JPH09176441A - グラフト共重合体樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

グラフト共重合体樹脂組成物の製造方法

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JPH09176441A
JPH09176441A JP7342089A JP34208995A JPH09176441A JP H09176441 A JPH09176441 A JP H09176441A JP 7342089 A JP7342089 A JP 7342089A JP 34208995 A JP34208995 A JP 34208995A JP H09176441 A JPH09176441 A JP H09176441A
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JP
Japan
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graft copolymer
polymerization
parts
monomer
rubbery polymer
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JP7342089A
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English (en)
Inventor
Hiroki Kashiwagi
浩樹 柏木
Akiko Goto
昭子 後藤
Shigeto Ishiga
成人 石賀
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ゴム質重合体ラテックスの存在下、芳香族ビニ
ル単量体、シアン化ビニル単量体及びこれらと共重合可
能な単量体との混合物を乳化グラフト重合させ、次いで
酸化防止剤を添加することによって、生産性に優れ、耐
衝撃性及び外観に優れ、耐衝撃性樹脂材料として使用さ
れるグラフト共重合体樹脂組成物の製造方法を提供す
る。 【解決手段】ゴム質重合体ラテックスの存在下に、芳香
族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体及びこれらと共
重合可能な単量体との混合物を、重合開始剤によって乳
化グラフト重合させ、次いで酸化防止剤を添加する樹脂
組成物の製造方法において、レドックス系開始剤を使用
し、特定量の過酸化物と特定比率の補助還元剤を用い、
重合終了後5時間以内に酸化防止剤を添加することを特
徴とするグラフト共重合体樹脂組成物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グラフト共重合体
樹脂組成物の製造方法に関する。さらに詳しくは、ゴム
質重合体ラテックスの存在下、芳香族ビニル単量体、シ
アン化ビニル単量体及びこれらと共重合可能な単量体と
の混合物を乳化グラフト重合させ、次いで酸化防止剤を
添加することによって、生産性に優れ、そして耐衝撃性
及び外観に優れ、それ自身が耐衝撃性樹脂材料として使
用されるばかりでなく、他の樹脂に配合して耐衝撃性の
樹脂組成物をつくるのにも有用なグラフト共重合体樹脂
組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】耐衝撃性樹脂を得る方法の一つとしてグ
ラフト共重合方法は周知のものであって、ゴム質重合体
(例えば、共役ジエン重合体のラテックス)の存在下
に、樹脂質重合体を与えるべき単量体(例えば、スチレ
ン+アクリロニトリル)を重合させることによって製造
されるグラフト共重合体樹脂組成物は、耐衝撃性樹脂と
して賞用されている。これらのうちでは、アクリロニト
リル/ポリブタジエン/スチレンからなるグラフト共重
合体は、ABS樹脂として著名である。
【0003】しかしながら、これらのABS樹脂等にお
いては、ゴム質重合体の成分としてブタジエンやアクリ
ロニトリル成分を含んでいるため、熱、光等の外的要因
で耐衝撃性や外観の低下を起こし易い。これらの性質に
おいて優れた樹脂を得るため、ABS樹脂自体として種
々の検討がなされている他に、特定の種類の酸化防止剤
を添加する方法(特開平1-245044号公報、特開平2-4748
9号公報等)等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法は上記の問題に対して、それなりに解決を与える
