JPH09174036A - 汚物乾燥処理装置 - Google Patents

汚物乾燥処理装置

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Publication number
JPH09174036A
JPH09174036A JP34359195A JP34359195A JPH09174036A JP H09174036 A JPH09174036 A JP H09174036A JP 34359195 A JP34359195 A JP 34359195A JP 34359195 A JP34359195 A JP 34359195A JP H09174036 A JPH09174036 A JP H09174036A
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JP
Japan
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filth
hot air
drying
solid
section
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Application number
JP34359195A
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English (en)
Inventor
Shoichi Kamimura
村 昌 一 上
Shinichi Nagumo
雲 慎 一 南
Masaaki Saito
藤 正 昭 斉
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱効率が高く、汚物中の水分を速やかに蒸発
させて、汚物の処理時間を大幅に短縮することができ、
蒸発残渣である汚物中の固形物も容易に回収することが
できる汚物乾燥処理装置を提供する。 【解決手段】 汚物を乾燥する処理容器2を固体乾燥部
6と液体蒸発部7とに区分し、処理容器2内に投入され
た汚物のうち、固体乾燥部6の円筒形フィルタ9により
固形分から分離された液体中の水分を複数の熱交換チュ
ーブ18aを備えた熱交換器18によって蒸発させる一
方、フィルタ9内に残った固形分を蓄熱球10および撹
拌羽根11によって乾燥ののち粉砕し、吸引ポンプ5お
よびサイクロン4によって吸引回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屎尿等の汚物を乾
燥して処理する技術に係わり、例えば浄化装置のない工
事現場やイベント会場,災害現場、あるいは交通の不便
な山岳観光施設などにおいて、汚物を効率良く処理する
ことができる汚物乾燥処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のような汚物乾燥処理装置と
しては、例えば特開平2−40280号公報に記載され
た屎尿乾燥装置が知られている。
【0003】上記公報に記載された屎尿乾燥装置は、外
箱の内部に収納された乾燥釜を備えており、あらかじめ
乾燥釜中に入れておいたセラミックスあるいはステンレ
ス鋼製の蓄熱球と共に乾燥釜に投入された屎尿を撹拌羽
根によって撹拌しながら、石油あるいはガスバーナーか
らの熱風をバーナーパイプを介して外箱と乾燥釜の間に
供給することによって屎尿中の水分を蒸発させるように
したものである。
【0004】また、特開平7−136640号公報に
は、回転式の乾燥釜と、高周波コイルを備えたヒーター
ユニットと、乾燥釜内に収納された金属製の撹拌球と、
該撹拌球に自由な移動を阻害する邪魔柱を有し、屎尿と
共に撹拌球を収納した乾燥釜を回転させることにより屎
尿を撹拌しつつ、ヒーターユニットにより乾燥釜および
金属製撹拌球を電磁加熱して屎尿中の水分を蒸発させた
のち、蒸発残渣を真空式の塵埃回収機により吸引除去す
