JPH09174337A - ワイヤ放電加工装置 - Google Patents

ワイヤ放電加工装置

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Publication number
JPH09174337A
JPH09174337A JP33518195A JP33518195A JPH09174337A JP H09174337 A JPH09174337 A JP H09174337A JP 33518195 A JP33518195 A JP 33518195A JP 33518195 A JP33518195 A JP 33518195A JP H09174337 A JPH09174337 A JP H09174337A
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JP
Japan
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machining
wire
slit
electric discharge
machining fluid
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Application number
JP33518195A
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English (en)
Inventor
Atsushi Aramaki
淳 荒槙
Yasushi Endo
靖士 遠藤
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストの増大、及び加工液4の供給、排出時
間の増大等操作性の問題点、及び定盤5内壁部または下
部ワイヤガイド10の電解作用による電食する問題点を
解決する。 【解決手段】 この発明に関わるワイヤ放電加工装置
は、ワイヤ電極と、このワイヤ電極との間の放電により
加工される被加工物と、この被加工物の加工部分を浸漬
する加工液と、この加工液を蓄えるとともに上記被加工
物を収容し固定する加工槽と、この加工槽内を上記ワイ
ヤ電極が上下に貫通するよう上記加工槽の上下位置に設
けられた一対のワイヤガイドと、このワイヤガイドのう
ち下側のワイヤガイドを支持する下部アームと、この下
部アーム上方に位置し、上記ワイヤ電極を貫通させるワ
イヤ電極貫通部位を有して上記加工槽の底部を形成する
加工液シール部材と、を備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はワイヤ放電加工機に
係り、特にその機械部分の改善に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図11はこの種従来のワイヤ放電加工装
置の機械部分の構成図であり、図において、1はワイヤ
電極、2はこのワイヤ電極1によって加工される被加工
物、3はこの被加工物2を収納する加工槽の側壁、4は
この加工槽の側壁3中にあって上記被加工物2の加工部
分を浸漬する加工液、5はその上部に上記被加工物2を
取り付けるとともに加工液4を蓄える加工槽の底部を形
成するテーブル定盤、6はこのテーブル定盤5をX方向
へ移動させる案内、7はこの案内6が載置されるサド
ル、8はベッド15上に載置されてこのサドル7をY方
向へ移動させるガイド、9はダイスガイド9aを有し、
ボビン1aから上部アイドラー1bを通して供給された
上記ワイヤ電極1をこのダイスガイド9aを介して上記
被加工物2に供給する上部ワイヤガイド、10はダイス
ガイド10aを有し、上記上部ワイヤガイド9から被加
工物2を介して供給された上記ワイヤ電極1をこのダイ
スガイド10aを介して下部アイドラー1b、回収ピン
チローラー1cに供給する下部ワイヤガイド、11はこ
の下部ワイヤガイド10及び該ガイドを支える下部アー
ムで、この下部アーム11はテーブル定盤5の袋状の槽
をなす内部5bにテーブル定盤5と干渉しない様に設け
られている。12、13、及び14はテーブル定盤5の
袋状の槽の開口部とこの下部アーム11との間を塞ぐべ
く設けられたもので、各々シール板、シールパッキン、
蛇腹である。このシール板12はサドル7に取り付けら
れて下部アーム11と干渉しないようサドル7とともに
Y方向へ移動する。また、シールパッキン13はテーブ
ル定盤5にはめ込まれて下部アーム11と干渉しないよ
