JPH0917374A - 蛍光ランプと照明装置 - Google Patents
蛍光ランプと照明装置Info
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- JPH0917374A JPH0917374A JP16622895A JP16622895A JPH0917374A JP H0917374 A JPH0917374 A JP H0917374A JP 16622895 A JP16622895 A JP 16622895A JP 16622895 A JP16622895 A JP 16622895A JP H0917374 A JPH0917374 A JP H0917374A
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- fluorescent lamp
- electron emitting
- metal oxide
- oxide layer
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Abstract
(57)【要約】
【目的】中空筒状の電極基体に適用することができて、
高効率かつ長寿命の蛍光ランプと照明装置を提供するこ
と。 【構成】少なくとも希ガスを封入しているバルブ22
と、バルブ22の内面に被着される蛍光体25層と、バ
ルブ22内に中空筒状の一対の電極基体を対向配置して
いる一対の電極23,24と、電極基体の内面に形成さ
れる電子放射物質層と、電子放射物質層の内面側に形成
される低スパッタ率の金属酸化物層と、を具備してい
る。
高効率かつ長寿命の蛍光ランプと照明装置を提供するこ
と。 【構成】少なくとも希ガスを封入しているバルブ22
と、バルブ22の内面に被着される蛍光体25層と、バ
ルブ22内に中空筒状の一対の電極基体を対向配置して
いる一対の電極23,24と、電極基体の内面に形成さ
れる電子放射物質層と、電子放射物質層の内面側に形成
される低スパッタ率の金属酸化物層と、を具備してい
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示装置のバックラ
イト等の光源等に好適な蛍光ランプに関する。
イト等の光源等に好適な蛍光ランプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のバックライトの光源とし
ては、例えば図8で示す熱陰極蛍光ランプ1と、図9で
示す冷陰極蛍光ランプ11等がある。
ては、例えば図8で示す熱陰極蛍光ランプ1と、図9で
示す冷陰極蛍光ランプ11等がある。
【0003】熱陰極蛍光ランプ1は、適量の水銀やAr
等の希ガスを封入したガラスバルブ2内に、2本の熱陰
極3(図8では1本のみ図示)を対向配置して内蔵して
おり、バルブ2の内面には蛍光体4をほぼ全面的に被着
している。
等の希ガスを封入したガラスバルブ2内に、2本の熱陰
極3(図8では1本のみ図示)を対向配置して内蔵して
おり、バルブ2の内面には蛍光体4をほぼ全面的に被着
している。
【0004】各熱陰極3は例えばタングステン等の高融
点金属製でコイル状の電極基体に、アルカリ土類酸化物
等のエミッタ(熱電子放射物質)を充填しており、点灯
の際、この一対の熱陰極3に通電して熱電子を放射さ
せ、バルブ2内でアーク放電を発生維持させるようにな
っている。
点金属製でコイル状の電極基体に、アルカリ土類酸化物
等のエミッタ(熱電子放射物質)を充填しており、点灯
の際、この一対の熱陰極3に通電して熱電子を放射さ
せ、バルブ2内でアーク放電を発生維持させるようにな
っている。
【0005】各熱陰極3はリード線5の内端部に接続さ
れ、ニッケル(Ni)製等のスリーブ6内に同心状に内
蔵されている。また、リード線5の内端部にはこのスリ
ーブ6と、Zr−Al合金等からなるゲッター7とを接
続している。
れ、ニッケル(Ni)製等のスリーブ6内に同心状に内
蔵されている。また、リード線5の内端部にはこのスリ
ーブ6と、Zr−Al合金等からなるゲッター7とを接
続している。
【0006】このように構成される熱陰極蛍光ランプ1
は陰極降下電圧が例えば約15V程度であり、陰極損が
小さく、発光効率が高いという長所を有する反面、熱陰
極3に塗布したエミッタを活性化する必要がある等電極
構造ないしその製造工程が複雑であるうえに、エミッタ
の消耗により電極寿命がほぼ尽きるために短寿命である
という短所を有する。
は陰極降下電圧が例えば約15V程度であり、陰極損が
小さく、発光効率が高いという長所を有する反面、熱陰
極3に塗布したエミッタを活性化する必要がある等電極
構造ないしその製造工程が複雑であるうえに、エミッタ
の消耗により電極寿命がほぼ尽きるために短寿命である
という短所を有する。
【0007】一方、冷陰極蛍光ランプ11は上記熱陰極
蛍光ランプ1の一対の熱陰極3を、一対の冷陰極12
(図9では一方のみ図示)に置換し、スリーブ6とゲッ
ター7とを省略したものであり、これ以外は熱陰極蛍光
ランプ1と同様に構成されている。
蛍光ランプ1の一対の熱陰極3を、一対の冷陰極12
(図9では一方のみ図示)に置換し、スリーブ6とゲッ
ター7とを省略したものであり、これ以外は熱陰極蛍光
ランプ1と同様に構成されている。
【0008】各冷陰極12は例えばニッケル製等のスリ
ーブ12aの一端をリード線5の内端部にかしめ等によ
り同心状に固定したものであり、スリーブ12a内に負
グローを発生させてバルブ2内でグロー放電を発生させ
るものである。
ーブ12aの一端をリード線5の内端部にかしめ等によ
り同心状に固定したものであり、スリーブ12a内に負
グローを発生させてバルブ2内でグロー放電を発生させ
るものである。
【0009】この冷陰極蛍光ランプ11は冷陰極12の
スリーブ12aにエミッタを塗布しないので、そのエミ
ッタの活性化の処理が不要である等電極構造ないし製造
工程が単純であるうえに、エミッタがないので、その消
耗により寿命が尽きるということがなく、長寿命である
という長所を有する反面、陰極降下電圧が例えば約10