ものとして有意義なものと言い得るが、実際の製造にお
ける問題点、即ち、重合終了後の加熱等の外的要因によ
る、耐衝撃性あるいは外観の低下が起こるということに
関しては、本発明者らが知る限りでは、まだ満足できる
ものではなかった。本発明は、上記現状に鑑み、生産性
に優れ、そして耐衝撃性及び外観に優れたグラフト共重
合体樹脂組成物の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達し
た。即ち、ゴム質重合体に、芳香族ビニル単量体、シア
ン化ビニル単量体及びこれらと共重合可能なビニル単量
体よりなる単量体混合物を乳化重合法によりグラフト反
応してなるグラフト共重合体を製造する際に、特定の重
合開始剤を特定の割合で使用し、そして重合終了後、特
定の時間内に酸化防止剤を添加することによって製造さ
れる共重合体樹脂組成物が従来の組成物では得られなか
った優れた耐衝撃性及び外観を有することを見いだし、
本発明に到達したものである。
【0006】本発明の要旨とするところは、以下の通り
である。即ち、本発明は、ゴム質重合体ラテックスの存
在下に、芳香族ビニル単量体40〜80重量%、シアン
化ビニル単量体20〜60重量%、及びこれらと共重合
可能なビニル単量体0〜20重量%からなる単量体混合
物を、重合開始剤によって乳化グラフト重合させ、次い
で酸化防止剤を添加するグラフト共重合体樹脂組成物の
製造方法において、下記(1)〜(4)の条件を充足す
るものであることを特徴とするグラフト共重合体樹脂組
成物の製造方法を提供するものである。
【0007】(1)重合開始剤が、過酸化物と還元剤及
び補助還元剤とを組合せたレドックス系開始剤であるこ
と。 (2)重合開始剤として使用する過酸化物が、単量体混
合物100重量部に対して0.01〜5重量部であるこ
と。 (3)レドックス系開始剤において、過酸化物に対して
補助還元剤のモル比率が0.8以上であること。 (4)乳化グラフト重合終了後5時間以内に、得られた
グラフト共重合体に酸化防止剤を添加すること。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明によるグラフト共重合体樹
脂組成物の製造方法は、ゴム質重合体ラテックスの存在
下に単量体を乳化重合させて得られるグラフト共重合体
の製造方法に関するものである。
【0009】I.グラフト共重合体 (1)一般的説明 グラフト共重合体の常として、「枝」となるべき単量体
がすべて「幹」であるゴム質重合体と結合して「枝」と
なっているものとは限らないが、本発明でいう「グラフ
ト共重合体」も、慣用されているところに従って、その
ような「枝」となっていない「枝」用単量体混合物由来
の重合体の共存を許容するものである。
【0010】1)ゴム質重合体ラテックス <ゴム種>本発明で用いられるゴム質重合体とは、その
ガラス転移温度が常温より低いものであり、具体的に
は、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、
ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−
アクリル酸アルキル共重合体、ブタジエン−メタクリル
酸アルキル共重合体、ポリイソプレン、ポリクロロプレ
ン等の共役ジエン系重合体、アクリル酸アルキル共重合
体やエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピ
レン−非共役ジエン三元共重合体、その他モノオレフィ
ン系弾性体等が挙げられる。このようなゴム質重合体の
ラテックスは、所定の単量体ないしその混合物を水性媒
体中で一時にまたは段階的に乳化重合させることによっ
て製造することができる。本発明では、ゴム質重合体の
ラテックスは、ゴム質重合体のゲル含有率、及びゴム質
重合体の粒子径について以下の公知条件を充足するもの
が好ましい。
【0011】<ゲル含有率>ゴム質重合体は、ゲル含有
率が好ましくは50重量%以上、更に好ましくは60〜
97重量%のものである。ゲル含有率が50重量%未満
では、生成組成物からの成形品はグラフト共重合体が変
形し易くなり、外観等のバランスが損なわれることがあ
る。このような高ゲル含有率のゴム質重合体は、重合温
度等の乳化重合条件、重合反応に使用する重合開始剤の
種類及び添加量、架橋助剤の種類及び添加量を調整する
ことによって製造することができる。
【0012】<ゴム粒子径>ゴム質重合体は、そのラテ
ックス中での重量平均粒子径が、好ましくは0.1〜0.
