JPH0917398A - 白熱電球およびこれを用いた車両用前照灯 - Google Patents

白熱電球およびこれを用いた車両用前照灯

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JPH0917398A
JPH0917398A JP7166268A JP16626895A JPH0917398A JP H0917398 A JPH0917398 A JP H0917398A JP 7166268 A JP7166268 A JP 7166268A JP 16626895 A JP16626895 A JP 16626895A JP H0917398 A JPH0917398 A JP H0917398A
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spherical
bulb
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spherical portion
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JP7166268A
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Akira Kawakatsu
晃 川勝
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Toshiba Lighting and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】球形部とこれに連なる中空部との境界部に赤外
線反射膜の膜厚の不均一による色むらの発生するのを抑
制した白熱電球と車両用前照灯を提供する。 【構成】 バルブ2に球形部3およびこれに連続する中
空部4を形成し、球形部3にすれ違いビーム用フィラメ
ント8を収容するとともに中空部4に走行ビーム用フィ
ラメント9を収容し、上記バルブ2の表面に赤外線反射
膜7を形成し、上記バルブ2の球形部3と中空部4との
境界Aを、上記フィラメントの中間部位に位置させたこ
とを特徴とする白熱電球。 【作用】2つのフィラメントの中間部位に球形部と中空
部との境界を位置させたので、球形部と中空部との境界
部に膜厚の不均一な部分が形成されてもこの部分はいず
れのフィラメントとも対向しないから異なる色の光が放
出されても悪影響が少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィラメントを収容し
たバルブに赤外線反射膜を形成した白熱電球およびこれ
を用いた車両用前照灯に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ハロゲン電球を含む白熱電球
は、フィラメントの白熱による発光を利用する光源であ
るため放熱量が多く、放電灯に比べてランプ効率が低い
傾向にある。このような白熱電球の放熱を低減し、ラン
プ効率を向上させるため、最近、バルブの外面に、70
0nm〜800nmの赤外線を反射し可視光を透過する膜、
すなわち赤外線反射膜を形成したランプが開発されてい
る。
【0003】バルブの外面に赤外線反射膜を形成すれ
ば、この赤外線反射膜がフィラメントから放出される赤
外線を反射し、この反射された赤外線はフィラメントに
戻されてフィラメントを再び加熱し、よってフィラメン
トの白熱が促されるので外部から供給する電力を節減す
ることができ、発光効率が向上することになる。また、
無駄に捨てられていた熱の放出が少なくなるので、器具
等に対する熱影響を少なくすることができる等の利点も
ある。
【0004】このような赤外線反射膜を形成した白熱電
球、特にハロゲン電球を車両用前照灯の光源に用いるよ
うにすれば、ランプ効率が向上するとともに多量の光量
を得ることができ、遠方照射に有効である。
【0005】ところで、車両の前照灯においては、同一
ランプ内にすれ違いビーム用フィラメントと走行ビーム
用フィラメントを収容したものがあり、これらフィラメ
ントランプを切り換えて点灯させることにより走行ビー
ムとすれ違いビームを選択的に使用するようになってい
る。そして、使用頻度からすればすれ違いビーム用フィ
ラメントの方が走行ビーム用フィラメントに比べて格段
に高いため、すれ違いビーム用フィラメントに対し赤外
線反射膜を適用して効率を高くしている。すなわち、こ
の種の車両前照灯用ハロゲン電球のバルブは、すれ違い
