JPH09176024A - 小児五疳薬 - Google Patents

小児五疳薬

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JPH09176024A
JPH09176024A JP7341179A JP34117995A JPH09176024A JP H09176024 A JPH09176024 A JP H09176024A JP 7341179 A JP7341179 A JP 7341179A JP 34117995 A JP34117995 A JP 34117995A JP H09176024 A JPH09176024 A JP H09176024A
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pediatric
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JP7341179A
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Ichiro Yahagi
作 一 朗 矢
Isao Omura
村 勲 大
Yoichi Nakada
田 洋 一 仲
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 本発明の小児五疳薬は、平均粒子径が5
0〜1700μmの範囲内の粉末状(顆粒状または細粒
状)に調整された粉末ゴオウを含有することを特徴とし
ている。 【効果】 本発明の小児五疳薬はゴオウが特定の平均粒
子径を有するように粉末化されているので、緊急に多量
のゴオウを服用させる場合には、本発明の顆粒状或いは
細粒状の小児五疳薬を口腔内壁面に塗布することによ
り、確実にかつ迅速に所定量のゴオウを服用させること
ができる。また、少量づつ長期間にわたって服用させる
必要がある場合には、大過剰のジュース等にこの粉末状
の小児五疳薬を溶解もしくは分散させることより小児が
ほとんど気つかない間に本発明の小児五疳薬を服用させ
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、小児の疳、かんむし、夜
なき、あるいは、ひきつけ(痙攣)、吐乳、下痢、消化
不良および食欲不振、虚弱体質、ならびに、胃腸虚弱な
どを解消するのに用いられる小児五疳薬に関する。
【0002】さらに詳しくは本発明は、上記のような小
児の症状を軽減し、回復させるために服用させる小児五
疳薬であって、かつ乳幼児に所定量を確実に服用させる
ことができる小児五疳薬に関する。
【0003】
【従来技術およびその問題点】乳幼児は、例えば、普通
と異なる環境・刺激に遭遇すると神経が異常に高ぶった
り、いらいらし易くなことがあり、このような症状を小
児の疳、かんむしなどという。また、神経が過敏にな
り、寝付きが悪くなったり夜中に泣き出して泣きやまな
いことがあり、このような症状を夜泣きという。さら
に、乳幼児は抵抗力が弱いため、季節の変わり目や食事
環境の変化などによって胃腸障害を起こしやすく、この
ため食欲がなく、また下痢や消化不良を引き起こすこと
がある。これらは所謂、下痢、食欲不振、消化不良、乳
はきなどである。
【0004】さらに、生まれつき身体が弱く胃腸虚弱の
ために下痢あるいは消化不良を起こしやすく、こうした
乳幼児は発育が遅れがちになることがあり、こうした体
質を虚弱体質という。
【0005】こうした乳幼児には、小児五疳薬の投与が
有効である場合が多い。小児五疳薬は、ゴオウ(牛黄)
を主成分とする循環器官用の和漢薬である。ここで使用
されるゴオウは、日本薬局方に規定されているように牛
の胆嚢に生じた結石を有効成分とする生薬であり、血圧
降下作用、解熱作用、鎮静作用、鎮痙作用、利胆作用お
よび強心作用のように循環器あるいは血液系に作用する
生薬として使用されている。しかも、ゴオウは副作用が
少なく、さらに他の薬剤と併用しても薬効が滅殺されな
いことから、降圧剤成分、解熱剤成分、鎮痙剤成分等と
して和漢薬に古くから配合されている。
【0006】こうしたゴオウを含有する小児五疳薬は、
通常は「救命丸」あるいは「奇応丸」等として知られて
いる。そして、従来、こうした小児五疳薬は、その名の
示す通りほとんど全てが丸剤であり、液剤を調製するた
めに極希に顆粒剤あるいはこうして形成された液剤が存
在するにすぎない。即ち、このようにゴオウを含有する
小児五疳薬は、服用する際に口腔内の中でゴオウ等の有
効性部分が溶出することに起因する苦味が広がらないよ
うに相当硬い丸剤に賦形される。さらに丸剤を服用しや
すいように、この丸剤の直径は、通常は1mm前後にさ
れている。
【0007】こうした小児五疳薬は、例えば乳幼児には
授乳の際に母親の乳頭に付けて母乳と共に与えるか、あ
るいは、砂糖水、ジュース等と共に服用させる。なお、
小児五疳薬を、錠剤、糖衣錠あるいはカプセル等の形態
にすることも提案されている。しかし、乳幼児には上記
のような錠剤、カプセル剤等にすると大型になり、乳幼
児はこうした大型の薬剤等を飲み下すに足りる咀嚼力が
備わっていないことが多いので、咀嚼しやすい小丸剤に
されるのである。さらにこうした小丸剤を硬くすること
により、小児五疳薬の吸水性を低減できるとの効果もあ
る。