0V以上であり、陰極損が大きいので、発光効率が低い
という短所を有する。
スリーブ12aにエミッタを塗布しないので、そのエミ
ッタの活性化の処理が不要である等電極構造ないし製造
工程が単純であるうえに、エミッタがないので、その消
耗により寿命が尽きるということがなく、長寿命である
という長所を有する反面、陰極降下電圧が例えば約10
0V以上であり、陰極損が大きいので、発光効率が低い
という短所を有する。
【0010】そして、現在、液晶表示装置のバックライ
トの光源としては発光効率が低いにも拘らず、ランプ寿
命が長いという理由により冷陰極蛍光ランプ11が多用
されている。また、発光面輝度/ランプ電力であるバッ
クライトの発光効率を高めるためにバルブ2の細管化が
進められ、管径が例えば2〜3mmで0.5〜2Wの冷
陰極蛍光ランプ11が実用化されている。
トの光源としては発光効率が低いにも拘らず、ランプ寿
命が長いという理由により冷陰極蛍光ランプ11が多用
されている。また、発光面輝度/ランプ電力であるバッ
クライトの発光効率を高めるためにバルブ2の細管化が
進められ、管径が例えば2〜3mmで0.5〜2Wの冷
陰極蛍光ランプ11が実用化されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たように冷陰極蛍光ランプ11は発光効率が低いうえ
に、今後、液晶表示装置が小型パソコンや移動電話、小
型TV(テレビ)等の携帯情報端末に使用される点等を
考慮すると、冷陰極蛍光ランプ11の長寿命と熱陰極蛍
光ランプ1の高い発光効率とを兼ね備えた蛍光ランプが
望まれる。
たように冷陰極蛍光ランプ11は発光効率が低いうえ
に、今後、液晶表示装置が小型パソコンや移動電話、小
型TV(テレビ)等の携帯情報端末に使用される点等を
考慮すると、冷陰極蛍光ランプ11の長寿命と熱陰極蛍
光ランプ1の高い発光効率とを兼ね備えた蛍光ランプが
望まれる。
【0012】そこで、従来では冷陰極12のスリーブ1
2aの内表面に、LaB6 等の電子放射物質を充填して
陰極降下電圧を例えば約80〜100V程度に下げて発
光効率を向上させる電極が提案されている。
2aの内表面に、LaB6 等の電子放射物質を充填して
陰極降下電圧を例えば約80〜100V程度に下げて発
光効率を向上させる電極が提案されている。
【0013】しかし、その反面、この電極では冷陰極1
2のスパッタ率が増大してしまうので、長時間点灯する
と管壁黒化が顕著になる。
2のスパッタ率が増大してしまうので、長時間点灯する
と管壁黒化が顕著になる。
【0014】そこで本発明は、中空筒状の電極基体に適
用することができて、高効率かつ長寿命の蛍光ランプと
照明装置を提供することを目的とする。
用することができて、高効率かつ長寿命の蛍光ランプと
照明装置を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明の蛍光ラ
ンプは、少なくとも希ガスを封入しているバルブと;バ
ルブの内面に被着される蛍光体層と;バルブ内に中空筒
状の一対の電極基体を対向配置している一対の電極と;
電極基体の内面に形成される電子放射物質層と;電子放
射物質層の内面側に形成される低スパッタ率の金属酸化
物層と;を具備している。
ンプは、少なくとも希ガスを封入しているバルブと;バ
ルブの内面に被着される蛍光体層と;バルブ内に中空筒
状の一対の電極基体を対向配置している一対の電極と;
電極基体の内面に形成される電子放射物質層と;電子放
射物質層の内面側に形成される低スパッタ率の金属酸化
物層と;を具備している。
【0016】ここで低スパッタ率とは、Arイオンに6
00Vを印加して加速し、ターゲット、例えばAl2 O
3 やTa2 O3 等の板に当てたときのスパッタ率が0.
15〜0.32(無名数)の範囲にあるものをいう。希
ガスはアルゴン(Ar)やキセノン(Xe)、ネオン
(Ne)、クリプトン(Kr)ガスまたは、これらの少
なくとも2種類の混合ガスの不活性ガスであり、これと
共に、適量の水銀をバルブ内に封入してもよい。
00Vを印加して加速し、ターゲット、例えばAl2 O
3 やTa2 O3 等の板に当てたときのスパッタ率が0.
15〜0.32(無名数)の範囲にあるものをいう。希
ガスはアルゴン(Ar)やキセノン(Xe)、ネオン
(Ne)、クリプトン(Kr)ガスまたは、これらの少
なくとも2種類の混合ガスの不活性ガスであり、これと
共に、適量の水銀をバルブ内に封入してもよい。
【0017】電極基体としてはタングステン(W)やタ
ンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、等高融点金属製の
スリーブやコイル等がある。電子放射物質としてはLa
B6やこれを主成分とする合金等でもよい。低スパッタ
率の金属酸化物としてはAl2 O3 やTa2 O2 等があ
る。電子放射物質層と低スパッタ率の金属酸化物層は各
電極基体の内面に蒸着やスパッタ、溶射等によりコーテ
ィングされる。
ンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、等高融点金属製の
スリーブやコイル等がある。電子放射物質としてはLa
B6やこれを主成分とする合金等でもよい。低スパッタ
率の金属酸化物としてはAl2 O3 やTa2 O2 等があ
る。電子放射物質層と低スパッタ率の金属酸化物層は各
電極基体の内面に蒸着やスパッタ、溶射等によりコーテ
ィングされる。
【0018】請求項2の発明は、請求項1の発明であっ
て、さらに、各電極は、外表面に電子放射物質層と低ス
パッタ率の金属酸化物層とをこの順に順次被着した電極
用線状体を、円筒状に巻回してなる。
て、さらに、各電極は、外表面に電子放射物質層と低ス
パッタ率の金属酸化物層とをこの順に順次被着した電極
用線状体を、円筒状に巻回してなる。
【0019】電極用線状体は線径としては例えば約20
MG〜30MG(0.08〜0.1mm)であり、これ
の密着巻きにより中空円筒状、つまりコイル状に形成し
ている。
MG〜30MG(0.08〜0.1mm)であり、これ
の密着巻きにより中空円筒状、つまりコイル状に形成し