ビーム用フィラメントを収容した球形もしくは球形に類
似した形状の球形部と、これに連続して走行ビーム用フ
ィラメントを収容した円筒形等のような中空部とを備え
ており、このバルブの外表面に赤外線反射膜を形成して
ある。使用頻度の高いすれ違いビーム用フィラメント
は、球形もしくは球形に類似した形状の球形部に収容さ
れているから、このフィラメントから出た光は主として
球面部分で反射され、この反射光は球の中心に配置され
たフィラメントに戻り、熱として再利用されるので効率
が向上し、よって使用頻度の高いすれ違いビーム用フィ
ラメントを球形部に収容すれば、効率に優れたハロゲン
電球が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バルブ
形状が、一端部に球形部を有するとともにこれに連続し
て球形部の最大径より細い円筒部を備えた形状の場合、
これら球形部と円筒部との境界部に相互の面の向きが極
端に変化する変曲部が生じる。このような変曲部に赤外
線反射膜の膜液を塗布すると、この塗布液が変曲部に止
まって液溜りとなり、これが流れて拡散し、周辺の広範
囲に亘り膜厚の不均一な領域が生じる。このような膜厚
の不均一領域は他の面の膜厚と異なるから光が透過する
ときの透過特性が変わり、よって他の箇所とは異なる色
の光が出てくるようになる。この結果、色むらが発生
し、照射光に色むらが生じ、配光上でも色のばらつきが
生じるという問題を招く。
【0007】すなわち、球形部と円筒部との境界部周辺
の液溜り部が、走行ビーム用フィラメントの周辺に形成
され、このフィラメントを点灯したときに上記のような
色むらが顕著に発生し、走行ビーム効率が大きく低下す
るという不具合がある。
【0008】したがって、本発明の目的とするところ
は、球形部とこれに連なる中空部との境界部がいずれの
フィラメントとも対向しないようにし、赤外線反射膜の
膜厚不均一により起こる色むらの発生を抑制した白熱電
球およびこれを用いた車両用前照灯を提供しようとする
ものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、球形
もしくは球形に類似した形状の球形部、およびこれに連
続する中空部が形成されたバルブと;上記球形部に収容
された第1のフィラメントおよび上記中空部に収容され
た第2のフィラメントと;上記バルブの表面に形成さ
れ、上記各フィラメントから出た可視光を透過し赤外線
を反射する赤外線反射膜と;を具備し、上記球形部と中
空部との境界を、上記第1のフィラメントと第2のフィ
ラメントとの中間部位に設けたことを特徴とする白熱電
球である。
【0010】請求項2の発明は、上記中空部における上
記境界部側の周壁は、先端部が球形部に向かって広がり
この球形部の境界部における接線にほぼ沿うように形成
されていることを特徴とする請求項1に記載の白熱電球
である。
【0011】請求項3の発明は、上記中空部における上
記境界部側の周壁は、球形部に向かって広がった形状の
楕円球面であることを特徴とする請求項2に記載の白熱
電球である。
【0012】請求項4の発明は、上記中空部における上
記境界部側の周壁は、球形部に向かって広がる円錐面で
あることを特徴とする請求項2に記載の白熱電球であ
る。請求項5の発明は、上記赤外線反射膜は高屈折率層
と低屈折率層とを交互に積層した多層干渉膜により形成
されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4の
いずれか一に記載の白熱電球である。
【0013】請求項6の発明は、上記赤外線反射膜は有
機金属化合物を含有する塗布液に浸漬して引き上げるこ
とによりバルブ表面に塗布されるディップ塗布方法にて
成膜されたものであることを特徴とする請求項1ないし
請求項5にいずれか一に記載の白熱電球である。
【0014】請求項7の発明は、上記球形部の先端には
チップ部が形成されており、このチップ部の根元と球形
部の境界部は滑らかに連続していることを特徴とする請
求項1ないし請求項6にいずれか一に記載の白熱電球で
ある。
【0015】請求項8の発明は、上記第1のフィラメン
トは車両用すれ違いビーム用フィラメントであり、上記
第2のフィラメントは車両用走行ビーム用フィラメント
であって、車両用前照灯に用いることを特徴とする請求
項1ないし請求項6のいずれか1に記載の白熱電球であ
る。
【0016】請求項9の発明は、請求項8に記載の前照
灯用白熱電球と;この電球を収容し、この電球から放射
される光を反射する反射体と;を備えたことを特徴とす
