JPH09173688A - 洗濯機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内槽の排水口と排水弁とをつなぐ排水路を形
成する排水路形成部材の組込みについての作業性を良く
し得て、組立不良を生じにくくでき、万一組立不良を生
じた場合の発見も容易にできるようにする。 【解決手段】 排水路形成部材２６を外槽１２の底部外
面に水密に接合して設け、排水路形成部材２６の組込み
が外槽１２の外部でできるようにした。この場合、排水
路形成部材２６は水位検知用のエアトラップの下面部の
開放部にも接合されて該開放部をも水密に閉塞するよう
にすると良く、又、排水路形成部材２６の接合はパッキ
ン３２を介したねじ３３止めのほか、熱溶着により行な
うようにすると良い。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は内槽の排水口と排水
弁とをつなぐ排水路を形成する排水路形成部材を具えた
洗濯機に関する。

【０００２】

【従来の技術】洗濯機、中でも脱水兼用洗濯機において
は、外槽の内部に内槽が具えられ、この内槽の内部で洗
濯をし、内槽を回転させることにより脱水をするように
なっている。しかして、その内槽の底部に排水口が形成
されたものでは、該排水口と外槽の外部に位置する排水
弁とを排水路形成部材で形成する排水路によりつないだ
ものが供されている。

【０００３】図１０及び図１１はそのものの従来構造を
示しており、排水路形成部材１が外槽２の底部内面にパ
ッキン３を介して多数のねじ４により取付けられ、この
排水路形成部材１によって、内槽４の底部に形成された
排水口５と外槽２の外部に位置する排水弁６とをつなぐ
排水路７が形成されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述のものの場合、排
水路形成部材１の取付けは、外槽２内、しかもその奥底
部での作業となるため、作業性が非常に悪く、万一組立
不良が発生した場合の発見も難しいという問題点を有し
ていた。

【０００５】本発明は上述の事情に鑑みてなされたもの
であり、従ってその目的は、排水路形成部材の組込みに
ついての作業性を良くし得て、組立不良を生じにくくで
き、万一組立不良を生じた場合の発見も容易にできる洗
濯機を提供するにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の洗濯機においては、外槽の内部に内槽を具
えると共に、その内槽の底部に形成された排水口と、外
槽の外部に位置する排水弁、及びこれらをつなぐ排水路
を形成する排水路形成部材を具え、その排水路形成部材
を外槽の底部外面に水密に接合して設けたことを特徴と
する。

【０００７】このものによれば、排水路形成部材の取付
けは、外槽外、中でも外槽の上下を反転させたときに上
面となるところでの作業となるため、作業がしやすくな
り、その分、組立不良も生じにくく、又、見やすいた
め、組立不良の発見もしやすくなる。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の第１実施例につ
き、図１ないし図４を参照して説明する。まず図２には
洗濯機（脱水兼用洗濯機）の全体構成を示しており、外
箱１１内に外槽１２を弾性吊持機構１３により支持して
配設している。外槽１２内には内槽１４を配設してお
り、内槽１４内には撹拌体１５を配設している。

【０００９】ここで、内槽１４は下部から上端部へ漸次
径大となるテーパ状を成しており、その上端部にのみ脱
水用開口部である孔１６を形成し、その内周部にバラン
スリング１７を取付けている。又、内槽１４の底部に
は、図３に示すように、中心部に軸通孔１８を形成して
おり、その周囲部に排水口１９を環状配置の複数個の透
孔（１個のみ図示）により形成している。更に、この内
槽１４の底部中央部の外下面部にはシール金具２０を取
付けており、このシール金具２０にも、中心部に軸通孔
２１を形成し、その周囲部に通水口２２を排水口１９と
位置の合う複数個の透孔（これも１個のみ図示）により
形成している。