うテーブル定盤5とともにX方向へ移動する。更に蛇腹
14は上記シール板12に取りつけられてこの内部にも
加工液4を保持する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のワイヤ放電加工
装置は以上のように、加工槽の側壁3の内側のみなら
ず、蛇腹14の内部、及びテーブル定盤5に下部ワイヤ
ガイドのXYストロークに干渉しないよう設けられた大
容量の袋状の槽の内部5bにも加工液4を蓄える構成と
し、このような構成により加工槽を形成しているので、
加工液4の量が増大し、その加工液4を循環保持する加
工液タンク(図示せず)の容量も大きくなる。したがっ
て、コストの増大、及び加工液4の供給、排出時間の増
大等操作性の問題点がある。またテーブル定盤5内はワ
イヤー電極1側に対し逆極性となり加工液4浸漬状態の
定盤5内壁部または下部ワイヤガイド10が電解作用に
よる電食する問題点がある。
【0004】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、加工液コストの低減、及び加工
液の供給、排出時間の減少を図ることができ、かつ加工
液荷重の減少により精度の高い加工を得ることができ、
しかもテーブル定盤内部及び下部ワイヤガイド部におけ
る電解作用による電食を少なくすることができるワイヤ
放電加工装置を得ることを第1の目的とする。また別の
発明は、中子を取り除かなくても自動加工が可能とな
り、高価な中子除去装置が不要となるワイヤ放電加工装
置を得ることを第2の目的とする。さらに別の発明は、
給電線の長さを短くすることができるワイヤ放電加工装
置を得ることを第3の目的とする。さらに別の発明は、
上記第1の目的に加え、さらにワイヤ電極を断線させる
ことなくテーパー加工が可能なワイヤ放電加工装置を得
ることを第4の目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1の発明に関わるワイ
ヤ放電加工装置は、ワイヤ電極と、このワイヤ電極との
間の放電により加工される被加工物と、この被加工物の
加工部分を浸漬する加工液と、この加工液を蓄えるとと
もに上記被加工物を収容し固定する加工槽と、この加工
槽内を上記ワイヤ電極が上下に貫通するよう上記加工槽
の上下位置に設けられた一対のワイヤガイドと、このワ
イヤガイドのうち下側のワイヤガイドを支持する下部ア
ームと、この下部アーム上方に位置し、上記ワイヤ電極
を貫通させるワイヤ電極貫通部位を有して上記加工槽の
底部を形成する加工液シール部材と、を備えたものであ
る。
【0006】第2の発明に関わるワイヤ放電加工装置
は、第1の発明において、加工液シール部材は、被加工
物に2番目の中子を形成する際、最初に形成された中子
を加工液シール部材上に保持した状態で被加工物本体と
ともに移動させるような位置に設けられる構成としたも
のである。
【0007】第3の発明に関わるワイヤ放電加工装置
は、第1または第2の発明において、加工槽はその内部
に被加工物を固定する導電性のテーブル定盤を有すると
ともに、その側壁が第1軸方向に移動され、この加工槽
は上記第1軸と直交して第2軸の方向に移動する第1基
台に支持され、給電は、電源に一端が固定されるととも
にその中間が第1基台に固定され、他端が上記テーブル
定盤に非固定接触される給電線を介して行われる構成と
したものである。
【0008】第4の発明に関わるワイヤ放電加工装置
は、第1乃至第2の発明の何れかにおいて、加工液シー
ル部材は、加工液シール板と、この加工液シール板との
相対移動を可能としてこの加工液シール板との間をシー
ルするシールパッキンとを備え、かつこの加工液シール
板にはその内側に可撓性の加工液漏洩防止部材スリット
を有するスリットを備え、さらに上記スリットの幅を下
側のワイヤガイドの先端部ノズル径より広く、長さをこ
のスリットを長手方向に移動するワイヤ電極及び下側ワ
イヤガイドの先端ノズル部の移動範囲より長くして、上
記スリット内に、内部をワイヤ電極が貫通するワイヤガ
イドの先端部を位置させたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施形態1.図1は本発明における実施形態1のワイヤ
放電加工装置の機械部分の正面図。図2はその側面図で
ある。図に於いて、1はワイヤ電極で、このワイヤ電極
1はボビン1aから上下部アイドラー1bを介して回収
ピンチローラー1cにより回収される。2はこのワイヤ