る車両用前照灯である。
【0017】
【作用】請求項1の発明によると、球形部と中空部との
境界部を第1のフィラメントと第2のフィラメントとの
中間部位に設けたので、上記球形部と中空部との境界部
周辺に膜厚の不均一な部分が形成されても、この部分は
いずれのフィラメントとも対向しないから有効発光領域
を外れた部分であり、異なる色の光が放出されても悪影
響が少ない。
【0018】請求項2の発明によれば、中空部の上記境
界部側の周壁を先端部が球形部に向かって広がりこの球
形部の境界部の接線にほぼ沿うように形成したので、球
形部と中空部との境界部が滑らかに連続した面となり、
塗布液の溜りが無くなるので膜厚不均一が解消される。
このため透過する光の色が他の部分と大きく変化するの
が軽減される。
【0019】請求項3の発明によれば、中空部の境界部
側の周壁を球形部に向かって広がった形状の楕円球面に
したから、球形部と中空部との境界が滑らかに連続した
面となり、膜厚不均一が解消され、光色の変化が軽減さ
れる。
【0020】請求項4の発明によれば、中空部の境界部
側の周壁を球形部に向かって広がる円錐面にしたから、
球形部と中空部との境界が滑らかに連続した面となり、
膜厚不均一が解消され、光色の変化が軽減される。
【0021】請求項5の発明によれば、赤外線反射膜は
高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層した多層干渉膜
により形成されているから、赤外線の反射性能に優れる
ばかりでなく、このような多層干渉膜は、塗布液を繰り
返して塗布するので前記境界部に液溜りが生じ、膜厚不
均一が易いが、前記各請求項の構造であれば、膜厚の不
均一が解消される。
【0022】請求項6の発明によれば、赤外線反射膜は
バルブを有機金属化合物を含有する塗布液に浸漬して引
き上げることによりバルブ表面に塗布されるディップ塗
布方法にて成膜されたものであり、このようなディップ
塗布方法は境界部に液溜りが生じ、その周辺で広範囲に
膜厚不均一を生じ易いが、前記各請求項の構造であれ
ば、膜厚の不均一が解消される。
【0023】請求項7の発明によれば、球形部の先端に
形成されたチップ部の根元と球形部の境界部も滑らかに
連続した面に形成したから、この部分でも膜厚の不均一
が解消される。
【0024】請求項8の発明によれば、第1のフィラメ
ントは車両用すれ違いビーム用フィラメントであり、第
2のフィラメントは車両用走行ビーム用フィラメントで
あり、車両用前照灯に適用して有効である。請求項9の
発明によれば、請求項8に記載の前照灯用白熱電球の特
性を生かした車両用前照灯を提供できる。
【0025】
【実施例】以下本発明について、図1ないし図5に示す
第1の実施例にもとづき説明する。この実施例は、H4
タイプの車両用前照灯に適用した例を示し、図1ないし
図4は光源として使用されるハロゲン電球を示し、図5
は前照灯の全体の断面図である。
【0026】図1ないし図4に示すハロゲン電球1は、
石英ガラスからなるバルブ2を有し、このバルブ2は先
端部に球形もしくは球形に類似した形状の球形部3が形
成されているとともに、この球形部3に連続して基端寄
りに中空部4が一体に形成されており、さらに基端に圧
潰封止部5が形成されている。このため、このハロゲン
電球1は片封止形の構造をなしている。なお、上記球形
部3の先端部には排気管を封止して残ったチップ部6が
形成されている。
【0027】上記球形部3は例えば外径が22mmの球面
により形成されており、この球形部3には中心部から基
端方向に向けて僅かな長さのストレートな円筒部3aが
連設されている。この円筒部3aは球形部3の接線方向
に連続して形成されており、したがって円筒部3aの外
径は球形部3の外径と等しく形成されている。なお、本
実施例では円筒部3aを球形部3の一部とみなしてい
る。また、この円筒部3aは省略してもよい。
【0028】上記円筒部3aの基端側端部には前記中空
部4が連続して形成されている。中空部4はその周壁が
球形部3に向かって広がる形状となっており、本実施例
では楕円球面に形成されている。この楕円球面からなる
中空部4は、楕円の短軸が上記円筒部3aの直径に等し
く形成されており、よって円筒部3aの基端側端部は楕
円球面からなる中空部4の接線方向に延びている。換言
すれば、球形部3と楕円球面からなる中空部4は、それ
ぞれ接線方向に連なる円筒部3aを介して連設されてお
り、このため球形部3と中空部4の表面は滑らかに連続