るようにした屎尿乾燥装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した従
来の汚物乾燥処理装置においては、いずれも、屎尿をそ
のまま乾燥釜内に投入して、乾燥釜の外側底部からバー
ナーの熱風あるいは電磁加熱によって加熱する方式にな
っているため、乾燥釜の底部全体を均一に加熱すること
が困難であって、熱効率が必ずしも良くないことから、
乾燥処理に長時間を要するという問題点がある。すなわ
ち、これら汚物乾燥処理装置においては、屎尿の固形物
と液体とが一体として乾燥釜に投入されるので、固形物
を乾燥して粉砕するには、まず屎尿の大部分を占める水
分を蒸発させるねばならず、長時間を要すると共に、こ
の間撹拌羽根や回転式乾燥釜を長時間作動させることに
なって消費電力が多大なものとなる。なお、このような
傾向は、これら汚物乾燥処理装置を水洗式トイレの屎尿
処理に適用した場合、さらに大量のフラッシュ水が屎尿
に加わるため一層顕著なものとなる。
【0006】また、特開平2−40280号公報に記載
された屎尿乾燥装置においては、蒸発残渣として乾燥釜
内に溜まった固形分を取り除くために、所定期間ごとに
乾燥釜内を清掃する必要があるといった問題点がある。
これに対し、特開平7−136640号公報に記載され
た屎尿乾燥装置においては、乾燥釜内に溜まった蒸発残
渣を除去するための真空式回収機を備えており、メンテ
ナンスが容易になるものの、清掃パイプの挿入位置が一
定となっているため、乾燥釜底部に広く散在する固形分
を十分に除去することが困難であるという問題点があ
り、これらの問題点を解決することが従来の汚物乾燥処
理装置における課題となっていた。
【0007】
【発明の目的】本発明は、従来の汚物乾燥処理装置にお
ける上記課題に着目してなされたものであって、熱効率
が高く、汚物中の水分を速やかに蒸発させて、処理時間
を短縮することができ、さらには残渣固形物を容易に回
収することができる汚物乾燥処理装置を提供することを
目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係わ
る汚物乾燥処理装置は、熱風を発生する熱風発生手段
と、収納した汚物を熱風発生手段の熱により乾燥する処
理容器と、乾燥された汚物中の固形物を吸引して回収す
る回収手段を備えた汚物乾燥処理装置において、前記処
理容器内部は、固体乾燥部と液体蒸発部とに区分され、
固体乾燥部には、円筒形フィルタが設けてあると共に、
該円筒形フィルタ内に複数の蓄熱球と該蓄熱球を汚物と
共に撹拌する撹拌羽根が配設され、液体蒸発部には、前
記熱風発生手段からの熱風が導入される複数の熱交換チ
ューブを備えた熱交換器が設けてある構成としたことを
特徴としており、このような汚物乾燥処理装置の構成を
前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0009】本発明に係わる汚物乾燥処理装置の実施態
様として請求項2に係わる装置においては、固体乾燥部
の底面が液体蒸発部の底面より高く形成してあると共
に、固体乾燥部と液体蒸発部との境界部に固形物粉末の
通過を阻止する拡散防止フィルタが設けてある構成と
し、同じく実施態様として請求項3に係わる装置におい
ては、処理容器の底部に、熱風発生手段からの熱風を固
体乾燥部から液体蒸発部の熱交換器に導く熱風路を備え
ている構成、請求項4に係わる装置においては、固体乾
燥部の底面に、前記回収手段に連通し、かつ開口部がフ
ィルタにより覆われた複数の粉末回収溝が形成されてい
る構成、請求項5に係わる装置においては、液体蒸発部
に設けた熱交換器の熱交換チューブに、下方に延出する
複数の異形フィンが設けてある構成、また、請求項6に
係わる装置においては、処理容器の蒸気排出口に、排出
される蒸気の凝縮器が設けてある構成、さらに、請求項
7に係わる装置においては、処理容器の蒸気排出口に、
排出される蒸気に含まれる悪臭成分を分解する触媒を収
