JPH09176127A - アリールピラゾール類および該化合物を含む農薬 - Google Patents

アリールピラゾール類および該化合物を含む農薬

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JPH09176127A
JPH09176127A JP8275147A JP27514796A JPH09176127A JP H09176127 A JPH09176127 A JP H09176127A JP 8275147 A JP8275147 A JP 8275147A JP 27514796 A JP27514796 A JP 27514796A JP H09176127 A JPH09176127 A JP H09176127A
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dichloro
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JP8275147A
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Jamin Huang
ジヤミン・ヒユーアン
Patrick D Lowder
パトリツク・ドイル・ロ−ダー
Nicholas C Ray
ニコラス・チヤールズ・レイ
David W Hawkins
デイビツド・ダブリユ・ホーキンズ
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Bayer CropScience SA
Original Assignee
Rhone Poulenc Agrochimie SA
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    • C07D231/00Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings
    • C07D231/02Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings not condensed with other rings
    • C07D231/10Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D231/14Heterocyclic compounds containing 1,2-diazole or hydrogenated 1,2-diazole rings not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 節足動物、特に昆虫または線虫に対して活性
を有する化合物を提供する。 【解決手段】 下記式(I)の新規アリールピラゾール
類、およびそれらの農薬としての使用。 〔式中、Rはシアノ、ハロゲン、ホルミルなど、R
はハロゲン、アルキル、ハロアルキル、ニトロなど、R
はC(O)R、α−ヒドロキシアルキル、α−ヒド
ロキシハロアルキルなど、RはH、アルキルなど、R
14及びR16はハロゲン、アルキル、ハロアルキルなど、
15及びR17はH又はハロゲン、Xは窒素原子又はC−
20、R20はH、ハロゲンなどを示す〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規アリールピラ
ゾール類、それらを含む組成物、それらの製造方法およ
びそれらの殺虫剤および殺線虫剤としての使用に関す
る。
【0002】本発明は、1−アリールピラゾール誘導
体、それを含有する組成物ならびにその化合物および組
成物の節足動物、特に昆虫および線虫に対する使用に関
するものである。
【0003】
【従来の技術】US5,232,940号には、特に、
5−シクロアルキルカルボニル置換基および5−アルコ
キシカルボニル置換基を持つN−フェニルピラゾール類
についての記載がある。
【0004】DE3,509,567号およびEP3,
820,34号には、除草剤および殺虫剤としての3−
ニトロ−1−フェニルピラゾール類についての記載があ
る。
【0005】DE270,109号には、4位または5
位にアミドを有する殺菌性ピラゾール類についての記載
がある。
【0006】EP202,169号には、除草剤として
の1−(4−アルコキシ)フェニルピラゾール類につい
ての記載がある。
【0007】EP398,499号には、殺虫剤として
のシアノフェニルピラゾール類についての記載がある。
【0008】上記のいずれの刊行物にも、下記式(I)
の化合物が節足動物、特に昆虫または線虫に対して活性
を有するかもしくは活性を有することが期待されるもの
であることは記載も示唆もされていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題および課題を解決するた
めの手段】本発明は、下記式(I)の新規アリールピラ
ゾール類とそれらの農薬的に許容される塩を提供するも
のである。
【0010】
【化10】
【0011】上記式中、R1 はシアノ、ハロゲン、ホル
ミル、C(O)R2 、HおよびR2 から選択され、R2
はC1 〜C4 アルキル、C1 〜C4 ハロアルキルおよび
1個以上のハロゲンで置換されていても良いシクロアル
キルから選択され、R3 は、ハロゲン、C1 〜C4 アル
キル、C1 〜C4 ハロアルキル、ニトロ、CONR4
5 、COOR4 および−S(O)n 6 から選択され、
4 およびR5 は独立に、H、C1 〜C5 アルキルおよ
びC1 〜C5 ハロアルキルから選択され、R6 はC1
4 アルキル、C1 〜C4 ハロアルキルおよび1個以上
のハロゲンで置換されていても良いシクロアルキルから
選択され、R7 はC(O)R8 、C1 〜C6 α−ヒドロ
キシアルキル、C1 〜C6 α−ヒドロキシハロアルキ
ル、C(OR9 )=CHR10、CHR1112、−CR13
=NDまたは
【0012】
【化11】
【0013】から選択され、R8 はH、C1 〜C5 アル
キルおよびC1 〜C5 ハロアルキルから選択され、R9
はC(O)R18、CHO、−S(O)2 18、−S
(O)2 アリール、C3 〜C18トリアルキルシリル、C
8 〜C18ジアルキルアリールシリル、C13〜C20ジアリ
ールアルキルシリルおよびC18〜C24トリアリールシリ
ルから選択され、R10はH、C1 〜C4 アルキルおよび
1 〜C4 ハロアルキルから選択され、R11およびR12
は独立に、C1 〜C4 アルコキシ、C1 〜C4 ハロアル
コキシ、C1 〜C4 アルキルチオ、C1 〜C4 ハロアル
キルチオ、NR8 10、C3 〜C8 トリアルキルシロキ
シおよびシアノから選択され、R13はH、C1 〜C5
ルキルおよびC1 〜C5 ハロアルキルから選択され、R
14はH、ハロゲン、C1 〜C4 アルキル、C1 〜C4
ロアルキル、C1 〜C4 アルコキシ、C1 〜C4 ハロア
ルコキシ、C1 〜C4 アルキルチオ、C1 〜C4 ハロア
ルキルチオ、シアノおよびニトロから選択され、R15
よびR17は独立に、Hおよびハロゲンから選択され、R
16はハロゲン、C1 〜C4 アルキル、C1 〜C4 ハロア
ルキル、C1 〜C4アルコキシ、C1 〜C4 ハロアルコ
キシ、シアノ、ニトロ、C(O)R18および−S(O)
q 19から選択され、R18はC1 〜C3 アルキルおよび
1 〜C3 ハロアルキルから選択され、R19はC1 〜C
3 アルキルおよびC1 〜C3 ハロアルキルから選択さ
れ、Xは窒素原子またはC−R20から選択され、R20
H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1 〜C4 アルキル、
1 〜C4 ハロアルキル、C1 〜C4 アルコキシおよび
1 〜C4 ハロアルコキシから選択され、AおよびEは
独立にNR21、OおよびSから選択され、R21はH、C
1 〜C4 アルキルおよびC1 〜C4 ハロアルキルから選
択され、DはOR22およびNR2324から選択され、R
22、R23およびR24は独立に、H、C1 〜C4 アルキル
およびC1 〜C4 ハロアルキルから選択され、Zは(C
2 m であり、mは2、3または4であり、nは0、
1または2であり、qは0、1または2である。
【0014】ただし、R11およびR12は、R12がシアノ
の場合を除き常に同一であり、R4 は、R3 がCOOR
4 の場合はHではない。
【0015】「農薬的に許容される塩」という用語は、
農薬的に許容される塩の形成についての当業界で公知で
許容される陰イオンの塩であることを意味する。好まし
くはそのような塩は水溶性である。アミノ基を有する式
(I)の化合物によって形成される好適な酸付加塩に
は、例えば塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩、硝酸塩などの無
機酸との塩や、酢酸塩などの有機酸との塩などがある。
【0016】本明細書において、「ハロゲン」とは、フ
ッ素、塩素、臭素およびヨウ素という原子を意味する。
アルキル基およびアルキル部分は、直鎖または分岐のい
ずれかであることができる。「シクロアルキル」とは、
環状となった3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキ
ル基であって、それぞれの炭素が1個以上のC1 〜C4
アルキルを有していても良いものを意味する。「アリー
ル」とは、同一または異なっていても良いC1 〜C4
ルキルおよびハロゲンからなる群の1以上の構成要素に
よって置換されていても良いフェニルを意味する。ある
場合には、式(I)の化合物は、光学異性体および/ま
たは立体異性体の形で存在することができることは自明
であろう。そのような形はいずれも、本発明に含まれ
る。
【0017】R7 がホルミルである上記の化合物(I)
は殺虫剤としての活性レベルが相対的に低いのが普通で
あるが、より高い活性化合物の製造における中間体とし
て有用である。
【0018】上記の定義中にある但し書きは、生物学的
効力および合成上の容易さの理由で設けたものであるこ
とに留意されたい。
【0019】本発明の1態様は、以下の特徴を1以上有
する化合物である。
【0020】すなわち、R1 がシアノであり、R3 が−
S(O)n 6 であり、R7 が、C(O)R8 、C1
6 α−ヒドロキシアルキル、C1 〜C6 α−ヒドロキ
シハロアルキル、C(OR9 )=CH10、CHR
1112、−CR13=NDから成る群から選択され、R14
はハロゲンであり、R15およびR17はHであり、R16
1 〜C4 ハロアルキルであり、XはC−R20である。
【0021】上記の式(I)の化合物で好ましいものと
しては、R1 がシアノ、ハロゲン、C(O)R2 、Hお
よびR2 から選択され、R3 が−S(O)n 6 であ
り、R7 がC(O)R8 、−CR13=NDおよび−CH
1112から選択され、R14がハロゲンであり、R15
よびR17がHであり、R16がC1 〜C4 ハロアルキルで
ある化合物である。
【0022】式(I)の化合物でさらに好ましい種類の
ものとしては、R1 がシアノであり、R3 が−S(O)
n 6 であり、R6 がC1 〜C2 ハロアルキル、好まし
くはCF3 であり、R7 がC(O)R8 、−CHR11
12および−CR13=NDから選択され、R11がC1 〜C
4 アルコキシであり、R12がC1 〜C4 アルコキシおよ
びシアノから選択され、R14がハロゲンであり、R15
よびR17がHであり、R16がC1 〜C2 ハロアルキル、
特にCF3 である、化合物である。
【0023】参照および識別のために、これらの化合物
に1〜21の番号を付与する。
【0024】以下において、式(I)の化合物には次の
ものが含まれる。
【0025】1.5−アセチル−3−シアノ−1−
(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニ
ル)−4−トリフルオロメチルスルホニルピラゾール
(融点約161℃) 2.3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフ
ルオロメチルフェニル)−5−ホルミル−4−トリフル
オロメチルチオピラゾール(融点約90℃) 3.5−{(N−アミノ)イミノメチリデニル}−3−
シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメ
チルフェニル)−4−トリフルオロメチルチオピラゾー
ル(融点約130℃) 4.3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフ
ルオロメチルフェニル)−5−ジメトキシメチル−4−
トリフルオロメチルチオピラゾール(融点約93℃) 5.3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフ
ルオロメチルフェニル)−5−{(N−メトキシ)イミ
ノメチリデニル}−4−トリフルオロメチルチオピラゾ
ール(融点約87℃) 6.3−シアノ−5−{(1−シアノ−1−メトキシ)
メチル}−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロ
メチルフェニル)−4−トリフルオロメチルチオピラゾ
ール(油状物) 7.3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフ
ルオロメチルフェニル)−5−(ヒドロキシ)メチル−
4−トリフルオロメチルチオピラゾール(融点約118
℃) 8.3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフ
ルオロメチルフェニル)−5−(1−ヒドロキシ)エチ
ル−4−トリフルオロメチルチオピラゾール(融点約1
23℃) 9.5−アセチル−3−シアノ−1−(2,6−ジクロ
ロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−トリフル
オロメチルチオピラゾール(融点約128℃) 10.5−アセチル−3−シアノ−1−(2,6−ジク
ロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−トリフ
ルオロメチルスルフィニルピラゾール(融点約156
℃) 11.3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリ
フルオロメチルフェニル)−5−(N,N−ジメチルア
ミノイミノメチリデニル)−4−トリフルオロメチルチ
オピラゾール(融点約126℃) 12.3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリ
フルオロメチルフェニル)−5−(ヒドロキシ)メチル
−4−トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール(融
点約153℃) 13.3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリ
フルオロメチルフェニル)−5−ジメトキシメチル−4
−トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール(融点約
116℃) 14.3−シアノ−5−{(1−シアノ−1−メトキ
シ)メチル}−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフル
オロメチルフェニル)−4−トリフルオロメチルスルフ
ィニルピラゾール(融点約167℃) 15.3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリ
フルオロメチルフェニル)−5−ジメトキシメチル−4
−トリフルオロメチルスルホニルピラゾール(融点約1
37℃) 16.3−シアノ−5−{(1−シアノ−1−メトキ
シ)メチル}−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフル
オロメチルフェニル)−4−トリフルオロメチルスルホ
ニルピラゾール(融点約90℃) 17.3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリ
フルオロメチルフェニル)−5−(1−ヒドロキシ−
2,2,2−トリフルオロエチル)−4−トリフルオロ
メチルチオピラゾール(融点約106℃) 18.3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリ
フルオロメチルフェニル)−5−ジエトキシメチル−4
−トリフルオロメチルチオピラゾール(融点約72℃) 19.3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリ
フルオロメチルフェニル)−5−ジエトキシメチル−4
−トリフルオロメチルスルホニルピラゾール(融点約1
00℃) 20.3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリ
フルオロメチルフェニル)−5−ジエトキシメチル−4
−トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール(融点約
132℃) 21.3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリ
フルオロメチルフェニル)−5−(1−アセトキシエテ
ニル)−4−トリフルオロメチルスルホニルピラゾール
(融点約121℃) 本発明の一つの目的は、1−アリールピラゾール類の新
規な農薬化合物とそれの製造方法とを提供することであ
る。
【0026】本発明の第2の目的は、農薬組成物ならび
に特に農作物または園芸作物、林業、獣医学または畜産
あるいは公衆衛生における特に昆虫などの節足動物、植
物線虫あるいは蠕虫または原生動物の害虫などに対する
ピラゾール化合物類の農薬としての使用方法を提供する
ことにある。
【0027】本発明の第3の目的は、非常に広いスペク
トルの農薬活性を有する非常に活性な化合物、ならびに
例えば、種子処理を介しての殺アブラムシ、茎葉部殺
虫、土壌殺虫および殺線虫、全身、食害予防または種子
処理による農薬活性などの選択的で特殊な活性を有する
化合物を提供することにある。
【0028】本発明の第4の目的は、特に昆虫に対し
て、さらに詳細には幼虫期昆虫に対してかなり高くしか
も相対的に迅速な活性を有する化合物を提供することに
ある。
【0029】本発明の第5の目的は、局所的に施用した
場合に、害虫の体内への浸透性が非常に改善(多量かつ
迅速)された化合物を提供することにあり、従って、害
虫体内での農薬作用部位への化合物の高い移動性を提供
することにある。
【0030】本発明のさらに別の目的は、活性が高く、
ユーザーおよび環境に対する安全性の改善された、溶解
度、融点、安定性、電子的・静電気的パラメータなど化
学的、物理的および生物学的性質の至適化によって得ら
れる化合物を提供することにある。
【0031】これらの目的は、全てまたは部分的に、本
発明によって達成される。
【0032】
【発明の実施の形態】式(I)の化合物は、公知の方法
(すなわち、これまで使用または化学文献中に記載され
た方法)の応用または採用によって製造することがで
き、通常、ピラゾール環形成を行い、必要な場合には置
換基を変える。以下の方法における説明中、ピラゾール
環への各種基の導入のための一連の反応は別の順序で行
うことができること、ならびに当業者には明らかなよう
に、好適な保護基が必要な場合があることも理解してお
くべき点である。
【0033】以下の方法の説明中、化学式中に見られる
記号について具体的に規定されていない場合、それら
は、本明細書における各記号の最初の定義に従って「前
記で定義した通り」であることは理解しておくべき点で
ある。「保護」という用語は、所望の際に再変換可能な
好適な非反応性基への変換、ならびに官能基を非反応性
とする基の付加などを指すものである。
【0034】以下の記述において、下記の環系をQと定
義する。
【0035】
【化12】
【0036】本発明の1態様によれば、R7 がホルミル
である式(I)の化合物は、下記式(II)
【0037】
【化13】
【0038】の化合物のアルケン部分の酸化的開裂によ
って形成される。
【0039】上記式中、R25はアルキルカルボニル、ア
ルコキシカルボニル、シアノおよびニトロから選択され
る。そのような変換は当業者には公知のものであり、オ
ゾン、過マンガン酸カリウム、メタ過ヨウ素酸ナトリウ
ムなどを用いて行うことができる。その工程は、適宜に
塩化メチレン、ジエチルエーテルまたはクロロホルムな
どの溶媒中、−100℃〜100℃の温度範囲で行うこ
とができる。そのような方法の要約が、ラロックの著作
Comprehensive Organic Transformations ,VCH Publi
shers, 1989, R.C.Larock, pp.595-596)にある。
【0040】式(II)の化合物は新規であり、本発明
の別の特徴部分を構成するものである。式(II)の化
合物は、下記式(III)の化合物の脱水素化によって
製造することができる。
【0041】
【化14】
【0042】式中、「halo」はハロゲンを表す。
【0043】その反応は、式(III)の化合物とトリ
エチルアミン、水酸化ナトリウムおよびリチウムジイソ
プロピルアミドなどの塩基との反応によって行うことが
できる。その反応は、使用する塩基に応じて、塩化メチ
レン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランまたはト
ルエンなどの一般的な有機溶媒中で通常温度−100℃
〜100℃で行っても良い。式(III)の化合物は新
規であり、本発明のさらに別の特徴部分を構成するもの
である。
【0044】式(III)の化合物は、下記式(IV)
の化合物から製造することができる。
【0045】
【化15】
【0046】この工程は、例えばJ. Org. Chem. , 197
7, 42(14)2431に記載のように、亜硝酸アルキルおよび
ハロゲン化銅(II)の存在下に、式(IV)の化合物
と式(V)のオレフィンとを反応させることで行われ
る。当業者であれば、これがメールバインアリール化反
応(Meerwein Arylation)であることがわかる。この工
程は、オレフィンと通常の有機溶媒、好ましくはアセト
ニトリルとの混合物中で行われる。その工程は通常、温
度範囲−50〜100℃、好ましくは室温で行われる。
【0047】式(IV)の化合物の合成はUS特許5,
232,940、5,306,694、4,772,3
12、4,804,675および4,614,533に
記載されている。
【0048】本発明のさらに別の態様によれば、R7
−CHR1112であって、R11およびR12がシアノでは
なく同一であるか、あるいはR7
【0049】
【化16】
【0050】である上記式(I)の化合物はそれぞれ、
7 がホルミルである上記式(I)の相当する化合物と
下記式(VIa)または(VIb)
【0051】
【化17】
【0052】の化合物とを、硫酸、塩酸、p−トルエン
スルホン酸、酸樹脂または塩化亜鉛(II)などのルイ
ス酸触媒の存在下に反応させることで製造することがで
きる。その工程は、適宜に塩化メチレンまたはベンゼン
などの溶媒の存在下に行い、−20℃〜100℃、好ま
しくは溶媒の沸点で行われる。当業者には、この反応が
アセタール形成であることは理解できるものであり、そ
の一般的条件は、グリーンらの著作(Protective Group
s in Organic Synthesis, 2nd Ed., Wiley-Interscienc
e, 1991, T.W.Greene and P.G.M.Wats, pp.175-220)に
記載されている。式(VIa)および(VIb)の化合
物は、アルコール、アミンおよびチオールとして当業者
には公知である。
【0053】本発明のさらに別の態様によれば、R7
−CHR11(CN)である上記の式(I)の化合物は、
7 が−CHR1112であってR11およびR12が同一で
ある相当する式(I)の化合物から、塩化メチレンまた
はアセトニトリルなどの溶媒中、酸触媒、好ましくはル
イス酸、例えば四塩化チタンなどのIIB、IIAまた
はIVA族ハロゲン化物などの存在下に、シアン化トリ
アルキルシリルによって処理することで製造することが
できる。そのような工程は、−30〜100℃、好まし
くは0〜−20℃で行われ、Tetrahedron Lett. 1984,
25(31)3301;Chem. Lett. 1984, 897 およびBull. Che
m. Soc. Jpn. 1990, 63, 3122に記載されている。
【0054】本発明のさらに別の態様によれば、R7
1 〜C6 α−ヒドロキシアルキルまたはC1 〜C6 α
−ヒドロキシハロアルキルである上記の式(I)の化合
物は、R7 がホルミルである相当する式(I)の化合物
と式R8 −M(Mはアルカリ金属または遷移金属であ
る)の有機金属試薬または水素化物とを反応させること
によって製造することができる。その反応は、ジアルキ
ルエーテル(例;ジエチルエーテル)、テトラヒドロフ
ラン(THF)または炭化水素(例;ヘキサンまたはト
ルエン)あるいはそれらの混合物などの溶媒中で行うこ
とができる。通常、−100℃から溶媒の還流温度まで
の範囲の温度とする。
【0055】本発明のさらに別の態様によれば、R7
C(O)R8 である上記式(I)の化合物は、R7 がC
1 〜C6 α−ヒドロキシアルキルまたはC1 〜C6 α−
ヒドロキシハロアルキルである式(I)の化合物の酸化
によって製造することができる。
【0056】これは、当業者には公知の反応であり、ラ
ロックの著作(Comprehensive Organic Transformatio
n, VCH Publishers, 1989, R.C.Larock, pp.604-614)
にその要約がある。
【0057】本発明のさらに別の態様によれば、R7
CR13=NDである式(I)の化合物は、それぞれ、R
7 がC(O)R8 である相当する式(I)の化合物と下
記式(VII)
【0058】
【化18】
【0059】の化合物とを反応させることで製造でき
る。
【0060】この工程は、適宜にエタノール、塩化メチ
レンまたはトルエンなどの溶媒の存在下に、通常0℃か
ら溶媒の還流温度までの温度で行うのが普通である。当
業者であれば、そのような反応はオキシムおよびヒドラ
ゾンの生成であることがわかる。その合成方法について
は、マーチの著作(Advanced Organic Chemistry, 4th
ed., J. Wiley and Sons, 1992, March, pp. 804-806)
に記載されている。式(VII)の化合物は、当業者に
は公知のものであるか、あるいは公知の方法によって製
造することができる。
【0061】本発明のさらに別の態様によれば、R7
−C(OR9 )=CHR10である上記式(I)の化合物
は、R7 がC(O)R8 (さらにR8 はHではない)で
ある相当する式(I)の化合物と塩基とを反応させ、次
に式R9 −L(Lはハライドアニオンまたはスルホネー
トアニオンなどの脱離基である)で処理することによっ
て製造することができる。好適な塩基には、トリエチル
アミンおよびリチウムジイソプロピルアミドなどがあ
る。その方法は通常は−100℃からテトラヒドロフラ
ン、トルエン、ジエチルエーテルなどの溶媒の沸点の間
の温度範囲内で行われる。ハウスの著作(Modern Organ
ic Chemistry, 2nd ed., Benjamin Cummings, 1972, H.
O.House, p.763)には類似の方法が記載されている。
【0062】式(I)の化合物の農薬的に許容される塩
は、公知の方法によって製造することができる。
【0063】以下の化合物は、本発明のさらなる例であ
る。以下の第I表においては、次のような略称を使用し
ている。
【0064】Me=メチル Et=エチル Pr=n−プロピル
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】
【表7】
【0072】
【実施例】以下の実施例1〜15は、本発明による式
(I)の農薬化合物の代表的なもの(およびそれらの化
学中間体)の合成法および物理的性質を詳細に示したも
のである。ただし、本発明はそれらによって限定される
ものではない。さらに、特性決定および化学構造の確認
のために、各化合物について、1以上の分光分析(I
R、 1Hまたは19F−NMR、MSなど)を実施した。
【0073】実施例1 5−(2’−ブロモ−2’−カルボメトキシ)エチル−
3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
ロメチルフェニル)−4−トリフルオロメチルチオピラ
ゾールの製造 5−アミノ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4
−トリフルオロメチルフェニル)−4−トリフルオロメ
チルチオピラゾール(100g、0.24mol)およ
びアセトニトリルの溶液を、0℃でアクリル酸メチル
(430mL、4.78mol)、臭化銅(II)(8
0g、0.36mol)、90%tert−ブチルニト
リル(51mL、0.39mol)およびアセトニトリ
ル(400mL)の溶液に滴下した。室温まで昇温した
後、その反応液を12時間攪拌した。その混合物をジエ
チルエーテルで希釈し、水で洗浄した。硫酸マグネシウ
ムで乾燥した後、その有機層を減圧下に濃縮した。ヘキ
サンからのトリチュレーションによって、標題化合物を
融点約122℃の白色固体として得た(72.7g)。
【0074】実施例2 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
ロメチルフェニル)−5−(E−2−メトキシカルボニ
ルエテニル)−4−トリフルオロメチルチオピラゾール
の製造 実施例1の生成物(45g、0.079mol)をトル
エン(60mL)に溶かし、1,8−ジアザビシクロ−
[5,4,0]−ウンデク−7−エン(13mL、0.