している。なお、円筒部3aの長さは3mm程度となって
おり、本発明の境界部は円筒部3aと中空部4との境A
のことを言う。
【0029】また、球形部3の先端部に突設されている
チップ部6は、先端に向かって細くなるように形成され
ているとともに、根元部は球形部3に対して滑らかに連
続するように、円錐形または双曲線状に裾広がりをなし
て形成されている。
【0030】上記バルブ2の外面(内面でも可)には、
球形部3、円筒部3a、中空部4およびチップ部6に亘
り、可視光透過赤外線反射膜7が形成されている。赤外
線反射膜7は、図4に示す通り、例えば酸化チタン(T
iO2 )、酸化タンタル(Ta25 )、酸化ジルコニ
ウム(ZrO2 )、硫化亜鉛(ZnS)などからなる高
屈折率層71…と、酸化ケイ素(シリカ=SiO2 )、
ふっ化マグネシウム(MgF2 )などからなる低屈折率
層72…とを交互に、例えば合計9〜35層の多層膜と
して構成したものであり、このような赤外線反射膜7は
多層干渉作用により、波長800nmを越える赤外線を反
射し、しかしながら波長380nm以上800nm以下の可
視光を透過する作用を奏する。
【0031】上記バルブ2内には、それぞれタングステ
ンからなる第1および第2のフィラメント8および9が
収容されている。これらフィラメント8および9は、す
れ違いビーム用フィラメントと走行ビーム用フィラメン
トであり、すれ違いビーム用フィラメント8は上記バル
ブ2の球形部3内に、そのコイル中央が球形の中心点O
とほぼ一致するようにして配置されており、走行ビーム
用フィラメント9は上記すれ違いビーム用フィラメント
8よりも上記基端寄りであって上記中空部4内に配置さ
れている。
【0032】上記すれ違いビーム用フィラメント8は内
部リード線10および11に継線されており、また走行
ビーム用フィラメント9は上記一方の内部リード線11
と他の内部リード線12とに継線されている。よって上
記内部リード線11は共通内部リード線となっている。
この内部リード線11には遮光板13が溶接などの手段
で固定されており、この遮光板13は上記すれ違いビー
ム用フィラメント8の所定方向の側面を覆い、すれ違い
ビーム用フィラメント8から遮光板13の方向に向かう
光を遮断する。これにより、車両前照灯として対向車に
眩しさを与えないようになっている。
【0033】上記各内部リード線10,11および12
は、バルブ2の端部に形成された圧潰封止部5に封着さ
れたMo箔14,15および16にそれぞれ接続されて
おり、これらMo箔14,15および16はそれぞれ外
部リード線17,18および19に接続されている。
【0034】前記したバルブ2の円筒部3aと中空部4
との境Aは、上記すれ違いビーム用フィラメント8と走
行ビーム用フィラメント9との間に位置されている。な
お、上記バルブ2内には、ハロゲンガスが封入されてい
る。
【0035】上記ハロゲン電球1の封止端部には、鍔付
き口金20が被着されている。鍔付き口金20は円筒形
をなす口金本体21にフランジ22を設けるとともに、
端部に3個のレグ端子23,24,25を設けたもので
あり、口金本体21は上記バルブ2の圧潰封止部5に被
せられ、図示しない接着剤により接合されている。
【0036】上記レグ端子23〜25は、上記バルブ2
の封止部5から導出されている外部リード線17,18
および19に接続されており、それぞれ内部リード線1
0、11および12と電気的に接続されている。そし
て、前記共通内部リード線11は、共通レグ端子23と
電気的に接続されているものである。
【0037】上記構成のハロゲン電球1は、図5に示す
ように、反射体30に収容されている。反射体30は、
反射面31を形成したリフレクタ32と、このリフレク
タ32の前面開口部に取り付けた前面レンズ33とで構
成されており、リフレクタ32の背面頂部には取付孔3
4が形成されている。この取付孔34には前記ハロゲン
電球1が差し込まれており、このハロゲン電球1は口金
20に設けたフランジ22を取付孔34の周縁に固定す
ることにより、リフレクタ32に対し所定の位置に位置
決めして取り付けられている。
【0038】このような構成の第1の実施例について、
作用を説明する。図5に示すように組み立てられた前照
灯は、共通レグ端子23と他のレグ端子24とを直流1
2Vの電源に接続すると、共通内部リード線10と他の
内部リード線12との間に電位差が与えられるので走行
ビーム用フィラメント9に電流が流れ、よってこの走行
ビーム用フィラメント9が発光する。この光は周囲に放