65μm、更に好ましくは0.15〜0.5μmのものであ
る。ゴム粒子径が、例えば0.1μm未満の小粒子径であ
る場合は、その最終製品である成形品の光沢が優れる等
の有利性はあるものの、反面、最終製品を成形する場合
の成形性(流動性)が低下するとともに、より重要な耐
衝撃性が低下し、このためゴム添加効率の悪化をもたら
す傾向となる。このため、総合的にみる場合、各性能の
比較バランス上不利となることがある。
【0013】一方、ゴム粒子径が例えば0.65μmを越
える大粒子径ゴムを使用した場合は、最終製品である成
形品の光沢低下、あるいは当該樹脂の重要な特性である
剛性の低下を招く上に、より重要な耐衝撃性も低下し、
性能バランスの点で非常に不利となる上に、乳化グラフ
ト重合の際、ラテックスの不安定化を招き、重合中のス
ケール量の増加等の問題が生じる傾向を引き起こす。
【0014】このような本発明に用いる比較的大粒子径
のゴム質重合体ラテックスは、小粒子径のラテックスか
ら、目的粒子径を得るために粒径肥大という操作を行っ
て得たものでもよい。粒径肥大は、公知の方法、例え
ば、ラテックスを一度凍結させてから再溶解する方法、
ラテックスに鉱酸、有機酸等を添加して、ラテックスの
pHを一時的に低下させる方法、ラテックスにせん断力
を加える方法等(特開昭54-133588号公報、特開昭59-20
2211号公報)によって、行うことができる。特にラテッ
クスに、燐酸または無水酢酸を添加する方法が、粒子径
の調整が容易であるので、好ましい。
【0015】粒子径は、上記の範囲に入るのが好ましい
が、ゴム粒子径分布は粒子径分布曲線が単一な山を持つ
いわゆるモノモーダルである必要はなく、複数の山、例
えば2つの山を持つバイモーダルであってもよい。バイ
モーダルの粒子径分布の場合は、その両者のラテックス
を重量平均したゴム粒子径が0.1〜0.65μmの範囲
に入ればよい。
【0016】2)グラフト重合 本発明方法のグラフト共重合体樹脂組成物は、上記のよ
うなゴム質重合体のラテックスの存在下に、芳香族ビニ
ル単量体、シアン化ビニル単量体、及びこれらと共重合
可能な他のビニル単量体混合物を乳化重合法によりグラ
フト重合反応し、次いで酸化防止剤を添加して得られた
ものである。グラフト共重合条件は、本発明所定の要件
を満たす限り、ABS樹脂の製造に慣用されているとこ
ろと本質的には異ならない。
【0017】<単量体>グラフト共重合体を製造する際
用いられる単量体混合物は、芳香族ビニル単量体40〜
85重量%、シアン化ビニル単量体15〜60重量%、
及びこれらと共重合可能なビニル単量体0〜20重量
%、好ましくはそれぞれ45〜80重量%、20〜55
重量%、そして0〜20重量%である。これらの重量比
率範囲より、シアン化ビニル単量体が多くなると、加工
性、及び色調が低下し、少なくなると耐薬品性が低下す
るので好ましくない。
【0018】本発明で用いられる芳香族ビニル単量体と
しては、スチレン、及び側鎖または(及び)核置換スチ
レン(置換基は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、
トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、その他)、例え
ばα−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチ
ルスチレン、m−メチルスチレン、核ハロゲン化スチレ
ン、α−、またはβ−ビニルナフタレン、その他があ
る。これらは、群内または群間で併用してもよい。
【0019】本発明で用いられるシアン化ビニル単量体
としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α
−クロロアクリロニトリル等がある。これらは1種また
は2種以上の混合物であってもよい。単量体混合物に
は、本発明の趣旨を損なわない限り、これらと共重合可
能な共単量体を20重量%以下の少量を併用してもよ
い。このような単量体としては、アクリル酸ないしメタ
クリル酸と炭素数が1〜10の範囲のアルカノールとの
エステル、特にメチルアクリレート及びメチルメタクリ
レート、ジエン単量体、ジビニルベンゼン、(ポリ)ア
ルキレングリコールジ(メタ)アクリレート、その他が
挙げられる。
【0020】<重合開始剤>グラフト重合反応は、過酸
化物と還元剤そして補助還元剤を組み合わせたレドック
ス系重合開始剤の存在下に行う。使用し得る過酸化物と
しては、過硫酸、過酢酸、過フタル酸等の過酸触媒、過
硫酸カリウム等の過酸塩触媒、過酸化水素、過酸化ベン
ゾイル、過酸化クロルベンゾイル、過酸化ナフチル、過
酸化アセチル、過酸化ベンゾイルアセチル、過酸化ラウ
リル等の過酸化物触媒、ヒドロ過酸化t−ブチル等のヒ
ドロ過酸化アルキル等が挙げられ、これらは単独である
いは2種以上を混合して使用できる。過酸化物は、単量
体混合物100重量部に対して、0.01〜5重量部、
好ましくは0.03〜1重量部が使用できる。この範囲
より少なければ、重合の反応速度は著しく遅くなり、実
用に耐えないものとなり、この範囲より多く使用すれ
ば、重合の制御が困難となる上に、重合中の凝固物の量
が増加し、同じく実用に耐えないものとなる。
【0021】還元剤としては、例えば、二価の遷移金
属、好ましくは鉄(II)化合物が使用できる。補助還元
剤としては、例えば、ホルムアルデヒドスルホキシル酸
ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ベンズアルデヒドスル
ホキシル酸ナトリウム、デキストロース等がある。これ
らは所望により、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、
ケイ酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム等のキレート
剤と組み合わせて使用することができる。
【0022】過酸化物と補助還元剤の量比は、補助還元
剤のモル量比が過酸化物1モルに対してモル比で0.8
以上、好ましくは1以上であることが必要である。0.