087mol)を加えた。30分間攪拌した後、その混
合物を酢酸エチルで希釈し、水および10%塩酸、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水
溶液で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、
濾過後、減圧下に濃縮した。残留した油状物について冷
ペンタンからのトリチュレーションを行って、標題化合
物を融点約90℃の白色固体(36.6g)として得
た。
【0075】実施例3 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
ロメチルフェニル)−5−ホルミル−4−トリフルオロ
メチルチオピラゾールの製造 実施例2の生成物(36.6g、0.075mol)の
塩化メチレン(1.8L)溶液に−78℃でオゾンを吹
き込んだ。3時間後、青色の強い溶液を酸素ガスによっ
て脱色し、次にジメチルスルフィド(19mL、0.2
6mol)で処理した。それを14時間かけて室温まで
昇温させて、その時点で混合物を水で洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、濾過後、減圧下に濃縮して、標題化
合物を融点約90℃の白色結晶として得た(30.7
g)。
【0076】実施例4 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
ロメチルフェニル)−5−ジメトキシメチル−4−トリ
フルオロメチルチオピラゾールの製造 実施例3の生成物(2.0g、0.005mol)を無
水メタノール中で、オルトギ酸トリメチル(10mL、
0.09mol)およびp−トルエンスルホン酸1水和
物(50mg、触媒量)と混合した。その混合物を72
時間還流させ、室温まで冷却し、ジエチルエーテル中に
投入し、10%水酸化ナトリウム水溶液および飽和塩化
ナトリウム水溶液(100mL)の1:1混合物ならび
に飽和塩化ナトリウム水溶液(100mL)で洗浄し
た。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧
下に濃縮して、油状物を得た。その油状物について、ヘ
キサン:塩化メチレン=3:1の溶媒混合物を用いるシ
リカゲルクロマトグラフィーによって精製した。それに
よって、標題化合物を融点約93℃の白色固体として得
た(1.83g)。さらにこの方法によって化合物18
も製造した。
【0077】実施例5 3−シアノ−5−(1−シアノ−1−メトキシ)メチル
−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフ
ェニル)−4−トリフルオロメチルチオピラゾールの製
実施例4の生成物(3.0g、6.3mmol)を、シ
アン化トリメチルシリル(2.5mL、18.9mmo
l)のアセトニトリル溶液と混合し、0℃に冷却した。
三フッ化ホウ素エーテラート(74μL、0.6mmo
l)を加え、その混合物を5分間攪拌し、昇温させて室
温とした。1.25時間後、その混合物を飽和炭酸水素
ナトリウム水溶液中に投入し、ジエチルエーテルで洗浄
した。合わせた有機層を水、飽和塩化ナトリウム水溶液
で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、減圧下
に濃縮した。減圧下に溶媒を除去することで、標題化合
物を黄色油状物として得た(2.99g)。1 H−NM
R(300MHz、CDCl3 ):d7.69(m、2
H);5.28(s、1H);3.35(s、3H)。
【0078】実施例6 5−(1−O−アセチルエテニル)−3−シアノ−1−
(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニ
ル)−4−トリフルオロメチルスルホニルピラゾールの
製造 5−ブロモ−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4
−トリフルオロメチルフェニル)−4−トリフルオロメ
チルスルホニルピラゾール(2.3g、4.4mmo
l;US5,232,940号に記載の方法)の無水テ
トラヒドロフラン溶液を−78℃に冷却し、それに対し
て、n−ブチルリチウム(2.5Mヘキサン溶液2.1
2mL、5.3mmol)を滴下した。2時間後、その
混合物に10分間かけてアセチルクロライド(0.37
mL、5.3mmol)を加えた。昇温させて室温と
し、14時間攪拌した後、その混合物を氷の上に注ぎ、
ジエチルエーテルで洗浄した。合わせた有機層を水、飽
和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで
乾燥し、濾過後、減圧下に濃縮した。得られた油状物を
酢酸エチル:ヘキサンでのクロマトグラフィーで精製し
て、標題化合物を融点121℃の白色固体として得た
(0.52g)。
【0079】実施例7 5−アセチル−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−
4−トリフルオロメチルフェニル)−4−トリフルオロ
メチルスルホニルピラゾールの製造 実施例6の生成物(150mg、0.3mmol)をテ
トラヒドロフランに溶かし、6M塩酸(1mL、6mm
ol)を加え、得られた溶液を22時間加熱還流した。
その混合物を室温まで冷却し、ジエチルエーテルで洗浄
し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過および
減圧下での濃縮後に、残留物について酢酸エチル:ヘキ
サンでのシリカゲルクロマトグラフィーを行って、標題
化合物を融点約161℃の白色固体(120mg)とし
て得た。
【0080】実施例8 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
ロメチルフェニル)−5−(1−ヒドロキシエチル)−
4−トリフルオロメチルチオピラゾールの製造 ヨウ化銅(I)(6.1g、0.032mol)を無水
ジエチルエーテル中に懸濁させ、0℃に冷却した。メチ
ルリチウム(1.6Mジエチルエーテル溶液40mL、
0.064mol)をカニューレを介して加え、10分
間攪拌した。実施例3の生成物(10g、0.023m
ol)のジエチルエーテル溶液をカニューレを介して加
えて、明黄色の懸濁液を得た。15分後、反応容器を排
気しながら10%塩酸(40mL)を加えた。得られた
懸濁液をセライト(登録商標)で濾過し、ジエチルエー
テルで数回洗浄した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、濾過後、減圧下に濃縮した。ペンタ
ンからのトリチュレーションによって結晶を得て、それ
を酢酸エチル:ヘキサンを用いるシリカゲルクロマトグ
ラフィーによって精製した。標題化合物を、融点約12
3℃の白色固体(7.56g)として単離した。
【0081】実施例9 5−アセチル−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−
4−トリフルオロメチルフェニル)−4−トリフルオロ
メチルチオピラゾールの製造 実施例8の生成物(2.8g、0.0062mol)を
セライト(登録商標)(3.0g)の入った塩化メチレ
ンと混合した。クロロクロム酸ピリジニウム(1.7
g、0.0079mol)を一気に加え、そのスラリー
を6時間攪拌した。追加の酸化剤(0.9g)を加え、
その混合物をさらに18時間攪拌した。その混合物をジ
エチルエーテルで希釈し、フロリジル(Florisil、登録
商標)で濾過し、濾液を減圧下に濃縮した。標題化合物
を融点約128℃の白色固体として単離した(2.72
g)。
【0082】実施例10 5−アセチル−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−
4−トリフルオロメチルフェニル)−4−トリフルオロ
メチルスルフィニルピラゾールの製造 実施例8の生成物(0.80g、118mmol)をト
リフルオロ酢酸(8mL)に溶かし、0℃に冷却し、3
0%過酸化水素水(0.18mL、1.8mmol)を
加えた。0℃で14時間後、追加の過酸化水素水を加え
(0.25mL、2.5mmol)、その混合物を0℃
で14時間攪拌した。次にその混合物を水に投入した
ら、白色固体が沈殿した。その固体を濾過し、水で洗浄
し、塩化メチレンに溶かし、硫酸ナトリウムで乾燥し、
濾過後、減圧下に濃縮した。残留物について、酢酸エチ
ル:ヘキサンを用いる勾配溶離でのシリカゲルクロマト
グラフィー精製を行った。標題化合物を融点約156℃
の白色固体として単離した(0.4g)。さらにこの方
法で、化合物12、14および16も製造した。
【0083】実施例11 5−[(N−アミノ)イミノメチリデニル]−3−シア
ノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル
フェニル)−4−トリフルオロメチルチオピラゾールの
製造 実施例3の生成物(2.0g、4.6mmol)をヒド
ラジン(0.25mL、7.8mmol)の無水エタノ
ール溶液と混合し、薄層クロマトグラフィー分析で反応
終了が示されるまで加熱還流した。その混合物を室温ま
で冷却し、減圧下に濃縮し、酢酸エチルで希釈した。有
機層を水、濃塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、濾過後、減圧下に濃縮した。酢酸エ
チル:ヘキサンを用いる勾配溶離でのシリカゲルクロマ
トグラフィーによって、標題化合物を融点約130℃の
白色固体(0.44g)として得た。さらにこの方法
で、化合物11も製造した。
【0084】実施例12 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
ロメチルフェニル)−5−[(N−メトキシ)イミノメ
チリデニル]−4−トリフルオロメチルチオピラゾール
の製造 実施例3の生成物(1.0g、2.3mmol)をメト
キシアミン塩酸塩(192mg、2.3mmol)およ
び酢酸ナトリウム3水和物(314mg、2.3mmo
l)の無水エタノール溶液と混合し、20時間加熱還流
した。その混合物を室温まで冷却し、減圧下に濃縮し、
ジエチルエーテルで希釈した。有機層を水、飽和塩化ナ
トリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、
濾過後、減圧下に濃縮した。残留物を、酢酸エチル:ヘ
キサンを用いるシリカゲルクロマトグラフィーで精製し
た。標題化合物を、融点約87℃の異性体の3:1混合
物として単離した(317mg)。
【0085】実施例13 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
ロメチルフェニル)−5−ヒドロキシメチル−4−トリ
フルオロメチルチオピラゾールの製造 実施例3の生成物(5.0g、0.012mol)をホ
ウ水素化ナトリウム(0.5g、0.013mol)の
無水エタノール混合物に5℃で加えた。1時間後、多量
のガスを発生させながら10%塩酸(35mL)をゆっ
くり加えた。その混合物を水に投入し、ジエチルエーテ
ルで洗浄した。有機層を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗
浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、減圧下に濃
縮して、標題化合物を融点118℃の白色固体として得
た。
【0086】実施例14 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
ロメチルフェニル)−5−ジメトキシ−4−トリフルオ
ロメチルスルフィニルピラゾールの製造 実施例4の生成物(1.83g、0.0038mol)
をm−クロロ過安息香酸(80重量%、0.9g、0.
0042mol)の塩化メチレン溶液と0℃で混合し
た。6時間後、その混合物を昇温させて室温とし、11
時間攪拌した。それを7時間加熱還流した時点で追加の
m−クロロ過安息香酸(80重量%、0.9g、0.0
042mol)を加え、その反応液をさらに47時間加
熱した。その混合物を室温まで冷却し、飽和重炭酸ナト
リウム水溶液に投入し、ジエチルエーテルで洗浄した。
合わせた有機抽出液を飽和重亜硫酸ナトリウム水溶液お
よび飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を硫
酸ナトリウムで乾燥し、濾過後、減圧下に溶媒を除去し
て油状物を得た。その油状物について、ヘキサン:酢酸
エチル混合液を用いるシリカゲルクロマトグラフィーに
よる精製を行った。生成物(0.74g)を融点約11
6℃の固体として単離した。この方法で、化合物15、
19および20も製造した。
【0087】実施例15 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
ロメチルフェニル)−5−(1−ヒドロキシ−2,2,
2−トリフルオロエチル)−4−トリフルオロメチルチ
オピラゾールの製造 実施例3の生成物(2.0g、0.0046mol)を
無水テトラヒドロフラン(10mL)に溶かした。トリ
フルオロメチルトリメチルシラン(0.8mL、0.0
055mol)を加え、その反応液を0℃に冷却した。
テトラブチルアンモニウムフロライド(TBAF、50
μL、触媒量)を加えた、20分後、1.5時間後およ
び18時間後に0℃でTBAF(50μL)の一部を加
えてから、昇温して室温とした。21時間後に、追加の
トリフルオロメチルトリメチルシラン(0.8mL、
0.0055mol)を加え、その反応液を5日間攪拌
した。それを10%塩酸(100mL)中に投入し、ジ
エチルエーテルで洗浄した(50mLで3回)。合わせ
た有機抽出液を飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、硫
酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、エバポレーションし
て油状物を得た。これを酢酸エチル/ヘキサンを用いる
勾配溶離でのシリカゲルクロマトグラフィーによって精
製して、標題化合物を融点約106℃の白色固体として
得た。
【0088】本発明の化合物を用いる以下の代表的試験
方法を行って、ダニ;アブラムシ、毛虫、蠅、甲虫の幼
虫、ゴキブリ、ノミ、2種類のcorn rootworm (ハムシ
モドキ科)、ネキリムシなどの特定の昆虫;ならびに線
虫に対する本発明の化合物の農薬としての使用および活
性を調べた。調べた具体的な生物種は以下の通りであ
る。
【0089】
【表8】
【0090】以下の方法に従って、被験化合物を製剤し
て使用した。
【0091】ダニ、アブラムシ、 southern armyworm
(ヤガ科)、 tobacco budworm(ヤガ科)、イエバエ、
Mexican bean beetle(テントウムシ科)、ワモンゴキ
ブリ、ネコノミ、southern corn rootworm(ハムシモド
キ科)、western corn rootworm (ハムシモドキ科)、
タマナヤガおよびサツマイモネコブセンチュウの試験用
に、被験化合物を、ジメチルホルムアミド、アセトン、
乳化剤(アルキルアリールポリエーテルアルコール有機
スルホナート)および水の溶液に加えることによって、
溶液または懸濁液を調製した。その結果、被験化合物の
濃度を100または500ppmとした。
【0092】イエバエでの試験の場合、20重量%ショ
糖水溶液を用いて、上記水−アセトン−DMF−乳化剤
溶液の調節を行って、被験化合物の最終濃度を100ま
たは250ppmとした。
【0093】western corn rootworm(ハムシモドキ
科)の試験の場合、上記水−アセトン−DMF−乳化剤
溶液の調節を行って、処理量を0.15または0.5p
pmとした。
【0094】southern corn rootworm(ハムシモドキ
科)の試験の場合、上記水−アセトン−DMF−乳化剤
溶液の調節を行って、処理量を2.5、5、6.75ま
たは10ppmとした。
【0095】ワタアブラムシの浸透移行性試験およびタ
マナヤガの浸透移行性試験の場合、上記水−アセトン−
DMF−乳化剤溶液の調節を行って、処理量を10.0
ppm土壌濃度とした。
【0096】ムギミドリアブラムシの浸透移行性試験の
場合、上記水−アセトン−DMF−乳化剤溶液の調節を
行って、処理量を10または25ppm土壌濃度とし
た。
【0097】サツマイモネコブセンチュウの試験の場
合、上記水−アセトン−DMF−乳化剤溶液の調節を行
って、処理量を23kg/ha土壌濃度とした。
【0098】上記製剤の被験化合物について、重量基準
でppm単位またはkg/haの特定の濃度で、その農
薬活性を評価した。以下の手順を行って、本発明の範囲
内にある多くの化合物を評価した。
【0099】buckthorn aphid (アブラムシ科)(B
A)またはワタアブラムシ(CA) 成虫および若虫期の buckthorn aphidまたはワタアブラ
ムシをそれぞれ、ポット植えの矮生キンレンカまたは棉
で飼育した。100〜150匹のアブラムシが接種した
植物、100または500ppmの被験化合物製剤を流
れ落ちるまで濡らした。未処理対照として、被験化合物
を含まない水−アセトン−DMF−乳化剤溶液も用い
て、接種した植物に流れ落ちるまで施用した。被処理植
物を、buckthorn aphid の場合には1日間、ワタアブラ
ムシの場合には3日間保存してから、死んだアブラムシ
を数えた。
【0100】southern armyworm (ヤガ科)(SA
W)、 Mixican bean beetle(テントウムシ科)(MB
B) インゲンマメ(bean)の葉を濡らして、100または5
00ppmの被験化合物製剤で流れ落ちるまで濡らし
た。未処理対照として、被験化合物を含まない水−アセ
トン−DMF−乳化剤溶液も用いて、インゲンマメの葉
に流れ落ちるまで施用した。5または6匹の無作為に選
択しsouthern armyworm 2齢幼虫またはMexican bean b
eetle 幼虫を、乾燥した処理済み葉の入った各プラスチ
ック容器に入れた。その容器を閉じて、5日間保持し
た。つつく刺激を加えても身体の長さを動けない幼虫を
死亡したものと考えた。
【0101】tobacco budworm (ヤガ科)(TBW) 棉の葉を100ppmの被験化合物製剤で流れ落ちるま
で濡らした。未処理対照として、被験化合物を含まない