出され、バルブ2の主として中空部4から外部に放射さ
れる。そして、この光が球中空部4の外面に形成した赤
外線反射膜7を透過する時に可視光が透過されるととも
に赤外線が反射される。
【0039】透過した可視光は、リフレクタ32の反射
面31で反射されて前方に向かい、リフレクタ32の前
面開口部に取り付けた前面レンズ33により配光が制御
されて前方を照射する。この場合は、遠方に強いビーム
が届くような走行ビームとなる。
【0040】そして、上記赤外線反射膜7で反射された
赤外線は、バルブ2の内部に戻され、この帰還した赤外
線は走行ビーム用フィラメント9を加熱する。よって、
走行ビーム用フィラメント9は電源から供給される電力
エネルギーに加えて上記赤外線反射膜7で反射された赤
外線による熱エネルギーが与えられるので、温度上昇が
促され、白熱化が良好になされる。この場合、発光強度
を赤外線反射膜を設けない場合と同等レベルにしようと
すれば、赤外線反射膜7で反射された熱エネルギーの分
だけ電源から供給される電力エネルギーを少なくするこ
とができ、よって消費電力を節約することができる。
【0041】一方、共通レグ端子23と他のレグ端子2
5とを直流12Vの電源に接続すると、共通内部リード
線10と他の内部リード線11との間に電位差が与えら
れ、この場合はすれ違いビーム用フィラメント8に通電
される。よってこのすれ違いビーム用フィラメント8が
発光し、この光は周囲に放出される。
【0042】この放射光の一部は遮光板13で遮光され
るが、残りの光は球形部3に達し、そのうちの可視光は
赤外線反射膜7を透過する。赤外線反射膜7を透過した
可視光は、リフレクタ32の反射面31で反射されて前
方に向かい、前面レンズ33により配光が制御されて前
方を照射する。この場合、前記遮光板13の作用によ
り、前方に向かう光の一部がカットされ、右上方向に向
かう光が遮断または減光されて対向車に対する眩しさを
減じる。
【0043】一方、赤外線反射膜7で反射された赤外線
は、バルブ2の内部に戻される。この場合、すれ違いビ
ーム用フィラメント8はコイル中央部がバルブ2の球形
部3のほぼ中心点Oに配置されているから、球形部3の
赤外線反射膜7で反射された赤外線はすれ違いビーム用
フィラメント8に効果的に帰還する。
【0044】しかも、一般に車両は、走行ビームで走行
する場合に比べてすれ違いビームで走行する機会が多
い。したがって、すれ違いビーム用フィラメント8を球
形部3に収容すれば、使用頻度の高いすれ違いビーム用
フィラメント8に対するエネルギー効率を高くすること
ができ、赤外線反射膜7を用いることの有効性が高い。
【0045】このようなハロゲン電球1は、バルブ2の
球形部3と中空部4の間の境界部Aを、すれ違いビーム
用フィラメント8と走行ビーム用フィラメント9との中
間部位に設けたので、例え上記球形部3と中空部4との
境界部Aに赤外線反射膜7の膜厚が不均一な部分が形成
されても、この部分はいずれのフィラメント8,9とも
対向しない部分であるから有効発光領域を外れた部分と
なっており、ここから若干異なる色の光が放出されても
全体の発光色に悪影響を及ぼす割合がすくない。
【0046】特に、境界部Aで球形部3から延びる円筒
部3aと中空部4が連続した面で連なっているから表面
形状が急激に変化せず、極端な変曲部が生じないので、
赤外線反射膜7の膜厚の不均一な部分が発生し難い。す
なわち、赤外線反射膜7は、高屈折率層71…と低屈折
率層72…とを交互に積層して構成されており、この場
合被膜を形成する液にバルブ2を浸漬して引上げること
によりバルブ2の外面に塗布する、いわゆるディップ塗
布法が採用されることが多く、このような塗布方法の場
合に表面形状が急激に変化する変曲部が存在すると、こ
の変曲部に塗布液が止まり、液溜りが生じ、更にこの液
が広がり、ここに膜厚の不均一な箇所が発生する。これ
に対し、本実施例では、球形部3と中空部4の間に円筒
部3aを設け、しかも中空部4は楕円球面にして円筒部
3aに連続して形成したから円筒部3aと中空部4の境
界部Aは滑らかに連続した面となり、ここに液溜りが生
じ難い。よって、赤外線反射膜7の膜厚が局部的に不均
一になるのが防止され、バルブ全体に亘り膜厚が均等化
し、可視光が透過するときに透過特性がばらつくことが
なく、部分的な光色の変化を防止することができる。
【0047】また、球形部3の先端部に突設されている
チップ部6は、根元部が球形部3に対して滑らかに連続
するように円錐形または双曲線状に裾広がりをなして形
成されているから、この根元部にも液溜りが発生するの