納した脱臭器が設けてあると共に、熱風発生手段からの
熱風の一部を当該脱臭器に導くバイパスパイプが設けて
ある構成とし、請求項6に係わる汚物乾燥処理装置の実
施態様として請求項8に係わる装置においては、凝縮器
の排気口と熱風発生手段の空気吸入口との間に、凝縮器
からの排気ガスを熱風発生手段に導く導入パイプが配設
されている構成としており、汚物乾燥処理装置における
これらの構成を前述した従来の課題を解決するための手
段としたことを特徴としている。
【0010】
【発明の作用】本発明の請求項1に係わる汚物乾燥処理
装置は、汚物を乾燥する処理容器が、円筒形フィルタと
その内側に配設された蓄熱球および撹拌羽根を備えた固
体乾燥部と、熱交換器を備えた液体蒸発部とに区分され
ている。したがって、処理容器内に投入された汚物は、
円筒形フィルタにより液体と固形分とに分離され、液体
蒸発部に流入した液体は、熱風発生手段からの熱風が導
入される複数の熱交換チューブを備えた熱交換器により
効率的に加熱されて、速やかに蒸発する。一方、フィル
タ内に残った比較的少量の固形分は、熱風発生手段から
の熱風により速やかに乾燥されたのち、蓄熱球および撹
拌羽根によって粉砕され、回収手段によって回収される
こととなる。
【0011】本発明に係わる汚物乾燥処理装置の実施態
様として請求項2に係わる装置は、2段底面を有し、固
体乾燥部が液体蒸発部よりも高く形成してあり、かつ固
体乾燥部と液体蒸発部との境界部に拡散防止フィルタが
設けてあるので、汚物中の液体成分のみが液体蒸発部に
円滑に流入することになる。また、汚物の水分量や熱風
発生手段の発熱量などに応じて固体乾燥部と液体蒸発部
の高低差を調整することによって、液体蒸発部における
水分の蒸発終了と、固体乾燥部における残渣固形物の回
収終了とのタイミングが一致するようになる。
【0012】同じく実施態様として請求項3に係わる汚
物乾燥処理装置は、固体乾燥部から液体蒸発部の熱交換
器に至る熱風路を処理容器の底部に備えており、熱風発
生手段からの熱風が温度の高いうちにまず固体乾燥部に
導入され、次いで熱交換器に導入されることになるの
で、熱風発生手段からの熱が汚物中の紙類など発火温度
の高い固形物の処理に有効に作用するものとなる。
【0013】また、実施態様として請求項4に係わる汚
物乾燥処理装置は、フィルタを備えた粉末回収溝を固体
乾燥部の底面に備えており、撹拌羽根および蓄熱球によ
って粉砕された汚物中の固形物は、フィルタを通して当
該回収溝内に落下したのち回収手段によって回収される
ことになるので、回収手段の能力をさほど強化しなくて
も固形物の回収能率が向上することになる。
【0014】同じく実施態様として請求項5に係わる汚
物乾燥処理装置においては、下方に延出する異形フィン
が熱交換器の熱交換チューブに設けてあるので、熱交換
チューブの表面積が増して伝熱効率が向上すると共に、
液体蒸発部の水位が低下しても汚物との接触が長時間保
持されることから、熱交換器としての熱効率が向上する
ことになる。
【0015】また、請求項6に係わる汚物乾燥処理装置
においては、処理容器の蒸気排出口に、蒸気の凝縮器が
設けてあり、汚物中の水分が清浄な水として回収される
ので、例えば、本発明に係わる汚物乾燥処理装置を水利
の悪い山小屋などのトイレにおける屎尿処理用に適用し
た場合に、手洗い水や便器のフラッシュ水として利用さ
れることになる。
【0016】請求項7に係わる汚物乾燥処理装置には、
処理容器の蒸気排出口に設けた脱臭器と熱風発生手段の
間にバイパスパイプが配設してあり、熱風の一部を脱臭
器に導くようにしているので、装置の運転開始直後から
脱臭器の触媒がその機能温度に保持されるようになるこ
とから、触媒加熱用ヒータが不要になり、コストが削減
される。
【0017】さらに、請求項6に係わる汚物乾燥処理装
置の実施態様として請求項8に係わる装置においては、
凝縮器の排気口と熱風発生手段の間に導入パイプが配設