水−アセトン−DMF−乳化剤溶液も用いて、棉の葉に
流れ落ちるまで施用した。10匹の無作為に選択したto
bacco budworm2齢幼虫を、湿った歯科用ガーゼ(denta
l wick )と乾燥した処理済み葉の入ったプラスチック
容器に入れた。そのカップを閉じて、5日間保持した。
つつく刺激を加えても身体の長さを動けない幼虫を死亡
したものと考えた。
【0102】イエバエ(HF) 4または6日齢のイエバエ成虫を用いた。ハエは、二酸
化炭素を用いる麻酔によって動かないようにした。餌カ
ップを準備し、そこに100または250ppmの被験
化合物製剤/ショ糖溶液および1または2個の吸収綿パ
ッドを入れた。未処理対照として、被験化合物を含まな
い水−アセトン−DMF−乳化剤−ショ糖溶液を同様に
施用した。餌カップをケージ内に入れ、12〜25匹の
麻酔ハエを入れた。24時間後に死亡率を評価した。
【0103】ワモンゴキブリ(ACR) キャットフードまたはドッグフードペレットを、500
ppmの被験製剤1〜2mLの入った広口瓶に入れた。
未処理対照として、被験化合物を含まない水−アセトン
−DMF−乳化剤溶液のアリコートを同様に施用した。
48時間後、ゴキブリ若虫をその広口瓶に入れた。接触
および摂食による死亡率を、瓶に入れてから1日後およ
び5日後に評価した。
【0104】ネコノミ(CF)およびイヌダニ(DT) 濾紙を、500ppm被験製剤のアリコートで処理し
た。未処理対照として、被験化合物を含有しない水−ア
セトン−DMF−乳化剤溶液のアリコートを同様に施用
した。乾燥後、2枚の処理済み濾紙をノミ用に1本のガ
ラス瓶に、別の2枚をダニ用に1本のガラス瓶に入れ
た。ノミ成虫5匹を1本のガラス瓶に入れ、次のガラス
瓶にダニ成虫5匹を入れた。ノミについてはガラス瓶に
入れた1日後に接触死亡率を評価し、ダニの場合にはガ
ラス瓶に入れた14日後に評価した。
【0105】サツマイモネコブセンチュウ(SRKN) サツマイモネコブセンチュウの卵および2期幼虫(J
2)を、栽培トマト植物の感染根から得た。湿土壌の入
ったポットを、処理量23kg/haにて被験化合物溶
液で処理した。未処理対照として、被験化合物を含有し
ない水−アセトン−DMF−乳化剤溶液のアリコートを
同様に施用した。処理直後に、サツマイモネコブセンチ
ュウの卵またはJ2を処理済み土壌に加えた。棉での試
験の場合、処理および接種の当日に、土壌の上に、種子
を播いた。トマトでの試験の場合、処理3日後に、苗を
ポットに移植した。そのポットを2〜3週間温室に入れ
ておいた。試験終了時、「1」を未処理対照と比較して
重度の根瘤形成(galling)とし、「5」を根瘤
なし、すなわち完全抑制とする1〜5の等級分けスケー
ルで、根瘤形成についてトマトまたは棉の苗の根を評価
した。
【0106】western corn rootworm (ハムシモドキ
科)(WCRW) ガラス製広口瓶に入った乾燥砂質壌土に500ppmの
被験製剤を施用して、土壌濃度0.15または0.5p
pmとした。未処理対照として、被験化合物を含有しな
い水−アセトン−DMF−乳化剤溶液のアリコートを同
様に施用した。カバーを施して24時間インキュベーシ
ョンした後、その土壌を混和し、発芽したトウモロコシ
実生苗4本をその広口瓶に入れた。western corn rootw
orm 新生幼虫10匹をその広口瓶に入れた。瓶に入れて
6日後、死亡率をバーレーゼ(Berlese )漏斗抽出によ
って評価した。
【0107】southern corn rootworm(ハムシモドキ
科)(SCRW)、タマナヤガ(BCW) トウモロコシ種子をガラス製広口瓶に入れ、乾燥砂壌土
で覆った。500ppmの被験製剤を土壌濃度2.5、
5、6.75または10ppmとなる様に施用した。未
処理対照として、被験化合物を含有しない水−アセトン
−DMF−乳化剤溶液のアリコートを同様に施用した。
カバーを施して24時間インキュベーションした後、土
壌を混和し、southern corn rootwormの卵約25個を接
種した。さらに48時間後、少量の昆虫餌と共に広口瓶
に2齢後期から3齢前期のタマナヤガを入れた。瓶に入
れてから8日後、タマナヤガについては肉眼観察で、ro
otwormについてはバーレーゼ漏斗抽出によって死亡率を
評価した。
【0108】タマナヤガ−浸透移行性試験(BCW−S
ys) トウモロコシ種子を、湿土壌の入ったポットの土壌表面
上に播いた。被験化合物溶液を、灌注液として土壌上お
よび種子に施用し、処理量は土壌濃度10.0ppmと
等価となるようにした。未処理対照として、被験化合物
を含有しない水−アセトン−DMF−乳化剤溶液のアリ
コートを同様に施用した。土壌表面および種子を湿土壌
で覆った。そのポットをバイオアッセイ中、温室に入れ
たままとした。処理10日後、トウモロコシ実生苗を切
り取り、2齢後期から3齢前期のタマナヤガ幼虫2匹と
ともにプラスチックカップに入れた。プラスチックカッ
プに入れてから4日後に肉眼で死亡率を評価した。
【0109】ムギミドリアブラムシ−浸透移行性試験
(GA−Sys) 湿土壌の入ったポット中、土壌表面上にモロコシ種子を
播いた。被験化合物溶液を灌注にて土壌および種子上に
施用し、処理量は土壌濃度10または25ppmに等価
となるようにした。未処理対照として、被験化合物を含
有しない水−アセトン−DMF−乳化剤溶液のアリコー
トを同様に施用した。土壌表面および種子を湿土壌で覆
った。そのポットをバイオアッセイ中、温室に入れたま
まとした。モロコシ種子が発芽した時、ポット当たりア
ブラムシ約50匹となるように、ムギミドリアブラムシ
をモロコシポットに均等に振りかけ、その1日後および
3日後に、アブラムシ抑制について植物を等級分けし
た。
【0110】ワタアブラムシ−浸透移行性試験(CA−
Sys) 湿土壌の入ったポット中、土壌表面上に棉種子を播い
た。被験化合物溶液を灌注にて土壌および種子上に施用
し、処理量は土壌濃度10.0ppmに等価となるよう
にした。未処理対照として、被験化合物を含有しない水
−アセトン−DMF−乳化剤溶液のアリコートを同様に
施用した。土壌表面および種子を湿土壌で覆った。その
ポットをバイオアッセイ中、温室に入れたままとした。
棉の子葉が展開した時点(播種から約7日後)で、棉に
ワタアブラムシ約25匹(混合群)を接種した。接種か
ら3日後および6日後に、アブラムシ抑制について植物
の等級分けを行った。
【0111】上記の手順を行って、本発明の範囲内の多
くの化合物を評価した。第II表に示した以下の化合物
は100%までの死亡率で、上記の1種以上の昆虫に対
して活性であった。その活性は「+」で示してある。
【0112】
【表9】
【0113】以上の農薬としての使用から明らかなよう
に、本発明は、農薬的に活性な化合物と、節足動物、特
に昆虫またはダニ;植物線虫;あるいは蠕虫(helmint
h)または原生動物の害虫などの多くの害虫種の抑制の
ためのその化合物の使用法を提供するものである。そこ
で、式(I)の化合物またはそれらの農薬的に許容され
る塩は、例えば、農作物または園芸作物、林業、獣医学
または畜産業あるいは公衆衛生において、実際の使用場
面で好適に用いられる。この観点から以下において、
「式(I)の化合物」という用語が使用される場合は必
ず、その用語は、式(I)の化合物とその農薬的に許容
される塩を包含するものである。「式(I)の化合物」
という用語は、式(I)の化合物とそれの農薬的に許容
される塩を包含する。
【0114】従って本発明は、ある箇所での病害虫の抑
制方法であって、その箇所を有効量の式(I)の化合物
またはそれの農薬的に許容される塩(置換基は本明細書
ですでに定義したものである)で処理(例えば、施用ま
たは投与によって)することを含む抑制方法の箇所には
例えば、病害虫そのものあるいは病害虫が生息または食
物を摂取する場所(植物、動物、人、畑、建造物、家
屋、森林、果樹園、水路、土壌、植物または動物生産物
など)などがある。
【0115】本発明の化合物は好ましくは、 corn root
worm、シロアリ(特に建造物の保護のため)、根食い
虫、ハリガネムシ、根ゾウムシ(root weevil )、茎穿
孔虫(stalkbores)、ネキリムシ、根アブラムシ(root
aphids )または地虫などの土壌害虫の抑制に使用され
る。その化合物はさらに、根瘤線虫、シスト線虫、ダガ
ー(dagger)線虫、病変(lesion)線虫あるいは茎また
は球根線虫などの植物病原性線虫、あるいはダニに対す
る活性を示すものである。例えば corn rootwormなどの
土壌害虫の抑制の場合、その化合物を、作物を植えたま
たは植える予定の土壌あるいは種子または成長する植物
の根に、有効量で施用または土壌混和するのが好まし
い。
【0116】さらに、これらの化合物は、植物の地上部
を食する特に一部の昆虫またはダニのような一部の節足
動物の茎葉施用による浸透移行作用による抑制に有用な
ものであり得る。茎葉部害虫の抑制はさらに、植物の根
または種子に施用して、それが次にその植物の地上部へ
と浸透移行することで行うこともできる。
【0117】公衆衛生の分野では、本発明の化合物は、
不潔なハエ(filth fly )その他の双翅目害虫(例え
ば、イエバエ、サシバエ、ミズアブ(soldierfly)、ツ
ノサシバエ、メクラアブ(deerflies )、ウシアブ、ユ
スリカ、ヌカカ、ブユまたは蚊など)の多くの昆虫の抑
制に特に有用である。
【0118】本発明の化合物は、以下の適用場面におい
て、節足動物、特に昆虫またはダニ、線虫あるいは蠕虫
または原生動物の害虫などの以下の害虫に対して使用す
ることができる。
【0119】−例えば、穀粒または小麦粉のような穀物
食品、グランドナッツ(groundnuts)、動物飼料、材木
などの保存品あるいはカーペットおよび繊維製品などの
家財の保護では、本発明の化合物は、節足動物、より詳
細には甲虫類による攻撃に対して有用であり、その害虫
の例としては、ゾウムシ、蛾またはダニなどがあり、例
えば、Ephestia spp. (flour moths )、Anthrenus s
pp. (ヒメマルカツオブシムシ)、Tribolium spp.
(コクヌストモドキ)、Sitophilus spp. (grain weev
ils )またはAcarus spp. (ダニ)などがある。
【0120】−ゴキブリ、蟻もしくはシロアリまたは侵
入を受けた民家もしくは工場の家屋での類似の節足動物
害虫の抑制あるいは水路、井戸、貯水池、その他の流水
または静止水での蚊幼虫の抑制に対して。
【0121】−例えば、Reticulitermes spp. 、Hetero
termes spp. 、Coptotermes spp.などのシロアリによ
る建造物への攻撃を防止するための、基礎、建造物また
は土壌の処理に対して。
【0122】−農業において、例えば、Heliothis vire
scens (tabacco budworm )、Heliothis armigeraおよ
Heliothis zea のようなHeliothis spp. 、ならびに
S.exempta S.frugiperdaS.exiquaS.littoralis
(Egyptian cotton worm)、S.eridania(southern arm
y worm)のようなSpodoptera spp. 、Mamestra configu
rata(bertha army worm)、;E.insulana(Egyptian b
ollworm )のようなEarias spp. 、Pectinophora gossy
piella(ワタキバガ)のようなPectinophora spp. 、O.
nubilalis (アワノメイガ)のようなOstrinia spp. 、
Trichoplusia ni(イラクサキンウワバ)、Artogeia sp
p. (アオムシ)、Laphygma spp. (アワヨトウ)、Agr
otis およびAmathes spp. (ヨトウムシ)、Wiseana
spp. (porina moth )、Chilo spp. (ニカメイ
ガ)、Tryporyza spp. およびDiatraeaspp. (sugar c
ane borers およびrice borers )、Sparganothis pill
eriana(grape berry moth)、Cydia pomonella (コド
リンガ)、Archips spp. (fruit tree tortrix moth
)、Plutella xylostella (コナガ)、Bupalus pinia
rius Cheimatobia brumata Lithocolletis blancar
dellaHyponomeuta padella Plutella maculipennis
Malacosoma neustria Euproctis chrysorrhoeaL
ymantria spp. 、Bucculatrix thurberiellaPhylloc
nistis citrellaEuxoa spp. 、Feltia brassicaeP
anolis flammea Prodenia litura Carpocsa pomo
nellaPyrausta nubilalisEphestia kuehniella G
alleria mellonella Tineola bisselliellaTinea p
ellionella Hofmannophila pseudospretella Cacoe
cia podana Capus reticulanaChoristoneura fumif
eranaClysia ambiguellisHomona magnanimeおよびT
ortix viridana などの鱗翅目蝶蛾類の成虫、幼虫およ
び卵に対して。
【0123】−Hypothenemus hampei (coffee berry b
orer)、Hylesinus spp. (キクイムシ)、grandis
(ワタミハナミゾウムシ)のようなAnthonomus spp. 、
Acalymma spp. (ウリハムシ)、Lema spp. 、Psylliod
es spp. 、Leptinotarsa decemlineata (コロラドハム
シ)、Diabrotica spp. (corn rootworm )、Gonoceph
alum spp. (false wire worms)、Agriotes spp. 、Li
monius spp. (ハリガネムシ)、Dermolepida spp. 、
Popillia spp. 、Heteronychus spp. (ネキリムシ)、
Phaedon cochleariae (mustard beetle)、Epitrix s
pp. (ノミハムシ)、Lissorhoptrus oryzophilus (イ
ネミズゾウムシ)、Meligethes spp. (pollen beetle
)、Ceutorhynchus spp. 、Rhynchophorus およびCos
mopolites spp. (root weevils)、Anobium punctatum
Rhizopertha dominicaBruchidius obtectus Aca
nthoscelides obtectusHylotrupes bajulusAgelast
ica alni Psylliodes chrysocephalaEpilachna var
ivestisAtomaria spp. 、Oryzaephilus surinamensis
Sitophilus spp. 、Otiorrhynchus sulcatusCosmo
plites sordidusCeuthorrhynchus assimilis Hyper
a posticaDermestesspp. 、Trogoderma spp. 、Anthr
enus spp. 、Attagenus spp. 、Lyctus spp. 、Malig
ethes aeneus Ptinus spp. 、Niptus hololeucrusG
ibbium psylloidesTribolium spp. 、Tenebrio moli
torConoderus spp. 、Melolontha melolontha Amp
himallon solstitialisおよびCostelytra zealandica
などの鞘翅目(甲虫類)の成虫および幼虫に対して。
【0124】−Psylla spp. 、Bemisia spp. 、Triale
urodes spp. 、Aphis spp. 、Myzus spp. 、Megoura
viciaePhylloxera spp. 、Adelges spp. 、Phorodon
humuli (hop damson aphid)、Aeneolamia spp. 、Ne
photettix spp. (rice leaf hopper)、Empoasca sp
p. 、Nilaparvata spp. 、Perkinsiella spp. 、Pyril
la spp. 、Aonidiella spp. (red scale )、Coccus
spp. 、Pseucoccus spp. 、Helopeltis spp. (mosquit
o bug)、Lygus spp. 、Dysdercus spp. 、Oxycarenu
s spp. 、Nezara spp. 、Eurygaster spp. 、Piesma qu
adrata Cimexlectularius Rhodnius prolixus Tr
iatoma spp. 、Aspidiotus hederaeAeurodes brassic
aeBrevicoryne brassicae Cryptomyzus ribis Do
ralis fabae Doralis pomiEriosoma lanigerumHy
alopterus arundinis Macrosiphum avenaePhorodon
humuli Phopalosiphum padiEuscelis bilobatus
Nephotettix cincticepsLecanium corniSaissetia
oleae Laodelphax striatellusなどの異翅亜目(半翅
目および同翅目)に対して。
【0125】−Athalia spp. およびCephus spp. (ハ
バチ)、Atta spp. (ハキリアリ)、Diprion spp. 、
Hopolocampa spp. 、Lasius spp. 、Monomorium spp.