電極1との間の放電により加工される被加工物、30は
この被加工物2を収納する加工槽の側壁、4はこの加工
槽の側壁30の内側に蓄積されて上記被加工物2の加工
部分を浸漬する加工液、50はその上部に上記被加工物
2を取り付けるとともに加工槽の底部の一部を形成する
導電性のテーブル定盤で、このテーブル定盤50は加工
ストローク範囲より大きい開口部50aを有する。6は
このテーブル定盤50をX方向へ移動させる案内、70
はこの案内6を介して加工槽を支持する第1基台たるサ
ドル、8はベッド15上に載置されてこのサドル70を
Y方向へ移動させるガイド、9はダイスガイド9aを有
し、ボビン1aから上部アイドラー1bを通して供給さ
れた上記ワイヤ電極1をこのダイスガイド9aを介して
上記被加工物2に供給する上部ワイヤガイド、10はダ
イスガイド10aを有し、上記上部ワイヤガイド9から
加工槽及び被加工物2を上下に貫通して供給された上記
ワイヤ電極1をこのダイスガイド10aを介して下部ア
イドラー1b、回収ピンチローラー1cに供給する下部
ワイヤガイド、11はこの下部ワイヤガイド10及び該
ガイドを支持する下部アームで、この下部アーム11は
サドル70の空洞にサドルのY方向移動と干渉しない様
に設けられている。またこの下部アーム11の先端には
図示しない絶縁部材により下部ワイヤガイド10が絶縁
されて取り付けられている。120及び130は各々加
工液シール板、シールパッキンであり、これら加工液シ
ール板及びシールパッキンにより、テーブル定盤50に
より形成される加工槽の底部開口部を塞ぎ、テーブル定
盤50とともに加工槽の底部を形成する加工液シール部
材を構成する。上記加工液シール板120はサドル70
に取り付けられて下部アーム11と干渉しないようサド
ル70とともにY方向へ移動する。また、シールパッキ
ン130はテーブル定盤50の開口部50aに沿ってそ
の外側面(サドル70に対向する面)を一周してはめ込
まれて加工液シール板120上を接触シールしながらテ
ーブル定盤50とともにX方向へ移動する。なお、加工
液シール板120には、ワイヤ電極1の貫通部位として
Y方向に相対移動するときに干渉しないようスリット1
20a(ワイヤ径をФ0.2mmとして、スリット幅は
0.5mm程度)が設けられているが、ここから漏れる
加工液4はわずかで、加工液4がこのスリット120a
から漏れることにより被加工物2の浸漬状態に影響を及
ぼすことはない。また、加工槽の底部を形成する加工液
シール板120のスリット120aから漏洩した加工液
4は、サドル70下面から、排出口たる排液ホース70
aを通り回収され、図示されていない別の加工液供給装
置より加工槽へ循環供給される構成となっている。さら
に、加工液シール板120はシールパッキン130との
摩擦抵抗を減らす為、低摩擦、耐磨耗特性で、しかも電
食を防止する観点から絶縁性の高い高分子プラスティッ
ク材としている。
【0010】実施形態2.図3は本発明の実施形態2に
おけるワイヤ放電加工装置の加工液シール板120近傍
の拡大断面図であり、図4はその平面図である。この実
施形態2においては上記加工液シール板120のスリッ
ト120a内に加工液4の漏洩を防止する可撓性の加工
液漏洩防止部材を設けている点、及びワイヤガイド内部
を貫通して先端部から引き出されたワイヤ電極1が、Y
方向に相対移動するときに、ワイヤ電極1がこの加工液
4の漏洩を防止する部材と干渉して断線するのを防止す
るべく、スリット120a内にワイヤガイドの先端部ノ
ズルを配置した点で実施形態1のものと相違する。
【0011】図3及び図4において、120bは、加工
液4の漏洩を防止するべく上記加工液シール板120の
ワイヤ電極貫通部位たるスリット120aの内壁部に取
り付けられたナイロンブラシ等の可撓性の加工液漏洩防
止部材であり、フレキシブルブラシである。この可撓性
の加工液漏洩防止部材は、加工液4のスリット120a
より下方向への流出を減少させるとともに、ノズル10
bのスリット120a内Y方向への移動を可能とするよ
う十分なるフレキシビリティーを有している。スリット
120aの幅は、スリット120a内にワイヤガイドの
先端部を構成する下部加工液ノズル10bを配置してい
る関係上、実施形態1のものより大きくなり、ノズル径
をФ6mmとして、スリット幅は8〜10mm程度とな
るが、その分フレキシブルブラシが設けられているので
加工液4の流出を防ぐことができる。
【0012】実施形態3.図5は本発明の実施形態3に