8未満であると、後述する酸化防止剤をグラフト重合後
に添加しても生成したグラフト共重合体ラテックスをそ
のまま半日以上放置すると、得られる樹脂組成物の最終
製品である成形品において、耐衝撃性の低下、色調の悪
化という問題が発生する。
【0023】<その他の条件>グラフト重合反応は、連
鎖移動剤の存在下に行なうことができる。本発明で用い
られる連鎖移動剤としては特に制限はないが、例えばn
−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、
t−ドデシルメルカプタン等あるいはテルピノレン、α
−メチルスチレンリニアダイマー等が用いられる。グラ
フト重合反応における重合温度条件は、好ましくは50
〜85℃更に好ましくは55〜75℃の範囲が適当であ
る。50℃未満の場合は重合反応速度が小さくて実用的
でなく、また一方85℃を越える場合は一度に凝固物あ
るいは重合反応器に対する付着物の発生量が多くなり、
重合収率の低下および最終製品の品質低下をきたすので
好ましくない。
【0024】その他のグラフト重合条件は、ABS樹脂
の製造に慣用されているところと本質的に異ならない。
グラフト共重合体用単量体は全量を一時に重合系と導入
してもよく、段階的に導入してもよい。また、重合中の
温度を経時的に変化させることもできる。このようにし
て製造された本発明によるグラフト共重合体樹脂組成物
は、下記の要件を充足するものが好ましい。
【0025】<組成物中のゴム質重合体分率>本発明方
法により得られるグラフト共重合体樹脂組成物は、ゴム
質重合体のラテックスの存在下に、芳香族ビニル単量体
等を乳化グラフト重合させて得られるものであることは
前記したところである。このゴム質重合体は、得られる
グラフト共重合体中に、ゴム質重合体の含有率Rが好ま
しくは0.1〜0.8更に好ましくは0.3〜0.7であ
る。0.1未満では生成組成物の耐衝撃性の発現が困難
となり、耐衝撃性向上剤としての効果も減じることとな
り、一方0.8超過では、グラフト重合反応が困難とな
り、ゴム質重合体粒子の凝集等が生じて、生成組成物を
成形する際に成形品の光沢を損なうだけではなく、耐衝
撃性及び剛性も低下する傾向となる。
【0026】<酸化防止剤の添加>本発明方法により得
られるグラフト共重合体樹脂組成物は、ゴム質重合体の
ラテックスの存在下に、芳香族ビニル等を乳化重合して
得られるものであることは前記したところである。本発
明においては、グラフト共重合体のグラフト重合終了
後、5時間以内に好ましくは3時間以内に酸化防止剤を
添加することが必要である。酸化防止剤の添加がグラフ
ト重合終了後、5時間を超過すると、過酸化物と補助還
元剤のモル量比が前述した範囲を満足しても、グラフト
共重合体ラテックスを放置しておいた際に、耐衝撃性の
低下、色調の悪化が起こる。酸化防止剤の添加量は、グ
ラフト共重合体100重量部当たり0.001〜5重量
部が好ましい。この範囲を外れると、酸化防止効果がな
くなったり、物性の低下が起きたりするので好ましくな
い。
【0027】本発明における酸化防止剤は、プラスチッ
ク材料に使用する酸化防止剤と同じものであり、適宜、
市場で入手することができる。本発明で使用するのに適
当な酸化防止剤の具体例のいくつかを、酸化防止剤とし
ての商品名で例示すれば下記の通りである。 「ヒンダードフェノール化合物系酸化防止剤」 IRGANOX 245、IRGANOX 1076、IRGANOX 1010等(チバ・
ガイギー) AO-30、AO-40 等(旭電化) スミライザーBHT、スミライザーGM、等(住友化
学) 「リン化合物系酸化防止剤」 IRGAFOS 168(チバ・ガイギー) PEP−8、PEP−36、329K 等(旭電化) スミライザーP-16 等(住友化学) HCA(三光化学) 「イオウ化合物系酸化防止剤」 スミライザーTL、スミライザーMB 等(住友化学) AO−23、AO−412S 等(旭電化) これらは、1種類でも、群内あるいは群間の2種類以上
のものを組み合わせて使用してもよい。