ている。
【0020】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明であって、さらに各電極基体は、電極用基材により円
筒体に形成されたスリーブよりなる。
明であって、さらに各電極基体は、電極用基材により円
筒体に形成されたスリーブよりなる。
【0021】請求項4の発明は、請求項1〜3の発明で
あって、さらに、低スパッタ率の金属酸化物層の膜厚が
0.1〜1μmである。金属酸化物層の膜厚は0.1〜
1μmの範囲内にある薄膜であればよい。
あって、さらに、低スパッタ率の金属酸化物層の膜厚が
0.1〜1μmである。金属酸化物層の膜厚は0.1〜
1μmの範囲内にある薄膜であればよい。
【0022】請求項5の発明は、請求項1〜4の発明で
あって、さらに、各電極は、その中空筒状の電極基体の
内面側のみに、電子放射物質層と低スパッタ率の金属酸
化物層とを形成している。電極基体がスリーブ状の場合
は、そのスリーブの中空内面に、電子放射物層と低スパ
ッタ率の金属酸化物層とをこの順に順次積層し、スリー
ブ外表面にはこれら2層を形成しない。
あって、さらに、各電極は、その中空筒状の電極基体の
内面側のみに、電子放射物質層と低スパッタ率の金属酸
化物層とを形成している。電極基体がスリーブ状の場合
は、そのスリーブの中空内面に、電子放射物層と低スパ
ッタ率の金属酸化物層とをこの順に順次積層し、スリー
ブ外表面にはこれら2層を形成しない。
【0023】また、電極基体が線状体をコイル状に形成
したものであれば、その線状体のコイル内側に相当する
部分のみに電子放射物質層を形成し、さらに、その内周
の全周に低スパッタ率の金属酸化物層を形成してもよ
い。
したものであれば、その線状体のコイル内側に相当する
部分のみに電子放射物質層を形成し、さらに、その内周
の全周に低スパッタ率の金属酸化物層を形成してもよ
い。
【0024】請求項6の発明は、請求項1〜5の発明で
あって、さらに、各電極は、これら各電極をバルブ内に
挿入したときに、このバルブの内面に当接して電極の取
付位置を決める位置決め部材を有する。
あって、さらに、各電極は、これら各電極をバルブ内に
挿入したときに、このバルブの内面に当接して電極の取
付位置を決める位置決め部材を有する。
【0025】ここで、位置決め部材は電極基体と一体ま
たは別体に形成してもよく、その形状もバルブ内面に適
合して、これを一周以上する円状、または半円状のもの
でもよく、形状には限定されない。
たは別体に形成してもよく、その形状もバルブ内面に適
合して、これを一周以上する円状、または半円状のもの
でもよく、形状には限定されない。
【0026】請求項7の発明は、請求項1ないし6のい
ずれか一記載の蛍光ランプと;蛍光ランプを安定的に点
灯させる点灯回路と;を具備している。この表示装置
は、蛍光ランプからの光を受けて面状に発光する導光板
を設けて液晶パネル等のバックライトに構成してもよ
い。
ずれか一記載の蛍光ランプと;蛍光ランプを安定的に点
灯させる点灯回路と;を具備している。この表示装置
は、蛍光ランプからの光を受けて面状に発光する導光板
を設けて液晶パネル等のバックライトに構成してもよ
い。
【0027】
【作用】請求項1〜6の各発明においては、中空筒状の
一対の電極基体の内面に、電子放射物質層と低スパッタ
率の金属酸化物層とをこの順に順次被着して一対の電極
に構成している。したがって、点灯の際、これら一対の
電極が通電されると、金属酸化物層の内外面間に電気2
重層が形成され、強い電界が印加されて、電子が放出さ
れ、電極の中空筒状部内に負グローが発生する。このた
めにバルブ内の一対の電極間でグロー放電が発生し、蛍
光体層を励起して発光する。
一対の電極基体の内面に、電子放射物質層と低スパッタ
率の金属酸化物層とをこの順に順次被着して一対の電極
に構成している。したがって、点灯の際、これら一対の
電極が通電されると、金属酸化物層の内外面間に電気2
重層が形成され、強い電界が印加されて、電子が放出さ
れ、電極の中空筒状部内に負グローが発生する。このた
めにバルブ内の一対の電極間でグロー放電が発生し、蛍
光体層を励起して発光する。
【0028】一対の電極は、その基体の内表面に、電子
放射物質層と低スパッタ率の金属酸化物層の2層を形成
しているので、電気2重層により増幅されたγ効果によ
り電子放射物質単体の場合に比べてさらに陰極降下電圧
を下げて発光効率を上げることができる。
放射物質層と低スパッタ率の金属酸化物層の2層を形成
しているので、電気2重層により増幅されたγ効果によ
り電子放射物質単体の場合に比べてさらに陰極降下電圧
を下げて発光効率を上げることができる。
【0029】また、この電子放射物層の内表面を、低ス
パッタ率の金属酸化物層により被覆しているので、電極
スパッタを低減して、電極寿命を延ばすことができると
共に、負グローを電極の中空筒状部内に発生させ、閉じ
込めるので、長時間点灯しても管壁黒化を低減すること
ができ、ランプ寿命を長くすることができる。
パッタ率の金属酸化物層により被覆しているので、電極
スパッタを低減して、電極寿命を延ばすことができると
共に、負グローを電極の中空筒状部内に発生させ、閉じ
込めるので、長時間点灯しても管壁黒化を低減すること
ができ、ランプ寿命を長くすることができる。
【0030】さらに、一対の電極の放電電流が大きくて
も陰極降下電圧が低いので、仮にバルブ径が細い場合で
も最冷部を一対の電極の後方に形成することができる等
最冷部を確保し易いうえに、最冷部温度の制御も容易に
行なうことができる。
も陰極降下電圧が低いので、仮にバルブ径が細い場合で
も最冷部を一対の電極の後方に形成することができる等
最冷部を確保し易いうえに、最冷部温度の制御も容易に
行なうことができる。
【0031】請求項2の発明は、電極基体の電極用線状
体の外表面に電子放射物質層と低スパッタ率の金属酸化
物層とをこの順に順次被着するので、これら2層を線状
体の外表面にディップ等により簡単確実かつ大量に形成
することができる。
体の外表面に電子放射物質層と低スパッタ率の金属酸化
物層とをこの順に順次被着するので、これら2層を線状