してあり、凝縮器からの排気ガスを熱風発生手段の空気
吸入口に導入するようにしているので、排気ガスに含ま
れる悪臭成分が熱風発生手段の高熱によって熱分解する
ことから、高価な触媒を用いた脱臭器を設ける必要がな
くなり、装置が簡素なものとなりコストが削減されるこ
とになる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて具体的に説明
する。
【0019】図1ないし図4は、本発明に係わる汚物乾
燥処理装置の一実施例を示すものであって、図1は当該
汚物乾燥処理装置の部分破断正面図である。
【0020】図に示す汚物乾燥処理装置1は、汚物が投
入される処理容器2と、熱風を発生して、後述する熱風
路を経て熱交換器の熱交換チューブに送給する熱風発生
手段としての熱風発生機3と、乾燥および粉砕された汚
物中の固形物をサイクロン4を介して回収する吸引ポン
プ5から主に構成され、当該サイクロン4および吸引ポ
ンプ5により回収手段が形成されている。
【0021】処理容器2の内部は、固体乾燥部6と液体
蒸発部7とに区分され、固体乾燥部6の底面が液体蒸発
部7の底面より高く形成されていると共に、固体乾燥部
6と液体蒸発部7との境界部には、拡散防止フィルタ8
が設けてあって、固体乾燥部6において乾燥され、微粉
となって浮遊する汚物中の固形物を捕捉し、固形分が液
体蒸発部7に移行しないようになっている。
【0022】固体乾燥部6には、細かい金網状の円筒形
フィルタ9が備えてあり、該円筒形フィルタ9の内部に
は、セラミックスあるいはステンレス鋼などからなる蓄
熱球10と、蓄熱球10を汚物と共に撹拌することによ
り汚物を乾燥および粉砕する撹拌羽根11が配設され、
当該撹拌羽根11は、処理容器2の蓋体2aにスタンド
12を介して固定されたモータ13に連結されたシャフ
ト14に取付けられ、モータ13によって回転駆動され
るようになっている。また、前記シャフト14には、金
属ワイヤを植毛したアーム型ブラシ15,15が取付け
られ、撹拌羽根11が回転すると同時に円筒形フィルタ
9が清掃され、フィルタ9の目詰まりが発生しないよう
にしてある。
【0023】また、円筒形フィルタ9の内部位置に相当
する固体乾燥部6の底面には、図2にも示すように、粉
末回収溝16が樹枝状に形成され、回収口17を介して
前記サイクロン4および吸引ポンプ5に連結されると共
に、その開口面は金網状のフィルタ16aにより覆われ
ており、乾燥後粉状に粉砕され、フィルタ16aを通っ
て当該回収溝16中に落下した汚物中の固形物が吸引ポ
ンプ5によって吸引され、サイクロン4によって回収さ
れるようになっている。なお、回収手段としては、吸引
ポンプ5およびサイクロン4の代わりに、回収バッグを
備えた真空式集塵器などを用いることもできる。
【0024】液体蒸発部7には、複数の熱交換チューブ
18aを備えた熱交換器18が配設され、熱風発生機3
において発生し、熱風取入口19から取り入れられた熱
風が、固体乾燥部6および液体蒸発部7の底部に設けた
熱風路20を経て、熱交換チューブ18a内を通過した
のち、熱風排出口21から外気に放出されるようになっ
ている。なお、前記熱交換チューブ18aには、複数の
異形フィン18bがそれぞれ取付けられている。
【0025】処理容器2の蓋体2aには、液体蒸発部7
の上方位置に、当該処理容器2内の汚物から発生する蒸
気を排出するための蒸気排出口22が設けてあり、この
蒸気排出口22には、凝縮器23および脱臭器24が接
続され、処理容器2から発生した蒸気を含む空気は、凝
縮器23において冷却され水分を放出したのち、白金な
どの触媒を収めた脱臭器24内で悪臭成分を分解したう
えで外気に放出されるようになっている。なお、凝縮器
23において回収された水は、回収タンク25に貯めら
れ、有効利用される。
【0026】また、熱風発生機3と脱臭器24との間に
は、バイパスパイプ26が配設されており、熱風発生機
3の側に設けたバルブ26aの調整によって、熱風発生