【0008】ところが、乳幼児は、苦味等の不愉快な味
を嫌い、こうした苦味のある薬剤を与えても大人のよう
に積極的にこれを服用しようとする意志はない。従っ
て、小児五疳薬をそのまま服用させようとしても、素直
に服用することは皆無に等しい。このため小児五疳薬を
小さな丸剤にして、例えば母親の乳頭に付着させ、母乳
と共に服用させる方法あるいはジュース等に分散させて
服用させる方法が採られているのである。そして、こう
した服用方法を考慮して、小児五疳薬には、舐めた程度
では苦味を感じないように硬い丸剤にしているのであ
る。
【0009】しかしながら、乳幼児は、こうした苦味成
分を著しく嫌い、苦味成分である丸剤状の小児五疳薬を
選択的にかつ巧妙に吐き出してしまう。こうして吐き出
された丸剤は、今度は粒子径が小さいためにその量を把
握することが難しく、このため乳幼児が服用した小児五
疳薬の正確な量を把握することが困難であった。
【0010】また、こうした小児五疳薬を服用させるの
に小児五疳薬を水あるいは湯等に溶解させ、さらにこれ
に砂糖等で甘みをつけて服用させる方法もあるが、上述
のように小児五疳薬は丸剤の形態を採るために、さら
に、小児五疳薬と服用させた際に口の中でこの丸剤が溶
解して苦味が広がらないように苦味成分が溶出しにくい
硬い丸剤にされているために、こうした硬丸剤を液体に
溶解もしくは分散させようとしても均一に分散あるいは
溶解させることができにくく、完全に溶解させるには長
時間を要する。また、溶解あるいは分散時間を短縮する
ために、上記のような丸剤を砕いた後、水に投入して溶
解もしくは分散させる方法もあるが、前述のように従来
からある小児五疳薬は口の中では苦味成分が溶出しない
ように相当硬く賦形されており、かつ個々の丸剤も小さ
いので、乳鉢等の設備のない家庭内ではこのような丸剤
を均一に擂潰するのは難しい。さらに、上記のように小
さく硬い丸剤に賦形して服用の際に苦味成分が口腔内に
広がるのを防止しているにも拘わらず、丸剤を砕いて使
用したのでは、苦味成分の溶解速度を低減するという作
用効果は滅殺される。しかも、こうして水に溶解もしく
は分散させた小児五疳薬では、当然に苦味成分も溶出す
ることから、苦味を感じなくなるわけではない。
【0011】さらに、硬い丸剤状の小児五疳薬は、服用
された後も有効成分が溶出しにくいいので、その薬理効
果が発現するまでに比較的長時間を要する。このため丸
剤状に賦形された小児五疳薬は即効性を有しておらず、
むしろこうした丸剤状に賦形された小児五疳薬は遅効性
あるいは持続性である。従って、例えば痙攣を起こした
場合などのように小児五疳薬の有する薬理作用を短時間
で発現させることが必要な場合には、丸剤状の賦形され
たことによって小児五疳薬の薬理効果の発現が遅延す
る。
【0012】このように丸剤状の小児五疳薬は、これを
服用させようとする場合には、望ましい形態とは言い難
いのである。ところで、本出願人は、小児五疳薬の主成
分であるゴオウと特定の糖類との混合物を擂潰すること
を要旨とする発明について既に出願している(特願平6
-218045号号明細書参照)。即ち、小児五疳薬の
主成分であるゴオウは吸水性が高く、擂潰する工程で相
当量の水を吸収することによって粉末状のゴオウの粉体
特性が損なわれると共に、小児五疳薬を形成する他の成
分が悪影響を受けることがあり、糖類を併用することに
よりゴオウの吸湿性が低減される。こうして得られる小
児五疳薬は散剤あるいは顆粒である。しかし、この明細
書には、小児五疳薬を特定の粒子径に揃えるという技術
的思想は開示されていない。
【0013】乳幼児が小児五疳薬を服用する必要がある
乳幼児の状態は一定ではなく投薬方法もその時の乳幼児
の状態に対応して変化させることが効率的である。具体
的には、痙攣、著しい精神不安、脳細胞への酸素供給低
下あるいは停止等の場合には、小児五疳薬が苦いために
乳幼児がその服用を拒否しても短時間に相当量の小児五
疳薬を確実に服用させる必要がある。これに対して例え
ば虚弱体質の改善等の場合には、長期間小児五疳薬を服
用させ続ける必要があり、こうした場合には、小児五疳
薬に対する拒否反応が生じないように小児五疳薬の味覚
が非常に重要になってくるのである。
【0014】
【発明の目的】本発明は、顆粒状あるいは細粒状に調製
されたゴオウを含有する小児五疳薬を提供することを目
的としている。
【0015】また本発明は主成分であるゴオウの薬理効
果を向上させた小児五疳薬を提供することを目的として
いる。さらに本発明は、服用量を確実に把握することが
できる小児五疳薬を提供することを目的としている。
【0016】
【発明の概要】本発明の小児五疳薬は、平均粒子径が7
5〜1700μmの範囲内の顆粒状あるいは細粒状に調
整されたゴオウを含有することを特徴としている。
【0017】本発明の小児五疳薬では、従来の小児五疳
薬とは異なり、小児五疳薬の主成分であるゴオウが所定
の平均粒子径を有するように顆粒状あるいは細粒状に調
製されている。この小児五疳薬が、細粒状である場合に
は、平均粒子径が上記範囲内、好ましくは75〜850
μmの範囲内にあり、かつ、粒子全量の90%以上の量
の粒子径(平均粒子径ではない)が75〜850μmの
範囲内にあることが好ましい。
【0018】また、この小児五疳薬が、顆粒状である場
合には、平均粒子径が上記範囲内、好ましくは355〜