【００１０】これに対して、外槽１２の底部中央部には
隆起部２３を形成すると共に、この隆起部２３の中央部
に金具通孔２４を形成し、この金具通孔２４の内周部に
パッキン２５を装着している。又、外槽１２の底部外面
には排水路形成部材２６を接合している。この排水路形
成部材２６は、詳細には図４に示すように偏平で横長な
容器状を成すもので、その一端部にはハウジング通孔２
７を形成し、他端部に排水弁接続口２８を形成してい
る。このほか、排水路形成部材２６には、外周縁部に図
３に示す上向きの溝部２９と、多数の取付孔３０を有す
るフランジ部３１とを形成している。

【００１１】この構成で、排水路形成部材２６は、溝部
２９にパッキン３２を嵌装し、該パッキン３２を外槽１
２の底部との間に介在させ且つハウジング通孔２７を金
具通孔２４に合わせるようにしてフランジ部３１を該外
槽１２の底部外面に宛てがい、その上で、取付孔３０の
それぞれに通したねじ３３により外槽１２の底部に取付
けて水密に接合している。

【００１２】しかして、機構部取付台３４は駆動機構３
５を取付けるためのもので、排水路形成部材２６の前記
ハウジング通孔２７と合致する位置に孔３６を有し、図
１に示す排水弁接続口２８と合致する位置に孔３７を有
しており、それらをそれそれ嵌合させて機構部取付台３
４の全部で排水路形成部材２６を受けるように、該機構
部取付台３４を排水路形成部材２６に下方より密接させ
て外槽１２の底部に複数個のねじ３８によって取付けて
おり、その後にあるいはその前に、該機構部取付台３４
に駆動機構３５を取付けている。

【００１３】なお、駆動機構３５は図２に示すモータ３
９を駆動源とするもので、詳細には図３及び図１に示す
ように、脱水時に回転される脱水軸４０と、洗濯時及び
脱水時に回転される洗濯軸４１とを同心状に有してお
り、これらを突出させたハウジング４２の上部４２ａを
パッキン４３を介して前記排水路形成部材２６のハウジ
ング通孔２７に水密に挿設し、この状態で、外槽１２の
金具通孔２４を挿通した脱水軸４０の上端部に前記シー
ル金具２０を介して内槽１４を取付けている。又、その
折り、シール金具２０は金具通孔２４にパッキン２５を
介して水密に挿設している。

【００１４】更にその状態で、シール金具２０の軸通孔
２１及び内槽１４の軸通孔１８を挿通した洗濯軸４１の
上端部に前記撹拌体１５を取付けている。又、機構部取
付台３４の孔３７から突出した排水路形成部材２６の排
水弁接続口２８には排水弁４４を接続しており、かくし
て、排水路形成部材２６が内槽１４の前記排水口１９と
外槽１２の外部に位置する排水弁４４とをつなぐ排水路
４５を形成するようにしている。

【００１５】なお、排水弁４４には出口部に、外槽１２
の排水路４５外の部分に形成した排水口（図示せず）に
接続した導水ホース４６と、先端部が機外に臨む排水ホ
ース４７とを接続している。

【００１６】上述のごとく構成したものの場合、洗濯時
には、排水弁４４が閉塞状態を呈すことにより、排水路
４５から内槽１４の内部にのみ貯水され（外槽１２内に
は貯水されない）、この状態で、撹拌体１５が洗濯軸４
１により回転されることにより洗濯が行なわれる。又、
その後の排水時には、排水弁４４が開放されることに基
づき、内槽１４内の水が排水口１９から排水路４５、排
水弁４４、排水ホース４７を通じて機外に排出される。
そして、脱水時には、撹拌体１５が洗濯軸４１により回
転されると共に、内槽１４が脱水軸４０により回転され
ることによって、洗濯物から振り切られた水が内槽１４
の内周面を昇って孔１６から排出されるものであり、そ
の排出された水は外槽１２の図示しない排水口から導水
ホース４６、排水ホース４７を通じて更に機外に排出さ
れる。