おける、上記実施形態2のフレキシブルブラシ120b
に相当する部分の平面図である。この実施形態3におい
ては図3及び図4のフレキシブルブラシ120bをスポ
ンジ120c等の弾性体に置き換えた点で実施形態2の
ものと相違する。
【0013】図5において、120cはスポンジからな
る弾性体で、実施形態2のフレキシブルブラシ120b
に変わって加工液シール板120のスリット120a内
に配置され、加工液4の漏洩を防止する。この弾性体1
20cの動作、機能はフレキシブルブラシ120bと同
じであるが、加工液4の漏洩防止効果をフレキシブルブ
ラシ120bより大きくすることができる。また、スリ
ット120a内に下部ノズル10bを配置することによ
りワイヤ電極1を傾けて加工するテーパー加工が可能と
なる。さらに実施形態2及び3の場合、下部ノズル10
bからも加工液4を供給する態様においては、下部ノズ
ル10bからの被加工物2の加工部への加工液4の供給
が容易となる効果がある。
【0014】実施形態4.図6は本発明の実施形態4に
おけるワイヤ放電加工装置の加工液シール板120近傍
の拡大断面図である。この実施形態3においては加工液
シール板から漏洩する加工液を漏洩加工液蓄積槽で蓄積
する構成とした点で実施形態1乃至3のものと相違す
る。
【0015】図6において、200は加工液シール板1
20のスリット部120aと下部ワイヤガイド10の間
に取りつけられてノズル10aのY方向への移動を可能
とし、且つ漏洩した加工液4を蓄積する漏洩加工液蓄積
槽たる蛇腹である。
【0016】以上の実施形態1〜4においては、被加工
物2及びその加工部は加工液4へ浸漬する事ができ、加
工液シール板120を定盤50の下部に配置するため加
工液4の容量は、定盤50より上部の加工槽の側壁30
の容量に近い必要最小限の容量で良く、加工液4の量の
減少によるサドル70への荷重も減少し、精度確保上有
利となる。また、加工液4の量の減少により、加工液4
の供給、排出時間も少なくすることができ、操作上有利
となる。更に、ワイヤガイド10を含め、ワイヤガイド
ユニットは電極1と同様、マイナス電極側に接続され、
被加工物2、テーブル定盤50はプラス電極側に接続さ
れているので、水を主体とする加工液4中では、プラス
側のテーブル定盤50が電解作用により腐食(電食)す
るため、表面を絶縁塗装等を施すことが必要となるが、
テーブル定盤50より下側の面(サドル70側面)は非
浸漬状態のため高価な絶縁塗装は不要となり、絶縁塗装
等を施すことが必要な部分は少なくなる。
【0017】実施形態5.図7は上記実施形態1〜4に
適用し得るワイヤ電極とテーブル定盤への給電方法の他
の実施形態を示す図である。図において、100は給電
線の一部を構成する給電同軸ケーブルであり、マイナス
側は給電子100aよりワイヤ電極1へ通電し、プラス
側は電源に一端が固定されるとともに他端が第1基台た
るサドル70に固定されて上記プラス側給電線の中間部
を形成し、このサドル70から上記給電線の他端となる
通電ブラシ100bを経由しテーブル定盤50へ非固定
接触されて、これにより加工のための給電をする。従来
プラス側は、フィーダー取り付けによりテーブル定盤5
0へ直接給電するため、フィーダーケーブル長がXY方
向移動範囲分の長さが必要で、電気的抵抗の増大により
加工性能の低下が起きたが、本発明の方式ではY方向に
しか移動しないサドル70を経由して通電しているの
で、フィーダーケーブル長はYストロークのみの短い長
さで良く、加工性能の向上が得られる。
【0018】実施形態6.図8は本発明の実施形態6に
おけるワイヤ放電加工装置の正面図である。この実施形
態6においては加工槽の加工液シール板から漏洩した加
工液をサドル内に一旦貯蔵する構成とした点で実施形態
1乃び3のものと相違する。なお、念の為申し添えるな
ら、前記従来例と本実施形態との相違は、加工液シール
板の取付位置にあり、前者がサドル内に貯蔵される加工
液が加工槽の側壁内のものと同様のものであるか加工槽
の側壁内から漏洩されたものであるかの点にある。
【0019】図8において、70はサドルで、このサド
ル70には加工液シール板120からの漏洩液を回収す
る漏洩加工液蓄積槽200が設けられている。また漏洩
加工液蓄積槽200はサドル70に固定されているた
め、サドル70の移動に伴いY方向へ移動する。140
は蛇腹で、この蛇腹140はサドル70内に漏洩した加
工液をサドル70内に収納しておくようシールするもの
