
JP2003188145A (ja) プラズマ処理装置
US20060231384A1 (en) Back-biased face target sputtering

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030304