【0028】グラフト共重合体を配合し、混合混練する
には、公知の混合混練方法によればよい。この際、混練
する温度は、組成物が樹脂焼けを起こさない範囲で適宜
選択するのがよい。粉末、ビード、フレーク、またはペ
レットとなったこれらグラフト共重合体等の1種または
2種以上の混合物は、一軸押出機、二軸押出機、また
は、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、二本ロール等
の混練機等により、組成物とすることができる。また、
場合によっては、重合を終えたこれらのグラフト共重合
体の1種または2種以上のものを未乾燥のまま、混合
し、析出し、洗浄し、乾燥して、混練する方法を採るこ
ともできる。
【0029】本発明に係わる樹脂組成物には、樹脂とし
ての性質を阻害しない種類および量の潤滑剤、離型剤、
可塑剤、着色剤、帯電防止剤、難燃化剤、紫外線吸収
剤、耐光性安定剤、耐熱性安定剤、老化防止剤、充填剤
等の各種樹脂添加剤を、適宜、組み合わせて更に添加す
ることができる。本発明に係わる組成物は、射出成形
法、押出成形法、プレス成形法等の各種加工方法によっ
て、成形品とし、優れた外観、加工性および耐衝撃性が
要求される用途に使用することができる。
【0030】
【実施例】下記の実施例及び比較例は、本発明をさらに
具体的に説明するためのものであるが、本発明はその要
旨を超えない限り、以下の例に限定されるものではな
い。なお、以下の例で「部」、「%」とあるのは「重量
部」、「重量%」を示す。以下の各実施例及び比較例に
おいて、耐衝撃性スチレン系樹脂の物性は、次の方法に
よって測定した。
【0031】(1)アイゾット衝撃強度 JIS K7110に準じて測定した。 (2)メルトフローレイト JIS K7210に準じて、220℃、10kgの条
件で測定し、10分間の流出g数で表示した。 (3)引っ張り強度 JIS K7113に準じて測定した。 (4)VICAT軟化点 JIS K7206に準じて測定した。
【0032】(5)ラテックスの平均粒子径 ラテックスの平均粒子径は、米国コールター社製「N4
S」によって、測定した。 (6)色調 射出成形試験片(厚さ2.5mm、巾75mm、長さ160
mm)の色調をスガ試験機(株)製S&M COLOUR
COMPUTER MODEL SM−4によってW(白
色度)を測定し、以下の式による黄味の度合い(YN:
黄色度)を判定した。 YN=100−W
【0033】実施例1 (1)ゴム質重合体の製造 5L-SUS製オートクレーブに脱イオン水150部、
高級脂肪酸石鹸(炭素数18を主成分とする脂肪酸のナ
トリウム塩)4.0部、水酸化ナトリウム0.075部を
仕込み、窒素置換後68℃に昇温した。1,3-ブタジエン
(BD)90部、スチレン(St)10部とt-ドデシル
メルカプタン(TDM)0.3部よりなる単量体混合物
のうち20%を仕込んだ後、過硫酸カリウム0.135
部を添加した。約数分で発熱が起こり、重合の開始が確
認された。過硫酸カリウムを添加後、1時間後から単量
体混合物の80%の連続仕込みを開始、6時間の時点で
終了した。単量体混合物の添加終了後、温度を80℃ま
で上げ、さらに1時間重合を進めた。得られたゴム質重
合体ラテックスは、固形分濃度39.5%、平均粒子径
0.08μm、ゲル含有量95.0%であった。
【0034】(2)グラフト共重合体の製造 攪拌装置、加熱冷却装置、及び各原料、助剤仕込装置を
備えた容量5Lの反応器に上記ゴム質重合体ラテックス
を無水酢酸を用いて0.25μmと0.65μmに粒径肥
大したものを、固形分としてそれぞれ80部と20部及
び脱イオン水347部(ラテックス中の水分を含む)を
仕込み、70℃に昇温した。昇温の途中60℃で、水2
0部に溶解したピロリン酸ナトリウム1.0部、デキス
トロース0.8部及び硫酸第一鉄0.01部を添加した。
70℃に達した時点で、St70部、アクリロニトリル
(AN)30部、TDM1.1部及びクメンハイドロパー
オキサイド0.5部、不均化ロジン酸カリウム石鹸1.8