体の外表面にディップ等により簡単確実かつ大量に形成
することができる。
【0032】請求項3の発明は、各電極基体を、電極用
基材により円筒体に形成されたスリーブにより構成する
ので、線状体をコイル状に巻回して中空筒状に構成する
場合等に比して、中空筒状体を簡単に量産することがで
きる。
基材により円筒体に形成されたスリーブにより構成する
ので、線状体をコイル状に巻回して中空筒状に構成する
場合等に比して、中空筒状体を簡単に量産することがで
きる。
【0033】請求項4の発明は、低スパッタ率の金属酸
化物層の膜厚を0.1〜1μmの薄膜に形成しているの
で、電気2重層によりγ効果が増幅され、電子放射効率
を高めることができる。つまり、金属酸化物層の膜厚が
0.1〜1μmよりも薄いと、この層がランプ寿命中に
消失し、逆にこれよりも厚過ぎると、良好な電気伝導が
得難くなる。したがって、金属酸化物層の膜厚を0.1
〜1μmにすることによりかかるγ効果を長時間維持す
ることができる。
化物層の膜厚を0.1〜1μmの薄膜に形成しているの
で、電気2重層によりγ効果が増幅され、電子放射効率
を高めることができる。つまり、金属酸化物層の膜厚が
0.1〜1μmよりも薄いと、この層がランプ寿命中に
消失し、逆にこれよりも厚過ぎると、良好な電気伝導が
得難くなる。したがって、金属酸化物層の膜厚を0.1
〜1μmにすることによりかかるγ効果を長時間維持す
ることができる。
【0034】請求項5の発明は、中空筒状の電極基体の
内面側のみに、電子放射物質層と低スパッタ率の金属酸
化物層とを形成しているので、負グローを電極基体の中
空筒状部内のみに発生させ、その内部に閉じ込める一
方、電極基体の外表面からの電子放出を抑制するので、
長時間点灯しても管壁黒化を一段と低減することができ
る。
内面側のみに、電子放射物質層と低スパッタ率の金属酸
化物層とを形成しているので、負グローを電極基体の中
空筒状部内のみに発生させ、その内部に閉じ込める一
方、電極基体の外表面からの電子放出を抑制するので、
長時間点灯しても管壁黒化を一段と低減することができ
る。
【0035】請求項6の発明は、各電極をバルブ内に挿
入すると、位置決め部材がバルブの内面に当接して電極
の取付位置の位置決めを行なうので、各電極の位置決め
精度が向上すると共に、電極をバルブ内で仮固定するこ
とができるので、電極をバルブに取付ける作業の作業性
を向上させることができる。
入すると、位置決め部材がバルブの内面に当接して電極
の取付位置の位置決めを行なうので、各電極の位置決め
精度が向上すると共に、電極をバルブ内で仮固定するこ
とができるので、電極をバルブに取付ける作業の作業性
を向上させることができる。
【0036】請求項7の発明の照明装置は、請求項1な
いし6のいずれ一記載の蛍光ランプを有するので、この
蛍光ランプと同様の作用効果を有する。
いし6のいずれ一記載の蛍光ランプを有するので、この
蛍光ランプと同様の作用効果を有する。
【0037】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図7に基づい
て説明する。なお、図1〜図7中、同一または相当部分
には同一符号を付している。
て説明する。なお、図1〜図7中、同一または相当部分
には同一符号を付している。
【0038】図1は本発明に係る蛍光ランプの第1実施
例の一部切欠縦断面図、図2はその要部拡大縦断面図で
あり、これらの図において、蛍光ランプ21は例えばガ
ラス製で管内直径が例えば2mmの細管の直管状のバル
ブ22内に、一対の電極23,24を同心状に対向配置
して気密に内蔵している。
例の一部切欠縦断面図、図2はその要部拡大縦断面図で
あり、これらの図において、蛍光ランプ21は例えばガ
ラス製で管内直径が例えば2mmの細管の直管状のバル
ブ22内に、一対の電極23,24を同心状に対向配置
して気密に内蔵している。
【0039】バルブ22はそのほぼ全内面に蛍光体膜2
5を被着する一方、その軸方向両端部を例えばガラス製
等の図中左右一対のビーズ26a,26b等の封着部材
の溶着により気密に封着し、バルブ22の内部に適量の
水銀(Hg)とアルゴン(Ar)等の希ガスとを封入し
ている。
5を被着する一方、その軸方向両端部を例えばガラス製
等の図中左右一対のビーズ26a,26b等の封着部材
の溶着により気密に封着し、バルブ22の内部に適量の
水銀(Hg)とアルゴン(Ar)等の希ガスとを封入し
ている。
【0040】これらの各ビーズ26a,26bには左右
一対のリード線27a,27bを気密に貫通させて、バ
ルブ22内に延出するこれら各リード線27a,27b
の内端部に一対の電極23,24を溶接によりそれぞれ
同心状に固着している。このリード線27a,27bの
ビーズ26a,26bを気密に貫通する貫通部は膨張係
数がバルブ22のガラスと近似するジュメット線により
一体に形成されている。
一対のリード線27a,27bを気密に貫通させて、バ
ルブ22内に延出するこれら各リード線27a,27b
の内端部に一対の電極23,24を溶接によりそれぞれ
同心状に固着している。このリード線27a,27bの
ビーズ26a,26bを気密に貫通する貫通部は膨張係
数がバルブ22のガラスと近似するジュメット線により
一体に形成されている。
【0041】各電極23,24は図2に示すように例え
ば断面形状が円形の電極線23a,24aの密着巻きに
より中空円筒のコイル部23b,24bを形成してお
り、このコイル部23b,24bは例えば内径が1mm
で長さが3mmであり、そのコイル内端を開口させる一
方、その他端を各リード線27a,27bの内端部に固
く巻付けて固定すると共に閉じている。
ば断面形状が円形の電極線23a,24aの密着巻きに
より中空円筒のコイル部23b,24bを形成してお
り、このコイル部23b,24bは例えば内径が1mm
で長さが3mmであり、そのコイル内端を開口させる一
方、その他端を各リード線27a,27bの内端部に固
く巻付けて固定すると共に閉じている。
【0042】各電極線23a,24aは図3(A)に示
すようにタングステン(W)やタンタル(Ta)、ニッ