である。この実施形態6においては、漏洩液を回収する
漏洩加工液蓄積槽200の容量は、下部ワイヤガイド1
0及び下部アーム11のY方向への移動を許容する範囲
内の最低限の容量でよく、従来例のようなX・Y方向移
動を許容する大容量の槽に比べると、液量を大幅に減少
することができる。また漏洩加工液蓄積槽200内の液
は完全にシールされているので、回収する必要が無いと
いう効果が選られる。
【0020】実施形態7.図9は本発明の実施形態7に
おけるワイヤ放電加工装置の正面図である。この実施形
態7においては、漏洩液を回収する漏洩加工液蓄積槽の
構成において実施形態6のものと相違し、それに伴いテ
ーブルをXY移動させるための構成についても実施形態
6のものと相違する。
【0021】図9において、200は加工液シール板1
20と一体的にテーブル定盤50内に設けられた漏洩液
を回収する漏洩加工液蓄積槽で、この漏洩加工液蓄積槽
200はベッド15に取り付け固定されている。具体的
には、漏洩加工液蓄積槽200上部に設けられた加工液
シール板120のX方向の端を、テーブルに干渉しない
位置で支え板120cの一端に固定し、支え板120c
の他端をベッド15にボルト12dにて取り付け固定す
る構造である。この実施形態7においては下部アーム1
1及びコラム16をY軸移動させる構成としているた
め、下部ガイドユニット10がY方向へ移動する範囲内
に加工液シール板120のスリット部120aが位置す
るよう加工液シール板120を設け、これを覆う形で漏
洩加工液蓄積槽200が取り付けられている。140は
蛇腹で、この蛇腹140は漏洩加工液蓄積槽200の側
壁の開口部から下部アーム11の先端に向かって内部に
突出するように設けられ、下部ガイドユニット10のY
方向への移動を妨げないようにしている。この実施形態
7においては、実施形態6同様、加工液シール板120
からの漏洩液を頻繁には回収する必要がなく、またテー
ブル定盤50のX方向ストロークの大きい大型構造の時
でも、漏洩加工液蓄積槽200の容量は下部ワイヤガイ
ド10のY方向を干渉しない範囲であれば小さくてよ
く、またテーブル定盤50の底部にシール板120を配
置して漏洩加工液蓄積槽200を設け、それをベッド1
5により支えているため、漏洩加工液蓄積槽200及び
その中に蓄積された液重量分、テーブル定盤50の荷重
を小さくでき、その結果テーブル強度を確保できる効果
が得られる。また、この実施形態7の場合における電解
作用防止効果は、漏洩加工液蓄積槽内の加工液量が少な
い場合はもとより、漏洩加工液蓄積槽200が多くなっ
た場合でも漏洩加工液蓄積槽200を絶縁材で構成する
か、またはシールパッキン130によってテーブル定盤
50と絶縁することにより達成される。
【0022】実施形態8.図10は本発明の実施形態8
における被加工物2を取り付けるジグ部分の拡大図であ
る。この実施形態8においては、加工の自動化を可能と
した被加工物取り付けジグを備えている点において他の
実施形態6のものと相違する。
【0023】図10において、300は被加工物2の下
面が加工液シール板120の上面近くに位置するように
被加工物2を取り付ける治具である。このような治具を
用いることにより、加工の切り落とし部2a(中子)を
加工液シール板120上に保持することができるので、
加工の自動化が行える。
【0024】すなわち、従来は、切り落とされた中子が
テーブル定盤5内に落ちた時、移動する下部アーム11
と衝突して破壊される可能性があるため、連続して中子
を切り落とすことが必要な加工においては、中子が切り
落とされるたび毎にこれを中子除去装置で上方向へ引き
抜き除去する必要があり、これが自動化の妨げとなって
いた。しかしながら、本実施形態8においては、切り落
とされた中子2aが加工液シール板120上に保持され
るので下部アーム11と衝突することはなく、連続して
中子2aを切り落とすことが必要な加工においても中子
2aが切り落とされるたび毎にこれを中子除去装置で上
方向へ引き抜き除去する必要もないので、加工の自動化
が行える。また、これにより高価な中子除去装置も不要
となる効果がある。
【0025】
【発明の効果】以上説明した通り、この第1の発明によ
れば、ワイヤ電極と、このワイヤ電極との間の放電によ
り加工される被加工物と、この被加工物の加工部分を浸
漬する加工液と、この加工液を蓄えるとともに上記被加
工物を収容し固定する加工槽と、この加工槽内を上記ワ
イヤ電極が上下に貫通するよう上記加工槽の上下位置に