機3からの熱風の一部を直接脱臭器24に送給すること
により脱臭器24の触媒をその活性温度に加熱すること
ができるようになっている。
【0027】図3は、固体乾燥部6の異方向からの断面
図であって、処理容器2の蓋体2aには、円筒形フィル
タ9の上方位置に汚物投入口27が取付けられ、投入さ
れた汚物がこの円筒形フィルタ9の内部にまず収納さ
れ、円筒形フィルタ9によって液体と固形分とに分離さ
れるようになっている。なお、汚物投入口27の上方に
は、図示しない電磁バルブが設けてあり、当該処理装置
1の作動中には汚物が処理容器2内に流入しないように
なっている。
【0028】なお、図2において、記号12aは、スタ
ンド12内においてモータ13とシャフト14とを連結
するフレキシブル継手、28,28は、当該汚物乾燥処
理装置1を搬送するに際して、吊り具を掛止するための
アイボルト、29は、処理容器2内において前記円筒形
フィルタ9を保持する支持部材、30は、処理容器2の
側面を補強する補強部材、さらに記号31は、受熱フィ
ンである。
【0029】図3は、液体蒸発部7の異方向からの断面
図であって、この実施例において熱交換器18は、合計
38本の熱交換チューブ18aを有し、それぞれの熱交
換チューブ18aには、前述のように、下方に延出する
複数の異形フィン18bが取付けてあり、これによって
熱交換器としての熱効率を高めるようにしてある。
【0030】なお、この実施例においては、熱風発生機
3として、日産自動車株式会社製携帯用マイクロガスタ
ービン発電機(100V−2.6kW)を用いた。但
し、熱効率を低下させ、排気温度を約500℃まで高め
た。
【0031】上記構造を備えた汚物乾燥処理装置1は、
例えば図5に示すようなトイレの便器Sに接続されて、
屎尿処理に適用される。この場合、汚物乾燥処理装置1
は、汚物の円滑な流入を確保するためトイレ建屋の階下
あるいは地下部分に配置される。なお、当該汚物乾燥処
理装置1は、処理容器2の容量や熱風発生器3の性能な
どによって定まる処理能力に応じて、さらに多くの便器
Sを備えたトイレシステムに適用することができる。
【0032】便器S内の汚物は、フラッシュタンクT内
のフラッシュ水と共に、流入パイプ32を通して汚物投
入口27から、固体乾燥部6の円筒形フィルタ9内に投
入される。投入された汚物中の大部分を占めるフラッシ
ュ水を主体とする水分は、固体乾燥部6の底面が液体蒸
発部7よりも高くしてあるので、金網状の円筒形フィル
タ9を通過して液体のみが液体蒸発部7に流入する。こ
のとき、汚物量が増し、水位が固体乾燥部6の底面を超
えたとしても、液体蒸発部7に固形分が流入することは
ない。
【0033】汚物の水位が所定のレベルになると、図示
しないレベルセンサがこれを検知して、熱風発生器3が
作動を開始する。熱風発生器3から発生する約500℃
の熱風は、図1中に矢印で示すように、熱風取入口19
から収納容器2の底部に形成された熱風路20に導入さ
れ、液体蒸発部7に配設された熱交換器18の熱交換チ
ューブ18a内を通過してたのち熱風排出口21より外
気に放出される。この熱風は、汚物と直接接触しないの
で悪臭成分は含まれず、そのまま放出することができ
る。
【0034】熱風が異形フィン18bを備えた多数の熱
交換チューブ18aを通過することによって加熱された
液体蒸発部7内の液体は、速やかに蒸気となって蒸気排
出口22から凝縮器23に入り、ここで冷却されて水と
なり、回収タンク25に貯留される。この水は、ポンプ
25a(図5参照)によってフラッシュタンクTに送ら
れ、フラッシュ水として循環使用される。
【0035】凝縮器23を通過し、水分を除去された空
気は、脱臭器24に導入され、脱臭器24の触媒によっ
てスカトール,メルカプタンなどの悪臭成分が分解され
たのち、外気に放出される。なお、このとき、バイパス
パイプ26に配設したバルブ26aを開けることによっ
て、熱風発生器3の作動開始と同時に、熱風発生器3か