1700μmの範囲内にあり、かつ、粒子全量の85%
以上の量の粒子径(平均粒子径ではない)が355〜1
700μmの範囲内にあることが好ましい。
【0019】本発明においては、さらにゴオウ以外の成
分もこのゴオウと同様の粒子径を有する粒度調整をする
ことが好ましい。即ち、本発明の小児五疳薬を形成する
各成分の平均粒子径を、通常は75〜1700μmの範
囲内に調整して顆粒状あるいは細粒状にする。こうした
平均粒子径を有する小児五疳薬は、指先などに付着させ
て乳幼児の口腔内壁に塗布することができ、塗布する際
に指先から落下しにくく、所定量の小児五疳薬を確実に
乳幼児に服用させることができる。しかも、こうした平
均粒子径を有する小児五疳薬は口腔壁面に塗布される
と、唾液の分泌を促進し、そして、分泌された唾液にこ
のような平均粒子径を有する小児五疳薬は速やかに溶解
もしくは分散される。そして、順次唾液に溶解もしくは
分散した小児五疳薬は、非常に効率よく吸収されるの
で、ゴオウ等の小児五疳薬形成成分の薬理作用が速やか
に発現する。
【0020】また、上記のような粉末にすることによ
り、個々の粉末粒子が口腔内壁を刺激して唾液の分泌を
促進させると共に、口腔内壁面に塗布された小児五疳薬
は新たに分泌される唾液に順次溶解もしくは分散されて
咀嚼されるため、唾液中の小児五疳薬の濃度はそれほど
高くならない。さらに、口腔内壁面に小児五疳薬を塗布
した直後は、口腔内全体に苦味が広がり不愉快であるが
比較的短時間の間に口腔内の味覚神経が麻痺したような
状態になること、および、塗布された直後に小児五疳薬
の口腔内濃度が最も高くなりこの濃度は時間の経過に伴
って低下することから苦味も経時的に低減されるように
錯覚するため、本発明のように顆粒状あるいは細粒状に
した小児五疳薬を乳幼児の口腔内壁面に塗布するといっ
た一見強引に思える方法によっても、乳幼児が受ける刺
激はそれほど高くはならない。従って、痙攣等ゴオウを
大量にかつ迅速に投与することが必要な場合には、本発
明の顆粒状あるいは細粒状の小児五疳薬は、極めて有効
である。
【0021】他方、長期間にわたって少量の小児五疳薬
を服用し続ける必要がある場合、ゴオウが上記の平均粒
子径を有するように調製された小児五疳薬は、水、ジュ
ース、牛乳などに極めて良好に分散して、塊状物(まま
こ)が形成されにくい。従って糖類などを多量に溶解さ
せることにより、苦味をそれほど感ずることなく服用す
ることができる。
【0022】
【発明の具体的説明】次に本発明の顆粒状あるいは細粒
状の小児五疳薬について具体的に説明する。本発明の小
児五疳薬は、主要成分としてゴオウ(牛黄、犀黄、西
黄、正牛黄)を含有している。
【0023】ゴオウは、日本薬局方にも記載されている
薬剤であり、牛科(Bovidae)、黄牛(Bas taurus dimesti
cus Gmelin(ウシ)の胆嚢で形成された結石であり、通常
は1cm〜4cm程度の粒子径の球状物または塊状物であ
る。このゴオウの外面は黄褐色乃至赤褐色である。この
ゴオウは、軽くもろく砕けやすく、破砕面に黄褐色乃至
赤褐色の輪層紋を有する。和漢薬の用法に基づいて表現
すると、ゴオウの性味は、味は苦、性は涼、小毒(帰
径:心・肝径)である。
【0024】このゴオウの主成分は、chalic acid、bil
irubin、そのカルシウム塩、cholesterol、ergostero
l、palmitic acid、lecithin、ビタミンDであるとされ
ており、さらに、C24H11O3の分子式に該当する結晶性成
分、鉄、銅、マグネシウム等を含有するとされている。
このゴオウの薬理作用は、開竅化痰、清熱解毒、定驚で
ある。こうした薬理作用を利用して、血圧降下、解熱、
低酸素性脳障害保護、強心、利胆、鎮静、鎮痙などに用
いられる。
【0025】小児五疳薬は、上記のようなゴオウを主成
分として含有し、主としてこのゴオウの有する特異的薬
理効果を利用した小児専用の薬剤である。本発明の小児
五疳薬は顆粒状あるいは細粒状のであり、この小児五疳
薬中に含有されるゴオウの平均粒子径が75〜1700
μmの範囲内になるように調整されていることが必要で
ある。さらに、本発明では、このゴオウ粉末の平均粒子
径が細粒状の場合には、好ましくは75〜850μmの
範囲内、特に好適には75〜500μmの範囲内になる
ように粉末化されていることが好ましい。しかもこの細
粒状の場合、ゴオウ粉末の粒子全量の90%以上の粒子
径が75〜850μmの範囲内となるように粉末化され
ていることが好ましい。また、顆粒状の小児五疳薬で
は、その平均粒子径が355〜1700μmの範囲内に
あり、かつ、該粒子全量の85%以上の粒子径が355
〜1700μmの範囲内となるように粉末化されている
ことが好ましい。なお、本明細書では、この「粉末」な
る語は、顆粒状、細粒状を含む広い意味で用いる。上記
のようにゴオウの平均粒子径を調整することにより、唾
液に対するゴオウの溶解性および分散性が良好になる。
即ち粉体特性が良好になり、口腔内壁面に塗布した際お
よびジュース等と混合した際に、小児五疳薬が速やかに
溶媒に分散もしくは溶解するようになる。また、この顆
粒状あるいは細粒状の小児五疳薬を指先につけて小児の
口腔内壁面に塗布する際に、指先から脱落しにくくな
り、服用量にばらつきが少なくなる。さらに、上記のよ
うな平均粒子径を有するゴオウを含有する小児五疳薬