部、水酸化カリウム0.37部、脱イオン水35部を2
時間30分かけて添加した。添加終了後、さらに30分
間反応を続け反応を終了した。その後、30分かけて6
0℃まで冷却し、ラテックス中にトリスノニルフェニル
フォスファイト(TNP)を1部添加して、恒温槽で6
0℃3日間放置した。
【0035】このグラフト共重合体ラテックスに更に老
化防止剤2.5部を添加後、95℃に加熱した硫酸マグ
ネシウム水溶液中に攪拌しながら加えて凝固させ、凝固
物を水洗後乾燥して白色粉末状のグラフト共重合体樹脂
組成物を得た。この白色粉末状の樹脂組成物と三菱化学
製SAN−Cをゴム質重合体が20%含まれるようブレ
ンドし、バンバリーミキサーにて混練して、ペレット化
した。このペレットよりJIS規格の種々の試験片を成
形し、評価を行った。
【0036】実施例2 (1)ゴム質重合体の製造 実施例1(1)と同様にして行った。 (2)グラフト共重合体の製造 実施例1(2)において、TNPの代わりに、旭電化製
AO−40を加えた以外は、実施例1(2)と同様にし
て行った。
【0037】実施例3 (1)ゴム質重合体の製造 実施例1(1)と同様にして行った。 (2)グラフト共重合体の製造 実施例1(2)において、60℃に到達する温度を1時
間とした以外は、実施例1と同様にして行った。
【0038】実施例4 (1)ゴム質重合体の製造 5Lガラス製フラスコに水151部、高級脂肪酸石鹸
(炭素数18を主成分とする脂肪酸のナトリウム塩)
0.01部、β−ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合
物のナトリウム塩1部、炭酸水素ナトリウム1部を仕込
み、窒素気流下75℃に昇温した。過硫酸カリウム0.
07部を添加した後、5分して、アクリル酸ブチルエス
テル(BA)100部及びメタクリル酸アリルエステル
(AMA)0.2部よりなる単量体混合物のうち4部を
仕込んだ。約数分で発熱が起こり、重合の開始が確認さ
れた。最初の単量体混合物の仕込後20分で、残りの単
量体混合物、過硫酸カリウム0.08部及び不均化ロジ
ン酸カリウム石鹸1.0部の連続添加を開始、3時間2
0分の時点でその添加を終了した。単量体混合物の添加
終了後80℃へ昇温し、さらに1時間同一温度にて重合
を進めた。固形分濃度39.0重量%、平均粒子径0.2
0μm、ゲル含有量90%であった。
【0039】(2)グラフト共重合体の製造 攪拌装置、加熱冷却装置、及び各原料、助剤仕込装置を
備えた容量5Lの反応器に、上記ゴム質重合体ラテック
スを固形分として100部、炭酸水素ナトリウム1.5
部及び脱イオン水372部(ラテックスの水分含む)を
仕込み、70℃に昇温した。昇温の途中60℃で水50
部に溶解したピロリン酸ナトリウム2.2部、デキスト
ロース0.63部及び硫酸第一鉄0.022部を添加し
た。70℃に達した時点で、St143部、AN77
部、TDM0.66部及びクメンハイドロパーオキサイ
ド0.46部、不均化ロジン酸カリウム石鹸3.96
部、脱イオン水88.2部を3時間30分かけて添加し
た。添加終了後、さらに30分間反応を続け、冷却し
て、反応を終了した後、30分かけて60℃まで冷却
し、トリスノニルフェニルフォスファイトを1部添加し
て、恒温槽にて60℃で3日間放置した。
【0040】このグラフト共重合体ラテックスに更に老
化防止剤2.5部を添加後、95℃に加熱した硫酸マグ
ネシウム水溶液中に攪拌しながら加えて凝固させ、凝固
物を水洗乾燥して白色粉末状のグラフト共重合体樹脂組
成物を得た。この白色粉末状の樹脂組成物と三菱化学製
SAN−Cをゴム質重合体が20%含まれるようブレン
ドし、バンバリーミキサーにて混練して、ペレット化し
た。このペレットよりJIS規格の種々の試験片を成形
し、評価を行った。
【0041】実施例5 (1)ゴム質重合体の製造 実施例4(1)と同様にして行った。 (2)グラフト共重合体の製造 実施例4(2)において、過酸化物をt-ブチルハイドロ
パーオキサイド(BHP)0.27部とした以外は、実