らの熱風の一部が脱臭器24に送給され、触媒が十分に
活性な状態にすでに加熱されているので、悪臭成分が未
分解のまま放出されるようなことはない。
【0036】熱風発生器3からの熱風によって、固体乾
燥部6の底部の水分が蒸発し、図示しないセンサによっ
て、当該部分の温度が所定温度、例えば、120〜13
0℃に上昇したことが検知されると、モータ13が作動
を開始し、シャフト14を介して撹拌羽根11を回転さ
せ、円筒形フィルタ9内に残った汚物中の固形物と共に
蓄熱球10を撹拌し、当該固形物をさらに乾燥させると
ともに細かく粉砕する。このとき、シャフト14の回転
によってアーム型ブラシ15,15が回転し、円筒形フ
ィルタ9に付着している固形物を剥ぎ落とし、フィルタ
9の目詰まりを除去する。フィルタ9から落下した固形
物も底部の固形物と共に、さらに粉砕される。
【0037】円筒形フィルタ9内に残った汚物中の固形
物は、比較的量が少なく、しかも当該固体乾燥部6には
熱風発生器3から発生直後の最も高温の熱風が作用する
ことから、急速に水分を失い、蓄熱球10により細かく
粉砕されると共に、さらに加熱されることにより灰状と
なり、微粉あるいは灰状となった固形物は、固体乾燥部
6底面の金網状フィルタ16aを通過して粉末回収溝1
6に落下する。
【0038】そして、モータ13が作動開始から所定時
間が経過すると、吸引ポンプ5が作動し、粉末回収溝1
6に落下した固形物粉末を吸引する。吸引された固形物
粉末は、サイクロン4により回収され、適当に処分され
る。吸引ポンプ5の作動開始後所定時間が経過すると、
吸引ポンプ5と共に、モータ13および熱風発生器3の
作動が停止し、処理容器2内の汚物の水位が再度所定レ
ベルになるまで待機する。
【0039】なお、上記実施例においては、トイレ建屋
の階下あるいは地下部分に汚物乾燥処理装置1を配置し
た例を示したが、図6に示すように並列配置することも
できる。
【0040】すなわち、図6において、汚物乾燥処理装
置1は、汚物を一時的に収納する貯留タンク35および
当該貯留タンク35に汚物を汲み上げる真空ポンプ36
とともにハウジングH内に組込まれると共に、トイレユ
ニットUとは、遮断弁37aを備えた着脱自在の接続パ
イプ37によって接続されるようになっている。
【0041】汚物は、真空ポンプ36によって貯留タン
ク35に一時的に収納され、流入パイプ32に設けた電
磁バルブ32aを開放することにより、処理容器2の固
体乾燥部6に流入し、同様の処理が行われる。
【0042】このように、汚物乾燥処理装置1に貯留タ
ンク35および真空ポンプ36を加えてユニット化し、
トイレユニットUと分離可能な構造とすることにより、
工事現場やイベント会場などへの搬送が容易となり、ト
レーラなどによりトイレユニットUと共に現場に搬入し
たのち、両者を接続パイプ37によって接続するだけ
で、すぐに使用可能な状態とすることができる。また、
既存の屎尿蓄積型(汲取り式)トイレにこのような処理
装置ユニットを接続することにより、極めて簡単な工事
だけで、旧式トイレを汲取りが不要で悪臭のない衛生的
なトイレに改造することができる。
【0043】図7は、本発明に係わる汚物乾燥処理装置
の他の実施例を示すものであって、図に示す汚物乾燥処
理装置40は、前記実施例に係わる汚物乾燥処理装置1
において凝縮器23の排気口側に接続されていた脱臭器
24を除去して、代わりに当該凝縮器23の排気口と熱
風発生器3の空気吸入口3aとの間に導入パイプ41を
設けたものであり、これ以外の部分については前記実施
例と同様な構造を備えている。
【0044】この実施例に係わる汚物乾燥処理装置40
においては、凝縮器23を通過し、水分を除去された排
気ガスが導入パイプ41を通って熱風発生機3の空気吸
入口3aに戻され、熱風発生機3において排気ガスに含
まれる悪臭成分が熱分解されるので、高価な触媒を用い