は、粉体特性がよく、良好な安息角を有すると共に、包
装材表面への小児五疳薬成分の残留量を著しく低減する
ことができる。
【0026】さらに本発明の小児五疳薬中に含有される
ゴオウの粉末は、その平均粒子径が上記範囲にあり、か
つ、粒子径(平均ではない)が75〜1700μmの範
囲内に、しかも使用されているゴオウ粉末の全重量の9
5〜100重量%の粒子が個の範囲に包含されるよう、
さらに98〜100重量%の粒子がこの範囲内に包含さ
れるように粉末化されていることが好ましい。このよう
にゴオウ粉末の粒子径を上記のように揃えることによ
り、散剤として非常に良好な粉体特性を示すようにな
る。
【0027】本発明の顆粒状あるいは細粒状の小児五疳
薬の主成分であるゴオウは、前述のよう牛の胆嚢に形成
される胆石であり、比較的脆いため、このゴオウの粉砕
に特別の粉砕装置を必要とするものではなく、通常の粉
砕装置あるいは擂潰装置を使用することができる。しか
しながら、ゴオウは吸湿性を有しており、ゴオウを単独
で粉砕すると、上記所定の平均粒子径を有するように擂
潰する工程で空気中の水分を吸収するためにゴオウ粉末
の粉体特性が低下するすることがある。こうしたゴオウ
の吸湿性を考慮すると、このゴオウを粉砕して擂潰する
装置は、例えば装置の作動環境温度における湿度を50
%以下に調整できる装置を使用することが好ましい。
【0028】こうした擂潰環境を調整してゴオウの吸湿
を防止する方法の他に、本発明ではゴオウを擂潰して所
定の平均粒子径を有する粉末を製造する際に特願平6-
218045号明細書に記載されているように、ゴオウ
を少量の糖類と共に粉砕して擂潰する方法を採用するこ
ともできる。このように少量の糖類と共に擂潰すること
によりゴオウの吸湿性が低減されるので、この方法によ
れば乾燥装置等を備えた粉砕装置あるいは擂潰装置等を
使用する必要はなく、通常の粉砕装置あるいは擂潰装置
を通常の条件で使用して顆粒状あるいは細粒状のゴオウ
を調製することができる。ゴオウを擂潰する際に配合す
ることができる糖類としては、通常糖類として認識され
ているいずれの糖をも使用することができるが、特に本
発明では、例えば、乳糖、エリスリトール、マニトー
ル、D(+)キシロース、L-ソルボース、ショ糖および芽
糖を挙げることができ、これらは単独であるいは組み合
わせて使用することができる。このようにゴオウの吸湿
を低減するために使用される糖類は、ゴオウ100重量
部に対して100〜10万重量部、好ましくは5000
重量部〜5万重量部の範囲内になるように配合される。
この糖類の配合量が100重量部より少ないと苦味が強
く、また10万重量部を超えると飲むべき小児五疳薬量
が多くなってしまう。こうして糖類と共に所望の平均粒
子径を有するように粉砕(あるいは擂潰)されたゴオウ
は、粉砕されたゴオウの粉体特性が悪化しにくくなり、
さらに顆粒状あるいは細粒状のゴオウの吸水率が低くな
るために薬効成分の化学的安定性が良好になる。また、
こうして含水率を低下させることにより本発明の顆粒状
あるいは細粒状の小児五疳薬は経時的に粉体特性が変動
が少なく、従って長期間保管しても例えば安息角の変化
等粉末の物理的特性が変動しにくい。
【0029】また、ゴオウの擂潰の際に上記のような糖
類を上記のような量で共存させて擂潰することにより、
ゴオウと糖類とがほぼ同程度の平均粒子径を有するよう
になり、服用の際に糖類とゴオウとが分離しにくくなる
のでゴオウの苦味が緩和される傾向ある。
【0030】本発明の小児五疳薬は、上記のようなゴオ
ウの平均粒子径が上記範囲内になるように調製した粉末
ゴオウ(顆粒状あるいは細粒状ゴオウ)を主成分とする
ものであるが、こうしたゴオウの他に通常の小児五疳薬
に配合される他の成分を含有していてもよい。小児五疳
薬は、主としてゴオウの有する薬理効果を利用した小児
用和漢薬でありゴオウ以外の成分の配合例には極めて多
種多様な組み合わせがある。
【0031】本発明の顆粒状あるいは細粒状の小児五疳
薬は、基本的には主成分である顆粒状あるいは細粒状の
ゴオウ(両者をまとめて、単に「粉末ゴオウ」ともい
う)と、必要により配合されるニンジンおよび/または
カンゾウからなる。本発明の小児五疳薬は、顆粒状ある
いは細粒状であるから、粉末ゴオウと共に使用されるこ
ともあるニンジンおよびカンゾウは、粉末ゴオウと同様
の平均粒子径を有するように擂潰あるいは粉砕しさらに
必要により分級することが好ましい。
【0032】また、本発明の顆粒状あるいは細粒状の小
児五疳薬は、ゴオウを主成分として、このゴオウと同等
の平均粒子径を有するニンジン、カンゾウを含有するこ
とが好ましくが、さらに他の和漢薬が配合されていても
よい。本発明において粉末ゴオウと共に使用できる和漢
薬の代表的な例としては、レイヨウカク、サフラン、ジ
ャコウ、リュウノウ、ニンジン、サイカク、チョウジ、
オウレン、ケイヒ、ジンコウ、センソ、ビャクジュおよ
びボレイなどを挙げることができる。これらの各成分
は、上記のようにゴオウと同程度の平均粒子径を有する
顆粒状あるいは細粒状に粉砕あるいは擂潰して本発明の
小児五疳薬全体の平均粒子径を、通常は75〜1700
μm、好ましくは75〜850μmの範囲内に調製す
る。さらにこの小児五疳薬を形成する成分の95〜10
0重量%、好ましくは98〜100重量%の粒子が、7