【００１７】このように本構成のものでは、内槽１４の
排水口１９と外槽１２の外部に位置する排水弁４４とを
つなぐ排水路４５を形成する排水路形成部材２６を、外
槽１２の底部外面に接合して設けており、その排水路形
成部材２６の接合は、外槽１２外、中でも図４に示すよ
うに外槽１２の上下を反転させたときに上面となるとこ
ろでの作業となるため、従来の外槽２内、しかもその奥
底部での作業となっていたものに比して作業が大幅にし
やすくなり、作業性を良くすることができる。又、作業
がしやすい分、組立不良も生じにくくなり、更に、見や
すいため、万一組立不良を生じた場合の発見も容易にで
きるようになる。

【００１８】加えて、特に上記構成のものでは、内槽１
４がその内部にのみ貯水して洗濯を行ない、回転される
ことにより脱水をするもので、該内槽１４の排水口１９
が内槽１４の底部の中心部に形成されたものにおいて、
上述の外槽１２の底部外面に対する排水路形成部材２６
の接合を採用しており、そのタイプの洗濯機においては
排水路形成部材２６の必要性が高いことから、排水路形
成部材２６の取付けの作業性が良いことの価値も一層高
く得ることができる。

【００１９】又、排水路形成部材２６の接合構造は、具
体的には排水路形成部材２６を周囲部にパッキン３２を
介在させて外槽１２の底部外面にねじ３３止めする構造
としており、その接合に特別の設備を必要としないの
で、設備費の増大を来たすことなく実施できる。

【００２０】更に、外槽１２の底部外面には排水路形成
部材２６を受けるようにして機構部取付台３４を取付け
ているので、排水路４５に水が溜まるときや、そこに水
が流れるときの荷重を排水路形成部材２６のみならず機
構部取付台３４でも受けることができて、耐久性を高く
することができる。

【００２１】以上に対して、図５は本発明の第２実施例
を示すもので、外槽１２の外側部に、水位検知用のエア
トラップ５１を下面部を開放させて形成したものにおい
て、排水路形成部材２６を延長部２６ａによりそのエア
トラップ５１の開放部にも接合させて該開放部を水密に
閉塞するようにしたものを示しており、このようにする
ことによって、エアトラップ５１の開放部の閉塞まで排
水路形成部材２６ひとつでできて、コスト安にできる。

【００２２】図６は本発明の第３実施例を示すもので、
排水路形成部材２６及び外槽１２を合成樹脂製とし、排
水路形成部材２６を外槽１２の底部外面に例えば磁性金
属部材を介する誘導加熱等の加熱手段による熱溶着５２
によって接合したものを示しており、このようにするこ
とによって、パッキン３２及び多数のねじ３３を要する
ことなく必要な水密性を得ることができる。

【００２３】図７は本発明の第４実施例を示すもので、
排水路形成部材２６を外槽１２の底部外面に、外槽１２
側の凹部５３と排水路形成部材２６側の凸部５４との嵌
合を伴って、その嵌合部を熱溶着５５することにより接
合したものを示しており、このようにすることによっ
て、接合強度並びに水密性を高くすることができる。な
お、この場合、凹部５３と凸部５４は上述とは逆に、凹
部５３を排水路形成部材２６に設け、凸部５４を外槽１
２に設けても良い。

【００２４】図８及び図９は本発明の第５実施例を示す
もので、排水路形成部材２６を外槽１２の底部外面に形
成されたリブ５６、特にこれの溝部５６ａに嵌合して、
該嵌合部を熱溶着することにより接合したものを示して
おり、このようにすることによって、上記第４実施例同
様の効果が得られると共に、特にはリブ５６が外槽１２
の底部外面の補強用にもなるから、その補強と併せて排
水路形成部材２６の接合ができる合理さを得ることがで
きる。

【００２５】

【発明の効果】本発明は以上説明したとおりのもので、
下記の効果を奏する。請求項１の洗濯機によれば、排水
路形成部材の組込みについての作業を大幅にしやすくで
きて作業性を良くし得、組立不良も生じにくくできると
共に、万一組立不良を生じた場合の発見も容易にできる
ようになる。