Polistes spp. 、Vespa spp. 、Vespula spp. な
らびにSolenopsis spp. などの膜翅目に対して。
【0126】−Delia spp. (根食い虫)、Atherigona
spp. およびChlorops spp. 、Sarcophaga spp. 、Musc
a spp. 、Phormia spp. 、Aedes spp. 、Anopheles
spp. 、Simulium spp. (shoot fly )、Phytomyza s
pp. (ハモグリバエ)、Ceratitis spp. (ミバエ)、
Culex spp. 、Drosophila melanogaster Ceratitis
capitataDacus oleae Tipula paludosa Callipho
ra erythrocephalaLucilia spp. 、Chrysomyia spp.
Cuterebra spp. 、Gastrophilus spp.、Hyppobosca
spp. 、Stomoxys spp. 、Oestrus spp. 、Hypoderma
spp. 、Tabanus spp. 、Fannia spp. 、Bibio hortul
anusOscinella fritPhorbia spp. 、Pegomyia hyo
scyaniなどの双翅目に対して。
【0127】−Thrips tabaci Hercinothrips femora
lis およびFrankliniella spp. などの総翅目に対し
て。
【0128】−例えば、Blatta orientalis Periplan
eta americana Leucophaea maderaeBlatella germa
nicaAcheta domesticus のようなGryllus spp. およ
Acheta spp. 、Gryllotalpa spp. 、Locusta migrat
oria migratorioides Melanoplus differentialis
よびSchistocerca gregaria などのLocusta およびSchi
stocerca spp. (バッタおよびコオロギ)等の直翅目に
対して。
【0129】−Sminthurus spp. およびOnychiurus sp
p. (トビムシ);Periplaneta spp. およびBlattela
spp. (ゴキブリ)などのトビムシ目に対して。
【0130】−Odontotermes spp. 、Reticuletermes s
pp. 、Coptotermes spp. (シロアリ)などのシロアリ
目に対して。
【0131】−Forticula spp. (ハサミムシ)などの
革翅目に対して。
【0132】−Tetranychus spp. 、Panonychus spp.
Bryobia spp. (ハダニ)、Ornithonyssus spp.
(fowl mites)、Eriophyes spp. (フシダニ)および
Polyphadotarsonemus spp. のようなダニ(Acari )ダ
ニ(mites )などの農業的に重要な節足動物に対して。
【0133】−例えばLepisma saccharia などの総尾目
に対して。
【0134】−例えばPhylloxera vastatrixPemphigu
s spp. 、Pediculus humanus corporisHaematopinus
spp. およびLinognathus spp. などのシラミ目に対し
て。
【0135】−例えばTrichodectes spp. およびDamali
nea spp. などの食毛目に対して。
【0136】−例えばXenopsylla cheopisおよびCerato
phyllus spp. などのシフォノプテラ(Siphonoptera)
に対して。
【0137】−Blaniulus spp. (ヤスデ)、Scutiger
ella spp. (結合綱)、Oniscus spp. (woodlice)お
よびTriops spp. (甲殻綱)などの他の節足動物に対し
て。
【0138】−例えば、Oniseus asellus Armadillid
ium vulgare およびPorcellio scaberなどの等脚目に対
して。
【0139】−例えばGeophilus carpophagus およびSc
utigera spexなどの唇脚綱に対して。
【0140】−直接または植物の細菌、ウィルス、マイ
コプラズマまたは真菌性疾病を広めることで、農業、林
業または園芸で重要な植物または樹木を攻撃する線虫に
対して。その例としては、Meloidogyne spp. (例:M.
incognita)などのネコブ線虫;Globodera spp.
(例:G. rostochiensis)などのシスト線虫;Heterode
raspp. (例:H. avenae );Radopholus spp. (例:
R. similis);Pratylenchus spp. (P. pratensis)な
どの病変(lesion)線虫;Belonolaimus spp. (例:B.
gracilis );Tylenchulus spp. (例:T. semipenet
rans);Rotylenchulus spp. (例:R. reniformis
);Rotylenchus spp. (R. robustus );Helicotyl
enchus spp. (例:H. multicinctus );Hemicycliop
hora spp. (例:H. gracilis );Criconemoides sp
p. (例:C. similis);Trichodorus spp. (例:T.
primitivus );Xiphinema spp. (例:X. diversicau
datum)、Longidorus spp. (例:L. elongatus)など
のダガー(dagger) 線虫;Hoplolaimus spp. (例:H.
coronatus);Aphelenchoides spp. (例:A. ritzema
-bosi , A. besseyi);Ditylenchus spp. (例:D. d
ipsaci)などの茎および球根のスセンチュウ(stem and
bulb eelworm )等がある。
【0141】−獣医学もしくは畜産業の分野あるいは公
衆衛生維持においては、人間または畜牛、羊、山羊、
馬、豚、家禽、犬もしくはネコのような温血動物などの
脊椎動物に対して体内的または体外的に寄生性の節足動
物、蠕虫または原生動物に対してである。その例として
は、マダニ(例えば、Ixodes spp. 、Boophilus microp
lus などのBoophilus spp. 、Amblyomma spp. 、Hyal
omma spp. 、Rhipicephalus appendiculatusなどのRhip
icephalus spp. 、Haemaphysalis spp. 、Dermacento
r spp. 、Ornithodorus spp. (例:Ornithodorus mou
bata))およびその他のダニ(mites )(例えば、Dama
linia spp. 、Dermahyssus gallinaeSarcoptes scab
iei などのSarcoptes spp. 、Psoroptes spp. 、Chor
ioptes spp. 、Demodex spp. 、Eutrombicula spp. )
などのダニ目;双翅目(例えば、Aedes spp. 、Anophe
les spp. 、Musca spp. 、Hypoderma spp. 、Gaster
ophilus spp. 、Simulium spp. );半翅目(例:Tria
toma spp. );Phthirapter(例:Damalinia spp. 、L
inognathus spp. );Siphonaptera(例:Ctenocephal
ides spp. );網翅目(例:Periplaneta spp. 、Bat
ella spp. );膜翅目(例:Monomorium pharaonis
などがある。さらに例えば、TrichostrongylidaeNipp
ostrongylus brasiliensisTrichinella spiralisHa
emonchus contortusTrichostrongylus colubriformi
sNematodirus batus Ostertagis circumcincta 、T
richostrongylus axei Cooperia spp. およびHymenol
epis nanaの科のものなどの寄生性線虫によって引き起
こされる消化管の感染に対して。さらには、例えば、Ei
meria tenella Eimeria acervulinaEimeria brunet
tiEimeria maximaおよびEimeria necatrixのようなEi
meria spp. 、Trypanosomscruzi Leishaminia spp.
Plasmodium spp. 、Babesis spp. 、Trichomonadid
ae spp. 、Histomanas spp. 、Giardia spp. 、Toxop
lasma spp. 、Entamoeba histolytica およびTheileria
spp. などによって引き起こされる原生動物性疾患の
抑制および治療においてである。
【0142】節足動物、特に昆虫またはダニ、あるいは
植物の線虫害虫の抑制で実際に使用する場合、方法とし
ては例えば、植物または植物が成長する媒体に、有効量
の本発明の化合物を施用するものがある。そのような方
法では、有効成分を、節足動物または線虫の発生を抑制
すべき箇所に、処理箇所1ヘクタール当たり活性化合物
約0.005kg〜約15kgの範囲の有効量で施用す
るのが普通である。理想的な条件下では、抑制対象の害
虫次第で、さらに低い量で十分な保護が得られる場合も
ある。他方、悪天候、害虫の抵抗性その他の因子によっ
て、それより高い量で有効成分を用いることが必要な場
合がある。最適処理量は通常、例えば抑制すべき害虫の
種類、被寄生植物の種類または成長段階、畝の間隔ある
いは施用方法などの多くの因子によって決まる。より好
ましくは、活性化合物の有効処理量範囲は、約0.01
kg/ha〜約2kg/haである。
【0143】害虫が土壌性の場合、活性化合物は製剤組
成物形態で、適切な方法で、処理すべき面積に均等に散
布するのが普通である(すなわち、広幅処理または帯状
施用など)。所望に応じて、圃場または作物生育区画全
体に、あるいは攻撃から保護すべき種子または植物に極
めて近接して施用することができる。その活性成分は、
その区画全体への水散布によって土壌中に流し込むこと
ができるか、あるいは自然の降雨作用に任せることがで
きる。施用中または施用後、所望に応じて、製剤化合物
は、例えばすき込み、円板すきによるすき込みまたはド
ラッグチェーン使用によって、土壌中に機械的に分散さ
せることができる。施用は、発芽前で栽培前、栽培中、
栽培後に、あるいは発芽後に行うことができる。さら
に、抑制法では、種子の処理を行ってから播いて、播種
後に抑制効果を得ることができるようにすることもでき
る。
【0144】害虫抑制法ではさらに、植物の茎葉部の施
用または処理を行って、節足動物、特に植物の地上部を
攻撃する昆虫またはダニあるいは線虫を抑制するもので
ある。さらに、本発明の化合物による害虫抑制の方法
は、施用箇所から離れた植物部分で食害を行う害虫を抑
制することで行われる。例えば、植物の根または播種前
の植物の種子などに施用した場合に、活性化合物の浸透
移行作用を介して、葉を食べる害虫を抑制する。さら
に、本発明の化合物は、摂食阻害または忌避効果によっ
て、植物への攻撃を低減することができる。
【0145】本発明の化合物およびそれを用いる害虫抑
制の方法は、畑地、飼草地、プランテーション、温室、
果樹園またはブドウ園、観賞植物、あるいは植林地また
は森林、例えば穀物(例えば、トウモロコシ、小麦、米
またはモロコシ)、棉、タバコ、野菜(例えば、豆類、
アブラナ科作物、カーカービット(curcurbits)、レタ
ス、タマネギ、トマトまたは胡椒など)、畑作物(ジャ
ガイモ、サトウダイコン、ピーナッツ、大豆またはナタ
ネなど)、サトウキビ、牧草地または飼草作物(トウモ
ロコシ、モロコシまたはムラサキウマゴヤシなど)、プ
ランテーション(紅茶、コーヒー、カカオ、バナナ、ヤ
シ油、ココナッツ、ゴムまたは香辛料など)、果樹園
(核果、柑橘類、キウィフルーツ、アボガド、マンゴ
ー、オリーブまたはクルミなど)、ブドウ園、観賞植
物、温室または庭園もしくは公園の花もしくは野菜また
は低木、あるいは森林、プランテーションまたは種苗場
の森林樹木(落葉樹と常緑樹の両方)などの保護に特に
有効である。
【0146】それらは、ハバチまたは甲虫またはシロア
リなどによる攻撃から材木(立っているもの、倒れてい
るもの、加工したもの、保管したもの、または建材)の
保護にも有用である。
【0147】それらには、穀物、果物、ナッツ、香辛料
またはタバコなどの保存品を、製品が未加工、製粉およ
び混合のいずれのものであっても、蛾、甲虫、ダニまた
はgrain weevilの攻撃から保護する用途もある。
【0148】さらに、蛾または甲虫の攻撃から天然品ま
たは加工品の皮、毛髪、羊毛または革(例えば、カーペ
ットまたは繊維製品)などの保存動物製品を保護した
り、甲虫、ダニまたはハエの攻撃から保存された食肉、
魚または穀物を保護する。
【0149】さらに本発明の化合物およびそれらの使用
方法は、ヒトおよび前述のような家畜に対して有害であ
ったり、またはそれらの動物において疾病を広げる、す
なわち疾病の媒介動物として作用する節足動物、蠕虫ま
たは原生動物の抑制、さらに詳細にはマダニ、その他の
ダニ、シラミ、ノミ、ユスリカあるいは刺したり、うる
さかったりまたは蝿蛆症を起こすハエの抑制に特に有効
である。本発明の化合物は、宿主の家畜の体内に存在す
るか、あるいは動物の体内または皮膚上で養分を取った
り、血液を吸い取る節足動物、蠕虫または原生動物の抑
制に特に有効であり、それを目的として、経口的、非経
口的、経皮的または局所的に投与することができる。
【0150】さらに、本発明の化合物は、Eimeria 属の
原生動物寄生虫の感染によって引き起こされる疾病であ
るコクシジウム症に対して有用であると考えられる。そ
