JPH09173691A - 衣料用挟み - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 厳しい使用条件に耐え、展示衣料を損傷しな
いようにする衣料用挟みの提供にある。 【解決手段】 挟持チップ３を固着した一対の挟持片１
を回転自在に連結し、スプリング１７でその挟持片の先
端が近づく方向に付勢してなる衣料用挟みである。挟持
片１の舌片９を挟持チップ３の溝穴１２に嵌め込み、固
定舌片４を挟持チップ３の勾配１５に倒して押圧固定す
る。この構成によって、挟持片１の成形時にできる角部
あるいは突起部などが弾性体の挟持チップ３で覆われ
て、展示衣料を損傷することがない。また、挟持片１先
端の舌片９が挟持チップ３の溝穴１２に十分食い込み、
かつ、挟持チップ３の後方勾配１５部分を固定舌片４で
押圧するので、挟持チップ３が後退しようとしても締ま
り勝手になって緩まず、脱落することがない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ハンガーに掛けら
れた衣料の出し入れを頻繁に行われるような用途に適し
た衣料用挟みに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】衣料用挟みは、一般に一対の挟持片を対
向させてその中程で回転自在に連結し、その両挟持片の
先端内側に弾性体の挟持チップを固着し、両挟持片間に
設けたスプリングでその挟持片の先端が近づく方向に付
勢してなる構成である。その先行技術についてみると、
実開平３−８８４９０号公報等において数多く開示さ
れ、例えば図５に示すように、挟持片１の挟持端２に挟
持チップ３を配置し４個の固定舌片４を挟持チップ側に
倒して固定しているもの、図６および図７で示すよう
に、挟持片１の挟持端２に、中程両側に窪み５を設け、
衣料を挟持してない状態で挟持面６全面が接するよう挟
持面に勾配を付けた挟持チップ３を配置し、この挟持チ
ップ３の窪み５に挟持片１の両側に立ち上げた２個の固
定舌片４を挟持チップ側に倒して固定しているもの、図
８で示すように、挟持片１の挟持端２に挟持チップ３の
先端に、補強リブ７に合ったスリット８を設けそのスリ
ット８に補強リブ７を嵌めて補強リブ７が表面に出ない
ようにし、挟持片１本体と挟持チップ３とは接着剤で固
定しているもの、などがある。

【０００３】

【発明の解決しようとする課題】しかし、図５のもの
は、挟持チップ３を取り付けるのに、挟持チップ３に設
けられた４個の固定舌片４が衣料の出し入れの際、引っ
掛かって衣料を損傷する恐れがあり、図６および図７の
ものは、薄い衣料を挟んだ状態では良好な挟持状態とな
るが、挟持する衣料の厚さが大きくなるに従って（ピン
チが開くに従って）、挟持面の全面で衣料を挟持できな
くなり、挟持状態がわるくなって衣料が落下したり皺に
なる恐れがある。

【０００４】また、図８のものは、頻繁に出し入れを繰
り返し行うと挟持チップ３が挟持片１から離脱し、知ら
ぬうちに挟持片１が直接衣料を挟んで衣料を損傷してし
まう恐れがある。

【０００５】本発明は、上記従来技術の問題に鑑み、衣
料を掛けたハンガーを衣料つり台から頻繁に出し入れし
ても衣料を損傷するようなことがなく、挟持衣料の厚さ
（量）が変化しても挟持状態が常に一定の状態で、少々
の激しい取扱いをされても衣料に皺がつくようなことが
なく、挟持チップ３が挟持片１から脱落することのない
衣料用挟みを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、一対の挟持片１を対向させてその中程で
回転自在に連結し、その両挟持片１の先端内側に弾性体
の挟持チップ３を固着し、両挟持片１間に設けたスプリ
ング１７でその挟持片の先端が近づく方向に付勢してな
る衣料用挟みにおいて、上記挟持片１は、両側縁の固定
舌片４と、先端縁に後方に伸びる舌片９を設けたもので
あり、前記挟持チップ３は、その先端に前記舌片９を受
け入れる溝穴１２と、前記固定舌片４で押さえられる後
方下り勾配１５を設けたものであって、前記挟持片１の
舌片９を前記挟持チップ３の溝穴１２に嵌め込み、固定
舌片４を挟持チップ３の勾配１５に倒して押圧固定して
なる構成としたものである。