【００２６】請求項２の洗濯機によれば、排水路形成部
材の必要性の高さと合わせて、排水路形成部材の取付け
の作業性が良いことの価値を一層高く得ることができ
る。請求項３の洗濯機によれば、エアトラップの開放部
の閉塞まで排水路形成部材でできて、コスト安にでき
る。

【００２７】請求項４の洗濯機によれば、排水路形成部
材の接合に特別の設備を必要とせず、設備費の増大を来
たすことなく実施することができる。請求項５の洗濯機
によれば、排水路形成部材で形成する排水路の必要な水
密性をパッキンや多数のねじを要することなく得ること
ができる。

【００２８】請求項６の洗濯機によれば、排水路形成部
材の接合強度並びに水密性を高くすることができる。請
求項７の洗濯機によれば、請求項６同様の効果が得られ
ると共に、特には外槽の底部外面の補強と併せて排水路
形成部材の接合ができる合理さを得ることができる。

【００２９】請求項８の洗濯機によれば、、排水路に水
が溜まるときや、そこに水が流れるときの荷重を排水路
形成部材のみならず機構部取付台でも受けることができ
て、耐久性を高くすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す主要部分の縦断面図

【図２】全体の破断側面図

【図３】主要部分の組立前状態の縦断面図

【図４】主要部分の組立前状態の斜視図

【図５】本発明の第２実施例を示す図１相当図

【図６】本発明の第３実施例を示す図３相当図

【図７】本発明の第４実施例を示す図３相当図

【図８】本発明の第５実施例を示す図４相当図

【図９】一部の拡大斜視図

【図１０】従来例を示す図２相当図

【図１１】図４相当図

【符号の説明】

１２は外槽、１４は内槽、１６は孔（脱水用開口部）、
１９は排水口、２６は排水路形成部材、３２はパッキ
ン、３３はねじ、３４は機構部取付台、４４は排水弁、
４５は排水路、５１はエアトラップ、２６ａは延長部、
５２は熱溶着、５３は凹部、５４は凸部、５５は熱溶
着、５６はリブを示す。

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 外槽の内部に内槽を具えると共に、その
   内槽の底部に形成された排水口と、外槽の外部に位置す
   る排水弁、及びこれらをつなぐ排水路を形成する排水路
   形成部材を具え、その排水路形成部材を外槽の底部外面
   に水密に接合して設けたことを特徴とする洗濯機。
2. 【請求項２】 内槽がその内部にのみ貯水して洗濯を行
   ない、回転されることにより脱水をするものであって、
   内槽の排水口が内槽の底部の中心部に形成され、排水路
   形成部材で形成される排水路がその排水口と排水弁とを
   つなぐものであることを特徴とする請求項１記載の洗濯
   機。
3. 【請求項３】 外槽の外側部に水位検知用のエアトラッ
   プが下面部を開放して形成され、排水路形成部材がその
   開放部にも接合されて該開放部を水密に閉塞することを
   特徴とする請求項１記載の洗濯機。
4. 【請求項４】 排水路形成部材が周囲部にパッキンを介
   在させて外槽の底部外面にねじ止めにより接合されたこ
   とを特徴とする請求項１記載の洗濯機。
5. 【請求項５】 排水路形成部材及び外槽が合成樹脂製
   で、排水路形成部材が外槽の底部外面に熱溶着により接
   合されたことを特徴とする請求項１記載の洗濯機。
6. 【請求項６】 排水路形成部材が外槽の底部外面に凹部
   と凸部との嵌合を伴って該嵌合部を熱溶着することによ
   り接合されたことを特徴とする請求項５記載の洗濯機。
7. 【請求項７】 排水路形成部材が外槽の底部外面に形成
   されたリブに嵌合されて該嵌合部を熱溶着することによ
   り接合されたことを特徴とする請求項５記載の洗濯機。
8. 【請求項８】 外槽の底部外面に排水路形成部材を受け
   るようにして機構部取付台を取付けたことを特徴とする
   請求項１記載の洗濯機。