の病気は、家畜および鳥、特に厳しい条件下で生まれた
りあるいは飼育されたものの経済的損失の重要な原因で
ある。例えば、畜牛、羊、豚またはウサギも冒され得る
が、その病気は特に家禽、とりわけ鶏において重要であ
る。本発明の化合物少量を、好ましくは飼料と混ぜて投
与すれば、コクシジウム症を予防したりあるいはその発
生率を大きく低下させる上で有効である。その化合物
は、盲腸型および小腸型の両方に対して有効である。さ
らに、本発明の化合物は、形成される卵母細胞の数およ
び胞子化を大きく低減することによって、卵母細胞に対
する阻害効果を与えることもできる。家禽の疾病は、寝
わら、地面、飼料または飲料水の中または上の糞中の感
染性微生物をその鳥がついばむことによって広がるのが
一般的である。その疾病は、出血、盲腸での血液の蓄
積、糞への血液の流れ込み、衰弱および消化不良によっ
て発現される。その疾病は多くの場合動物を死に至らし
めるが、重度の感染を生き残った鶏は、感染があったと
いう理由で市場での価値はかなり低いものとなってい
た。
【0151】成長する作物または作物の成長する箇所へ
の施用用あるいは種子粉衣として以下記載の組成物は通
常、適宜に、ヒトまたは動物への局所施用に使用した
り、あるいは保存製品、家財、所有地または一般環境区
域の保護に使用することができる。本発明の化合物を施
用するための好適な手段には以下のものがある。
【0152】−成長する作物に対しては、液灌注、粉
塵、粒剤、燻煙または泡によって、茎葉散布、粉剤、粒
剤、煙霧剤または泡剤として、あるいは土壌処理剤また
は根部処理剤としての微粉砕またはカプセル化組成物の
懸濁液として、作物の種子に対しては、液体スラリーま
たは粉剤による種子粉衣としての施用によって行う。
【0153】−節足動物、蠕虫または原生動物によって
寄生されたあるいは寄生に曝されたヒトまたは動物に対
しては、例えば、飼料あるいは好適な経口摂取可能な医
薬製剤、食用餌、家畜用岩塩、補助飼料、浴びせかけ
(pour-on )用製剤、噴霧剤、入浴、浸漬、シャワー、
ジェット、粉塵、グリース、シャンプー、クリーム、ロ
ウスメアまたは家畜の自己治療システムに組み入れるこ
とによって、節足動物、蠕虫または原生動物に対して有
効成分が速効作用および/または持続性作用を示す組成
物の非経口、経口または局所投与によって行う。
【0154】−環境全般あるいは保存品、材木、家財ま
たは民家もしくは工場の家屋などの害虫が潜むと考えら
れる特定の場所に対しては、噴霧剤、煙霧、粉塵、燻
煙、ロウスメア、ラッカー、粒剤または餌として、ある
いは水路、井戸、貯水池その他の流水もしくは静止水へ
の細流投入で行う。
【0155】−飼料摂取中の家畜に対しては、その糞に
薬剤を入れてハエの幼虫を抑制する。
【0156】実際、本発明の化合物は、組成物の一部を
形成する場合が最も多い。その組成物を用いて、特に昆
虫またはダニなどの節足動物;線虫;あるいは蠕虫また
は原生動物の害虫を抑制することができる。その組成物
は、いかなる家屋または屋内もしくは屋外領域で、脊椎
動物への体内または体外投与によって、所望の害虫に対
して施用する上で好適な当業界で公知のいかなる種類の
ものであることもできる。その組成物は、有効成分とし
て、前述のように、少なくとも1個の式(I)の化合物
またはそれの農薬的に許容される塩を含有するものであ
り、所期の用途に適し、しかも作物学的または医学的に
許容される例えば固体または液体の担体もしくは希釈
剤、製剤助剤、界面活性剤などの1以上の他の適合する
成分との併用または組み合わせるものである。その組成
物は、当業界で公知のいかなる方法によっても調製する
ことができ、やはり本発明に含まれるものである。
【0157】その組成物はさらに、保護コロイド、粘着
剤、増粘剤、チキソトロピー剤、浸透剤、噴霧油(特に
コナダニ用)、安定剤、保存剤(特に防かび剤)、封鎖
剤などの他の種類の成分や、農薬活性(特に、殺虫性、
殺ダニ性、殺線虫性または殺菌性)または植物成長調節
作用性を有する他の公知の有効成分を含有することもで
きる。より一般的には、本発明で使用される化合物は、
通常の製剤法に相当する固体または液体のいずれの添加
剤とも併用することができる。
【0158】農業、園芸などでの使用に適した組成物に
は、例えば、噴霧、粉塵、粒剤、煙霧、泡、乳剤などと
しての使用に適した製剤などがある。
【0159】脊椎動物またはヒトへの投与に好適な組成
物には、経口、非経口、浴びせかけ(pour-on )などの
経皮または局所投与に適した製剤などがある。
【0160】経口投与用組成物は、医薬的に許容される
担体またはコーティング剤との組み合わせで、1以上の
式(I)の化合物またはそれの農薬的に許容される塩を
含有するものであり、それには例えば、錠剤、丸薬、カ
プセル、ペースト、ゲル、浸漬液、薬剤混入飼料、薬剤
混入飲料水、薬剤混入補助飼料、徐放性ボラス(boluse
s )その他の消化管内で保持されることを意図した他の
徐放手段などがある。そのいずれにも、マイクロカプセ
ル中に含有させたり、あるいは酸不安定性またはアルカ
リ不安定性その他の医薬的に許容される腸溶性コーティ
ング剤でコーティングさせた形で有効成分を組み入れる
ことができる。薬剤混入させた飼料、飲料水その他の動
物が摂取するものを製造するのに、本発明の化合物を含
有する飼料予備混合物または濃縮物を使用することもで
きる。
【0161】非経口投与用組成物には、好適な医薬的に
許容されるビヒクルでの溶液剤、乳剤または懸濁液、あ
るいは長時間にわたって有効成分を放出するよう設計さ
れた固体または半固体の皮下埋込物またはペレットなど
があり、当業界で公知の適切な方法で、製造したり、滅
菌することができる。
【0162】経皮および局所投与用の組成物には、噴霧
剤、粉塵、入浴剤、浸漬剤、シャワー剤、ジェット剤、
グリース、シャンプー、クリーム、ロウスメアあるいは
浴びせかけ用の製剤または手段(例えば、局所的または
全身的な節足動物抑制を行うような形で動物の体外に取
り付けられた耳タグなど)などがある。
【0163】節足動物の抑制に好適な固体または液体の
餌は、1以上の式(I)の化合物またはそれの農薬的に
許容される塩と、食物その他の節足動物による摂取を誘
発する何らかの物質を含有することのできる担体または
希釈剤を含有するものである。
【0164】本発明で使用される化合物の有効な使用用
量は広い範囲で変動させることができ、それは特に、除
去すべき害虫の性質あるいは例えばその害虫による作物
の寄生度によって決まるものである。一般に、本発明に
よる組成物は、1以上の本発明による有効成分約0.0
5〜約95%(重量基準)、1以上の固体または液体の
担体約1〜約95%、さらに適宜に、界面活性剤などの
1以上の他の適合する成分を約0.1〜約50%含有す
るのが普通である。
【0165】本明細書の説明において、「担体」という
用語は、有効成分と組み合わせることで、例えば植物、
種子または土壌へのそれの施用を促進する天然または合
成の有機または無機の成分を表す。従ってその担体は不
活性であるのが普通であり、許容できるものでなければ
ならない(例えば、特に被処理植物に対して、作物学的
に許容される)。
【0166】担体は、例えば、粘土、天然または合成の
珪酸塩、シリカ、樹脂、ロウ、固体肥料(例えばアンモ
ニウム塩)、カオリン,粘土,タルク,チョーク,石
英,アタパルガイト,モンモリロナイト,ベントナイト
もしくは珪藻土などの粉砕天然無機物、あるいはシリ
カ、アルミナもしくは珪酸塩(特に珪酸アルミニウムま
たは珪酸マグネシウム)などの粉砕合成無機物などの固
体であることができる。粒剤用の固体担体としては、方
解石、大理石、軽石、海泡石および苦灰石などの粉砕ま
たは分別した天然岩石;無機または有機の粉餌の合成顆
粒;おがくず、ヤシ殻、トウモロコシ穂軸、トウモロコ
シ皮またはタバコ茎などの有機材料の顆粒;珪藻土、リ
ン酸三カルシウム、粉末コークスまたは吸着性カーボン
ブラック;水溶性ポリマー、樹脂、ロウ;あるいは固体
肥料が好適である。そのような固体組成物は、所望に応
じて、1以上の適合する湿展剤、分散剤、乳化剤または
着色剤を含有することができ、それらは固体の場合に
は、希釈剤としての効果をも持ち得る。
【0167】担体は液体であってもよく、それには例え
ば、水;アルコール、特にブタノールまたはグリコー
ル、ならびにそれらのエーテルまたはエステル、特に酢
酸メチルグリコール;ケトン、特にアセトン、シクロヘ
キサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ンまたはイソホロン;パラフィン系または芳香族系炭化
水素、特にキシレン類またはアルキルナフタレン類など
の石油留分;鉱物油または植物油;脂肪族塩素化炭化水
素、特にトリクロロエタンまたは塩化メチレン;芳香族
塩素化炭化水素、特にクロロベンゼン類;ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシドまたはN−メチルピロ
リドンなどの水溶性または極性の高い溶媒;液化ガス;
などあるいはそれらの混合物などがある。
【0168】界面活性剤は、イオン性または非イオン性
の乳化剤、分散剤または湿展剤あるいはそのような界面
活性剤の混合物であることができる。その中には、例え
ば、ポリアクリル酸塩、リグノスルホン酸塩、フェノー
ルスルホン酸もしくはナフタレンスルホン酸の塩または
エチレンオキシドと脂肪族アルコールもしくは脂肪酸も
しくは脂肪酸エステルもしくは脂肪族アミンとの縮重合
体、置換フェノール(特にアルキルフェノールまたはア
リールフェノール)、スルホコハク酸エステルの塩、タ
ウリン誘導体(特にアルキルタウリン)、アルコールま
たはエチレンオキシドとフェノールとの縮重合体のリン
酸エステル、脂肪酸とポリオールとのエステル、あるい
は上記化合物のスルファート、スルホナートまたはホス
ファート官能性誘導体などである。有効成分および/ま
たは不活性担体がわずかに水溶性であるに過ぎないかあ
るいは水に不溶であって、施用用の組成物の担体が水で
ある場合、少なくとも1つの界面活性剤を存在させるこ
とが重要であるのが一般的である。
【0169】本発明の組成物はさらに、粘着剤または着
色剤などの他の添加剤を含むことができる。カルボキシ
メチルセルロース、あるいはアラビアガム、ポリビニル
アルコールもしくは酢酸ポリビニルなどの粉末、顆粒ま
たは格子(lattice )の形での天然または合成ポリマ
ー、セファリンまたはレシチンなどの天然リン脂質、あ
るいは合成リン脂質などの粘着剤を、その製剤中に使用
することができる。例えば酸化鉄、酸化チタンまたはプ
ロシアンブルーなどの無機顔料;アリザリン染料、アゾ
染料または金属フタロシアニン染料などの有機染料;あ
るいは鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデ
ンまたは亜鉛の塩などの微量栄養素等の着色剤を使用す
ることができる。
【0170】節足動物、植物線虫、蠕虫または原生動物
の害虫を抑制するために施用することができる式(I)
の化合物または農薬的に許容される塩を含有する組成物
は、協力剤(例:ピペロニルブトキシドまたはセサメッ
クス)、安定剤、他の殺虫剤、殺ダニ剤、殺植物線虫
剤、駆虫薬または抗コクシジウム薬、殺菌剤(農業用ま
たは動物用のいずれか適切な方で、例えばベノミルおよ
びイプロジオンなど)、殺細菌剤、節足動物または脊椎
動物の誘引剤もしくは忌避剤もしくはフェロモン、脱臭
剤、芳香剤、染料あるいは微量元素などの治療補助剤を
含有することもできる。それらは、効力、持続性、安全
性、所望の場合の取込み、抑制される害虫のスペクトル
を改善したり、あるいはその組成物に、処理される同じ
動物または区画において他の有用な機能を行わせること
ができるよう設計することができる。
【0171】本発明の組成物中に含有させたりあるいは
その組成物と併用することができる他の農薬的に活性な
化合物の例としては、アセフェート、クロルピリホス、
デメトン−S−メチル、ジスルホトン、エトプロホス、
フェニトロチオン、フェナミホス、ホノホス、イサゾホ
ス、イソフェンホス、マラチオン、モノクロトホス、パ
ラチオン、ホーレイト、ホサロン、ピリミホス−メチ
ル、テルブホス、トリアゾホス、シフルトリン、シペル
メトリン、デルタメトリン、フェンプロパトリン、フェ
ンバレレート、ペルメトリン、テフルトリン、アルジカ
ーブ、カルボスルファン、メトミル、オキサミル、ピリ
ミカーブ、ベンジオカーブ、テフルベンズロン、ジコホ
ール、エンドスルファン、リンダン、ベンゾキシメー
ト、カルタップ、シヘキサチン、テトラジホン、アベル
メクチン、イベルメクチン、ミルベマイシン、チオファ
ネート、トルクロルホン、ジクロルボス、ジアベリジン
またはジメトリアダゾールなどである。
【0172】従ってそれらを農業で利用する場合、式
(I)の化合物またはそれの農薬的に許容される塩は、
組成物の形であるのが普通であり、各種固体または液体
の形態である。
【0173】使用できる固体形状の組成物は、粉塵粉末
(式(I)の化合物またはそれの農薬的に許容される塩
の含有量は、80%以下である)、水和剤または粒剤
(水分散性粒剤を含む)、特に顆粒状担体の押出、成
型、含浸あるいは粉末を原料とする造粒によって得られ
たもの(それらの水和剤または粒剤における式(I)の
化合物またはそれの農薬的に許容される塩の含有量は、
約0.5〜約80%の範囲である)である。例えば粒
剤、ペレット、ブリケットまたはカプセルなどの1以上
の式(I)の化合物またはそれの農薬的に許容される塩
を含む固体の均一または不均一組成物を用いて、ある期
間にわたり、静止水または流水を処理することができ
る。同様の効果を、本明細書に記載のように、水分散性
濃縮剤の細流または間欠的投入を行って得ることができ
る。
【0174】例えば、液体組成物には、水系または非水
系の溶液または懸濁液(乳剤、乳濁液、フロアブル剤、
分散性製剤または液剤など)あるいはエアロゾルなどが
ある。液体組成物には特に、液体組成物あるいは、水系
噴霧剤として(低容量および超低容量を含む)または煙
霧もしくはエアロゾルとして施用した場合に液体組成物
を形成するようになっている組成物の形としての、乳
剤、分散性剤、乳濁液、フロアブル剤、エアロゾル、水
和剤(または噴霧用粉剤)、ドライフロアブル剤または
ペーストなどもある。
【0175】例えば、乳化性または可溶性濃厚液の形で
の液体組成物は、有効成分を重量基準で約5〜約80%
含有する場合が最も多いが、そのまま施用できる乳濁液
または溶液はその場合、有効成分を約0.01〜約20