た脱臭器24が不要となってコスト削減が可能になる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に係わる汚物乾燥処理装置は、汚物を乾燥する処理容器
が固体乾燥部と液体蒸発部とに区分されており、処理容
器内に投入されて分離された汚物の液体部分は液体蒸発
部において複数の熱交換チューブを備えた熱交換器によ
り加熱されて速やかに蒸発する一方、固体部分は固体乾
燥部において蓄熱球および撹拌羽根によって乾燥ののち
粉砕され、回収手段によって回収される。すなわち、本
発明に係わる汚物乾燥処理装置においては、汚物が液体
部と固体部とに分けられ、熱伝導的に適した加熱方法に
よってそれぞれ乾燥されるようになっているので、熱効
率が高く、汚物中の水分を速やかに蒸発させて処理時間
を短縮することができるという極めて優れた効果がもた
らされる。
【0046】本発明に係わる汚物乾燥処理装置の実施態
様として請求項2に係わる装置においては、固体乾燥部
の底面が液体蒸発部よりも高く形成してあり、しかも固
体乾燥部と液体蒸発部との境界部に拡散防止フィルタが
設けてあるので、汚物中の液体成分のみを液体蒸発部に
流入させることができ、液体蒸発部に対する固体乾燥部
の高さ調整によって、液体蒸発部における水分の蒸発終
了と、固体乾燥部における残渣固形物の回収終了とのタ
イミングを一致させることができ、効率的な運転が可能
になり、同じく実施態様として請求項3に係わる汚物乾
燥処理装置においては、処理容器の底部に、固体乾燥部
から液体蒸発部の熱交換器に至る熱風路が形成されてい
るので、発生直後の熱風が最も温度の高いうちに固体乾
燥部に導入されることから、汚物中の紙類など発火温度
の高い固形物を効率的に処理することができ、請求項4
に係わる汚物乾燥処理装置においては、フィルタを備え
た粉末回収溝を固体乾燥部の底面に備えているので、撹
拌羽根および蓄熱球によって粉砕され、フィルタを通し
て当該溝中に落下した汚物中の固形物を容易に回収する
ことができる。また、同じく実施態様として請求項5に
係わる汚物乾燥処理装置においては、熱交換器の熱交換
チューブに、下方に延出する異形フィンが設けてあるの
で、液体蒸発部の水位が低下した後も汚物との接触を保
持することができ、伝熱熱効率を向上せることができ、
請求項6に係わる汚物乾燥処理装置においては、処理容
器の蒸気排出口に蒸気の凝縮器が設けてあるので、汚物
中の水分を回収して有効利用を図ることができ、請求項
7に係わる汚物乾燥処理装置においては、処理容器の蒸
気排出口に設けた脱臭器と熱風発生手段の間にバイパス
パイプを配設することにより、熱風の一部を脱臭器に導
いて脱臭器の触媒を加熱するようにしているので、触媒
加熱用のヒータが不要となり、コストの削減が可能にな
るというさらに優れた効果がもたらされる。
【0047】さらに、請求項6に係わる汚物乾燥処理装
置の実施態様として請求項8に係わる装置は、凝縮器の
排出口と熱風発生手段の間に導入パイプを備え、凝縮器
からの排気ガスが熱風発生手段の空気吸入口に導入され
るようになっているので、熱風発生手段によって排気ガ
スに含まれる悪臭成分が熱分解されることから、高価な
触媒を用いた脱臭器が不要となり、装置の簡素化および
コスト削減を図ることができるという優れた効果をもた
らすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる汚物処理装置の構造
を示す部分破断正面図である。
【図2】図1に示した汚物処理装置における処理容器の
底部構造を示す平面説明図である。
【図3】図1に示した汚物処理装置における固体乾燥部
の構造を示す断面説明図である。
【図4】図1に示した汚物処理装置における液体蒸発部
の構造を示す断面説明図である。
【図5】本発明に係わる汚物処理装置をトイレの屎尿処
理に適用した場合の全体構成を示す概略説明図である。
【図6】本発明に係わる汚物処理装置を仮設トイレの屎
尿処理に適用した場合の配置例を示す概略説明図であ
る。