5〜1700μmの範囲内になるように粉末化されてい
ることが好ましい。このように小児五疳薬形成成分の粒
子径を揃えることにより小児五疳薬が非常に良好な粉体
特性を示すようになる。
【0033】本発明の顆粒状あるいは細粒状の小児五疳
薬がゴオウ以外の成分を含有する場合、例えばニンジン
は、ゴオウ1重量部に対して、通常6〜20重量部の量
で使用される。また、例えば、カンゾウは、ゴオウ1重
量部に対して、通常は6〜20重量部の量で使用され
る。
【0034】また、本発明の小児五疳薬の主成分である
ゴオウは、センソと共に使用すると使用薬理効果が相乗
的に増進されるので、ゴオウと共に同様に顆粒状あるい
は細粒状にしたセンソを配合することもできる。このセ
ンソは非常に少量で薬理作用を示すので、センソの使用
量は、一日のセンソの累積服用量が5mg以下になるよ
うに調整される。なお、小児五疳薬の中でセンソは、ゴ
オウの薬理効果を増大させるために使用される成分であ
り、本発明の顆粒状あるいは細粒状の小児五疳薬にセン
ソを配合することを特に必須要件とするものではない。
しかし極少量のセンソを配合することにより、高価なゴ
オウを有効に利用することができる。このように使用さ
れるセンソの使用量は1日あたり10mg程度であり、
本発明の小児五疳薬における一日のゴオウの最大服用量
は通常は150〜2500mg程度であるから、センソ
はゴオウに対して通常は1/15以下の重量で配合され
る。
【0035】ゴオウは、通常は、生後3ヶ月前後から服
用が可能であり、こうした服用が可能になった乳幼児が
一回に服用するゴオウの量は、通常は0.5〜6.7m
g程度あり、従って一日に服用可能な量は1.5〜20
mg程度である。
【0036】このようなゴオウの服用単位を1梱包単位
として、防湿性の包装材料で服用量を個別に包装するこ
とができる。あるいはゴオウ換算で1日分(通常は3回
分)を一包装単位として防湿性の包装材料で個別包装す
ることもできる。このように1日分を一包装単位とする
ことにより、一回の服用量に多少のばらつきが生じたと
しても一日の服用量の正確度は高くなる。
【0037】このように3回分を1包装単位とした場合
でも、防湿性の包装材料、例えば少なくとも一方の面に
プラスチック材料による皮膜が形成された金属箔膜材
料、ロウあるいはワックスなどが含浸された包装紙など
を用いることにより、開封した後も本発明の粉末小児五
疳薬は外観上認められるような吸湿は見られない。
【0038】なお、上記は主要薬用成分であるゴオウの
量を基にして一包装量を特定する方法の例を示したが、
本発明の顆粒状あるいは細粒状の小児五疳薬がセンソを
含む場合、センソとゴオウとの使用比率が確立されてい
ること、センソとゴオウとを比較するとゴオウよりもセ
ンソの方が急性毒性が高いから、顆粒状あるいは細粒状
の小児五疳薬中に含有されるセンソの量を基準にして本
発明の顆粒状あるいは細粒状の小児五疳薬の梱包単位を
決定することもできる。
【0039】本発明の小児五疳薬は、従来の小児五疳薬
とは異なり、顆粒状あるいは細粒状である。従って、本
発明の顆粒状あるいは細粒状の小児五疳薬は、種々の方
法で服用させることができる。
【0040】顆粒状あるいは細粒状であるという本発明
の小児五疳薬の特徴を生かした最も確実あるいは好適な
使用方法は、本発明の顆粒状あるいは細粒状の小児五疳
薬を指先などに付けて、乳幼児の口腔内壁面に塗布する
方法である。この方法によれば、顆粒状あるいは細粒状
の小児五疳薬を小児に確実に服用させることができると
共に、塗布された顆粒状あるいは細粒状の小児五疳薬に
よる刺激によって唾液の分泌が促進される。従って、こ
の方法を採用すれば、丸剤の場合よりも短時間で小児五
疳薬の薬効が発現する。
【0041】また、本発明の顆粒状あるいは細粒状の小
児五疳薬は、粉末であるとの特性を利用して、ジュー
ス、牛乳、糖類を溶解したシロップなどに溶解または分
散して服用させることができる。本発明の小児五疳薬
は、ゴオウをはじめとする特定の平均粒子径を有する有
効成分が液体に対して良好に分散しさらには少なくとも
その一部は溶解する。そして、ジュース等の溶媒の量を
適度に調整すれば小児五疳薬の苦味はほとんど感じない
程度まで希釈することが可能である。例えば、大過剰の
溶媒[例えば10〜200ml]に、250〜500m
g程度の小児五疳薬(この量は虚弱体質を改善するため
に通常用いられる量である)を配合すると、小児五疳薬
が溶媒の完全に溶解もしくは分散され小児五疳薬の苦味
を感じ取りにくくなる。従って、こうした濃度で小児五
疳薬を含有するジュース等を飲用しても小児五疳薬を服
用しているという意識を小児が持たないまま服用させ続
けることが可能になる。現に大過剰の果実液に本発明の
顆粒状あるいは細粒状に調整された小児五疳薬を与え続
けても、こうした小児五疳薬を服用していることに気づ
かない乳幼児が多い。なお、このように大過剰の果実液
などに溶解もしくは分散させる際に、本発明の顆粒状あ
るいは細粒状の小児五疳薬の溶解もしくは分散を円滑に
行うために、少量の分散剤を併用することができる。
【0042】本発明の小児用五疳薬は、顆粒状あるいは
細粒状に調製されているので、丸剤よりも吸湿性は高く
なる。このため、本発明の顆粒状あるいは細粒状の小児
五疳薬は、一定の基準量(例えば最も服用頻度の高い乳