設けられた一対のワイヤガイドと、このワイヤガイドの
うち下側のワイヤガイドを支持する下部アームと、この
下部アーム上方に位置し、上記ワイヤ電極を貫通させる
ワイヤ電極貫通部位を有して上記加工槽の底部を形成す
る加工液シール部材と、を備えたので、加工液容量の低
減、及び加工液の供給、排出時間の減少を図ることがで
き、かつ加工液荷重の減少により精度の高い加工を得る
ことができ、しかもテーブル定盤内部及び下部ワイヤガ
イド部における電解作用による電食を少なくすることが
できるワイヤ放電加工装置を得られるという効果があ
る。
【0026】また、この第2の発明によれば、加工液シ
ール部材は、被加工物に2番目の中子を形成する際、最
初に形成された中子を加工液シール部材上に保持した状
態で被加工物本体とともに移動させるような位置に設け
られる構成としたので、中子を取り除かなくても自動加
工が可能となり、高価な中子除去装置が不要となるワイ
ヤ放電加工装置を得られるという効果がある。
【0027】さらに、この第3の発明によれば、加工槽
はその内部に被加工物を固定する導電性のテーブル定盤
を有するとともに、その側壁が第1軸方向に移動され、
この加工槽は上記第1軸と直交して第2軸の方向に移動
する第1基台に支持され、給電は、電源に一端が固定さ
れるとともにその中間が第1基台に固定され、他端が上
記テーブル定盤に非固定接触される給電線を介して行わ
れる構成としたので、給電線の長さを短くすることがで
きるワイヤ放電加工装置を得られるという効果がある。
【0028】さらに、この第4の発明によれば、加工液
シール部材は、加工液シール板と、この加工液シール板
との相対移動を可能としてこの加工液シール板との間を
シールするシールパッキンとを備え、かつこの加工液シ
ール板にはその内側に可撓性の加工液漏洩防止部材スリ
ットを有するスリットを備え、さらに上記スリットの幅
を下側ワイヤガイドの先端部ノズル径より広く、長さを
このスリットを長手方向に移動するワイヤ電極の移動範
囲より長くして、上記スリット内に、内部をワイヤ電極
が貫通する下側ワイヤガイドの先端ノズル部を位置させ
たので、加工液容量の低減、及び加工液の供給、排出時
間の減少を図ることができ、かつ加工液荷重の減少によ
り精度の高い加工を得ることができ、しかもテーブル定
盤内部及び下部ワイヤガイド部における電解作用による
電食を少なくすることができるワイヤ放電加工装置を得
られるという第1の発明と同様の効果が得られ、また先
端部ノズルからの加工液の供給もより効率的になるのみ
ならず、さらにワイヤ電極を断線させることなくテーパ
ー加工が可能なワイヤ放電加工装置を得られるという効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1におけるワイヤ放電加工
装置の機械部分の正面構造断面図。
【図2】この発明の実施形態1におけるワイヤ放電加工
装置の機械部分の側面構造断面図。
【図3】この発明の実施形態2におけるワイヤ放電加工
装置の加工液シール板120近傍の拡大断面図。
【図4】この発明の実施形態2におけるワイヤ放電加工
装置の加工液シール板120近傍の平面図。
【図5】この発明の実施形態3におけるワイヤ放電加工
装置の加工液漏洩防止部材の平面図。
【図6】この発明の実施形態4におけるワイヤ放電加工
装置の漏洩加工液蓄積槽の断面図。
【図7】この発明の実施形態5における給電方式を示す
ワイヤ放電加工装置の部分断面図。
【図8】この発明の実施形態6におけるワイヤ放電加工
装置の機械部分の正面構造断面図。
【図9】この発明の実施形態7におけるワイヤ放電加工
装置の機械部分の正面構造断面図。
【図10】この発明の実施形態8におけるワイヤ放電加
工装置のテーブル定盤付近の正面構造断面図。
【図11】従来のワイヤ放電加工装置における機械部分
の正面構造断面図。
【符号の説明】
1 ワイヤ電極 2 被加工物 3 加工槽の側壁 4 加工液 11 下部アーム 12 加工液シール板 50 テーブル定盤 70 第1基台 70a排出口 100 給電線 120 加工液シール部材(加工液シール板) 120aワイヤ電極貫通部位(加工液漏洩防止部材) 120b加工液漏洩防止部材 130 加工液シール部材(シールパッキン) 200 漏洩加工液蓄積槽

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワイヤ電極と、 このワイヤ電極との間の放電により加工される被加工物