ケル(Ni)等の高融点金属よりなり、直径が例えば
0.2〜0.05mmの細径の素線23c,24cの外
表面に、LaB6 またはこれを主成分とする合金等の電
子放射物質を蒸着やスパッタ、溶射等によりコーティン
グして電子放射物質層23d,24dを全面的にかつ同
心円状に形成している。
すようにタングステン(W)やタンタル(Ta)、ニッ
ケル(Ni)等の高融点金属よりなり、直径が例えば
0.2〜0.05mmの細径の素線23c,24cの外
表面に、LaB6 またはこれを主成分とする合金等の電
子放射物質を蒸着やスパッタ、溶射等によりコーティン
グして電子放射物質層23d,24dを全面的にかつ同
心円状に形成している。
【0043】さらに、この電子放射物質層23d,24
dの外表面には、Al2 O3 やTa2 O3 等の低スパッ
タ率の金属酸化物を蒸着やスパッタ、溶射等によりコー
ティングして電気絶縁性の金属酸化物層23e,24e
を膜厚が例えば0.1〜1μmの薄膜で同心円状に形成
している。
dの外表面には、Al2 O3 やTa2 O3 等の低スパッ
タ率の金属酸化物を蒸着やスパッタ、溶射等によりコー
ティングして電気絶縁性の金属酸化物層23e,24e
を膜厚が例えば0.1〜1μmの薄膜で同心円状に形成
している。
【0044】したがって、一対の電極23,24が通電
されると、金属酸化物奏23e,24eをはさんで電気
2重層が形成され、これにより増幅されたγ効果により
強い電界が印加されて電子が電極線23a,24aの外
部へ放出される。また、金属酸化物層23e,24eの
膜厚が0.1〜1μm以下の場合はこの金属酸化物層2
3e,24eがランプ寿命中に消失し、逆にこれよりも
厚い場合は良好な電気伝導が得難くなる。
されると、金属酸化物奏23e,24eをはさんで電気
2重層が形成され、これにより増幅されたγ効果により
強い電界が印加されて電子が電極線23a,24aの外
部へ放出される。また、金属酸化物層23e,24eの
膜厚が0.1〜1μm以下の場合はこの金属酸化物層2
3e,24eがランプ寿命中に消失し、逆にこれよりも
厚い場合は良好な電気伝導が得難くなる。
【0045】そして、この電子放出のとき、電極線23
a,24aは中空円筒状のコイル部23b,24bに形
成されているので、図2に示すように負グロー28がコ
イル部23b,24b内で閉じ込められるように発生
し、一対の電極23,24間でグロー放電に移行する。
a,24aは中空円筒状のコイル部23b,24bに形
成されているので、図2に示すように負グロー28がコ
イル部23b,24b内で閉じ込められるように発生
し、一対の電極23,24間でグロー放電に移行する。
【0046】したがって、一対の電極23,24は電子
放射物質層23d,24dを形成しているので、陰極降
下電圧Vcは放電電流が1〜20mAにおいて図4中A
線に示すように低下し、従来のLaB6 を充填した電極
を備えた蛍光ランプの陰極降下電圧を示すB線よりも大
幅に低下し、陰極損を低減して発光効率を高めることが
できる。なお、図4の実験データは本実施例と従来の蛍
光ランプを数十KHzの高周波で点灯した場合を示して
いる。
放射物質層23d,24dを形成しているので、陰極降
下電圧Vcは放電電流が1〜20mAにおいて図4中A
線に示すように低下し、従来のLaB6 を充填した電極
を備えた蛍光ランプの陰極降下電圧を示すB線よりも大
幅に低下し、陰極損を低減して発光効率を高めることが
できる。なお、図4の実験データは本実施例と従来の蛍
光ランプを数十KHzの高周波で点灯した場合を示して
いる。
【0047】また、陰極降下部はコイル部23b,24
bの内側にでき、負グロー28をコイル部23b,24
b内に閉じ込めることができるので、長時間点灯しても
管壁黒化を低減することができる。
bの内側にでき、負グロー28をコイル部23b,24
b内に閉じ込めることができるので、長時間点灯しても
管壁黒化を低減することができる。
【0048】しかも、電子放射物質層23d,24dの
外表面を低スパッタ率の金属酸化物層23e,24eに
より全面的に被覆しているので、電極スパッタを抑制し
て電極寿命を延ばすことができ、ひいてはランプ寿命を
延ばすことができる。
外表面を低スパッタ率の金属酸化物層23e,24eに
より全面的に被覆しているので、電極スパッタを抑制し
て電極寿命を延ばすことができ、ひいてはランプ寿命を
延ばすことができる。
【0049】また、一対の電極23,24の放電電流が
大きい場合でも陰極降下電圧が低いので、バルブ22の
最冷部を一対の電極23,24よりも管端側に形成する
ことができる等最冷温度も制御し易いという効果があ
る。
大きい場合でも陰極降下電圧が低いので、バルブ22の
最冷部を一対の電極23,24よりも管端側に形成する
ことができる等最冷温度も制御し易いという効果があ
る。
【0050】図3(B)は本発明の第2実施例の要部縦
断面図であり、これは、まず一対の電極23,24の素
線23c,24cの外表面に、LaB6 またはこれを主
成分とする合金等の電子放射物質層23da,24da
をコイル部23b,24bの中心(図3(B)では下
方)側へ偏心させて形成し、この電子放射物質層23d
a,24daをコイル部23b,24bの内側に多く偏
在させている。さらに、この電子放射物質層23da,
24daの外表面を被覆するAl2 O3 やTa2 O3 等
の低スパッタ率の金属酸化物層23ea,24eaを素
線23c,24cと同心状、またはコイル部23b,2
4bの外側(図3(B)では上方側)へ偏心させて形成
し、その外側の膜厚を増厚する一方、コイル部23b,
24bの内側の膜厚を例えば0.1〜1μmの薄膜に形
成する点に特徴がある。
断面図であり、これは、まず一対の電極23,24の素
線23c,24cの外表面に、LaB6 またはこれを主
成分とする合金等の電子放射物質層23da,24da
をコイル部23b,24bの中心(図3(B)では下
方)側へ偏心させて形成し、この電子放射物質層23d
a,24daをコイル部23b,24bの内側に多く偏
在させている。さらに、この電子放射物質層23da,