施例4(2)と同様にして行った。
【0042】比較例1 (1)ゴム質重合体の製造 実施例1(1)と同様にして行った。 (2)グラフト共重合体の製造 実施例1(2)において、TNPを添加しないで、恒温
槽にて放置した以外は実施例1(2)と同様にして行っ
た。
【0043】比較例2 (1)ゴム質重合体の製造 実施例1(1)と同様にして行った。 (2)グラフト共重合体の製造 実施例1(2)において、60℃までの冷却保持時間を
10時間とし、その後TNPを添加した以外は実施例1
(2)と同様にして行った。
【0044】比較例3 (1)ゴム質重合体の製造 実施例4(1)と同様にして行った。 (2)グラフト共重合体の製造 実施例5(2)において、BHPを1.1部とした以外
は実施例5(2)と同様にして行った。
【0045】比較例4 (1)ゴム質重合体の製造 実施例1(1)と同様にして行った。 (2)グラフト共重合体の製造 攪拌装置、加熱冷却装置、及び各原料、助剤仕込装置を
備えた容量5Lの反応器に上記ゴム質重合体ラテックス
を無水酢酸を用いて0.25と0.65μmに粒径肥大し
たものを、固形分としてそれぞれ80部と20部及び脱
イオン水347部(ラテックス中の水分を含む)を仕込
み、70℃に昇温した。昇温の途中60℃で、水50部
に溶解したピロリン酸ナトリウム1.0部、デキストロ
ース11.2部及び硫酸第一鉄0.01部を添加した。7
0℃に達した時点で、St70部、アクリロニトリル
(AN)30部、TDM1.1部及びクメンハイドロパー
オキサイド7部、不均化ロジン酸カリウム石鹸1.8部、
水酸化カリウム0.37部、脱イオン水35部を2時間
30分かけて添加した。添加終了後、更に30分間反応
を続け反応を終了した後、30分かけて60℃まで冷却
し、トリスノニルフェニルフォスファイト(TNP)を
1部添加して、恒温槽にて60℃で3日間放置した。
【0046】このグラフト共重合体ラテックスに更に老
化防止剤2.5部を添加後、95℃に加熱した硫酸マグ
ネシウム水溶液中に攪拌しながら加えて凝固させ、凝固
物を水洗乾燥して白色粉末状の樹脂組成物を得た。この
白色粉末状の樹脂組成物と三菱化学製SAN−Cをゴム
質重合体が20%含まれるようブレンドし、バンバリー
ミキサーにて混練して、ペレット化した。このペレット
よりJIS規格の種々の試験片を成形し、評価を行っ
た。結果を第1表に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明の製造方法により得られるグラフ
ト共重合体樹脂組成物は、耐衝撃性、光沢、色調等の外
観、及びそれらの性能バランスに優れる。また、本発明
方法は凝固物が少なく共重合体ラテックスの安定性に優
れ、生産性に優れる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴム質重合体ラテックスの存在下に、芳香
    族ビニル単量体40〜80重量%、シアン化ビニル単量
    体20〜60重量%、及びこれらと共重合可能なビニル
    単量体0〜20重量%からなる単量体混合物を、重合開
    始剤によって乳化グラフト重合させ、次いで酸化防止剤
    を添加するグラフト共重合体樹脂組成物の製造方法にお
    いて、下記(1)〜(4)の条件を充足するものである
    ことを特徴とするグラフト共重合体樹脂組成物の製造方
    法。 (1)重合開始剤が、過酸化物と還元剤及び補助還元剤
    とを組合せたレドックス系開始剤であること。 (2)重合開始剤として使用する過酸化物が、単量体混
    合物100重量部に対して0.01〜5重量部であるこ
    と。 (3)レドックス系開始剤において、過酸化物に対して
    補助還元剤のモル比率が0.8以上であること。 (4)乳化グラフト重合終了後5時間以内に、得られた
    グラフト共重合体に酸化防止剤を添加すること。
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