が防止され、この部分の膜厚も不均一にならないから異
なる色の光が出るのを防止することができる。
【0048】なお、図1に示す線Bから先端部、つまり
球形部3の前面からチップ部6に亘り斜線で示すよう
に、遮光膜を形成すればチップ部6を通って外に出る光
を遮断することができる。チップ部6の形状はばらつく
ので、ここを透過する光は乱れることがるが、遮光膜を
形成すれば、乱光を防止することができる。
【0049】このようなハロゲン電球1を光源として用
いた図5に示す車両用前照灯であれば、異なる色の光が
放射されないから、配光上の色むらが解消される。な
お、本発明は上記第1の実施例に制約されるものではな
く、図6に示す第2の実施例であってもよい。すなわ
ち、第1の実施例では、球形部3に円筒部3aを連設
し、中空部4を楕円球面の形状にしたが、図6に示す第
2の実施例は、中空部4を円錐面とし、この円錐面の前
端を球形部3の接線と一致させてある。このようにして
も球形部3と中空部4の境界部Aをすれ違いビーム用フ
ィラメント8と走行ビーム用フィラメント9との中間部
位に設けることができ、しかもこの境界部Aは球形部3
と中空部4を滑らかな面で連結するから、ここに液溜り
が発生するのが防止され、膜厚の不均一を生じるのが解
消され、光色の変化が無くなる。
【0050】また、チップ部6をバルブ2の先端部に形
成すると上記したような乱光および膜厚の不均一を発生
させる原因になるから、図7に示す第3の実施例のよう
に、排気管40を封止部5に形成して、この排気管40
によって排気するようにすれば、球形部3の先端にチッ
プ部6を形成する必要がなくなる。したがって、バルブ
2の先端面を綺麗な球面にすることができ、この面に形
成した赤外線反射膜7の膜厚を均等にし、かつ前方に向
かって多くの光を出すのでこの光を有効に活用できる。
なお、封止部5に排気管40を設ける構造は、バルブ内
に1個のフィラメントを収容するタイプのランプに適用
し易い。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明によ
ると、2つのフィラメントの中間部位に球形部と中空部
との境界を位置させたので、球形部と中空部との境界部
に膜厚の不均一な部分が形成されてもこの部分はいずれ
のフィラメントとも対向しないから異なる色の光が放出
されても悪影響が少ない。
【0052】また、請求項2の発明によれば、中空部の
境界部側の周壁は先端部が球形部に向かって広がって球
形部の接線にほぼ沿うように形成したので、球形部と中
空部との境界が滑らかに連続した面となり、塗布液の溜
りが無くなるので膜厚の不均一を生じるのが解消され
る。このため透過する光の色が大きく変化するのが抑止
される。
【0053】請求項3の発明によれば、中空部の境界部
側の周壁は球形部に向かって広がった形状の楕円球面に
したから、球形部と中空部との境界が滑らかに連続した
面となり、膜厚の不均一が解消され、光色の変化が軽減
される。
【0054】請求項4の発明によれば、中空部の境界部
側の周壁は球形部に向かって広がる円錐面にしたから、
球形部と中空部との境界が滑らかに連続した面となり、
膜厚の不均一が解消され、光色の変化が軽減される。
【0055】請求項5の発明によれば、赤外線反射膜は
高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層した多層干渉膜
により形成されているから、赤外線の反射性能に優れる
ばかりでなく、本来的に液溜りを生じ易いが、前記各請
求項の構造であれば、膜厚の変化が解消される。
【0056】請求項6の発明によれば、赤外線反射膜は
バルブを塗布液に浸漬して引き上げることによりバルブ
表面に塗布されるディップ塗布方法にて成膜されたもの
であり、このようなディップ塗布方法であれば境界部に
液溜りが生じ易いが、前記各請求項の構造であれば、膜
厚の変化が解消される。
【0057】請求項7の発明によれば、球形部の先端に
形成されたチップ部の根元と球形部の境界部も滑らかに
連続した面に形成したから、この部分でも膜厚の変化が
解消される。
【0058】請求項8の発明によれば、使用頻度の高い
フィラメントは車両用すれ違いビーム用フィラメントで
あり、頻度の低いフィラメントは車両用走行ビーム用フ
ィラメントであり、車両用前照灯に適用して有効であ
る。請求項9の発明によれば、請求項8に記載の前照灯
用白熱電球の特性を生かした車両用前照灯を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すハロゲン電球の正