24daの外表面を被覆するAl2 O3 やTa2 O3 等
の低スパッタ率の金属酸化物層23ea,24eaを素
線23c,24cと同心状、またはコイル部23b,2
4bの外側(図3(B)では上方側)へ偏心させて形成
し、その外側の膜厚を増厚する一方、コイル部23b,
24bの内側の膜厚を例えば0.1〜1μmの薄膜に形
成する点に特徴がある。
【0051】したがって、この第2実施例によれば、電
子放射物質層23da,24daが図2で示すコイル部
23b,24bの内面側に多く偏在し、その内面側を薄
膜の金属酸化物層23ea,24eaにより被覆してい
るので、このコイル部23b,24bの主に内面側でγ
効果により電子が放出され、コイル部23b,24b内
で負グロー28が高効率で発生する一方、コイル部23
b,24bの外面からの電子の放出が著しく抑制され
る。したがって、管壁黒化を一段と低減することができ
る。
子放射物質層23da,24daが図2で示すコイル部
23b,24bの内面側に多く偏在し、その内面側を薄
膜の金属酸化物層23ea,24eaにより被覆してい
るので、このコイル部23b,24bの主に内面側でγ
効果により電子が放出され、コイル部23b,24b内
で負グロー28が高効率で発生する一方、コイル部23
b,24bの外面からの電子の放出が著しく抑制され
る。したがって、管壁黒化を一段と低減することができ
る。
【0052】なお、上記各実施例では各電極23,24
の素線23c,24cを密着巻きによりコイル状に巻回
することにより円筒状のコイル部23b,24bに構成
した場合について説明したが、本発明はこのコイル部2
3b,24bを円筒状のスリーブに置換してもよく、さ
らに、内端へ向けて拡開するラッパ状に構成してもよ
い。
の素線23c,24cを密着巻きによりコイル状に巻回
することにより円筒状のコイル部23b,24bに構成
した場合について説明したが、本発明はこのコイル部2
3b,24bを円筒状のスリーブに置換してもよく、さ
らに、内端へ向けて拡開するラッパ状に構成してもよ
い。
【0053】図5は本発明の第3実施例の一部切欠縦断
面図であり、この蛍光ランプ21Aは上記各電極23,
24の内端部に、一対の位置決め部材29a,29bを
それぞれ設けた点に特徴がある。
面図であり、この蛍光ランプ21Aは上記各電極23,
24の内端部に、一対の位置決め部材29a,29bを
それぞれ設けた点に特徴がある。
【0054】各位置決め部材29a,29bは図6にも
示すように例えば各電極23,24の素線23a,24
aを、そのコイル部23b,24bの内端から先方へ一
体または一体的に突出させることにより形成されてお
り、バルブ22の内周面の少なくとも直径方向で弾性的
に当接して各電極23,24をバルブ22内で仮固定で
きるように少なくとも半円状、または1周以上巻回する
ように形成されている。
示すように例えば各電極23,24の素線23a,24
aを、そのコイル部23b,24bの内端から先方へ一
体または一体的に突出させることにより形成されてお
り、バルブ22の内周面の少なくとも直径方向で弾性的
に当接して各電極23,24をバルブ22内で仮固定で
きるように少なくとも半円状、または1周以上巻回する
ように形成されている。
【0055】したがって、本実施例によれば、バルブ2
2内に一対の電極23,24内に軽く押し込むことによ
り、各位置決め部材29a,29bを摺動させて行き、
バルブ22内の任意の位置に電極23,24を仮固定す
ることができるので、ランプ組立等の作業性を向上させ
ることができる。
2内に一対の電極23,24内に軽く押し込むことによ
り、各位置決め部材29a,29bを摺動させて行き、
バルブ22内の任意の位置に電極23,24を仮固定す
ることができるので、ランプ組立等の作業性を向上させ
ることができる。
【0056】つまり、図7(A)に示すように、まずバ
ルブ22内の一端部内に、一方の電極23に位置決め部
材29aとリード線27aとガラスビーズ26aとを既
に一体に取付けているマウントを挿入し、位置決め部材
29aにより位置決めすると共に仮固定し、さらに、そ
の状態で、その管端部を例えば直径方向両側からバーナ
ー30の火炎により加熱して図7(B)に示すように一
方の管端に封着する。
ルブ22内の一端部内に、一方の電極23に位置決め部
材29aとリード線27aとガラスビーズ26aとを既
に一体に取付けているマウントを挿入し、位置決め部材
29aにより位置決めすると共に仮固定し、さらに、そ
の状態で、その管端部を例えば直径方向両側からバーナ
ー30の火炎により加熱して図7(B)に示すように一
方の管端に封着する。
【0057】次に図7(B)に示すようにバルブ22の
他端部(図7(B)では上端部)内に、他方の電極24
を含むマウントを挿入して仮固定し、さらに、その状態
でその管端部からバルブ22内を排気し、その後、図7
(A)で示すバーナ30の火炎により加熱し、図7
(C)に示すように、その管端部に封着する。
他端部(図7(B)では上端部)内に、他方の電極24
を含むマウントを挿入して仮固定し、さらに、その状態
でその管端部からバルブ22内を排気し、その後、図7
(A)で示すバーナ30の火炎により加熱し、図7
(C)に示すように、その管端部に封着する。
【0058】したがって、本実施例の排気工程では図7
(D)で示す従来の仮固定部材であるハ字状の舌片31
を省略することができるので、コスト低減と、この舌片
31を各電極23,24に取付ける工程の省略を共に図
ることができる。このように構成された蛍光ランプ21
または21Aに図示しない点灯回路を接続することによ
り、所要の被照明物を照明する照明装置に構成すること
ができる。さらに、この照明装置に、蛍光ランプ21ま
たは21Aからの光を受光して面状に発光する導光板を
組み付けることにより、液晶ディスプレイを背面等から
面状に照明するバックライトにも構成することができ
る。
(D)で示す従来の仮固定部材であるハ字状の舌片31
を省略することができるので、コスト低減と、この舌片
31を各電極23,24に取付ける工程の省略を共に図