%含有する。溶媒に加えて、必要な場合、乳化性または
可溶性の濃厚液は、安定剤、界面活性剤、浸透剤、防腐
剤、着色剤または粘着剤などの好適な添加剤を約2〜約
50%含有することができる。例えば植物に対する施用
に特に好適な必要な濃度の乳濁液は、水で希釈すること
によって、それらの濃厚液から得ることができる。これ
らの組成物は、本発明で使用することが可能な組成物の
範囲に含まれる。その乳濁液は、油中水系または水中油
系の形であることができ、それらは高い粘稠性を有する
ことができる。
【0176】本発明の液体組成物は、通常の農業分野で
の用途に加えて、例えば家屋、屋外または屋内の保管も
しくは処理区画、容器もしくは装置あるいは静止水もし
くは流水などの、節足動物(または本発明の化合物によ
って抑制される他の害虫)によって寄生されたあるいは
寄生されやすい基質または部位の処理に使用することが
できる。
【0177】これらの水系の分散液または乳濁液または
噴霧用混合物は、例えば何らかの好適な手段によって、
主として噴霧によって作物に施用することができ、その
施用量は、1ヘクタール当たり噴霧混合物約100〜約
1200リットルのレベルであるが、ニーズまたは施用
法に応じてそれより高くしたり、低くすることができる
(例えば、低容量または超低容量)。本発明による化合
物または組成物は、植生、特に駆除すべき害虫を有する
根または葉に対して容易に施用される。本発明による化
合物または組成物の別の施用法は、化学溶液灌漑(chem
igation )、すなわち灌漑水に有効成分を含有する製剤
を加えることによるものである。その灌漑は、茎葉部農
薬の場合にスプリンクラー灌漑とすることができるか、
あるいは土壌農薬または浸透移行性農薬の場合に地上灌
漑または地下灌漑とすることができる。
【0178】噴霧によって施用することができる濃厚懸
濁液を調製して、沈殿しない安定な液体製剤(微粉砕)
で通常は有効成分を重量基準で約10〜約75%、界面
活性剤を約0.5〜約30%、チキソトロピー剤を約
0.1〜約10%、消泡剤、防腐剤、安定剤、浸透剤、
粘着剤などの好適な添加剤を約0〜約30%、さらには
担体として水または有効成分がほとんど溶けないか不溶
である有機液体を含有する。有機固体または無機塩の中
には、担体中で可溶であって、沈降防止に役立つかある
いは水の凍結防止剤として役立つものもある。
【0179】水和剤(または噴霧用粉剤)を調製して、
それらには有効成分が重量基準で約10〜約80%、固
体担体が約20〜約90%、湿展剤が約0〜約5%、分
散剤が約3〜約10%、必要に応じて1以上の安定剤お
よび/または浸透剤、粘着剤、固化防止剤、着色剤など
の他の添加剤を約0〜約80%含有させるのが普通であ
る。それらの水和剤を得るには、有効成分を、好適な混
合機中で添加物質と十分に混和し、それを多孔性増量剤
に含浸させ、ミルその他の好適な粉砕機を用いて粉砕す
ることができる。それによって水和性および懸濁性に優
れた水和剤粉剤が得られる。それを水に懸濁させて所望
の濃度を得ることができ、その懸濁液を特に植物葉部へ
の施用に対して非常に良好に使用することができる。
【0180】「水分散性粒剤(WG)」(水中で容易に
分散し得る粒剤)は、実質的に水和剤粉剤に近い組成を
有する。それらは、湿式(微粉砕した有効成分を不活性
増量剤および少量例えば1〜20重量%の水と、あるい
は分散剤または結合剤の水溶液と接触させてから、乾燥
およびスクリーニングする)あるいは乾式(成型とそれ
に続く粉砕およびスクリーニング)によって、水和剤に
ついて説明した製剤の造粒によって製造することができ
る。
【0181】製剤組成物としても、有効成分の施用用量
(有効用量)は通常、約0.005〜約15kg/h
a、好ましくは約0.01〜約2kg/haである。従
って、製剤組成物の量および濃度は、施用法またはその
組成物もしくはそれの用途の性質によって変わり得るも
のである。一般に、節足動物、植物線虫、蠕虫または原
生動物の害虫を抑制するために施用する組成物は、式
(I)の化合物または農薬的に許容されるそれらの塩あ
るいは総有効成分(すなわち、式(I)の化合物または
それの農薬的に許容される塩と、節足動物または植物線
虫に対して毒性のある他の物質、駆虫薬、抗コクシジウ
ム薬、協力薬、微量元素または安定剤)を、約0.00
001%〜約95%、より詳細には約0.0005%〜
約50%含有するのが普通である。使用される実際の組
成物およびそれの施用量を選択して、農家、畜産家、医
師または獣医、害虫駆除作業者その他の当業者によって
所望の効果を得るようにする。
【0182】動物、材木、保管物または家財に対する局
所施用用の固体または液体組成物は、1以上の式(I)
の化合物またはそれの農薬的に許容される塩を重量基準
で約0.00005%〜約90%、より詳細には約0.
001%〜約10%含有するのが普通である。固体また
は液体の組成物を動物に対して経口的にまたは経皮等の
非経口的に投与する場合、それら組成物は、1以上の式
(I)の化合物またはそれの農薬的に許容される塩を重
量基準で約0.1%〜約90%含有するのが普通であ
る。薬剤を混合した飼料は、1以上の式(I)の化合物
またはそれの農薬的に許容される塩を重量基準で約0.
001%〜約3%含有するのが普通である。飼料との混
和用の濃厚物または補給物は、1以上の式(I)の化合
物またはそれの農薬的に許容される塩を重量基準で約5
%〜約90%、好ましくは約5%〜約50%含有するの
が普通である。無機家畜用岩塩は、1以上の式(I)の
化合物またはそれの農薬的に許容される塩を重量基準で
約0.1%〜約10%含有するのが普通である。
【0183】家畜、ヒト、商品、家屋または屋外区画へ
の施用用の粉塵または液体組成物は、1以上の式(I)
の化合物またはそれの農薬的に許容される塩を重量基準
で約0.0001%〜約15%、さらに詳細には約0.
005%〜約2.0%含有することができる。被処理水
系での好適な濃度は、1以上の式(I)の化合物または
それの農薬的に許容される塩が約0.0001ppm〜
約20ppm、より詳細には約0.001ppm〜約
5.0ppmであり、それを適切な曝露時間で養魚業に
おいて治療に使用することができる。食用餌は、1以上
の式(I)の化合物またはそれの農薬的に許容される塩
を重量基準で約0.01%〜約5%、好ましくは約0.
01%〜約1.0%含有することができる。
【0184】脊椎動物に対して、非経口、経口あるいは
経皮その他の方法で投与する場合、式(I)の化合物ま
たはそれの農薬的に許容される塩の用量は、その脊椎動
物の種類、年齢または健康状態、ならびに節足動物、蠕
虫または原生動物の害虫による実際のまたは考えられる
寄生の性質および程度によって決まる。動物体重1kg
当たり約0.1〜約100mg、好ましくは約2.0〜
約20.0mgあるいは徐放性投与の場合には、1日当
たり、動物体重1kg当たりで約0.01〜約20.0
mg、好ましくは約0.1〜約5.0mgの単回投与
が、経口投与または非経口投与には好適である。徐放性
の製剤または手段を用いることによって、1ヶ月間にわ
たって必要な1日用量をまとめて、単回で動物に投与す
ることができる。
【0185】以下の実施例16A〜16Lの組成物は、
節足動物、特にマダニまたは昆虫、植物線虫あるいは蠕
虫または原生動物害虫に対して使用される組成物であっ
て、有効成分として、製造実施例で説明したような式
(I)の化合物またはそれの農薬的に許容される塩を含
有するものを例示するものである。実施例16−A〜1
6−Lに記載の組成物はそれぞれ希釈して、圃場での使
用に好適な濃度で噴霧可能な組成物を得ることができ
る。以下に例示する実施例16−A〜16−Lの組成物
で使用される成分の一般的な化学的説明は以下の通りで
ある。
【0186】
【表10】
【0187】(実施例16−A)以下の組成で、水溶性
濃厚液を調製する。
【0188】 有効成分 7% エチランBCP 10% N−メチルピロリドン 83% N−メチルピロリドンの一部に溶解したエチランBCP
の溶液に有効成分を加え、加熱・攪拌によって溶解させ
る。得られる溶液を、残りの溶媒で規定容量とする。
【0189】(実施例16−B)以下の組成で、乳化性
濃厚液(EC)を調製する。
【0190】 有効成分 7% ソプロホルBSU 4% アリランCA 4% N−メチルピロリドン 50% ソルベッソ150 35% 最初の3成分をN−メチルピロリドンに溶解させ、それ
に対して次にソルベッソ150を加えて最終容量とす
る。
【0191】(実施例16−C)以下の組成で、水和剤
粉剤(WP)を調製する。
【0192】 有効成分 40% アリランS 2% ダーバンNo2 5% セライトPF 53% 成分を混合し、ハンマーミルで粉砕して、粒径50ミク
ロン未満の粉末とする。
【0193】(実施例16−D)以下の組成で、水系フ
ロアブル剤を調製する。
【0194】 有効成分 40.00% エチランBCP 1.00% ソプロポンT360 0.20% エチレングリコール 5.00% ロジゲル230 0.15% 水 53.65% これらの成分を完全に混和し、ビーズミルで粉砕して、
平均粒径3ミクロン未満とする。
【0195】(実施例16−E)以下の組成で、乳化性
懸濁濃厚液を調製する。
【0196】 有効成分 30.0% エチランBCP 10.0% ベントン38 0.5% ソルベッソ150 59.5% これらの成分を完全に混和し、ビーズミルで粉砕して、
平均粒径3ミクロン未満とする。
【0197】(実施例16−F)以下の組成で、水分散
性粒剤を調製する。
【0198】 有効成分 30% ダーバンNo2 15% アリランS 8% セライトPF 47% これらの成分を混和し、流体エネルギーミルで微粉化
し、次に、回転式ペレット形成機(pelletizer)中で水
(10%以下)を噴霧することで造粒する。得られる顆
粒を流動床乾燥機で乾燥して、過剰の水分を除去する。
【0199】(実施例16−G)以下の組成で、(粉塵
用)粉剤を調製する。
【0200】 有効成分 1〜10% タルク粉末−超微粒子 99〜90% これらの成分を完全に混和し、必要に応じてさらに粉砕
することによって、微粉末を得る。その粉剤を、例えば
廃棄物集積場などの節足動物寄生場所、保存品もしくは
家財または節足動物が寄生しているかもしくは寄生する
危険性のある動物に施用して、経口摂取によって節足動
物を抑制することができる。節足動物寄生場所にこの粉
塵用粉剤を分配するための好適な手段には、送風機、手
動振盪機(handshaker)または家畜自己治療装置などが
ある。
【0201】(実施例16−H)以下の組成で、食用餌
を調製する。
【0202】 有効成分 0.1〜1.0% 小麦粉 80% 糖蜜 19.9〜19% これらの成分を完全に混和し、必要な形で製剤して餌剤
とする。その食用餌を、例えば、アリ、イナゴ、ゴキブ
リまたはハエなどの節足動物によって寄生された台所、
病院もしくは店舗または屋外区画のような民家または工
場の家屋などの場所に分配して、経口摂取によってその
節足動物を抑制することができる。
【0203】(実施例16−I)以下の組成で、液剤を
調製する。
【0204】 有効成分 15% ジメチルスルホキシド 85% 必要に応じて混和および/または加熱することで、有効
成分をジメチルスルホキシドに溶解させる。その液剤
を、節足動物が寄生している家畜への浴びせかけ(pour
-on )施用として経皮的に、あるいはポリテトラフルオ
ロエチレン膜(孔径0.22μm)濾過による滅菌後に
非経口注射によって、動物100kg当たり液剤1.2
〜12mLの施用量で施用することができる。
【0205】(実施例16−J)以下の組成で、水和性
粉剤を調製する。
【0206】 有効成分 50% エチランBCP 5% エアロジル 5% セライトPF 40% エチランBCPをエアロジルに吸収させ、次にそれを他
の成分と混和し、ハンマーミルで粉砕して、水和性粉剤
を得る。それを水で希釈して、活性化合物濃度0.00
1%〜2%(重量基準)とし、双翅目幼虫または植物線
虫などの節足動物による寄生の箇所に噴霧によって施用
するか、あるいは節足動物、蠕虫または原生動物によっ
て寄生されたまたは寄生の可能性のある家畜に対して、
噴霧もしくは浸漬または飲料水での経口投与によって投
与して、その節足動物、蠕虫または原生動物を抑制する
ことができる。
【0207】(実施例16−K)必要に応じて各種パー
セント(上記の組成物について記載したものと同様)
で、以下の成分を含有する顆粒から、徐放性ボラス濃厚
剤を得る。
【0208】有効成分 密度剤(density agent ) 徐放剤 結合剤 完全に混合した成分を顆粒とし、それを加圧して比重2
以上のボラスを得る。それを反芻動物家畜に対して経口
投与して、反芻胃内で保持されるようにして、長期間に
わたって活性化合物の連続的徐放を行うことで、節足動
物、蠕虫または原生動物による反芻動物家畜の寄生を抑
制することができる。
【0209】(実施例16−L)以下の組成で、粒剤、
ペレット、ブリケットなどの徐放性組成物を調製する。
【0210】 有効成分 0.5〜25% ポリビニルクロライド 75〜99.5% フタル酸ジオクチル(可塑剤) これらの成分を混合してから、溶融押出または成形によ
って適切な形状に成型する。その組成物は例えば、静止
水への添加あるいは家畜に取り付けるための首輪または
耳タグへの加工に有用である。
フロントページの続き (72)発明者 ニコラス・チヤールズ・レイ アメリカ合衆国、ノース・カロライナ・ 27615、ローリー、シツクス・フオーク ス・ロード・6725、ビー−2 (72)発明者 デイビツド・ダブリユ・ホーキンズ イギリス国、エセツクス・シー・エム・ 5・オー・エイチ・ダブリユ、オンガー、 フアイフイールド・ロード、ローヌ−プー ラン・アグリカルチヤー・リミテツド気付 (番地なし)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)のアリールピラゾールまた
    は該化合物の農薬的に許容される塩。 【化1】 [式中、 R1 はシアノ、ハロゲン、ホルミル、C(O)R2 、H
    およびR2 から選択され、 R2 はC1 〜C4 アルキル、C1 〜C4 ハロアルキルお
    よび1個以上のハロゲンで置換されていても良いシクロ
    アルキルから選択され、 R3 は、ハロゲン、C1 〜C4 アルキル、C1 〜C4
    ロアルキル、ニトロ、CONR4 5 、COOR4 およ
    び−S(O)n 6 から選択され、 R4 およびR5 は独立に、H、C1 〜C5 アルキルおよ