幼児の一日あるいは1回分の服用量)を、耐水性の包装
体を用いて、一回に服用する量あるいは一日に服用する
量を個別に梱包することが好ましい。このように使用量
を正確に計量して防湿剤で包装することにより、投薬量
の管理が非常に容易になる。
【0043】なお、本発明の顆粒状あるいは細粒状の小
児五疳薬は、特定の粒子径に調整された粉末ゴオウを主
成分とするものであり、その他小児五疳薬に配合可能な
成分を好ましくは粉末ゴオウと同程度の平均粒子径を有
するように粉砕あるいは擂潰し、さらに必要により分級
されて粒子径を揃える。
【0044】こうして調製される小児五疳薬には、例え
ばジャコウ、レイヨウカクのように条約により現在その
捕獲等が制限されているものもあり、条約は遵守される
べきであるが、こうした条約の発効前に入手した成分の
使用を制限するものではなく、現在あるストックを使用
することができる。
【0045】
【発明の効果】本発明の顆粒状あるいは細粒状の小児五
疳薬は、平均粒子径が75〜1700μmに調製された
ゴオウを、主成分として粉末の状態で含有している。従
来から小児五疳薬は、丸剤であったが、小児五疳薬の使
用態様を考慮すると、小児五疳薬として丸剤である必要
はなく、むしろ用途に合わせてその形態を変えることに
より丸剤では達成できなかった効果を奏する。
【0046】例えば、緊急疾患の場合、本発明の顆粒状
あるいは細粒状の小児五疳薬を口腔内壁面に塗布するこ
とにより、短時間で相当多量の小児五疳薬を服用させる
ことができる。また、少量の小児五疳薬を長期間服用さ
せる必要がある場合には、本発明の顆粒状あるいは細粒
状の小児五疳薬を大過剰の溶媒に分散もしくは溶解させ
ることにより、単位体積あたりの小児五疳薬の濃度を著
しく低くして、長期間本発明の顆粒状あるいは細粒状の
小児五疳薬を服用させ続けることが可能になる。
【0047】さらに、本発明の小児五疳薬は適度な粒径
の粉末であるので、小児が吐き出しにくく、服用量の把
握が容易になる。こうした効果は、小児五疳薬を特定の
平均粒子径を有するように顆粒状あるいは細粒状に調製
したという本発明の構成を採用することによりはじめて
達成される。
【0048】
【実施例】次に本発明の顆粒状あるいは細粒状の小児五
疳薬について実施例を示してさらに詳細に説明するが本
発明はこれらによって限定的に解釈されるべきではな
い。
【0049】
【実施例1】ゴオウ4.5mg、ニンジン40mg、レイヨ
ウカク15mg、カンゾウ30mg、ジンコウ10mgおよび
サフラン3.5mgの割合で予め混合し平均粒子径が約2
00μmの混合物を調製した。次いで、この混合物50
00gを乾燥室内に設置された擂潰装置にいれ、100
回/分の速度で30分間擂潰して5000gの暗褐色の
粉末を製造した。次に、この粉末に約250gの水を加
え、造粒し、50℃で3時間乾燥した。さらに、この粉
末を850μm(18号メッシュ)の篩を用いて篩過し
た。こうして得られた粉末を目開き850μm(18号
メッシュ)の篩を用いて分級して、篩を通過した粒子を
秤量したところ、4900gであった。従って、仕込み
量の98重量%に当たる4900gの粉末が850μm
以下の粒子径を有するように擂潰された。
【0050】次いで、得られた粉末を18号(850μ
m)、30号(500μm)、200号(75μm)の
各篩を用いて粒度試験を行った。18号篩では、粉末の
全量が通過し、30号篩を通過したものは、5%以下で
あった。また、この粉末のうち、200号篩を通過する
ものは、全量の10%以下(細粒)であった。
【0051】また、全量の90%以上の粒子径(平均で
はない)が75〜850μmの範囲内にあった。また、
この粉末状小児五疳薬を擂潰する際に、擂潰装置に乾燥
装置等を取り付けていないが、エアーコンディショナー
で湿度が低く抑えられた室内に擂潰装置を設置して擂潰
を行ったので、擂潰中にゴオウが吸水してその粉体特性
が変動することはなかった。また、擂潰後、粉末の重量
を測定して、擂潰前と比較したが粉末の付着等のロスを
考慮すると、用いた秤量装置では、ゴオウに含水による
重量変化は観察されなかった。
【0052】こうして得られた粉末ゴオウを含有する本
発明の小児五疳薬を、ゴオウの含有量が1.5mgになる
ように分割して、アルミニウム箔の両面に樹脂フィルム
がコーティグされた梱包材料を使用して、包装して室内
に30日間放置したが、小児五疳薬の粉体特性等に変化
は見られなかった。
【0053】この小児五疳薬を約1リットルのグレープ
フルーツジュースに入れてよく撹拌して均一に分散させ
て乳幼児に与えたが、乳幼児は小児五疳薬を含有しない
グレープフルーツジュースと区別することなくこの小児
五疳薬含有グレープフルーツジュースをのみ、小児五疳
薬が含有されているとは気がつかないようであった。
【0054】また、乳幼児に本発明の粉末状小児五疳薬
を1パックの約1/2の量(ゴオウに換算して約0.7
5mgに相当すると思われる)を指先に付着させて小児の
口腔内壁面に塗りつけて服用させたが、この際、ヨダレ
と共に吐き出された小児五疳薬の量は非常に少量であっ
た。
【0055】
【実施例2】実施例1において、ゴオウ4.5mg、ニン
ジン40mg、レイヨウカク15mg、カンゾウ30mg、ジ
ンコウ10mgおよびサフラン3.5mgの割合で予め混合
した混合物の代わりに、ゴオウ3.5mg、ニンジン18.