ることができる。このように構成された蛍光ランプ21
または21Aに図示しない点灯回路を接続することによ
り、所要の被照明物を照明する照明装置に構成すること
ができる。さらに、この照明装置に、蛍光ランプ21ま
たは21Aからの光を受光して面状に発光する導光板を
組み付けることにより、液晶ディスプレイを背面等から
面状に照明するバックライトにも構成することができ
る。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように請求項1〜6の各発
明においては、中空筒状の一対の電極基体の内面に、電
子放射物質層と低スパッタ率の金属酸化物層とをこの順
に順次被着して一対の電極に構成している。したがっ
て、点灯の際、これら一対の電極が通電されると、金属
酸化物層の内外面間に強い電界が印加されて、電子が放
出され、電極の中空筒状部内に負グローが発生する。こ
のためにバルブ内の一対の電極間でグロー放電が発生
し、蛍光体層を励起して発光する。
明においては、中空筒状の一対の電極基体の内面に、電
子放射物質層と低スパッタ率の金属酸化物層とをこの順
に順次被着して一対の電極に構成している。したがっ
て、点灯の際、これら一対の電極が通電されると、金属
酸化物層の内外面間に強い電界が印加されて、電子が放
出され、電極の中空筒状部内に負グローが発生する。こ
のためにバルブ内の一対の電極間でグロー放電が発生
し、蛍光体層を励起して発光する。
【0060】一対の電極は、その基体の内表面に、電子
放射物質層と低スパッタ率の金属酸化物層の2層を形成
しているので、電気2重層が形成され、増幅されたγ効
果により陰極降下電圧を下げて発光効率を上げることが
できる。
放射物質層と低スパッタ率の金属酸化物層の2層を形成
しているので、電気2重層が形成され、増幅されたγ効
果により陰極降下電圧を下げて発光効率を上げることが
できる。
【0061】また、この電子放射物層の内表面を、低ス
パッタ率の金属酸化物層により被覆しているので、電極
スパッタを低減して、電極寿命を延ばすことができると
共に、負グローを電極の中空筒状部内に発生させ、閉じ
込めるので、長時間点灯しても管壁黒化を低減すること
ができ、ランプ寿命を長くすることができる。
パッタ率の金属酸化物層により被覆しているので、電極
スパッタを低減して、電極寿命を延ばすことができると
共に、負グローを電極の中空筒状部内に発生させ、閉じ
込めるので、長時間点灯しても管壁黒化を低減すること
ができ、ランプ寿命を長くすることができる。
【0062】さらに、一対の電極の放電電流が大きくて
も陰極降下電圧が低いので、仮にバルブ径が細い場合で
も最冷部を一対の電極の後方に形成することができる等
最冷部を確保し易いうえに、最冷部温度の制御も容易に
行なうことができる。
も陰極降下電圧が低いので、仮にバルブ径が細い場合で
も最冷部を一対の電極の後方に形成することができる等
最冷部を確保し易いうえに、最冷部温度の制御も容易に
行なうことができる。
【0063】請求項2の発明は、電極基体の電極用線状
体の外表面に電子放射物質層と低スパッタ率の金属酸化
物層とをこの順に順次被着するので、これら2層を線状
体にディップ等により簡単確実かつ大量に形成すること
ができる。
体の外表面に電子放射物質層と低スパッタ率の金属酸化
物層とをこの順に順次被着するので、これら2層を線状
体にディップ等により簡単確実かつ大量に形成すること
ができる。
【0064】請求項3の発明は、各電極基体を、電極用
基材により円筒体に形成されたスリーブにより構成する
ので、線状体をコイル状に巻回して中空筒状に構成する
場合等に比して、中空筒状体を簡単に量産することがで
きる。
基材により円筒体に形成されたスリーブにより構成する
ので、線状体をコイル状に巻回して中空筒状に構成する
場合等に比して、中空筒状体を簡単に量産することがで
きる。
【0065】請求項4の発明は、低スパッタ率の金属酸
化物層の膜厚を0.1〜1μmの薄膜に形成しているの
で、電気2重層により増幅されたγ効果による電子放射
効率を高めることができ、しかも、その効果は長時間に
亘って維持することができる。
化物層の膜厚を0.1〜1μmの薄膜に形成しているの
で、電気2重層により増幅されたγ効果による電子放射
効率を高めることができ、しかも、その効果は長時間に
亘って維持することができる。
【0066】請求項5の発明は、中空筒状の電極基体の
内面側のみに、電子放射物質層と低スパッタ率の金属酸
化物層とを形成しているので、負グローを電極基体の中
空筒状部内のみに発生させ、その内部に閉じ込める一
方、電極基体の外表面からの電子放出を抑制するので、
長時間点灯しても管壁黒化を一段と低減することができ
る。
内面側のみに、電子放射物質層と低スパッタ率の金属酸
化物層とを形成しているので、負グローを電極基体の中
空筒状部内のみに発生させ、その内部に閉じ込める一
方、電極基体の外表面からの電子放出を抑制するので、
長時間点灯しても管壁黒化を一段と低減することができ
る。
【0067】請求項6の発明は、各電極をバルブ内に挿
入すると、位置決め部材がバルブの内面に当接して電極
の取付位置の位置決めを行なうので、各電極の位置決め
精度が向上すると共に、電極をバルブ内で仮固定するこ
とができるので、電極をバルブに取付ける作業の作業性
を向上させることができる。
入すると、位置決め部材がバルブの内面に当接して電極
の取付位置の位置決めを行なうので、各電極の位置決め
精度が向上すると共に、電極をバルブ内で仮固定するこ
とができるので、電極をバルブに取付ける作業の作業性
を向上させることができる。
【0068】請求項7の発明の照明装置は、請求項1な
いし6のいずれ一記載の蛍光ランプを有するので、この
蛍光ランプと同様の作用効果を有する。
いし6のいずれ一記載の蛍光ランプを有するので、この
蛍光ランプと同様の作用効果を有する。
【図1】本発明の第1実施例に係る蛍光ランプの一部切
欠縦断面図。
欠縦断面図。
【図2】図1で示す電極の拡大縦断面図。
【図3】(A)は図2で示す電極線の一例の縦断面図、
(B)は同他の一例の縦断面図。
(B)は同他の一例の縦断面図。