【図7】本発明に係わる汚物処理装置の他の実施例を示
す概略図である。
【符号の説明】
1,40 汚物処理装置 2 処理容器 3 熱風発生器(熱風発生手段) 4 サイクロン(回収手段) 5 吸引ポンプ(回収手段) 6 固体乾燥部 7 液体蒸発部 9 円筒形フィルタ 10 蓄熱球 11 撹拌羽根 12 拡散防止フィルタ 16 粉末回収溝 16a フィルタ 18 熱交換器 18a 熱交換チューブ 18b 異形フィン 20 熱風路 22 蒸気排出口 23 凝縮器 24 脱臭器 26 バイパスパイプ 41 導入パイプ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱風を発生する熱風発生手段と、収納し
    た汚物を熱風発生手段の熱により乾燥する処理容器と、
    乾燥された汚物中の固形物を吸引して回収する回収手段
    を備えた汚物乾燥処理装置において、 前記処理容器内部は、固体乾燥部と液体蒸発部とに区分
    され、固体乾燥部には、円筒形フィルタが設けてあると
    共に、該円筒形フィルタ内に複数の蓄熱球と該蓄熱球を
    汚物と共に撹拌する撹拌羽根が配設され、液体蒸発部に
    は、前記熱風発生手段からの熱風が導入される複数の熱
    交換チューブを備えた熱交換器が設けてあることをこと
    を特徴とする汚物乾燥処理装置。
  2. 【請求項2】 固体乾燥部の底面が液体蒸発部の底面よ
    り高く形成してあると共に、固体乾燥部と液体蒸発部と
    の境界部に固形物粉末の通過を阻止する拡散防止フィル
    タが設けてあることを特徴とする請求項1記載の汚物乾
    燥処理装置。
  3. 【請求項3】 処理容器の底部に、熱風発生手段からの
    熱風を固体乾燥部から液体蒸発部の熱交換器に導く熱風
    路を備えていることを特徴とする請求項1または請求項
    2記載の汚物乾燥処理装置。
  4. 【請求項4】 固体乾燥部の底面に、前記回収手段に連
    通し、かつ開口部がフィルタにより覆われた複数の粉末
    回収溝が形成されていることを特徴とする請求項1ない
    し請求項3のいずれかに記載の汚物乾燥処理装置。
  5. 【請求項5】 液体蒸発部に設けた熱交換器の熱交換チ
    ューブに、下方に延出する複数の異形フィンが設けてあ
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか
    に記載の汚物乾燥処理装置。
  6. 【請求項6】 処理容器の蒸気排出口に、排出される蒸
    気の凝縮器が設けてあることを特徴とする請求項1ない
    し請求項5のいずれかに記載の汚物乾燥処理装置。
  7. 【請求項7】 処理容器の蒸気排出口に、排出される蒸
    気に含まれる悪臭成分を分解する触媒を収納した脱臭器
    が設けてあると共に、熱風発生手段からの熱風の一部を
    当該脱臭器に導くバイパスパイプが設けてあることを特
    徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の汚
    物乾燥処理装置。
  8. 【請求項8】 凝縮器の排気口と熱風発生手段の空気吸
    入口との間に、凝縮器からの排気ガスを熱風発生手段に
    導く導入パイプが配設されていることを特徴とする請求
    項6記載の汚物乾燥処理装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111777303A (zh) * 2020-06-08 2020-10-16 古浪县鸿洋农牧专业合作社 猪场粪便清理系统
JP2022534132A (ja) * 2019-04-28 2022-07-27 中国航天空気動力技術研究院 空気熱力学環境保全型トイレ用具、取り付け方法およびその用途

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