    と、 この被加工物の加工部分を浸漬する加工液と、 この加工液を蓄えるとともに上記被加工物を収容し固定
    する加工槽と、 この加工槽内を上記ワイヤ電極が上下に貫通するよう上
    記加工槽の上下位置に設けられた一対のワイヤガイド
    と、 このワイヤガイドのうち下側のワイヤガイドを支持する
    下部アームと、 この下部アーム上方に位置し、上記ワイヤ電極を貫通さ
    せるワイヤ電極貫通部位を有して上記加工槽の底部を形
    成する加工液シール部材と、を備えたことを特徴とする
    ワイヤ放電加工装置。
  2. 【請求項2】加工液シール部材は、被加工物に2番目の
    中子を形成する際、最初に形成された中子を加工液シー
    ル部材上に保持した状態で被加工物本体とともに移動さ
    せるような位置に設けられることを特徴とする請求項1
    記載のワイヤ放電加工装置。
  3. 【請求項3】加工槽はその内部に被加工物を固定する導
    電性のテーブル定盤を有するとともに、その側壁が第1
    軸方向に移動され、 この加工槽は上記第1軸と直交して第2軸の方向に移動
    する第1基台に支持され、 給電は、電源に一端が固定されるとともにその中間が第
    1基台に固定され、他端が上記テーブル定盤に非固定接
    触される給電線を介して行われることを特徴とする請求
    項1または請求項2記載のワイヤ放電加工装置。
  4. 【請求項4】加工液シール部材は、 加工液シール板と、 この加工液シール板との相対移動を可能としてこの加工
    液シール板との間をシールするシールパッキンとを備
    え、 上記加工液シール部材のワイヤ電極貫通部位は、上記加
    工液シール板に設けられたスリットのみからなり、この
    スリットの幅は下側のワイヤガイドの先端部ノズル径よ
    り狭くかつ貫通電極径よりも大きくなされるとともに、
    このスリットの長さは、このスリットを長手方向に移動
    するワイヤ電極の移動範囲より長くなされた、 ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のワイ
    ヤ放電加工装置。
  5. 【請求項5】ワイヤ電極貫通部位は、穴及びこの穴の内
    側に設けられた可撓性の加工液漏洩防止部材からなる、 ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のワイ
    ヤ放電加工装置。
  6. 【請求項6】加工液シール部材は、 加工液シール板と、 この加工液シール板との相対移動を可能としてこの加工
    液シール板との間をシールするシールパッキンとを備
    え、 上記加工液シール部材の穴は、スリット形状であり、こ
    のスリットの幅は下側のワイヤガイドの先端部ノズル径
    より広く、このスリットの長さは、このスリットを長手
    方向に移動するワイヤ電極及び下側のワイヤガイドの先
    端部ノズルの移動範囲より長い、 かつ上記スリット内には、その内部をワイヤ電極が貫通
    する下側のワイヤガイドの先端ノズル部が位置する、 ことを特徴とする請求項5記載のワイヤ放電加工装置。
  7. 【請求項7】加工槽は、その底部をサドルにより支持さ
    れ、 このサドル内部には、加工槽底部の加工液シール板から
    漏洩する加工液を蓄積する漏洩加工液蓄積槽、 または加工槽底部の加工液シール板から漏洩する加工液
    を排出する排出口を有する、 ことを特徴とする請求項1項乃至請求項6の何れかに記
    載のワイヤ放電加工装置。
JP33518195A 1995-12-22 1995-12-22 ワイヤ放電加工装置 Pending JPH09174337A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013158893A (ja) * 2012-02-07 2013-08-19 Mitsubishi Electric Corp ワイヤ放電加工装置

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JP2013158893A (ja) * 2012-02-07 2013-08-19 Mitsubishi Electric Corp ワイヤ放電加工装置

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