【図4】図1で示す実施例の陰極降下特性図。
【図5】本発明の第2実施例の一部切欠縦断面図。
【図6】図5で示す実施例の要部拡大縦断面図。
【図7】(A)〜(C)は図5等で示す実施例のランプ
組立工程図、(D)は従来のランプ組立工程中の排気工
程を示す図。
組立工程図、(D)は従来のランプ組立工程中の排気工
程を示す図。
【図8】従来例の部分縦断面図。
【図9】他の従来例の部分縦断面図。
21,21A 蛍光ランプ 22 バルブ 23,24 一対の電極 23a,24a 電極線 23b,24b コイル部 23c,24c 素線 23d,23da,24d,24da 電子放射物質層 23e,23ea,24e,24ea 低スパッタ率の
金属酸化物層 25 蛍光体膜 26a,26b 一対のガラスビーズ 27a,27b 一対のリード線 28 負グロー 29a,29b 位置決め部材
金属酸化物層 25 蛍光体膜 26a,26b 一対のガラスビーズ 27a,27b 一対のリード線 28 負グロー 29a,29b 位置決め部材
Claims (7)
- 【請求項1】 少なくとも希ガスを封入しているバルブ
と;バルブの内面に被着される蛍光体層と;バルブ内に
中空筒状の一対の電極基体を対向配置している一対の電
極と;電極基体の内面に形成される電子放射物質層と;
電子放射物質層の内面側に形成される低スパッタ率の金
属酸化物層と;を具備していることを特徴とする蛍光ラ
ンプ。 - 【請求項2】 各電極は、外表面に電子放射物質層と低
スパッタ率の金属酸化物層とをこの順に順次被着した電
極用線状体を、円筒状に巻回してなることを特徴とする
請求項1記載の蛍光ランプ。 - 【請求項3】 各電極基体は、電極用基材により円筒体
に形成されたスリーブよりなることを特徴とする請求項
1記載の蛍光ランプ。 - 【請求項4】 低スパッタ率の金属酸化物層の膜厚が
0.1〜1μmであることを特徴とする請求項1ないし
3のいずれか一記載の蛍光ランプ。 - 【請求項5】 各電極は、その中空筒状の電極基体の内
面側のみに、電子放射物質層と低スパッタ率の金属酸化
物層とを形成していることを特徴とする請求項1ないし
4のいずれか一記載の蛍光ランプ。 - 【請求項6】 各電極は、これら各電極をバルブ内に挿
入したときに、このバルブの内面に当接して電極の取付
位置を決める位置決め部材を有することを特徴とする請
求項1ないし5のいずれか一記載の蛍光ランプ。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか一記載の蛍
光ランプと;蛍光ランプを安定的に点灯させる点灯回路
と;を具備していることを特徴とする照明装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16622895A JPH0917374A (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 蛍光ランプと照明装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16622895A JPH0917374A (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 蛍光ランプと照明装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0917374A true JPH0917374A (ja) | 1997-01-17 |
Family
ID=15827493
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16622895A Pending JPH0917374A (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 蛍光ランプと照明装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0917374A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100606236B1 (ko) * | 2004-12-31 | 2006-07-31 | 금호전기주식회사 | 냉음극형 형광램프용 전극체 제조방법 및 이에 의한 전극체 |
KR100606237B1 (ko) * | 2004-12-31 | 2006-07-31 | 금호전기주식회사 | 냉음극형 형광램프용 전극체 제조방법 및 이에 의한 전극체 |
JP2013020927A (ja) * | 2011-07-13 | 2013-01-31 | Sang Il System Co Ltd | 照明用冷陰極蛍光ランプ |
KR101319300B1 (ko) * | 2006-12-08 | 2013-10-16 | 엘지디스플레이 주식회사 | 냉음극형광램프와 그 제조방법 |
-
1995
- 1995-06-30 JP JP16622895A patent/JPH0917374A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100606236B1 (ko) * | 2004-12-31 | 2006-07-31 | 금호전기주식회사 | 냉음극형 형광램프용 전극체 제조방법 및 이에 의한 전극체 |
KR100606237B1 (ko) * | 2004-12-31 | 2006-07-31 | 금호전기주식회사 | 냉음극형 형광램프용 전극체 제조방법 및 이에 의한 전극체 |
KR101319300B1 (ko) * | 2006-12-08 | 2013-10-16 | 엘지디스플레이 주식회사 | 냉음극형광램프와 그 제조방법 |
JP2013020927A (ja) * | 2011-07-13 | 2013-01-31 | Sang Il System Co Ltd | 照明用冷陰極蛍光ランプ |
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