【０００７】このような構成にすることによって、衣料
を挟持する挟持面は弾性体の挟持チップ３で覆われ、舌
片９が挟持チップ３の溝穴１２に深く嵌入し、且つ、固
定舌片４が挟持チップ３の後方下り勾配１５部分を押圧
固定するので、挟持チップ３が後退しようとしても締ま
り勝手になって緩むことがなく、衣料を損傷することが
ない。

【０００８】

【発明の実施の形態】一実施形態を図１乃至４に示し、
その各図において１は挟持片である。挟持片１は、その
展開形状に素材から打ち抜きされ、成形プレスによって
周縁に補強リブ７と、軸孔１６を有する連結脚１０と、
挟持チップ３を固定する固定舌片４部分および溝穴１２
に嵌入する舌片９部分が立ち上げられ、更に舌片９は、
次の工程でその先端が後方に略９０度曲げられる。

【０００９】挟持チップ３は、射出成形など公知の方法
により成形されその先端に挟持片１の補強リブ７を受け
入れる刳取り部１１を形成し、その刳取り部１１の奥に
前記舌片９が嵌入する溝穴１２を設け、背面１３は平坦
にして挟持面６は挟持片１の長手方向円弧状で逆歯面１
４とし、後方に勾配１５を設けたものである。

【００１０】挟持チップ３の挟持片１への取り付けは、
挟持チップ３を、その背面１３を挟持片内面１´に密着
するように嵌め込み、連結脚１０の方から挟持端２に向
けて押し込んで舌片９が挟持片先端の溝穴１２に嵌入す
るまで押し込む。十分押し込むと固定舌片４を倒して勾
配１５部分を押圧固定する。

【００１１】なお、ここで一対の挟持片１の連結脚１０
の足幅Ｗは、片方の足幅の内側に入るように素材の厚さ
の２倍だけ狭い足幅にしてある。

【００１２】以上のように挟持チップ３を固定した挟持
片１の一対を、互いに連結脚１０の軸孔１６が一致する
ように合わせ、連結脚１０の足幅間にスプリング１７を
その付勢力が挟む方向に働くように介在させながら、例
えばハンガー１８の水平棒１９を通して本発明の衣料用
挟みが得られる。なお、上記実施形態ではハンガーにセ
ットしたが単独で組み立ててもよく、また挟持チップ３
の背面１３と挟持片内面１´との固定は機械的方法だけ
を採用したが接着剤を併用すればさらに確実に固定する
ことができる。

【００１３】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、厳しい使用状態でも挟持チップの脱落の心配
がなく、引っ掛かる部分が弾性体の挟持チップで覆われ
ているので衣料を損傷させることがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施形態の一方の挟持片の斜視図

【図２】同挟持片の斜視図

【図３】同挟持チップの裏面からの拡大斜視図

【図４】同組み立て図

【図５】従来例の斜視図

【図６】従来例の斜視図

【図７】同要部縦断面図

【図８】ー従来例の斜視図

【符号の説明】

１ 挟持片 ２ 挟持端 ３ 挟持チップ ４ 固定舌片 ５ 窪み ６ 挟持面 ７ 補強リブ ８ スリット ９ 舌片 １０ 連結脚 １１ 刳取り部 １２ 溝穴 １３ 背面 １４ 逆歯面 １５ 勾配 １６ 軸孔 １７ スプリング １８ ハンガー １９ 水平棒 Ｐ ピンチ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一対の挟持片１を対向させてその中程で
   回転自在に連結し、その両挟持片の先端内側に弾性体の
   挟持チップ３を固着し、両挟持片１間に設けたスプリン
   グ１７でその挟持片の先端が近づく方向に付勢してなる
   衣料用挟みにおいて、 上記挟持片１は、両側縁の固定舌片４と、先端縁に後方
   に伸びる舌片９を設けたものであり、前記挟持チップ３
   は、その先端に前記舌片９を受け入れる溝穴１２と、前
   記固定舌片４で押さえられる後方下り勾配１５を設けた
   ものであって、前記挟持片１の舌片９を前記挟持チップ
   ３の溝穴１２に嵌め込み、固定舌片４を挟持チップ３の
   勾配１５に倒して押圧固定してなることを特徴とする衣
   料用挟み。