    びC1 〜C5 ハロアルキルから選択され、 R6 はC1 〜C4 アルキル、C1 〜C4 ハロアルキルお
    よび1個以上のハロゲンで置換されていても良いシクロ
    アルキルから選択され、 R7 はC(O)R8 、C1 〜C6 α−ヒドロキシアルキ
    ル、C1 〜C6 α−ヒドロキシハロアルキル、C(OR
    9 )=CHR10、CHR1112、−CR13=NDまたは 【化2】 から選択され、 R8 はH、C1 〜C5 アルキルおよびC1 〜C5 ハロア
    ルキルから選択され、 R9 は−C(O)R18、−CHO、−S(O)2 18
    −S(O)2 アリール、C3 〜C18トリアルキルシリ
    ル、C8 〜C18ジアルキルアリールシリル、C13〜C20
    ジアリールアルキルシリルおよびC18〜C24トリアリー
    ルシリルから選択され、 R10はH、C1 〜C4 アルキルおよびC1 〜C4 ハロア
    ルキルから選択され、 R11およびR12は独立に、C1 〜C4 アルコキシ、C1
    〜C4 ハロアルコキシ、C1 〜C4 アルキルチオ、C1
    〜C4 ハロアルキルチオ、−NR8 10、C3〜C8
    リアルキルシロキシおよびシアノから選択され、 R13はH、C1 〜C5 アルキルおよびC1 〜C5 ハロア
    ルキルから選択され、 R14はH、ハロゲン、C1 〜C4 アルキル、C1 〜C4
    ハロアルキル、C1 〜C4 アルコキシ、C1 〜C4 ハロ
    アルコキシ、C1 〜C4 アルキルチオ、C1 〜C4 ハロ
    アルキルチオ、シアノおよびニトロから選択され、 R15およびR17は独立に、Hおよびハロゲンから選択さ
    れ、 R16はハロゲン、C1 〜C4 アルキル、C1 〜C4 ハロ
    アルキル、C1 〜C4アルコキシ、C1 〜C4 ハロアル
    コキシ、シアノ、ニトロ、−C(O)R18および−S
    (O)q 19から選択され、 R18はC1 〜C3 アルキルおよびC1 〜C3 ハロアルキ
    ルから選択され、 R19はC1 〜C3 アルキルおよびC1 〜C3 ハロアルキ
    ルから選択され、 R20はH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1 〜C4 アル
    キル、C1 〜C4 ハロアルキル、C1 〜C4 アルコキシ
    およびC1 〜C4 ハロアルコキシから選択され、 R21はH、C1 〜C4 アルキルおよびC1 〜C4 ハロア
    ルキルから選択され、 R22、R23およびR24は独立に、H、C1 〜C4 アルキ
    ルおよびC1 〜C4 ハロアルキルから選択され、 AおよびEは独立にNR21、OおよびSから選択され、 DはOR22およびNR2324から選択され、 Xは窒素原子またはC−R20から選択され、 Zは(CH2 m であり、 mは2、3または4であり、 nは0、1または2であり、 qは0、1または2であり、 ただし、R11およびR12は、R12がシアノの場合を除き
    常に同一であり、 R4 は、R3 がCOOR4 の場合はHではない。]
  2. 【請求項2】R1 がシアノであり、 R3 が−S(O)n 6 であり、 R7 が、C(O)R8 、C1 〜C6 α−ヒドロキシアル
    キル、C1 〜C6 α−ヒドロキシハロアルキル、C(O
    9 )=CH10、CHR1112、−CR13=NDから成
    る群から選択され、 R14はハロゲンであり、 R15およびR17はHであり、 R16はC1 〜C4 ハロアルキルであり、 XはC−R20であるという特徴のうち1以上を有する請
    求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】R1 がシアノ、ハロゲン、−C(O)
    2 、HおよびR2 から選択され、 R3 が−S(O)n 6 であり、 R7 が−C(O)R8 、−CR13=NDおよび−CHR
    1112から選択され、 R14がハロゲンであり、 R15およびR17がHであり、 R16がC1 〜C4 ハロアルキルである請求項1に記載の
    化合物。
  4. 【請求項4】R1 がシアノであり、 R3 が−S(O)n 6 であり、 R6 がC1 〜C2 ハロアルキルから選択され、 R7 が−C(O)R8 、−CHR1112および−CR13
    =NDから選択され、 R11がC1 〜C4 アルコキシから選択され、 R12がC1 〜C4 アルコキシおよびシアノから選択さ
    れ、 R14がハロゲンから選択され、 R15およびR17がHであり、 R16がC1 〜C2 ハロアルキルから選択される請求項1
    または2に記載の化合物。
  5. 【請求項5】 R6 がCF3 であり、R16がCF3 であ
    る請求項1、2または3に記載の化合物。
  6. 【請求項6】5−アセチル−3−シアノ−1−(2,6
    −ジクロロ−4−トリフルオロメチルフェニル)−4−
    トリフルオロメチルスルホニルピラゾール、 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
    ロメチルフェニル)−5−ホルミル−4−トリフルオロ
    メチルチオピラゾール、 5−{(N−アミノ)イミノメチリデニル}−3−シア
    ノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチル
    フェニル)−4−トリフルオロメチルチオピラゾール、 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
    ロメチルフェニル)−5−ジメトキシメチル−4−トリ
    フルオロメチルチオピラゾール、 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
    ロメチルフェニル)−5−{(N−メトキシ)イミノメ
    チリデニル}−4−トリフルオロメチルチオピラゾー
    ル、 3−シアノ−5−{(1−シアノ−1−メトキシ)メチ
    ル}−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチ
    ルフェニル)−4−トリフルオロメチルチオピラゾー
    ル、 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
    ロメチルフェニル)−5−(ヒドロキシ)メチル−4−
    トリフルオロメチルチオピラゾール、 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
    ロメチルフェニル)−5−(1−ヒドロキシ)エチル−
    4−トリフルオロメチルチオピラゾール、 5−アセチル−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−
    4−トリフルオロメチルフェニル)−4−トリフルオロ
    メチルチオピラゾール、 5−アセチル−3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−
    4−トリフルオロメチルフェニル)−4−トリフルオロ
    メチルスルフィニルピラゾール、 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
    ロメチルフェニル)−5−(N,N−ジメチルアミノイ
    ミノメチリデニル)−4−トリフルオロメチルチオピラ
    ゾール、 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
    ロメチルフェニル)−5−(ヒドロキシ)メチル−4−
    トリフルオロメチルスルフィニルピラゾール、 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
    ロメチルフェニル)−5−ジメトキシメチル−4−トリ
    フルオロメチルスルフィニルピラゾール、 3−シアノ−5−{(1−シアノ−1−メトキシ)メチ
    ル}−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチ
    ルフェニル)−4−トリフルオロメチルスルフィニルピ
    ラゾール、 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
    ロメチルフェニル)−5−ジメトキシメチル−4−トリ
    フルオロメチルスルホニルピラゾール、 3−シアノ−5−{(1−シアノ−1−メトキシ)メチ
    ル}−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチ
    ルフェニル)−4−トリフルオロメチルスルホニルピラ
    ゾール、 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
    ロメチルフェニル)−5−(1−ヒドロキシ−2,2,
    2−トリフルオロエチル)−4−トリフルオロメチルチ
    オピラゾール、 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
    ロメチルフェニル)−5−ジエトキシメチル−4−トリ
    フルオロメチルチオピラゾール、 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
    ロメチルフェニル)−5−ジエトキシメチル−4−トリ
    フルオロメチルスルホニルピラゾール、 3−シアノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオ
    ロメチルフェニル)−5−ジエトキシメチル−4−トリ
    フルオロメチルスルフィニルピラゾール、または3−シ
    アノ−1−(2,6−ジクロロ−4−トリフルオロメチ
    ルフェニル)−5−(1−アセトキシエテニル)−4−
    トリフルオロメチルスルホニルピラゾールである請求項
    1ないし5のいずれか1項に記載の化合物。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5のいずれか1項に記載
    の式(I)のアリールピラゾールまたは該化合物の農薬
    的に許容される塩の有効量と、農薬的に許容される希釈
    剤または担体とを含有する農薬組成物。
  8. 【請求項8】 ある箇所での害虫防除方法であって、請
    求項1ないし5のいずれか1項に記載の式(I)のアリ
    ールピラゾールまたは該化合物の農薬的に許容される塩
    の有効量で該箇所を処理する防除方法。
  9. 【請求項9】 該箇所が作物の成長に使用される区画ま
    たはそれに使用予定の区画である請求項8に記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載の式(I)のアリール
    ピラゾールの製造方法であって、 (a)R7 がホルミルである場合、下記式(II)の化
    合物の酸化的開裂 【化3】 [式中、R25はアルキルカルボニル、アルコキシカルボ
    ニル、シアノおよびニトロから選択され、Qは下記式 【化4】 (式中、R1 、R3 、R14、R15、R16およびR17なら
    びにXは請求項1で定義された通りである)の基であ
    る]、 (b)R7 が−CHR1112であり、R11およびR12
    請求項1に定義のものであるが、R11およびR12はシア
    ノではなく同一であるか、あるいはR7 が 【化5】 (式中A、EおよびZは請求項1で定義された通りであ
    る)である場合、触媒存在下での、R7 がホルミルであ
    る相当する式(I)の化合物と下記式(VIa)または
    (VIb)の化合物との反応 【化6】 (式中、R11はシアノ以外の請求項1で定義されたもの
    であり、A、EおよびZは請求項1で定義された通りで
    ある)、 (c)R7 が−CHR11(CN)であり、R11が請求項
    1に定義された通りである場合、R7 が−CHR1112
    (R11およびR12は請求項1に定義された通りであって
    同一である)である相当する式(I)の化合物とシアン
    化トリアルキルシリルとの溶媒中での酸触媒存在下での
    反応、 (d)R7 がC1 〜C6 α−ヒドロキシアルキルまたは
    1 〜C6 α−ヒドロキシハロアルキルである場合、R
    7 がホルミルである相当する式(I)の化合物と式R8
    −M(Mはアルカリ金属または遷移金属であり、R8
    請求項1で定義された通りである)の有機金属試薬また
    は水素化物との反応、 (e)R7 がC(O)R8 である場合、R7 がC1 〜C
    6 α−ヒドロキシアルキルまたはC1 〜C6 α−ヒドロ
    キシハロアルキルである相当する式(I)の化合物の酸
    化、 (f)R7 が−CR13=NDであり、R13が請求項1で
    定義された通りである場合、R7 が−C(O)R8 (R
    8 は請求項1で定義された通りである)である相当する
    式(I)の化合物と下記式(VII) 【化7】 (式中、Dは請求項1で定義された通りである)の化合
    物との反応、 (g)R7 が−C(OR9 )=CHR10であって、R9
    およびR10が請求項1で定義された通りである場合、R
    7 が−C(O)R8 (R8 はH以外の請求項1で定義さ
    れたものである)である相当する式(I)の化合物と塩
    基との反応と、それに続く式R9 −L(R9 は請求項1
    で定義された通りであり、Lは脱離基である)による処
    理を行い、続いて適宜に、そうして得られた化合物を該
    化合物の農薬的に許容される塩に変換する製造方法。
  11. 【請求項11】 下記式(II)または(III)の化
    合物。 【化8】 [式中、R25はアルキルカルボニル、アルコキシカルボ
    ニル、シアノおよびニトロから選択され、haloはハロゲ
    ンであり、Qは下記式 【化9】 (式中、R1 、R3 、R14、R15、R16およびR17は請
    求項1で定義された通りである)の基である]
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