面図。
【図2】同実施例のハロゲン電球の側面図。
【図3】同実施例のハロゲン電球の斜視図。
【図4】同実施例の可視光透過赤外線反射膜の構成を示
す拡大した断面図。
【図5】同実施例の車両用前照灯の断面図。
【図6】本発明の第2の実施例を示し、ハロゲン電球の
側面図。
【図7】本発明の第3の実施例を示し、ハロゲン電球の
側面図。
【符号の説明】
1…ハロゲン電球 2…バルブ 3…球形部 3a…円筒部 4…中空部 5…封止部 6…チップ部 7…赤外線反射膜 71…高屈折率層 72…低屈折率層 8…すれ違いビーム用フィラメント 9…走行ビーム用フィラメント 20…反射体 21…反射面 22…リレクタ 23…前面レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01K 1/32 9508−2G H01K 1/32 B 3/00 9508−2G 3/00 B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球形もしくは球形に類似した形状の球形
    部、およびこれに連続する中空部が形成されたバルブ
    と;上記球形部に収容された第1のフィラメントおよび
    上記中空部に収容された第2のフィラメントと;上記バ
    ルブの表面に形成され、上記各フィラメントから出た可
    視光を透過し赤外線を反射する赤外線反射膜と;を具備
    し、 上記球形部と中空部との境界を、上記第1のフィラメン
    トと第2のフィラメントとの中間部位に設けたことを特
    徴とする白熱電球。
  2. 【請求項2】 上記中空部における上記境界部側の周壁
    は、先端部が球形部に向かって広がりこの球形部の境界
    部における接線にほぼ沿うように形成されていることを
    特徴とする請求項1に記載の白熱電球。
  3. 【請求項3】 上記中空部における上記境界部側の周壁
    は、球形部に向かって広がった形状の楕円球面であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の白熱電球。
  4. 【請求項4】 上記中空部における上記境界部側の周壁
    は、球形部に向かって広がる円錐面であることを特徴と
    する請求項2に記載の白熱電球。
  5. 【請求項5】 上記赤外線反射膜は高屈折率層と低屈折
    率層とを交互に積層した多層干渉膜により形成されてい
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか
    一に記載の白熱電球。
  6. 【請求項6】 上記赤外線反射膜は有機金属化合物を含
    有する塗布液に浸漬して引き上げることによりバルブ表
    面に塗布されるディップ塗布方法にて成膜されたもので
    あることを特徴とする請求項1ないし請求項5にいずれ
    か一に記載の白熱電球。
  7. 【請求項7】 上記球形部の先端にはチップ部が形成さ
    れており、このチップ部の根元と球形部の境界部は滑ら
    かに連続していることを特徴とする請求項1ないし請求
    項6にいずれか一に記載の白熱電球。
  8. 【請求項8】 上記第1のフィラメントは車両用すれ違
    いビーム用フィラメントであり、上記第2のフィラメン
    トは車両用走行ビーム用フィラメントであって、車両用
    前照灯に用いることを特徴とする請求項1ないし請求項
    6のいずれか1に記載の白熱電球。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の前照灯用白熱電球と;
    この電球を収容し、この電球から放射される光を反射す
    る反射体と;を備えたことを特徴とする車両用前照灯。
JP7166268A 1995-06-30 1995-06-30 白熱電球およびこれを用いた車両用前照灯 Abandoned JPH0917398A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008059934A (ja) * 2006-08-31 2008-03-13 Ushio Inc フィラメントランプ
CN105090857A (zh) * 2015-08-19 2015-11-25 邝超荣 一种新型汽车前照灯泡

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