0mg、レイヨウカク9.0mg、カンゾウ18.0mg、ジン
コウ5.3mgおよびサフラン1.8mgをこの割合で予め混
合して平均粒子径が約200μmの混合物を使用した以
外は実施例1と同様にして粉末状小児五疳薬を製造し
た。
【0056】さらに、実施例1と同様にグレープフルー
ツジュースに溶解もしくは分散させ、あるいは口腔内壁
面に塗布して服用させたところ、実施例1と同等の効果
を得た。
【0057】
【実施例3】実施例1において、ゴオウ4.5mg、ニン
ジン40mg、レイヨウカク15mg、カンゾウ30mg、ジ
ンコウ10mgおよびサフラン3.5mgの割合で予め混合
した混合物の代わりに、ゴオウ3.0mg、ニンジン60.
0mgおよびカンゾウ60.0mgをこの割合で予め混合し
て上記実施例1と同様の平均粒子径の混合物を製造しこ
れを使用した以外は実施例1と同様にして粉末状小児五
疳薬を製造した。
【0058】さらに、実施例1と同様にグレープフルー
ツジュースに溶解もしくは分散させ、あるいは口腔内壁
面に塗布して服用させたところ、実施例1と同等の効果
を得た。
【0059】
【実施例4】 (ゴオウを含む細粒状の小児五疳薬/賦形剤配合タイ
プ)実施例1において、ゴオウ4.5mg、ニンジン40m
g、レイヨウカク末15mg、カンゾウ末30mg、ジンコ
ウ10.5mg、サフラン3.5mg、乳糖1126.5m
g、エリスリトール300.0mgをこの割合で予め混合
して上記実施例1と同様の平均粒子径の混合物を製造し
これを使用した以外は実施例1と同様にして細粒状小児
五疳薬を製造した。
【0060】さらに、実施例1と同様にグレープフルー
ツジュースに溶解もしくは分散させ、あるいは口腔内壁
面に塗布して服用させたところ、実施例1と同等の効果
を得た。
【0061】
【実施例5】 (ゴオウを含む細粒状の小児五疳薬/賦形剤配合タイ
プ)実施例1において、ゴオウ3.0mg、ニンジン1
8.0mg、レイヨウカク末9.0mg、カンゾウ末18.
0mg、ジンコウ5.3mg、サフラン1.8mg、乳糖11
44.9mg、エリスリトール300.0mgをこの割合で
予め混合して上記実施例1と同様の平均粒子径の混合物
を製造しこれを使用した以外は実施例1と同様にして細
粒状小児五疳薬を製造した。
【0062】さらに、実施例1と同様にグレープフルー
ツジュースに溶解もしくは分散させ、あるいは口腔内壁
面に塗布して服用させたところ、実施例1と同等の効果
を得た。
【0063】
【実施例6】 (ゴオウを含む細粒状の小児五疳薬/賦形剤を配合しな
いタイプ)実施例1において、ゴオウ3.0mg、ニンジ
ン60.0mg、カンゾウ末60.0mgをこの割合で予め
混合して上記実施例1と同様の平均粒子径の混合物を製
造しこれを使用した以外は実施例1と同様にして細粒状
小児五疳薬を製造した。
【0064】さらに、実施例1と同様にグレープフルー
ツジュースに溶解もしくは分散させ、あるいは口腔内壁
面に塗布して服用させたところ、実施例1と同等の効果
を得た。
【0065】
【実施例7】 (ゴオウを含む顆粒状小児五疳薬/賦形剤配合タイプ)
ゴオウ4.5mg、ニンジン40.0mg、レイヨウカク1
5.0mg、カンゾウ末30.0mg、ジンコウ10.5m
g、サフラン3.5mg、乳糖626.5mg、エリスリトー
ル300.0mg、蔗糖300.0mg、および結晶セルロ
ース200.0mgの割合で予め混合し、平均粒子径が約
200μmの混合物を調製した。次いで、この混合物5
000gを乾燥室内に設置された擂潰装置に入れ、10
0回/分の速度で30分間擂潰して5000gの暗褐色
の粉末を製造した。次に、この粉末に約250gの水を
加え、造粒し、50℃で3時間乾燥した。さらに、この
粉末を850μm(18号メッシュ)の篩を用いて篩過
した。
【0066】こうして得られた粉末を目開き1700μ
m(10号メッシュ)の篩を用いて分級して、篩を通過
した粒子を秤量したところ、5000g(全量)であっ
た。従って、仕込み量の100重量%に当たる5000
gの粉末が1700μm以下の粒子径を有するように擂
潰された。
【0067】次いで、得られた粉末を12号(1400
μm)、42号(355μm)の各篩を用いて粒度試験
を行った。12号篩では、粉末の95%以上が通過し、
42号篩を通過したものは、15%以下であった。
【0068】また、粉末(粒子)全量の85%以上の粒
子径(平均ではない)が355〜1700μmの範囲内
にあった。また、この粉末状小児五疳薬を擂潰する際
に、上記実施例1と同様のエアーコンディショナーで湿
度が低く抑えられた条件下に擂潰を行ったので、擂潰中
にゴオウが吸水してその粉体特性が変動することはなか
った。また、擂潰後、粉末の重量を測定して、擂潰前と
比較したが粉末の付着等のロスを考慮すると、用いた秤
量装置では、ゴオウに含水による重量変化は観察されな
かった。
【0069】こうして得られた粉末(顆粒状)ゴオウを
含有する本発明の小児五疳薬を、ゴオウの含有量が1.
5mgになるように分割して、アルミニウム箔の両面に樹
脂フィルムがコーティグされた梱包材料を使用して、包
装して室内に30日間放置したが、小児五疳薬の粉体特
性等に変化は見られなかった。
【0070】この小児五疳薬を上記実施例1と同様にグ
レープフルーツジュースに入れて乳幼児に与えたが、実
施例1の場合と同様の効果が得られた。また、乳幼児に
本発明の粉末状小児五疳薬を実施例1と同様に指先に付
着させて小児の口腔内壁面に塗りつけて服用させたとこ
ろ、実施例1と同様の効果が得られた。
【0071】
【実施例8】 (ゴオウを含む顆粒状小児五疳薬/賦形剤配合タイプ)
実施例7において、原料として、ゴオウ3.0mg、ニン
ジン18.0mg、レイヨウカク末9.0mg、カンゾウ末
18.0mg、ジンコウ5.3mg、サフラン1.8mg、乳
糖644.9mg、エリスリトール300.0mg、蔗糖3
00.0mg、および結晶セルロース200.0mgの割合
で用いた以外は、実施例7と同様にして顆粒状小児五疳
薬を調製し、実施例7と同様の試験を行ったところ、実
施例7と同様の結果が得られた。
【0072】
【実施例9】 (ゴオウを含む顆粒状小児五疳薬/賦形剤を配合しない
タイプ)実施例7において、原料として、ゴオウ5.0
mg、ニンジン60.0mg、およびカンゾウ末60.0mg
の割合で用いた以外は、実施例7と同様にして顆粒状小
児五疳薬を調製し、実施例7と同様の試験を行ったとこ
ろ、実施例7と同様の結果が得られた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 35/78 ADD A61K 35/78 ADDM AED AEDW

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒子径が75〜1700μmの範囲内
    の顆粒状あるいは細粒状に調整されたゴオウを含有する
    ことを特徴とする小児五疳薬。
  2. 【請求項2】上記顆粒状あるいは細粒状の小児五疳薬
    が、さらに、カンゾウ、レイヨウカク、サフラン、ジャ
    コウ、リュウノウ、サイカク、チョウジ、オウレン、ケ
    イヒ、ジンコウ、センソ、ニンジン、ビャクジュおよび
    ボレイよりなる群から選ばれる少なくとも一種類の生薬
    であって、かつ該生薬の平均粒子径が75〜1700μ
    mの範囲内にあるものを含有することを特徴とする小児
    五疳薬。
  3. 【請求項3】上記顆粒状あるいは細粒状の小児五疳薬
    が、ゴオウの量を基準として、一日分の服用量を1包装
    単位として個別に密封包装されていることを特徴とする
    特許請求の範囲第1項に記載の小児五疳薬。
  4. 【請求項4】乾燥条件下または少量の糖類の存在下に、
    ゴオウを含有する小児五疳薬形成成分を擂潰し、分級し
    て平均粒子径を75〜1700μmの範囲内に調整する
    ことを特徴とする請求項第1項記載の小児五疳薬。
  5. 【請求項5】上記小児五疳薬が、顆粒状あるいは細粒状
    のゴオウ1重量部に対して、ニンジンを20〜60重量
    部、および/または、カンゾウを20〜60重量部の量
    で含有する請求項第1項記載の小児五疳薬。
  6. 【請求項6】上記細粒状の小児五疳薬は、その平均粒子
    径が75〜850μmの範囲内にあり、かつ、該粒子全
    量の90%以上の粒子径が75〜850μmの範囲内と
    なるように粉末化されていることを特徴とする請求項1
    〜5の何れかの項に記載の小児五疳薬。
  7. 【請求項7】上記顆粒状の小児五疳薬は、その平均粒子
    径が355〜1700μmの範囲内にあり、かつ、該粒
    子全量の85%以上の粒子径が355〜1700μmの
    範囲内となるように粉末化されていることを特徴とする
    請求項1〜5の何れかの項に記載の小児五疳薬。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102526371A (zh) * 2012-03-16 2012-07-04 安徽农业大学 兽用消炎止痛活血消肿药物及其制备方法
CN107075160A (zh) * 2014-09-23 2017-08-18 派姆比恩特有限公司 合成的犀牛角类似物

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